JP2001260154A - 真空積層装置 - Google Patents

真空積層装置

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JP2001260154A
JP2001260154A JP2000074171A JP2000074171A JP2001260154A JP 2001260154 A JP2001260154 A JP 2001260154A JP 2000074171 A JP2000074171 A JP 2000074171A JP 2000074171 A JP2000074171 A JP 2000074171A JP 2001260154 A JP2001260154 A JP 2001260154A
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Katsuyuki Sakakibara
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来装置においては、膜体を有する盤体にお
ける膜体内部の真空度が所定時間で十分に上昇せず、真
空室も膜体内部と同一の真空ポンプが接続されている場
合には、真空室の真空度も上昇しないため、積層成形品
に気泡が発生する。また、膜体を有する盤体における膜
体内部の真空ポンプと真空室の真空ポンプを別個のもの
とした場合には、真空室の真空度は十分上昇するが、真
空室内の真空度より膜体内部の真空度が低いことにより
膜体が浮き上がり、積層工程以前に積層材が接着して、
積層成形品に気泡等の不良が発生するのである。 【解決手段】 断熱板の表面を樹脂コートして封止膜を
形成したのである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空雰囲気下にお
いて、加熱及び加圧処理により二種以上からなる積層材
を積層成形する真空積層装置に関する。
【0002】
【従来の技術】所定温度で加熱された真空室内部で、膜
体により加圧して積層材を成形する装置に関する技術
は、特開平8−132531及び特開平10−1752
29等に開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来装置において
は、膜体を有する盤体における膜体内部の真空度が所定
時間で十分に上昇せず、真空室も膜体内部と同一の真空
ポンプが接続されている場合には、真空室の真空度も上
昇しないため、積層成形品に気泡が発生する。また、膜
体を有する盤体における膜体内部の真空ポンプと真空室
の真空ポンプを別個のものとした場合には、真空室の真
空度は十分上昇するが、真空室内の真空度より膜体内部
の真空度が低いことに起因して膜体が浮き上がり、積層
工程以前に積層材が接着され、積層成形品に気泡等の不
良が発生することがある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の発明者
は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、真空度低
下の原因が断熱板にあることを突き止め、その解決手段
として断熱板の表面を樹脂コートしたのである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
き詳細に説明する。図1は本発明を実施する真空積層装
置を概略的に表す縦断面図である。
【0006】1は上板であり、凹部を有する略矩形の平
板である。上板1の凹部には上断熱板5、ヒータ7、上
定盤10が順次積み上げ配設されて盤体20を構成して
いる。上板1の略中央には上気孔3が穿孔され、上気孔
3は上板1の凹部底面に格子状に設けた溝に連通して、
上気孔3に接続した図示しない真空ポンプにより凹部内
と真空室19の脱気が全域で行われるようにしている。
2は下板であり、上板1と同一寸法の矩形状の平板であ
る。下板2の外周には額縁状の枠13が気密に固着さ
れ、枠13の上板1との対向面には真空室19を気密に
するためのOリング14が嵌挿してある。下板2と枠1
3により形成された凹部には、下断熱板6、ヒータ8、
中間部材9および膜体12が順次積み上げ配設され、膜
体12の上に必要に応じて載置する下定盤11とともに
盤体21を構成している。下板2の略中央には下気孔4
が穿孔され、下断熱板6とヒータ8にも下気孔4と同位
置に穿孔されている。下板2の凹部底面には下気孔4に
連通する格子状の溝が設けられ、下気孔4から膜体12
で覆った内部の脱気を図示しない真空ポンプで行うとと
もに通路を選択して加圧空気に接続する。また、中間部
材9は下気孔4と格子状溝に連通する多孔の通気構造と
し、下気孔4からの真空吸引と加圧空気の作用が膜体1
2の全域に均等に及ぶようにしている。
【0007】上・下断熱板5,6は、ガラス繊維やアラ
ミド繊維などの補強材とセメントやケイ酸カルシウムな
どの無機質結合複合材からなり、具体的には日光化成
(株)のベスサーモFが好適に用いられる。上・下断熱
板5,6のうち少なくとも下断熱板6の表面は、1液性
シリコンワニス(信越化学工業(株)、KC-88)等を塗
布することによって樹脂コートし、封止膜22を形成し
ている。この封止膜22により断熱板内部の空隙が外部
