JP2001255986A - 電子装置における文字入力装置、その方法 - Google Patents

電子装置における文字入力装置、その方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 携帯電話に適用でき、習得が容易で、片手で
操作可能であり、入力時の操作量が少ない、文字入力装
置を提供する。 【解決手段】 携帯電話の数字の入力キーに設けられた
接触センサからの接触信号により、利用者の指の動きを
調べ(ステップ302)、その接触信号の組み合わせの
状態に対して演算を行うことで特微量を取得し(ステッ
プ303)、その取得した特微量とROMの辞書データ
との類似度を計算し(ステップ304)、最もスコアー
の高い文字を認識結果として、入力された文字とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話、固定電
話、電卓、電子辞書、携帯端末などの電子装置におい
て、習得しやすく操作量の少ない文字入力装置、方法、
及び、その記録媒体を関する。
【0002】
【従来の技術】まず、本明細書では、「あ」「い」
「う」などの1文字を入力することを「文字入力」と定
義し、「東京」「会議」「雨」「鈴木」などの文字を入
力することを「単語入力」と定義する。
【0003】近年、インターネット上で提供されている
サービスに携帯電話からアクセスできるような環境が整
えられ、メールの読み書きや、天気、株価、時刻表のデ
ータなどを、いつでも何処からでも実現できるようにな
った。上記サービスを実現するために、携帯電話は従来
の音声通信機能の他に、情報処理能力を有するようにな
った。Webページのアクセス、住所録、スケジュール管
理などのアプリケーションは、ROMに格納されているプ
ログラムをRAMにロードし、プログラムとして実行する
ことで実現される。
【0004】Webページへのアクセスを行うために、プ
ログラムは、HTTPと呼ばれるプロトコルに従ったバケッ
トを作成し、データ通信手段を通じて、インターネット
上のサーバにデータ送信要求を送信する。そして、サー
バから送られたデータを受信部で受信し、パケットとし
て再構成し、html文章と呼ばれるデータとしてRAMに一
旦格納する。プログラムは、TAGと呼ばれる識別子を手
がかりに、内容の解析を行い、表示用のデータ作成後、
内容を表示部に提示する。
【0005】目的のWebページを取得するためには、通
常ポータルと呼ばれる起点のWebページから順番に関連
するWebページへのアクセスを繰り返す。利用者は、キ
ーや、ダイアル、ジョイスティックなどの選択手段で、
関連情報へのポインターを意味するアンカーを選択す
る。一度アクセスしたWebページは、ULRをブックマーク
として登録することにより、次回のアクセスの手間を省
くことが可能となる。
【0006】初めてのページへのアクセスは、URLを知
っている場合には、URLを入力し、知らない場合にはサ
ーチエンジンと呼ばれるシステムに、キーワードを与え
て、該当するWebページを検索する。
【0007】また、住所録に登録されている人の電話番
号を検索するには、その人の氏名や住所などをキーワー
ドとして入力することにより検索できる。
【0008】携帯電話での、検索用のキーワードや氏名
の入力は、通常のコンピュータのキーボードと比較し
て、携帯電話の筺体の大きさではキーの数が大幅に削減
されているため、困難な作業となってしまった。そのた
め、携帯電話での文字入力手段として、ペン入力により
オンライン手書き文字認識と組み合わせる方法も提案さ
れているが、両手を必要とするため、鞄等の荷物を持っ
ているときに使用できない。
【0009】それゆえ、携帯電話上に適した片手で文字
入力を可能とする方法が提案されており、それらは大き
く3つに分類できる。
【0010】(第1の従来方法)第1の方法は、1つの
キーに複数のキーの意味を持たせ、そのキーを押した回
数で、文字の入力を行う方法(特願平7−274247
号)、あるいは、1回目のキー入力でそのキーに割り当
てられている候補を提示し、2回目のキー入力で文字を
選択する方法(特願平7−322358号)等である。
【0011】通常、上記方法で平仮名入力を行い、その
後、かな漢字変換により単語入力を実現する。
【0012】最近では、最初のキーを押した時点で、単
