JP2001264492A - オーバーパック及びその溶接方法 - Google Patents
オーバーパック及びその溶接方法Info
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- JP2001264492A JP2001264492A JP2000079333A JP2000079333A JP2001264492A JP 2001264492 A JP2001264492 A JP 2001264492A JP 2000079333 A JP2000079333 A JP 2000079333A JP 2000079333 A JP2000079333 A JP 2000079333A JP 2001264492 A JP2001264492 A JP 2001264492A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高レベル放射性廃棄物を密閉収容するオーバ
ーパック及びその溶接作業を大幅に簡略化できる新規な
オーバーパック及びその溶接方法の提供。 【解決手段】 高レベル放射性廃棄物を実質的に収容す
べく周囲に耐食層6を備えた有底円筒状の容器本体2
と、その頂部に突き合わせ溶接される断面コ字形の蓋部
3と、この蓋部3上に被せられるキャップ4とから構成
する。これによって、容器本体2と蓋部3の溶接、及び
キャップ4と耐食層6との溶接がいずれも周方向の突き
合わせ溶接(周継手)となる上に、容器本体2と蓋部3
の溶接深さが浅くなるため、溶接作業を大幅に簡略化で
きる。
ーパック及びその溶接作業を大幅に簡略化できる新規な
オーバーパック及びその溶接方法の提供。 【解決手段】 高レベル放射性廃棄物を実質的に収容す
べく周囲に耐食層6を備えた有底円筒状の容器本体2
と、その頂部に突き合わせ溶接される断面コ字形の蓋部
3と、この蓋部3上に被せられるキャップ4とから構成
する。これによって、容器本体2と蓋部3の溶接、及び
キャップ4と耐食層6との溶接がいずれも周方向の突き
合わせ溶接(周継手)となる上に、容器本体2と蓋部3
の溶接深さが浅くなるため、溶接作業を大幅に簡略化で
きる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核燃料再処理工場
で発生した高レベル放射性廃棄物を地層処分する際に用
いられる金属製のオーバーパック及びその溶接方法に関
するものである。
で発生した高レベル放射性廃棄物を地層処分する際に用
いられる金属製のオーバーパック及びその溶接方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、原子力発電所から出た使用済燃
料は、核燃料再処理工場に送られ、ここでウランやプル
トニウムといった再利用可能な燃料が取り出された後、
高レベル放射性廃棄物としてガラス原料と共に高温で溶
かし合わされてからステンレスの容器(キャニスター)
中で固められてガラス固化体として安定化される。その
後、この高レベル放射性廃棄物は、一定期間地上の貯蔵
設備に貯蔵されることによって自然冷却された後、地下
数百〜数千mの地層の岩盤中に埋設されて長期間あるい
は半永久的に地層処分することが計画されている。
料は、核燃料再処理工場に送られ、ここでウランやプル
トニウムといった再利用可能な燃料が取り出された後、
高レベル放射性廃棄物としてガラス原料と共に高温で溶
かし合わされてからステンレスの容器(キャニスター)
中で固められてガラス固化体として安定化される。その
後、この高レベル放射性廃棄物は、一定期間地上の貯蔵
設備に貯蔵されることによって自然冷却された後、地下
数百〜数千mの地層の岩盤中に埋設されて長期間あるい
は半永久的に地層処分することが計画されている。
【0003】そして、このような高レベル放射性廃棄物
を地層処分するにあたっては、処分後に地震や地層圧等
による破損、あるいは地下水による腐食等によって高レ
ベル放射性廃棄物が容器外へ漏れ出さないように万全を
期すために、さらに堅牢なカーボンスチール製の密閉容
器であるオーバーパック内に収容・密閉してから処分す
ることが考えられている。
を地層処分するにあたっては、処分後に地震や地層圧等
による破損、あるいは地下水による腐食等によって高レ
ベル放射性廃棄物が容器外へ漏れ出さないように万全を
期すために、さらに堅牢なカーボンスチール製の密閉容
器であるオーバーパック内に収容・密閉してから処分す
