JP2001260239A - Frp成形体の製造方法 - Google Patents

Frp成形体の製造方法

Info

Publication number
JP2001260239A
JP2001260239A JP2000074670A JP2000074670A JP2001260239A JP 2001260239 A JP2001260239 A JP 2001260239A JP 2000074670 A JP2000074670 A JP 2000074670A JP 2000074670 A JP2000074670 A JP 2000074670A JP 2001260239 A JP2001260239 A JP 2001260239A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
frp
organic solvent
frp molded
frp molding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000074670A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirohide Wada
博英 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2000074670A priority Critical patent/JP2001260239A/ja
Publication of JP2001260239A publication Critical patent/JP2001260239A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業性が良く、余剰な樹脂および強化繊維基
材が不要で、容易に繊維体積含有率を上げることがで
き、より軽量でありながらとくに機械的物性に優れたF
RP成形体を成形することが可能な、FRP成形体の製
造方法を提供する。 【解決手段】 マトリックス樹脂に対して重量比で5%
〜20%の有機溶剤を混合してFRP成形体を得ること
を特徴とするFRP成形体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FRP成形体の製
造方法に関し、とくに、より軽量でより高い物性を有す
るFRP成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ハンドレイアップによるFR
P成形体の成形や、ハンドレイアップを行った後に真空
成形するFRP成形体の成形法が知られている。このよ
うな成形法では、低温では成形作業時にマトリックス樹
脂の粘度が高く、強化繊維基材への均一に含浸が困難で
あるため、通常、余剰の樹脂を調合し使用している。そ
のため、FRP成形体の重量が重くなり、また、FRP
成形体の繊維体積含有率(以下、単にVfと表わすこと
もある。)が上がらないため、FRP成形体の物性が低
くなる傾向があった。それに伴って、FRP成形体の剛
性を上げるために強化繊維基材層の積層枚数を増やさざ
るを得ず、FRP成形体の重量がさらに重くなるという
問題があった。
【0003】また、粘度の高い、余剰気味のマトリック
ス樹脂を強化繊維基材に含浸させなければならないた
め、成形時の作業性が悪いという問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、上記のような従来の成形法の問題点に着目し、FR
P成形体を成形するに際し、作業性が良く、余剰な樹脂
および強化繊維基材が不要で、容易に繊維体積含有率を
上げることができ、より軽量でありながらとくに機械的
物性に優れたFRP成形体を成形することが可能な、F
RP成形体の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係るFRP成形体の製造方法は、マトリッ
クス樹脂に対して重量比で5%〜20%の有機溶剤を混
合してFRP成形体を得ることを特徴とする方法からな
る。
【0006】本発明におけるFRP成形体の成形法自体
はとくに限定されないが、本発明に係る方法は、ハンド
レイアップを用いた方法、とくにハンドレイアップを行
った後に真空成形を行う成形法に好適である。つまり、
FRP成形方法の1種であるハンドレイアップ+真空成
形法であり、FRP成形体を得る際には、所定の強化繊
維基材をレイアップし、マトリックス樹脂を手で含浸さ
せた後に真空引きし、好ましくはさらに圧力をかける方
法である。
【0007】このような成形法において、従来の成形法
では、比較的高粘度(たとえば室温において500cp
s以上)の樹脂を用いる場合には、樹脂が流れるのに時
間がかかり、樹脂のゲル化が生じて均一に含浸できない
ため、余剰の樹脂を調合し使用せざるを得ず、FRP成
形体の重量は重くなる傾向があった。また、樹脂量が多
いため、Vfが上がらず、FRP成形体の物性が低くな
る傾向にあった。それに伴い、FRP成形体の剛性を上
げるために強化繊維基材の積層枚数を増やさざるを得