語の入力予測を行い、候補を表示部に提示し、利用者が
選択することで単語の入力を行う方法も存在する。この
方法は、1文字入力するために複数回、キーを押す動作
を必要とし、また、どのキーを押せばよいのか考える必
要があり、容易に習得することを困難とする。
【0013】(第2の従来方法)第2の方法は、筺体横
にダイアルを設け、そのダイアルを回すことで、表示部
の入力用の文字や単語などを切り替え、ダイアルを押し
込んだり、決定キーを押すことで選択する方法(特願平
9−212281号、特願平9−233528号)であ
る。
【0014】この方法は、習得は容易であるが、文字入
力時のダイアルを回す量が多く、負荷が大きい。
【0015】(第3の従来方法)第3の方法は、音声認
識を用いる方法である。そのまま使用すると、雑音の大
きいところでは誤認識が生じるため、キー入力による候
補の絞り込みを行うことで、誤認識を軽減する方法(特
願平11−17813号)が提案されている。
【0016】しかし、1つのキーに複数の意味を持たせ
ているため、例えば、2のキーを押した場合は、「か」
「が」行の単語で開始される単語のみ認識エンジンへ登
録することで、候補を絞り込みできるが、絞り込みの範
囲が大きいので誤認識の可能性がある。
【0017】(その他の従来方法)また、キーに押下を
検知する以外のスイッチやセンサを付与して、指示機能
を実現する特許も提案されている(特願平11−194
872号)。
【0018】さらに、近年、電話をかけた相手の電話番
号がわかるサービスが行われ、電話内の記録手段に名前
と電話番号を登録しておくと、電話をかけた相手が既知
の場合には、音声合成で読み上げる装置も開発された。
据え置き用の電話において、相手の電話番号と名前の入
力方法は、上記で述べた携帯電話と同様に、キーを押す
必要があり、容易な文字入力方法を課題としている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来方法では、片手で使用できない、入力時の操作量が
多い、使用方法を理解することが困難等、いずれかの問
題を有する。
【0020】そこで本発明は、携帯電話、固定電話、電
卓、電子辞書、携帯端末などの電子装置に適用でき、習
得が容易で、片手で操作可能であり、入力時の操作量が
少ない、文字入力装置、方法、記録媒体を提供すること
を目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、複数
の入力キーが配置され、表示手段を有する携帯電話、固
定電話、電卓、電子辞書、携帯端末などの電子装置にお
ける文字入力装置であって、前記入力キーに対する利用
者の指の接触を感知し、その接触した入力キーに対応し
て接触信号を出力する接触検知手段と、前記接触検知手
段から出力された接触信号の組み合わせに基づいて特微
量の計算を行う特徴量計算手段と、文字、記号、コマン
ド等の入力対象体の特徴量を記憶する特徴量記憶手段
と、前記特徴量計算手段で計算した特徴量と、前記特徴
量記憶手段に記憶された特徴量との類似度を計算し、そ
の類似度の高い入力対象体を前記利用者の入力した入力
対象体と認識する文字認識手段とを有することを特徴と
する文字入力装置である。
【0022】請求項2の発明は、前記利用者が入力する
と予測される単語を記憶した単語記憶手段と、前記文字
認識手段が認識した1つ以上の入力対象体を用いて、前
記単語記憶手段を検索し、前記利用者が入力しようとし
た単語の候補の絞り込みを行う候補絞り込み手段と、前
記候補絞り込み手段によって検索した一、または、複数
の単語の候補を前記表示手段に表示し、この表示された
単語の候補の中から前記利用者から確定指示を受けた単
語を、前記利用者が入力したい単語とする確定手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の文字入力装置
である。
【0023】請求項3の発明は、アプリケーションやサ
ービス毎に単語記憶手段を有し、前記利用者が使用して
いるアプリケーションやサービスを判定し、それに対応
する単語記憶手段を選択する辞書選択手段を有すること
を特徴とする請求項2記載の文字入力装置である。
【0024】請求項4の発明は、前記文字認識手段で認
識された入力対象体に基づいて音声認識を行う音声認識
