JP2001267049A - 線状発熱体、その製造方法、床暖房装置、電気カーペット及び暖房便座 - Google Patents

線状発熱体、その製造方法、床暖房装置、電気カーペット及び暖房便座

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JP2001267049A
JP2001267049A JP2000075744A JP2000075744A JP2001267049A JP 2001267049 A JP2001267049 A JP 2001267049A JP 2000075744 A JP2000075744 A JP 2000075744A JP 2000075744 A JP2000075744 A JP 2000075744A JP 2001267049 A JP2001267049 A JP 2001267049A
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heating element
linear heating
linear
heat generating
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JP2000075744A
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Hidekazu Shimomori
英一 下森
Tsuyoshi Yamamoto
強 山本
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B2203/00Aspects relating to Ohmic resistive heating covered by group H05B3/00
    • H05B2203/026Heaters specially adapted for floor heating

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  • Toilet Supplies (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)
  • Central Heating Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】設置場所が制限されない線状発熱体及びその製
造方法、並びに、その線状発熱体を用いた床暖房装置、
電気カーペット及び暖房便座を提供すること。 【解決手段】2本の金属芯線部11に発熱組成物を被覆
して正温度係数特性を有する発熱部12が形成され、金
属芯線部11は、可撓性を有するコア部14と、このコ
ア部14の周囲に設けられた導電部15とを備える。金
属芯線部11の中心に設けられたコア部14が可撓性を
有することで、線状発熱体10は折り曲げられ等して
も、この動きに導電部15が破断されることなく追随す
る。線状発熱体10は変形自在となるので、設置場所に
応じて変形すればよく、その設置場所が制限されない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正温度係数特性を
有する線状発熱体、その製造方法、並びに、線状発熱体
を用いた床暖房装置、電気カーペット及び暖房便座に関
するものである。
【0002】
【背景技術】従来、床暖房装置、電気カーペット、暖房
便座、その他の暖房装置は、ニクロム線や発熱物質を用
いて形成された発熱体を備えて構成されている。発熱体
として、ニクロム線を用いる場合には、発熱温度の調節
に給電の制御回路が必要となることから、そのような制
御回路を用いることなく発熱温度の調整を行うことがで
きる発熱体が使用されている。例えば、温度の上昇とと
もに電気抵抗値が増大する正温度係数特性(PTC特
性)を有する発熱組成物から面状発熱部を形成し、この
面状発熱部の両端部にそれぞれ電極を設けた面状発熱体
が知られている。この面状発熱体は、床暖房装置に組み
込まれており(特開平11-201483号)、さらに、道路、
電子機器あるいは鏡台等にも組み込まれている。
【0003】しかしながら、面状発熱体では、均熱板を
併せて暖房装置内部に組み込む必要があるため、暖房装
置の大型化及び高コスト化を招くことになる。この場
合、暖房装置が床暖房に用いられる等、比較的スペース
がある場所に面状発熱体と均熱板とが設置されることで
あれば、不都合はないが、電気機器の内部等の狭いスペ
ースに面状発熱体が均熱板と一緒に設置される場合に
は、不都合が生じる。そのため、従来では、互いに平行
に配置された複数本の金属芯線にそれぞれPTC特性を
有する発熱組成物を被覆して発熱層Aを形成し、これら
の発熱層Aの周りに前記発熱組成物とはPTC特性の異
なるPTC特性の発熱組成物を被覆して発熱層Bを形成
した線状発熱体がある(国際公開WO99/44391号)。この
線状発熱体では、互いに平行に配置された2本の金属芯
線は、電極を構成することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】国際公開WO99/44391号
で示される従来例では、電極を構成する金属芯線は、導
電性の高い金属,例えば、銅や銅合金からなる金属線
を、単線、あみ線、より線の形態で形成されるものであ
って、比較的硬質である。そのため、従来の線状発熱体
では、発熱体自体を曲げにくいという不都合がある。線
状発熱体を直線上に配置する場合では問題ないが、曲線
状等、特殊形状に配置することが困難となり、設置場所
が制限されるという問題点がある。また、線状発熱体の
内部に2本の電極線が平行に配置されており、これらの
間に発熱層が形成されているため、その構成上、発熱体
自体を細くするとしても、限界が生じる。
【0005】本発明の第1の目的は、設置場所が制限さ
れない線状発熱体及びその製造方法、並びに、その線状
発熱体を用いた安価な床暖房装置、電気カーペット及び
暖房便座を提供することにある。また、本発明の第2の
目的は、細くすることができる線状発熱体及びその製造
方法、並びに、その線状発熱体を用いた安価な床暖房装
置、電気カーペット及び暖房便座を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】そのため、第1の発明
は、複数本の金属芯線部を、可撓性を有するコア部と、
このコア部の周囲に設けられた導電部とから構成して第
1の目的を達成しようとするものである。また、第2の
発明は、電極を、金属芯線部と導電部とを同芯上に配置
して第2の目的を達成しようとするものである。
【0007】第1の目的を達成するため、第1の発明の
線状発熱体は、複数本の金属芯線部に、少なくとも熱可
塑性樹脂及び導電性粒子を含有する発熱組成物を被覆し
て正温度係数特性を有する発熱部が形成された線状発熱
体であって、前記金属芯線部は、可撓性を有するコア部
と、このコア部の周囲に設けられた導電部とを備えたこ
とを特徴とする。
【0008】第1の発明では、複数の金属芯線部のうち
2本の金属芯線部に電流を流すと、これらの金属芯線の
間にある発熱部が発熱する。この発熱部は、正温度係数
特性(PTC特性)を有するため、温度上昇とともに電
気抵抗値が増大し、一定温度になった時には、それ以上
電流が流れることがなく、過熱が防止される。
【0009】第1の発明では、金属芯線部の中心に可撓
性を有するコア部を配置したので、線状発熱体を折り曲
げる等しても、この動きに導電部が破断されることなく
コア部が追随する。従って、線状発熱体は変形自在であ
るから、設置場所が直線上である場合には、線状発熱体