ず、FRP成形体の重量がさらに重くなるという問題を
招いていた。
【0008】これに対し本発明に係る方法では、マトリ
ックス樹脂に対して重量比で5〜20%の有機溶剤が混
合される。マトリックス樹脂に有機溶剤を混合すること
により、樹脂の粘度が低下し、樹脂の流れが良くなり、
均一に含浸できるようになる。余剰の樹脂を残さなくて
済み、安定して良好なFRP成形体が得られるようにな
る。また、余剰の樹脂をなくすか、ごく少量に抑えるこ
とができるので、FRP成形体がより軽量になる。ま
た、樹脂含浸性が良いので、強化繊維基材の積層枚数は
必要最小限で済み、かつ、樹脂量が少ないのでVfを向
上でき、FRP成形体のさらなる軽量化をはかるととも
に、FRP成形体の機械的物性の向上をはかることがで
きる。より好ましい有機溶剤量は、マトリックス樹脂に
対する重量比で5〜20%の範囲であり、さらに好まし
くは10〜15%の範囲である。
【0009】有機溶剤の混合比率が20%を越えると、
必要以上に硬化サイクルが延長したり、真空減圧下で樹
脂が発泡するため、ボイドが発生し、かえって物性を低
下させてしまう問題が発生する。また、5%未満である
と、樹脂の粘度が下がらず、前述の効果は期待できな
い。
【0010】マトリックス樹脂、有機溶剤の種類はとく
に限定しないが、使用するマトリックス樹脂の種類に応
じて、その粘度低下に最適な有機溶剤を選択することが
好ましい。たとえば、マトリックス樹脂としてフェノー
ル樹脂を用いる場合には、有機溶剤としてアセトンが好
ましく、アセトンを樹脂に対して重量比で5%〜20%
混合させるのが好ましい。他のマトリックス樹脂とし
て、エポキシ、ビニルエステル、不飽和ポリエステル等
を用いることができ、それらに対する有機溶剤として
は、メタノール、エタノール、トルエン、メチルエチル
ケトンを適宜組み合わせ、前述の範囲で混合することが
できる。
【0011】強化繊維の種類としてはとくに限定され
ず、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維、シリコンカ
ーバイド繊維、さらには他の無機系繊維等を使用するこ
とができる。
【0012】上述の如く有機溶剤をマトリックス樹脂中
に所定量混合することによって、樹脂の粘度を低下させ
ることができるので、樹脂が容易に強化繊維基材に含浸
できるようになり、結果的に繊維体積含有率(Vf)を
高くすることができる。Vfは、たとえば35〜45%
の範囲とされる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を実施例に基づい
て説明する。繊維強化基材としてCK6243C(東レ
(株)製炭素繊維クロス織物、平織り300g/m2
付)、マトリックス樹脂としてPR−53712(住友
ベークライト(株)製フェノール樹脂)、硬化剤はHP
−123(住友ベークライト(株)製)、および有機溶
剤としてアセトンを使用し、厚み2.5mm狙いで10
00mm×1000mmサイズのFRPパネルを得る方
法で比較を行った。実施例1〜4においては、有機溶剤
としてのアセトンの量を、本発明で規定した範囲内で変
更し、比較例として、アセトンを用いない場合(比較例
1)、アセトンが本発明範囲外のもの(比較例2)につ
いて比較試験を行った。
【0014】実施例1〜4表1に示すように、フェノー
ル樹脂に対して5%〜20%とアセトン5%ずつ変更し
て混合し、成形を行った。アセトンで希釈され、低粘度
化した樹脂は、含浸性が良好で、ゲル化時間も長く、取
扱いに問題はなかった。また、曲げ特性にも問題はなか
った。
【0015】(1)成形型および副資材の準備 成形型1を清浄する。 真空用シール材2(エアテック社製”GS−21
3”)を1400mm×1400mmの範囲に貼り付け
る。 成形型1のシール材2の貼り付け範囲の内側に離型剤
(ケムリース社製”RC−1”)を塗布する。 穴あきフィルム3(エアテック社製”A4000
P”)(図1(D)に図示)を1100mm×1100
mmサイズで、1枚カットする。 ブリーダ4(エアテック社製”エアーウェーブN1
0”)(図1(D)に図示)を1100mm×1100
mmサイズで、1枚カットする。 バッギングフィルム5(東レ合成フィルム(株)製”
トレファンNO”)(図1(D)に図示)を1500m
m×1500mmサイズで、1枚カットする。 真空ライン6および真空用吸引口7(図1(D)に図
示)を準備する。
【0016】(2)基材の準備 強化繊維基材8(東レ(株)製炭素繊維クロス織物、
CK6243C、平織り300g/m2 目付)(図1
(B)、(C)、(D)に図示)を、1000mm×1
000mmのサイズで、6枚カットする。
【0017】(3)樹脂および溶剤の準備 フェノール樹脂(住友ベークライト(株)製RP−5
3712)を、1700g準備する。 硬化剤(住友ベークライト(株)製HP−123)
を、10%(170g)準備する。 アセトンの必要量を準備する。
【0018】(4)成形 フェノール樹脂に、硬化剤および、アセトンを所定重
量比投入し、ミキサーで充分に混合する。 混合した樹脂9を約300g、成形型1上に投入し、
