JP2001262363A - ニッケル・リン薄膜の形成方法 - Google Patents
ニッケル・リン薄膜の形成方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 機械的強度の低い被めっき物の平坦度を維持
して無電解めっき法によりニッケル・リン薄膜の成膜を
可能とするニッケル・リン薄膜の形成方法を提供する。 【解決手段】 ニッケル塩、錯化剤、還元剤およびコバ
ルトを含有する無電解ニッケル・リンめっき液を使用し
て無電解めっき浴を建浴し、無電解めっき浴の老化にし
たがって錯化剤および還元剤の少なくとも一方の濃度を
減少させながら、所定の間隔で配列した複数の被めっき
物にニッケル・リン薄膜を形成する。
して無電解めっき法によりニッケル・リン薄膜の成膜を
可能とするニッケル・リン薄膜の形成方法を提供する。 【解決手段】 ニッケル塩、錯化剤、還元剤およびコバ
ルトを含有する無電解ニッケル・リンめっき液を使用し
て無電解めっき浴を建浴し、無電解めっき浴の老化にし
たがって錯化剤および還元剤の少なくとも一方の濃度を
減少させながら、所定の間隔で配列した複数の被めっき
物にニッケル・リン薄膜を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無電解めっき法に
よるニッケル・リン薄膜の形成方法に係り、特に機械的
強度の低い被めっき物上にニッケル・リン薄膜を形成す
るための方法に関する。
よるニッケル・リン薄膜の形成方法に係り、特に機械的
強度の低い被めっき物上にニッケル・リン薄膜を形成す
るための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】無電解めっき法は複雑な形状面にも均一
な析出が可能であり、電子部品製造等の多くの分野で広
く利用されている。無電解めっき法による薄膜形成の対
象となる被めっき物としては、ガラス基板、セラミック
ス基板等の絶縁性基板や、アルミニウム基板等の導電性
基板、液晶表示装置等の各種画像表示装置に用いる基板
等がある。通常、無電解めっき法による薄膜形成では、
所定の間隔で配列した複数の被めっき物を同時に無電解
めっき浴に浸漬し、めっき液を攪拌したり、被めっき物
を移動させながらめっき処理が施される。
な析出が可能であり、電子部品製造等の多くの分野で広
く利用されている。無電解めっき法による薄膜形成の対
象となる被めっき物としては、ガラス基板、セラミック
ス基板等の絶縁性基板や、アルミニウム基板等の導電性
基板、液晶表示装置等の各種画像表示装置に用いる基板
等がある。通常、無電解めっき法による薄膜形成では、
所定の間隔で配列した複数の被めっき物を同時に無電解
めっき浴に浸漬し、めっき液を攪拌したり、被めっき物
を移動させながらめっき処理が施される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、無電解
めっき法による薄膜形成では、被めっき物の機械的強度
が低い場合、例えば、被めっき物が厚みの薄いガラス基
板や金属基板、金属箔等である場合、50mm以下の小
さな間隔で配列して無電解めっき処理を施した複数の被
めっき物の一部に反りが生じて平坦度が悪化するという
問題があった。
めっき法による薄膜形成では、被めっき物の機械的強度
が低い場合、例えば、被めっき物が厚みの薄いガラス基
板や金属基板、金属箔等である場合、50mm以下の小
さな間隔で配列して無電解めっき処理を施した複数の被
めっき物の一部に反りが生じて平坦度が悪化するという
問題があった。
【0004】例えば、アルミニウム圧延材をドーナツ状
に打ち抜いたブランク材に対して焼鈍し処理、表面平滑
処理を施して得た厚み0.8mm程度の薄いアルミニウ
ム基板上に、ニッケル・リン薄膜を無電解めっき法によ
り形成する場合も、アルミニウム基板(被めっき物)の
平坦度悪化が問題となっていた。すなわち、上記のよう
なアルミニウム基板上へのニッケル・リン薄膜の形成で
は、通常、棒状部材にアルミニウム基板の中心開口部を
係合させることにより複数のアルミニウム基板を等間隔
で吊り下げ、この棒状部材をカローセルと呼ばれる回転
保持設備に装着し、無電解めっき浴に浸漬してめっき処
理が施される。ところが、従来の無電解めっき法による
ニッケル・リン薄膜の形成方法では、棒状部材の両端部
側に吊り下げられたアルミニウム基板が外側(棒状部材
の軸方向端部側)に凸の反りを生じ、平坦度が悪化する
という問題があった。
に打ち抜いたブランク材に対して焼鈍し処理、表面平滑
処理を施して得た厚み0.8mm程度の薄いアルミニウ
ム基板上に、ニッケル・リン薄膜を無電解めっき法によ
り形成する場合も、アルミニウム基板(被めっき物)の
平坦度悪化が問題となっていた。すなわち、上記のよう
なアルミニウム基板上へのニッケル・リン薄膜の形成で
は、通常、棒状部材にアルミニウム基板の中心開口部を
係合させることにより複数のアルミニウム基板を等間隔
で吊り下げ、この棒状部材をカローセルと呼ばれる回転
保持設備に装着し、無電解めっき浴に浸漬してめっき処
理が施される。ところが、従来の無電解めっき法による
ニッケル・リン薄膜の形成方法では、棒状部材の両端部
側に吊り下げられたアルミニウム基板が外側(棒状部材
の軸方向端部側)に凸の反りを生じ、平坦度が悪化する
という問題があった。
【0005】さらに、このような問題は、特に連続使用
によって無電解めっき浴が老化するにしたがって顕著と
なり、製品歩留まりの低下を来たしていた。通常、無電
解めっき浴は老化にしたがい副生する亜リン酸と主成分
のニッケルが反応して亜リン酸ニッケルを生成(これを
自己分解と呼称)しやすくなる。この反応は爆発的に起
こり、めっき浴は使用不可能となる。これを防止する目
的で、リンゴ酸、乳酸等の錯化剤を無電解めっき浴の老
化に伴って補給して、その濃度を高くすることが行なわ
れていた。しかし、このような錯化剤濃度の増加は、上
記の平坦度悪化を助長するものであった。
によって無電解めっき浴が老化するにしたがって顕著と
なり、製品歩留まりの低下を来たしていた。通常、無電
解めっき浴は老化にしたがい副生する亜リン酸と主成分
のニッケルが反応して亜リン酸ニッケルを生成(これを
自己分解と呼称)しやすくなる。この反応は爆発的に起
こり、めっき浴は使用不可能となる。これを防止する目
的で、リンゴ酸、乳酸等の錯化剤を無電解めっき浴の老