ることが考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
高レベル放射性廃棄物を処分するためのオーバーパッ
ク、及びその密閉収容方法としては、例えば、図3
(1)に示すように、肉厚が数十mm〜数百mmで上方
が開口したカーボンスチール製の容器本体aを用意し、
この容器本体a内に、図示しない緩衝材と共に高レベル
放射性廃棄物を詰め込んだキャニスターbを収納した
後、その上部開口部cに同じくカーボンスチール製の落
し蓋dを嵌め込んでから図3(2)に示すように、その
落し蓋dと上部開口部c間に形成されるリング状の狭開
先fを利用して両者を溶接(肉盛溶接)することで容器
本体aと落し蓋dを一体化してその内部に高レベル放射
性廃棄物を密閉収容する方法が考えられている。
高レベル放射性廃棄物を処分するためのオーバーパッ
ク、及びその密閉収容方法としては、例えば、図3
(1)に示すように、肉厚が数十mm〜数百mmで上方
が開口したカーボンスチール製の容器本体aを用意し、
この容器本体a内に、図示しない緩衝材と共に高レベル
放射性廃棄物を詰め込んだキャニスターbを収納した
後、その上部開口部cに同じくカーボンスチール製の落
し蓋dを嵌め込んでから図3(2)に示すように、その
落し蓋dと上部開口部c間に形成されるリング状の狭開
先fを利用して両者を溶接(肉盛溶接)することで容器
本体aと落し蓋dを一体化してその内部に高レベル放射
性廃棄物を密閉収容する方法が考えられている。
【0005】また、さらに容器本体a等の耐食性を高め
るために、その周囲にステンレススチール等の耐食層を
備える場合には、図3(3)に示すように、この落し蓋
dを溶接した後に、同じくステンレススチール製のキャ
ップhを被せた後、図3(4)に示すように、このキャ
ップhと容器本体a側の耐食層gの頂部との突き合わせ
部を周方向に沿って溶接することで容器本体a及び落し
蓋dの表面全体を耐食性の金属で被覆する方法が考えら
れている。
るために、その周囲にステンレススチール等の耐食層を
備える場合には、図3(3)に示すように、この落し蓋
dを溶接した後に、同じくステンレススチール製のキャ
ップhを被せた後、図3(4)に示すように、このキャ
ップhと容器本体a側の耐食層gの頂部との突き合わせ
部を周方向に沿って溶接することで容器本体a及び落し
蓋dの表面全体を耐食性の金属で被覆する方法が考えら
れている。
【0006】しかしながら、このように容器本体aの上
部開口部cに落し蓋dを嵌め込んでから両者を溶接する
方法では、溶接時間が長くなってしまい処理効率が悪い
といった欠点がある。
部開口部cに落し蓋dを嵌め込んでから両者を溶接する
方法では、溶接時間が長くなってしまい処理効率が悪い
といった欠点がある。
【0007】すなわち、この落し蓋dと容器本体aの溶
接は、通常、TIG溶接によって行われることになる
が、この落し蓋dは、岩盤圧力に対して十分な耐久力を
発揮するために容器本体aの胴の板厚よりもかなりの板
厚(例えば、数百mm以上)が必要となる。そのため、
その落し蓋dの周囲に形成される狭開先も必然的に深く
て大きいものとなることから、溶接範囲が広く、また肉
盛金属の量も多くなって溶接時間が長くなってしまうと
いった欠点がある。
接は、通常、TIG溶接によって行われることになる
が、この落し蓋dは、岩盤圧力に対して十分な耐久力を
発揮するために容器本体aの胴の板厚よりもかなりの板
厚(例えば、数百mm以上)が必要となる。そのため、
その落し蓋dの周囲に形成される狭開先も必然的に深く
て大きいものとなることから、溶接範囲が広く、また肉
盛金属の量も多くなって溶接時間が長くなってしまうと
いった欠点がある。
【0008】また、溶接の範囲が広くなることにより、
その落し蓋dと容器本体aの溶接部に大きな溶接歪みが
発生し、溶接後に焼鈍等の熱処理が必要となってくる場
合も考えられる。
その落し蓋dと容器本体aの溶接部に大きな溶接歪みが
発生し、溶接後に焼鈍等の熱処理が必要となってくる場
合も考えられる。
【0009】そこで、本発明はこのような課題を有効に
解決するために案出されたものであり、その目的は、高
レベル放射性廃棄物を密閉収容する際のオーバーパック
及びその溶接作業を大幅に簡略化することができる新規
なオーバーパック及びその溶接方法を提供するものであ
る。
解決するために案出されたものであり、その目的は、高
レベル放射性廃棄物を密閉収容する際のオーバーパック
及びその溶接作業を大幅に簡略化することができる新規
