JP2001259932A - 放電加工用ワイヤ電極のガイド機構および加工用ワイヤ電極による放電加工方法 - Google Patents

放電加工用ワイヤ電極のガイド機構および加工用ワイヤ電極による放電加工方法

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JP2001259932A JP2000078563A JP2000078563A JP2001259932A JP 2001259932 A JP2001259932 A JP 2001259932A JP 2000078563 A JP2000078563 A JP 2000078563A JP 2000078563 A JP2000078563 A JP 2000078563A JP 2001259932 A JP2001259932 A JP 2001259932A
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小軍 孫
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国俊 西村
Kazuhiko Hidaka
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Mitsutoyo Kiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワイヤ電極の直径のばらつきの影響を受けず
高精度の加工を行えるとともに、ワイヤ電極の走行安定
性の向上を図れ、かつ、ワイヤ電極に付着したゴミの除
去を行えるようになる加工用ワイヤ電極の走行用ガイド
機構および加工用ワイヤ電極による放電加工方法を提供
する。 【解決手段】 ワイヤ電極61の走行をガイドするガイ
ド部材20を備えた加工用ワイヤ電極の走行用ガイド機
構とし、このガイド部材20は、収容部15Bが形成さ
れた本体15と、Vガイド15A、17と、Uガイド1
6とを含み構成されている。ワイヤ電極は、本体の中心
側に近づく方向の動きが規制され、ワイヤ電極の直径に
わずかなばらつきがあっても、その影響は、本体15の
中心側とは反対方向に作用するので、被加工物の精度に
は及ばず、高精度の加工が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工用ワイヤ電極
のガイド機構およびその加工用ワイヤ電極による放電加
工方法に関し、特に、微細部品の加工や、その微細部品
加工用の放電電極を製作するための、マイクロ加工用放
電加工機に利用すると好適なものである。
【0002】
【背景技術】近年、電子部品や電子機器用部品(例え
ば、ICのリードフレームやインクジェットプリンタ用
ノズル)の小型化への要求が高まり、これらを生産する
ための金型等の製作においても、精度を保ちながら小型
化していく技術が検討されている。これらの金型に用い
られる材料は高硬度のものが多く、一般的に製作が困難
であるため放電加工法がよく用いられている。
【0003】図示しないが、一般的な放電加工機は、放
電現象を利用して被加工物を加工する特殊な工作機械で
あり、繰り返し放電を行う電源、電極と被加工物との隙
間を5〜10μに保つサーボ機構、加工液の循環機構、
被加工物と電極との位置決め機構等を備えて構成されて
いる。このような放電加工機において、直流電源に安定
抵抗を入れ、両極の間に並列に50〜200μF程度の
コンデンサを設け、両極を所定の距離に近づけると放電
が始まる。型材等の被加工物をケロシン等の加工液の中
に入れ、電極の形を加工しておいて、火花放電を繰り返
すと、電極が減るとともに、また被加工物も減り、これ
により、加工されるようになっている。なお、電極とし
ては、黄銅、グラファイト、銀ータングステン、銅ータ
ングステン等が使用されている。
【0004】このような一般的な放電加工機の他に、特
に微細形状や微細穴を形成する目的で、放電加工の一種
である「ワイヤ放電研削法」が用いられる。このワイヤ
放電研削法は、図15に示すように、所定の張力を印加
して張られ、かつ、ガイド部材60に沿ってゆっくり走
行する(例えば、矢印S方向に)金属ワイヤを放電加工
用の電極61とし、被加工物であるワークWを、ワイヤ
電極61側(矢印A方向)、かつ、下方(矢印B方向)
に送り込むことによって形状を生成する加工方法であ
る。このとき、ワークWを回転させながら(用途に応じ
て回転運動の代わりに割り出し操作等も行う)送り込む
ため、あたかもワイヤ部分を加工工具とみなした、旋盤
やろくろ加工に類似した加工が行われることになり、ワ
ークWの外径を細く加工することができる。
【0005】加工後のワークWは、このまま部品として
使用されたり、あるいはこの状態の加工用電極として利
用される。これは、ノズル等の微細穴の加工を行うにあ
たって、小径ドリルの入手が困難であることや、仮に入
手できたとしても、機械のチャックへの取り付け時の偏
心、傾き等により、加工精度に直接影響が出るため、取
り付け時の調整に高度の熟練を必要とすること等の理由
から、加工電極を放電加工機上で成形し、この電極をそ
のまま用いて加工を行う方がよいからである。
【0006】このようなワイヤ放電研削法において、ワ
イヤ電極61の走行用ガイド機構は、図示しないリール
に巻かれているワイヤ電極61をガイド部材60に支
持、かつ、ガイドさせて走行できるようになっている。
このガイド部材60は、一部が機械に固定された板状部
材で形成されており、ワイヤ電極61との当接部には、
ワイヤ電極61の形状に沿ったワイヤ走行溝60Aが形
成されている。また、このワイヤ走行溝60Aは、ワイ
ヤ電極61の走行方向に沿って、例えば、円弧状に形成
されている。そして、このようなガイド部材60に支持
されたワイヤ電極61に対して、前述のようにワークW
を送り込んで形状が生成されるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述したワイ
