JP2001262118A - 誘雨剤、誘雨装置及び誘雨ロケット - Google Patents

誘雨剤、誘雨装置及び誘雨ロケット

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JP2001262118A JP2000078299A JP2000078299A JP2001262118A JP 2001262118 A JP2001262118 A JP 2001262118A JP 2000078299 A JP2000078299 A JP 2000078299A JP 2000078299 A JP2000078299 A JP 2000078299A JP 2001262118 A JP2001262118 A JP 2001262118A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分に細かい微粒子の雨核成分を適切な濃度
で広範囲に拡散でき、かつ取扱いの容易な誘雨剤、誘雨
装置及び誘雨ロケットを提供する。 【解決手段】 誘雨剤は、雨核成分と、燃焼温度が雨
核成分の沸点以上でかつその酸素バランスが0ないし酸
素過剰側である燃焼性成分とを混合してなるものであ
る。 雨核成分としてはヨウ化銀が好ましく、燃焼性成
分としてはテルミット剤が好ましい。誘雨装置は、収納
ケース11内の先端部に誘雨剤12を収容した有蓋筒状
の誘雨剤充填容器13を配置し、その誘雨剤充填容器1
3の開口端には内部に収容された誘雨剤12を閉塞する
ように着火薬14が装填されている。収納ケース11内
の基端部には、燃焼ガスによって誘雨剤充填容器13を
収納ケース11を破って遠方まで放出するための放出薬
16が装填され、さらにその放出薬16を点火させるた
めの点火装置15が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広範囲に散布が可
能であり、取扱い性が高い誘雨剤、その誘雨剤を備えた
誘雨装置及び誘雨ロケットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ハロゲン化銀(一般的にはヨ
ウ化銀)の微粒子が雨核成分となり、誘雨効果を発揮す
ることは知られており、航空機等からヨウ化銀粉末を散
布することが行なわれている。また、良好な誘雨効果を
得るためには、ハロゲン化銀の粒子径は十分に細かく、
しかも適切な粒子密度で散布する必要がある。粒子密度
が高すぎると形成される水滴核が多くなりすぎて、雨滴
が十分な大きさにまで成長できないためこのヨウ化銀の
粒子は小さいほうが好ましい。例えば、特開昭51−5
2379号公報には粒子径1μm以下のハロゲン化銀を形
成する方法について記載されている。また、フランスの
ルジェリー社の人工降雨ロケットは、ヨウ化銀を含有し
た爆薬を上空で爆発させてヨウ化銀を散布するものであ
る。さらに、中国では大砲の砲弾内にヨウ化銀と炸薬を
詰めて撃ち、上空で炸裂させてヨウ化銀を散布すること
が行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、航空機
等によりヨウ化銀粉末を直接散布する方法では、ヨウ化
銀の粒子径が大きいため誘雨効果は十分ではない。ま
た、ヨウ化銀を含有する爆薬を爆発させる方法では、高
温で蒸発したヨウ化銀蒸気から微粒子のヨウ化銀が形成
されるが、狭い範囲に高密度のヨウ化銀が散布されるた
め、これも誘雨効果としては十分とは言えない。さら
に、爆薬を使う方法は大きな騒音を発生するという問題
があり、また不発のまま落下した場合には問題を引き起
こすおそれもある。本発明は上記のような従来技術に存
在する問題点に着目してなされたものである。その目的
とするところは、十分に細かい微粒子の雨核成分を適切
な濃度で広範囲に拡散でき、かつ取扱いの容易な誘雨
剤、誘雨装置及び誘雨ロケットを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の発明の誘雨剤は、雨核成分と、燃焼温度が
雨核成分の沸点以上でかつその酸素バランスが0ないし
酸素過剰側である燃焼性成分とを混合してなるものであ
る。
【0005】第2の発明の誘雨剤は、第1の発明におい
て、前記燃焼性成分がテルミット剤であるものである。
