JP2001262206A - 酸化銀の製造方法および銀粉末の製造方法 - Google Patents

酸化銀の製造方法および銀粉末の製造方法

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JP2001262206A
JP2001262206A JP2000084735A JP2000084735A JP2001262206A JP 2001262206 A JP2001262206 A JP 2001262206A JP 2000084735 A JP2000084735 A JP 2000084735A JP 2000084735 A JP2000084735 A JP 2000084735A JP 2001262206 A JP2001262206 A JP 2001262206A
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silver
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silver oxide
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Akihiko Okuda
晃彦 奥田
Tetsuji Takahashi
哲司 高橋
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Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
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Tanaka Kikinzoku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】NOX を発生させることなく、かつ薬品消費量
や廃液量を少なく出来る酸化銀及び銀粉末の製造方法を
提供する。 【解決手段】 陽極室と中間室の間の隔膜として陰イオ
ン交換膜を、陰極室と中間室の間の隔膜として陽イオン
交換膜をそれぞれ設置した三室電解槽を使用し、該電解
槽の中間室に投入した塩水溶液をアノードとしての銀電
極を用いて電解し、陽極室から得られる銀水溶液と陰極
室から得られる苛性アルカリ溶液とを反応させて酸化銀
を得る。得られた酸化銀をアルカリ溶液中で、最適温度
範囲で過酸化水溶液またはホルマリンを添加することに
より還元して銀粉末とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は陽極室と中間室の間の隔
膜として陰イオン交換膜を、陰極室と中間室の間の隔膜
として陽イオン交換膜を設置した三室電解槽において中
間室に塩水溶液をアノードに銀電極を用い、電解で得ら
れる陽極室からの銀水溶液と陰極室からの苛性アルカリ
溶液を反応させる酸化銀の製造方法に関する。
【0002】さらには酸化銀を銀粉末に還元する方法に
おいてアルカリ溶液下、反応温度を50℃以下にて過酸化
水溶液を添加する銀粉末の製造方法およびアルカリ溶液
下反応温度を60℃以下にてホルマリンを添加する銀粉末
の製造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】従来より銀粉末の製造方法として、銀地
金あるいは銀電解粉を硝酸で溶解し、硝酸銀溶液とし、
この硝酸銀溶液に苛性ソーダを加えて酸化銀とするか、
炭酸ソーダを加えて炭酸銀とした後、ホルマリンがヒド
ラジンにて還元を行い、銀粉末を得ていた。
【0004】しかし、従来のこの方法では溶解時に大量
の硝酸が必要であり、又溶解時にNOx の発生も伴うと
いう問題があった。NOx は公害防止の観点から処理さ
れて排出される必要があるものであり、その処理に必要
な設備やランニングコストは多大なものとなる。
【0005】また、酸化銀あるいは炭酸銀の生成に苛性
ソーダ、炭酸ソーダ等の溶液が必要であり、薬品の投入
と反応廃液が生じる。特に、これらの反応廃液は再利用
ができないことから廃液量が増大する結果となる。一方
で公害の排出規制や処理コストのため廃液を出さない
か、排出量を極力少量に留めなければならないと言った
課題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解消し、NOx の発生が無く、薬品消費量およ
び廃液量の少ない酸化銀、銀粉末の製造方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、陽極室と中間室の間の隔膜として陰イオン
交換膜を、陰極室と中間室の間の隔膜として陽イオン交
換膜を設置した三室電解槽において中間室に塩水溶液を
アノードに銀電極を用い、電解で得られる陽極室からの