ヤ電極61の走行用ガイド機構では、次に述べるような
問題点がある。すなわち、使用するワイヤ電極61は、
特に微細形状加工に適した精度で製作されているもので
はないため、その直径に数μm程度のばらつきがある。
一方、ガイド部材60は固定であり、また、ワイヤ電極
61をガイドする部位と、被加工物Wを加工するワイヤ
電極61の加工部とが反対側、つまり、異なる側にある
ため、ワイヤ電極61の直径のばらつきの影響は、被加
工物Wの切り込み量を変化させる方向、つまり、被加工
物側(図15で矢印C)へと作用する。そのため、10
数μm程度以下の電極を加工する場合、この影響によ
り、完成後の被加工物Wの直径にばらつきが発生すると
いう問題がある。
【0008】また、ガイド部材60のワイヤ電極61を
ガイドするガイド面は、ワイヤ電極61の外形形状に沿
った形状の断面円弧状に形成されており、板状部材で形
成されていることもあって、接触部が少なく拘束力が弱
いので、ガイド位置が安定せず、ワイヤ電極61の走行
性が安定しないため、被加工物Wとワイヤ電極61の間
に放電ギャップの変動が生じ、高精度の加工を行うこと
ができないという問題がある。
【0009】さらに、ガイド部材60のワイヤ電極61
をガイドするガイド面は、ワイヤ電極61の外形形状に
沿った形状の断面円弧状に形成されているので、ワイヤ
電極61およびガイド面に付着したゴミ等は、ワイヤ電
極61とガイド面とに挟み込まれた状態でワイヤ電極6
1の走行に連れられてガイド面を移動する。そのため、
ガイド面に傷が付きやすく、あるいは、ガイド面から浮
いた状態でワイヤ電極61が走行するため、高精度の加
工を行うことができないという問題がある。
【0010】また、ワイヤ電極61をガイドしているガ
イド部材60のワイヤ走行溝60A部分が平面で円弧形
状をしているため、単純な回転体形状の被加工物Wを加
工するときには問題はないが、三角や四角等の多角形状
断面を持つ被加工物や、スリットを加工するための平面
を有する電極を創成しようというときには、被加工物6
3に対して加工時の回転運動の代わりに割り出しを行
い、被加工物を金属ワイヤに対しワイヤとの接線方向に
揺動させなければならず、制御等が複雑となり、加工が
困難であるという問題がある。
【0011】本発明の目的は、ワイヤ電極の直径のばら
つきの影響を受けず高精度の加工を行えるとともに、ワ
イヤ電極の走行安定性の向上を図れ、かつ、ワイヤ電極
に付着したゴミの除去を行えるようになる加工用ワイヤ
電極の走行用ガイド機構および加工用ワイヤ電極による
放電加工方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、所定の張力を印加して張った断面がほぼ円形の導電
性ワイヤを加工用ワイヤ電極として使用するとともに、
前記ワイヤ電極の走行をガイドするガイド部材を備え、
前記加工用ワイヤ電極を導電性の被加工物に対して走行
させ、この被加工物の形状を前記ワイヤ電極による放電
加工で創成する加工用ワイヤ電極のガイド機構であっ
て、ガイド部材は、被加工物を収容する収容部を有する
本体と、ワイヤ電極の断面円の半径より小さな半径の内
接円となった断面V字状の溝を有するVガイドと、ワイ
ヤ電極の断面円の半径より大きな半径の内接円となった
断面U字状の溝を有するUガイドとを備えて構成され、
Vガイドは、ワイヤ電極にあって被加工物との間で放電
加工を行うワイヤ加工部位の両側に配置されるととも
に、このVガイドにおけるV字状の溝のV頂点側にワイ
ヤ加工部位が配置され、Uガイドは、Vガイドよりもワ
イヤ加工部位から遠い位置のワイヤ電極供給側に、かつ
UガイドにおけるU字状の溝の最深部と前記ワイヤ加工
部位側とを接触させて配置され、被加工物は収容部に位
置決めされることを特徴とする放電加工用ワイヤ電極の
ガイド機構である。
【0013】このような本発明においては、ワイヤ電極
がガイド部材を構成する本体の収容部に位置決めされて
いるので、ワイヤ電極の加工部を含む部位は、本体の中
心側に近づく方向の動きが規制される。従って、ワイヤ
電極の直径にわずかなばらつきがあっても、その影響
は、ガイド部材の中心側とは反対方向に作用することに
なるので、ワイヤ電極による被加工物の加工を行って
も、その被加工物の精度には影響がなく、高精度の加工
が行われる。
【0014】また、本体の近傍に2つのV字型ガイドピ
ンが配置されており、本体のワイヤ走行溝とV字型ガイ
ドピンのガイド溝とがV字状に形成されているので、ワ
イヤ電極が走行中に引き続きZ方向に強い拘束を受け
る。従って、ワイヤ電極の走行安定性がきわめて高めら
れ、ワークとワイヤ電極の間の放電ギャップの変動が低
減されるので、高精度の加工を行うことができる。
【0015】さらに、U字型ガイドピンのガイド溝は、
断面U字状となっており、そのU字状溝の曲率半径が、
ワイヤ電極の径の半径より大きくなっているので、ワイ
ヤ電極に付着しているゴミ等は、ワイヤ電極とU字型ガ
イドピンのガイド溝との摺動により掻き取られ、ワイヤ
電極は、きれいな状態で本体にガイドされる。従って、
ワークとワイヤ電極の間の放電ギャップの変動の抑制を
向上させることができ、高精度の加工を行うことができ
る。
【0016】本発明において、ガイド部材は、本体と、
Vガイドと、Uガイドとを備えていればよく、これらが
別体であっても、一体的に設けられていてもよい。ま
た、収容部は、その内部に被加工物を収容できるもので
あれば、形状が半円状、あるいは角穴状等、どのような
形状でもよい。また、収容部は、本体に必ずしも1個設
けるものでなくてもよく、2個あるいは3個等、複数個
設けてもよい。
【0017】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の放電加工用ワイヤ電極のガイド機構において、二つの
Vガイドとその中間位置に配置される収容部とは本体に