第3の発明の誘雨剤は、第1又は第2の発明において、
雨核成分の配合割合が5〜40重量%であるものであ
る。
【0006】第4の発明の誘雨装置は、収納ケース内の
先端部には、誘雨剤を収容し少なくとも基端側に開口部
を有する誘雨剤充填容器を配置し、その誘雨剤充填容器
の開口部には内部に収容された請求項1に記載の誘雨剤
の燃焼性成分を着火させるための着火薬を装填するとと
もに、収納ケース内の基端部には、燃焼ガスによって誘
雨剤充填容器を収納ケースを破って遠方まで放出するた
めの放出薬を装填し、さらにその放出薬を点火させるた
めの点火装置を備えたものである。
【0007】第5の発明の誘雨装置は、第4の発明にお
いて、前記着火薬は誘雨剤充填容器を推進させる推進薬
であるものである。第6の発明の誘雨ロケットは、第4
又は第5の発明の誘雨装置と、その誘雨装置を推進させ
る推進システムを備えたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を使用して詳細に説明する。誘雨剤は、雨核成分
と、燃焼温度が雨核成分の沸点以上でかつその酸素バラ
ンスが0ないし酸素過剰側である燃焼性成分とを混合し
てなるものである。雨核成分は微量であっても雨核ない
し氷晶核となるものであり、例えばヨウ化銀などのハロ
ゲン化銀である。この雨核成分は雨核又は氷晶核となる
性質を有していることから、雨核又は氷晶核が形成され
る高度(融解層)以上の高度で散布され、雨が誘導され
る。通常、レーダーにて融解層の高度を調べ、その高度
まで誘雨装置を搭載したロケットが打ち上げられる。
【0009】誘雨剤中の雨核成分の含有率を高めればよ
り多量の雨核成分を散布できるが、誘雨剤の燃焼温度が
低下して雨核成分が気化しなくなる傾向にある。雨核成
分の配合割合は、燃焼温度を雨核成分の沸点以上に好ま
しく維持できる範囲が好ましい。具体的には、雨核成分
の配合割合は5〜40重量%の範囲が好ましい。5重量
%未満では雨核成分の散布量が少なく、40重量%を越
えると雨核成分が気化しなくなるおそれがある。
【0010】次に、燃焼性成分は、その燃焼時に雨核成
分を分解しないように、酸素バランスを0ないしプラス
側(酸素過剰側)としたものであり、かつ、その燃焼温
度が雨核成分の沸点、例えばヨウ化銀の場合には約15
00℃以上である必要がある。酸素バランスは酸化還元
反応において、反応系内で酸素の過不足がない状態を0
とし、酸素が過剰にある状態を酸素過剰側(プラス側)
としている。
【0011】本発明の誘雨剤は、燃焼性成分の燃焼によ
り雨核成分を蒸発(気化)させ、非常に微細な粒子径の
雨核成分粒子を形成するものである。燃焼性成分として
は、例えばテルミット剤(ゴールドシュミット剤)が使
用される。テルミット剤とは、アルミニウムと金属酸化
物との高温の発熱を伴う酸化還元反応(テルミット反
応)を行う薬剤で、生成されるアルミナを溶融する特徴
を有しているものである。このテルミット剤としては、
酸化鉄とアルミニウムの混合物が挙げられ、その燃焼温
度は2200℃である。これらの混合物を燃焼させるこ
とでヨウ化銀を気化させて微細な雨核成分を形成するこ
とができる。テルミット剤は爆薬とは異なり、燃焼性の
ものであることから、大きな音が発生しないという利点
がある。
【0012】誘雨装置は散布した雨核成分の粒子密度が
高くなりすぎず、しかも広い範囲に雨核成分を散布する
ために、誘雨剤を充填した誘雨剤充填容器を、放出薬の
燃焼ガス圧によって遠方まで射出するものである。即
ち、多量の雨核成分を含む誘雨剤であっても、飛翔速度
を高めることにより雨核成分の散布密度を低く抑え、最
適濃度にすることができ、そして広範囲に雨核成分を散
布することができる。放出薬は燃焼することにより高温
のガスが発生し、そのガス圧にて誘雨剤充填容器を射出
させることができるもので、例えば黒色火薬、ガス発生
剤などが使用される。
【0013】射出速度を高めるために放出薬量を増した
り、ガス圧力を高めることは、放出時の騒音が大きくな
るという問題を発生する。本発明の誘雨装置は、誘雨剤
を充填した誘雨剤充填容器に推進薬による推進装置を設
けることにより、大きな放出音を発生することなく、誘
雨剤を遠方まで飛翔させることができる、推進薬は誘雨
剤充填容器に推進作用を付与するもので、例えばコンポ
ジット推進薬、ダブルベース推進薬などが使用される。