を真っ直ぐ配置すればよく、設置場所が湾曲した場合で
は、線状発熱体を設置場所に合わせて湾曲すればよいの
で、線状発熱体の設置場所を問わない。
【0010】ここで、第1の発明では、前記コア部は、
ポリテトラフルオロエチレンをはじめとするテフロン
(登録商標)系樹脂(ポリフッ化エチレン系樹脂)又は
ポリエステル系樹脂から形成されている構成が好まし
い。この構成では、テフロン系樹脂又はポリエステル系
樹脂は耐熱性に優れているので、発熱部自体の温度が金
属芯線部に伝達されても、金属芯線部が変形、損傷等す
ることがない。そのため、線状発熱体での発熱温度を高
温とすることができる。
【0011】さらに、第1の発明では、前記複数本の金
属芯線部のうち隣り合う金属芯線部の相互の間隔は5mm
以内である構成が好ましい。金属芯線部の相互の間隔を
5mm以内としたのは、線状発熱体を十分に小型化すると
ともに、局部的な異常発熱を防止するためである。
【0012】第2の目的を達成するため、第2の発明の
線状発熱体は、金属芯線部に、少なくとも熱可塑性樹脂
及び導電性粒子を含有する発熱組成物を被覆して正温度
係数特性を有する発熱部が形成され、この発熱部の外周
部に導電部が設けられたことを特徴とする。
【0013】第2の発明では、金属芯線部と導電部とに
電流を流すと、これらの間にある発熱部が発熱する。第
1の発明と同様に、第2の発明では、発熱部が正温度係
数特性を有するので、温度上昇とともに電気抵抗値が増
大し、加熱温度が一定になった時には、それ以上電流が
流れることがなくなり、過熱防止が図れる。
【0014】第2の発明では、電極として使用される金
属芯線部と導電部とが同芯上に配置されているため、発
熱部の面積に対して線状発熱体の相対的な太さを細くで
きる。つまり、2本の電極を平行配置した構造では、直
線上に配置された一対の電極の間で発熱が行われるた
め、電極間の寸法を所定以上としなければ発熱部の面積
が確保できず、十分な発熱量を得ることができないが、
第2の発明では、中心部に位置する金属芯線部に対して
導電部が囲むように配置されているため、これらの電極
の間の寸法が短くても、十分な発熱部の面積を確保する
ことができる。
【0015】さらに、第1及び第2の発明では、前記発
熱部は、正温度係数特性の異なる複数種類の発熱層から
形成されることが好ましい。この構成では、発熱部を正
温度係数特性を異にする2種類の発熱層から構成するの
で、1種単独の発熱組成物から発熱部を構成する場合に
比べて、通電開始時の突入電流を大幅に抑制することが
できる。そのため、この突入電流による発熱部の損傷が
緩和されるので、線状発熱体の長寿命化を図ることがで
きる。同時に、各用途に用いる場合に大きな突入電流に
対するブレーカ、遅延リレースイッチ等の装置が不要に
なる。
【0016】また、第1及び第2の発明では、前記発熱
部の外周には絶縁外装部が設けられている構成が好まし
い。この構成では、発熱部の外周に設けられた絶縁外装
部によって、発熱部からの漏電を阻止することができ、
安全性が向上する。
【0017】さらに、第1及び第2の発明では、前記導
電部は螺旋状に設けられた導電線を備えていることが好
ましい。この構成では、導電線をコア部あるいは発熱部
に対して螺旋状に引き回すことで導電部の取付作業を簡
単に行うことができる。
【0018】第1の発明にかかる線状発熱体を製造する
ため、本発明の線状発熱体の製造方法は、それぞれコア
部の周囲に導電部を設けて複数の金属芯線部を成形し、
これらの金属芯線部に少なくとも熱可塑性樹脂及び導電
性粒子を含有する発熱組成物を押出成形法で被覆して正
温度係数特性を有する発熱部を形成することを特徴とす
る。
【0019】第2の発明にかかる線状発熱体を製造する
ため、本発明の線状発熱体の製造方法は、少なくとも熱
可塑性樹脂及び導電性粒子を含有する発熱組成物を金属
芯線部に押出成形法で被覆して正温度係数特性を有する
発熱部を形成し、この発熱部の外周部に導電部を設けた
ことを特徴とする。
【0020】前述の第1及び第2の線状発熱体を製造す
る方法の発明では、発熱組成物を金属芯線部に押出成形
によって被覆するため、線状発熱体の製造を効率良く行
うことができる。
【0021】前述の製造方法の発明では、前記金属芯線
部を加熱しながら前記発熱組成物を被覆する構成が好ま
しい。この構成では、金属芯線部が予め加熱されること
で、発熱組成物の金属芯線部への付着をスムーズに行う
ことができ、線状発熱体の製造を容易にすることができ
る。同時に、各用途に用いる場合に大きな突入電流に対
するブレーカ、遅延リレースイッチ等の装置が不要にな
る。
【0022】ここで、前記金属芯線部を加熱する温度
は、100℃以上200℃以下であることが好ましい。
加熱温度を100℃以上としたのは、発熱組成物の金属
芯線部への付着を十分に行うためである。一方、加熱温
度を200℃以下としたのは、金属芯線部自体の高温加
熱に伴う損傷を回避するためである。
【0023】また、本発明では、第1及び第2の発明に
かかる線状発熱体を備えて床暖房装置を構成するもので
もよい。第1の発明にかかる線状発熱体を備えて床暖房
装置を構成すれば、線状発熱体を床暖房装置の形状に合
わせて組み込むことができるので、床暖房装置の隅々ま
で加熱することができる。第2の発明にかかる線状発熱
体を備えて床暖房装置を構成すれば、線状発熱体を細く
できることから、床暖房装置を小型化することができ
る。
【0024】本発明の床暖房装置では、前記線状発熱体
に断熱材が隣接配置され、前記線状発熱体の断熱材とは
反対側に均熱板層が設けられた構成が好ましい。この構
成では、断熱材、線状発熱体及び均熱板層が重ね合わさ
れるサンドイッチ構造とされるため、断熱材によって暖
房効果を高めることができるとともに、均熱板層によっ
て加熱ムラをなくすことができる。なお、絶縁シートを
必要に応じて配置してもよい。この絶縁シートによって
漏電等の事故を未然に防止できる。
【0025】さらに、前記床暖房装置は、複数並べて配
置可能であり、複数が配置された状態で電気的に接続す
るためのコネクタが設けられていることが好ましい。こ
の構成では、床暖房装置を複数並べて配置し、かつ、コ
ネクタ同士を電気的に接続することで、大きな面積での
床暖房を達成することができる。さらに、前記線状発熱
体を覆う表面化粧板を備えた構成が好ましい。この構成
では、床暖房装置の上面が表面化粧板で覆われているた
め、複数の床暖房装置を並べても、外観が良好となる。
【0026】また、本発明では、第1及び第2の発明に
かかる線状発熱体を備えて電気カーペットを構成するも
のでもよい。第1の発明にかかる線状発熱体を備えて電
気カーペットを構成すれば、カーペット自体の可撓性を
十分に満たすことができるので、カーペットがしなやか
になる。第2の発明にかかる線状発熱体を備えて電気カ
ーペットを構成すれば、線状発熱体を細くできることか
ら、電気カーペットを小型化することができる。
【0027】本発明の電気カーペットでは、前記線状発
熱体は、カーペット本体と、均熱シートとに重ね合わさ
れた構成が好ましい。この構成では、カーペット本体、
線状発熱体及び均熱シートが重ね合わされるサンドイッ
チ構造とされるため、均熱シートによって加熱ムラをな
くすことができる。
【0028】また、本発明では、第1及び第2の発明に
かかる線状発熱体を備えて暖房便座を構成するものでも
よい。第1の発明にかかる線状発熱体を備えて暖房便座
を構成すれば、湾曲した便座部分の隅々に線状発熱体を
組み込むことで、暖房効率を高いものにすることができ
る。第2の発明にかかる線状発熱体を備えて暖房便座を
構成すれば、線状発熱体を細くできることから、線状発
熱体の設置密度を大きくすることで、暖房効率を高いも
のにすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。ここで、各実施形態において、
同一構成要素は同一符号を付して説明を省略もしくは簡
略にする。図1及び図2には本発明の第1実施形態にか
かる線状発熱体が示されている。図1は第1実施形態に
かかる線状発熱体10の要部斜視図であり、図2は、そ
の断面図である。
【0030】図1及び図2において、線状発熱体10
は、互いに対向配置された2本の金属芯線部11と、こ
の金属芯線部11に被覆された発熱部12と、この発熱
部12の外周部に被覆されたチューブ状の絶縁外装部1
3とから断面円形に形成されたコード状部材である。金
属芯線部11は、中心部に設けられたテフロン製の略円
柱状のコア部14と、このコア部14の周囲に設けられ
た導電部15とから構成されている。金属芯線部11
は、直径寸法が所定寸法(例えば、0.38mm)であり、隣
り合う金属芯線部11の相互の間隔は5mm以内、好まし
くは、0.05mm〜4mm(例えば、3mm)である。第1実施
形態では、2本の金属芯線部11が一対の電極として機
能する。
【0031】コア部14は、ポリテトラフルオロエチレ
ンをはじめとするテフロン系樹脂(ポリフッ化エチレン
系樹脂)又はポリエステル系樹脂から形成され、1本の
円柱状部材、あるいは、複数本の糸材を断面円柱状に束
ね又はよって形成されている。さらに、コア部14の断
面形状は図1及び図2で示される通り、円形のものでも
よく、あるいは、三角形、四角形等の多角形でもよく、
さらには、中空であっても、中空でなくてもよい。図1
及び図2では、2本のコア部14は同じ太さとされる。
導電部15は、導電線15Aをコア部14の外周に巻き
付けて螺旋状に形成されている。この導電線15Aは、
導電性の高い金属、例えば、銅や銅合金、金、銀、ニッ
ケル、アルミニウム等の金属線が好適に用いられ、必要
に応じて、銀、ニッケル、錫によるメッキ等のコート材
が表面に形成される。この導電線15Aは、単線でもよ
く、より線でもよい。
【0032】発熱部12は、2本の金属芯線部11の外
周部にそれぞれに被覆されたチューブ状の第1発熱層1
6と、これらの第1発熱層16の外周部にそれぞれ被覆
されたチューブ状の第2発熱層17と、この第2発熱層
17と絶縁外装部13との間に設けられた第3発熱層1
8とから構成されている。第1発熱層16は、外径寸法
が所定寸法(例えば、0.58mm)であり、断面厚肉寸法が
所定寸法(例えば、0.1mm)である。第2発熱層17
は、外径寸法が所定寸法(例えば、1.5mm)であり、断
面厚肉寸法が所定寸法(例えば、0.46mm)である。第3
発熱層18は、外径寸法が所定寸法(例えば、3mm)で
ある。
【0033】第1発熱層16、第2発熱層17及び第3
発熱層18は、少なくとも熱可塑性樹脂及び導電性粒子
を含有する発熱組成物を被覆して正温度係数特性(PT
C特性)を有する構成であるが、第1発熱層16と、第
2発熱層17及び第3発熱層18とは、正温度係数特性
の異なる発熱組成物から形成されている。第1発熱層1
6、第2発熱層17及び第3発熱層18に用いる熱可塑
性樹脂としては、結晶性熱可塑性樹脂が好ましく、具体
的には、ポリオレフィン樹脂及びその共重合樹脂、酢酸
ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール樹
脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ジェン系重合体、ポリ
フェニレンオキシド樹脂、ノニル樹脂、ポリスルフォン
樹脂等を挙げることができる。
【0034】前記ポリオレフィン樹脂としては、例え
ば、高密度ポリエチレン、中、低密度ポリエチレン、直
鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン類、アイソタ
クチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロ
ピレン等のポリプロピレン類、ポリブテン、4−メチル
ペンテン−1樹脂等を挙げることができる。ポリオレフ
ィン共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体
(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体等
のエチレン−アクリレート系共重合体、エチレン−塩化
ビニル共重合体等のオレフィンとビニル化合物との共重
合体及びフッ素含有エチレン系重合体、ならびに、これ
らの変成物も使用できる。
【0035】前記酢酸ビニル系樹脂としては、例えば、
酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセトアセタール、ポリビ
ニルブチラール等を挙げることができる。前記ポリアミ
ド樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン8、ナ
イロン11、ナイロン66、ナイロン610 等を挙げることが
できる。前記ポリアセタールは、単一重合体であっても
共重合体であってもよい。前記熱可塑性ポリエステル樹
脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート等を挙げることができる。ま
た、ジェン系重合体としては、トランス−1,3−ポリ
イソプレン、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジ
エン等のジエン系重合体及び共重合体等も使用すること
ができる。
【0036】前記各種の結晶性熱可塑性樹脂は、1種単
独で用いてもよいし、2種以上をポリマーブレンド等と
して併用してもよい。もっとも、前記各種の結晶性熱可
塑性樹脂の中でも、高密度ポリエチレン、低密度ポリエ
チレン、直鎖状ポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のオ
レフィン系共重合体やトランス−1,4−ポリイソプレ
ン等が好ましい。前記各種の結晶性熱可塑性樹脂は、必
要に応じて他のポリマーや添加物との組成物として使用
することもできる。
【0037】前記導電性粒子としては、例えば、カーボ
ンブラック粒子、グラファイト粒子等の粒状物、鉄(F
e)、ニッケル(Ni)、プラチナ(Pt)、銅(Cu)、銀
(Ag)、金(Au)等の金属微粒子、金属粉体、金属酸化
粉体等の粉状物、炭素繊維等の繊維状物、導電性無機材
料(In-Sn-O等)、チタン酸バリウム(BaTiO3),チタ
ン酸ストロンチウム(SrTiO3)等の正温度係数特性を有
する無機材料等を挙げることができる。これらの中でも
カーボンブラック粒子、グラファイト粒子等の粒状物、
特に、カーボンブラック粒子が好ましい。前記各種の導
電性粒子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混
合物として併用してもよい。導電性粒子の粒径として
は、特に制限はないが、例えば、平均粒径が通常10〜20
0 nm、好ましくは、15〜100 nmである。導電性粒子が繊
維状である場合には、そのアスペクト比は通常1〜100
0、好ましくは、1〜100 程度である。
【0038】前記結晶性樹脂と導電性粒子との配合割合
は、重量比として、通常、10〜80:90〜20、好ましく
は、55〜75:45〜25である。導電性粒子の配合割合がこ
の範囲より少ないと発熱部12の抵抗値が大きくなり、
線状発熱体10が実用上、十分に発熱しないことがあ
り、一方、導電性粒子の配合割合がこの範囲より多いと
正温度係数特性が十分に発現しないことになる。発熱組