設けられていることを特徴とするものである。
【0018】このような本発明においては、本体を作成
するときにVガイドと収容部とを同時に作成することが
できるので、製作が容易であるとともに、コンパクトに
なるので、少ない設置スペースですむ。
【0019】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の放電加工用ワイヤ電極のガイド機構において、本体の
収容部の外側には、この収容部の幅寸法より大きな外形
を有する被加工物の被加工部を収容可能な開き部が形成
されていることを特徴とするものである。
【0020】このような本発明においては、ワイヤ電極
の収容部側と収容部の反対側との両方でワークの加工が
できるので、加工のはばが広がる。特に、収容部の外側
で放電加工した後、そのワークを収容部内に収容し、そ
こで部分的に微細加工を行えるので、段差部を有する形
状をも高精度に加工することができる。
【0021】本発明において、外側に拡がる傾斜状、湾
曲状等、開き部の形状は限定されず、また、開き部の大
きさも、収容部の幅寸法に対して限定されないが、両者
に差のない場合は設ける意味がないので、例えば、2倍
以上のワークを収容できるような大きさが好ましい。
【0022】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の放電加工用ワイヤ電極のガイド機構に
おいて、本体には、当該本体に二つのVガイドおよび収
容部とともにUガイドが設けられていることを特徴とす
るものである。
【0023】このような本発明においては、本体を作成
するときにVガイド、収容部およびUガイドを同時に作
成することができるので、製作が容易であるとともに、
コンパクトになるので、少ない設置スペースですむ。
【0024】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の放電加工用ワイヤ電極のガイド機構において、本体に
は、同一面内に突出する複数の突出部が形成され、それ
ぞれの突出部に、ワイヤの供給側から順に、Uガイド、
Vガイド、収容部、およびVガイドの対が設けられてい
ることを特徴とするものである。
【0025】このような本発明においては、複数の突出
部をそれぞれ割り出して使用することができるので、1
個の部材で種類の異なる被加工物の加工を行うことがで
き、加工の幅が広がる。また、本体に、V字状のワイヤ
走行溝とU字状のワイヤ走行溝とが一体的に形成されて
いるので、製作が容易であり、かつ、コンパクトにまと
まり、設置に広いスペースを必要としない。
【0026】本発明において、突出部の数は、例えば、
2箇所、3箇所、4箇所等限定されない。
【0027】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の放電加工用ワイヤ電極のガイド機構において、突出部
の配置は円周上等配であることを特徴とするものであ
る。
【0028】このような本発明においては、製作に当た
って割り出しが容易なので、本体の製作が容易となる。
【0029】請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の
いずれかに記載の放電加工用ワイヤ電極のガイド機構に
おいて、ワイヤ電極と被加工物の被加工部とが近接する
ワイヤ加工部位を、ガイド部材の厚さ方向の中心より上
部に設けたことを特徴とするものである。
【0030】このような本発明においては、例えば、段
差のある被加工物の下部を細く加工する場合、細い部分
を、太い部分にできる限り近づけた位置まで加工するこ
とができる。
【0031】本発明において、上部位置としては、ワイ
ヤ走行溝を形成できる最大限上側位置が好ましい。
【0032】請求項8に記載の発明は、所定の張力を印
加して張った断面がほぼ円形の導電性ワイヤを加工用ワ
イヤ電極として使用するとともに、その加工用ワイヤ電
極を導電性の被加工物に対して走行させ、この被加工物
の形状を前記ワイヤ電極による放電加工で創成する加工
用ワイヤ電極による放電加工方法であって、ワイヤ電極
の走行をガイドする本体を含むガイド部材を備え、この
ガイド部材の本体には、その中心側に凹むとともにその
内部に被加工物を収容可能に収容部が形成され、この収
容部の幅寸法より大きな外径の被加工物を加工する際
は、ワイヤ電極の収容部とは反対側で行い、収容部の幅
寸法より小さな外径の被加工物を加工する際は、ワイヤ
電極の収容部側で行うことを特徴とする加工用ワイヤ電
極による放電加工方法である。
【0033】このような本発明においては、ワイヤ電極
の収容部側と収容部の反対側との両方で被加工物の加工
ができるので、加工のはばが広がる。特に、収容部の外
側で放電加工した後、その被加工物を収容部内に収容
し、そこで部分的に微細加工を行えるので、段差部を有
する形状をも高精度に加工することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】図1に示すように、本発明が適用
される放電加工機1は、基台2に立設されY軸移動機構
4を介してY方向(水平方向)に移動可能なコラム6を
備えている。このコラム6の上部には、水平方向に突出
する頭部6Aが設けられ、この頭部6Aには、X軸移動
機構3およびZ軸移動機構5を介して、それぞれX方向
(Y方向と直交する水平方向)およびY方向(上下方
向)に移動可能なスピンドル7が設けられている。この
ようなスピンドル7には、被加工物であるワークWが取
り付けられており、このワークWは、スピンドル7の軸
回りに回転可能となっている。
【0035】基台2には、内部に加工液が充填された加
工台8が設けられ、この加工台8には、本発明に係る第
1実施形態の本体15を含むガイド部材20等で構成さ
れる放電加工用ワイヤ電極のガイド機構が設けられてい
る。一方、加工用ワイヤ電極61は、ガイド部材20に
案内され、ワイヤ電極61の長手方向(図1中紙面直交
