JP2001255634A - 写真用ロールフイルム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、撮影済みの写真用ロールフイルムを
衛生的で、簡単且つ確実に封印することができる写真用
ロールフイルムを提供する。 【解決手段】本発明の写真用ロールフイルム１０は、遮
光トレーラ１３に２本のスリット２０、２１が形成され
る。そして、遮光トレーラ１３の最終端部１３Ａの両側
縁部に鋸歯状の突起２２、２２…が形成される。写真フ
イルム１１を遮光する場合には、最終端部１３Ａをスリ
ット２０からスリット２１に挿入して遮光トレーラ１３
の外側に引き出す。スリット２０、２１を通過した最終
端部１３Ａに、抜け方向の力が加わると、抜け方向と直
交する方向に形成された突起２２の縁部２２Ｃがスリッ
ト２０、２１の両側エッジ２０Ａ、２１Ａに引っ掛かる
ので、遮光トレーラ１３の巻き緩みが防止され、写真用
ロールフイルム１０が光密に封印される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、撮影済みの写真用
ロールフイルムを衛生的で、簡単且つ確実に封印するこ
とができる写真用ロールフイルムに関する。

【０００２】

【従来の技術】写真用ロールフイルムは、約６ｃｍ幅の
帯状の写真フイルムをスプールに巻き付け、遮光紙の先
端部をテープ止めしたもので、１２０タイプと２２０タ
イプのブローニーフイルムが知られている。１２０タイ
プのロールフイルムは、写真フイルムよりも長い遮光紙
を用いて写真フイルムのベース面全体を覆うことで、写
真フイルムを光密に収納するものである。一方、２２０
タイプのロールフイルムは、写真フイルムのベース面全
体を覆う遮光紙を省くかわりに、遮光リーダ、遮光トレ
ーラとよばれる遮光紙を写真フイルムの両端部に接合す
ることにより写真フイルムを光密に収納するものであ
り、１２０タイプのロールフイルムと比べ、写真フイル
ムの長さが約２倍となっている。

【０００３】この写真用ロールフイルムをカメラのフイ
ルム装填室にセットして撮影を進めていくと、ロールフ
イルムはカメラのフイルム巻取室に予め取り付けられた
スプールに巻き取られていく。そして、全撮影終了後、
さらに巻き上げ操作を行うと、フイルム装填室のスプー
ルから遮光紙の後端部が離脱して、写真フイルム及び遮
光紙の全体がフイルム巻取室のスプールに巻き取られ
る。

【０００４】このように撮影終了した写真用ロールフイ
ルムは、スプールと一緒にカメラから取り外された後、
光密に封印されて現像所に出される。写真用ロールフイ
ルムを光密に封印するものとして、再湿により活性化す
る接着剤が塗布された封印用テープを、ロールフイルム
の後端部に設けたものは、この封印用テープの接着剤を
舐めて封印するものなので、衛生上好ましくないという
問題があった。

【０００５】そこで、実開平５−４７９４４号公報に
は、封印用テープに離型紙を設け、使用の際に離型紙を
剥がして封印を行うものが提案されている。また、特開
平１０−１０４８０３号公報には、封印用テープに固定
された粘着剤層と剥離層とを折り曲げて、粘着剤層を封
印用テープ内に収納するものが提案されている。更に、
特開平１１−７１０４号公報には、遮光紙の表裏面に設
けられた自己接着型の粘着パッチを貼り合わせて封印す
るものが提案されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実開平
５−４７９４４号公報に開示されたものは、カメラ内で
離型紙が剥がれた場合に粘着剤による汚染が発生すると
いう欠点があった。また、特開平１０−１０４８０３号
公報に開示されたものは、粘着剤による汚染は発生しな
いものの、折り畳まれた封印用テープが厚くなってお
り、封印用テープと写真フイルムとの接触点における圧
力が大きくなるため、光カブリの要因になるという欠点
があった。更に、特開平１１−７１０４号公報に開示さ
れたものは、粘着パッチの設置位置がずれると、ロール
フイルムが封印できないため、巻き緩みが発生するとい
う欠点があった。

