JP2001264150A - 重量検出装置および電子レンジ - Google Patents

重量検出装置および電子レンジ

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JP2001264150A
JP2001264150A JP2000075307A JP2000075307A JP2001264150A JP 2001264150 A JP2001264150 A JP 2001264150A JP 2000075307 A JP2000075307 A JP 2000075307A JP 2000075307 A JP2000075307 A JP 2000075307A JP 2001264150 A JP2001264150 A JP 2001264150A
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thrust
displacement
displacement member
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JP2000075307A
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Noriyuki Akaha
徳行 赤羽
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Nidec Sankyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化を可能とし、かつ、特に軽量の調理品
の重量検出時において高性能を発揮することが可能とな
る重量検出装置およびこの重量検出装置を用いた電子レ
ンジを提供する。 【解決手段】 検出すべき重量に応じてスラスト方向に
変位するスラスト変位部材41,48,49と、このス
ラスト変位部材41,48,49の変位量を重量として
換算する重量換算手段とを備え、所定の重量を基準とし
この基準重量より重い領域と軽い領域とで、受ける重量
の同一の変化量に対応するスラスト変位部材41,4
8,49の変位量を異ならせることにより、所定の重量
を基準とした重い領域での分解能と軽い領域での分解能
に差を持たせている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スラスト方向の重
量を検出する重量検出装置およびこの重量検出装置を用
いた電子レンジの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子レンジでは、自動調理を行う
ためのセンサとして、温度や重量を測定するセンサが用
いられている。重量センサとしての重量検出装置は、従
来より、静電容量式、圧電素子式など種々な方式が採用
されているが、現在では静電容量式が主流となってい
る。この静電容量による重量検出装置は、ターンテーブ
ル上に載せられた調理品の重量により変位する出力軸
(スラスト軸)の変位量を、静電容量の変化に基づいて
検出するものである。
【0003】静電容量式の重量検出装置では発振回路を
備え、その可変コンデンサの静電容量を電極間距離で変
化させるような構成となっている。したがって、プリン
ト基板上の配線パターンなどに生じる浮遊容量に影響さ
れるおそれがあり、これに対処するために、一定以上の
静電容量を確保する必要がある。また、部品寸法のバラ
ツキを考慮すると、一定以上の電極間距離が必要とな
る。このため、電極間の対向面積が増大し、装置が大型
化するという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような静電容量方
式の重量検出装置の欠点を解消すべく、本出願人は、出
力軸のスラスト方向への変位に応じて所定量回転する回
転部材に検出用のマグネットを持たせ、回転部材の回転
変位をホール素子で検出することにより重量を検出する
重量検出装置を開発した。この構成は、上述した電極間
の対向面積の確保という技術課題が解消されるため、装
置の小型化に寄与する。
【0005】しかしながら、いずれの形式の装置におい
ても、出力軸の下降動作をバネの弾力性により支える構
成がとられており、バネの変位(伸縮)量と出力軸のス
ラスト変位量との間には相関関係がある。このような装
置においては、バネのスラスト変位量(伸縮量)を重量
に対して大きくとる、すなわち弾力性を弱くしかつ軸方
向寸法の長いバネを使用すると、重量検出の高分解能化
につながる。
【0006】しかしながら、上述したようなバネを用い
ると、どうしても装置全体のスラスト方向の寸法が大き
くなってしまう。そのため、上述の各方式の装置では、
装置の大型化を避けるべくそれ程変位量の大きくないバ
ネ(弾性力が強くしかも短いバネ)を使用しているのが
実状である。
【0007】なお、一般に、調理品の重量検出は、調理
時間の設定のために行うことが多い。例えば、煮込みや
鶏の丸焼き等、重い調理品を調理する場合は、重量検出
の精度が粗く調理時間に誤差が生じたとしても、調理が
完成した際に品物に影響を与えないが、トースト等の軽
い調理品の場合、重量検出の精度が粗いと完成品に多大
な影響を与える。具体的にいえば、重い調理品、すなわ
ち一般的に調理時間に長い時間を有する調理品の調理時
間に1分程度の誤差が生じてもさして影響がないが、2
〜3分程度調理すれば完成する調理品における調理時間
の20〜30秒の誤差は命取りとなる。また、調理品に
よっては、重いものであるにも拘わらず、他の調理品よ
り調理時間をシビアに制御しなければならないものも存
在する。
【0008】そこで本発明は、小型化を可能とし、か
つ、特に軽量の調理品の重量検出時において高性能を発
揮することが可能となる重量検出装置およびこの重量検
出装置を用いた電子レンジを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明の重量検出装置は、検出すべき重量に応じて
スラスト方向に変位するスラスト変位部材と、このスラ
スト変位部材の変位量を重量として換算する重量換算手