方向および、図2,3中、矢印S方向)に連続的に送り
出される。ただし、図1中では、ワイヤ電極61の送り
出しを行う送り出し機構は省略されている。
【0036】基台2の近傍には、数値制御装置9および
放電制御装置10が配置されている。数値制御装置9
は、X軸移動機構3、Y軸移動機構4、Z軸移動機構5
をコントロールし、予めわかっているワークWの加工前
の形状や、ワイヤ電極61の径、ワイヤ電極61の位置
を基に、ワークWの被加工部をワイヤ電極61の表面と
の間で所定の位置となるように位置決めするとともに、
ワークWを3次元空間内で任意に移動できるようになっ
ている。
【0037】放電制御装置10は、ワイヤ電極61とワ
ークWの間に所定の放電加工電圧を印可させるととも
に、ワークWとワイヤ電極61との間に放電させて、ワ
ークWの一部を除去する。それにより、両者の収容部は
多少大きくなるので、数値制御装置9を動作させ、再び
両者の収容部が所定の値となるようにする。この一連の
繰り返しにより、ワークWを所望の形状とする。
【0038】第1実施形態の加工用ワイヤ電極の走行用
ガイド機構は、図2,3に示すように、ガイド部材20
を構成する本体15を備えている。なお、本第1実施形
態および他の実施形態において、前記従来の走行用ガイ
ド機構と同一構造、同一部材等には、同一符号を付すと
ともに、その詳細な説明は省略または簡略化する。
【0039】本体15は、ほぼ円盤状に形成されてお
り、中心部に形成された固定穴15Dに、図示しない取
付け具等を差し込む等して前記加工台8に取付けられる
ようになっている。本体15の円周上には、当該本体1
5の中心に向かって延びる収容部である加工溝15Bが
形成され、この加工溝15Bの両側、つまり、加工溝1
5Bを除く円周上には、Vガイドであるワイヤ走行溝1
5Aが形成されている。ここで、加工溝15Bの幅寸法
WDは、比較的小さな外形寸法を有するワークWを収容
できる大きさとなっている。また、ワイヤ走行溝15A
は、本体15の厚さ方向の中心より上部に形成されてい
る。
【0040】本体15のワイヤ走行溝15Aは、図4に
示すように、断面V字状とされており、そのワイヤ走行
溝15Aの底部のA,Bを結ぶ曲率半径r1は、ワイヤ
電極61の径の半径Rより小さくなっている。そのた
め、ワイヤ走行溝15Aの底部とワイヤ電極61の内側
との非接触部Sが、ワイヤ走行溝15Aの底部に溜まっ
たゴミをワイヤ電極61で除去できないゴミ除去不可能
範囲となっている。また、ワイヤ電極61は、V字状の
ワイヤ走行溝15Aと2箇所で接触するので、Z方向
(本体15の厚さ方向)に強い拘束を受けることにな
り、これにより、安定した走行を維持することができる
ようになっている。
【0041】本体15は、焼き入れされた工具鋼あるい
は超硬合金を用いて製作されており、しかもワイヤ電極
61が走行するワイヤ走行溝15Aは、例えば、ダイヤ
モンドペーストを用いて、ワイヤ電極61の直径に合わ
せて高精度に加工されている。また、ワイヤ走行溝15
Aの表面を鏡面加工してもよい。
【0042】このような本体15の近傍には、図2,3
に示すように、本体15における加工溝15Bの両側、
かつ、ワイヤ電極61の走行方向Sに沿った位置に配置
されるVガイドを構成する2つのV字型ガイドピン17
と、これらのV字型ガイドピン17よりも、ワイヤ電極
供給側(図2中、右側)に配置されるUガイドを構成す
る1つのU字型ガイドピン16とが設けられている。
【0043】これらのV字型ガイドピン17およびU字
型ガイドピン16は、それぞれ棒状部材で形成され、そ
の外周には、ワイヤ電極61をガイドするガイド溝17
A、ガイド溝16Aがそれぞれ形成されている。すなわ
ち、V字型ガイドピン17のガイド溝17Aは、断面V
字状の溝に形成され、U字型ガイドピン16のガイド溝
16Aは、断面U字状の溝に形成されている。そして、
V字型ガイドピン17のガイド溝17Aの形状は、図4
に示す前記ワイヤ走行溝15Aの形状とまったく同じ形
状となっている。
【0044】これに対して、U字型ガイドピン16のガ
イド溝16Aは、図5に示すような形状となっている。
すなわち、ガイド溝16AのU字の起点A,Bを結ぶ曲
率半径r2は、ワイヤ電極61の径の半径Rより大きく
なっている。従って、ワイヤ電極61の内側に付着した
加工屑等のゴミは、ワイヤ電極61の走行により生じ
る、ワイヤ電極61とU字型ガイドピン16との摩擦に
より掻き取られるようになっている。ここにおいて、前
記本体15、2つのV字型ガイドピン17、および1つ
のU字型ガイドピン16を含んで前記ガイド部材20が
構成されている。
【0045】このような本体15等の配置において、図
2,3に示すように、一定のテンションで張られたワイ
ヤ電極61は、U字型ガイドピン16のガイド溝16
A、V字型ガイドピン17のガイド溝17A、および本
体15のワイヤ走行溝15Aに接して走行する。図2,
3中、右方向から左方向に走行するワイヤ電極61は、
最初にU字型ガイドピン16に案内されるが、ここでワ
イヤ電極61の内側のゴミは、ワイヤ電極61とU字型
ガイドピン16のガイド溝16Aとの摩擦により掻き取
られる。
【0046】次に、ワイヤ電極61は、V字型ガイドピ
ン17のガイド溝17Aと接触するので、ワイヤ電極6
1はZ方向(本体15の厚さ方向)に強い拘束を受ける
とともに、その後に続く本体15のV字型のワイヤ走行
溝15A、およびもう一つのV字型ガイドピン17で
も、Z方向に強い拘束を受けるので、ワイヤ電極61の
走行安定性がきわめて高められる。
【0047】なお、図2中、最も右側に配置されるU字
型ガイドピン16と、次のV字型ガイドピン17とを入
れ替えてもその効果は変わらないが、本体15における
ワイヤ電極61の変動を少しでも小さくする観点から
は、なるべくV字型ガイドピン17を本体15の近くに
配置することが好ましく、また、ワイヤ電極61の表面