約1000mm×1000mmの範囲に、含浸ローラー
で塗布する(図1(A))。 樹脂を塗布した成形型1上に基材8を1枚積層する
(図1(B))。 積層した基材8上に、樹脂を約300g投入し、含浸
ローラーで、樹脂を含浸させる(図1(C))。 さらに基材8を1枚のせ、樹脂を約300g投入し、
含浸ローラーで、樹脂を含浸させる(図1(C))。 前述(5)の作業を繰り返す。 積層作業の終了後、積層体の上に、穴あきフィルム
3、ブリーダ4を順にのせ、バッギングフィルム5でバ
ッグする。 バッグ内を真空引きし、24時間室温放置し硬化させ
た後に、脱型を行った。
【0019】(5)試験・評価 得られたFRPパネルを、JIS−K−7074炭素
繊維強化プラスチックの曲げ試験方法に準拠し、n=1
0で3点曲げ試験を行い、結果の比較を行った。 FRPパネルの厚みおよび厚みムラは、上記3点曲げ
試験時に、試験片を測定したデータを示す。 樹脂のゲル化時間は、樹脂1kgを容器内に入れ、熱
電対で樹脂の温度変化を測定し、樹脂温度が急激に立ち
上がるまでに要した時間を、ゲル化時間とした。 樹脂のフロー量は、(フェノール樹脂の重量+硬化剤
の重量+基材の重量+アセトンの樹脂量−FRPパネル
の重量)とした。 FRPパネルのVfは、(繊維強化基材の理論上の厚
み÷FRPパネルの厚み)×100(%)とした。 結果を成形条件とともに表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】比較例1 フェノール樹脂のみで成形を行った。希釈されていない
樹脂は粘度が高いため、含浸性が悪く、ゲル化時間も短
く、作業しづらい。また、均一に含浸できず、厚みムラ
が大きく、曲げ特性も低めとなった。
【0022】比較例2 フェノール樹脂に対して30%のアセトンを混合し、成
形を行った。アセトンで希釈され、低粘度化した樹脂
は、含浸性が良好で、取扱いに問題はないが、真空減圧
下で樹脂が流れすぎ、また、真空減圧下で樹脂が発泡し
たため、ボイドが発生し、曲げ特性が低めとなった。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のFRP成
形体の製造方法によれば、マトリックス樹脂に特定量の
有機溶剤を混合して成形するようにしたので、マトリッ
クス樹脂を適切に低粘度化して良好な含浸性を達成で
き、余剰な樹脂および余剰な強化繊維基材が不要とな
り、軽量で高い物性を有するFRP成形体を製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法によるFRP成形体の成形工程を
示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 成形型 2 シール材 3 穴あきフィルム 4 ブリーダ 5 バッギングフィルム 6 真空ライン 7 真空吸引口 8 強化繊維基材 9 樹脂
フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA01 AA04 AA06 AA07 AA09 AB10 AB27 AD11 AD13 AE01 AG02 AG03 AG13 AG16 AG17 AH02 AH12 AH22 AH36 AK13 4F205 AA37 AD16 AM28 HA03 HA23 HA33 HA35 HB01 HE21 HF02 HK03 HM06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス樹脂に対して重量比で5%
    〜20%の有機溶剤を混合してFRP成形体を得ること
    を特徴とするFRP成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 成形方法がハンドレイアップを行った後
    に真空成形することを特徴とする、請求項1に記載のF
    RP成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 FRP成形体の繊維体積含有率が35〜
    45%の範囲にあることを特徴とする、請求項1または
    2に記載のFRP成形体の製造方法。
JP2000074670A 2000-03-16 2000-03-16 Frp成形体の製造方法 Pending JP2001260239A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000074670A JP2001260239A (ja) 2000-03-16 2000-03-16 Frp成形体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000074670A JP2001260239A (ja) 2000-03-16 2000-03-16 Frp成形体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001260239A true JP2001260239A (ja) 2001-09-25