手段を有することを特徴とする請求項1記載の文字入力
装置である。
【0025】請求項5の発明は、複数の文字記憶手段を
有し、これら文字記憶手段と前記入力キーのうち特定の
入力キーとが対応付けされており、前記文字認識手段
は、前記接触検知手段からの接触信号を検知した後、前
記特定の入力キーの押下、または、接触を検知すると、
その押下された特定の入力キーに対応する文字記憶手段
を選択して入力対象体の認識を行うことを特徴とする請
求項1記載の文字入力装置である。
【0026】請求項6の発明は、文字入力を必要とする
状況かどうか判定を行い、文字入力を必要とする場合に
は電源供給を行い、文字入力を必要としなくなった場合
には電源供給を停止する節電手段を有することを特徴と
する請求項1記載の文字入力装置である。
【0027】請求項7の発明は、複数の入力キーが配置
され、表示手段を有する携帯電話、固定電話、電卓、電
子辞書、携帯端末などの電子装置における文字入力方法
であって、前記入力キーに対する利用者の指の接触を感
知し、その接触した入力キーに対応して接触信号を出力
する接触検知ステップと、前記接触検知ステップにおい
て出力された接触信号の組み合わせに基づいて特微量の
計算を行う特徴量計算ステップと、前記特徴量計算ステ
ップで計算した特徴量と、文字、記号、コマンド等の入
力対象体の特徴量を記憶する特徴量記憶手段に記憶され
た特徴量との類似度を計算し、その類似度の高い入力対
象体を前記利用者の入力した入力対象体と認識する文字
認識ステップと、を有することを特徴とする文字入力方
法である。
【0028】請求項8の発明は、複数の入力キーが配置
され、表示手段を有する携帯電話、固定電話、電卓、電
子辞書、携帯端末などの電子装置における文字入力方法
を実現するプログラムを記録した記録媒体であって、前
記入力キーに対する利用者の指の接触を感知し、その接
触した入力キーに対応して接触信号を出力する接触検知
機能と、前記接触検知機能において出力された接触信号
の組み合わせに基づいて特微量の計算を行う特徴量計算
機能と、前記特徴量計算機能で計算した特徴量と、文
字、記号、コマンド等の入力対象体の特徴量を記憶する
特徴量記憶手段に記憶された特徴量との類似度を計算
し、その類似度の高い入力対象体を前記利用者の入力し
た入力対象体と認識する文字認識機能と、を実現するプ
ログラムを記録したことを特徴とする文字入力方法の記
録媒体である。
【0029】本発明の請求項1,7,8によれば、入力
キー上で指を動かすことで文字入力を実現するので、親
指以外の4本の指で筺体を保持し、親指を動かすことに
より片手での入力が実現できる。また、親指で指文字を
描くことで入力を実現するため使用方法の習得は容易で
あり、複数回キーを押したり、ダイアルを多く回転させ
る必要もなく、利用時の負荷は小さい。
【0030】請求項2の発明では、認識した文字、記
号、コマンドなどの入力対象体から単語の入力予測を行
うことで、複数の文字を1度に入力でき、文字入力の手
間を削減できる。
【0031】請求項3の発明では、利用者が使用してい
るサービスやアプリケーションにより、入力予測用の辞
書を選択することで、候補を大幅に絞り込むことが可能
となり、選択時の指示の負荷を下げることが可能とな
る。
【0032】請求項4の発明では、認識された文字で候
補を制御することで誤認識が少なくかつ単語入力に必要
な指示を少なくすることが可能となる。
【0033】請求項5の発明では、文字入力の区切りで
ある特定の入力キーの押下により、この入力キーに対応
した文字記憶手段を用いて文字認識を行うことで、誤認
識の確率を小さくすることが可能となる。
【0034】請求項6の発明では、文字認識が必要なと
きだけ、センサや周辺回路等への電源供給を行うことに
より、バッテリーの節電が可能となる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を説明する。
【0036】<第1の実施例>本実施例の文字入力装置
は、入力キーに接触センサ(以下、センサという)を有
し、データ通信機能を有する携帯電話上でプログラムと
して実現される。
【0037】本実施例を実現するための装置の構成を示
す。
【0038】基本構成の前提としての携帯電話は、図1
3に示すような従来の携帯電話と同様の回路で構成す
る。