なオーバーパック及びその溶接方法を提供するものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は請求項1及び2に示すように、高レベル放射
性廃棄物を密閉収容するためのオーバーパックにおい
て、上記高レベル放射性廃棄物を実質的に収容すべく周
囲にチタン等の耐食層を備えた炭素鋼等からなる有底円
筒状の容器本体と、この容器本体内を密閉すべくその頂
部に突き合わせ溶接される断面コ字形の蓋部と、この蓋
部上に被せられると共に上記容器本体の耐食層側に突き
合わせ溶接されるチタン製等のキャップとからなるオー
バーパックである。
に本発明は請求項1及び2に示すように、高レベル放射
性廃棄物を密閉収容するためのオーバーパックにおい
て、上記高レベル放射性廃棄物を実質的に収容すべく周
囲にチタン等の耐食層を備えた炭素鋼等からなる有底円
筒状の容器本体と、この容器本体内を密閉すべくその頂
部に突き合わせ溶接される断面コ字形の蓋部と、この蓋
部上に被せられると共に上記容器本体の耐食層側に突き
合わせ溶接されるチタン製等のキャップとからなるオー
バーパックである。
【0011】そして、このような構成をしたオーバーパ
ックの溶接方法としては、請求項3に示すように、上記
容器本体内に高レベル放射性廃棄物を収容した後、その
高レベル放射性廃棄物を密閉すべくその容器本体の開口
部端に上記蓋部を突き合わせてからその突き合わせ部を
レーザー溶接によって溶接し、その後、その蓋部上に上
記キャップを被せてからその下端部をレーザー溶接によ
って上記容器本体側の耐食層側に突き合わせ溶接するよ
うにしたものである。
ックの溶接方法としては、請求項3に示すように、上記
容器本体内に高レベル放射性廃棄物を収容した後、その
高レベル放射性廃棄物を密閉すべくその容器本体の開口
部端に上記蓋部を突き合わせてからその突き合わせ部を
レーザー溶接によって溶接し、その後、その蓋部上に上
記キャップを被せてからその下端部をレーザー溶接によ
って上記容器本体側の耐食層側に突き合わせ溶接するよ
うにしたものである。
【0012】これによって、容器本体と蓋部の溶接、及
びキャップと耐食層との溶接がいずれも周方向の突き合
わせ溶接(周継手)となる上に、容器本体と蓋部の溶接
深さが浅くなるため、溶接時間を大幅に短縮することが
できる。また、本体及び耐食層ともにレーザー溶接を採
用することにより、溶接作業を簡略化することが可能と
なって溶接効率が大幅に向上する。
びキャップと耐食層との溶接がいずれも周方向の突き合
わせ溶接(周継手)となる上に、容器本体と蓋部の溶接
深さが浅くなるため、溶接時間を大幅に短縮することが
できる。また、本体及び耐食層ともにレーザー溶接を採
用することにより、溶接作業を簡略化することが可能と
なって溶接効率が大幅に向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施する好適一形
態を添付図面を参照しながら説明する。
態を添付図面を参照しながら説明する。
【0014】図1は、本発明に係るオーバーパック1の
実施の一形態を示したものである。
実施の一形態を示したものである。
【0015】図示するように、このオーバーパック1
は、上述した高レベル放射性廃棄物のガラス固化体等を
収容したキャニスターbを収容するための容器本体2
と、この容器本体2上に溶接される蓋部3と、この蓋部
3上に被せられるキャップ4とから構成されている。
は、上述した高レベル放射性廃棄物のガラス固化体等を
収容したキャニスターbを収容するための容器本体2
と、この容器本体2上に溶接される蓋部3と、この蓋部
3上に被せられるキャップ4とから構成されている。
【0016】先ず、この容器本体2は、上方に円形の開
口部5を備えた厚肉の有底円筒状に形成されており、炭
素鋼(カーボンスチール)等の比較的安価で堅牢な金属
材料から形成されている。また、さらに、その周囲に
は、上部開口部5付近を除いて、チタン等の耐食性金属
からなる耐食層6が一体的に接合されている。ここで、
容器本体2の大きさやその肉厚としては、収容するキャ
ニスターのサイズや地層処分深さ等によって異なってく
るため特に限定するものではないが、現在考えられてい
るものとしては、外径約1〜2m、高さ1.5〜3m程
度、肉厚数十mm〜数百mm程度である。また、この耐
食層6の接合方法としては、容器本体2の肉厚が数十m
m程度であれば、容器本体2自体をクラッド鋼を円筒状