段とを備え、所定の重量を基準としこの基準重量より重
い領域と軽い領域とで、受ける重量の同一の変化量に対
応するスラスト変位部材の変位量を異ならせることによ
り、所定の重量を基準とした重い領域での分解能と軽い
領域での分解能に差を持たせている。
【0010】そのため、高分解能が必要な重量検出領域
におけるスラスト変位部材の変位量を大きくとり、かつ
それ程高分解能が必要でない重量検出領域におけるスラ
スト変位部材の変位量を小さくすることで、検出可能な
最大重量に対するスラスト変位部材の変位量を抑えるこ
とが可能となる。この結果、高分解能を必要とする重量
検出領域の精度を確保しつつ、装置全体を小型化させる
ことが可能となる。
【0011】また、他の発明は、上述の重量検出装置に
加えて、基準重量より軽い領域におけるスラスト変位部
材の変位量を、基準重量より重い領域における変位量に
比して大きく構成することにより、軽い領域での分解能
を重い領域の分解能より高分解能としている。そのた
め、調理時間を細かく設定する必要がある、トースト等
の軽量な調理品の重量検出を高分解能で行うことが可能
となる。
【0012】また、他の発明は、上述の重量検出装置に
加えて、受ける重量の同一の変化量に対応するスラスト
変位部材の変位量を重い領域と軽い領域とで異ならせる
手段を、スラスト変位部材のスラスト方向への変位に抗
するように作用する弾性部材で構成し、この弾性部材の
弾性力を重い領域と軽い領域とで異ならせている。
【0013】このため、上述のような簡単な構成で、高
分解能が必要な重量検出領域の精度を高めつつ、検出可
能な最大重量に対するスラスト変位部材の変位量を抑え
ることが可能となる。
【0014】また、他の発明は、上述の重量検出装置に
加えて、弾性部材は、外径及び軸方向の各寸法の異なる
複数のコイルバネを半径方向に重なるように配置し、ス
ラスト変位部材の変位量が所定の領域に達するまでの間
は軸方向寸法の大きいコイルバネがスラスト変位部材の
変位に抗するように作用し、次にスラスト変位部材の変
位量が所定の領域に達すると軸方向寸法の大きいコイル
バネ及びこの大きいコイルバネより軸方向寸法の小さい
コイルバネがスラスト変位部材の変位に抗するように作
用するように構成されている。
【0015】そのため、複数のコイルバネを配置すると
いう簡単な構成で、高分解能が必要な重量検出領域の精
度を高めつつ、検出可能な最大重量に対するスラスト変
位部材の変位量を抑えることが可能となる。加えて、コ
イルバネの端部をスラスト方向変位部材に当接させる構
成とすれば、当接関係が安定する。
【0016】また、他の発明は、上述の重量検出装置に
加えて、複数のコイルバネの各々のバネ定数が、異なる
数値に設定されている。そのため、軽量域と重量域との
分解能の差を大きく設定したり、あるいは逆に小さく設
定したりすることが可能となる。
【0017】また、他の発明は、上述の重量検出装置に
加えて、複数のコイルバネは、外径及び軸方向の各寸法
が大きいコイルバネのバネ定数が小さいコイルバネに比
して小さく設定されている。そのため、端面の面積の大
きいコイルを軽量域においてスラスト変位部材に当接さ
せることができるため、一般に精度が必要とされる軽量
域におけるコイルバネとスラスト変位部材との当接関係
をさらに安定化させることができる。
【0018】また、他の発明は、上述の重量検出装置に
加えて、複数のコイルバネのうちの少なくとも1つの端
部は、スラスト変位部材に溶接固定されている。そのた
め、コイルバネとスラスト変位部材の当接関係をさらに
確実なものとすることが可能となる。
【0019】また、他の発明は、上述の重量検出装置に
加えて、複数のコイルバネのうちの少なくとも1つの端
部は、複数のコイルバネを収納するケース部の端面に高
粘性グリスにより固定されている。そのため、コイルバ
ネが収納ケース側に確実に固定され、伸縮動作がさらに
安定化する。
【0020】また、他の発明は、上述の重量検出装置に
加えて、スラスト変位部材のスラスト方向への変位に応
じて所定量回転方向に相対変位する第1及び第2の相対
回転変位部材と、スラスト変位部材及び第1及び第2の
相対回転変位部材を一体的に回転させる回転駆動手段
と、第1及び第2の相対回転変位部材の一体回転を利用
して両者の相対変位量を検出する検出手段を有し、重量
換算手段は第1及び第2の相対回転変位部材の相対変位
量を、重量として換算するものとしている。
【0021】そのため、重量に対応する変位量を検出す
る検出機構をコンパクトな構成とすることが可能とな
る。具体的には、スラスト変位部材のスラスト変位に応
じて相対回転変位する両相対回転変位部材の外側のスペ
ースにホール素子等の検出手段を配置して両相対回転変
位部材の相対変位を検出する構成をとることにより、従
来の静電容量方式における電極間の対向面積の増大によ
る装置の大型化を防止できる。
【0022】また、本発明の電子レンジは、ターンテー
ブルに加わる重量に応じてこのターンテーブルをスラス
ト方向に変位可能とするとともに、その変位量に基づい
てターンテーブルに加わる重量を検出する重量検出装置
を有したものであって、重量検出装置として上述した重
量検出装置を設けている。
【0023】このような重量検出装置をターンテーブル
に載せられる調理品の重量を計測する重量検出装置とし
て用いた電子レンジは、重量検出部分を小型なものとす
ることができ、電子レンジ全体の小型化が図れる。特
に、回転変位部材を、ターンテーブルを回転駆動させる
ための駆動源からの回転力を減速する減速輪列の出力歯
車を兼ねるものとすると、回転駆動手段と重量検出部分
を一体化することができるので、回転駆動手段と重量検
出部分が別々になっている従来のものに比べると、小型
化が図れ、また、組立工数の削減も図れる。加えて、微
妙な調理時間の管理が必要な軽量(特に1kg以下)の
調理品の重量検出を、高分解能にて対応させることがで
き、より正確な時間での調理が可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の例を
図1から図8に基づき説明する。この実施の形態では、