【０００７】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、撮影済みの写真用ロールフイルムを衛生的で、
簡単且つ確実に封印することができる写真用ロールフイ
ルムを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、帯状の写真フイルムと、該写真フイルム
の先端部と後端部とに設けられた遮光紙と、後端部側の
遮光紙から外周に巻き付けられるスプールとから構成さ
れ、未使用時に写真フイルムの外周に先端部側の遮光紙
を巻き付けて遮光し、撮影終了後に別のスプールに巻き
取られた写真フイルムの外周に後端部側の遮光紙を巻き
付けて遮光する写真用ロールフイルムにおいて、前記後
端部側の遮光紙に２本のスリットが所定間隔をもって形
成され、後端部側の遮光紙の最終端部は、前記スリット
に挿入可能な大きさに形成されるとともに、スリットに
挿入する方向に対して抵抗が小さく且つスリットから抜
く方向に対して抵抗が大きくなる形状に形成されている
ことを特徴とする。

【０００９】請求項１に記載の発明によれば、写真用ロ
ールフイルムを光密に封印する場合、後端部側の遮光紙
の最終端部を、２本のスリットに挿入して遮光紙の外側
に引き出す。この時、最終端部は、スリットに挿入する
方向に対して抵抗が小さくなるように形成されているの
で、２本のスリットにスムーズに挿入される。これに対
して、スリットを通過した最終端部に抜け方向の力が加
わると、前記最終端部は、抜く方向に対して抵抗が大き
くなる形状に形成されているので、抜け方向に大きな抵
抗が発生し、これによって、遮光紙の巻き緩みが防止さ
れ、写真用ロールフイルムが光密に封印される。

【００１０】請求項２に記載の発明によれば、前記最終
端部を鋸歯状に形成し、鋸歯状の突起を２本のスリット
に挿入する際に、突起の傾斜縁部を２本のスリットの両
側エッジに当接させるようにしたので、最終端部は２本
のスリットにスムーズに挿入される。これに対して、２
本のスリットを通過した最終端部に抜け方向の力が加わ
ると、抜け方向と直交する方向に形成された突起の縁部
が２本のスリットの両側エッジに引っ掛かるので、抜け
方向に大きな抵抗が発生する。これによって、遮光紙の
巻き緩みが防止され、写真用ロールフイルムが光密に封
印される。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の写真用ロールフイ
ルムについて、２２０タイプの写真用ロールフイルムを
用いて説明する。

【００１２】図１は、第１の実施の形態の写真用ロール
フイルム１０の展開図であり、この写真用ロールフイル
ム１０は、写真フイルム１１、遮光リーダ（前端部側の
遮光紙）１２、遮光トレーラ（後端部側の遮光紙）１
３、及びスプール１４（図２参照）から構成される。図
１の写真フイルム１１の両端部には、遮光紙として用い
られる遮光リーダ１１、遮光トレーラ１３が接合テープ
１５、１６によって接合されている。接合テープ１５の
表面には、写真フイルム１１の種類やＩＳＯフイルム感
度等のフイルム情報を表すバーコードが印刷されてお
り、このバーコードは、写真用ロールフイルム１０がカ
メラに装填された時にカメラ側のバーコードリーダによ
って読み取られる。

【００１３】遮光リーダ１２の自由端１２Ａ及び遮光ト
レーラ１３の自由端（以下、「最終端部」と称する）１
３Ａは、図２のスプール１４の軸部に形成された不図示
のスリットに挿入されるために幅が狭く形成されてお
り、そのスリット内に設けられた係止爪に係止される係
止部とされている。図１の遮光トレーラ１３の最終端部
１３Ａの両側縁部には、鋸歯状に形成された複数の突起
２２、２２…が一体に形成されており、これらの突起２
２、２２…が後述するスリット２０、２１に係合され
る。

【００１４】写真用ロールフイルム１０の製造時には、
遮光トレーラ１３の最終端部１３Ａがスプール１４のス
リットに挿入されて係止される。その後、スプール１４
を巻き取り方向に回転させることで、遮光トレーラ１
３、写真フイルム１１、遮光リーダ１２の順にスプール
１４に巻き付けられる。最後に巻き取られた遮光リーダ
１２は、写真フイルム１１の外周を覆って遮光する機能
を備えており、遮光リーダ１２の巻き緩みに起因する写
真フイルム１１の光カブリを防止するために、封印用テ
ープ１７によって封印される。

