JP2001266660A - ケーブル用介在物、及びその介在物を用いたケーブル - Google Patents

ケーブル用介在物、及びその介在物を用いたケーブル

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JP2001266660A
JP2001266660A JP2000077421A JP2000077421A JP2001266660A JP 2001266660 A JP2001266660 A JP 2001266660A JP 2000077421 A JP2000077421 A JP 2000077421A JP 2000077421 A JP2000077421 A JP 2000077421A JP 2001266660 A JP2001266660 A JP 2001266660A
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Hideo Kasahara
英男 笠原
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Yazaki Corp
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Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーブルの製造工程における作業環境を良好
に保ち、ケーブル全般における介在物の使用量の削減を
図ってケーブルの軽量化を図ると共にコストの低減を図
り、火災時に介在物の熱収縮を小さく抑えるようにす
る。 【解決手段】 導体31の上に耐火層32を形成し、該
耐火層32の上に絶縁体33を被覆してなる絶縁線心3
4を2本以上撚り合わせ、プラスチック100重量部に
対し無機充填材を30〜200重量部配合してなる組成
物を延伸した後、加熱処理により収縮させて繊維状に形
成してなる介在物35を介在させて、最外層にシース3
7を被覆して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導体の上に絶縁体
を被覆してなる絶縁線心を2本以上撚り合わせ、介在物
を介在させて、最外層にシースを被覆して構成されるケ
ーブルの介在物及びその介在物を介在させて構成するケ
ーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ポリエチレン等を絶縁体に用い
たケーブル10は、図5に示す如く、導体1上にポリエ
チレン等からなる絶縁体2を被覆して構成される絶縁線
心3を2心以上撚り合わせ、無機充填剤を配合したポリ
オレフィン系樹脂によって構成される介在物4を介在し
て、この介在物4の上にセルロース系繊維によって形成
される押えテープ5及びポリオレフィン樹脂によって形
成されるシース6を施して構成してある。この従来のケ
ーブル10に用いられる介在物4には、プラスチック1
00%の介在物を用いたものや、ジュート、紙等が用い
られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ケーブルは、搬送する
に当たっては、ケーブルドラムに巻き付けて、このケー
ブルドラムを運搬して搬送している。このため、従来の
ケーブル10に用いられる介在物4にプラスチック10
0%の介在物を用いると、介在物のケーブルの単位長さ
当たりの使用量が非常に多くなり、ケーブルの単位長さ
当たりの重量が大きい。このためケーブルドラムに木を
使用するなど軽量化を図っているが限界があり、搬送コ
ストを引き下げるためにもケーブルそのものの軽量化が
望まれていた。さらに、このように従来のケーブル10
に用いられる介在物4にプラスチック100%の介在物
を用いると、介在物のケーブルの単位長さ当たりの使用
量が非常に多くなり、ケーブルの単位長さ当たりの重量
が大きくなる。このため従来のケーブル10は、ケーブ
ル全体としての重量が重くなり、電力送電に当って架空
電線に用いる場合、両側支持点間(鉄塔間)においては
所定の弛みを持たせて高架するため、特に、ケーブルの
重量が問題となり、送電線としてのケーブルの軽量化が
図れないという問題がある。また、介在物4にプラスチ
ック100%の介在物を用いたケーブル10を導体1と
絶縁体2との間に耐火層の形成された耐火ケーブルに用
いると、火災等によって加熱されると、プラスチック1
00%の介在物4が収縮し、耐火層がいじめられ、耐火
性能が低下するという問題がある。
【0004】またさらに、従来のケーブル10に用いら
れる介在物4に、ジュートを用いると、ケーブル10を