のゴミや埃を少しでも除く観点からは、U字型ガイドピ
ン16を本体15の近くに配置することが好ましい。
【0048】このようなワイヤ電極61と本体15に対
して、ワークWの被加工部は加工溝15B内に配置され
るようになっており、図2に示すように、ワークWの被
加工部を極細いピン状に形成する加工に際しては、ワー
クWを回転させ、かつ、その被加工部をワイヤ電極61
の加工溝15B側の加工部Kに接近させながら、矢印Y
方向および矢印Z方向(図4参照)に送り込むことによ
り、所定の加工が行われる。
【0049】このように、本体15のワイヤ走行溝15
Aと、ワイヤ電極61の加工部Kと、ワークWの被加工
部とは同一側面に位置していることになる。また、ワー
クWを接近させる方向(矢印Y方向)と、ワイヤ電極6
1の直径のばらつきの作用する方向(矢印C方向)と
は、同一方向となっている。
【0050】このような放電加工機1によるワークWの
加工を説明する。オペレータがワークWの大きさと最終
的な加工寸法を入力すると、数値制御装置9では、放電
加工条件(放電電流や放電時間等)を加味して、途中の
ワークWの動きを算出し、管理する。ここで、ワークW
を本体15の加工溝15Bに収容し、ワークWの被加工
部を極細いピン状に形成する加工に際しては、ワークW
を回転させ、かつ、その被加工部を矢印Y方向および矢
印Z方向に送り込み、ワイヤ電極61の加工部Kに接近
させながら放電加工を行う。
【0051】このような第1実施形態によれば、次のよ
うな効果を得ることができる。 (1)ワイヤ電極61は、2箇所のワイヤ走行溝15A
でガイド部材15に接触し、かつ、ワイヤ走行溝15A
と接している部位の中間部位を加工部Kとして用いるた
め、仮にワイヤ電極61の直径に数μm程度のばらつき
があったとしても、ワイヤ電極61は、ワイヤ走行溝1
5Aにより加工溝15B内側への動きを規制されるた
め、ばらつきの作用する方向は、接触部と反対方向とな
る。従って、通常のワイヤ電極61を用いても、その直
径のばらつきによる影響をほとんど受けることがなく、
高精度に加工できる。
【0052】(2)本体15の近傍に2つのV字型ガイ
ドピン17が配置されており、本体15のワイヤ走行溝
15AとV字型ガイドピン17のガイド溝17AとがV
字状に形成されているので、ワイヤ電極61が走行中に
Z方向に強い拘束を受ける。従って、ワイヤ電極61の
走行安定性がきわめて高められ、ワークWとワイヤ電極
61の間の放電ギャップの変動が低減されるので、高精
度の加工を行うことができる。
【0053】(3)本体15の近傍、かつ、ワイヤ電極
供給側には、U字型ガイドピン16が設けられ、このU
字型ガイドピン16のガイド溝16Aは、断面U字状と
なっており、そのU字状溝の曲率半径r2が、ワイヤ電
極61の径の半径Rより大きくなっているので、ワイヤ
電極61に付着しているゴミ等は、ワイヤ電極61とU
字型ガイドピン16のガイド溝16Aとの摩擦により掻
き取られ、ワイヤ電極61は、きれいな状態で本体15
にガイドされる。従って、ワークWとワイヤ電極61の
間の放電ギャップの変動の抑制を向上させることがで
き、高精度の加工を行うことができる。
【0054】(4)ワイヤ走行溝15Aが、本体15の
厚さ方向上部に形成されているので、例えば、段差のあ
る被加工物の下部を細く加工する場合、細い部分を、太
い部分にできる限り近づけた位置まで加工することがで
きる。
【0055】(5)ワイヤ電極61のガイド部材15と
の接触部と、ワークWの被加工部とが同一側面にあるの
で、つまり、ワイヤ電極61が空中で直線に張られてい
る部分の内側を加工部Kとしているため、多角形断面形
状の被加工物や電極などの加工、あるいはスリットなど
の加工に使用する電極の作成時において、容易に良好な
平面形状の加工ができる。
【0056】(6)本体15は、焼き入れされた工具鋼
あるいは超硬合金を用いて製作され、しかもワイヤ電極
61が走行するワイヤ走行溝15Aは、例えば、ダイヤ
モンドペーストを用いて、ワイヤ電極61の直径に合わ
せて高精度に加工されており、場合によっては、ワイヤ
走行溝4の表面が鏡面加工されているので、放電に使用
するワイヤ電極61自体に、巻き癖あるいは打痕等が存
在していても、張力を掛けられてワイヤ61が本体15
のワイヤ走行溝15Aを走行する際に、バニッシング効
果によりこれらの影響が低減される。その結果、高精度
で安定した加工を行うことができる。
【0057】次に、図6〜9を参照して本発明の第2実
施形態を説明する。この実施形態では、前記第1実施形
態で、ワイヤ電極61によるワークWの加工を、ガイド
部材20を構成する本体15の加工溝15B内で行って
いたものを、本体25の加工溝25B内および加工溝2
5Bの外で、つまり、ワイヤ電極61の加工溝25B側
および加工溝25Bの反対側の両方で行うようにしたも
のである。
【0058】本実施形態の本体25は、前記第1実施形
態の本体15と同じ材質で円盤状の形状に形成されてお
り、その円周上には、当該本体25の中心に向かって延
びる収容部である加工溝25Bが形成され、また、加工
溝25Bを除く円周上、かつ、本体25の厚さ方向の中
心より上部側にはワイヤ走行溝25Aが形成されてい
る。この加工溝25Aの幅寸法WDは、比較的小さな外
形寸法のワークWを収容できる大きさとなっている。こ
の加工溝25Aの外側には、当該加工溝25Aに続くと
ともに外側に向かって拡がる開き部25Cが形成され、
この開き部25Cには、加工溝25Aの幅寸法WDより
大きい径(例えば、2倍以上)のワークWを収容するこ
とができるようになっている。
【0059】ここで、加工溝23Aの幅WDとワイヤ電
極ガイド面側(放電側)の振れ状況との関係を測定した
結果を、図10に示す。この図10からわかるように、
溝幅WDが狭いほどワイヤ電極表面の振れが小さく、高
精度の加工が可能となる。しかし、ワークWはこの加工
溝25Aの中に設置する必要があるため、ワークWの径