銀水溶液と陰極室からの苛性アルカリ溶液を反応させる
ことを特徴とする酸化銀の製造方法であり、前記方法に
おいて中間室の塩水溶液を硝酸または硫酸のナトリウム
塩またはカリウム塩とする酸化銀の製造方法である。
【0008】又、前記方法において電解で得られる陽極
室からの銀水溶液と陰極室からの苛性アルカリ溶液を反
応させて酸化銀とし、該酸化銀粉末を濾過、分離した後
の反応残液を陽イオン交換樹脂及び/又はキレート樹脂
に通液し、残留銀イオンを除去した後中間室塩水溶液と
して用いることが出来る。前記陽イオン交換樹脂及び/
又はキレート樹脂の溶離液としては、硝酸、硫酸溶液を
用いることができ、溶離後の液を陽極室電解液に用いる
ことが出来る。
【0009】さらには、上記方法で得られた酸化銀は、
アルカリ溶液下、反応温度を50℃以下にて過酸化水溶液
を添加して還元することにより銀粉末の製造方法として
応用できる。あるいはアルカリ溶液下、反応温度を60℃
以下にてホルマリンを添加して還元を行い銀粉末製造し
てもよい。
【0010】前述のように、陽極室と中間室の間の隔膜
としては陰イオン交換膜を、陰極室と中間室の間の隔膜
としては陰イオン交換膜を用いる。それぞれのイオン交
換膜は炭化水素系膜および有機フッ素化合物系膜が使用
される。輸率性能が良く、電気抵抗の小さい膜が好まし
く、耐酸性の膜でなければならない。
【0011】陽極は銀製の板、棒、粒、粉末等であれば
よく、不純物を含んだ銀および回収銀でも電極として用
いることができる。溶解時の剥離片、スライム等を電解
槽の内部や銀溶液内に持ち込ませないためにアノードバ
ッグを用いても良い。
【0012】陰極は特に制限はないが、カーボン、チタ
ン、白金等、導電性がよく、使用する溶液において耐食
性のある材質であればよい。
【0013】中間室の塩水溶液は硝酸または硫酸のナト
リウム塩またはカリウム塩を用いる。硝酸、硫酸の塩を
用いるのは、銀イオンとこれらの陰イオンが錯形成を行
わないためであり、ナトリウム塩、カリウム塩を用いる
のはそれぞれ輸率性能が良いのと、経済的に有利なため
である。
【0014】電解時の陽極室、陰極室、中間室の通液方
法はバッチ式、連続式の両方式において通液できる。
【0015】陽極室での反応は銀が陽極の酸化反応より
イオン化され、銀イオンとなる。生成した銀イオンの電
荷相当分の陰イオンが中間室から陰イオン交換膜を透過
し、銀塩の溶液を生成する。
【0016】陰極室では水の電気分解反応が起こり、水
酸基イオン生成とともに中間室よりアルカリイオンが陽
イオン交換膜より透過し、苛性アルカリを生成する。電
解後の中間室は脱塩されているため、塩濃度は低下す
る。
【0017】陽極室から溶解された銀溶液と陰極室で生
成された苛性アルカリ溶液はそれぞれ極室より取り出さ
れ、酸化銀の生成に供与される。酸化銀生成後反応残液
は再度硝酸、硫酸のアルカリ溶液となり、中間室に戻さ
れ、再利用される。この際、銀イオンが少量残留するた
めに起因する陰極室への銀析出防止のため、予め銀イオ
ンの除去が必要となる。
【0018】このため、銀イオン除去に陽イオン交換樹
脂及び/又はキレート樹脂を用いることで、銀イオンを
除去することができる。この際、銀を吸着させるための
通液pHは 0.1以上高くなければならない。また、これ
らの樹脂より銀を溶離して樹脂を再生するには、硝酸、
硫酸溶液を用いる。
【0019】酸化銀を過酸化水素水溶液で銀粉末に還元
する際、アルカリ性溶液下で反応させるのは、酸性液性
下において過酸化水素溶液では還元が十分に進まないた
めである。また、温度が50℃以上の場合、過酸化水素の
反応ならびに気化が激しいため、反応温度は、50℃以下
が好ましい。また、ホルマリンを用いて酸化銀を還元す
る際、反応液性をアルカリ性にするのは、酸性下で還元
した場合には、不均一な粒子の生成がおきるためであ
る。反応温度を60℃以下にするのは、ホルマリンの気化
を防止するためである。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例と比較例について説明
する。
【0021】
【実施例1】陽極室、銀板陽極、陰イオン交換膜、中間
室、陽イオン交換膜、白金陰極、陰極室を組み立てて、
三室電解槽を作成した。陰イオン交換膜として有機フッ
素系強塩基性膜を、陽イオン交換膜として有機フッ素系
膜(ナフィオン324)を用いた。陽極室は0.05g/L の
硝酸銀溶液を、陰極室には0.05g/L 苛性ソーダ溶液、中
間室には30g/L の硝酸ソーダ溶液を用い、10A/dm2 の電
流密度で一時間電解を行った。陽極室からは24g/L の硝
酸銀溶液2L が得られ、中間室の硝酸ソーダは4g/L の
濃度であった。
【0022】電解で得られた硝酸銀溶液と苛性ソーダ溶
液を、それぞれ攪拌翼付き反応容器に投入し、酸化銀を
