JP2001260344A - 画像形成方法および装置 - Google Patents

画像形成方法および装置

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JP2001260344A
JP2001260344A JP2000076496A JP2000076496A JP2001260344A JP 2001260344 A JP2001260344 A JP 2001260344A JP 2000076496 A JP2000076496 A JP 2000076496A JP 2000076496 A JP2000076496 A JP 2000076496A JP 2001260344 A JP2001260344 A JP 2001260344A
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ink
image forming
image
flow path
forming ink
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JP2000076496A
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English (en)
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Nobuo Matsumoto
伸雄 松本
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Pre-mix方式において、画素濃度(色)のに
じみが発生するのを防止して画質を向上させる。 【解決手段】 最終的に画像を形成しない画像非形成イ
ンクと最終的に画像を形成する画像形成インクとをこれ
らの混合割合を画像信号に基づいて変化させつつインク
吐出口から吐出させ、画像受容体に移送することによっ
て画像を形成する画像形成方法において、画像非形成イ
ンクの粘度を画像形成インクの粘度よりも小さくする一
方、画像非形成インクを層流としてインク吐出口に導く
インク流路の途中で、画像形成インクをインク流路の内
壁に接触させないように画像非形成インク内に合流さ
せ、これらのインクを層流としてインク吐出口へ導く。
またインク流路系は式:{n+(h2−1)}/nLが
81(mm-1)以上、さらに好ましくは195(mm-1)以
上になるようにするのがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数のインクの
混合割合を画像信号に基づいて変化させることにより所
定濃度および/または所定の色の流体(インク)を生成
し、この流体を画像受容体に移送させて画像を形成する
画像形成方法と装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】異なる色のインクを画像信号に基づいて
予め混合してから画像受容体(例えばプリント用紙)に
移送し、画像を形成する方法が従来より提案されている
(例えば米国特許第4,109,282号、同第4,6
14,953号、特開平5−201024号、同7−1
25259号、同3−207664号、同9−1561
31号、等)。このように予め画像信号に対応する濃度
/色にした流体を用いて画像を形成する方式は、予混合
方式あるいはPre-mix方式と呼ばれる。この方式によれ
ば、画像信号に基づいて画素ごとに濃度や色を調整する
ことができるので、画質を向上させることが可能であ
る。
【0003】米国特許第4,109,282号(以下先
行技術文献1という)には、クリアーインクとブラック
インクの2液を、画像形成用の基体へ導くための流路中
に、フラップバルブと称する弁を設け、この弁を変位さ
せることによって各インクの流路を開閉し、2液の割合
を所望の濃度になるようにして基体上に移送するプリン
ト装置が開示されている。これによりTVスクリーンに
表示された画像情報と同じグレースケール情報を持った
画像をプリントアウトできるようにしたものである。
【0004】ここには、フラップバルブの弁とその対向
面に設けられた電極との間に電圧を印加し、その静電引
力で弁自身を機械的に変形させ、インクをプリント用紙
の繊維間の毛管現象によって吸い出させるものが開示さ
れている。しかしこの装置は2つの液を吐出直後に基体
上で一体化させ混合させるものであるから、正確には前
記のPre-mix方式とは異なるものである。