重量検出装置を電子レンジに適用した例について説明す
る。電子レンジに適用する場合は、前述したように、調
理品を載せるターンテーブルの変位量を調理品の重量を
示す信号として取り出すものであり、この重量を示す信
号に基づいてマイクロ波の照射時間を決定するなどの制
御を行う。
【0025】図1に示すように、重量検出装置1は、大
きく分けると、ターンテーブル11を回転させると共に
後述する第1及び第2の相対回転変位部材42,43を
スラスト軸41と一体的に回転させる回転駆動手段12
と、ターンテーブル11のスラスト方向変位量を検出す
る重量検出部13により構成され、これらの各構成要素
は1つの金属製のケーシング14内に収納されている。
なお、ケーシング14は、ケース本体14aとケース蓋
14bにより構成されており、ケース本体14aの底面
とケース蓋14bの両内面によって第1及び第2の相対
回転変位部材42,43を上下方向から挟むような配置
となっている。
【0026】回転駆動手段12は、回転駆動源としての
モータ(ここでは同期モータが用いられる)20と、こ
のモータ20の回転力を減速してターンテーブル11に
伝達する減速輪列から構成される。
【0027】重量検出部13は、一端がターンテーブル
11の中心に固定され、ターンテーブル11に加わる重
量に応じてスラスト方向に変位するスラスト変位部材と
してのスラスト軸41と、このスラスト軸41に係合し
て設けられたスラスト軸41のスラスト変位に応じて所
定量回転方向に相対変位する第1及び第2の相対回転変
位部材42,43と、スラスト軸41に挿通されたピン
44と、第1及び第2の相対回転変位部材42,43の
回転方向における位置関係を保持させるための位置保持
手段としての付勢バネ45と、後述する重量検出信号出
力手段と、スラスト軸41の先端側に配置された外径及
び軸方向の各寸法の異なる2つのコイルバネ46a,4
6bとを主な構成要素としている。なお、重量検出信号
出力手段から出力された信号は、マイクロコンピュータ
からなる重量換算手段(図示省略)によって重量に換算
される。
【0028】なお、第1及び第2の相対回転変位部材4
2,43は、互いに対をなすようにスラスト軸41に同
軸的に設けられている。そして、第1の相対回転変位部
材42は、スラスト軸41のスラスト方向の変位に応じ
て回動すると共に、第2の相対回転変位部材43は、ス
ラスト軸41のスラスト方向の変位によっては回動せ
ず、回転駆動手段12からの回転駆動力を受けることに
よって回転するものとなっている。すなわち、第2の相
対回転変位部材43は、回転駆動手段12を構成する減
速輪列の一部であって他の歯車に係合する出力歯車を兼
ねている。
【0029】ピン44は、第1及び第2の相対回転変位
部材42,43とスラスト軸41とを係合させ、スラス
ト軸41がスラスト方向に変位したときは、第1の相対
回転変位部材42をスラスト軸41の変位量に応じてス
ラスト軸41を中心に所定回動角度だけ回動させ、第2
の相対回転変位部材43が回転駆動手段12からの駆動
力を受けて回転する際は、その回転力をスラスト軸41
に伝達可能としている。このピン44は、第1の相対回
転変位部材42に形成された「レ」形状の溝42b,4
2cに当接し、第2の相対回転変位部材43に形成され
たスラスト方向の溝43b,43cに嵌挿される。ピン
44と第1及び第2の相対回転変位部材42,43の構
成の詳細については後述する。
【0030】付勢バネ45は、コイルバネからなり、第
1及び第2の相対回転変位部材42,43の回転方向に
おける位置関係を保持させるための位置保持手段となっ
ている。なお、本実施の形態は、逆転防止レバー34a
によってモータ20のロータ22の逆転を防止する構成
となっており、ターンテーブル11は一方向回転するも
のとなっている。そのため、モータ20の駆動力により
第1及び第2の相対回転変位部材42,43が回転する
際には、ピン44が第2の相対回転変位部材43のスラ
スト方向の溝43b,43cにはまった状態で第1の相
対回転変位部材42の溝42bの斜面部42d,42e
に常に押し付けられる。この結果、第1及び第2の相対
回転変位部材42,43の位置関係は保持される。付勢
バネ45は、このモータ20の駆動力による第1及び第
2の相対回転変位部材42,43の位置関係の保持をさ
らに補足的に保持するためのものとなっている。
【0031】すなわち、付勢バネ45は、第1及び第2
の相対回転変位部材42,43を嵌めあわせた際に、第
1の相対回転変位部材42に対し周方向への力を与え、
両斜面部42d,42eとピン44との当接をより強力
にするようになっている。これにより、第1及び第2の
相対回転変位部材42,43の相対変位量は、確実に保
持される。すなわち、付勢バネ45による位置保持を行
うことにより、重量測定時の精度がより安定する。
【0032】また、重量検出信号出力手段は、第1及び
第2の相対回転変位部材42,43の相対変位量に応じ
た信号を重量検出信号として出力する。この重量検出信
号出力手段は、図5に示されるように、第1の相対回転
変位部材42側に設けられる3個のマグネットB1,B
2,B3と、第2の相対回転変位部材43側に設けられ
る3個のマグネットA1,A2,A3と、これらのマグ
ネットB1〜B3,A1〜A3の発生する磁気を電気信
号に変換する検出手段となるホールIC47からなる。
なお、これらの詳細については後述する。
【0033】このような構成の重量検出部13について
さらに詳細に説明する。スラスト軸41は、上述したよ
うにその一端(後端)がターンテーブル11に係合また
は固定されており、ターンテーブル11にモータ20の
回転力を伝達するとともに、ターンテーブル11に調理
品が載せられることによりターンテーブル11と一緒に
スラスト方向に下降するようになっている。そして、こ
のスラスト軸41の他端(先端)側には、ブッシュ48
およびキャップ部材49が取り付けられている。これら
ブッシュ48およびキャップ部材49は、スラスト軸4
1のスラスト変位に抗するように作用する弾性部材、具
体的には複数のコイルバネ46a,46bを押し下げる
ための部材となっており、本実施の形態ではスラスト軸