成物中の熱可塑性結晶性樹脂を架橋して発熱組成物を硬
化させることが好ましい。この発熱組成物を硬化させる
と、正温度特性が改良されるとともに、面状発熱体の熱
変形あるいは熱軟化等による不良を防止することができ
る。
【0039】結晶性熱可塑性樹脂の架橋は、架橋剤及び
/又は放射線を利用して行うことができる。前記架橋剤
は、結晶性熱可塑性樹脂の種類に応じて、有機過酸化
物、硫黄化合物、オキシム類、ニトロソ化合物、アミン
化合物、ポリアミン化合物等から適宜選択して決定する
ことができる。例えば、前記結晶性熱可塑性樹脂がポリ
オレフィン系樹脂等である場合には、好適な架橋剤とし
て、例えば、有機過酸化物を利用することができる。こ
の有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキ
シド、ラウロイルパーオキシド、ジクミルパーオキシ
ド、tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルパーオキ
シベンゾエート、tert−ブチルクミルパーオキシド、te
rt−ブチルヒドロパーオキシド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、
1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)
ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−
4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、
2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ブタン、tert
−ブチルペルオキシベンゼン等を挙げることができる。
【0040】これらの中でも、特に、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3
等が好ましい。なお、これらの各種の有機過酸化物は1
種単独で使用してもよいし、必要に応じて、トリアリル
シアヌレートやジビニルベンゼン、トリアリルイソシア
ヌレート等の架橋補助剤を添加してもよい。前記有機過
酸化物の使用割合は、前記結晶性樹脂100 重量部に対し
て、通常、0.01〜5重量部、好ましくは、0.05〜2重量
部である。この割合が0.01重量部未満では、架橋化が不
十分となり、正温度係数特性が十分に発現しなかった
り、高温領域での抵抗の低下がみられる等の問題が生じ
やすい。一方、5重量部を越えると、架橋化度が高くな
りすぎて、成形性が低下したり、正温度係数特性の低下
する現象がみられることになる。
【0041】第1発熱層16に用いる発熱組成物は、そ
の正温度係数特性における抵抗の立上がり倍率が、第2
発熱層17及び第3発熱層18の発熱組成物の抵抗の最
大立上がり倍率を示す温度以下の範囲において、第1発
熱層16の発熱組成物の抵抗立上がり倍率よりも低く、
好ましくは、0.5倍以下となるように、熱可塑性樹脂と
導電性粒子の種類や配合比率等を調整した発熱組成物を
用いる。この場合、前記に代えて、第1発熱層16に用
いる発熱組成物の抵抗温度特性における抵抗値の立上が
り開始温度が、第2発熱層17及び第3発熱層18の発
熱組成物の抵抗値の立上がり開始温度よりも高い温度、
好ましくは、5℃以上高い温度となるように熱可塑性樹
脂と導電性粒子の種類や配合比率等を調整した発熱組成
物を用いても良い。ここで、正温度係数特性における抵
抗値の立上がり倍率とは、横軸を温度、縦軸を抵抗値と
して、発熱組成物の昇温時の抵抗値をプロットした時、
抵抗値の最大値の最小値に対する倍率である。また、抵
抗温度特性における抵抗値の立上がり開始温度とは、前
記発熱組成物の室温(23℃)における抵抗値の2倍の
抵抗値を示す時の温度である。
【0042】絶縁外装部13は、外径寸法が所定寸法
(例えば、4mm)であり、断面厚肉寸法が所定寸法(例
えば、0.5mm)である。絶縁外装部13の材質は、電気
的な絶縁層として機能する合成樹脂が使用される。この
合成樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリカー
ボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、その他のオ
レフィン系樹脂を例示できる。
【0043】次に、第1実施形態にかかる線状発熱体1
0の製造方法を図3に基づいて説明する。図3におい
て、2本のコア部14は、それぞれロール51から繰り
出されており、これらのコア部14の外周には、ロール
52から繰り出された導電線15Aが螺旋状に巻き付け
られて金属芯線部11が形成される。2本の金属芯線部
11は、それぞれヒータ53で加熱される。ヒータ53
での金属芯線部11の加熱温度は100℃以上200℃
以下、好ましくは、120℃以上180℃以下である。
加熱温度が100℃未満であると、発熱組成物の金属芯
線部11への付着が十分に行えない。一方、加熱温度が
200℃を越えると、金属芯線部11自体が高温加熱に
伴って損傷する虞れがある。
【0044】ヒータ53で加熱された金属芯線部11は
第1の押出装置54に送られる。この第1の押出装置5
4では、金属芯線部11の外周に発熱組成物を被覆して
第1発熱層16を成形する。ここで、第1発熱層16の
被覆時の共押出成形温度は、樹脂最高融点温度(MP)
より20〜200℃高い範囲であり、好ましくは、50
〜110℃の間である。ここで、樹脂最高融点温度とは
樹脂ブレンドや共重合等の場合融点が多数存在する場合
があり、この場合の最高温度の融点をさす。樹脂最高融
点温度が20℃未満の場合、樹脂の融点が不十分とな
り、安定的な製造、生産ができない。共押出する線速度
は、5〜350m/minであり、好ましくは、70〜200m/mi
nである。さらに、共押出圧力は100kgf/cm2(これをS
I単位系に換算すると、9806650 Pa)である。
【0045】その後、第1の発熱層16の外周に第2発
熱層17を第2の押出装置55で被覆する。第2の押出
装置55における共押出条件は第1の押出装置54にお
ける条件と同じである。それぞれ第1発熱層16及び第
2発熱層17が被覆された2本の金属芯線部11は、捻
り成形装置56によって互いに捻られて1本となる。そ
の後、第3の押出装置57によって第2発熱層17の外
周に第3発熱層18が被覆されて正温度係数特性を有す
る発熱部12が成形される。この第3の押出装置57に
おける共押出条件は第1の押出装置54における条件と
同じである。発熱部12の外周には第4の押出装置58
によって絶縁外装部13が押出成形法によって被覆さ
れ、これにより、線状発熱体10が成形される。この線
状発熱体10はロール59に巻き取られる。
【0046】従って、第1実施形態によれば、次の作用
効果がある。 (1)2本の金属芯線部11に発熱組成物を被覆して正温
度係数特性を有する発熱部12が形成され、この金属芯
線部11は、可撓性を有するコア部14と、このコア部
14の周囲に設けられた導電部15とを備えて線状発熱
体10が構成されているので、金属芯線部11の中心に
設けられたコア部14が可撓性を有することで、線状発
熱体10は折り曲げられ等しても、この動きに導電部1
5が破断されることなく追随する。従って、線状発熱体
10は変形自在となるので、設置場所に応じて変形すれ
ばよく、そのため、線状発熱体10の設置場所が制限さ
れない。
【0047】(2)コア部14は耐熱性に優れたテフロン
系樹脂又はポリエステル系樹脂から形成されているの
で、発熱部12自体の温度が金属芯線部11に伝達され
ても、金属芯線部11が変形、損傷等することがない。