【0005】米国特許第4,614,953号(以下先
行技術文献2)には、同じく複数の色の異なったインク
と溶媒を所望の量だけ第3のチャンバーへ導き混合させ
てからインク滴として飛翔させるインクジェット式プリ
ンターヘッド装置が開示されている。ここには所望の量
のインクを秤量する手段として、チャンバーと、このチ
ャンバーに取り付けられたダイアフラム状のピエゾ効果
素子部とを用い、このピエゾ素子を駆動させて得られる
圧力パルスを用いることが開示されている。
【0006】特開平5−201024号(以下先行技術
文献3)には、キャリア液体が充填される液体室と、液
体室に設けられたインクジェット駆動手段と、前記液体
室に連通するノズルと、このノズル内のキャリア液体に
インクを混合する混合部とを備えたインクジェットプリ
ントヘッドが開示されている。またここには、インクの
混合量を所望の値に調整するための調整手段を設けるこ
とも開示されている。
【0007】特開平7−125259(以下先行技術文
献4)には、同様に、第1と第2の濃度を有するインク
を供給する第1および第2の供給手段と、所望のインク
濃度になるように第2の供給手段による第2のインクの
供給量を制御する制御手段とを有するインクジェット記
録ヘッドが開示されている。
【0008】ここには制御手段として、専用の発熱素子
を持ちその熱エネルギーをもって駆動されるマイクロポ
ンプによるものが開示されている。このマイクロポンプ
としては、発熱素子により熱エネルギーを発生させ、そ
れにより生じた核沸騰による圧力で、例えばピストン状
の弁、もしくは片持ち梁的な弁を駆動する例が開示され
ている。またここには、この弁に形状記憶合金からなる
アクチュエータを組合せて使用することにより、特に流
入量の少ない領域においてインク流入量を効果的に制御
することが可能になると説明されている。
【0009】特開平3−207664号(以下先行技術
文献5)には、先行技術文献2と似た構造であるが、複
数のインクを混ぜ合せるための第3のチャンバを用いな
い構造のインクジェットプリンタが示されている。
【0010】特開平9−156131号(以下先行技術
文献6)には、画像データに基づいて、複数色の画像を
形成する複数のプリンタヘッドを備え、インクと希釈液
とを所定の混合比で混合して希釈インクとなし、前記希
釈インクをノズルから噴射して記録媒体上に記録画像を
形成するインクジェットプリンタが示されている。ここ
に、前記複数のプリンタヘッドに、インク混合量が小さ
く明確な印画濃度に達しない例えば全白の画像データが
入力されたとき、複数のプリンタヘッドのうち、少なく
とも一つのプリンタヘッドから前記希釈液を吐出させる
インクジェットプリンタが開示されている。この結果急
激な階調変化(トーンジャンプ)を防ぎ、希釈液の余分
な消費を抑え乾燥性を向上させるものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来のPre-mix方式で
は、複数のインクを画像信号に基づいた混合割合に予め
混合しても、インク吐出口に到達するまでの間では、イ
ンクのインク流路内の速度分布がインク流路の内壁に近
い位置と遠い位置とで変化することが避けられない。す
なわちインクの位相がインク流路の中央付近で進み、周
壁付近で遅れる。このため1つの画素に対してインク吐
出口から吐出されるインクが、インク流路の内壁に近い
部分と遠い部分とで時間的にずれて吐出されることにな
る。
【0012】図7はこのような現象による画質の低下を
概念的に説明する図である。この図で画像受容体(プリ
ント用紙)は下方(矢印方向)へ移動し、複数(ここで
は4つ)のインク吐出口が水平方向(矢印に直交する方
向)に並んでいるものとする。
【0013】この場合に画像受容体の矢印方向への移動
に伴って、各画素に対応するインクが予め所定の濃度
(または/および色)に調整されるが、インク流路内を
流動するインクは、インク流路の内壁に接触する部分で
流速が遅くなり、この内壁から離れた部分で流速が速く
なる。インクには粘性があるため、流速の分布は、イン
ク流路を断面円形とした場合には、略回転放物面とな
る。
【0014】このため或る画素に対して吐出されるイン
クの状態は、次の3つの段階に分けることができる。ま
ず第1段階(図7にAで示す)では、画像形成インク
(有色インク)の一部がインク流路の中央付近の流速の
速い流れによって運ばれ、画像非形成インク(透明イン
ク)中で拡散し薄められながら吐出される。第2段階
(Bで示す)では正規の量の画像形成インクが入り、正