41と共にスラスト変位部材を構成する。
【0034】両コイルバネ46a,46bは、重量を受
けたスラスト軸41の同一変化重量に対する変位量を、
所定の重量を基準としこの基準重量より重い領域と軽い
領域とで異ならせるための弾性手段となっている。両コ
イルバネ46a,46bは、断面が四辺形のいわゆる角
線コイルバネといわれるコイルバネで構成されており、
スラスト軸41の下降しようとする力に抗する付勢力を
スラスト軸41に対して与えるものとなっている。すな
わち、スラスト軸41は、コイルバネ46a,46bに
よって支持され、重量に応じてコイルバネ46a,46
bの復元力に抗するようにスラスト方向に変位するよう
になっている。
【0035】なお、より正確には、スラスト軸41は、
その変位量の絶対値が所定の領域に達するまでの間は、
軸方向寸法の大きいコイルバネ46aのみのバネ力に抗
して下降し、変位量の絶対値が所定の領域に達すると両
コイルバネ46a,46bの双方のバネ力に抗して下降
することとなる。すなわち、スラスト軸41の下降当初
は、軸方向寸法の大きいコイルバネ46aの弾性力のみ
がスラスト軸41の下降に抗するように作用し、所定の
領域に達すると両コイルバネ46a,46bの弾性力が
スラスト軸41の下降に抗するように作用する。なお、
この実施の形態では、上述の所定の領域を1kg(食品
載置用の皿の重量を除くため、実際値では約1.7k
g)以上の重量を受けた場合のスラスト軸41の変位量
の領域に設定し、上述の基準の重量を1kg(食品載置
用の皿の重量を除くため、実際値では約1.7kg)と
している。
【0036】このような構成となっているため、スラス
ト軸41の単位重さ当たりの下降変位量は、ターンテー
ブル11上に載せられた調理品の重量が1kg未満の場
合は大きく、1kg以上の場合は小さくなる。このた
め、本実施の形態では、検出重量が軽い1kg未満の領
域においては、検出重量が重い1kg以上の領域に対し
て、スラスト軸41の変位に伴う第1及び第2の相対回
転変位部材42,43の相対回転変位も大きなものとな
る。この結果、本実施の形態では、重量が1kg未満の
調理品の重量を検出する際には、より高い分解能で検出
することが可能となり、微妙な調理時間や温度等を設定
をより正確に行うことができることとなる。逆に、重量
が1kg以上の調理品の重量検出時は、それ程高い分解
能となっていないこととなるが、これは、一般に重量の
大きい調理品の場合、それ程精密な重量検出、及びこの
重量検出に基づく調理時間や温度設定が必要ないためで
ある。
【0037】両コイルバネ46a,46bの構成につい
て、さらに詳細に説明する。コイルバネ46aは、コイ
ルバネ46bよりその外径及び軸方向の寸法が大きいコ
イルバネとなっている(以下、コイルバネ46aを大コ
イルバネ46aとする)。また、大コイルバネ46a
は、コイルバネ46bよりバネ定数が小さく、弾性力の
弱いものとなっている。これは、大コイルバネ46aの
みがスラスト軸41の下降に抗する1kg以下の領域に
おいては、よりスラスト軸41の変位を大きくするため
の構成である。なお、バネの弾力性等、具体的な数値等
の設定については、後で図6を用いて説明する。
【0038】そして、この大コイルバネ46aの内側
に、外径及び軸方向の寸法の小さい小コイルバネ46b
が配置されている。すなわち、これら両コイルバネ46
a,46bは、半径方向の外側と内側となるように配置
されている。小コイルバネ46bは、大コイルバネ46
aよりバネ定数が大きく、弾性力の強いものとなってい
る。これは、両コイルバネ46a,46bがスラスト軸
41の下降に抗する1kg以上の領域において、よりス
ラスト軸41の変位を小さくするための構成である。こ
れら両コイルバネ46a,46bは、ケース本体14a
にネジ止め固定された突出円筒部14c内に納められて
いる。この構成のため、本実施の形態の重量検出装置1
は、検出可能な重量の範囲をある程度確保すると共に、
突出円筒部14cの軸方向の高さを小さくし、装置全体
をコンパクトにすることができる。
【0039】大コイルバネ46aの一端は、キャップ部
材49の外縁部分に形成されたフランジ49aに溶接固
定されている(図1において溶接部分をnで示す)。そ
して、キャップ部材49の凹面部分が、大コイルバネ4
6aの内側の空間部分にはまり込んでいる。また、大コ
イルバネ46aの他端は、突出円筒部14cの端面14
dに高粘性グリス(図1においてグリス塗布部分をmで
示す)の粘性により固定されている。これにより、大コ
イルバネ46aは、常時スラスト軸41の受け部となる
キャップ部材49に当接し、かつ突出円筒部14内で確
実に保持されている。そして、大コイルバネ46aは、
スラスト軸41に重量を受け下降することに伴いスラス
ト軸41により押し下げられる。
【0040】一方、小コイルバネ46bは、突出円筒部
14の端面14d側に、大コイルバネ46aと同様、高
粘性グリスにて固定されている。この小コイルバネ46
bのスラスト軸41側の端部は、スラスト軸41が重量
を受けず大コイルバネ46aを押し下げていない状態時
において、キャップ部材49の上述した凹面部分と同軸
上でかつこの凹面部分から離れた位置に配置されてい
る。そして、この小コイルバネ46bの端部は、スラス
ト軸41が1kg以上の重量を受けて大コイルバネ46
aを押し下げられると、キャップ部材49の凹面部分と
当接し、スラスト軸41の下降に伴って押し下げられ
る。すなわち、小コイルバネ46aは、1kg未満の範
囲では作用せず、1kg以上の範囲で大コイルバネ46
aと協働してスラスト軸41の下降に抗するように作用
する。
【0041】第1の相対回転変位部材42は、図3に示
すように、円筒形状をなし、その中心部には、スラスト
軸41を貫通させる孔42aが形成されている。そし
て、その側面円筒部分には、中心軸を挟んで対向する位
置に一対の溝42b,42cが形成される。溝42b,
42cは、それぞれ中心軸方向に対し所定の角度を有す
る斜面部42d,42eと、中心軸方向とほぼ同じ方向
に形成された垂直面部42f,42gを備えた上方に拡