製造するに当たって、ジュートを介在させるに裁断され
たジュートの塵埃が発生し、ケーブル製造工程の作業環
境が良好に保たれないという問題がある。
【0005】本発明の目的は、ケーブルの製造工程にお
ける作業環境を良好に保ち、ケーブル全般における介在
物の使用量の削減を図ってケーブルの軽量化を図ると共
にコストの低減を図り、火災時に介在物の熱収縮を小さ
く抑えようということにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係るケーブル用介在物は、プラスチック100重量部に
対し無機充填材を30〜200重量部配合してなる組成
物を延伸した後、加熱処理により収縮させて繊維状に形
成したものである。プラスチックとしては、ポリ塩化ビ
ニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレ
ン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等
がある。また、無機充填材は、無機質の充填材のこと
で、無機充填材としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、クレー等がある。この無機充填材は、粉状で1
〜30ミクロンの大きさのものである。そして、炭酸マ
グネシウムは、結晶および非晶粒子が混在し、比重約
2.1の白色粉末である。また、クレーは、一般に粘土
といわれているもので、粘着性を有する微細な粒子の集
合体である。ここで、無機充填材の配合量をプラスチッ
ク100重量部に対して30〜200重量部配合すると
したのは、無機充填材の配合量が30重量部未満では、
増体積、減重量(単位体積当たりの重量低減)効果が殆
ど無く、無機充填材を200重量部を超えて配合すると
粘度が増加してプラスチックと無機充填材とが混ざり合
わず押出しがうまくできず介在物に加工するときの加工
性が低下し、介在物としての機械的物性が損なわれるか
らである。
【0007】このようにプラスチック100重量部に対
して無機充填材を30〜200重量部配合した組成物を
延伸し、しかる後、加熱処理により収縮させて繊維状に
形成する。このプラスチック100重量部に対して無機
充填材を30〜200重量部配合した組成物は、800
〜850%の倍率で延伸させ、しかる後、5〜50%の
収縮率で収縮させる。この介在物の成形は、通常の解繊
糸の製造方法で行われる。このようにプラスチック10
0重量部に対して無機充填材を30〜200重量部配合
した組成物を800〜850%の倍率にする延伸は、押
出成形プロセスにおいて、材料の融点以下の温度で成形
体を引き伸し、その引張り方向に分子を配向させる操作
で、プラスチック100重量部に対して無機充填材を3
0〜200重量部配合した組成物を延伸すると無機充填
材の粒子周囲に空隙が生じる。
【0008】このように構成するものであるから、本願
請求項1に記載の発明によると、ケーブルの製造工程に
おける作業環境を良好に保ち、ケーブル全般における介
在物の使用量の削減を図ってケーブルの軽量化を図ると
共にコストの低減を図り、火災時に介在物の熱収縮を小
さく抑えることができる。
【0009】請求項2記載の発明に係るケーブル用介在
物を用いたケーブルは、導体の上に絶縁体を被覆してな
る絶縁線心を2本以上撚り合わせ、プラスチック100
重量部に対し無機充填材を30〜200重量部配合して
なる組成物を延伸した後、加熱処理により収縮させて繊
維状に形成してなる介在物を介在させて、最外層にシー
スを被覆して構成したものである。このように800〜
850%の倍率に延伸した組成物(プラスチック100
重量部に対して無機充填材を30〜200重量部配合し
た組成物)は、加熱処理を施して5〜50%の収縮率で
収縮させる。この収縮は、一旦延伸した組成物が火災等
によって火炎に晒され加熱されることによって収縮を起
こすのを事前に有る程度収縮させておくためのものであ
る。
【0010】このようにプラスチック100重量部に対
して無機充填材を30〜200重量部配合した組成物
は、800〜850%の倍率で延伸させ、しかる後、5
〜50%の収縮率で収縮させて成形した介在物を2本以
上撚り合わせた絶縁線心の間に介在させる。このように
成形した介在物をケーブルに使用した場合、火災等によ
ってケーブルが火炎に晒され加熱されても介在物が収縮
することがない。
【0011】このように構成するものであるから、本願
請求項2に記載の発明によると、ケーブルの製造工程に
おける作業環境を良好に保ち、ケーブル全般における介
