JP2001253734A - 建物外周構造 - Google Patents

建物外周構造

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JP2001253734A
JP2001253734A JP2000068488A JP2000068488A JP2001253734A JP 2001253734 A JP2001253734 A JP 2001253734A JP 2000068488 A JP2000068488 A JP 2000068488A JP 2000068488 A JP2000068488 A JP 2000068488A JP 2001253734 A JP2001253734 A JP 2001253734A
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building
indoor
outer peripheral
side window
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JP2000068488A
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Masaharu Mutsuka
正治 六鹿
Atsushi Sugimaru
淳 杉丸
Lothar Klaus
ローター クラウス
Hiroshi Tanaka
宏 田中
Yoichi Masuda
陽一 増田
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Josef Gartner & Co KG GmbH
Kikukawa Kogyo Co Ltd
Nihon Sekkei Inc
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Josef Gartner & Co KG GmbH
Kikukawa Kogyo Co Ltd
Nihon Sekkei Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 四季のある地域、特に夏期と冬期の温度差が
大きい地域で高断熱複層ガラスを利用しつつ、年間を通
じて空調負荷を軽減できる建物外周構造を提案する。 【解決手段】 建物1の外周面に配設された屋外側窓2
と、この屋外側窓2の内側に空気層3を挟んで対向配設
された室内側窓4を備えてなる建物外周構造であって、
室内側窓4が、短波長の日射エネルギーを室内に採り入
れつつ長波長の室内熱放射エネルギーをほとんど室内側
に反射する特性を示す高断熱複層ガラスを有してなるこ
とを特徴とする。ここで、屋外側窓2と室内側窓4の間
には日射調節手段たる電動ブラインド5、点検用足場た
るキャットウォーク6を設けることが好ましい。また、
建物1の外周面に、空気層3を外気に連通させるための
通気口たる吸気口7A、排気口7Bを設けることが好ま
しく、吸気口7A、排気口7Bが開閉可能であるとさら
に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建物の外周部位の構
造に関し、建物の年間空調負荷の軽減を実現するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】冬期空調負荷の軽減を目的として、高断
熱複層ガラスを有する窓を外周に設置した建物が、従来
からよく知られている。ここで高断熱複層ガラスとは、
例えば図3に示すように、スペーサ4aを介して二枚の
ガラス板4b,4cを対向配置し、その間に乾燥空気層
4dを気密封入したものであり、室内側のガラス板4c
の乾燥空気層4d側表面には、Ag,Au,Cu,Al等の金属
酸化物膜4eがスパッタリング、スプレー、CVD又は
蒸着によりコーティングされている。
【0003】ここで、乾燥空気層4d側表面に金属酸化
物膜4eがコーティングされたガラス板4cは、図4に
示すように、通常のフロート板ガラスと同程度に短波長
の日射エネルギーを室内に採り入れる一方で、通常のフ
ロート板ガラスとは異なり長波長の室内熱放射エネルギ
ーをほとんど室内側に反射する特性を示す。したがっ
て、このようなガラス板4cを室内側に配置した複層ガ
ラスを建物の外周開口部に設置した場合、特に冬期の暖
房負荷軽減に絶大な効果を発揮する。また、この高断熱
複層ガラスは通常のフロート板ガラスと比べて高い断熱
性を有するため、冬期の冷輻射による窓際の冷え込みを
解消し、室内のガラス表面の結露発生を防止できるとい
う効果もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この高断熱複
層ガラスを建物の外周開口部に単純に設置した場合、夏
期においても日射エネルギーを室内に大量に採り入れて
しまい、しかも室内熱放射エネルギーを屋外に逃がさな
いため、夏期における冷房負荷が極めて大きくなってし
まうという問題がある。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、四季のある地
域、特に夏期と冬期の温度差が大きい地域で、前述のよ
うな特性を示す高断熱複層ガラスを利用しつつ、年間を
通じて空調負荷を軽減できる建物外周構造を提案する点