しい濃度(および/または色)となる。第3段階(同じ
くCで示す)では画像形成インクの供給が停止した後、
インク流路の内壁に近接したインクが遅れて吐出され
る。
【0015】この結果1つの画素の濃度(色)は、画像
受容体の移動方向と平行に前後ににじむことになり、画
質が低下するものである。またこのことは、画像形成イ
ンクがインク吐出口に到達するまでの遅れがインク流路
内を通る径方向の位置によって変化するために、インク
吐出口における濃度(色)変化の立上がりと立ち下がり
がシャープでなくなるためであると言うこともできる。
【0016】この発明はこのような事情に鑑みなされた
ものであり、Pre-mix方式において、画素濃度(色)の
にじみが発生するのを防止して画質を向上させることが
できる画像形成方法を提供することを第1の目的とす
る。また画像形成装置を提供することを第2の目的とす
る。
【0017】
【発明の構成】この発明によれば第1の目的は、最終的
に画像を形成しない画像非形成インクと最終的に画像を
形成する画像形成インクとをこれらの混合割合を画像信
号に基づいて変化させつつインク吐出口から吐出させ、
画像受容体に移送することによって画像を形成する画像
形成方法において、前記画像非形成インクの粘度を前記
画像形成インクの粘度よりも小さくする一方、前記画像
非形成インクを層流としてインク吐出口に導くインク流
路の途中で、前記画像形成インクを前記インク流路の内
壁に接触させないように前記画像非形成インク内に合流
させ、これらのインクを層流としてインク吐出口へ導く
ことを特徴とする画像形成方法、により達成される。
【0018】インク流路内の流れを層流とするために
は、この流路系のレイノズル数を100以下にするのが
よい。インク流路は直線状とすればインクが安定した層
流となり易く、この途中に画像形成インク(有色イン
ク)を付加するのがよい。画像形成インクの粘度を下げ
るためには、粘度の低い物質を選択すればよいのは勿論
であるが、他の方法としてこのインクに微細な気泡を混
入して見かけの粘度を下げる方法もある。
【0019】発明者は実験の結果、インク流路系は次の
式、 {n+(h2−1)}/nL=P が81(mm-1)以上になるようにすれば、画質が相当良
好になり、195(mm-1)以上になるようにすれば画質
はさらに良好になることを知った。
【0020】ここにh=R/Ri、n=μc/μiであ
り、Rは見かけのインク流路径(直径、単位はm)、R
iは見かけの画像形成インクの流径(直径、単位は
m)、μcとμiはそれぞれ画像非形成インクと画像形
成インクの流体密度[単位はPa・sec(パスカル秒)]で
ある。またLは画像形成インクの合流位置からインクが
インク吐出口から離れるまでの距離(単位はm)であ
る。
【0021】この発明によれば第2の目的は、最終的に
画像を形成しない画像非形成インクと最終的に画像を形
成する画像形成インクとをそれらの混合割合を画像信号
に基づいて変化させつつインク吐出口から吐出させ、画
像受容体に移送して画像を形成する画像形成装置におい
て、前記画像非形成インクの粘度を画像形成インクの粘
度より小さくする一方、前記複数のインクを合流させ層
流として前記インク吐出口に導くインク流路と、前記複
数のインクの合流位置よりも上流側で前記インク流路に
画像非形成インクを供給する画像非形成インクの供給手
段と、前記インク流路の壁面から離れて画像非形成イン
ク中に開口する画像形成インク吐出口と、この画像形成
インク吐出口へ画像形成インクを供給する画像形成イン
クの供給手段と、を備えることを特徴とする画像形成装
置、により達成される。
【0022】画像形成インクと画像非形成インクの供給
系には、それぞれ流量制御弁を別途設けてそれぞれのイ
ンクの供給量を制御するようにしてもよい。インク流路
はインク吐出口の開口面に対して略垂直な直線状に形成
し、画像形成インクの吐出口はこのインク流路の内壁に
突設した突部の先端に設けるのが望ましい。このように
すれば直線状のインク流路が安定した層流となり、イン
クはインク吐出口から円滑に画像受容体に移送させるこ
とができる。
【0023】距離L、すなわち画像形成インクが画像非
形成インクに合流する位置からインクがインク吐出口を
離れるまでの距離、はできるだけ小さくするのがよい。
この距離Lが大きいと、この距離Lをインクが移動する
間に層流状態が崩れ易くなるばかりでなく、インクの粘
性により画像形成インクと画像非形成インクとのインク
吐出口における位相差が大きくなる。また両インク間の