に加工することによって、また、数百mmの厚肉であれ
ば、カーボンスチール上に爆着、あるいは耐食性金属を
肉盛溶接等によって接合する方法が考えられている。ま
た、耐食層6自体の厚さも特に限定するものではない
が、耐食性に優れたチタンを用いた場合には、数mm〜
十数mm程度で十分であると考えられる。尚、上述した
ように、この耐食層6は容器本体2の周囲、すなわち、
その底面及び周面全体に形成されることになるが、後述
する容器本体2と蓋部3との溶接性を考慮して容器本体
2の上端面付近はその周方向に亘って全く被覆されてい
ない状態となっている。
口部5を備えた厚肉の有底円筒状に形成されており、炭
素鋼(カーボンスチール)等の比較的安価で堅牢な金属
材料から形成されている。また、さらに、その周囲に
は、上部開口部5付近を除いて、チタン等の耐食性金属
からなる耐食層6が一体的に接合されている。ここで、
容器本体2の大きさやその肉厚としては、収容するキャ
ニスターのサイズや地層処分深さ等によって異なってく
るため特に限定するものではないが、現在考えられてい
るものとしては、外径約1〜2m、高さ1.5〜3m程
度、肉厚数十mm〜数百mm程度である。また、この耐
食層6の接合方法としては、容器本体2の肉厚が数十m
m程度であれば、容器本体2自体をクラッド鋼を円筒状
に加工することによって、また、数百mmの厚肉であれ
ば、カーボンスチール上に爆着、あるいは耐食性金属を
肉盛溶接等によって接合する方法が考えられている。ま
た、耐食層6自体の厚さも特に限定するものではない
が、耐食性に優れたチタンを用いた場合には、数mm〜
十数mm程度で十分であると考えられる。尚、上述した
ように、この耐食層6は容器本体2の周囲、すなわち、
その底面及び周面全体に形成されることになるが、後述
する容器本体2と蓋部3との溶接性を考慮して容器本体
2の上端面付近はその周方向に亘って全く被覆されてい
ない状態となっている。
【0017】次に、蓋部3は、容器本体2と同じ外径を
有する下向き断面コ字形をした円筒形に形成されてお
り、同じく炭素鋼等の比較的安価で堅牢な金属材料から
形成されている。
有する下向き断面コ字形をした円筒形に形成されてお
り、同じく炭素鋼等の比較的安価で堅牢な金属材料から
形成されている。
【0018】また、キャップ4は、底面のみが開口した
円筒状に形成されており、その内径は上記蓋部3の外径
と略一致していると共に、外径は上記耐食層6と略一致
した大きさとなっている。また、その高さは、上記蓋部
3の高さに加えて容器本体2の露出部分の高さと略一致
する高さとなっている。尚、このキャップ4の材質も耐
食層6と同じ材料であれば、特に限定するものではない
が、耐食層6としては地下水等に対して優れた耐食性を
有するチタンを用いることが好ましいことから、このキ
ャップ4自体もチタンから構成することが望ましい。
円筒状に形成されており、その内径は上記蓋部3の外径
と略一致していると共に、外径は上記耐食層6と略一致
した大きさとなっている。また、その高さは、上記蓋部
3の高さに加えて容器本体2の露出部分の高さと略一致
する高さとなっている。尚、このキャップ4の材質も耐
食層6と同じ材料であれば、特に限定するものではない
が、耐食層6としては地下水等に対して優れた耐食性を
有するチタンを用いることが好ましいことから、このキ
ャップ4自体もチタンから構成することが望ましい。
【0019】次に、このような構成をしたオーバーパッ
ク1の溶接方法、すなわち高レベル放射性廃棄物の密閉
収容方法について説明する。
ク1の溶接方法、すなわち高レベル放射性廃棄物の密閉
収容方法について説明する。
【0020】先ず、図2(1)に示すように、予めその
周囲に耐食層6が形成された容器本体2を用意し、その
内部に高レベル放射性廃棄物を密閉収容したキャニスタ
bを収納した後、その上部開口部5に蓋部3を被せ、両
者の外径が相互に一致するように正確に位置決めを行
う。例えば、上部開口部5に端面上に蓋部3の下端面を
載せてから、あるいはその直前に蓋部3の位置を前後左
右に微調整することで位置決めを行う。尚、この時、予
め蓋部3又は上部開口部5の内周面に相手方に突出する
ガイドやキー溝等を形成しておけば両者の位置決めを容
易に行うことができる。
周囲に耐食層6が形成された容器本体2を用意し、その
内部に高レベル放射性廃棄物を密閉収容したキャニスタ
bを収納した後、その上部開口部5に蓋部3を被せ、両
者の外径が相互に一致するように正確に位置決めを行
う。例えば、上部開口部5に端面上に蓋部3の下端面を