と遮断され、断熱板に空気が蓄積されなくなり、真空度
の低下を防止するのである。封止膜22は、樹脂系の素
材で例示したが、空気を遮断できるものであれば、他の
材質でもよいことは言うまでもない。
【0008】加熱装置としてのヒータ7,8は、薄板平
板状の電気抵抗加熱体であり、絶縁物はゴム材が好適に
用いられる。膜体12は、耐熱性、弾性、可撓性、伸縮
性に富んだ材質が求められ、シリコンゴム、特殊プラス
チック等が好適に用いられる。膜体12は、枠13とと
もに気密に下板2と組み上げられている。上定盤10
は、板圧1mm程度のステンレス鋼等からなり、ヒータ
7と略同一寸法を有し、表面にゴム膜を溶着することも
ある。下定盤11は、板圧1mm程度のステンレス鋼等
からなり、積層材18と略同一寸法を有する。上・下定
盤10,11は、積層材18の表面を平滑に仕上げるた
めに用いられ、積層材の表面が回路基板のように凹凸が
あり平滑ではなく、埋込みを目的とする場合は下定盤1
1を用いない。
【0009】次に、作動を説明する。まず下板2を図示
しない型締装置により下降させ、真空室19を開放す
る。図1において、右方から下搬送膜17とそれに載置
した積層材18を、右方の上方からローラ15を介して
上搬送膜16をそれぞれ真空室19内へ供給する。搬送
は、図1左方の積層材18をラミネートした上・下搬送
膜の端部を図示しないチャックで挟持して所定距離移動
することにより実行する。積層材18が下定盤11と全
面で重なる位置に到達・位置決めしたとき搬送を停止す
る。そして下板2を上昇させて、枠13を介して下板2
と上板1を図示しない型締装置により圧締させ、真空室
19を形成する。
【0010】下板2の上昇と前後して、下気孔4から真
空吸引して膜体12を中間部材9に密着させておく。こ
のとき、下断熱板6の表面に封止膜22があるので、下
断熱板6の内部に空気が蓄積されず、所定時間内に十分
真空吸引されて、膜体12内部の真空度低下を防止する
のである。下板2と上板1が圧締され、真空室19が形
成されると、上気孔3からも真空吸引する。この場合
も、下断熱板6および上断熱板5の表面に封止膜22が
あるので、真空室19の真空度は所定時間内に所定値ま
で上昇するのである。その後、下気孔4を真空源から大
気または必要に応じて加圧空気源に切換接続して膜体1
2を膨張させて積層材18を加熱・加圧する。積層材1
8の成形が終了した後、下板2を再び下降させて真空室
19を開放し、上・下搬送膜を積層材18とともに搬送
する。
【0011】上記作動より明らかなように、下断熱板6
は真空、大気、加圧雰囲気を繰り返すため、真空と大気
雰囲気を繰り返す上断熱板5よりも、封止膜22がない
ときに空気蓄積量が多くなり、真空度の低下に及ぼす影
響が大きいのである。このことは、樹脂コートを施して
いない従来の下断熱板6を採用した真空積層装置の下気
孔4の真空度が、膜体12の加圧空気圧力が大なる程、
低くなることからも理解出来る。したがって、下断熱板
6にのみ封止膜22を形成するようにしてもよい。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を成形条件と真空度により示
す。試験を行った真空積層装置は、真空室の寸法が51
0×600×5mmであり、断熱板は信越化学工業
(株)のKC-88で樹脂コートし封止した。成形条件は、
加熱温度100℃、真空吸引時間30秒、加圧時間30
秒であり、上気孔3と下気孔4を一の真空ポンプに接続
して吸引した場合のデータを下記に示す。 加圧力(Mpa) 従来の真空度(Torr) 本発明の真空度(Torr) 0.1 1.9 1.3 0.5 2.5 1.5 1.0 3.1 1.7 のような結果となり、極めて顕著な効果を得た。
【0013】
【発明の効果】断熱板を樹脂コートしたことにより、膜
体内部や真空室の真空度が向上して、積層成形品の気泡
などの成形不良が削減でき、積層成形作業の効率向上に
大きく貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する真空積層装置を概略的に示す
縦断面図である。
【符号の説明】
1 ……… 上板 2 ……… 下板 3 ……… 上気孔 4 ……… 下気孔 5 ……… 上断熱板 6 ……… 下断熱板 7,8 ……… ヒータ 9 ……… 中間部材 10 …… 上定盤 11 …… 下定盤 12 …… 膜体 13 …… 枠 14 …… Oリング 15 …… ローラ 16 …… 上搬送膜 17 …… 下搬送膜 18 …… 積層材 19 …… 真空室 20、21 …… 盤体 22 …… 封止膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱装置と断熱板を備えた一方の盤体
    と、枠、膜体、加熱装置及び断熱板を備えた他方の盤体
    を圧締して真空室を形成し、積層材を所定温度の真空下
    で膜体により加圧成形する真空積層装置において、 断熱板の表面に封止膜を形成したことを特徴とする真空
    積層装置。
  2. 【請求項2】 膜体を有する盤体における断熱板にのみ
    封止膜を形成したことを特徴とする請求項1に記載の真
    空積層装置。
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