この推進薬は、その種類や形状により着火薬として兼用
することも可能である。
【0014】誘雨ロケットは、誘雨装置の機能を十分に
発揮するための条件下に、上記の誘雨装置を移動させる
ものである。例えば、地上から誘雨ロケットを発射し、
上空の雲中へ誘雨装置を移動させ、雲の中に誘雨剤を効
率良く散布することができる。誘雨剤は所定の高度にお
いて散布する必要がある。従って、その高度に誘雨装置
があるとき、放出薬又は誘雨剤が点火される。
【0015】また、誘雨ロケットは紙や木材を主原材料
として構成されており、自然分解性を有するという特徴
を備えている。さらに、延時点火装置を使用して誘雨装
置への点火時間を変えることにより、誘雨剤を散布する
高度を調整することができる。延時点火装置は、誘雨装
置が所定の高度に達するまでのタイムラグをもたせる装
置である。例えば、誘雨ロケットの場合、エンジン部と
導火線に同時に火を付けてロケットが上昇中はエンジン
部の推進薬と導火線が燃え、導火線が燃え終わると放出
薬に点火し誘雨剤が散布される。この場合、導火線の長
さを変えることにより、誘雨剤を散布する変えることが
可能である。また、導火線の代りに鉛丹と珪素鉄よりな
る延時薬を使用することもできる。
【0016】続いて、 図1から図3を用い、本発明の
誘雨装置や誘雨ロケットの実施形態の一例を説明する。
まず、図1に示す誘雨装置について説明する。紙や木材
で作られ頂壁11aと底壁11bで両端が閉鎖された円
筒状の収納ケース11内の先端側には、雨核成分と燃焼
性成分からなる誘雨剤12が充填(圧填)された有蓋円
筒状をなす一対の誘雨剤充填容器13が配置されてい
る。なお、収納ケース11には破壊されやすいように図
示しない切り込みが設けられている。
【0017】各誘雨剤充填容器13の開口端には誘雨剤
12を閉塞するように着火薬14が装填されている。着
火薬14は誘雨剤12中の燃焼性成分を着火させるため
の着火助燃剤であり、火薬類、コンポジット推進薬など
が使用される。テルミット剤などの燃焼性成分は燃焼が
始まるとその燃焼ガスが伝播してゆくが、最初に燃焼が
始まるときの着火性が良くないため、この着火薬14が
着火助燃剤として用いられる。着火薬14として具体的
には、ホウ素と硝酸カリウムの混合物、ジルコニウムと
過塩素酸カリウムの混合物などが挙げられる。
【0018】収納ケース11の底壁11b内面の中心部
には、点火装置15が取付けられている。この点火装置
15と前記着火薬14との間の空間には誘雨剤充填容器
13を収納ケース11の頂壁11aから放出させるため
の放出薬16が装填されている。放出薬16への点火
は、点火装置15によって希望するタイミングで行われ
る。点火装置15には図示しない導火線や、タイマーと
ヒータを組み合わせた延時発火装置などが用いられる。
【0019】さて、点火装置15が点火されると、放出
薬16が燃焼し、その高温燃焼ガスにより誘雨剤12が
充填された誘雨剤充填容器13は収納ケース11の頂壁
11a及び周壁11cを破って外部に放出される。ま
た、放出薬16の高温燃焼ガスによって着火薬14が着
火し、誘雨剤12へ燃焼伝播される。そして、誘雨剤1
2中の雨核成分が気化されて微粒子化される。その微粒
子に周囲の水蒸気が凝集して雨滴が形成される。微粒子
が広範囲に飛散して存在することにより、広範囲で雨滴
が得られる。
【0020】誘雨剤12は2000℃程度の温度で燃焼
するため、誘雨剤充填容器13をアルミニウム製のパイ
プなどで作製すれば、そのパイプは容易に融解・液滴化
するため、固形残渣は残らず、例えば上空で誘雨剤12
が使用された場合でも重量物落下による問題の発生を減
らすことができる次に、図2に示す誘雨装置について説
明する。この誘雨装置では、収納ケース11内の先端側
に3つの細長い有蓋円筒状をなす誘雨剤充填容器13が
配置されている。各誘雨剤充填容器13の開口端部には
推進薬17が装填されている。また、点火装置15は収
納ケース11の底壁11bの中心部を貫通してその軸線
方向に延びるように配置されている。
【0021】さて、推進薬17は放出薬16の燃焼火炎
によって点火され、その燃焼ガスが誘雨剤充填容器13
の底部からロケットのように噴出する。この噴出力によ
って誘雨剤充填容器13を加速し、遠方まで飛翔させる