【００１５】次に、写真用ロールフイルム１０の使用方
法について説明すると、写真用ロールフイルム１０は、
まず、封印用テープ１７を剥がしてからカメラのフイル
ム室にセットされる。遮光リーダ１２の係止部である自
由端１２Ａは、フイルム巻取室に予めセットされた別の
スプール１４のスリットに係止される。その後、カメラ
の裏蓋を閉じてフイルムセット操作を行うと、フイルム
巻取室のスプール１４が回転されて遮光リーダ１２が巻
き上げられ、写真フイルム１１の先端部分がカメラのア
パーチャーにセットされる。そして、撮影を行う毎に写
真フイルム１１は、フイルム巻取室のスプール１４に１
コマ毎巻き上げられていき、写真フイルム１１の最後の
コマへの撮影が終了すると、遮光トレーラ１３もフイル
ム巻取室のスプール１４に巻き上げられる。撮影終了後
にカメラの裏蓋を開放すると、フイルム巻取室のスプー
ル１４に巻き取られた写真フイルム１１の外周は、遮光
トレーラ１３によって覆われて遮光されている。

【００１６】遮光トレーラ１３には、幅方向に沿って第
１スリット２０と第２スリット２１とが形成されてい
る。これらのスリット２０、２１の幅寸法Ｌ１は、図３
に示す最終端部１３Ａの一方縁部に形成された突起２２
の頂部２２Ａと他方縁部に形成された突起２２の頂部２
２Ａとを結ぶ線分の寸法Ｌ２よりも、若干量幅狭に形成
されている。

【００１７】写真用ロールフイルム１０を光密に封印す
る場合には、図２に示すように、遮光トレーラ１３の最
終端部１３Ａを、第１スリット２０から第２スリット２
１に挿入して遮光トレーラ１３の外側に引き出す。この
時、鋸歯状の突起２２、２２…がスリット２０、２１に
入り込む場合、スリット２０、２１の両エッジ２０Ａ、
２０Ａ、２１Ａ、２１Ａに突起２２の傾斜縁部２２Ｂが
当接するので、最終端部１３Ａは、スリット２０、２１
のエッジ２０Ａ、２１Ａから抵抗をさほど受けることな
くスリット２０、２１にスムーズに入り込む。

【００１８】これに対して、スリット２０、２１を通過
した最終端部１３Ａに、図３上矢印Ａで示す抜け方向の
力が加わると、抜け方向と直交する方向に形成された突
起２２の縁部２２Ｃがスリット２０、２１の両側エッジ
２０Ａ、２１Ａに引っ掛かるので、抜け方向に大きな抵
抗が発生する。これによって、遮光トレーラ１３の巻き
緩みが防止され、写真用ロールフイルム１０が光密に封
印される。

【００１９】このように、本実施の形態では、遮光トレ
ーラ１３に２本のスリット２０、２１を形成するととも
に遮光トレーラ１３の最終端部１３Ａを鋸歯状に形成す
るだけで、写真用ロールフイルム１０を光密に封印する
ことができるので、撮影済みの写真用ロールフイルム１
０を衛生的で、簡単且つ確実に封印することができる。

【００２０】図４は、第２の実施の形態の写真用ロール
フイルム１００の展開図であり、図１に示した第１の実
施の形態の写真用ロールフイルム１０と同一若しくは類
似の部材については同一の符号を付してその説明は省略
する。

【００２１】図４の写真用ロールフイルム１００は、遮
光トレーラ１３の最終端部１３Ａに山折り線２３を介し
て折曲片１３Ｂを一体形成したものである。これによ
り、折曲片１３Ｂが山折り線２３に沿って折り畳まれる
と、折曲片１３Ｂが最終端部１３Ａに折り重ねられる。
また、山折り線２３を挟んだ両側の縁部には、傾斜した
切込み１３Ｃ、１３Ｃ…が形成されている。これによ
り、折曲片１３Ｂが最終端部１３Ａに折り重ねられる
と、最終端部１３Ａの先端部の両側角部がテーパ状に角
取りされるので、最終端部１３Ａがスリット２０、２１
に挿入し易くなる。