Family

ID=18592676

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000074670A Pending JP2001260239A (ja) 2000-03-16 2000-03-16 Frp成形体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001260239A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004130598A (ja) * 2002-10-09 2004-04-30 Toray Ind Inc Rtm成形方法
JP2012158164A (ja) * 2011-02-01 2012-08-23 Univ Of Ryukyus さとうきびバガス繊維を用いた繊維強化複合体

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004130598A (ja) * 2002-10-09 2004-04-30 Toray Ind Inc Rtm成形方法
JP2012158164A (ja) * 2011-02-01 2012-08-23 Univ Of Ryukyus さとうきびバガス繊維を用いた繊維強化複合体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2278816C (en) Fiber material partially impregnated with a resin
EP1144190B1 (en) Manufacture of void-free laminates and use thereof
US9963586B2 (en) Prepreg, fiber reinforced composite material, and manufacturing method for fiber reinforced composite material
EP1507647B1 (en) Controlled atmospheric pressure resin infusion process
JP5090701B2 (ja) 部分含浸プリプレグとそれを用いた繊維強化複合材料の製造方法
JP2018537543A (ja) プリプレグ、積層体、繊維強化複合材料、及び繊維強化複合材料の製造方法
JP5074673B2 (ja) 繊維強化熱可塑性樹脂の成形方法
JP2004050574A (ja) プリプレグ及びそれを用いた繊維強化複合材料の製造方法
EP0963286A2 (en) Improvements in or relating to moulding methods and moulded articles
TW201800218A (zh) 纖維強化複合材料之製造方法
KR20170112396A (ko) 다공성의 입체 섬유강화복합재료 및 이의 제조방법
US20220340725A1 (en) Surface veil and surface film integrated prepreg layer and processes for making the same
JP4708797B2 (ja) 繊維強化された熱可塑性プラスチックの製造方法及び繊維強化された熱可塑性プラスチック
JP2001260239A (ja) Frp成形体の製造方法
JP7167976B2 (ja) エポキシ樹脂組成物、成形材料の製造方法、及び繊維強化複合材料の製造方法
JP2587785B2 (ja) プリプレグの製造方法
CN108099330A (zh) 一种碳纤维预浸带及其制备方法
Singh et al. Polymer Matrix Composite by Vacuum Assisted Resin Transfer Molding
JP2006111737A (ja) 繊維強化複合材料の製造方法および繊維強化複合材料
JP2011063764A (ja) シートモールディングコンパウンド用補強繊維及びこれを用いたシートモールディングコンパウンドの製造方法