化に伴って補給して、その濃度を高くすることが行なわ
れていた。しかし、このような錯化剤濃度の増加は、上
記の平坦度悪化を助長するものであった。
【0006】また、上述のような反りを生じた基板は、
例えば、熱処理工程により平坦度を回復させることがで
きるが、この平坦度回復のための熱処理は工程数増加と
なり、製造コスト低減に支障を来たすものであった。
例えば、熱処理工程により平坦度を回復させることがで
きるが、この平坦度回復のための熱処理は工程数増加と
なり、製造コスト低減に支障を来たすものであった。
【0007】本発明は上述のような事情に鑑みてなされ
たものであり、機械的強度の低い被めっき物の平坦度を
維持して無電解めっき法によりニッケル・リン薄膜の成
膜を可能とするニッケル・リン薄膜の形成方法を提供す
ることを目的とする。
たものであり、機械的強度の低い被めっき物の平坦度を
維持して無電解めっき法によりニッケル・リン薄膜の成
膜を可能とするニッケル・リン薄膜の形成方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の無電
解ニッケル・リンめっき液を用いたニッケル・リン薄膜
形成において、複数配列されてめっき浴中に浸漬された
被めっき物の中で両端部側に位置する被めっき物の平坦
度が悪化する現象の原因として、両端部側に位置する被
めっき物と中央部に位置する被めっき物とで液流が異な
ることによって浴組成に若干の相違が生じ、両端部側に
位置する被めっき物では、その表裏で残留応力に差が生
じ、これにより反りが発生して平坦度が悪化することを
見出した。そして、ニッケル・リンめっき液中にコバル
トの金属塩を添加することにより、上記の平坦度悪化現
象を防止できることを見出した。また、無電解めっき浴
の老化に伴い錯化剤と還元剤の少なくとも一方の濃度を
減少させれば、無電解めっき浴が老化しても平坦度悪化
を防止でき、かつ、錯化剤濃度の減少による無電解めっ
き浴の自己分解が上記のコバルトの存在によって抑制で
きることを見出して本発明を創案した。
解ニッケル・リンめっき液を用いたニッケル・リン薄膜
形成において、複数配列されてめっき浴中に浸漬された
被めっき物の中で両端部側に位置する被めっき物の平坦
度が悪化する現象の原因として、両端部側に位置する被
めっき物と中央部に位置する被めっき物とで液流が異な
ることによって浴組成に若干の相違が生じ、両端部側に
位置する被めっき物では、その表裏で残留応力に差が生
じ、これにより反りが発生して平坦度が悪化することを
見出した。そして、ニッケル・リンめっき液中にコバル
トの金属塩を添加することにより、上記の平坦度悪化現
象を防止できることを見出した。また、無電解めっき浴
の老化に伴い錯化剤と還元剤の少なくとも一方の濃度を
減少させれば、無電解めっき浴が老化しても平坦度悪化
を防止でき、かつ、錯化剤濃度の減少による無電解めっ
き浴の自己分解が上記のコバルトの存在によって抑制で
きることを見出して本発明を創案した。
【0009】すなわち、本発明のニッケル・リン薄膜の
形成方法は、所定の間隔で配列した複数の被めっき物に
無電解めっき法によりニッケル・リン薄膜を形成する方
法であって、ニッケル塩、錯化剤、還元剤およびコバル
トを含有する無電解ニッケル・リンめっき液を使用して
無電解めっき浴を建浴し、無電解めっき浴の老化にした
がって錯化剤および還元剤の少なくとも一方の濃度を減
少させるような構成とした。
形成方法は、所定の間隔で配列した複数の被めっき物に
無電解めっき法によりニッケル・リン薄膜を形成する方
法であって、ニッケル塩、錯化剤、還元剤およびコバル
トを含有する無電解ニッケル・リンめっき液を使用して
無電解めっき浴を建浴し、無電解めっき浴の老化にした
がって錯化剤および還元剤の少なくとも一方の濃度を減
少させるような構成とした。
【0010】また、本発明のニッケル・リン薄膜の形成
方法は、前記無電解ニッケル・リンめっき液のコバルト
の濃度が金属濃度として60〜450mg/Lの範囲内
であるような構成とした。
方法は、前記無電解ニッケル・リンめっき液のコバルト
の濃度が金属濃度として60〜450mg/Lの範囲内
であるような構成とした。
【0011】また、本発明のニッケル・リン薄膜の形成
方法は、無電解めっき浴の老化にしたがって錯化剤およ
び還元剤の少なくとも一方の濃度をほぼ一定の割合で減
少させるような構成、無電解めっき浴の老化にしたがっ
て錯化剤および還元剤の少なくとも一方の濃度を減少割
合を変化させながら減少させるような構成、あるいは、
無電解めっき浴の老化にしたがって錯化剤および還元剤
の少なくとも一方の濃度を段階的に減少させるような構
成とした。
方法は、無電解めっき浴の老化にしたがって錯化剤およ
び還元剤の少なくとも一方の濃度をほぼ一定の割合で減
少させるような構成、無電解めっき浴の老化にしたがっ
て錯化剤および還元剤の少なくとも一方の濃度を減少割
合を変化させながら減少させるような構成、あるいは、
無電解めっき浴の老化にしたがって錯化剤および還元剤
の少なくとも一方の濃度を段階的に減少させるような構
成とした。
【0012】また、本発明のニッケル・リン薄膜の形成
方法は、複数の被めっき物の配列の間隔を5〜50mm
の範囲で設定するような構成とした。さらに、本発明の
ニッケル・リン薄膜の形成方法は、磁気ディスク用の非
磁性ニッケル・リン薄膜を形成するような構成とした。
方法は、複数の被めっき物の配列の間隔を5〜50mm
の範囲で設定するような構成とした。さらに、本発明の
ニッケル・リン薄膜の形成方法は、磁気ディスク用の非
磁性ニッケル・リン薄膜を形成するような構成とした。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の最適な実施形態に
ついて説明する。まず、本発明のニッケル・リン薄膜の
形成方法に使用する無電解ニッケル・リンめっき液につ
いて説明する。
ついて説明する。まず、本発明のニッケル・リン薄膜の
形成方法に使用する無電解ニッケル・リンめっき液につ
いて説明する。
【0014】本発明では、ニッケル塩、錯化剤、還元剤
およびコバルトを含有する無電解ニッケル・リンめっき
液を使用して無電解めっき浴を建浴する。この無電解ニ
ッケル・リンめっき液を構成するニッケル塩としては、
硫酸ニッケル、塩化ニッケル、次亜リン酸ニッケル、炭