【００２２】写真用ロールフイルム１００を光密に封印
する場合には、まず、折曲片１３Ｂを最終端部１３Ａに
折り重ねて最終端部１３Ａを二重にし、最終端部１３Ａ
のこしを強くする。次に、折り重ねた最終端部１３Ａ
を、スリット２０からスリット２１に挿入して遮光トレ
ーラ１３の外側に引き出す。この時、最終端部１３Ａの
先端部の角部は角取りされているので、最終端部１３Ａ
はスリット２０、２１に容易に挿入されていく。

【００２３】このように、本実施の形態では、最終端部
１３Ａに折曲片１３Ｂを形成し、この折曲片１３Ｂを最
終端部１３Ａに折り重ねることによって最終端部１３Ａ
のこしを強くしたので、最終端部１３Ａをスリット２
０、２１に確実に嵌入することができる。よって、撮影
済みの写真用ロールフイルム１０を簡単な構造で確実に
封印することができる。

【００２４】また、別の封印手段として、遮光トレーラ
１３の最終端部１３Ａ及び折曲片１３Ｂに、アルミ箔等
の折り曲げ変形し易い折り返し保持シートを貼り付け、
最終端部１３Ａを２本のスリット２０、２１にくぐらせ
た後、最終端部１３Ａを折り返して封印するようにして
もよい。

【００２５】なお、本実施の形態では、最終端部１３Ａ
の形状として鋸歯を例示したが、これに限定されるもの
ではなく、最終端部１３Ａの形状は、スリット２０、２
１に挿入可能な大きさで、スリット２０、２１に挿入す
る方向に対して抵抗が小さく且つスリット２０、２１か
ら抜く方向に対して抵抗が大きくなる形状であれば、如
何なる形状のものでも適用できる。

【００２６】また、本実施の形態では、２２０タイプの
写真用ロールフイルム１０を例示したが、１２０タイプ
の写真用ロールフイルムにも適用できる。

【００２７】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る写真用
ロールフイルムによれば、撮影終了後に写真フイルムを
遮光する後端部側の遮光紙に、２本のスリットを形成
し、そして、後端部側の遮光紙の最終端部を、スリット
内に挿入可能な大きさで、スリットに挿入する方向に対
して抵抗が小さく且つスリットから抜く方向に対して抵
抗が大きくなる形状に形成したので、撮影済みの写真用
ロールフイルムを衛生的で、簡単且つ確実に封印するこ
とができる。また、後端部側の遮光紙の最終端部を鋸歯
状に形成するだけで、上記効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施の形態の写真用ロールフイルムの構
造を示す展開図

【図２】封印後の写真用ロールフイルムの外観を示す斜
視図

【図３】遮光トレーラの最終端部の拡大平面図

【図４】第２の実施の形態の写真用ロールフイルムの構
造を示す展開図

【符号の説明】

１０、１００…写真用ロールフイルム、１１…写真フイ
ルム、１２…遮光リーダ、１３…遮光トレーラ、１３Ａ
…最終端部、１４…スプール、１５、１６…接合テー
プ、１７…封印用テープ、２０、２１…スリット、２２
…突起

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 帯状の写真フイルムと、該写真フイルム
   の先端部と後端部とに設けられた遮光紙と、後端部側の
   遮光紙から外周に巻き付けられるスプールとから構成さ
   れ、未使用時に写真フイルムの外周に先端部側の遮光紙
   を巻き付けて遮光し、撮影終了後に別のスプールに巻き
   取られた写真フイルムの外周に後端部側の遮光紙を巻き
   付けて遮光する写真用ロールフイルムにおいて、 前記後端部側の遮光紙に２本のスリットが所定間隔をも
   って形成され、後端部側の遮光紙の最終端部は、前記ス
   リットに挿入可能な大きさに形成されるとともに、スリ
   ットに挿入する方向に対して抵抗が小さく且つスリット
   から抜く方向に対して抵抗が大きくなる形状に形成され
   ていることを特徴とする写真用ロールフイルム。
2. 【請求項２】 前記後端部側の遮光紙の最終端部は、鋸
   歯状に形成されていることを特徴とする請求項１に記載
   の写真用ロールフイルム。