【0039】例えば、通信回路223は、基地局224
とデータの送受信を行い、呼の接続管理や信頼性のある
データの送受信を行う。また、マイク220から入力さ
れた音声をデジタル信号に変換221し、デジタルデー
タの圧縮222を行い、通信手段223を通じて近接の
基地局224に送信される。また、通信回路223で受
信された信号は、伸長回路225で元の信号に戻され、
DA変換回路226でアナログ信号に変換され、スピー
カ227から出力される。
【0040】さらにデータ送受信を行うために、図12
に示すようなプログラムの実行を行うための次の構成を
有している。
【0041】CPU201、プログラム、ユーザーデー
タ、辞書データを記憶するROM203、一時的な変数
やデータを格納するRAM202、データ通信を行うデ
ータ通信部204、データの表示を行う表示部205、
数字を入力するためのキー入力部206、メニューの選
択を行う選択指示部207の構成を携帯電話に組み込
む。
【0042】(文字入力の構造)文字入力に関する部分
に関して詳細に説明する。
【0043】図1は、携帯電話の筺体表面上に設けられ
たキー入力部206のキーの配置を示すものである。
【0044】符号101は、表示部であり、各種の情報
を表示する。
【0045】符号102は、カーソル移動用の指示デバ
イスのジョイスティックであり、小型のジョイスティッ
クである。これを前後左右に傾けることにより、その方
向に表示部101に表示されるカーソルの移動を実現す
る。また、押込むことにより決定を指示する。
【0046】符号103は、モード切り替え用ボタンで
あり、このボタンを押すことによりアプリケーションを
切り替える。
【0047】符号104は、入力キーであり、電話番号
の数字の入力用のキーである。キーの数、配置の数は機
種毎によって異なるが、ダイアルを行う数字の部分は規
格が存在し、各機種共通である。本実施例の説明では、
1つのキー104に1つのセンサをそれぞれ配置する。
1つのキー104にセンサは複数配置しても構わない。
図1の例では、横3つ縦4つの合計12個のセンサを使
用する。また、複数のセンサに同時に接触した場合は、
接触した全てのセンサの値が変化するものとする。
【0048】図2は、キー104に関する断面図であ
る。
【0049】キー104が押されたことにより2つの導
体112が接触し、電流が流れることにより検出でき
る。キー104の押下は、キー104に指が接触したぐ
らいでは、反応しないように調整する。キー104への
指の接触、すなわち、接触センサとしての機能は、キー
104の裏面に静電容量変化検出センサ111を配置す
ることで可能となる。センサは、2つの電極板を向き合
わせ、電圧を印加する。図3はキー104を裏側から見
たものであり、中心にキー104の押下を検出する導体
112とそのまわりに電極板111を備える。
【0050】利用者がキー104に接触すると、2つの
電極板111の間の距離が変化し、容量が変化すること
によりセンサの出力電圧が変化する。出力電圧をコンパ
レータで基準電圧と比較することで、キー104の接触
を検知できる。この場合、キー104の押下より早く接
触を検知できるように基準電圧の調整を行う。これによ
り、利用者が明示的に押したキー104の押下と、文字
入力のために指を動かして接触した場合を区別すること
が可能となる。
【0051】また、静電容量変化検出センサ111の代
わりに感圧導電ゴムを用いる方法も考えられる。感圧導
電ゴムは加わる力に応じて段階的に抵抗値が変化し、そ
れにより出力電圧が変化する。
【0052】図4は、入力キー104上での指の動きの
例を示す。
【0053】この例では「イ」を指文字で描いた例であ
る。矢印は指を動かす向きである。また、2本あるのは
最初のストロークを描いた後、一旦指を筺体から離し、
再び筺体に指を接触させストロークを描いたことを示
す。本例では、最初のストロークでキー(センサ)10
4の「2」,「3」,「4」,「5」,「7」の番号の
値が、指の動きに応じて変化する。次に、キー(セン
サ)104の「2」,「5」,「8」,「0」の番号の
値が指の移動に伴い値が変化する。
【0054】(文字入力処理手順)文字入力の処理手順
を図5のフローチャートを用いて説明する。
【0055】最初のセンサ出力変化からのセンサの出力