ことができる。推進薬17が燃焼終了する際に誘雨剤1
2が点火され、誘雨剤充填容器13は飛翔しながら雨核
成分の微粒子を広範囲に散布することができる。雨核成
分の散布密度は、飛翔速度と誘雨剤12の燃焼量を調整
することで最適化が可能である。
【0022】次に、図3は本発明の誘雨装置を小型ロケ
ット18に搭載した推進システムとしての誘雨ロケット
を示す一例である。誘雨剤充填容器13は、図1に示し
た着火薬14を取付けたものと、図2に示した推進薬1
7を取付けたものの両方を使用している。着火薬14を
取付けたものは収納ケース11の中心位置に配置され、
推進薬17を取付けたものは収納ケース11の両側に配
置されている。点火装置15には導火線が使用されてお
り、小型ロケット18の発射時に導火線に点火される。
点火装置15の遅延時間は、小型ロケット18が適切な
高度に上昇したときに放出薬16に着火するように設定
される。
【0023】さて、所定の高度で放出薬16が燃焼し、
誘雨剤12を充填された誘雨剤充填容器13が放出され
る。着火薬14を取付けた誘雨剤充填容器13は、放出
された後直ちに誘雨剤12が燃焼するため小型ロケット
18から比較的近い位置で雨核成分を散布する。推進薬
17を取付けた誘雨剤充填容器13は、推進薬17が燃
焼した後で誘雨剤12が燃焼するため、より遠い位置で
雨核成分の散布を開始でき、2種類の誘雨剤充填容器1
3を併用することで、より広い範囲に雨核成分を散布す
ることができる。
【0024】以上の実施形態により発揮される効果につ
いて以下にまとめて説明する。 ・ ハロゲン化銀等の雨核成分をテルミット剤等の燃焼
性成分で気化させることにより、誘雨効果の高い1μm
以下のハロゲン化銀の雨核成分を多量に形成できる。
【0025】・ 誘雨剤充填容器13を放出薬16又は
推進薬17で飛翔させながら誘雨剤12を燃焼させるこ
とにより、雨核成分を適切な濃度分布で広範囲に散布す
ることができる。
【0026】・ また、爆薬を使用せず、燃焼によって
雨核成分を気化させるので、大きな騒音の発生を抑制で
き、地上へ落下した場合に問題を生じるおそれを抑制で
き、取扱いが容易である。
【0027】・ テルミット剤は、燃焼温度が高く、酸
素バランスを容易に調整することができる。 ・ 誘雨装置によれば、誘雨剤の雨核成分の散布密度を
適正にすることができるとともに、広範囲に雨核成分を
散布することができる。また、推進薬17を用いること
により、大きな放出音を抑制しつつ、誘雨剤を遠方まで
飛翔させることができる。また、誘雨装置は小型の収納
ケース11内に収まっているため、小型ロケット18や
気球に乗せて容易に上空に運ぶことができる。
【0028】・ 誘雨ロケットによれば、誘雨装置を上
空の雲中へ誘導することができ、雲の中に誘雨剤を効率
良く散布することができる。 ・ 点火装置15により適切なタイミングで誘雨剤12
を燃焼させることができることから、気象条件に合わせ
て最適な高度で雨核成分を散布することができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて前記実施形
態をさらに具体的に説明する。なお、各例において、部
は重量部を表す。
【0030】(実施例1)雨核成分としてヨウ化銀20
部を、アルミニウム粉末34部と酸化鉄粉末66部から
なるテルミット系加熱燃焼剤(酸素バランスは0)と混
合し、鉄製の誘雨剤充填容器に充填した。これを着火薬
としてマグネシウムリボンを使用して燃焼させたとこ
ろ、多量の黄色の煙状物質が発生した。燃焼時における
燃焼温度は1800℃であった。この黄色煙状物質をX
線回折装置で分析したところ、ヨウ化銀であることが確
認された。
【0031】(比較例1)誘雨剤としてヨウ化銀20部
を、黒色火薬(酸素バランスはマイナス)100部と混
合し、これを鉄製の誘雨剤充填容器に充填した。これを
マグネシウムリボンを着火薬として燃焼させたところ、
多量の白色の煙状物質が発生した。燃焼時における燃焼
温度は1600℃であった。この白色煙状物質をX線回
折装置で分析したところ、ヨウ化銀の回折ピークは全く
検出されず、ヨウ化銀は燃焼時に完全に分解されている
ことが確認された。なお、本発明は前記実施形態を次の
ように変更して具体化してもよい。
【0032】・ 実施形態の誘雨剤充填容器13をその