拡散による混合も進行する。このため画質が悪くなるか
らである。
【0024】この距離Lはインクの流速などを考慮して
決めるのがよい。例えば、同一の画像信号に対して画像
形成インクと画像非形成インクとのインク吐出口におけ
る位相差が十分に小さくなるようにインク流速や距離L
を設定すべきである。インク流速や距離Lは、この位相
差が20μm以下になるように設定するのが望ましい。
このようにすれば同一画像信号に対する画像形成インク
と画像非形成インクとの位相差を小さくしてインク吐出
口に導くことができるので、一層確実に画質の低下を防
ぐことができる。
【0025】
【実施態様】図1は本発明の一実施態様である画像形成
装置の概念図、図2はここに用いる画像記録装置の拡大
断面図、図3は画像記録装置の他の実施態様を示す拡大
断面図、図4はインク流路内の流動を示す図、図5は実
験結果を表にして示す図、図6は画質の向上を概念的に
説明する図である。図1において符号10はプラテン、
12はこのプラテン10に巻掛けられた画像受容体とし
てのプリント用紙である。このプリント用紙12はプラ
テン10の図上時計方向の回転によって一定速度で矢印
方向に送られる。
【0026】14は下塗り部であり、インクの付着性を
向上させて画質の向上を図るために下塗り液をプリント
用紙12に塗布する。この下塗り部14はプリント用紙
12の質によっては省いてもよい。16はインク吐出ヘ
ッド(記録ヘッド)であり、第1のインク(画像非形成
インク、透明インクともいう)と第2のインク(画像形
成インク、有色インクともいう)とを混合してプリント
用紙12に導くことによりプリント用紙12に画像を形
成する。18はこのインク吐出ヘッド16で画像が形成
されたプリント用紙12を加熱し、インクを乾燥させる
ヒータである。
【0027】インク吐出ヘッド16は図2に示すよう
に、第1のインク流路20と、第2のインク流路22
と、これらの各流路20,22の流路断面積を変化させ
る流量制御手段としての流量制御弁24,26とを備え
る。第1のインクとしては画像非形成インク、すなわち
乾燥した時に無色透明となって画像を形成しないインク
であり、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの退色防止剤を
含む。第2のインクは例えば黒色の有色インクであり、
最終的に画像を形成するインクである。
【0028】これら第1および第2のインクはそれぞれ
インクタンク28,30に収容され、これらのインクタ
ンク28,30からインク供給手段としてのインク供給
ポンプ32,34によってそれぞれ第1および第2のイ
ンク流路20,22に一定圧力で送出される。ここで用
いるポンプ32,34として例えばインク吐出側に圧力
調整弁を備え、吐出圧を一定に保持する構造のものが適
する。
【0029】流量制御弁24,26は、例えばピエゾ素
子の歪みによってインク流路20,22内に進退動する
ダイヤフラム24A、26Aを有する。これらのピエゾ
素子は、制御部36(図1)によって、各インク通路2
0,22から供給される第1および第2のインクの合計
供給量S0を常に略一定とするように制御される。
【0030】この制御部36は、図2に示すように演算
部38とドライバ40,42を備える。演算部38は、
濃度信号(画像信号)に基づいて第1および第2のイン
クの混合割合(S1/S2)を演算する。ここに第1およ
び第2のインクの供給量S1,S2は、その合計(S1
2)が一定量S0となるように決める。ドライバ40,
42は各流路20,22の供給量がS1,S2となるよう
にピエゾ素子を駆動する。
【0031】例えばピエゾ素子は素子固有の機械的な共
振周波数を有するパルスによって駆動され、このパルス
数によってダイヤフラムの開閉回数が制御され、その結
果流量S1,S2が制御されるように構成することができ
る。この場合に、インク流路20,22の流路抵抗やイ
ンク供給圧力やダイヤフラム24A、26Aの開閉条件
等が揃っているものとすれば、ピエゾ素子の駆動パルス
数の合計が一定になるように制御することにより、合計
流量S0=S1+S2を一定に管理することができる。
【0032】なおこの実施態様では、流量制御弁24、
26はダイヤフラム24A、26Aの変位により容積が
変化するキャビティ部24B、26Bを持つ。そしてこ
れらキャビティ部24B、26Bにインク供給ポンプ3
2、34から流入する第1および第2のインクの流入抵
抗は、これらキャビティ部24B、26Bから混合室4
4へ流出する流出抵抗よりも大きくなるように、各部の