載せてから、あるいはその直前に蓋部3の位置を前後左
右に微調整することで位置決めを行う。尚、この時、予
め蓋部3又は上部開口部5の内周面に相手方に突出する
ガイドやキー溝等を形成しておけば両者の位置決めを容
易に行うことができる。
【0021】次に、このようにして蓋部3を上部開口部
5上に精度良く被せたならば、図2(2)に示すよう
に、その両者の突き合わせ端面をその周方向に沿って突
き合わせ溶接(周継手溶接)する。このとき、溶接深
さ、すなわち突き合わせ端面の厚さが薄い場合には、従
来のTIG溶接等によって一気に溶接することが可能で
あるが、上述したように、この部分の溶接深さは、少な
くとも数十mm以上あることからTIG溶接等によって
一気に突き合わせ溶接することは不可能である。また、
その突き合わせ部に予め開先等を形成して多層溶接する
方法では、従来考えられている方法以上の溶接時間や手
間が掛かってしまうおそれがあり、本発明の目的を十分
に達成することができない。そのため、本発明方法にあ
っては、この突き合わせ溶接方法として、レーザー溶接
や電子ビーム溶接を用いるようにしたものであり、これ
によって短時間で良好な突き合わせ溶接を行うことがで
きる。特に、レーザー溶接を用いればそのレーザーの出
力を電気的に調整することで溶接深さや幅等を精度良く
調整できる上に、電子ビーム溶接のような真空状態を形
成する必要がないことからより簡易に溶接作業を行うこ
とが可能となる。また、この突き合わせ部の肉厚は、一
般に底面や上面の肉厚よりも薄い(1/3〜1/2程
度)ことから、その溶接歪みも従来方法に比較して少な
いため、歪み除去等のための熱処理等が不要となる。
5上に精度良く被せたならば、図2(2)に示すよう
に、その両者の突き合わせ端面をその周方向に沿って突
き合わせ溶接(周継手溶接)する。このとき、溶接深
さ、すなわち突き合わせ端面の厚さが薄い場合には、従
来のTIG溶接等によって一気に溶接することが可能で
あるが、上述したように、この部分の溶接深さは、少な
くとも数十mm以上あることからTIG溶接等によって
一気に突き合わせ溶接することは不可能である。また、
その突き合わせ部に予め開先等を形成して多層溶接する
方法では、従来考えられている方法以上の溶接時間や手
間が掛かってしまうおそれがあり、本発明の目的を十分
に達成することができない。そのため、本発明方法にあ
っては、この突き合わせ溶接方法として、レーザー溶接
や電子ビーム溶接を用いるようにしたものであり、これ
によって短時間で良好な突き合わせ溶接を行うことがで
きる。特に、レーザー溶接を用いればそのレーザーの出
力を電気的に調整することで溶接深さや幅等を精度良く
調整できる上に、電子ビーム溶接のような真空状態を形
成する必要がないことからより簡易に溶接作業を行うこ
とが可能となる。また、この突き合わせ部の肉厚は、一
般に底面や上面の肉厚よりも薄い(1/3〜1/2程
度)ことから、その溶接歪みも従来方法に比較して少な
いため、歪み除去等のための熱処理等が不要となる。
【0022】これによって、キャニスターb(高レベル
放射性廃棄物)が容器本体2内に完全に密閉収容されて
保護された状態になるため、地震や地層圧によるキャニ
スターbの破損による高レベル放射性廃棄物の漏出を確
実に防止することができる。
放射性廃棄物)が容器本体2内に完全に密閉収容されて
保護された状態になるため、地震や地層圧によるキャニ
スターbの破損による高レベル放射性廃棄物の漏出を確
実に防止することができる。
【0023】そして、このようにして容器本体2と蓋部
3との突き合わせ溶接が完了したならば、図2(3)に
示すように、この蓋部3上にキャップ4を被せた後、同
図(4)に示すように、容器本体2側の耐食層6の上端
部とキャップ4との突き合わせ部を同じく突き合わせ溶
接(周継手)する。この場合の溶接方法としては、その
肉厚が容器本体2に比べて大幅に薄いことから従来のT
IG溶接等によって行うことが可能であるが、容器本体
2側をレーザー溶接によって行うため、別々の溶接機を
用意する必要性に乏しく、そのままレーザー溶接によっ
て行うことが好ましい。特に、耐食層6としてチタンを
用いた場合にはレーザー溶接によればより優れた溶接効
果を得ることができる。尚、これらの一連の作業は、作
業の安全性や被爆の都合上、作業員が直接行うことがで
きないため、隔離遮蔽されたセル内でクレーンや自動溶
接機等を用いて遠隔操作によって行われる。
3との突き合わせ溶接が完了したならば、図2(3)に