従って、線状発熱体10での発熱温度を高くすることが
できる。 (3)2本の金属芯線部11の相互の間隔が5mm以内であ
るので、線状発熱体10を十分に小型化することが可能
となる。 (4)発熱部12は、正温度係数特性の異なる第1発熱層
16と第2及び第3発熱層17,18とから形成される
ので、1種単独の発熱組成物から発熱部を構成する場合
に比べて、通電開始時の突入電流を大幅に抑制すること
ができる。従って、この突入電流による発熱部の損傷が
緩和されることから、線状発熱体10の長寿命化を図る
ことができる。同時に、各用途に用いる場合に大きな突
入電流に対するブレーカ、遅延リレースイッチ等の装置
が不要になる。
【0048】(5)発熱部12の外周には絶縁外装部13
が設けられているので、発熱部12からの漏電を阻止す
ることができ、安全性が向上する。 (6)導電部15は螺旋状に設けられた導電線15Aから
形成されているので、導電線15Aをコア部14に対し
て螺旋状に引き回すことで導電部15の取付作業を簡単
に行うことができる。 (7)2本のコア部14が同じ太さであるため、部品の共
通化が図れ、線状発熱体10の製造コストを低いものに
できる。
【0049】(8)第1実施形態では、2本のコア部14
の周囲に導電部15をそれぞれ設けて金属芯線部11を
成形し、これらの金属芯線部11に発熱組成物を押出成
形法で被覆して正温度係数特性を有する発熱部12を形
成して線状発熱体10を製造するため、被覆作業を連続
して行うことが可能となり、線状発熱体10の製造を効
率良く行うことができる。
【0050】(9)線状発熱体10を製造するにあたり、
金属芯線部11を加熱しながら発熱組成物を被覆するか
ら、金属芯線部11が予め加熱されることで、発熱組成
物の金属芯線部11への付着をスムーズに行うことがで
き、線状発熱体10の製造を容易にすることができる。 (10)金属芯線部11を加熱する温度を、100℃以上2
00℃以下としたので、発熱組成物の金属芯線部11へ
の付着を十分に行うことができるとともに、金属芯線部
11自体の高温加熱に伴う損傷を回避することができ
る。
【0051】次に、本発明の第2実施形態を図4及び図
5に基づいて説明する。第2実施形態は一対の電極を同
芯上に配置した点が第1実施形態と異なるもので、他の
構造は第1実施形態と同じである。図4及び図5には本
発明の第2実施形態にかかる線状発熱体が示されてい
る。図4は第2実施形態にかかる線状発熱体20の要部
斜視図であり、図5は、その断面図である。
【0052】図4及び図5において、線状発熱体20
は、金属芯線部21と、この金属芯線部21の外周に被
覆された正温度係数特性を有する発熱部22と、この発
熱部22の外周部に設けられた導電部23と、この導電
部23の外周に被覆されたチューブ状の絶縁外装部13
とから断面円形に形成されたコード状部材である。金属
芯線部21は、導電線15Aを撚ることで、直径寸法が
所定寸法(例えば、0.38mm)の略円柱状に形成されてい
る。この金属芯線部21の断面形状は図4及び図5で示
される通り、円形のものでもよく、あるいは、三角形、
四角形等の多角形でもよく、さらには、中空であって
も、中空でなくてもよく、金属芯線部11の構造と同じ
であってもよい。
【0053】発熱部22は、金属芯線部21の外周部に
被覆されたチューブ状の第1発熱層16と、この第1発
熱層16の外周部に被覆されたチューブ状の第2発熱層
27とから構成されている。第2発熱層27は、外径寸
法が所定寸法(例えば、1.8mm)である。第2発熱層2
7は第1実施形態の第2発熱層17と同一の発熱組成物
から成形される。そのため、第1発熱層16と第2発熱
層27とは、正温度係数特性の異なる発熱組成物から形
成されていることになる。導電部23は、導電線15A
を発熱部22の外周に巻き付けて螺旋状に形成されてい
る。導電部23は、外径寸法が所定寸法(例えば、2m
m)である。第2実施形態では、金属芯線部21と導電
部23とが一対の電極として機能する。絶縁外装部13
は、外径寸法が所定寸法(例えば、4mm)である。
【0054】次に、第2実施形態にかかる線状発熱体2
0の製造方法を図6に基づいて説明する。図6におい
て、ロール61から繰り出された金属芯線部21は、ヒ
ータ53で加熱され、その後、第1の押出装置54に送
られる。この第1の押出装置54では、金属芯線部21
の外周に発熱組成物を被覆して第1発熱層16を成形す
る。その後、第1の発熱層16の外周に第2発熱層27
を第2の押出装置55で被覆することで、正温度係数特
性を有する発熱部22を成形する。発熱部22の外周に
は、ロール52から繰り出された導電線15Aが螺旋状
に巻き付けられて導電部23が形成される。導電部23
の外周には第4の押出装置58によって絶縁外装部13
が押出成形法によって被覆され、これにより、線状発熱
体20が成形される。この線状発熱体20はロール69
に巻き取られる。
【0055】従って、第2実施形態によれば、第1実施
形態の(4)(5)(6)(9)(10)と同様の作用効果を奏すること
ができる他に、次の作用効果を奏することができる。 (11)金属芯線部21に発熱組成物を被覆して正温度係数
特性を有する発熱部22が形成され、この発熱部22の
外周部に導電部23が設けられたから、中心部に位置す
る金属芯線部21に対して導電部23が囲むように配置
されていることになり、金属芯線部21と導電部23と
の間の寸法が短くても、十分な発熱部22の面積を確保
することができる。そのため、線状発熱体20を細くで
きる。 (12)第2実施形態では、発熱組成物を金属芯線部21に
押出成形法で被覆して正温度係数特性を有する発熱部2
2を形成し、この発熱部22の外周部に導電部23を設
けて線状発熱体20を製造するため、被覆作業を連続し
て行うことが可能となり、線状発熱体20の製造を効率
良く行うことができる。
【0056】次に、前記各実施形態の線状発熱体10,
20を備えた床暖房装置について、図7及び図8に基づ
いて説明する。図7は床暖房装置の断面図であり、図8
は、線状発熱体の配線図である。図7及び図8におい
て、床暖房装置は、木枠30Aと、線状発熱体10と、
この線状発熱体10の下面に隣接し木枠30Aの内部に
収納された断熱材31と、線状発熱体10の断熱材31
とは反対側に配置された絶縁シート32と、この絶縁シ
ート32に重ね合わされた均熱板層33とを備えたパネ
ル状の床暖房ユニット30である。
【0057】断熱材31は、ポリウレタン等の断熱性を
有する合成樹脂から所定の厚さ寸法(例えば、9mm)を
有する略板状に形成されており、その裏面に不織布が必
要に応じて設けられている。絶縁シート32は、ポロプ
ロピレン(PP)の所定厚さ寸法(例えば、0.8mm)のシ
ート材であり、その裏面には線状発熱体10が図示しな
い両面テープで貼付されている。本実施形態では、電気
的な絶縁機能を有する素材であれば、ポリプロピレン以
外の合成樹脂シートを用いてもよい。
【0058】線状発熱体10は蛇行配列されてヒータエ
レメント10Aが構成されており、このヒータエレメン
トは10Aは断熱材31の上で3列に並んで配置され、
コネクタ34に接続されている。図7及び図8では、第
1実施形態にかかる線状発熱体10が用いられている
が、本実施形態では、線状発熱体10に代えて、又は、
線状発熱体10に加えて第2実施形態の線状発熱体20
を用いてもよい。さらに、本実施形態では、複数枚の床
暖房ユニット30を並べて配置し、これらのコネクタ3
4同士を接続するものでもよい。各ヒータエレメント1
0Aにおいて隣り合う線状発熱体10の間隔dは、2cm
〜5cmであり、好ましくは、1cmである。なお、図で
は、線状発熱体10が蛇行配置されている状態を理解し