幾何学的形状等が設定されている。
【0033】インク流路44は直線状であり、その一端
はインク吐出口46となっている。なおインク流路44
はインク吐出口46の開口面に垂直な直線上に位置す
る。第1のインクはこのインク流路44の底付近、換言
すればインク吐出口46と反対側の端付近からインク流
路44内に流入する。また第2のインクがインク流路4
4に流出するインク吐出口26Cは、インク流路44の
内壁面よりもインク流路44内へ突出した突部の先端に
開口している。
【0034】ここにインク流路44の流路系のレイノズ
ル数は後記するように100以下となるように設定さ
れ、第1および第2のインクはこのインク流路44内で
層流となってインク吐出口46に向かい流動する。また
第1のインク(透明インク)の粘性は第2のインク(有
色インク)の粘性よりも小さく設定されている。第2の
インクが第1のインクに合流する位置、すなわち第2の
インクの吐出口26Cの位置は、ここからインク吐出口
46までの距離Lができるだけ小さくなるようにするの
がよい。この距離Lが小さければ、この距離Lの中で第
1のインクと第2のインクの層流が乱れたり、両インク
のインク吐出口における位相差が大きくなるのを防止す
ることができ、さらに両インクの拡散による混合を防ぐ
こともできるからである。
【0035】両インクが拡散により混ざるのを防ぐため
には、両インクの溶剤を互いに混ざりにくい性質のもの
にすればよい。また粘性により第2のインクの速度分布
が半径方向外側で遅くなる場合は、第2のインクと第1
のインクとのインク吐出口46における位相差が十分に
小さくなるようにすればよい。このようにすれば両イン
クの粘性による画質低下を抑制することができる。
【0036】このように第1,第2のインクの粘性や性
質を設定し、距離Lを十分に小さくすることにより、第
2のインクは、インク流路44の内壁に付着することな
く透明な第1のインクの流れの中に吐出された後、層流
状態を維持したまま第1のインクに包まれた状態でイン
ク吐出口46に導かれる。またインク吐出口46におけ
る両インクの位相差を十分に小さくすることができる。
インク吐出口46からはインク滴吐出手段としてのヒー
タ48によりインク滴50が吐出され、このインク滴5
0はプリント用紙12に飛翔してプリント用紙12に画
像を形成する。
【0037】このインク滴吐出手段となるヒータ48
は、インク流路44の内面に設けられている。すなわち
このヒータ48は、インク吐出口46の開口方向(イン
ク滴飛翔方向)に平行な平面上に位置する。このヒータ
48は、吐出ドライバ52によって発熱される。この発
熱によりこのヒータ48に接触するインクを加熱して核
沸騰させ、この時の体積膨張により発生する圧力により
インクをインク吐出口46から液滴として吐出させるも
のである。
【0038】すなわちこの実施態様は、インク滴吐出方
向がヒータ48による吐出力の付与方向(ヒータ48の
表面に垂直な方向)と直交するいわゆるside-shooterタ
イプとなっている。しかしこの発明は、インク滴吐出方
向がインク滴吐出手段の吐出力付与方向に対して平行と
なるいわゆるroof-shooterタイプ(あるいはtop-shoote
rタイプ)であってもよい。
【0039】図3に示すインク吐出ヘッド116は前記
図2に示したインクジェット方式のインク吐出ヘッド1
6に対して、連続塗布方式としたものである。すなわち
図2のインクジェット方式では、インクをインク滴50
としてインク吐出口46から飛翔させ、プリント用紙1
2に付着させるものであった。これに対して図3の連続
塗布方式では、インクをインク吐出口46から連続流と
して吐出させ、このインク吐出口46に対向して相対移
動するプリント用紙12に連続塗布するものである。
【0040】この場合には第2のインク(有色インク)
の吐出口26Cからインクがインク吐出口46を離れる
までの距離Lは、次のように決められる。すなわち第2
のインクの吐出口26Cからインク吐出口46までの距
離L1と、このインク吐出口46から吐出されたインク
がプリント用紙12に付着してインク吐出口46から離
れると考えられるまでの距離L2との和(L=L1
2)である。なおこの図3では、前記図2の同一部分
に同一符号を付したのでその説明は繰り返さない。
【0041】次にインク流路44内におけるインクの流
動の様子を図4に基づいて説明する。ここにインク流路
44の見かけの流路径(直径、単位m)をR、第2のイ
ンク(有色インク)の見かけのインク流径(直径、単位