酸ニッケル等を挙げることができ、めっき液中のニッケ
ル塩濃度はニッケルとして2〜10g/L程度、好まし
くは5〜7g/L程度とすることができる。ニッケルの
濃度が2g/L未満であると析出速度が遅くなり、ま
た、10g/Lを超えると浴安定性が低下して好ましく
ない。
およびコバルトを含有する無電解ニッケル・リンめっき
液を使用して無電解めっき浴を建浴する。この無電解ニ
ッケル・リンめっき液を構成するニッケル塩としては、
硫酸ニッケル、塩化ニッケル、次亜リン酸ニッケル、炭
酸ニッケル等を挙げることができ、めっき液中のニッケ
ル塩濃度はニッケルとして2〜10g/L程度、好まし
くは5〜7g/L程度とすることができる。ニッケルの
濃度が2g/L未満であると析出速度が遅くなり、ま
た、10g/Lを超えると浴安定性が低下して好ましく
ない。
【0015】また、無電解ニッケル・リンめっき液を構
成する錯化剤としては、クエン酸、コハク酸、酢酸、乳
酸、リンゴ酸等の有機酸を使用することができ、特にリ
ンゴ酸と乳酸の併用、これらと第3の錯化剤の併用が好
ましい。このような錯化剤のめっき液中の濃度は10〜
80g/L程度、好ましくは20〜60g/L程度とす
ることができる。錯化剤の濃度が10g/L未満である
と浴安定性が低下し、また、80g/Lを超えると析出
速度が遅くなり好ましくない。
成する錯化剤としては、クエン酸、コハク酸、酢酸、乳
酸、リンゴ酸等の有機酸を使用することができ、特にリ
ンゴ酸と乳酸の併用、これらと第3の錯化剤の併用が好
ましい。このような錯化剤のめっき液中の濃度は10〜
80g/L程度、好ましくは20〜60g/L程度とす
ることができる。錯化剤の濃度が10g/L未満である
と浴安定性が低下し、また、80g/Lを超えると析出
速度が遅くなり好ましくない。
【0016】また、無電解ニッケル・リンめっき液を構
成する還元剤としては、次亜リン酸ナトリウムを主とし
て、ジメチルアミンボラン、ヒドラジン等を併用するこ
とができる。めっき液中の還元剤の濃度は10〜50g
/L程度、好ましくは20〜40g/L程度とすること
ができる。還元剤の濃度が10g/L未満であると析出
速度が遅くなり、また、50g/Lを超えると浴安定性
が低下して好ましくない。
成する還元剤としては、次亜リン酸ナトリウムを主とし
て、ジメチルアミンボラン、ヒドラジン等を併用するこ
とができる。めっき液中の還元剤の濃度は10〜50g
/L程度、好ましくは20〜40g/L程度とすること
ができる。還元剤の濃度が10g/L未満であると析出
速度が遅くなり、また、50g/Lを超えると浴安定性
が低下して好ましくない。
【0017】本発明で使用する無電解ニッケル・リンめ
っき液に含有されるコバルトは、機械的強度の低い被め
っき物の平坦度を維持するため添加されたものである。
このコバルトは、硫酸コバルト、塩化コバルト、酢酸コ
バルト、蓚酸コバルト等の金属塩として添加することが
好ましく、めっき液中のコバルトの濃度は、金属濃度と
して60〜450mg/L程度、好ましくは100〜2
50mg/L程度とすることができる。コバルトの濃度
が60mg/L未満、あるいは、450mg/Lを超え
ると、機械的強度の低い被めっき物の平坦度を維持する
ことが困難となる。また、コバルトの濃度が60mg/
L未満であると、後述する錯化剤濃度の減少による無電
解めっき浴の自己分解を抑制することが困難となる。
っき液に含有されるコバルトは、機械的強度の低い被め
っき物の平坦度を維持するため添加されたものである。
このコバルトは、硫酸コバルト、塩化コバルト、酢酸コ
バルト、蓚酸コバルト等の金属塩として添加することが
好ましく、めっき液中のコバルトの濃度は、金属濃度と
して60〜450mg/L程度、好ましくは100〜2
50mg/L程度とすることができる。コバルトの濃度
が60mg/L未満、あるいは、450mg/Lを超え
ると、機械的強度の低い被めっき物の平坦度を維持する
ことが困難となる。また、コバルトの濃度が60mg/
L未満であると、後述する錯化剤濃度の減少による無電
解めっき浴の自己分解を抑制することが困難となる。
【0018】ここで、本発明における被めっき物の平坦
度とは、干渉縞を利用して測定されたものを意味する。
具体的には、棒状部材に0.5インチ(12.7mm)
間隔で直列に配列した25枚のドーナツ状の基板(直径
95mm、中心開口部の直径25mm)にめっき処理を
施し、めっき処理前後において全基板の平坦度を溝尻光
学(株)製の平置き型干渉縞平坦度計を用いて測定し、
表裏測定値の大なる方を平坦度として標準偏差を算出
し、めっき処理後の平坦度の標準偏差の増加量が1.0
μm以下である場合を「平坦度が維持されている」とす
る。但し、25枚の基板は、めっき処理前の平坦度の標
準偏差が0.6μm以下であるものを使用する。
度とは、干渉縞を利用して測定されたものを意味する。
具体的には、棒状部材に0.5インチ(12.7mm)
間隔で直列に配列した25枚のドーナツ状の基板(直径
95mm、中心開口部の直径25mm)にめっき処理を
施し、めっき処理前後において全基板の平坦度を溝尻光
学(株)製の平置き型干渉縞平坦度計を用いて測定し、
表裏測定値の大なる方を平坦度として標準偏差を算出
し、めっき処理後の平坦度の標準偏差の増加量が1.0
μm以下である場合を「平坦度が維持されている」とす
る。但し、25枚の基板は、めっき処理前の平坦度の標
準偏差が0.6μm以下であるものを使用する。
【0019】本発明により平坦度を維持しながら無電解
めっき法によりニッケル・リン薄膜を形成することが可
能な機械的強度の低い被めっき物としては、直径95m
m、中心開口部の直径25mmのドーナツ状とし、これ
を内周部で水平に保持した場合の外周部の垂れ下がり量
が3.5μm以上となるような低強度の基板、箔等であ
り、材質としてはガラス、セラミックス、金属、プラス
チック、複合材料等が挙げられる。
めっき法によりニッケル・リン薄膜を形成することが可
能な機械的強度の低い被めっき物としては、直径95m
m、中心開口部の直径25mmのドーナツ状とし、これ
を内周部で水平に保持した場合の外周部の垂れ下がり量
が3.5μm以上となるような低強度の基板、箔等であ
り、材質としてはガラス、セラミックス、金属、プラス
チック、複合材料等が挙げられる。
【0020】次に、本発明のニッケル・リン薄膜の形成
方法について説明する。本発明では、上述のようなニッ