生成した。酸化銀と反応残液を濾別した後、液中の銀イ
オンを除去するため陽イオン交換樹脂(ダイヤイオンS
K10)に通液を行った結果、銀濃度は 0.1ppm 以下で
あった。この銀を除去した液は中間室へ再度供される。
【0023】得られた酸化銀溶液を30度に冷却しなが
ら、ホルマリンを投入し、酸化銀を還元して、銀粉末を
得た。この時のpHは12.6であった。なお、ここまでの
工程を通じて、NOx の発生は起きなかった。
【0024】
【従来例】銀粉 108gを 130mL硝酸に溶解して硝酸銀溶
液とした。その際NOx の発生が見られた。苛性ソーダ
80gを純水に溶解して 200mLとし、前記硝酸銀溶液を攪
拌しながら5分間で投入し、酸化銀を生成させた。この
酸化銀含有溶液を60℃に保温しながらホルマリン溶液を
(37%)74mLを5分間で投入した。その結果、粒度分布
が 0.8−5μmの銀粉末が得られた。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の銀粉末の
製造方法は三室電解により硝酸並びに苛性アルカリの消
費無しに酸化銀生成が可能であり、しかもNOx が発生
しないため廃ガス処理の必要もない省資源性・省力化に
適した製造方法である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極室と中間室の間の隔膜として陰イオ
    ン交換膜を、陰極室と中間室の間の隔膜として陽イオン
    交換膜をそれぞれ設置した三室電解槽を使用し、該電解
    槽の中間室に投入した塩水溶液をアノードとしての銀電
    極を用いて電解し、陽極室から得られる銀水溶液と陰極
    室から得られる苛性アルカリ溶液とを反応させて酸化銀
    を得ることを特徴とする酸化銀の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記方法において中間室の塩水溶液が、
    硝酸または硫酸の、ナトリウム塩またはカリウム塩であ
    る事を特徴とする請求項1記載の酸化銀の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記方法において電解により陽極室から
    得られる銀水溶液と陰極室から得られる苛性アルカリ溶
    液を反応させて酸化銀とし、得られた酸化銀粉末を濾
    過、分離した後の反応残液を陽イオン交換樹脂及び/又
    はキレート樹脂に通液し、残留銀イオンを除去した後、
    中間室塩水溶液として使用する事を特徴とする請求項1
    または2記載の酸化銀の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記方法において陽イオン交換樹脂及び
    /又はキレート樹脂からの溶離液に硝酸、硫酸溶液を用
    い、溶離後の液を陽極室電解液に用いる事を特徴とする
    請求項1ないし3記載の酸化銀の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4記載の方法により得ら
    れた酸化銀をアルカリ溶液中で、反応温度を50℃以下
    にて過酸化水溶液を添加することにより銀粉末に還元す
    る事を特徴とする銀粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4記載の方法により得ら
    れた酸化銀をアルカリ溶液中で、反応温度を60℃以下
    にてホルマリンを添加することにより銀粉末に還元する
    事を特徴とする銀粉末の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100683964B1 (ko) * 2004-11-08 2007-02-15 한국지질자원연구원 전기화학적 환원에 의한 은분말 제조방법 및 제조장치
KR100683963B1 (ko) 2006-11-09 2007-02-16 한국지질자원연구원 전기화학적 환원에 의한 은분말 제조방법
JP2012036188A (ja) * 2004-07-30 2012-02-23 Acrymed Inc 抗菌銀組成物
KR101650084B1 (ko) * 2015-06-16 2016-08-22 창원대학교 산학협력단 환원전극에서의 전기화학적 합성을 이용한 산화은의 제조방법 및 이에 의해 제조된 산화은 나노 입자

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JP2012036188A (ja) * 2004-07-30 2012-02-23 Acrymed Inc 抗菌銀組成物
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