値を、センサ入力部208を通じてRAM202に格納
する(ステップ301)。
【0056】1文字の入力終了の検知は、ジョイスティ
ック102などの特別なキー、あるいは、最後のセンサ
出力から一定時間の経過をタイマーで検知する(ステッ
プ302)。
【0057】文字入力終了検知後、ROM203に格納
されている計測データを用いて特微量を作成する(ステ
ップ303)。特微量は反応したセンサと時間を分割し
インデックスを付与したものを軸とした2次元のマトリ
クスを作成し、センサの反応回数のヒストグラムを作成
し、その値を正規化したものを使用する。
【0058】図6にヒストグラムの例を示す。横軸はセ
ンサの番号、縦軸は入力開始から終了までの時刻を8つ
のセグメントに分割したものであり、入力開始の時点は
t1に終了の時点はt8に含まれるように8つに分割す
る。マトリクスの値はその時間にセンサの出力が変化し
た回数を示す。
【0059】本実施例では、接触センサの出力をオンと
オフの値を出力する構成で説明しているが、センサの出
力電圧をそのままAD変換し、連続的に変化する値として
取り込み、マトリクスの値をその時間内にセンサ出力値
の合計として特微量を作成する方法もあり得る。
【0060】特微量作成後、ROM203に格納されて
いる辞書データの各項目と類似度を計算し(ステップ3
04)、もっともスコアの高い項目を認識された文字と
して扱う。類似度の計算方法は、部分空間法で実現でき
る。部分空間法を含めた辞書の表現と類似度定義は、文
献「パターン認識と部分空間」、産業図書、1986や「パ
ターン認識理論」、森北出版、1989に記載されている。
【0061】本実施例の特微量作成方法や類似度の計算
方法は1例であり、他の既存の方式を使用しても本発明
の機能を損ねることはない。
【0062】認識結果はスコア順に並べ替え、第1候補
を表示部101に認識結果として提示する(ステップ3
05)。
【0063】利用者は、認識結果が所望の文字と異なる
場合は、ジョイスティック102を下方に動かし、第2
の候補以降を順に表示部に提示する(ステップ30
6)。
【0064】所望のものが存在した場合は、その候補を
表示しているときに、ジョイスティック102を押し込
むことで決定する。
【0065】以上により、入力キー104上で指を動か
すことにより文字入力を可能とする携帯電話の提供が可
能となる。
【0066】(変更例1)本実施例では、選択方法にジ
ョイスティック102を用いているが、他の手段として
ダイアルや、移動専用のキー等を利用しても同等の効果
を得られる。
【0067】(変更例2)携帯電話でなく家庭用や事務
用の一般の固定電話でも同様に実現できる。また、親機
と子機で構成される場合は、どちらの装置で実現しても
本実施例の効果に違いはない。
【0068】また、電話に限らず、数字キーを有する電
卓、電子辞書、携帯端末においても本実施例は適用でき
る。
【0069】(変更例3)本実施例と従来の数字キーに
文字キーを併用する従来技術とを組み合わせることもあ
り得る。
【0070】(変更例4)本実施例では、文字入力を対
象として説明したが、認識用辞書に文字や記号ではなく
ジェスチャーを登録しておくことで、指文字で指示命令
を行うことが可能となり、何回もメニューを選択しなく
ても簡単にコマンドを発することが可能となる。
【0071】<第2の実施例>第1の実施例と異なる部
分を図7のフローチャートを用いて説明する。
【0072】例えば、最初に利用者が指文字で「し」を
描き、その結果「し」が認識されたとすると(ステップ
316)、入力予測辞書を検索し、「し」で開始されて
いる単語の一覧を取得し(ステップ317)、各単語に
優先順位をつけ、表示部101に優先度の高い順に表示
する(ステップ318)。優先順位は、過去の参照され
た回数を使用する。
【0073】ここで利用者がジョイスティック102を
用いて表示されている候補を選択し、押し込むなどの確
定要求を行えば(ステップ319)、その単語をアプリ
ケーションへ渡す。
【0074】利用者が、確定要求行為を行わず、再度指
文字で「3」を描き、その結果「3」が認識されたとす
ると(ステップ316)、「し」で開始されている単語
で「3」を有する単語を検索し(ステップ317)、該
当するものの優先度を計算し、前回と同様に表示部10
1に提示する(ステップ318)。