ケル塩、錯化剤、還元剤およびコバルトを含有する無電
解ニッケル・リンめっき液を使用して無電解めっき浴を
建浴し、所定の間隔で配列した複数の被めっき物に無電
解めっき法によりニッケル・リン薄膜を形成する。そし
て、無電解めっき浴の老化にしたがって錯化剤および還
元剤の少なくとも一方の濃度を減少させる。
方法について説明する。本発明では、上述のようなニッ
ケル塩、錯化剤、還元剤およびコバルトを含有する無電
解ニッケル・リンめっき液を使用して無電解めっき浴を
建浴し、所定の間隔で配列した複数の被めっき物に無電
解めっき法によりニッケル・リン薄膜を形成する。そし
て、無電解めっき浴の老化にしたがって錯化剤および還
元剤の少なくとも一方の濃度を減少させる。
【0021】無電解めっきは、例えば、浴温度80〜9
5℃、浴pH4〜5の条件で行うことができる。浴温度
が80℃未満であると析出速度が遅くなり、95℃を超
えると浴安定性が低下して好ましくない。また、浴pH
が上記の範囲からはずれると、成膜速度が不十分になっ
たり、浴分解が生じて好ましくない。
5℃、浴pH4〜5の条件で行うことができる。浴温度
が80℃未満であると析出速度が遅くなり、95℃を超
えると浴安定性が低下して好ましくない。また、浴pH
が上記の範囲からはずれると、成膜速度が不十分になっ
たり、浴分解が生じて好ましくない。
【0022】無電解めっき浴の老化にしたがって錯化剤
および還元剤の少なくとも一方の濃度を減少させる目的
は、無電解めっき浴が老化しても、機械的強度が低い被
めっき物の平坦度が悪化するのを防止することにある。
この平坦度悪化の防止効果は、錯化剤濃度と還元剤濃度
の双方を無電解めっき浴の老化にしたがって減少させる
ことにより、さらに顕著となる。ここで、従来の無電解
めっき浴では、浴の老化にしたがって錯化剤濃度を減少
させると、副生する亜リン酸と主成分のニッケルが反応
して亜リン酸ニッケルが生成し、その表面にニッケルが
析出して浴の自己分解に至る。しかし、本発明では、浴
中に含有されるコバルトの存在によって上記の亜リン酸
ニッケル粒子の生成が抑制されるので、錯化剤濃度の減
少による無電解めっき浴の自己分解が防止される。
および還元剤の少なくとも一方の濃度を減少させる目的
は、無電解めっき浴が老化しても、機械的強度が低い被
めっき物の平坦度が悪化するのを防止することにある。
この平坦度悪化の防止効果は、錯化剤濃度と還元剤濃度
の双方を無電解めっき浴の老化にしたがって減少させる
ことにより、さらに顕著となる。ここで、従来の無電解
めっき浴では、浴の老化にしたがって錯化剤濃度を減少
させると、副生する亜リン酸と主成分のニッケルが反応
して亜リン酸ニッケルが生成し、その表面にニッケルが
析出して浴の自己分解に至る。しかし、本発明では、浴
中に含有されるコバルトの存在によって上記の亜リン酸
ニッケル粒子の生成が抑制されるので、錯化剤濃度の減
少による無電解めっき浴の自己分解が防止される。
【0023】上記のような無電解めっき浴の老化に伴い
錯化剤および還元剤の少なくとも一方の濃度を減少させ
るという浴管理は、(A)錯化剤や還元剤を補給するこ
となく、無電解めっき浴の老化による錯化剤と還元剤の
自然な濃度減少を維持する、(B)無電解めっき浴の抜
き取りにより錯化剤や還元剤を随時あるいは連続的に除
去する、(C)錯化剤や還元剤を補給しながら、無電解
めっき浴の老化による錯化剤と還元剤の自然な濃度減少
よりも穏やかな濃度減少を得る、ような方法がある。そ
の結果、錯化剤や還元剤の濃度は、(1)無電解めっき
浴の老化にしたがってほぼ一定の割合で減少する、
(2)無電解めっき浴の老化にしたがって徐々に減少割
合を変化させながら減少する、(3)無電解めっき浴の
老化にしたがって段階的に減少する、ことのいずれかの
態様で減少する。但し、本発明における錯化剤や還元剤
の濃度減少とは、建浴から廃液までの無電解めっき浴の
老化の過程において、錯化剤や還元剤の濃度が一時的
(建浴から廃液まで全経過時間の中の10〜20%程
度)に増加することを許容し、また、微小な増減を繰り
返しながら全体として老化に伴い錯化剤や還元剤の濃度
が減少するものであってもよい。
錯化剤および還元剤の少なくとも一方の濃度を減少させ
るという浴管理は、(A)錯化剤や還元剤を補給するこ
となく、無電解めっき浴の老化による錯化剤と還元剤の
自然な濃度減少を維持する、(B)無電解めっき浴の抜
き取りにより錯化剤や還元剤を随時あるいは連続的に除
去する、(C)錯化剤や還元剤を補給しながら、無電解
めっき浴の老化による錯化剤と還元剤の自然な濃度減少
よりも穏やかな濃度減少を得る、ような方法がある。そ
の結果、錯化剤や還元剤の濃度は、(1)無電解めっき
浴の老化にしたがってほぼ一定の割合で減少する、
(2)無電解めっき浴の老化にしたがって徐々に減少割
合を変化させながら減少する、(3)無電解めっき浴の
老化にしたがって段階的に減少する、ことのいずれかの
態様で減少する。但し、本発明における錯化剤や還元剤
の濃度減少とは、建浴から廃液までの無電解めっき浴の
老化の過程において、錯化剤や還元剤の濃度が一時的
(建浴から廃液まで全経過時間の中の10〜20%程
度)に増加することを許容し、また、微小な増減を繰り
返しながら全体として老化に伴い錯化剤や還元剤の濃度
が減少するものであってもよい。
【0024】例えば、無電解めっき浴の老化に伴う錯化
剤の濃度減少は、廃液時の錯化剤のトータルキレートモ
ル濃度が、建浴時の錯化剤のトータルキレートモル濃度
の70〜90%の範囲となるように減少させことが好ま
しい。ここでは、錯化剤である有機酸の分子量を含有す
るOH基の数で除した値を1キレートモルとし、例え
ば、リンゴ酸の場合、分子量=134.09g、OH基
数=3であるから、1キレートモルは44.7gとな
る。また、トータルキレートモル濃度とは、めっき液1
Lにおける各錯化剤のキレートモルの総和である。
剤の濃度減少は、廃液時の錯化剤のトータルキレートモ
ル濃度が、建浴時の錯化剤のトータルキレートモル濃度
の70〜90%の範囲となるように減少させことが好ま
しい。ここでは、錯化剤である有機酸の分子量を含有す
るOH基の数で除した値を1キレートモルとし、例え
ば、リンゴ酸の場合、分子量=134.09g、OH基
数=3であるから、1キレートモルは44.7gとな
る。また、トータルキレートモル濃度とは、めっき液1