m)をRi、これらの比R/Riを流径比hとする。ま
た第1のインク(透明インク)の流体粘度をμc(Pa・
S、パスカル秒)、第2のインク(有色インク)の流体
粘度をμi(Pa・S)とし、これらの比μc /μiを
粘度比nとする。すなわち流径比h=R/Ri,粘度比
n=μc/μi とする。
【0042】図4は第1のインクと第2のインクの同位
相部分をつないでその位置変化を示す。すなわち第2の
インクに伴って第1のインクが引きずられる様子を示し
ている。この図4でAは流径比hが大かつ粘度比nが小
の場合を、Bはhが大かつnが大の場合を、Cはhが小
かつnが小の場合をそれぞれ示す。
【0043】この粘度比nが小さければ第1のインク
(透明インク)がインク流路44の内壁に対して滑り易
くなり、この比nが一定の範囲で小さいほど両インクの
位相のずれが少なくなる(図4のA、C参照)。従って
画質が向上する。逆にnが大きくなると、第2のインク
が第1のインクの中で先行し易くなり、両インクの位相
のずれが大きくなる(図4のB)。このため画質が低下
する。一方この比nは、n>5または0.1>nの範囲
では、第1のインクと第2のインクの境界で流れに乱れ
が発生し易くなるので、0.1<n<5の範囲にするの
が好ましい。
【0044】また流径比hが大きいほど第2のインク
(有色インク)の第1のインクに対する相対的な付加量
が少なくなり図4に示す流線は先端が鋭くなる(図4の
A、B)。このように第2のインクは透明な第1のイン
クで囲まれるから、第2のインクはインク流路44の内
壁に接触することなく流動する。また前記のように距離
Lを十分に短くしたので、第2のインクと第1のインク
との位相差が十分に少ない状態でプリント用紙12に移
送することができる。この結果画質が向上する。
【0045】図6は理想的な画質状態を概念的に示すも
のである。前記のように第2のインクの見かけの流路径
Riが相対的に小さく(hが大)、第2のインクが第1
のインクよりも粘性が十分に大きく(n<1)、かつイ
ンクの合流後にインク吐出口46から離れるまでの距離
Lが十分に小さいものとした。この場合には、第2のイ
ンク(有色インク)と第1のインクとの位相差を十分に
小さくできる。このため前記図7にAおよびCで示した
にじみを消すことができる。この結果画像は図6に示す
ように画像エッジが鋭く(シャープに)なり、画質が良
好になる。
【0046】発明者は以上のような考察を発展させて、
レイノルズ数Reと画質との関係についてさらに検討し
た。その結果インク流路44を流れるインクの流路系に
おいては、レイノルズ数Reは2300以下にすれば層
流にすることができることが解った。ここにレイノルズ
数ReはRe=ρDV/μで定義される無次元数であ
る。ただし、ρは流体密度(kg/m3)、Dは流路代
表径(m)、Vは平均流速(m/sec)、μは流体粘度
[粘性係数、パスカル・秒(Pa・sec)]である。
【0047】代表値として実際のものに近い数値を用い
てレイノルズ数Reを求めてみると、2300以下とい
う条件を十分に余裕をもってクリヤしていた。例えばV
=4×10-1[m/sec]、D=30μm=3×10-5
[m]、ρ=1.1×103[m/m3]、μ=3×10
-3[Pa・sec]とすれば、レイノルズ数Reは、Re
=4.4となった。
【0048】また発明者は流径比hと粘度比nと前記距
離Lとを用いて画質判定(画像エッジの鋭さの判定)の
ために、新しい判定値Pを導入することを考えた。この
判定値Pは次のように定義した。 P={n+(h2−1)}/nL =(h2−1)/nL+1/L
【0049】この判定値Pにおいて、第1項の(h2
1)が両インクの流路面積の差に相当し、この差が大き
いほど、また粘度比nが小さいほど画像のにじみが小さ
くなると考えられる。従って(h2−1)/nを面積と
粘度による影響を示す項と考え、後記する第2項[1/
L]と次元を揃えるために[1/L]を付加した。その
結果第1項を(h2−1)/nLとしたものである。
【0050】判定値Pの第2項の1/Lは、インクの流
れに生じる乱れの少なさを示す指標となるものである。
従って判定値Pはこれら第1項と第2項の和とすること
により、画像エッジの鋭さを示す指標として使えること
が解った。発明者は、粘度μc、μi、流径R、Ri、
距離Lを変化させた種々の場合について、前記の判定値
Pを演算した。またこれらの場合について、前記のレイ
ノルズ数Re=4.4を求めた時のインク吐出ヘッドを
用いて実際の画像を求めた。その結果が図5に示す表で