開した「レ」形状の溝となっている。
【0042】また、図3に示すように、第1の相対回転
変位部材42の側面円筒部分の外側には、120°間隔
で配置されるマグネットB1,B2,B3を装填するた
めのマグネット装填部51a,51b,51cが設けら
れている。これらのマグネット装填部51a,51b,
51cのうちの一つであるマグネット装填部51aに
は、第1及び第2の相対回転変位部材42,43の回転
方向における位置関係を位置保持するための付勢バネ4
5の一端側を係止する突起51dが設けられている。な
お、この付勢バネ45の他端側は、第2の相対回転変位
部材43に設けられた格納壁52dと押さえ突起52e
からなる格納部内に装填される。
【0043】一方、出力歯車ともなる第2の相対回転変
位部材43は、図4に示すように、一端が有底で他端が
開口の円筒形状をなし、その内径は第1の相対回転変位
部材42の外径よりもやや大径で、内部には同心円状に
形成された内部円筒部43aを有する。この内部円筒部
43aの外径は第1の相対回転変位部材42の内径より
やや小径であり、その側面円筒部分には、その円筒の中
心軸を挟んで対向する位置に、一対のスラスト方向に切
り欠かれた溝43b,43cが形成されている。この溝
43b,43cは、スラスト軸41に直交するようにス
ラスト軸41に挿通されたピン44のスラスト方向の動
作を阻害しない、すなわち内部をピン44がスラスト方
向には自在に移動できるものとなっている。
【0044】このような第2の相対回転変位部材43の
有底端側の中心部には、スラスト軸41を貫通させる孔
43dが形成される。
【0045】このような第2の相対回転変位部材43
は、その一端側が、バネ性を有する金属製の板状のバネ
部材となる葉形スプリング50と当接している。すなわ
ち、第2の相対回転変位部材43の有底端には、外方向
に突出した円筒形の突出部43e(図2参照)が形成さ
れ、この円筒形の突出部43eが葉形スプリング50に
当接している。この構成により、第2の相対回転変位部
材43は、葉形スプリング50によってケース本体14
aの底面側に付勢される。
【0046】そして、第1の相対回転変位部材42と第
2の相対回転変位部材43は、第1の相対回転変位部材
42の溝42b,42cの入口部分がある端部と、第2
の相対回転変位部材43の開放端とを対向させるように
して、第1の相対回転変位部材42を第2の相対回転変
位部材43内に挿入する。これにより、第2の相対回転
変位部材43の内部円筒部43aは、第1の相対回転変
位部材42内に挿入される状態となる。
【0047】そして、第2の相対回転変位部材43の開
口端側には、ケース本体14aの内面と第1及び第2の
相対回転変位部材42,43との間に平板状のワッシャ
ー54が配置されている。このように第2の相対回転変
位部材43は、一方から葉形スプリング50で付勢さ
れ、他方をワッシャー54に押し付けられるようになっ
ているので上下方向の動きが規制されることとなる。ま
た、第1の相対回転変位部材42は、第2の相対回転変
位部材43を介して歯形スプリング50の付勢力によっ
てワッシャー54側に押し付けられる。なお、第2の相
対回転変位部材42は、付勢バネ45の付勢力から発生
する付勢力によってもワッシャー54に押し付けられる
ようになっている。
【0048】このように、ワッシャー54は、ターンテ
ーブル11に重量がかけられているかいないかに関係な
く、常に第1及び第2の相対回転変位部材42,43が
共に当接するようになっている。すなわち、このワッシ
ャー54は、付勢手段となる葉形スプリング50によっ
て付勢された第1及び第2の相対回転変位部材42,4
3の端面を受ける基準面となっており、第1及び第2の
相対回転変位部材42,43は、ターンテーブル11に
かかる重量に応じてこの基準面から相対変位するように
なっている。この構成により、重量による両者の相対変
位量が安定し、確実に誤差のない重量検出が可能とな
る。
【0049】また、図2に示すように、スラスト軸41
には、ピン44がスラスト軸41の中心軸を直交するよ
うに直角に横切ってピン44の両端が両側(左右とい
う)に突出するように取り付けられる。そして、このピ
ン44の左右の突出部分は、図4に示す第2の相対回転
変位部材43の内部円筒部43aに形成された軸方向の
溝43b,43cに係合するとともに、第1の相対回転
変位部材42に形成された溝42b,42cに当接して
いる。さらに、ピン44の一端は、第2の相対回転変位
部材43の内部円筒部43aに形成された溝43bと第
1の相対回転変位部材42を挟んで対向配置されたスリ
ット43fに係合している。
【0050】このスラスト軸41は、図1に示すよう
に、その先端がケース本体14aを突き抜けて突出円筒
部14c内に配置されたキャップ部材49に到達し、タ
ーンテーブル11に加わる重量によってキャップ部材4
9を押して上述したコイルバネ46a,46bを圧縮さ
せる動作を行う。この際、このスラスト軸41の先端
は、キャップ部材49に対してその先端に被せたブッシ
ュ48を介して当接しており、ブッシュ48と一体的に
キャップ部材49に対して回転自在となっている。
【0051】スラスト軸41は、このような状態で取り
付けられる。すなわち、このスラスト軸41に取り付け
られたピン44が、前述したように、第2の相対回転変
位部材43側の溝43b,43cに係合しているととも
に、第1の相対回転変位部材42側の溝42bの斜面部
42dおよび溝42cの斜面部42eに係合している。
このため、スラスト軸41が押し下げられるように動作
すると、ピン44が第2の相対回転変位部材43側の溝
43b,43cに沿って下方に移動しようとする。この
とき、第2の相対回転変位部材43は、回転方向の動き
が規制され、しかも溝43b,43cが軸方向と同一と
なっているので、回転することはない。一方、第1の相
対回転変位部材42は、ピン44が下方に移動すること
によって、斜面部42d,42eがピン44によって下
方に押圧される。これにより、この斜面部42d,42
eに分力が働き、第1の相対回転変位部材42はスラス
ト軸41を中心に回転方向に回動する。