示すように、この蓋部3上にキャップ4を被せた後、同
図(4)に示すように、容器本体2側の耐食層6の上端
部とキャップ4との突き合わせ部を同じく突き合わせ溶
接(周継手)する。この場合の溶接方法としては、その
肉厚が容器本体2に比べて大幅に薄いことから従来のT
IG溶接等によって行うことが可能であるが、容器本体
2側をレーザー溶接によって行うため、別々の溶接機を
用意する必要性に乏しく、そのままレーザー溶接によっ
て行うことが好ましい。特に、耐食層6としてチタンを
用いた場合にはレーザー溶接によればより優れた溶接効
果を得ることができる。尚、これらの一連の作業は、作
業の安全性や被爆の都合上、作業員が直接行うことがで
きないため、隔離遮蔽されたセル内でクレーンや自動溶
接機等を用いて遠隔操作によって行われる。
【0024】これによって、容器本体2と蓋部3全体を
耐食層6とキャップ4で覆い隠すことができるため、キ
ャニスターbは勿論、容器本体2と蓋部3自体も地下水
等の浸入による腐食等を長期間に亘って防止することが
できる。
耐食層6とキャップ4で覆い隠すことができるため、キ
ャニスターbは勿論、容器本体2と蓋部3自体も地下水
等の浸入による腐食等を長期間に亘って防止することが
できる。
【0025】このように本発明は、特に蓋部3を下向き
断面コ字形に形成し、容器本体2の周面側でレーザー溶
接法を用いて突き合わせ溶接(周継手溶接)するように
したことから、従来考えられているようなオーバーパッ
ク及び溶接方法に比べて溶接作業時間を大幅に短縮する
ことができると共に、狭開先等を形成するための手間を
省略できるため、溶接作業効率を大幅に向上することが
できる。特に、本発明は処分深度が浅く(例えば300
m)、容器本体2の周壁厚が薄いオーバーパックの場合
に、より顕著な効果を発揮することができる。
断面コ字形に形成し、容器本体2の周面側でレーザー溶
接法を用いて突き合わせ溶接(周継手溶接)するように
したことから、従来考えられているようなオーバーパッ
ク及び溶接方法に比べて溶接作業時間を大幅に短縮する
ことができると共に、狭開先等を形成するための手間を
省略できるため、溶接作業効率を大幅に向上することが
できる。特に、本発明は処分深度が浅く(例えば300
m)、容器本体2の周壁厚が薄いオーバーパックの場合
に、より顕著な効果を発揮することができる。
【0026】また、容器本体2と蓋部3との溶接及び耐
食層6とキャップ4との溶接のいずれも周方向の継手溶
接となるため、溶接機の構造もより単純化することが可
能となり、溶接機の製作に要するコストも低減すること
が可能となる。
食層6とキャップ4との溶接のいずれも周方向の継手溶
接となるため、溶接機の構造もより単純化することが可
能となり、溶接機の製作に要するコストも低減すること
が可能となる。
【0027】尚、本実施の形態では、耐食層6及びキャ
ップ4としてチタンを用いたが、耐食性金属として代表
的なステンレススチール鋼やインコネル鋼等を用いた場
合であっても同様な目的、作用・効果を得ることができ
ることは勿論である。また、上述したように、これらの
溶接作業及び運搬作業等は全て遠隔操作で行われること
から、それら各部材に運搬用の吊り耳等を必要に応じて
据え付けるようにしても良い。
ップ4としてチタンを用いたが、耐食性金属として代表
的なステンレススチール鋼やインコネル鋼等を用いた場
合であっても同様な目的、作用・効果を得ることができ
ることは勿論である。また、上述したように、これらの
溶接作業及び運搬作業等は全て遠隔操作で行われること
から、それら各部材に運搬用の吊り耳等を必要に応じて
据え付けるようにしても良い。
【0028】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、高レベル
放射性廃棄物を密閉収容する際の溶接時間を大幅に短縮
することができると共に溶接作業や溶接機械等も簡略化
することが可能となる。この結果、溶接効率が大幅に向
上するため、高レベル放射性廃棄物に要する処理コスト
を当初の予算よりも大幅に削減することが可能となる等
といった優れた効果を発揮することができる。
放射性廃棄物を密閉収容する際の溶接時間を大幅に短縮
することができると共に溶接作業や溶接機械等も簡略化
することが可能となる。この結果、溶接効率が大幅に向
上するため、高レベル放射性廃棄物に要する処理コスト
を当初の予算よりも大幅に削減することが可能となる等
といった優れた効果を発揮することができる。