の大きさの制限を伴う欠点が生ずる。逆に、加工溝幅2
5Aを大きくすれば、大きな径のワークWの加工が可能
にはなるが、同時に加工精度は劣化していく欠点が生ず
る。
【0060】例えば、ワークWの最終的な出来上がり寸
法が径1mm以下の場合、通常、原材料の寸法は1mm
以上であるが、この場合、本体25の加工溝25Aの幅
が1mmでは加工できない。このように、同一ガイド部
材では被加工物の加工寸法と加工精度を任意に選択出来
ない欠点がある。そこで、加工溝25Aに開き部25C
を形成し、加工溝25A内と開き部25Cとの両方で加
工することができるようにしたものである。
【0061】このような本実施形態においては、図6,
7に示すように、ワークWの径が本体25の加工溝25
Aの幅寸法より小さい場合、前記X軸移動機構3、Y軸
移動機構4およびZ軸移動機構5により、ワークWを本
体25の加工溝25Aの中に挿入し、ワイヤ電極61の
ガイド面側へ接近、放電させ、径に応じた微細さに対応
する高い精度の微細加工を行う。
【0062】これに対して、加工溝25Aの幅寸法WD
より大きい径を有するワークWの加工の際は、図8,9
に示すように、そのワークWを、加工溝25Aの開き部
25C内に収容させ、かつ、ワイヤ電極61のガイド面
とは反対側の加工部Kに近接、放電させて、ワークWを
所定の形状に、放電加工する。
【0063】あるいは、図11に示すように、まず、本
体25の加工溝25Aの外側で、ワークWの径が加工溝
25Aの幅寸法WD以下となるように放電加工した後
(二点鎖線部)、その加工されたワークWを3軸移動機
構3,4,5により、本体25の加工溝25A内に挿入
し、径に応じた微細さに対応する高い精度の最終の微細
加工を行う(実線部)。
【0064】このような本実施形態においては、前記
(1)〜(6)と同様の効果の他、次のような効果を得
ることができる。 (7)ワイヤ電極61の加工溝25A側と加工溝25A
の反対側との両方でワークWの加工ができるので、加工
のはばが広がる。特に、加工溝25Aの外側で放電加工
した後、そのワークWを加工溝25A内に収容し、そこ
で部分的に微細加工を行えるので、段差部を有する形状
をも高精度に加工することができるという効果がある。
【0065】次に、図12,13を参照して本発明の第
3実施形態を説明する。本実施形態では、前記第1、第
2実施形態が、V字型ガイドピン17とU字型ガイドピ
ン16とを備えたガイド部材20としたものを、Vガイ
ド37A、39A、41Aと、Uガイド36A、38
A、40Aとを本体35に一体的に設けたガイド部材3
0としたものものである。
【0066】すなわち、本体35は、前記本体15,2
5と同じ材質で所定の幅寸法かつ厚さ寸法に形成される
とともに、円周上等配位置に、3方に突出した加工部3
5A、35B、35Cが形成されている。各加工部35
A、35B、35Cの先端は、幅方向中央部の直線部
と、その直線部の両側の傾斜部とに形成されている。
【0067】加工部35Aの直線部の一部には、その外
周から本体35の中心に向けて延びる収容部である加工
溝42が形成され、直線部の残りの部分、つまり、加工
溝42の両側にはVガイドであるV字状のワイヤ走行溝
37Aが形成されている。また、ワイヤ走行溝37Aの
ワイヤ電極供給側の傾斜部には、UガイドであるU字状
のワイヤ走行溝36Aが形成されている。
【0068】加工部35Bの直線部の一部には、加工部
35Aと同様に加工溝43が形成され、この加工溝43
の両側にはV字状のワイヤ走行溝39Aが形成されてい
る。また、ワイヤ走行溝39Aのワイヤ電極供給側の傾
斜部には、U字状のワイヤ走行溝38Aが形成されてい
る。加工部35Cの直線部の一部には、加工溝44が形
成され、この加工溝44の両側にはV字状のワイヤ走行
溝41Aが形成されている。また、ワイヤ走行溝41A
のワイヤ電極供給側の傾斜部には、U字状のワイヤ走行
溝40Aが形成されている。
【0069】V字状の各ワイヤ走行溝37A、39A、
41Aは、前記ワイヤ走行溝15Aと同様に、図4に示
すような形状になっており、U字状の各ワイヤ走行溝3
6A、38A、40Aは、前記U字型ガイドピン16と
同様に、図5に示すような形状になっている。また、各
ワイヤ走行溝37A、39A、41Aおよびワイヤ走行
溝36A、38A、40Aは、図13に示すように、本
体35の厚さ方向中心より上側に形成されている。
【0070】各加工溝42〜44の幅寸法はそれぞれ異
なる大きさに形成されており、本体35を割り出して加
工部35A等の位置を変えることにより、外形寸法の異
なるワークWの加工を行えるようになっている。
【0071】このような第3実施形態によれば、前記
(1)、(4)〜(6)と同様の効果の他、次のような
効果を得ることができる。
【0072】(8)本体35に、V字状のワイヤ走行溝
37A等とU字状のワイヤ走行溝36A等とが一体的に
形成されているので、製作が容易であり、かつ、V字型
ガイドピン17およびU字型ガイドピン16を配置した
前記第1、第2実施形態に比べて、コンパクトにまとま
り、広いスペースを必要としない。
【0073】(9)本体35の加工溝42等の両側にV
字状のワイヤ走行溝37A等が形成されているので、ワ
イヤ電極61がZ方向に強い拘束を受ける。従って、ワ
イヤ電極61の走行安定性がきわめて高められ、ワーク
Wとワイヤ電極61の間の放電ギャップの変動が低減さ
れるので、高精度の加工を行うことができる。
【0074】(10)本体35のワイヤ走行溝37A等
のワイヤ電極供給側には、U字状のワイヤ走行溝36A
等が形成されており、そのU字状溝の曲率半径r2が、
ワイヤ電極61の径の半径Rより大きくなっているの
で、ワイヤ電極61に付着しているゴミ等は、ワイヤ電
極61とワイヤ走行溝36A等との摩擦により掻き取ら
れ、ワイヤ電極61は、きれいな状態で本体35にガイ
ドされる。従って、ワークWとワイヤ電極61の間の放
