JP2001256835A - 被覆電線 - Google Patents

被覆電線

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JP2001256835A
JP2001256835A JP2000063645A JP2000063645A JP2001256835A JP 2001256835 A JP2001256835 A JP 2001256835A JP 2000063645 A JP2000063645 A JP 2000063645A JP 2000063645 A JP2000063645 A JP 2000063645A JP 2001256835 A JP2001256835 A JP 2001256835A
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JP
Japan
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electric wire
conductor
holding force
coupling agent
resin composition
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JP2000063645A
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Yoshiaki Yamano
能章 山野
Shinichi Matsumoto
慎一 松本
Akihiko Sugita
陽彦 杉田
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Sumitomo Wiring Systems Ltd
Original Assignee
Sumitomo Wiring Systems Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とす
る樹脂組成物を被覆材料として用いた場合でも、難燃性
などの電線特性を損なうことなく、コネクタとの接続に
おいて十分な直交保持力を達成できる被覆電線を提供す
る。 【解決手段】 導体の表面にアミノシランカップリング
剤を塗布し、その上に、エチレン−酢酸ビニル共重合体
を主成分として含んでなるハロゲンフリー樹脂組成物か
らなる被覆層を形成した被覆電線。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被覆電線に関し、
さらに詳しくはハロゲンフリー樹脂組成物からなる被覆
層を有する、直交保持力の改良された被覆電線に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用電線の被覆材料として、これま
で主としてポリ塩化ビニルが使用されてきた。それは、
ポリ塩化ビニルが機械的強度、電線押出加工性、柔軟
性、着色性、経済性の点で優れていたからである。しか
し、近年地球環境保全に対する意識が高まり、我が国で
は家電リサイクル法が施行され、また、環境負荷物質の
制定が行なわれている。このような状況のもと、自動車
用電線の被覆を含め、自動車用部品の製造に、ポリ塩化
ビニルに代えてハロゲンフリーのオレフィン系樹脂材料
が使用されるようになりつつあり、難燃剤として水酸化
マグネシウム、水酸化アルミニウムなどのノンハロゲン
無機系難燃剤を配合して、使用の可否が検討されてい
る。
【0003】ところが、オレフィン系樹脂材料はポリ塩
化ビニルに比べて難燃性が劣るので、UL・CSA規格
値を満足させるために電線被覆用のオレフィン系樹脂に
多量の無機系難燃剤を添加した上で、厳しい難燃規格
(VW−1)を満たし、かつ十分な引張強度および伸び
を有する必要がある。そこで、各電線メーカーは、ポリ
オレフィン系樹脂の中でも、難燃剤との相溶性がよく、
ポリマー自体の難燃性が比較的よいエチレン−酢酸ビニ
ル(EVA)樹脂をベースにして、電線被覆用樹脂組成
物を開発しており、UL・CSA規格値を満足する被覆
材料も出現している。
【0004】ところが、EVA樹脂は、ポリ塩化ビニル
に比べて非常に柔らかい。従って、EVA樹脂をベース
とする樹脂組成物で被覆した電線では、コネクタと接続
した場合、電線保持力と言われる接続強度は、ポリ塩化
ビニル被覆電線に比べて極端に低くなる。
【0005】そこで、コネクタと被覆電線との間の接続
強度を改良する手段が、特公昭57‐35546号公報
や実開昭63‐77266号公報に開示されているが、
これらは、コネクタの構造を改良して電線保持力を向上
するものであり、樹脂そのものが柔らかく、接続強度が
弱いハロゲンフリー樹脂組成物で被覆した電線では、十
分な効果は期待できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電線とコネ
クタとの接続性を評価する指標として、電線保持力が使
用されるが、電線保持力には、コネクタの軸に平行な方
向に電線を引っ張る「真直保持力」と、コネクタの軸方
向に対して直角方向に引っ張る「直交保持力」とがあ
る。この内、真直保持力を測定する場合、コネクタのU
スロットが電線の導体を強固に保持しているため、ハロ
ゲンフリー樹脂で被覆した電線でも、真直保持力はそれ
ほど低下しないことが分かっている。しかし、直交保持
力を測定する場合には、電線の被覆材料部分がコネクタ
のストレインリリーフ部分から離脱することで保持力が
決定されるので、柔らかいハロゲンフリー樹脂材料で
は、十分な直交保持力を達成することができない。
【0007】そこで、電線被覆樹脂自体の強度を向上さ
せるために、樹脂への配合物を選択することが考えられ
る。一般的に、EVA樹脂にブレンドできる硬質材料と
して、高密度ポリエチレンなどの高結晶性ポリマーが知
られているが、高結晶性ポリマーをブレンドすると、難
燃性が極端に低下してしまい、被覆の強度は向上できる
が、総体的な電線特性は満足できないものになってしま
う。本発明の目的は、EVA樹脂を主成分とする樹脂組
成物を被覆材料として用いた場合でも、難燃性などの電
線特性を損なうことなく、コネクタとの接続において十
分な直交保持力を達成できる被覆電線を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、導体、該導体表面に塗布されたアミノシ
ランカップリング剤塗膜、および該アミノシランカップ
リング剤塗膜上に被覆された、エチレン−酢酸ビニル共
重合体を主成分として含んでなるハロゲンフリー樹脂組
成物からなる被覆層を有する被覆電線を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の被覆電線に用いる導体