Lにおける各錯化剤のキレートモルの総和である。
【0025】また、無電解めっき浴の老化に伴う還元剤
の濃度減少は、廃液時の還元剤の濃度が、建浴時の還元
剤の濃度の40〜80%の範囲となるようにすることが
好ましい。
の濃度減少は、廃液時の還元剤の濃度が、建浴時の還元
剤の濃度の40〜80%の範囲となるようにすることが
好ましい。
【0026】本発明において同時にめっき処理を施す複
数の被めっき物の配列間隔は、適宜設定することができ
るが、上述のような機械的強度が低い被めっき物に平坦
度を維持しながらニッケル・リン薄膜を形成できるとい
う本発明の格別な効果を活用するには、配列間隔を5〜
50mm程度に設定することが好ましい。配列間隔が5
mm未満であると、隣り合う被めっき物との接触が避け
られず、また、配列間隔が50mmを超えると、平坦度
維持という効果に関しては、従来の無電解めっき法によ
るニッケル・リン薄膜形成方法との有意差が得られなく
なる。但し、錯化剤濃度の減少による無電解めっき浴の
自己分解がコバルトの存在によって抑制できるという効
果は奏される。尚、本発明のニッケル・リン薄膜の形成
方法は、機械的強度の高い被めっき物に対しても使用可
能であることは勿論である。
数の被めっき物の配列間隔は、適宜設定することができ
るが、上述のような機械的強度が低い被めっき物に平坦
度を維持しながらニッケル・リン薄膜を形成できるとい
う本発明の格別な効果を活用するには、配列間隔を5〜
50mm程度に設定することが好ましい。配列間隔が5
mm未満であると、隣り合う被めっき物との接触が避け
られず、また、配列間隔が50mmを超えると、平坦度
維持という効果に関しては、従来の無電解めっき法によ
るニッケル・リン薄膜形成方法との有意差が得られなく
なる。但し、錯化剤濃度の減少による無電解めっき浴の
自己分解がコバルトの存在によって抑制できるという効
果は奏される。尚、本発明のニッケル・リン薄膜の形成
方法は、機械的強度の高い被めっき物に対しても使用可
能であることは勿論である。
【0027】本発明のニッケル・リン薄膜の形成方法を
用いて無電解めっき法により形成されたニッケル・リン
薄膜は、通常、コバルトを100〜1200ppm程度
の範囲で含有する非磁性の薄膜であるが、浴組成を調整
することにより磁性薄膜とすることもできる。また、電
気特性および耐性は、ニッケル・リン単独の薄膜と同様
である。尚、ニッケル・リン薄膜の厚みは、使用目的等
の応じて適宜設定することができ、例えば、5〜50μ
m程度の厚みとすることができる。
用いて無電解めっき法により形成されたニッケル・リン
薄膜は、通常、コバルトを100〜1200ppm程度
の範囲で含有する非磁性の薄膜であるが、浴組成を調整
することにより磁性薄膜とすることもできる。また、電
気特性および耐性は、ニッケル・リン単独の薄膜と同様
である。尚、ニッケル・リン薄膜の厚みは、使用目的等
の応じて適宜設定することができ、例えば、5〜50μ
m程度の厚みとすることができる。
【0028】
【実施例】次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説
明する。 (実施例1)まず、被めっき基板として、アルミニウム
基板を以下のようにして準備した。すなわち、マグネシ
ウムを4重量%程度含有する5000系アルミニウム合
金(の日本軽金属(株)製M4M)の圧延材をドーナツ
状に打ち抜いたブランク材に対して、焼鈍し処理(32
0℃、5時間)を施し、その後、砥石で研削仕上げして
表面粗さを小さくした。次に、研削加工されたアルミニ
ウム基板を洗浄した後、表面の加工応力を除去する目的
で熱処理(280℃、1時間)を施した。得られたアル
ミニウム基板は、直径95mm、厚み0.8mm、中心
開口部の直径25mmであり、溝尻光学(株)製の平置
き型干渉縞平坦度計を用いて測定した25枚の平坦度
は、平均値6.7μm、標準偏差0.6μmであった。
尚、上記の研削加工は荒研削、仕上げ研削の2段処理と
してもよい。
明する。 (実施例1)まず、被めっき基板として、アルミニウム
基板を以下のようにして準備した。すなわち、マグネシ
ウムを4重量%程度含有する5000系アルミニウム合
金(の日本軽金属(株)製M4M)の圧延材をドーナツ
状に打ち抜いたブランク材に対して、焼鈍し処理(32
0℃、5時間)を施し、その後、砥石で研削仕上げして
表面粗さを小さくした。次に、研削加工されたアルミニ
ウム基板を洗浄した後、表面の加工応力を除去する目的
で熱処理(280℃、1時間)を施した。得られたアル
ミニウム基板は、直径95mm、厚み0.8mm、中心
開口部の直径25mmであり、溝尻光学(株)製の平置
き型干渉縞平坦度計を用いて測定した25枚の平坦度
は、平均値6.7μm、標準偏差0.6μmであった。
尚、上記の研削加工は荒研削、仕上げ研削の2段処理と
してもよい。
【0029】次に、0.5インチ(12.7mm)間隔
で溝を備えた直径23mmの棒状部材に上記のアルミニ
ウム基板の開口部を係合させることにより、25枚のア
ルミニウム基板を棒状部材に吊り下げた。この状態で棒
状部材をカローセルに装着し、めっき前処理を行った。
このめっき前処理は、脱脂、エッチング、硝酸処理、第
1ジンケート、脱膜、第2ジンケートからなるものとし
た。
で溝を備えた直径23mmの棒状部材に上記のアルミニ
ウム基板の開口部を係合させることにより、25枚のア
ルミニウム基板を棒状部材に吊り下げた。この状態で棒
状部材をカローセルに装着し、めっき前処理を行った。
このめっき前処理は、脱脂、エッチング、硝酸処理、第
1ジンケート、脱膜、第2ジンケートからなるものとし
た。
【0030】次に、コバルトの濃度を下記の表1に示す
濃度に設定した下記組成の8種の無電解ニッケル・リン
めっき液(試料1〜8)を調製した。尚、コバルトは硫
酸コバルトとして添加した。 (めっき液の組成) ・硫酸ニッケル6水塩 … 26.9g/L (0.1モル/L) ・リンゴ酸 … 26.8g/L (0.6キレートモル/L) ・乳酸 … 18.0g/L (0.4キレートモル/L) ・次亜リン酸ナトリウム … 30.0g/L ・コバルト … 表1に示される濃度 ・安定剤 … 0.2mg/L
濃度に設定した下記組成の8種の無電解ニッケル・リン
めっき液(試料1〜8)を調製した。尚、コバルトは硫