【0052】このように、ターンテーブル11に荷重が
加わると、その荷重に比例して、スラスト軸41が変位
(下降)し、それに伴って、第1の相対回転変位部材4
2が回転方向に移動可能となっている。そして、第2の
相対回転変位部材43が回転駆動手段12からの駆動力
を受けて回転する際、ピン44等は、モータ20の回転
力をスラスト軸41に伝達可能とする動作を行う。
【0053】次に、第1の相対回転変位部材42の第2
の相対回転変位部材43に対する相対運動によって、タ
ーンテーブル11に加わる荷重の大きさに対応する電気
信号を出力する手段、つまり、重量検出信号出力手段に
ついて説明する。
【0054】第1の相対回転変位部材42には、3つの
マグネットB1,B2,B3が同一平面状に等間隔に配
置されている。これらの各マグネット間は、120°離
れている。一方、第2の相対回転変位部材43には、3
つのマグネットA1,A2,A3が同一平面状に等間隔
に配置されている。これらの各マグネット間は、120
°離れている。そして、第1及び第2の相対回転変位部
材42,43を上述したように同軸上となるように嵌め
あわせた状態では、上述した6つのマグネットA1,A
2,A3,B1,B2,B3は、対応するマグネット同
士、すなわちマグネットA1とマグネットB1、マグネ
ットA2とマグネットB2、マグネットA3とマグネッ
トB3が、それぞれ33.24°離れるように同一平面
状に配置される。
【0055】そして、そのマグネット近傍には、磁気を
電気信号に変換して出力するホールIC47が固定配置
されている。
【0056】マグネットA1,A2,A3は、図4に示
すように、第2の相対回転変位部材43の円周部に等間
隔で設けられたマグネット装填部52a,52b,52
cにそれぞれ装填され、同様に、マグネットB1,B
2,B3は、図3に示すように、第1の相対回転変位部
材42の円周部に等間隔で設けられたマグネット装填部
51a,51b,51cにそれぞれ装填されている。マ
グネットA1,A2,A3と、マグネットB1,B2,
B3は、互い違いに同一平面上に配置される。
【0057】なお、本実施の形態の重量検出装置1は、
上述したように所定の重量(1kg)を基準としてそれ
より軽い領域におけるスラスト軸41の変位量と、重い
領域におけるスラスト軸41の変位量とが異なる。この
検出重量とスラスト軸41のスラスト方向への変位量の
関係について、図6を用いて説明する。
【0058】本実施の形態では、調理品を載置するため
のターンテーブル11の重量が700gとなっている。
そのため、ターンテーブル11に調理品を載置しなくて
も、ターンテーブル11の重量によりスラスト軸41に
700gfの荷重がかかり、スラスト軸41は約0.8
mm下降している。このとき、スラスト軸41等の重量
を支えているのは、大コイルバネ46aである。大コイ
ルバネ46aは、1.7kgfの荷重に対して2mm変
位(収縮)するように設定されている。
【0059】スラスト軸41の先端に配置されたキャッ
プ部材49は、調理品の重量が1kg以上、すなわち調
理品とターンテーブル11とを合わせた重量が1.7k
g以上である場合、2mm以上下降することとなるが、
2mm下降した際に小コイルバネ46bに当接すること
となる。この小コイルバネ46bは、3kgfの荷重に
対して2mm変位(収縮)するように設定されている
(図6上における実測値は1.5kgfに対して1mm
となっている)。すなわち、上述したように小コイルバ
ネ46bは、大コイルバネ46aより弾力性の強いバネ
が使用されている。
【0060】なお、調理品の重量が1kg以下の場合に
は、スラスト軸41の下降に対して大コイルバネ46a
のみが作用し、1kg以上の場合には両コイルバネ46
a,46bが作用するようになっている。両コイルバネ
46a,46bが協働する1kg以上の領域では、4.
8kgfの荷重に対して2mm変位(収縮)するように
設定されている(図6上における実測値は2.4kgf
に対して1mmとなっている)。
【0061】なお、検出すべき重量が0kgの状態(約
0.8mm下降した状態)から1kgの荷重を加える
と、この間のスラスト軸41のスラスト変位量は約1.
2mmである。これに対し、検出重量が1kg以上の領
域(図6上では荷重1.7kgf以上の領域)では、
2.4kgの荷重の増加に対して、この間のスラスト軸
41のスラスト変位量は1mmとなる。すなわち、1k
g未満の領域では、スラスト軸41のスラスト変位量が
大きく設定されている。
【0062】図7は、ターンテーブルに加わる荷重(調
理品の重量)と、マグネットトA1によるホールIC出
力に対するマグネットB1によるホールIC出力の時間
間隔を百分率で表したものであり、マグネットA1,A
2,A3間の各時間間隔tを100%とし、このtに対
しての百分率である。なお、マグネットA2に対するマ
グネットB2、マグネットA3に対するマグネットB3
の関係も同様となる。この図7からもわかるように、荷
重が0の場合は28%(0.28t)、荷重が1kgの
場合は約40%(0.40t)となっており、この間
(軽量域)は荷重に比例して時間間隔が長くなってい
く。また、荷重が4kgの場合は約44%(0.44
t)、最大荷重(7kg)では約48%(0.48t)
となっており、この間(重量域)も荷重に比例して時間
間隔が長くなっていく。なお、この図7でもわかるよう
に、荷重1kg以下の軽量域では、重量に対する変位量
が荷重1kg以上の重量域に比して大きくなっている。
【0063】一方、図8は、ターンテーブルに加わる荷
重(調理品の重量)と、マグネットB1によるホールI
C出力に対するマグネットA2によるホールIC出力の
時間間隔を百分率で表したものであり、マグネットA
1,A2,A3間の各時間間隔tを100%とし、この
tに対しての百分率である。なお、マグネットB2に対
するマグネットA3、マグネットB3に対するマグネッ
トA1の関係も同様となる。この図8からもわかるよう
に、荷重が0の場合は72%(0.72t)、荷重が1
kgの場合は約60%(0.60t)となっており、こ
の間(軽量域)は荷重に比例して時間間隔が短くなって