在物の使用量の削減を図ってケーブルの軽量化を図ると
共にコストの低減を図り、火災時に介在物の熱収縮を小
さく抑えることができる。
【0012】請求項3記載の発明に係るケーブル用介在
物を用いたケーブルは、導体の上に耐火層を形成し、該
耐火層の上に絶縁体を被覆してなる絶縁線心を2本以上
撚り合わせ、プラスチック100重量部に対し無機充填
材を30〜200重量部配合してなる組成物を延伸した
後、加熱処理により収縮させて繊維状に形成してなる介
在物を介在させて、最外層にシースを被覆して構成した
ものである。このように800〜850%の倍率に延伸
した組成物(プラスチック100重量部に対して無機充
填材を30〜200重量部配合した組成物)に加熱処理
を施して5〜50%の収縮率で収縮させて成形した介在
物を耐火ケーブルの介在として用いる。この組成物の収
縮は、一旦延伸した組成物が火災等によって火炎に晒さ
れ加熱されることによって収縮を起こすのを事前に有る
程度収縮させておくためのもので、耐火ケーブルに使用
した場合に、火災等によって耐火ケーブルが火炎に晒さ
れ加熱されても介在物が収縮することがなく、耐火性能
を保つことができる。
【0013】このように構成するものであるから、本願
請求項3に記載の発明によると、耐火ケーブルの製造工
程における作業環境を良好に保ち、ケーブル全般におけ
る介在物の使用量の削減を図ってケーブルの軽量化を図
ると共にコストの低減を図り、火災時に介在物の熱収縮
を小さく抑え耐火性能の低下を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るケーブル用介
在物、及びケーブル用介在物を用いたケーブルの実施の
形態について説明する。図1には、本発明に係るケーブ
ル用介在物を用いたケーブル20の一実施の形態が示さ
れている。
【0015】図1において、21は軟銅線によって構成
される導体で、この導体21の上には絶縁体22が被覆
されており、絶縁線心23が構成されている。絶縁体2
2は、可燃性を有するポリオレフィンで構成されてい
る。このポリオレフィンには、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブチレン等がある。
【0016】24は介在物で、この介在物24は、絶縁
線心23を2本以上を撚り合わせる際に生じる各絶縁線
心23の間の隙間を埋めるために添わせるもので、ケー
ブルが断面略円形になるようにするためのものである。
この介在物24は、プラスチック100重量部に対し無
機充填材を30〜200重量部配合してなる組成物を延
伸し、しかる後、加熱処理により該組成物を収縮させて
繊維状に形成してなる介在物を介在させて、最外層にシ
ースを被覆して構成したものである。
【0017】介在物24のベース樹脂であるプラスチッ
クとしては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン
(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)等がある。また、この介在物24
に配合される無機充填材としては、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、クレー等がある。この無機充填材は、
粉状で1〜30ミクロンの大きさのものが用いられてい
る。
【0018】このようにプラスチック100重量部に対
して無機充填材を30〜200重量部配合した組成物
は、図2に示す如き製造装置30によって介在物として
成形される。すなわち、介在物の成形は、押出成形機3
1に、プラスチック100重量部に対して無機充填材を
30〜200重量部配合して混練し、押し出してインフ
レーション成形部32においてフィルム状に成形を行
う。
【0019】このようにフィルム状に成形するとフィル
ム40は、図3(A)に示す如くプラスチック41の間
に無機充填材42が点在した状態になっている。このよ
うに成形されたフィルム40を延伸成形部33において
熱板の上をフィルムが通り過ぎるような状況下で800
〜850%の倍率に延伸する。この延伸成形部33にお
いて熱板の上をフィルムが通り過ぎるような状況下で図
3(A)に図示矢印Aに示す方向に延伸すると、フィル
ム40は融点以下の温度で引き伸ばされるが、無機充填
材42は延伸されない。
【0020】一方、無機充填材42が入っている箇所は
プラスチック41にとっては穴が形成されている状態と
なっているため、延伸するとプラスチック41に形成さ
れる穴の径が大きくなり、この穴の径が大きくなること
により図3(B)に示す如く無機充填材42の粒子周囲