やすくするために、隣り合う線状発熱体10の間隔をあ
けて示している。均熱板層33は、アルミニウムの所定
厚さ寸法(例えば、0.05mm)の平板から形成されてい
る。
【0059】従って、この構成の床暖房ユニット30で
は次の作用効果を奏することができる。 (13)第1実施形態の線状発熱体10を備えて床暖房ユニ
ット30を構成すれば、線状発熱体10を床暖房ユニッ
ト30の形状に合わせて組み込むことができるので、床
暖房ユニット30の隅々まで加熱することができる。換
言すれば、線状発熱体10を蛇行配置することで線状発
熱体10の配置密度を大きくすることができるので、床
暖房ユニット30で大きな発熱量を確保することができ
る。 (14)第2実施形態の線状発熱体20を備えて床暖房ユニ
ット30を構成すれば、線状発熱体20を細くできるこ
とから、床暖房ユニット30を小型化することができ
る。換言すれば、線状発熱体20の配置密度を大きくす
ることができるので、床暖房ユニット30で大きな発熱
量を確保することができる。
【0060】(15)床暖房ユニット30は、線状発熱体1
0,20に断熱材31が隣接配置され、線状発熱体1
0,20の断熱材31とは反対側に均熱板層33が設け
られたサンドイッチ構造とされるため、断熱材31によ
って暖房効果を高めることができるとともに、均熱板層
33によって加熱ムラをなくすことができる。しかも、
絶縁シート32を設けたから、漏電等の事故を未然に防
止できる。 (16)床暖房ユニット30は、複数並べて配置可能であ
り、複数が配置された状態で電気的に接続するためのコ
ネクタ34が設けられているので、これらのコネクタ3
4同士を電気的に接続することで、大きな面積での床暖
房を達成することができる。
【0061】次に、前記各実施形態の線状発熱体10,
20を備えた床暖房装置の異なる実施形態について、図
9及び図10に基づいて説明する。図9は床暖房装置の
分解斜視図であり、図10は、複数枚の床暖房装置を並
べた状態の斜視図である。図9において、床暖房装置
は、パネル本体36と、このパネル本体36の上に配置
されたヒータエレメント10Aと、このヒータエレメン
ト10Aの上に設けられたフローリング等の表面化粧板
37と、ヒータエレメント10Aに接続されたコネクタ
34とを備えた所定厚さ寸法(例えば、12mm)の床暖房
パネル35である。
【0062】コネクタ34は、パネル本体36の内部に
収納されており、パネル本体36に重ね合わされた際に
外部にコネクタ34が露出するようにするため、表面化
粧板37には切欠き37Aが形成されている。床暖房パ
ネル35は、図10に示される通り、複数枚(図10で
は3枚)が並べて配置可能である。本実施形態では、床
暖房ユニット30と同様に、線状発熱体10を挟んで配
置される断熱材及び絶縁シートと、この絶縁シートに重
ね合わされる均熱板層とを備えて構成してもよい。ま
た、第1実施形態の線状発熱体10に代えて、又は、線
状発熱体10に加えて第2実施形態の線状発熱体20を
用いてもよい。さらに、隣り合う線状発熱体10の間隔
dは、2cm〜5cmであり、好ましくは、1cmである。な
お、図では、線状発熱体10が蛇行配置されている状態
を理解しやすくするために、隣り合う線状発熱体10の
間隔をあけて示している。
【0063】従って、この構成の床暖房パネル35では
床暖房ユニット30の(13)から(16)の作用効果を奏する
ことができる他に、次の作用効果を奏することができ
る。 (17)パネル本体36にコネクタ34が内蔵されており、
このコネクタ34が露出するように表面化粧板37に切
欠き37Aが形成されているため、コネクタ34をパネ
ル本体36から離して設けなくても複数枚の床暖房パネ
ル35を隙間無くきれいに並べることができる。さら
に、表面化粧板37が線状発熱体10を覆っているの
で、複数枚の床暖房パネル35を並べて床を形成する際
に、床の外観が良好となる。
【0064】次に、前記各実施形態の線状発熱体10,
20を備えた床暖房装置のさらに異なる実施形態につい
て、図11に基づいて説明する。図11は床暖房装置の
分解斜視図である。図11において、床暖房装置は、蓋
材41Aを備えた箱状体41と、この箱状体41の蓋材
41Aの下面に取り付けられヒータエレメント10A
と、このヒータエレメント10Aと蓋材41Aとの間に
介装された均熱板層33と、箱状体41の底部に収納さ
れた断熱材31とを備えた所定厚さ寸法(例えば、12m
m)の床暖房パネル40である。この床暖房パネル40
には必要に応じてヒータエレメント10Aの温度調節用
の温度センサーや漏電防止用のアースを設けても良い。
また、前記実施形態と同様に、床暖房パネル40は、コ
ネクタを備え、かつ、複数枚が並べて配置される構成と
してもよい。
【0065】箱状体41は、木材、金属、その他の材質
から形成されるもので、他の床パネルとともに床を構成
するものである。蓋材41Aの上面には必要に応じてカ
ーペット、絨毯等が敷設されている。蓋材41Aは表面
を仕上げ加工した床表面材である。本実施形態で適用さ
れる床構造は特に限定されるものではなく、コンクリー
ト床、根太直付き床、荒床等の床構造が含まれる。ま
た、床暖房装置を床の上に施工するものでもよい。床パ
ネルはフローリング、Pタイル、コルクタイル、石材、
畳、絨毯・カーペット、塩ビシート等から形成される。
【0066】ヒータエレメント10Aは蓋材41Aの上
方に位置する被加熱部を直接加熱する直熱式であり、線
状発熱体10を蛇行配置して形成されている。隣り合う
線状発熱体10の間隔dは、2cm〜5cmであり、好まし
くは、1cmである。なお、図では、線状発熱体10が蛇
行配置されている状態を理解しやすくするために、隣り
合う線状発熱体10の間隔をあけて示している。本実施
形態では、第1実施形態の線状発熱体10に代えて、又
は、線状発熱体10に加えて第2実施形態の線状発熱体
20を用いてもよい。
【0067】本実施形態では、線状発熱体10は、ヒー
タ温度75℃での発熱量PがP(75℃)≦40W/m
2である。この条件を満たさない場合、通常考えられる
熱閉塞状態(絨毯、カーペットあや布団等による断熱)
において、75℃を越えて昇温する可能性があり、床材
が反ったり変色したりする。線状発熱体10はヒータ温
度30℃での発熱量PがP(30℃)≧90W/m 2
好ましくは、P(30℃)≧100W/m2である。こ
の条件を満たさない場合、床暖房に必要な熱量が得られ
ない。線状発熱体10は、その周囲温度が抵抗値の最大
値を示す温度以上で140℃以下の温度範囲での発熱量
の最大値PmaxがPmax≦0.40W/m2である。この
条件を満たさない場合、外部からの加熱で異常に高温に
なった時にヒータの発熱による昇温の可能性がある。線
状発熱体10は、その周囲温度が0℃での突入電流値I
がI(0℃)≦7A/m2である。以上の条件は発熱組
成物の成分、配合比等を設定することにより決定され
る。
【0068】従って、この構成の床暖房パネル40では
床暖房ユニット30の(13)から(16)の作用効果を奏する
ことができる他に、次の作用効果を奏することができ
る。 (18)線状発熱体10は、ヒータ温度75℃での発熱量P
がP(75℃)≦40W/m2としたから、熱閉塞状
態、つまり、絨毯、カーペット、布団等でヒータから発
生する熱が籠もる場合において、温度が異常に上昇する
ことがない。 (19)線状発熱体10は、ヒータ温度30℃での発熱量P
がP(30℃)≧90W/m2であるから、床暖房に必
要な発熱量を得ることができる。
【0069】(20)線状発熱体10は、その周囲温度が抵
抗値の最大値を示す温度以上で140℃以下の温度範囲
での発熱量の最大値PmaxがPmax≦0.40W/m2