は、特に制限されず、従来の被覆電線に用いられている
ものが使用できる。とりわけ、本発明は、難燃性が要求
され、コネクタとの接続における保持力が重要である自
動車用電線に適用される。
【0010】本発明では、導体の表面にアミノシランカ
ップリング剤を塗布し、導体と被覆用EVA樹脂組成物
との密着強度を向上させる。アミノシランカップリング
剤としては、従来既知のものがいずれも使用でき、例え
ばN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピル
トリメトキシシランなどが好ましい。
【0011】アミノシランカップリング剤は、常套の方
法により電線導体に塗布することができる。例えば、フ
ェルトなどの吸液性のある材料にアミノシランカップリ
ング剤を吸収させ、それに導体を接触させることによ
り、または刷毛塗り、噴霧などにより塗布することがで
きる。あるいは、導体をアミノシランカップリング剤に
浸漬させてもよい。アミノシランカップリング剤の塗布
量は、特に限定されず、導体表面を覆うことができる量
でよい。
【0012】本発明で使用する被覆用樹脂組成物は、E
VA樹脂を主成分とし、これに既知の成分を配合した組
成物である。配合成分としては、まずハロゲンフリーの
無機難燃剤、例えば金属水酸化物、好ましくは水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウムなどが使用される。他
の配合成分としては、例えば酸化防止剤、銅害防止剤、
滑剤などを挙げることができる。これら配合成分の量
は、通常のEVA樹脂を主成分とする被覆用樹脂組成物
における量であってよい。
【0013】本発明の被覆電線は、予め電線導体にアミ
ノシランカップリング剤を塗布しておく以外は、従来の
被覆電線の製造方法により製造することができる。被覆
樹脂層の厚さは、従来の被覆電線の場合と同じである。
【0014】本発明によれば、導体を予めアミノシラン
カップリング剤により塗布し、その上にEVA樹脂を主
成分とする被覆用樹脂組成物を被覆しているので、難燃
性などの電線特性を損なうことなく、コネクタとの接続
において十分な保持力、特に直交保持力を達成できる。
【0015】
【実施例】実施例1 電線導体(AWG26;7/0.16mm導体撚外径
0.48mm)を、アミノシランカップリング剤として
N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメト
キシシラン(信越化学株式会社製KBM−603)を含
浸させたフェルトにより挟み込み、電線周囲にアミノシ
ランカップリング剤を塗布し、熱風乾燥炉(280℃)
にとおして乾燥した。次いで、電線被覆押出機を用い、
EVA(酢酸ビニル含有量46重量%)100重量部、
水酸化マグネシウム180重量部およびフェノール系酸
化防止剤1重量部からなる樹脂組成物を、樹脂組成物温
度200℃および導体予熱温度100℃で、電線周囲に
被覆し、照射線量8Mradで電子線架橋し、外径1.0
mmの被覆電線を製造した。この場合、押出機のポイン
ト−ダイス間距離は約1mmであった。得られた被覆電
線を、民生機器用2mmピッチ圧接コネクタ(日本エー
エム・ピー製CTコネクタ)に取り付け、室温において
引張速度50mm/分で直交保持力を測定した。直交保
持力は16Nであった(サンプル数10の平均)。
【0016】比較例1〜3 アミノシランカップリング剤に代えて、ビニルメトキシ
シラン(信越化学株式会社製KBM−1003)(比較
例1)γ−メタクリロキシプロピルメトキシシラン(信
越化学株式会社製KBM−503)(比較例2)、また
はγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越
化学株式会社製KBM−403)(比較例3)を用いた
以外は、実施例1と同様にして被覆電線を製造し、直交
保持力を測定した。結果は以下のとおりであった。 比較例1:11N 比較例2:10N 比較例3:11N
【0017】比較例4 シランカップリング剤を導体に塗布せずに導体に直接樹
脂組成物を被覆した以外は実施例1と同様にして被覆電
線を製造し、直交保持力を測定した。直交保持力は10
Nであった。
【0018】比較例5 シランカップリング剤を導体に塗布せず、樹脂組成物を
被覆する際の導体温度を100℃にした以外は実施例1
と同様にして被覆電線を製造し、直交保持力を測定し
た。直交保持力は11Nであった。
【0019】比較例6 シランカップリング剤を導体に塗布せず、電線被覆押出
機のポイント−ダイス間距離を3mmとした以外は実施
例1と同様にして被覆電線を製造し、直交保持力を測定
した。直交保持力は10Nであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉田 陽彦 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 Fターム(参考) 5G309 LA06 LA11 LA12 RA07 5G315 CA03 CA04 CB01 CB02 CC05 CC08 CD04 CD13 CD16

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体、該導体表面に塗布されたアミノシ
    ランカップリング剤塗膜、および該アミノシランカップ
    リング剤塗膜上に被覆された、エチレン−酢酸ビニル共
    重合体を主成分として含んでなるハロゲンフリー樹脂組
    成物からなる被覆層を有する被覆電線。
JP2000063645A 2000-03-08 2000-03-08 被覆電線 Pending JP2001256835A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009009824A (ja) * 2007-06-28 2009-01-15 Hitachi Cable Ltd 絶縁電線及びその製造方法
JP2012248310A (ja) * 2011-05-25 2012-12-13 Hitachi Cable Ltd 耐湿性を有する、撚り線導体を用いた対撚線及び対撚線ケーブル

Cited By (3)

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JP2009009824A (ja) * 2007-06-28 2009-01-15 Hitachi Cable Ltd 絶縁電線及びその製造方法
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