酸コバルトとして添加した。 (めっき液の組成) ・硫酸ニッケル6水塩 … 26.9g/L (0.1モル/L) ・リンゴ酸 … 26.8g/L (0.6キレートモル/L) ・乳酸 … 18.0g/L (0.4キレートモル/L) ・次亜リン酸ナトリウム … 30.0g/L ・コバルト … 表1に示される濃度 ・安定剤 … 0.2mg/L
【0031】次いで、上記の各無電解ニッケル・リンめ
っき液(試料1〜8)を用いて無電解めっき浴を建浴し
た。この各無電解めっき浴に上述のめっき前処理が終了
したアルミニウム基板25枚を1単位として、カローセ
ルごと浸漬して無電解めっきを行った。めっき条件は、
浴温度88℃、pH4.4であり、アルミニウム基板上
にニッケル・リン薄膜を厚み12μmとなるように形成
した。
っき液(試料1〜8)を用いて無電解めっき浴を建浴し
た。この各無電解めっき浴に上述のめっき前処理が終了
したアルミニウム基板25枚を1単位として、カローセ
ルごと浸漬して無電解めっきを行った。めっき条件は、
浴温度88℃、pH4.4であり、アルミニウム基板上
にニッケル・リン薄膜を厚み12μmとなるように形成
した。
【0032】各めっき液を用いた無電解めっきが終了し
たアルミニウム基板(各25枚)の平坦度を溝尻光学
(株)製の平置き型干渉縞平坦度計を用いて測定し、そ
の標準偏差を算出して下記の表1に示した。
たアルミニウム基板(各25枚)の平坦度を溝尻光学
(株)製の平置き型干渉縞平坦度計を用いて測定し、そ
の標準偏差を算出して下記の表1に示した。
【0033】
【表1】 表1に示されるように、コバルトを含有しないめっき液
(試料1)を用いた場合、めっき処理後の25枚のアル
ミニウム基板のうち、棒状部材の端部側の各2枚に外側
に凸となるような反りが発生した。そして、アルミニウ
ム基板(25枚)の平坦度の平均値と標準偏差について
は、平均値はめっき処理の前後で変化はなかったが、標
準偏差がめっき処理の前後で0.6μmから2.0μm
へ変化し(増加量1.4μm)、めっき処理後のアルミ
ニウム基板の平坦度のバラツキが悪化したことが明らか
である。
(試料1)を用いた場合、めっき処理後の25枚のアル
ミニウム基板のうち、棒状部材の端部側の各2枚に外側
に凸となるような反りが発生した。そして、アルミニウ
ム基板(25枚)の平坦度の平均値と標準偏差について
は、平均値はめっき処理の前後で変化はなかったが、標
準偏差がめっき処理の前後で0.6μmから2.0μm
へ変化し(増加量1.4μm)、めっき処理後のアルミ
ニウム基板の平坦度のバラツキが悪化したことが明らか
である。
【0034】これに対して、コバルトを含有しためっき
液(試料3〜7)を用いた場合、棒状部材の端部側のア
ルミニウム基板には反りがほとんど発生せず、各25枚
のアルミニウム基板の平坦度の標準偏差は、めっき処理
前後で1.0μm以下の増加量であり、めっき処理が施
されても平坦度が維持されていると判断された。
液(試料3〜7)を用いた場合、棒状部材の端部側のア
ルミニウム基板には反りがほとんど発生せず、各25枚
のアルミニウム基板の平坦度の標準偏差は、めっき処理
前後で1.0μm以下の増加量であり、めっき処理が施
されても平坦度が維持されていると判断された。
【0035】但し、コバルトの含有量が25mg/Lで
あるめっき液(試料2)を用いた場合、コバルトを含有
しないめっき液(試料1)を用いた場合に比べて、棒状
部材の端部側のアルミニウム基板の反りの程度は小さい
が、25枚のアルミニウム基板の平坦度の標準偏差は、
めっき処理前後で1.0μmを超える増加量であり、平
坦度維持が不十分であった。
あるめっき液(試料2)を用いた場合、コバルトを含有
しないめっき液(試料1)を用いた場合に比べて、棒状
部材の端部側のアルミニウム基板の反りの程度は小さい
が、25枚のアルミニウム基板の平坦度の標準偏差は、
めっき処理前後で1.0μmを超える増加量であり、平
坦度維持が不十分であった。
【0036】また、コバルトの含有量が550mg/L
であるめっき液(試料8)を用いた場合、アルミニウム
基板外周部と内周部にニッケル・リン薄膜が形成されな
い部分が発生した。尚、めっき液(試料1〜7)を用い
て形成されたニッケル・リン薄膜は非磁性薄膜であっ
た。
であるめっき液(試料8)を用いた場合、アルミニウム
基板外周部と内周部にニッケル・リン薄膜が形成されな
い部分が発生した。尚、めっき液(試料1〜7)を用い
て形成されたニッケル・リン薄膜は非磁性薄膜であっ
た。
【0037】(実施例2)実施例1と同様にして、アル
ミニウム基板を作製し、めっき前処理を施した。また、
実施例1の試料1(コバルト濃度=0mg/L)と試料
4(コバルト濃度=140mg/L)の2種の無電解ニ
ッケル・リンめっき液を実施例1と同様にして調製し
た。
ミニウム基板を作製し、めっき前処理を施した。また、
実施例1の試料1(コバルト濃度=0mg/L)と試料
4(コバルト濃度=140mg/L)の2種の無電解ニ
ッケル・リンめっき液を実施例1と同様にして調製し
た。
【0038】次いで、上記の各無電解ニッケル・リンめ
っき液を用いて無電解めっき浴を建浴した。この各無電
解めっき浴に上述のめっき前処理が終了したアルミニウ
ム基板25枚を1単位として浸漬する操作を行って無電
解めっきを行った。このめっき処理では、上記操作を繰
り返すことにより、無電解めっき浴を4MTO(最初に
存在したニッケルの4倍量を補給した時点)まで連続使
用して老化させた。また、リンゴ酸と乳酸からなる錯化
剤のトータルキレートモル濃度を、補給あるいは連続的
なめっき浴の抜き取りにより、建浴時の1.0キレート
モル/Lから4MTOまで下記の表2に示すように変化
(ほぼ一定の割合で変化)させた。さらに、還元剤(次
亜リン酸ナトリウム)濃度を、補給で調節することによ
り、建浴時の30.0g/Lから4MTOまで下記の表
2に示すように減少(ほぼ一定の割合で減少)させた。
尚、試料4の無電解ニッケル・リンめっき液を用いた無
電解めっき浴では、補給によりコバルト濃度を140m
g/Lで一定とした。
っき液を用いて無電解めっき浴を建浴した。この各無電
解めっき浴に上述のめっき前処理が終了したアルミニウ
ム基板25枚を1単位として浸漬する操作を行って無電
解めっきを行った。このめっき処理では、上記操作を繰
り返すことにより、無電解めっき浴を4MTO(最初に
存在したニッケルの4倍量を補給した時点)まで連続使