あるから、外部からの加熱で異常に高温になっても、線
状発熱体10が異常に加熱することがない。そのため、
サーモスタットや温度ヒューズ等の安全装置を別途設け
ることを要しない。 (21)線状発熱体10は、その周囲温度が0℃での突入電
流値IがI(0℃)≦7A/m2であるから、低温で通
電を開始した時の突入電流が小さくなり、ブレーカが作
動することがない。そのため、ブレーカ設計や遅延リレ
ー設計を容易に行うことができる。 (22)線状発熱体10は直熱式、つまり、被加熱部を直接
加熱する方式であるから、外部からの加熱状態を線状発
熱体10が直接検知することになり、ヒータの異常な昇
温を確実に阻止することができる。
【0070】次に、前記各実施形態の線状発熱体10,
20を備えた電気カーペットについて、図12に基づい
て説明する。図12は電気カーペットの分解斜視図であ
る。図12において、電気カーペット42は、カーペッ
ト本体43と、このカーペット本体43の上に重ね合わ
されたヒータエレメント10Aと、このヒータエレメン
ト10Aの上に重ね合わされた均熱シート44と、この
均熱シート44に重ね合わされたカバーシート45とか
ら構成されている。
【0071】ヒータエレメント10Aは線状発熱体10
を蛇行配置して形成されており、コントローラ46に接
続されている。隣り合う線状発熱体10の間隔dは、2
cm〜5cmであり、好ましくは、1cmである。なお、図で
は、線状発熱体10が蛇行配置されている状態を理解し
やすくするために、隣り合う線状発熱体10の間隔をあ
けて示している。本実施形態では、第1実施形態の線状
発熱体10に代えて、又は、線状発熱体10に加えて第
2実施形態の線状発熱体20を用いてもよい。カーペッ
ト本体43及びカバーシート45は、一般的に電気カー
ペットで使用される材質と同じ材質のものが使用され
る。均熱シート44は、アルミ、その他の蓄熱機能を有
する金属材料から形成される。
【0072】従って、この構成の電気カーペット42で
は次の作用効果を奏することができる。 (23)第1実施形態にかかる線状発熱体10を備えて電気
カーペット42を構成すれば、カーペット自体の可撓性
を十分に満たすことができるので、カーペットがしなや
かになり、搬送時に容易に丸めることができて便利であ
る。 (24)第2実施形態にかかる線状発熱体20を備えて電気
カーペット42を構成すれば、線状発熱体を細くできる
ことから、電気カーペット42を小型化することができ
る。 (25)電気カーペット42は、カーペット本体43と、線
状発熱体10,20と、均熱シート44とを重ねた構造
であるため、均熱シート44によって加熱ムラをなくす
ことができる。
【0073】次に、前記各実施形態の線状発熱体10,
20を備えた暖房便座について、図13に基づいて説明
する。図13(A)は暖房便座の背面図であり、図13
(B)は暖房便座の断面図である。図13において、暖
房便座46は、図示しない便器本体に回動自在に設けら
れた便座本体47と、この便座本体47の裏面に図示し
ない熱伝導性フィルムを介して設けられたヒータエレメ
ント10Aとを備えて構成される。
【0074】ヒータエレメント10Aは線状発熱体10
を蛇行配置して形成されており、図示しないコントロー
ラに接続されている。線状発熱体10は便座本体47の
湾曲した裏面に沿って両面テープ、その他の適宜な固定
手段により固定されている。隣り合う線状発熱体10の
間隔dは、2cm〜5cmであり、好ましくは、1cmであ
る。なお、図では、線状発熱体10が蛇行配置されてい
る状態を理解しやすくするために、隣り合う線状発熱体
10の間隔をあけて示している。本実施形態では、第1
実施形態の線状発熱体10に代えて、又は、線状発熱体
10に加えて第2実施形態の線状発熱体20を用いても
よい。
【0075】従って、この構成の暖房便座46では次の
作用効果を奏することができる。 (26)第1実施形態にかかる線状発熱体10を備えて暖房
便座46を構成すれば、湾曲した便座部分の隅々に線状
発熱体10を組み込むことで、暖房効率を高いものにす
ることができる。 (27)第2実施形態にかかる線状発熱体20を備えて暖房
便座46を構成すれば、線状発熱体20を細くできるこ
とから、線状発熱体20の設置密度を大きくすること
で、暖房効率を高いものにすることができる。
【0076】なお、本発明では、前記各実施の形態の構
成に限定されるものではなく、本発明の目的を達成でき
る範囲であれば次に示す変形例を含むものである。例え
ば、前記第1実施形態の線状発熱体10では、コア部1
4をテフロン系樹脂から形成したが、本発明では、可撓
性を有すれば、その具体的な材質は問わない。例えば、
紙、綿等の材質でもよい。但し、耐熱性を有する材質が
好ましい。また、2本の金属芯線部11の相互の間隔を
5mm以内としたが、本発明では、暖房装置の大きさや暖
房性能に応じて金属芯線部11の間隔を設定できる。
【0077】さらに、本発明では、発熱部12に3本以
上の複数本の金属芯線部11を設けるものであってもよ
い。この場合、複数本の金属芯線部11のうち2本は電
極として用いるものとし、残りの金属芯線部11は均熱
部材として用いる。また、2本のコア部14の大きさを
異なるものとすることができる。この場合、太いコア部
14の周りに細いコア部材14を螺旋状に配置するもの
でもよい。さらに、第2実施形態にかかる線状発熱体2
0では、金属の導電線15Aを撚って金属芯線部21を
形成したが、本発明では、金属芯線部として第1実施形
態の線状発熱体10で用いられる金属芯線部11を用い
てもよい。これによれば、線状発熱体20を細くできる
だけでなく、可撓性をもたせることもできる。
【0078】さらに、第1,2実施形態の線状発熱体1
0,20において、発熱部12,22は、正温度係数特
性を有するものであれば、1種類の発熱組成物から形成
されるものでもよい。また、第1実施形態の線状発熱体
10において、コア部14に導電線15Aを螺旋状に巻
き付けて導電部15を形成したが、本発明では、網線を
コア部14に巻き付けて導電部15を形成するものでも
よい。同様に、第2実施形態の線状発熱体20におい
て、発熱部22に導電線15Aを螺旋状に巻き付けて導
電部23を形成したが、本発明では、網線を発熱部22
に巻き付けて導電部23を形成するものでもよい。ま
た、線状発熱体10,20の断面形状は円形に限定され
るものではなく、楕円形、三角形、四角形、その他の多
角形でもよい。
【0079】また、本発明の線状発熱体10,20が適
用される装置は前記実施形態のものに限定されるもので
はない。例えば、本発明の線状発熱体は、自動車、その
他に用いられる座席シートの暖房装置、屋根、道路、そ
の他の土木・建築施設における融雪装置、配管、その他
の工業プラント用設備品の暖房装置、植木鉢、トレイ等
の園芸用設備品の暖房装置、日本酒、その他の飲料が入
った缶を暖める暖房装置、防寒着、ウェットスーツ、潜
水服、スキーウェア、スキーブーツ、その他の衣料品の
暖房装置、ベッド、ソファー、その他の家具の暖房装
置、寒冷地で使用する通信機、その他の電気機器の暖房
装置、井戸用ポンプ、水道管、その他の屋外機器の暖房
装置として用いられる。
【0080】
【発明の効果】第1の発明によれば、複数本の金属芯線
部に、少なくとも熱可塑性樹脂及び導電性粒子を含有す
る発熱組成物を被覆して正温度係数特性を有する発熱部
が形成された線状発熱体であって、前記金属芯線部は、
可撓性を有するコア部と、このコア部の周囲に設けられ
た導電部とを備えたから、線状発熱体を折り曲げる等し
ても、この動きに導電部が破断されることなくコア部が
追随するので、設置場所が制限されない。第2の発明に