いく。また、荷重が4kgの場合は約56%(0.56
t)、最大荷重(7kg)では約52%(0.52t)
となっており、この間(重量域)も荷重に比例して時間
間隔が短くなっていく。なお、この図8でもわかるよう
に、荷重1kg以下の軽量域では、重量に対する変位量
が荷重1kg以上の重量域に比して大きくなっている。
【0064】このような関係に基づいて、調理品の重量
を検出することができ、調理品の重量がわかればそれを
考慮した調理時間などを自動的に設定することができ
る。
【0065】なお、前述の実施の形態は、本発明の好適
な実施の形態の例であるが、これに限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変
形実施可能である。例えば、上述の実施の形態では、1
kg未満の軽量域と1kg以上の重量域とでスラスト軸
41の変位量を異ならせる構成としたが、この基準とな
る重量は1kg以外の数値、すなわち1kgより小さな
値でも良いし、逆に1kgを超える値でも良い。
【0066】また、上述の実施の形態では、基準となる
重量1kgを境目として軽量域と重量域とでスラスト変
位量を異ならせる手段を、大コイルバネ46aと小コイ
ルバネ46bの2つのコイルバネを半径方向に重合配置
したものとしたがコイルバネは2つでなく3つ以上と
し、基準となる重量を複数持たせるようにしても良い。
また、このような手段を複数のコイルバネで構成せず、
例えば、スパイラルバネ等、バネ定数が比例関係でなく
2次曲線となるようなバネを用いても良い。さらには、
コイルバネ等の代わりに、板バネや皿バネなどの他のバ
ネとしたり、ゴム材やプラスチック材など他の弾性部材
としても良い。
【0067】さらに、上述の実施の形態では、外側に配
置される大コイルバネ46aを軸方向寸法の長いものと
し、軽量域において作用するバネとしたが、内側に配置
されるバネの軸方向寸法を長く構成して内側のバネを軽
量域において作用するバネとしても良い。また、1kg
以上の領域となって初めてスラスト軸41側のキャップ
部材49に当接する小コイルバネ46bの当接部分に、
鉄板等の平板状部材を溶接等により固定し、当接状態を
安定させるようにしても良い。また、軽量域で作用する
バネの弾性を強くして低分解能とし、重量域で作用する
バネの弾性を弱くし高分解能としても良い。
【0068】また、上述の実施の形態では、小コイルバ
ネ46bをコイル収納部としての突出円筒部14cの端
面14d側に固定した構成としたが、小コイルバネ46
bをスラスト軸41の先端に被せられたキャップ部材4
9側に固定する構成としても良い。この場合、スラスト
軸41側と一体的にスラスト方向に動作する小コイルバ
ネ46bの先端が、所定の重量域(上述の実施の形態に
合わせると1kg以上の重量域)となると突出円筒部1
4cの端面14dに当接し、徐々に収縮してスラスト軸
41の下降に抗するように作用する。
【0069】また、上述の実施の形態では、大コイルバ
ネ46aの一端をキャップ部材49に溶接固定し、他端
を突出円筒部14cの端面14dに高粘性グリスで固定
した構成としたが、大コイルバネ46aとキャップ部材
49との当接状態が安定する場合、特にこのような固定
構造は必要ない。また、両コイルバネ46a,46bを
角線コイルバネではなく、円形のものや他の形状のコイ
ルバネとしても良い。
【0070】さらに、上述の実施の形態では、電子レン
ジにおける調理品の重量を検出する場合を例にとって説
明したが、本発明は、電子レンジに限られるものではな
く、オーブンやトースター等他の装置の重量の検出にも
適用できる。また、本発明は、調理品以外の他の物品の
重量の検出にも適用できる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の重量検出
装置は、所定の重量を基準としこの基準重量より重い領
域と軽い領域とで、受ける重量の同一の変化量に対応す
るスラスト変位部材の変位量を異ならせることにより、
所定の重量を基準とした重い領域での分解能と軽い領域
での分解能に差を持たせている。そのため、高分解能が
必要な重量検出領域(通常は、例えば1kg未満の軽量
域)におけるスラスト変位部材の変位量を大きくとり、
かつそれ程高分解能が必要でない重量検出領域(通常
は、例えば1kg以上の重量域)におけるスラスト変位
部材の変位量を小さくすることで、検出可能な最大重量
に対するスラスト変位部材の変位量を抑えることが可能
となる。この結果、高分解能を必要とする重量検出領域
の精度を確保しつつ、装置全体を小型化させることが可
能となる。
【0072】また、スラスト変位部材のスラスト方向へ
の変位に応じて所定量回転方向に相対変位する第1及び
第2の相対回転変位部材と、スラスト変位部材及び第1
及び第2の相対回転変位部材を一体的に回転させる回転
駆動手段と、第1及び第2の相対回転変位部材の一体回
転を利用して両者の相対変位量を検出する検出手段を備
え、第1及び第2の相対回転変位部材の相対変位量を重
量として換算するように構成すると、以下の効果が生じ
る。
【0073】すなわち、重量に対応する変位量を検出す
る検出機構をコンパクトな構成とすることが可能とな
る。具体的には、スラスト変位部材のスラスト変位に応
じて相対回転変位する両相対回転変位部材の外側のスペ
ースにホール素子等の検出手段を配置して両相対回転変
位部材の相対変位を検出する構成をとることにより、従
来の静電容量方式における電極間の対向面積の増大によ
る装置の大型化を防止できる。
【0074】このような重量検出装置をターンテーブル
に載せられる調理品の重量を計測する重量検出装置とし
て用いた電子レンジは、重量検出部分を小型なものとす
ることができ、電子レンジ全体の小型化が図れる。加え
て、微妙な調理時間の管理が必要な軽量(特に1kg以
下)の調理品の重量検出を、高分解能にて対応させるこ
とができ、より正確な時間での調理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の重量検出装置の実施の形態を示す側断
面図である。
【図2】図1で示した重量検出装置の分解斜視図であ