用して老化させた。また、リンゴ酸と乳酸からなる錯化
剤のトータルキレートモル濃度を、補給あるいは連続的
なめっき浴の抜き取りにより、建浴時の1.0キレート
モル/Lから4MTOまで下記の表2に示すように変化
(ほぼ一定の割合で変化)させた。さらに、還元剤(次
亜リン酸ナトリウム)濃度を、補給で調節することによ
り、建浴時の30.0g/Lから4MTOまで下記の表
2に示すように減少(ほぼ一定の割合で減少)させた。
尚、試料4の無電解ニッケル・リンめっき液を用いた無
電解めっき浴では、補給によりコバルト濃度を140m
g/Lで一定とした。
【0039】上述のような無電解めっきが4MTOまで
終了した時点で得られたアルミニウム基板(各25枚)
の平坦度を実施例1と同様に測定し、その標準偏差を算
出して下記の表2に示した。尚、めっき条件は、浴温度
88℃、pH4.5であり、アルミニウム基板上に形成
されるニッケル・リン薄膜の厚みが12μmとなるよう
にした。また、形成されたニッケル・リン薄膜は非磁性
薄膜であった。
終了した時点で得られたアルミニウム基板(各25枚)
の平坦度を実施例1と同様に測定し、その標準偏差を算
出して下記の表2に示した。尚、めっき条件は、浴温度
88℃、pH4.5であり、アルミニウム基板上に形成
されるニッケル・リン薄膜の厚みが12μmとなるよう
にした。また、形成されたニッケル・リン薄膜は非磁性
薄膜であった。
【0040】
【表2】 表2に示されるように、コバルトを含有しないめっき液
(試料1)を用いた無電解めっき法によるニッケル・リ
ン薄膜の形成では、錯化剤のトータルキレートモル濃度
を4MTOで1.1キレートモル/Lまで増加させるよ
うに補給して老化させた場合、3.5MTOでフクレが
発生した。一方、錯化剤のトータルキレートモル濃度を
4MTOで0.8キレートモル/Lに減少させるように
浴の一部を抜き取りながら老化させた場合、3.5MT
Oでめっき処理後の25枚のアルミニウム基板のうち、
棒状部材の端部側の各4枚に外側に凸となるような大き
な反りが発生した。そして、アルミニウム基板(25
枚)の平坦度の平均値と標準偏差は、めっき処理前の平
均値6.7μm、標準偏差0.6μmから、めっき処理
後の平均値7.7μm、標準偏差2.5μmへと変化
し、めっき処理後のアルミニウム基板の平坦度悪化が無
電解めっき浴の老化によって顕著になることが確認され
た。
(試料1)を用いた無電解めっき法によるニッケル・リ
ン薄膜の形成では、錯化剤のトータルキレートモル濃度
を4MTOで1.1キレートモル/Lまで増加させるよ
うに補給して老化させた場合、3.5MTOでフクレが
発生した。一方、錯化剤のトータルキレートモル濃度を
4MTOで0.8キレートモル/Lに減少させるように
浴の一部を抜き取りながら老化させた場合、3.5MT
Oでめっき処理後の25枚のアルミニウム基板のうち、
棒状部材の端部側の各4枚に外側に凸となるような大き
な反りが発生した。そして、アルミニウム基板(25
枚)の平坦度の平均値と標準偏差は、めっき処理前の平
均値6.7μm、標準偏差0.6μmから、めっき処理
後の平均値7.7μm、標準偏差2.5μmへと変化
し、めっき処理後のアルミニウム基板の平坦度悪化が無
電解めっき浴の老化によって顕著になることが確認され
た。
【0041】これに対して、コバルトを含有しためっき
液(試料4)を用いた無電解めっき法によるニッケル・
リン薄膜の形成では、錯化剤のトータルキレートモル濃
度を4MTOで0.8キレートモル/Lに減少させるよ
うに浴の一部を抜き取りながら老化させた場合、4MT
Oでめっき処理後の棒状部材の端部側のアルミニウム基
板には反りがほとんど発生せず、25枚のアルミニウム
基板の平坦度の平均値と標準偏差は、めっき処理前の平
均値6.7μm、標準偏差0.6μmから、めっき処理
後の平均値7.3μm、標準偏差1.4μmへと変化し
たのみであり、老化に伴う平坦度悪化を抑制できた。ま
た、錯化剤のトータルキレートモル濃度を4MTOで
0.8キレートモル/Lに減少させるとともに、還元剤
濃度を4MTOで17g/Lになるように補給を調節し
て減少させながら老化させた場合、25枚のアルミニウ
ム基板の平坦度の平均値と標準偏差は、めっき処理前の
平均値6.7μm、標準偏差0.6μmに対して、めっ
き処理後の平均値7.0μm、標準偏差1.0μmであ
り、ほとんど変化せず、錯化剤濃度の減少に還元剤濃度
の減少を組み合わせることにより、老化に伴う平坦度悪
化の抑制がより効果的になることが確認された。
液(試料4)を用いた無電解めっき法によるニッケル・
リン薄膜の形成では、錯化剤のトータルキレートモル濃
度を4MTOで0.8キレートモル/Lに減少させるよ
うに浴の一部を抜き取りながら老化させた場合、4MT
Oでめっき処理後の棒状部材の端部側のアルミニウム基
板には反りがほとんど発生せず、25枚のアルミニウム
基板の平坦度の平均値と標準偏差は、めっき処理前の平
均値6.7μm、標準偏差0.6μmから、めっき処理
後の平均値7.3μm、標準偏差1.4μmへと変化し
たのみであり、老化に伴う平坦度悪化を抑制できた。ま
た、錯化剤のトータルキレートモル濃度を4MTOで
0.8キレートモル/Lに減少させるとともに、還元剤
濃度を4MTOで17g/Lになるように補給を調節し
て減少させながら老化させた場合、25枚のアルミニウ
ム基板の平坦度の平均値と標準偏差は、めっき処理前の
平均値6.7μm、標準偏差0.6μmに対して、めっ
き処理後の平均値7.0μm、標準偏差1.0μmであ
り、ほとんど変化せず、錯化剤濃度の減少に還元剤濃度
の減少を組み合わせることにより、老化に伴う平坦度悪
化の抑制がより効果的になることが確認された。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によればニ
ッケル塩、錯化剤、還元剤およびコバルトを含有する無
電解ニッケル・リンめっき液を使用して無電解めっき浴
を建浴し、無電解めっき浴の老化にしたがって錯化剤お
よび還元剤の少なくとも一方の濃度を減少させながら、
所定の間隔で配列した複数の被めっき物にニッケル・リ
ン薄膜を形成するので、被めっき物が曲げ剛性等の機械
的強度の低い基板であっても、基板の平坦度を維持した
ままで無電解めっき法によりニッケル・リン薄膜の形成
が可能であり、かつ、連続使用による無電解めっき浴の