電ギャップの変動の抑制を向上させることができ、高精
度の加工を行うことができる。
【0075】(11)本体35の加工溝42〜44の幅
寸法はそれぞれ異なる大きさに形成されており、本体3
5を割り出して加工部35A等の位置を変えることによ
り、外形寸法の異なるワークWの加工を行えるので、加
工の範囲が拡がり、利用価値の高いガイド部材となる。
【0076】なお、本発明は前記各実施形態に限定され
るものではなく、本発明の目的を達成できるものであれ
ば、次に示すような変形形態も適用されるものである。
例えば、前記第1、第2実施形態での本体15等の配置
を、図14に示すような配置としてもよい。すなわち、
本体15、V字型ガイドピン17およびU字型ガイドピ
ン16の配置は、前記実施形態とほぼ同様であるが、本
実施形態では、ワイヤ電極61が、各ガイドピン16、
17間をジグザグに走行するよう掛け回している。これ
により、前記第1、第2実施形態と比べて、本体15に
おいてワイヤ電極61との接触部分が長くなるので、拘
束条件が強くなり、より走行の安定性が増すという効果
がある。なお、この場合、最初のU字型ガイドピン16
と2番目のV字型ガイドピン17の配置を入れ替えるこ
とはできない。その理由は、U字型ガイドピン16のゴ
ミの除去は、ワイヤ電極61の外側(ワイヤ走行溝15
Aと反対側)となり、肝心のところのゴミが取り除かれ
ないからである。
【0077】また、前記第1、第2実施形態では、本体
15等の近傍に、2つのV字型ガイドピン17および1
つのU字型ガイドピン16を配置したが、U字型ガイド
ピン16等の配置位置および配置数はこれに限らない。
第1、第2実施形態より多くしてもよいし、少なくして
もよい。しかし、本体15等よりワイヤ電極61の送り
出し側にあるガイドピンのうち、少なくとも1つをU字
型ガイドピン16とし、ワイヤ電極61に対して本体1
5等と同じ側に設置して、ワイヤ走行溝15AのV字状
の底部に付着するゴミ等を、U字状のガイド溝66で除
去できることが必要条件である。
【0078】さらに、前記各実施形態では、本体15等
のワイヤ走行溝15Aは、本体15等の厚さ方向の中心
より上部に形成したが、これに限らず、厚さ方向のほぼ
中心、あるいは下側に形成してもよい。
【0079】また、前記第3実施形態で、ガイド部材3
0の本体35を、3等配された加工部35A等を有する
ものとしたが、これに限らず、2箇所に加工部を設けて
もよく、あるいは4箇所に設けるようにしてもよい。
【0080】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の加工用
ワイヤ電極の走行用ガイド機構によれば、ワイヤ電極が
ガイド部材を構成する本体の収容部に位置決めされてい
るので、ワイヤ電極の加工部を含む部位は、本体の中心
側に近づく方向の動きが規制される。従って、ワイヤ電
極の直径にわずかなばらつきがあっても、その影響は、
ガイド部材の中心側とは反対方向に作用することになる
ので、ワイヤ電極による被加工物の加工を行っても、そ
の被加工物の精度には影響がなく、高精度の加工が行わ
れる。
【0081】また、本体の近傍に2つのV字型ガイドピ
ンが配置されており、本体のワイヤ走行溝とV字型ガイ
ドピンのガイド溝とがV字状に形成されているので、ワ
イヤ電極が走行中に引き続きZ方向に強い拘束を受け
る。従って、ワイヤ電極の走行安定性がきわめて高めら
れ、ワークとワイヤ電極の間の放電ギャップの変動が低
減されるので、高精度の加工を行うことができる。
【0082】さらに、U字型ガイドピンのガイド溝は、
断面U字状となっており、そのU字状溝の曲率半径が、
ワイヤ電極の径の半径より大きくなっているので、ワイ
ヤ電極に付着しているゴミ等は、ワイヤ電極とU字型ガ
イドピンのガイド溝との摩擦により掻き取られ、ワイヤ
電極は、きれいな状態で本体にガイドされる。従って、
ワークとワイヤ電極の間の放電ギャップの変動の抑制を
向上させることができ、高精度の加工を行うことができ
る。
【0083】また、加工用ワイヤ電極による放電加工方
法によれば、ワイヤ電極の収容部側と収容部の反対側と
の両方で被加工物の加工ができるので、加工のはばが広
がる。特に、収容部の外側で放電加工した後、その被加
工物を収容部内に収容し、そこで部分的に微細加工を行
えるので、段差部を有する形状をも高精度に加工するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の放電加工機を示す全体
概略図である。
【図2】本発明に係る第1実施形態の加工用ワイヤ電極
のガイド機構を示す全体斜視図である。
【図3】前記実施形態の加工用ワイヤ電極のガイド機構
を示す平面図である。
【図4】前記実施形態のガイド部材のV字状溝の形状を
示す縦断面図である。
【図5】前記実施形態のガイド部材のU字状溝の形状を
示す縦断面図である。
【図6】本発明に係る第2実施形態の加工用ワイヤ電極
のガイド機構を示す全体斜視図である。
【図7】前記実施形態の加工用ワイヤ電極のガイド機構
を示す平面図である。
【図8】前記実施形態の加工用ワイヤ電極の外側で加工
する際の状態を示す全体斜視図である。
【図9】前記実施形態の加工用ワイヤ電極の外側で加工
する際の状態を示す平面図である。
【図10】前記実施形態における加工溝の幅の寸法とワ
イヤ電極の内側の振れとの関係を示す図である。
【図11】前記実施形態の加工用ワイヤ電極による加工
法の一例を示す縦断面図である。
【図12】本発明に係る第3実施形態の加工用ワイヤ電
極のガイド機構を示す全体平面図である。
【図13】図12におけるA矢視図である。
【図14】本発明に係る第1実施形態の変形形態の加工
用ワイヤ電極のガイド機構を示す全体斜視図である。
【図15】本発明に係る従来の加工用ワイヤ電極のガイ
ド機構を示す全体斜視図である。
【符号の説明】