に空隙43が生じることになる。
【0021】このように構成されるフィルム40の無機
充填材42の配合量と単位体積当たりの重量は、表1に
示す如くなっている。
【0022】
【表1】 表1の結果から無機充填材42の配合量が多くなればな
る程単位体積当たりの重量小さくなっている。すなわ
ち、無機充填材42を多く配合したフィルム40からな
る介在物を用いたケーブルの方が重量が軽くなる。
【0023】このように延伸することによって生じる無
機充填材42の粒子周囲に空隙43によって、単位材料
当たりの体積が増加する。すなわち、単位体積当たりの
重量が減少する。これをケーブルの介在物として使用し
て同じ体積の場合の重量を比較したものが表2に示され
ている。
【0024】
【表2】 表2においては、ケーブルの単位長さ当りの介在物使用
量について、ジュートを100としたときの本実施の形
態に係る介在物の使用重量比及びプラスチック100%
の解繊糸を100としたときの本実施の形態に係る介在
物との使用重量比を示している。
【0025】このように成形された800〜850%の
倍率に延伸した組成物(プラスチック100重量部に対
して無機充填材を30〜200重量部配合した組成物)
には、さらに、加熱処理を施し、5〜50%の収縮率で
収縮させる。この加熱処理による収縮は、加熱処理の施
されていない介在物を耐火ケーブルの介在として用いた
場合、このケーブルが火災等に合い火炎に晒され加熱さ
れ、この火炎の熱によって介在が収縮を起こすことによ
って耐火層をいじめるのを防止するため、火災等によっ
て火炎に晒され加熱されても収縮を起こすことがないよ
うに事前にある程度収縮させておくためのものである。
【0026】このプラスチック100重量部に対して無
機充填材を30〜200重量部配合した組成物を800
〜850%の倍率に延伸して構成した介在物を使用した
場合と、プラスチック100重量部に対して無機充填材
を30〜200重量部配合し、さらに、加熱処理を施し
て、5〜50%の収縮率で収縮させて構成した介在物を
使用した場合の使用重量比が表3に示されている。
【0027】
【表3】 この表3の結果から、プラスチック100重量部に対し
て無機充填材を30〜200重量部配合した組成物を8
00〜850%の倍率に延伸して構成した介在物の場合
は、ジュートを100とした場合と比較すると60と低
い値となっており、プラスチック100%の介在物を1
00とした場合と比較しても70と低い値となってい
る。
【0028】また、表3の結果から、プラスチック10
0重量部に対して無機充填材を30〜200重量部配合
した組成物を800〜850%の倍率に延伸し、さら
に、加熱処理を施して、5〜50%の収縮率で収縮させ
て構成した介在物の場合は、ジュートを100とした場
合と比較すると70と低い値となっており、プラスチッ
ク100%の介在物を100とした場合と比較しても8
0と低い値と、プラスチック100重量部に対して無機
充填材を30〜200重量部配合した組成物を800〜
850%の倍率に延伸して構成した介在物の場合同様、
いずれも低い値になっている。
【0029】プラスチック100重量部に対して無機充
填材を30〜200重量部配合した組成物を800〜8
50%の倍率に延伸して構成した介在物の場合と、プラ
スチック100重量部に対して無機充填材を30〜20
0重量部配合した組成物を800〜850%の倍率に延
伸し、さらに、加熱処理を施して、5〜50%の収縮率
で収縮させて構成した介在物の場合と数値が異なるの
は、延伸した後、加熱処理を施して、5〜50%の収縮
率で収縮させたか否かによるものである。収縮した分介
在物の量が多くなり、その分重量が大きくなったもので
ある。
【0030】このようなプラスチック100重量部に対
して無機充填材を30〜200重量部配合した組成物を
800〜850%の倍率に延伸し、さらに、加熱処理を
施して、5〜50%の収縮率で収縮させて成形された介
在物は、図4に示す如き耐火ケーブルの介在に使用する
と効果的である。すなわち、耐火ケーブル30は、多心
の耐火ケーブル(図4においては、3心のケーブル)の
場合で、導体31の上には、耐火層(例えば、マイカテ
ープ)32が形成されている。この耐火層32は、例え
ば、テープ基材に微粒子の軟質マイカ片を集めて貼り合
わせ、集成した集成マイカテープによって構成されてい
る。この耐火層32の上には、絶縁体33が押出し被覆
されて耐火絶縁線心34が構成されている。この耐火絶
縁線心34は、3本撚り合わせられ、各耐火絶縁線心3
4間に添えてケーブルが断面略円形になるように、プラ
スチック100重量部に対して無機充填材を30〜20