老化が進行しても、被めっき物の平坦度維持が可能であ
り、製品歩留まりが向上するとともに、平坦度が悪化し
た製品に対する平坦度回復のための熱処理工程も不要と
なる。さらに、老化に伴う錯化剤濃度の減少による無電
解めっき浴の自己分解がコバルトの存在によって抑制で
きるという効果が奏される。尚、本発明は、機械的強度
の高い被めっき物に対しても使用可能であることは勿論
であり、また、成膜されるニッケル・リン薄膜は、使用
目的に応じて磁性体、非磁性体のいずれであってもよ
い。
ッケル塩、錯化剤、還元剤およびコバルトを含有する無
電解ニッケル・リンめっき液を使用して無電解めっき浴
を建浴し、無電解めっき浴の老化にしたがって錯化剤お
よび還元剤の少なくとも一方の濃度を減少させながら、
所定の間隔で配列した複数の被めっき物にニッケル・リ
ン薄膜を形成するので、被めっき物が曲げ剛性等の機械
的強度の低い基板であっても、基板の平坦度を維持した
ままで無電解めっき法によりニッケル・リン薄膜の形成
が可能であり、かつ、連続使用による無電解めっき浴の
老化が進行しても、被めっき物の平坦度維持が可能であ
り、製品歩留まりが向上するとともに、平坦度が悪化し
た製品に対する平坦度回復のための熱処理工程も不要と
なる。さらに、老化に伴う錯化剤濃度の減少による無電
解めっき浴の自己分解がコバルトの存在によって抑制で
きるという効果が奏される。尚、本発明は、機械的強度
の高い被めっき物に対しても使用可能であることは勿論
であり、また、成膜されるニッケル・リン薄膜は、使用
目的に応じて磁性体、非磁性体のいずれであってもよ
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡 安夫 東京都品川区東品川二丁目2番20号 日本 軽金属株式会社内 (72)発明者 川島 敏 埼玉県大宮市吉野町2丁目3番1号 メル テックス株式会社研究部内 (72)発明者 関山 和弘 埼玉県大宮市吉野町2丁目3番1号 メル テックス株式会社研究部内 (72)発明者 田代 雄彦 埼玉県大宮市吉野町2丁目3番1号 メル テックス株式会社研究部内 Fターム(参考) 4K022 AA02 AA44 BA14 BA16 BA32 DA01 DB02 DB03 DB05 DB26 DB28 5D112 AA03 BD06 EE01
Claims (7)
- 【請求項1】 所定の間隔で配列した複数の被めっき物
に無電解めっき法によりニッケル・リン薄膜を形成する
方法において、 ニッケル塩、錯化剤、還元剤およびコバルトを含有する
無電解ニッケル・リンめっき液を使用して無電解めっき
浴を建浴し、無電解めっき浴の老化にしたがって錯化剤
および還元剤の少なくとも一方の濃度を減少させること
を特徴とするニッケル・リン薄膜の形成方法。 - 【請求項2】 前記無電解ニッケル・リンめっき液のコ
バルトの濃度は、金属濃度として60〜450mg/L
の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のニッ
ケル・リン薄膜の形成方法。 - 【請求項3】 無電解めっき浴の老化にしたがって錯化
剤および還元剤の少なくとも一方の濃度をほぼ一定の割
合で減少させることを特徴とする請求項1または請求項
2に記載のニッケル・リン薄膜の形成方法。 - 【請求項4】 無電解めっき浴の老化にしたがって錯化
剤および還元剤の少なくとも一方の濃度を減少割合を変
化させながら減少させることを特徴とする請求項1また
は請求項2に記載のニッケル・リン薄膜の形成方法。 - 【請求項5】 無電解めっき浴の老化にしたがって錯化
剤および還元剤の少なくとも一方の濃度を段階的に減少
させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
のニッケル・リン薄膜の形成方法。 - 【請求項6】 複数の被めっき物の配列の間隔を5〜5
0mmの範囲で設定することを特徴とする請求項1乃至
請求項5のいずれかに記載のニッケル・リン薄膜の形成
方法。 - 【請求項7】 磁気ディスク用の非磁性ニッケル・リン
薄膜を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項6
のいずれかに記載のニッケル・リン薄膜の形成方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000071582A JP2001262363A (ja) | 2000-03-15 | 2000-03-15 | ニッケル・リン薄膜の形成方法 |
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JP2000071582A JP2001262363A (ja) | 2000-03-15 | 2000-03-15 | ニッケル・リン薄膜の形成方法 |
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JP2000071582A Pending JP2001262363A (ja) | 2000-03-15 | 2000-03-15 | ニッケル・リン薄膜の形成方法 |
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JP (1) | JP2001262363A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008280551A (ja) * | 2007-05-08 | 2008-11-20 | Nippon Kanizen Kk | 無電解ニッケルめっき液及びそれを用いた無電解ニッケルめっき方法 |
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2000
- 2000-03-15 JP JP2000071582A patent/JP2001262363A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008280551A (ja) * | 2007-05-08 | 2008-11-20 | Nippon Kanizen Kk | 無電解ニッケルめっき液及びそれを用いた無電解ニッケルめっき方法 |
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