1 放電加工機 15,25,35 ガイド部材を構成する本体 15A,25A Vガイドを構成するワイヤ走行溝 15B,25B 収容部である加工溝 16 Uガイドを構成するU字型ガイドピン 16A ガイド溝 17 Vガイドを構成するV字型ガイドピン 17A ガイド溝 25C 開き部 36A,38A,40A Uガイドを構成するワイヤ走
行溝 37A,39A,41A Vガイドを構成するワイヤ走
行溝 W 被加工物であるワーク K 加工部
フロントページの続き (72)発明者 日高 和彦 茨城県つくば市上横場430−1 株式会社 ミツトヨ内 Fターム(参考) 3C059 AA01 AB05 DE07 FA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の張力を印加して張った断面がほぼ
    円形の導電性ワイヤを加工用ワイヤ電極として使用する
    とともに、前記ワイヤ電極の走行をガイドするガイド部
    材を備え、前記加工用ワイヤ電極を導電性の被加工物に
    対して走行させ、この被加工物の形状を前記ワイヤ電極
    による放電加工で創成する加工用ワイヤ電極のガイド機
    構であって、 前記ガイド部材は、前記被加工物を収容する収容部を有
    する本体と、前記ワイヤ電極の断面円の半径より小さな
    半径の内接円となった断面V字状の溝を有するVガイド
    と、前記ワイヤ電極の断面円の半径より大きな半径の内
    接円となった断面U字状の溝を有するUガイドとを備え
    て構成され、 前記Vガイドは、前記ワイヤ電極にあって前記被加工物
    との間で放電加工を行うワイヤ加工部位の両側に配置さ
    れるとともに、このVガイドにおけるV字状の溝のV頂
    点側に前記ワイヤ加工部位が配置され、 前記Uガイドは、前記Vガイドよりも前記ワイヤ加工部
    位から遠い位置のワイヤ電極供給側に、かつ前記Uガイ
    ドにおけるU字状の溝の最深部と前記ワイヤ加工部位側
    とを接触させて配置され、 前記被加工物は前記収容部に位置決めされることを特徴
    とする放電加工用ワイヤ電極のガイド機構。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の放電加工用ワイヤ電極
    のガイド機構において、 前記二つのVガイドとその中間位置に配置される前記収
    容部とは前記本体に設けられていることを特徴とする放
    電加工用ワイヤ電極のガイド機構。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の放電加工用ワイヤ電極
    のガイド機構において、 前記本体の収容部の外側には、この収容部の幅寸法より
    大きな外形を有する前記被加工物の被加工部を収容可能
    な開き部が形成されていることを特徴とする放電加工用
    ワイヤ電極のガイド機構。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の放電加
    工用ワイヤ電極のガイド機構において、 前記本体には、前記本体に前記二つのVガイドおよび前
    記収容部とともに前記Uガイドが設けられていることを
    特徴とする放電加工用ワイヤ電極のガイド機構。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の放電加工用ワイヤ電極
    のガイド機構において、 前記本体には、同一面内に突出する複数の突出部が形成
    され、それぞれの突出部に、前記ワイヤ電極供給側から
    順に、前記Uガイド、前記Vガイド、前記収容部、およ
    び前記Vガイドの対が設けられていることを特徴とする
    放電加工用ワイヤ電極のガイド機構。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の放電加工用ワイヤ電極
    のガイド機構において、 前記突出部の配置は円周上等配であることを特徴とする
    放電加工用ワイヤ電極のガイド機構。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の放電加
    工用ワイヤ電極のガイド機構において、 前記ワイヤ電極と前記被加工物の被加工部とが近接する
    前記ワイヤ加工部位を、前記ガイド部材の厚さ方向の中
    心より上部に設けたことを特徴とする放電加工用ワイヤ
    電極のガイド機構。
  8. 【請求項8】 所定の張力を印加して張った断面がほぼ
    円形の導電性ワイヤを加工用ワイヤ電極として使用する
    とともに、その加工用ワイヤ電極を導電性の被加工物に
    対して走行させ、この被加工物の形状を前記ワイヤ電極
    による放電加工で創成する加工用ワイヤ電極による放電
    加工方法であって、 前記ワイヤ電極の走行をガイドする本体を含むガイド部
    材を備え、 このガイド部材の前記本体には、その中心側に凹むとと
    もにその内部に前記被加工物を収容可能に収容部が形成
    され、 この収容部の幅寸法より小さな外径の前記被加工物を加
    工する際は、前記ワイヤ電極の前記収容部側で行い、 前記収容部の幅寸法より大きな外径の前記被加工物を加
    工する際は、前記ワイヤ電極の前記収容部とは反対側で
    行うことを特徴とする加工用ワイヤ電極による放電加工
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100453231C (zh) * 2006-01-16 2009-01-21 贵州科邦科技实业有限责任公司 快走丝电火花线切割机床的可调丝架及制作方法
JP2010217474A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Ricoh Co Ltd インターロック装置及び画像形成装置

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