【0075】ここで候補が「新宿3丁目」と1つだけに
なった場合は、ジョイスティク102を押し込むなどの
確定要求により(ステップ319)、その単語を、認識
結果として表示している単語をアプリケーションへ渡
す。候補が存在しない場合は、その旨を利用者に告げて
終了する。また助詞などを入力するために、特定のキー
を準備し、そのキーが押下された場合には、認識結果の
文字をそのままアプリケーションに渡す。
【0076】選択された単語に関して、ROM203に
記録しているアクセス頻度情報を更新する(ステップ3
20)ことにより、次回優先順位を変更することが可能
となる。
【0077】本実施例の新宿3丁目では、「しんじゅく
さんちょうめ」と11回の入力が2回に減らすことが可
能となった。以上により、指文字と単語選択作業によ
り、入力に要する操作の量を減らすことが可能となる。
【0078】<第3の実施例>第2の実施例と異なる部
分を図8のフローチャートを用いて説明する。
【0079】アプリケーションが実行されると、起動し
たアプリケーションの識別子を取得する(ステップ33
2)。
【0080】次に、ROM203に格納しているアプリ
ケーション識別子と入力予測辞書対応テーブルを調べ、
どの辞書がふさわしいか決定する(ステップ327)。
アプリケーションが登録されていない場合は、デフォル
トの辞書を使用する。
【0081】あるいは利用者に質問し、辞書を指定して
もらい、対応付けをROM203に新規に登録すれば、
次回はその辞書を使用することが可能となる。
【0082】第2の実施例と同様に、指の動きにより文
字入力が行われ、認識が行われると(ステップ32
6)、その文字を用いて上記で選択した入力予測用の辞
書を検索し該当する候補を取得する(ステップ32
8)。
【0083】起動しているアプリケーションが、住所録
などの場合は、入力予測辞書を使用する代わりに、住所
録に登録されているデータを用いて予測を行う。
【0084】以上により、アプリケーション毎に入力予
測辞書を選択することにより、単語を確定するまでの操
作の量を減らすことが可能となる。
【0085】<第4の実施例>第1の実施例と異なる部
分を図9のフローチャートを用いて説明する。
【0086】第1の実施例と同様に、指の動きにより文
字入力が行われ、候補の提示が行われると(ステップ3
45)、全体の音声認識エンジン用の辞書データから、
認識された単語で開始されるデータを選択し(ステップ
347)、それらを音声認識エンジンの認識用の単語と
して登録する(ステップ348)。
【0087】例えば「し」が指文字として入力されたと
すると、認識エンジンには、「しながわ」「しんじゅ
く」「しぶや」など「し」で開始されるものを登録す
る。そして、入力確定指示(ステップ348)をトリガ
ーに、音声の取り込みと認識エンジンの動作を開始する
ことにより、認識率の向上と節電効果が期待できる。
【0088】また、最初の文字が決まっているような状
況では、そのようにアルゴリズムを変更することで、認
識率の向上と計算速度の向上が期待できる。
【0089】以上により、指文字入力の結果と音声認識
を組み合わせることにより、従来と比較して少ない指示
で単語の入力を行うことが可能となる。
【0090】<第5の実施例>第1の実施例と異なる部
分を図10のフローチャートを用いて説明する。
【0091】第1の実施例と同様に、指の動きにより文
字入力が行われ、利用者が指文字の最後の場所でキーを
押したとする。本実施例では、キーの押下により入力終
了を検知する(ステップ352)。
【0092】例えば、利用者が指で「し」を描き、
「6」のキー104の上で指が停止した状況で、「6」
のキー104を押した場合に、「6」のキー104押下
を確定要求と解釈し、それまでのデータを用いて特微量
を作成する(ステップ353)。各文字と終了位置のキ
ー104に関する情報をテーブルとして、予めROM2
03などに格納しておく。押されたキー104を手がか
りに、前記テーブルを検索し、該当する文字識別子を取
得する(ステップ354)。
【0093】例えば、「6」が押された場合には、
「い」「お」「か」「し」……などの文字情報を取得
し、該当する文字のみ類似度の計算を行うことにより、
計算速度の向上と認識率の向上が期待できる。
【0094】以上により、入力確定を示すキー押下によ