ある。
【0051】この図5において、右端の欄に示した画質
は、画質が悪いものを×、良いものを○、中程度のもの
を△で示した。この結果から画質が中程度(△)以上に
なる場合の判定値Pの最小値を求めると、図5にaで示
すP=81(mm-1)である。また画質が良(○)になる
場合の判定値Pの最小値を求めると、bで示すP=19
5(mm-1)であった。これらのことから、P≧81(mm
-1)では中程度の画質が得られ、P≧195(mm-1)で
は高品質の画像が得られることが解った。
【0052】以上の実施態様は、第2のインク(画像形
成インク、有色インク)を1種としたが、共通のインク
流路44に異なる色の複数のインクを吐出してもよい。
例えばインク流路44内に突出した4つの突部から、そ
れぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)
およびブラック(K)の各有色インクを透明インク内に
吐出し、層流を維持したままインク吐出口46から吐出
させる。
【0053】図2で示したインクジェット方式のインク
吐出ヘッド16では、ヒータ48でインクを核沸騰させ
るサーマルインクジェット方式によりインク滴を飛翔さ
せるが、他の方式であってもよい。例えばピエゾ素子で
ダイヤフラムを振動させる方式、コンティニュアスイン
クジェット方式、静電吸引インクジェット方式、超音波
インクジェット方式なども可能である。
【0054】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、画像非形成イ
ンクの粘度を画像形成インクの粘度よりも小さくし、画
像形成インクをインク流路の内壁に接触させないように
画像非形成インクの中に合流させ、これらを層流として
インク吐出口に導くから、インク流路内の複数のインク
の流れに乱れが発生せず、画像のにじみが防止できる。
このため画質が向上する。
【0055】インク流路内のインクの流れを層流とする
ためには、この流路系のレイノルズ数Reを100以下
にするのがよく(請求項2)、またインク流路を直線形
状とするのがよい(請求項3)。
【0056】判定値Pが一定数81(mm-1)以上になる
ように粘度比n、流径比hおよび距離Lを設定すれば、
相当良好な画像が得られる(請求項4)。判定値Pを1
95(mm-1)以上にするように設定すれば画質は一層向
上する(請求項5)。
【0057】請求項6の発明によれば、請求項1の方法
の実施に直接使用する画像形成装置が得られる。各イン
クの供給系にはそれぞれのインクの供給量を制御する流
量制御手段を追加してもよい(請求項7)。画質形成イ
ンクを画像非形成インクの中に合流させるためには、こ
の画像形成インクの吐出口をインク流路の内壁に突設し
た突部の先端に開口させればよい(請求項8)。
【0058】距離Lはできるだけ小さくするのがインク
の乱れを少なくするのに望ましい。この距離Lは、画像
形成インクと画像非形成インクとのインク吐出口におけ
る位相差を十分に小さくするように、例えばこの位相差
が20μm以下となるように、インクの流速や流径など
を考慮して決めることができる(請求項9)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様の画像形成装置の概念図
【図2】ここに用いる画像記録装置の拡大断面図
【図3】画像記録装置の他の実施態様を示す拡大断面図
【図4】インク流路内のインクの流動を示す図
【図5】実験結果を表にして示す図
【図6】画質向上を概念的に説明する図
【図7】従来の画質を概念的に説明する図
【符号の説明】
10 画像受容体としてのプリント用紙 16、116 インク(液)吐出ヘッド(記録ヘッド) 20 第1のインク(画像非形成インク、透明インク)
の流路 22 第2のインク(画像形成インク、有色インク)の
流路 24、26 流量制御手段としての流量制御弁 32、34 インク供給手段としてのインク供給ポンプ 36 制御部 44 インク流路 46 インク吐出口 48 インク滴吐出手段としてのヒータ 50 インク滴

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最終的に画像を形成しない画像非形成イ
    ンクと最終的に画像を形成する画像形成インクとをこれ
    らの混合割合を画像信号に基づいて変化させつつインク
    吐出口から吐出させ、画像受容体に移送することによっ
    て画像を形成する画像形成方法において、 前記画像非形成インクの粘度を前記画像形成インクの粘