0重量部配合した組成物を800〜850%の倍率に延
伸し、さらに、加熱処理を施して、5〜50%の収縮率
で収縮させて成形された介在物35が介在され、押え巻
きテープ36が巻回されている。そして、この押え巻き
テープ36の上には、シース37が被覆されている。
【0031】このようにプラスチック100重量部に対
して無機充填材を30〜200重量部配合した組成物を
800〜850%の倍率に延伸し、さらに、加熱処理を
施して、5〜50%の収縮率で収縮させて成形された介
在物を図4に示す如き耐火ケーブル30の介在に使用し
たときの耐火試験結果が表4に示されている。
【0032】
【表4】 表4の耐火試験は、JCMA試第1010号耐火性能に
よって行ったものである。
【0033】この耐火性能試験は、実施例、比較例共に
耐火電線を加熱炉内に収納し、炉内温度が30分で84
0℃までJIS A 1304に定められている温度曲
線に準じて加熱して行われる。なお、試料の加熱開始温
度は200℃以下である。表4における絶縁抵抗測定試
験における試験条件中、『加熱前』というのは、加熱炉
内に配置した後、常温で導体と固定線間の絶縁抵抗値を
直流500V/100MΩの絶縁抵抗測定器で測定して
求めた抵抗値(単位は、MΩ)である。また、『加熱3
0分』というのは、加熱炉内に配置して加熱開始後30
分経ったときの導体と固定線間の絶縁抵抗を測定した抵
抗値である。
【0034】表4の絶縁抵抗測定試験における規格とい
うのは、消防庁が定め、告示されている耐火電線認定基
準を指しており、加熱前の絶縁抵抗値は、規格では、5
0MΩ以上と定めている。この加熱前の絶縁抵抗値は、
実施例、比較例共に規格以上の特性を持っている。一般
に絶縁物を加熱すると、絶縁抵抗は低下するため、規格
では、加熱開始後30分に至る直前の絶縁抵抗値を0.
4MΩ以上と定めている。この規格の絶縁抵抗値(『加
熱前』の絶縁抵抗値50MΩ以上、『加熱30分』の絶
縁抵抗値0.4MΩ以上)を満足しているか否かで、合
格『○』、不合格『×』を示してある。
【0035】この規格で定めている絶縁抵抗値について
は、『加熱前』の絶縁抵抗値50MΩ以上については、
実施例、比較例共に規格以上の特性を持っている。これ
に対し、『加熱30分』の絶縁抵抗値0.4MΩ以上に
ついては、実施例は規格以上の特性を持っており合格
『○』となっているが、比較例は規格以上の特性を有し
ておらず、不合格『×』となっている。
【0036】表4における絶縁耐力測定試験における試
験条件中、『加熱前』というのは、加熱炉内に配置した
後、加熱する前に導体と固定線間に1500Vの交流電
圧を継続して1分間印加したときに絶縁状態を維持でき
るかを測定するもので、維持できた場合を合格『○』と
し、維持できない場合を不合格『×』としている。ま
た、『加熱中』というのは、加熱炉内に配置して加熱開
始時(0分)から加熱終了時(30分)まで、導体と固
定線間に600Vの交流電圧を継続して印加したときに
絶縁状態を維持できるかを測定するもので、維持できた
場合を合格『○』とし、維持できない場合を不合格
『×』としている。さらに、『加熱直後』というのは、
試料を加熱炉内に配置して加熱し、840℃まで昇温し
た後、30分間加熱し続けた後にバーナーの火を消化し
た直後に、導体と固定線間に1500Vの交流電圧を1
分間印加し、絶縁破壊を起こすか否かを観察するもの
で、絶縁破壊を起こさなかった場合を合格『○』とし、
絶縁破壊を起こした場合を不合格『×』としている。
【0037】この加熱中の絶縁耐力測定試験では、『加
熱前』については、実施例、比較例共に規格の特性を持
ち合格している。しかし、『加熱中』、『加熱直後』に
ついては、実施例は、規格の特性を持ち合格している
が、比較例は、規格の特性を有しておらず不合格『×』
になっている。
【0038】燃焼性試験は、両端を加熱炉の内側壁面に
接触させて渡した耐火電線を加熱炉内で30分加熱し、
炉内温度が所定の基準により840℃に加熱終了直後の
ときの耐火電線の両端の内側壁面からの燃焼距離を測定
する試験である。規格では、加熱炉内に左右の側壁面に
接触させて水平に配置された耐火電線の左右両端部の燃
焼部分が、共に耐火電線の左右両端部が接触している加
熱炉の内側壁面から150mm以下の所までであることが
要求されている。この燃焼性試験については、実施例、
比較例共に合格で規格を満足するものとなっている。
【0039】この表4の結果から実施例の耐火ケーブル
としての耐火性能が比較例より優れていることが判る。
この実施例の耐火性能が比較例より優れているのは、耐