よれば、金属芯線部に、少なくとも熱可塑性樹脂及び導
電性粒子を含有する発熱組成物を被覆して正温度係数特
性を有する発熱部が形成され、この発熱部の外周部に導
電部が設けられたから、発熱部の面積に対して線状発熱
体の相対的な太さを細くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる線状発熱体の要
部斜視図である。
【図2】前記線状発熱体の断面図である。
【図3】前記線状発熱体の製造方法を説明する概略図で
ある。
【図4】本発明の第2実施形態にかかる線状発熱体の要
部斜視図である。
【図5】前記線状発熱体の断面図である。
【図6】前記線状発熱体の製造方法を説明する概略図で
ある。
【図7】線状発熱体を適用した床暖房装置の一例を示す
断面図である。
【図8】前記床暖房装置の線状発熱体の配線図である。
【図9】線状発熱体を適用した床暖房装置の異なる例を
示す分解斜視図である。
【図10】前記床暖房装置を複数並べた状態を示す斜視
図である。
【図11】線状発熱体を適用した床暖房装置のさらに異
なる例を示す分解斜視図である。
【図12】線状発熱体を適用した電気カーペットの一例
を示す分解斜視図である。
【図13】(A)は線状発熱体を適用した暖房便座の一
例を示す背面図であり、(B)は、その断面図である。
【符号の説明】
10,20 線状発熱体 11,21 金属芯線部 12,22 発熱部 13 絶縁外装部 14 コア部 15,23 導電部 16 第1発熱層 17,27 第2発熱層 18 第3発熱層 30 床暖房ユニット(床暖房装置) 31 断熱材 32 絶縁シート 33 均熱板層 34 コネクタ 35,40 床暖房パネル(床暖房装置) 42 電気カーペット 43 カーペット本体 44 均熱シート 46 暖房便座
フロントページの続き Fターム(参考) 2D037 AD03 3K092 PP05 QA03 QB21 QB26 QB65 QB72 QC02 QC16 QC28 RE03 RE05 RE08 VV03 VV04 3L072 AA01 AB03 AB04 AC02 AD01 AD03 AD04 AD09

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の金属芯線部に、少なくとも熱可
    塑性樹脂及び導電性粒子を含有する発熱組成物を被覆し
    て正温度係数特性を有する発熱部が形成された線状発熱
    体であって、前記金属芯線部は、可撓性を有するコア部
    と、このコア部の周囲に設けられた導電部とを備えたこ
    とを特徴とする線状発熱体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の線状発熱体において、
    前記コア部はテフロン系樹脂又はポリエステル系樹脂か
    ら形成されていることを特徴とする線状発熱体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の線状発熱体にお
    いて、前記複数本の金属芯線部のうち隣り合う金属芯線
    部の相互の間隔は5mm以内であることを特徴とする線状
    発熱体。
  4. 【請求項4】 金属芯線部に、少なくとも熱可塑性樹脂
    及び導電性粒子を含有する発熱組成物を被覆して正温度
    係数特性を有する発熱部が形成され、この発熱部の外周
    部に導電部が設けられたことを特徴とする線状発熱体。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかに記載の線状
    発熱体において、前記発熱部は、正温度係数特性の異な
    る複数種類の発熱層から形成されることを特徴とする線
    状発熱体。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載の線状
    発熱体において、前記発熱部の外周には絶縁外装部が設
    けられていることを特徴とする線状発熱体。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載の線状
    発熱体において、前記導電部は螺旋状に設けられた導電
    線を備えていることを特徴とする線状発熱体。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,3,5,6,7のいずれ
    かに記載の線状発熱体を製造する方法であって、それぞ
    れコア部の周囲に導電部を設けて複数の金属芯線部を成
    形し、これらの金属芯線部に少なくとも熱可塑性樹脂及
    び導電性粒子を含有する発熱組成物を押出成形法で被覆
    して正温度係数特性を有する発熱部を形成することを特
    徴とする線状発熱体の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項4から7のいずれかに記載の線状
    発熱体を製造する方法であって、少なくとも熱可塑性樹
    脂及び導電性粒子を含有する発熱組成物を金属芯線部に
    押出成形法で被覆して正温度係数特性を有する発熱部を
    形成し、この発熱部の外周部に導電部を設けたことを特
    徴とする線状発熱体の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項8又は9に記載の線状発熱体の
    製造方法において、前記金属芯線部を加熱しながら前記
    発熱組成物を被覆することを特徴とする線状発熱体の製
    造方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の線状発熱体の製造
    方法において、前記金属芯線部を加熱する温度は、10
    0℃以上200℃以下であることを特徴とする線状発熱
    体の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1から7のいずれかに記載の線
    状発熱体を備えたことを特徴とする床暖房装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の床暖房装置におい
    て、前記線状発熱体に断熱材が隣接配置され、前記線状
    発熱体の断熱材とは反対側に均熱板層が設けられたこと
    を特徴とする床暖房装置。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の床暖房装置は、複
    数並べて配置可能であり、複数が配置された状態で電気
    的に接続するためのコネクタが設けられていることを特
    徴とする床暖房装置。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の床暖房装置におい
    て、前記線状発熱体を覆う表面化粧板を備えたことを特
    徴とする床暖房装置。
  16. 【請求項16】 請求項1から7のいずれかに記載の線
    状発熱体を備えたことを特徴とする電気カーペット。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の電気カーペットに
    おいて、前記線状発熱体は、カーペット本体と、均熱シ
    ートとに重ね合わされたことを特徴とする電気カーペッ
    ト。
  18. 【請求項18】 請求項1から7のいずれかに記載の線
    状発熱体を備えたことを特徴とする暖房便座。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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