先端面が開口された形状で、その開口部に着火薬14を
装填するように構成してもよい。また、誘雨剤充填容器
13を1つ又は複数の孔のあいた球形容器とし、その内
部に誘雨剤12を充填するとともに、孔のあいた部分に
着火薬14を装填するように構成してもよい。このよう
に構成した場合、複数の開口部や複数の孔の部分に装填
された着火薬14により、誘雨剤12中の燃焼性成分を
一層容易に着火、燃焼させることができる。
【0033】さらに、前記実施形態より把握される技術
的思想について以下に記載する。 ・ 前記点火装置は、点火時間を延長することができる
延時点火装置である請求項4又は請求項5に記載の誘雨
装置。このように構成した場合、誘雨剤を散布する高度
を調整することができる。
【0034】・ 前記収納ケースは自然分解性の材料で
形成されている請求項4又は請求項5に記載の誘雨装
置。このように構成した場合、収納ケースの一部が地上
に落下したときでも自然に分解するため、分解処理を行
うなどの必要がない。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば下記
のような効果が発揮される。第1の発明の誘雨剤によれ
ば、十分に細かい微粒子の雨核成分を適切な濃度で広範
囲に拡散でき、かつ取扱いが容易である。
【0036】第2の発明の誘雨剤によれば、第1の発明
の効果に加え、燃焼温度が高く、酸素バランスを容易に
調整することができる。第3の発明の誘雨剤によれば、
燃焼温度を維持して第1又は第2の発明の効果を確実に
発揮させることができる。
【0037】第4の発明の誘雨装置によれば、誘雨剤の
雨核成分の散布密度を適正にすることができるととも
に、広範囲に雨核成分を散布することができる。第5の
発明の誘雨装置によれば、第4の発明の効果に加え、大
きな放出音を抑制しつつ、誘雨剤を遠方まで飛翔させる
ことができる。
【0038】第6の発明の誘雨ロケットによれば、第4
又は第5の発明の誘雨装置を上空の雲中へ誘導すること
ができ、雲の中に誘雨剤を効率良く散布することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 着火薬を用いた実施形態の誘雨装置を示す概
略断面図。
【図2】 推進薬を用いた実施形態の誘雨装置を示す概
略断面図。
【図3】 誘雨装置が搭載された小型ロケットを示す部
分破断正面図。
【符号の説明】
11…収納ケース、12…誘雨剤、13…誘雨剤充填容
器、14…着火薬、15…点火装置、16…放出薬、1
5…点火装置、17…推進薬、18…推進システムとし
ての小型ロケット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F42B 4/24 F42B 4/24

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雨核成分と、燃焼温度が雨核成分の沸点
    以上でかつその酸素バランスが0ないし酸素過剰側であ
    る燃焼性成分とを混合してなる誘雨剤。
  2. 【請求項2】 前記燃焼性成分がテルミット剤である請
    求項1に記載の誘雨剤。
  3. 【請求項3】 雨核成分の配合割合が5〜40重量%で
    ある請求項1又は請求項2に記載の誘雨剤。
  4. 【請求項4】 収納ケース内の先端部には、誘雨剤を収
    容し少なくとも基端側に開口部を有する誘雨剤充填容器
    を配置し、その誘雨剤充填容器の開口部には内部に収容
    された請求項1に記載の誘雨剤の燃焼性成分を着火させ
    るための着火薬を装填するとともに、収納ケース内の基
    端部には、燃焼ガスによって誘雨剤充填容器を収納ケー
    スを破って遠方まで放出するための放出薬を装填し、さ
    らにその放出薬を点火させるための点火装置を備えた誘
    雨装置。
  5. 【請求項5】 前記着火薬は誘雨剤充填容器を推進させ
    る推進薬である請求項4に記載の誘雨装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5に記載の誘雨装置
    と、その誘雨装置を推進させる推進システムを備えた誘
    雨ロケット。
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