火ケーブルの介在物として、プラスチック100重量部
に対して無機充填材を30〜200重量部配合した組成
物を800〜850%の倍率に延伸し、さらに、加熱処
理を施して、5〜50%の収縮率で収縮してなる組成物
を介在物として使用しているため、火災等によって耐火
ケーブルが火炎に晒され加熱されても介在物が収縮して
耐火層をいじめることがなく、耐火性能の低下を防止し
ていることによる。
【0040】このように構成することによってケーブル
の製造工程における作業環境を良好に保ち、ケーブル全
般における介在物の使用量の削減を図ってケーブルの軽
量化を図ると共にコストの低減を図り、火災時に介在物
の熱収縮を小さく抑えることになる。
【0041】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0042】請求項1に記載の発明によれば、ケーブル
の製造工程における作業環境を良好に保ち、ケーブル全
般における介在物の使用量の削減を図ってケーブルの軽
量化を図ると共にコストの低減を図り、火災時に介在物
の熱収縮を小さく抑えることができる。
【0043】請求項2に記載の発明によれば、ケーブル
の製造工程における作業環境を良好に保ち、ケーブル全
般における介在物の使用量の削減を図ってケーブルの軽
量化を図ると共にコストの低減を図り、火災時に介在物
の熱収縮を小さく抑えることができる。
【0044】請求項3に記載の発明によれば、耐火ケー
ブルの製造工程における作業環境を良好に保ち、ケーブ
ル全般における介在物の使用量の削減を図ってケーブル
の軽量化を図ると共にコストの低減を図り、火災時に介
在物の熱収縮を小さく抑え耐火性能の低下を防止するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る介在物を用いたケーブルの実施の
形態を示す断面図である。
【図2】図1に図示の介在物を製造する製造装置の全体
を示す図である。
【図3】図2に図示の延伸成形部におけるフィルムの延
伸前と延伸後の状態を示す図である。
【図4】本発明に係る介在物を用いた耐火ケーブルの実
施の形態を示す断面図である。
【図5】従来の介在物を用いたケーブルの実施の形態を
示す全体図である。
【符号の説明】
20……………………………ケーブル 21……………………………導体 22……………………………絶縁体 23……………………………絶縁線心 24……………………………介在物 25……………………………押え巻テープ 26……………………………シース 30……………………………ケーブル 31……………………………導体 32……………………………耐火層 33……………………………絶縁体 34……………………………絶縁線心 35……………………………介在物 36……………………………押え巻テープ 37……………………………シース

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック100重量部に対し無機充
    填材を30〜200重量部配合してなる組成物を延伸し
    た後、加熱処理により収縮させて繊維状に形成してなる
    ケーブル用介在物。
  2. 【請求項2】 導体の上に絶縁体を被覆してなる絶縁線
    心を2本以上撚り合わせ、プラスチック100重量部に
    対し無機充填材を30〜200重量部配合してなる組成
    物を延伸した後、加熱処理により収縮させて繊維状に形
    成してなる介在物を介在させて、最外層にシースを被覆
    してなるケーブル。
  3. 【請求項3】 導体の上に耐火層を形成し、該耐火層の
    上に絶縁体を被覆してなる絶縁線心を2本以上撚り合わ
    せ、プラスチック100重量部に対し無機充填材を30
    〜200重量部配合してなる組成物を延伸した後、加熱
    処理により収縮させて繊維状に形成してなる介在物を介
    在させて、最外層にシースを被覆してなるケーブル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007042521A (ja) * 2005-08-05 2007-02-15 Yazaki Corp 電線・ケーブル
CN102903431A (zh) * 2012-09-25 2013-01-30 无锡市圣恩线缆有限公司 一种新型多芯防火电缆
CN108022689A (zh) * 2017-11-30 2018-05-11 深圳市红旗电工科技有限公司 一种用于拖链系统的网络电缆

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