    度よりも小さくする一方、前記画像非形成インクを層流
    としてインク吐出口に導くインク流路の途中で、前記画
    像形成インクを前記インク流路の内壁に接触させないよ
    うに前記画像非形成インク内に合流させ、これらのイン
    クを層流としてインク吐出口へ導くことを特徴とする画
    像形成方法。
  2. 【請求項2】 画像形成インクの合流位置からインク吐
    出口までのインク流路系におけるレイノズル数を100
    以下とした請求項1の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 画像形成インクは、直線状のインク流路
    内を流れる画像非形成液の途中に付加される請求項1ま
    たは2の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 画像非形成インクと画像形成インクとの
    間に次の関係、 {n+(h2−1)}/nL>81(mm-1) ただしh=R/Ri、n=μc/μi R:見かけのインク流路径; Ri:見かけの画像形成インクの流径; μc:画像非形成インクの流体密度(Pa・sec); μi:画像形成インクの流体密度(Pa・sec); L:インク合流後インク吐出口からインクが離れるまで
    の距離; が成立するようにした請求項1〜3のいずれかの画像形
    成方法。
  5. 【請求項5】 画像非形成インクと画像形成インクと
    が、次の関係; {n+(h2−1)}/nL>195(mm-1) が成立するようにした請求項4の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 最終的に画像を形成しない画像非形成イ
    ンクと最終的に画像を形成する画像形成インクとをそれ
    らの混合割合を画像信号に基づいて変化させつつインク
    吐出口から吐出させ、画像受容体に移送して画像を形成
    する画像形成装置において、 前記画像非形成インクの粘度を画像形成インクの粘度よ
    り小さくする一方、前記複数のインクを合流させ層流と
    して前記インク吐出口に導くインク流路と、前記複数の
    インクの合流位置よりも上流側で前記インク流路に画像
    非形成インクを供給する画像非形成インクの供給手段
    と、前記インク流路の壁面から離れて画像非形成インク
    中に開口する画像形成インク吐出口と、この画像形成イ
    ンク吐出口へ画像形成インクを供給する画像形成インク
    の供給手段と、を備えることを特徴とする画像形成装
    置。
  7. 【請求項7】 画像形成インクおよび画像非形成インク
    の供給系には、それぞれ流量制御手段が設けられている
    請求項6の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 インク流路はインク吐出口の開口面に対
    して略垂直な直線状に形成され、画像形成インク吐出口
    は前記インク流路の内壁に設けた突部の先端に形成され
    ている請求項6または7の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 同一画像信号に対して画像形成インクと
    画像非形成インクとのインク吐出口における位相差が2
    0μm以下になるようにインクの流速および距離Lが設
    定されている請求項6〜8のいずれかの画像形成装置。
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WO2016157712A1 (ja) * 2015-03-31 2016-10-06 セイコーエプソン株式会社 機能性インク、成膜方法、液滴吐出装置、膜付デバイスおよび電子機器

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WO2016157712A1 (ja) * 2015-03-31 2016-10-06 セイコーエプソン株式会社 機能性インク、成膜方法、液滴吐出装置、膜付デバイスおよび電子機器
JP2016193983A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 セイコーエプソン株式会社 機能性インク、成膜方法、液滴吐出装置、膜付デバイスおよび電子機器

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