り、どのキー104が押下されたかという情報を利用す
ることで、認識率の向上が期待できる。
【0095】<第6の実施例>第1の実施例と異なる部
分を図11のフローチャートを用いて説明する。
【0096】本実施例では、文字入力装置を内蔵した携
帯電話に、予めセンサや周辺回路の電源を入力したり切
断したりする節電回路を準備し、入力や切断を実行する
手順をサブルーチンとして組込んでおく。
【0097】例えば、文字入力を促すサブルーチンの最
初では、電源を入れるサブルーチンをコールし(ステッ
プ361)、ダイアログを表示したり、カーソルやポイ
ンタの形状を変更することで、利用者に入力を促し(ス
テップ362)、センサ入力終了後(ステップ364)
に電源を切断するサブルーチンをコールすることで実現
できる。
【0098】以上により、文字入力が必要なときのみ回
路を駆動するので節電効果が期待できる。
【0099】<第7の実施例>上記実施例は、携帯電話
での文字入力を対象としていたが、家庭や事務所での据
え置き型の固定電話にも適応可能である。例えば、表示
部を有するコードレスの子機に本実施例を適応すれば、
電話番号の登録を容易に行うことが可能である。
【0100】また、電話に限らず、数字キーを有する電
卓、電子辞書、携帯端末においても本発明は適用でき
る。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、利用者は文字入力のた
めには入力キー上で指文字を描くことにより実現できる
ので、片手で実現でき、使用方法の習得は容易である。
また、指文字を描くための操作量はキーを複数回押した
り、ダイアルを回したりすることと比較して、操作量が
少なくできる。
【0102】また、入力予測を行うことにより、単語の
入力に必要な操作の低減できる。
【0103】さらに、節電機能を有することにより、本
発明を具備した電子装置の利用時間を長くするできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の携帯電話の筺体上の入
力キー配置の一例を示す平面図である。
【図2】センサ付き入力キーの断面図である。
【図3】センサ付き入力キーの裏側から見た図である。
【図4】文字入力を行うための指の動きの一例を示す図
である。
【図5】第1の実施例の処理手順であるフローチャート
である。
【図6】特微量を示すヒストグラムの例を示す図であ
る。
【図7】第2の実施例の処理手順であるフローチャート
である。
【図8】第3の実施例の処理手順であるフローチャート
である。
【図9】第4の実施例の処理手順であるフローチャート
である。
【図10】第5の実施例の処理手順であるフローチャー
トである。
【図11】第6の実施例の処理手順であるフローチャー
トである。
【図12】第1の実施例の情報処理部分を示すブロック
図である。
【図13】第1の実施例の通信機能を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
104 入力キー 111 キー押下検出スイッチ 112 センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06K 9/62 H04M 1/725 9/72 1/73 H04M 1/247 G06F 3/023 310K 1/725 310G 1/73 (72)発明者 中井 宏章 兵庫県神戸市東灘区本山南町8−6−26 株式会社東芝関西研究センター内 Fターム(参考) 5B019 CA07 DA07 DB10 JA10 5B020 FF14 FF17 GG05 GG64 5B064 AA07 AA10 AB14 BA05 DC06 DD06 DD16 EA12 EA19 EA24 FA04 FA13 5K027 AA11 BB02 BB17 EE11 GG04 HH20

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の入力キーが配置され、表示手段を有
    する携帯電話、固定電話、電卓、電子辞書、携帯端末な
    どの電子装置における文字入力装置であって、 前記入力キーに対する利用者の指の接触を感知し、その
    接触した入力キーに対応して接触信号を出力する接触検
    知手段と、 前記接触検知手段から出力された接触信号の組み合わせ