【図1】本発明に係るオーバーパックの実施の一形態を
示す分解斜視図である。
示す分解斜視図である。
【図2】本発明方法に係るオーバーパックの溶接方法の
実施の一形態を示す説明図である。
実施の一形態を示す説明図である。
【図3】従来のオーバーパックの構造及びその溶接方法
の一例を示す説明図である。
の一例を示す説明図である。
1 オーバーパック 2 容器本体 3 蓋部 4 キャップ 5 上部開口部 6 耐食層 b キャニスター(高レベル放射性廃棄物)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21F 5/12
Claims (3)
- 【請求項1】 高レベル放射性廃棄物を密閉収容するた
めのオーバーパックにおいて、上記高レベル放射性廃棄
物を実質的に収容すべく周囲に耐食層を備えた有底円筒
状の容器本体と、この容器本体内を密閉すべくその頂部
に突き合わせ溶接される断面コ字形の蓋部と、この蓋部
上に被せられると共に上記容器本体の耐食層側に突き合
わせ溶接されるキャップとからなることを特徴とするオ
ーバーパック。 - 【請求項2】 上記容器本体及び蓋部が炭素鋼からなる
と共に、上記耐食層及びキャップがチタンからなること
を特徴とする請求項1に記載のオーバーパック。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載のオーバーパック
の溶接方法において、上記容器本体内に高レベル放射性
廃棄物を収容した後、その高レベル放射性廃棄物を密閉
すべくその容器本体の開口部端に上記蓋部を突き合わせ
てからその突き合わせ部をレーザー溶接によって溶接
し、その後、その蓋部上に上記キャップを被せてからそ
の下端部をレーザー溶接によって上記容器本体側の耐食
層側に突き合わせ溶接するようにしたことを特徴とする
オーバーパックの溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000079333A JP2001264492A (ja) | 2000-03-16 | 2000-03-16 | オーバーパック及びその溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000079333A JP2001264492A (ja) | 2000-03-16 | 2000-03-16 | オーバーパック及びその溶接方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001264492A true JP2001264492A (ja) | 2001-09-26 |
Family
ID=18596596
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000079333A Pending JP2001264492A (ja) | 2000-03-16 | 2000-03-16 | オーバーパック及びその溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001264492A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103280251A (zh) * | 2013-05-06 | 2013-09-04 | 中国核工业华兴建设有限公司 | 核电站不锈钢水池覆面组焊结构及自动焊接方法 |
CN106908272A (zh) * | 2017-03-13 | 2017-06-30 | 四川行之智汇知识产权运营有限公司 | 降低手持取样时辐照危害的取样结构 |
CN113421677A (zh) * | 2021-05-21 | 2021-09-21 | 中国船舶重工集团公司第七二五研究所 | 一种放射性物品运输容器的制造方法 |
-
2000
- 2000-03-16 JP JP2000079333A patent/JP2001264492A/ja active Pending
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CN113421677B (zh) * | 2021-05-21 | 2023-03-07 | 中国船舶重工集团公司第七二五研究所 | 一种放射性物品运输容器的制造方法 |
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