る。
【図3】図1および図2で示した第1の相対回転変位部
材を詳細に説明する斜視図である。
【図4】図1および図2で示した第2の相対回転変位部
材を詳細に説明する斜視図である。
【図5】図1のV−V断面図である。
【図6】図1で示した重量検出装置のスラスト軸のスラ
スト変位量と検出すべき重量(バネにかかる荷重)との
関係を示した図である。
【図7】図1で示した重量検出装置にターンテーブルか
ら加わる荷重を横軸とし、第2の相対回転変位部材側の
マグネットによるホールIC出力に対する第1の相対回
転変位部材側のマグネットによるホールIC出力の時間
間隔を百分率で示した値(=マグネットA,Bの位相
差)を縦軸としたグラフである。
【図8】図1で示した重量検出装置にターンテーブルか
ら加わる荷重を横軸とし、第1の相対回転変位部材側の
マグネットによるホールIC出力に対する第2の相対回
転変位部材側のマグネットによるホールIC出力の時間
間隔を百分率で示した値(=マグネットA,Bの位相
差)を縦軸としたグラフである。
【符号の説明】
1 重量検出装置 11 ターンテーブル 12 回転駆動手段 13 重量検出部 20 モータ(回転駆動手段の一部) 31 第1歯車(回転駆動手段の一部) 32 第2歯車(回転駆動手段の一部) 33 第3歯車(回転駆動手段の一部) 41 スラスト軸(スラスト変位部材) 42 第1の相対回転変位部材 43 第2の相対回転変位部材 44 ピン 46a,46b コイルバネ(スラスト変位部材の変位
量を重い領域と軽い領域とで異ならせる手段) 47 ホールIC(検出手段) 48 ブッシュ(スラスト変位部材) 49 キャップ部材(スラスト変位部材) AI,A2,A3 第2の相対回転変位部材側のマグネ
ット B1,B2,B3 第1の相対回転変位部材側のマグネ
ット

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出すべき重量に応じてスラスト方向に
    変位するスラスト変位部材と、このスラスト変位部材の
    変位量を重量として換算する重量換算手段とを備え、所
    定の重量を基準としこの基準重量より重い領域と軽い領
    域とで、受ける重量の同一の変化量に対応するスラスト
    変位部材の変位量を異ならせることにより、上記所定の
    重量を基準とした上記重い領域での分解能と上記軽い領
    域での分解能に差を持たせたことを特徴とする重量検出
    装置。
  2. 【請求項2】 前記基準重量より軽い領域における前記
    スラスト変位部材の前記変位量を、前記基準重量より重
    い領域における前記変位量に比して大きく構成すること
    により、軽い領域での分解能を重い領域の分解能より高
    分解能としたことを特徴とする請求項1記載の重量検出
    装置。
  3. 【請求項3】 受ける重量の同一の変化量に対応する前
    記スラスト変位部材の前記変位量を重い領域と軽い領域
    とで異ならせる手段を、前記スラスト変位部材のスラス
    ト方向への変位に抗するように作用する弾性部材で構成
    し、この弾性部材の弾性力を前記重い領域と前記軽い領
    域とで異ならせたことを特徴とする請求項1または2記
    載の重量検出装置。
  4. 【請求項4】 前記弾性部材は、外径及び軸方向の各寸
    法の異なる複数のコイルバネを半径方向に重なるように
    配置し、前記スラスト変位部材の変位量が所定の領域に
    達するまでの間は軸方向寸法の大きいコイルバネが前記
    スラスト変位部材の変位に抗するように作用し、次に前
    記スラスト変位部材の変位量が所定の領域に達すると上
    記軸方向寸法の大きいコイルバネ及びこの大きいコイル
    バネより軸方向寸法の小さいコイルバネが前記スラスト
    変位部材の変位に抗するように作用するように構成され
    たことを特徴とする請求項3記載の重量検出装置。
  5. 【請求項5】 前記複数のコイルバネの各々のバネ定数
    が、異なる数値に設定されていることを特徴とする請求
    項4記載の重量検出装置。
  6. 【請求項6】 前記複数のコイルバネは、外径及び軸方
    向の各寸法が大きいコイルバネのバネ定数が小さいコイ
    ルバネに比して小さく設定されていることを特徴とする
    請求項5記載の重量検出装置。
  7. 【請求項7】 前記複数のコイルバネのうちの少なくと
    も1つの端部は、前記スラスト変位部材に溶接固定され
    ていることを特徴とする請求項4,5または6記載の重
    量検出装置。
  8. 【請求項8】 前記複数のコイルバネのうちの少なくと
    も1つの端部は、前記複数のコイルバネを収納するケー
    ス部の端面に高粘性グリスにより固定されていることを
    特徴とする請求項4,5,6または7記載の重量検出装
    置。
  9. 【請求項9】 前記スラスト変位部材のスラスト方向へ
    の変位に応じて所定量回転方向に相対変位する第1及び
    第2の相対回転変位部材と、前記スラスト変位部材及び
    上記第1及び第2の相対回転変位部材を一体的に回転さ
    せる回転駆動手段と、上記第1及び第2の相対回転変位
    部材の一体回転を利用して両者の相対変位量を検出する
    検出手段を有し、前記重量換算手段は上記第1及び第2
    の相対回転変位部材の相対変位量を、重量として換算す
    るものとしたことを特徴とする請求項1から8のいずれ
    か1項記載の重量検出装置。
  10. 【請求項10】 ターンテーブルに加わる重量に応じて
    このターンテーブルをスラスト方向に変位可能とすると
    共に、この変位量に基づいてターンテーブルに加わる重
    量を検出する重量検出装置を有した電子レンジにおい
    て、上記重量検出装置として、前記請求項1から9のい
    ずれか1項記載の重量検出装置を設けたことを特徴とす
    る電子レンジ。
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