    に基づいて特微量の計算を行う特徴量計算手段と、 文字、記号、コマンド等の入力対象体の特徴量を記憶す
    る特徴量記憶手段と、 前記特徴量計算手段で計算した特徴量と、前記特徴量記
    憶手段に記憶された特徴量との類似度を計算し、その類
    似度の高い入力対象体を前記利用者の入力した入力対象
    体と認識する文字認識手段と、 を有することを特徴とする文字入力装置。
  2. 【請求項2】前記利用者が入力すると予測される単語を
    記憶した単語記憶手段と、 前記文字認識手段が認識した1つ以上の入力対象体を用
    いて、前記単語記憶手段を検索し、前記利用者が入力し
    ようとした単語の候補の絞り込みを行う候補絞り込み手
    段と、 前記候補絞り込み手段によって検索した一、または、複
    数の単語の候補を前記表示手段に表示し、この表示され
    た単語の候補の中から前記利用者から確定指示を受けた
    単語を、前記利用者が入力したい単語とする確定手段
    と、 を有することを特徴とする請求項1記載の文字入力装
    置。
  3. 【請求項3】アプリケーションやサービス毎に単語記憶
    手段を有し、 前記利用者が使用しているアプリケーションやサービス
    を判定し、それに対応する単語記憶手段を選択する辞書
    選択手段を有することを特徴とする請求項2記載の文字
    入力装置。
  4. 【請求項4】前記文字認識手段で認識された入力対象体
    に基づいて音声認識を行う音声認識手段を有することを
    特徴とする請求項1記載の文字入力装置。
  5. 【請求項5】複数の文字記憶手段を有し、これら文字記
    憶手段と前記入力キーのうち特定の入力キーとが対応付
    けされており、 前記文字認識手段は、 前記接触検知手段からの接触信号を検知した後、前記特
    定の入力キーの押下、または、接触を検知すると、その
    押下された特定の入力キーに対応する文字記憶手段を選
    択して入力対象体の認識を行うことを特徴とする請求項
    1記載の文字入力装置。
  6. 【請求項6】文字入力を必要とする状況かどうか判定を
    行い、文字入力を必要とする場合には電源供給を行い、
    文字入力を必要としなくなった場合には電源供給を停止
    する節電手段を有することを特徴とする請求項1記載の
    文字入力装置。
  7. 【請求項7】複数の入力キーが配置され、表示手段を有
    する携帯電話、固定電話、電卓、電子辞書、携帯端末な
    どの電子装置における文字入力方法であって、 前記入力キーに対する利用者の指の接触を感知し、その
    接触した入力キーに対応して接触信号を出力する接触検
    知ステップと、 前記接触検知ステップにおいて出力された接触信号の組
    み合わせに基づいて特微量の計算を行う特徴量計算ステ
    ップと、 前記特徴量計算ステップで計算した特徴量と、文字、記
    号、コマンド等の入力対象体の特徴量を記憶する特徴量
    記憶手段に記憶された特徴量との類似度を計算し、その
    類似度の高い入力対象体を前記利用者の入力した入力対
    象体と認識する文字認識ステップと、 を有することを特徴とする文字入力方法。
  8. 【請求項8】複数の入力キーが配置され、表示手段を有
    する携帯電話、固定電話、電卓、電子辞書、携帯端末な
    どの電子装置における文字入力方法を実現するプログラ
    ムを記録した記録媒体であって、 前記入力キーに対する利用者の指の接触を感知し、その
    接触した入力キーに対応して接触信号を出力する接触検
    知機能と、 前記接触検知機能において出力された接触信号の組み合
    わせに基づいて特微量の計算を行う特徴量計算機能と、 前記特徴量計算機能で計算した特徴量と、文字、記号、
    コマンド等の入力対象体の特徴量を記憶する特徴量記憶
    手段に記憶された特徴量との類似度を計算し、その類似
    度の高い入力対象体を前記利用者の入力した入力対象体
    と認識する文字認識機能と、 を実現するプログラムを記録したことを特徴とする文字
    入力方法の記録媒体。
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