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
建物の外周面に配設された屋外側窓と、この屋外側窓の
内側に空気層を挟んで対向配設された室内側窓とを備え
てなり、前記室内側窓が、短波長の日射エネルギーを室
内に採り入れつつ長波長の室内熱放射エネルギーをほと
んど室内側に反射する特性を示す高断熱複層ガラスを有
してなることを特徴とする建物外周構造である。
【0007】かかる建物外周構造では、屋外側窓と室内
側窓の間に設けた空気層が冬期には保温効果を奏し、夏
期には温度緩衝帯の役割を果たす。したがって、冬期に
室内側窓の外側が保温され、暖房負荷の軽減を図ること
ができるだけでなく、夏期には室内側窓面に届く強烈な
日射が和らげられ室内の温度上昇が緩やかになり、冷房
負荷の軽減を図ることができる。
【0008】請求項2に係る発明は、請求項1記載の建
物外周構造において、屋外側窓と室内側窓の間に配設さ
れた日射調節手段を備えることを特徴とする。
【0009】かかる建物外周構造によれば、冬期には屋
外側窓を透過した太陽光が室内側窓の高断熱複層ガラス
に充分に当たるように日射調節手段を操作することによ
り、日射エネルギーを充分に室内に採り入れつつ室内熱
放射エネルギーを室内から逃がさないようにすることが
できるだけでなく、夏期には屋外側窓を透過した太陽光
が室内側窓にあまり当たらないように日射調節手段を操
作することにより、日射エネルギーを室内に採り入れな
いようにすることができるので、冬期の暖房負荷だけで
なく夏期の冷房負荷も大幅に軽減することができる。な
お、日射調節手段は屋外側窓によって保護されているた
め、建物外周面に露出している場合に比べて汚れたり破
損したりしにくくなっている。
【0010】請求項3に係る発明は、請求項1又は請求
項2記載の建物外周構造において、空気層を外気に連通
させるための通気口を備えるとともに、室内側窓が開閉
可能であることを特徴とする。
【0011】かかる建物外周構造によれば、室内側窓を
開けて室内に外気を導入することができるため、室内を
換気することができるとともに、中間期における空調負
荷の軽減を図ることができる。
【0012】請求項4に係る発明は、請求項3記載の建
物外周構造において、通気口が開閉可能であることを特
徴とする。
【0013】かかる建物外周構造によれば、外気に対す
る空気層の開放度合を、季節に応じた室内温度環境に合
わせてきめ細かく調節することができるため、年間空調
負荷のより一層の軽減を図ることができる。
【0014】請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求
項4のいずれか一項に記載の建物外周構造において、屋
外側窓と室内側窓の間に、該室内側窓を経由して室内か
ら出入可能な点検用足場を備えることを特徴とする。
【0015】かかる建物外周構造によれば、作業者が室
内側窓を経由して室内から点検用足場に出入りして、屋
外側窓と室内側窓との間の空間を点検することができる
ため、日射調節手段等のメンテナンスが容易となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ、本
発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、説明におい
て、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省
略するものとする。
【0017】図1は本発明に係る建物外周構造の一実施
形態を表す要部縦断面図であり、図2は同要部立面図で
ある。これらの図に示すように、建物1の外周面には屋
外側窓2が配設されており、その内側には空気層3を挟
んで室内側窓4が対向配設されている。また、屋外側窓
2と室内側窓4の間には日射調節手段たる電動ブライン
ド5及び点検用足場たるキャットウォーク6が配設さ
れ、さらに屋外側窓2の上下にはそれぞれ通気口たる吸
気口7A、排気口7Bが配設されている。なお、ここで
は屋外側窓2、室内側窓4、電動ブラインド5の支持枠
5a、キャットウォーク6、吸気口7A、排気口7Bは
一又は複数のカーテンウォールとして構成されている。
以下、各部の構成・作用について詳細に説明する。
【0018】(1)室内側窓 室内側窓4の窓面には、高断熱複層ガラス(例えば、日
本板硝子株式会社製マルチスーパーライト、旭硝子株式
会社製サンレーヌ)が嵌め込まれている。この高断熱複
層ガラスは、特に冬期空調負荷の軽減を目的として開発
されたものであり、図3に示すように,スペーサ4aを
介して二枚のガラス板4b,4cを対向配置し、その間
に乾燥空気層4dを気密封入したものである。また、室
内側のガラス板4cの乾燥空気層4d側表面には、Ag,
Au,Cu,Al等の金属酸化物膜4eがスパッタリング、ス
プレー、CVD又は蒸着によりコーティングされてい
る。
【0019】ここで、乾燥空気層4d側表面に金属酸化
物膜4eがコーティングされたガラス板(例えば、日本
板硝子株式会社製ローエミッシブガラス)4cは、通常
のフロート板ガラスと同程度に短波長の日射エネルギー
を室内に採り入れる一方で、通常のフロート板ガラスと
は異なり長波長の室内熱放射エネルギーをほとんど室内
側に反射する特性を示す。すなわち、図4に示すよう
に、3mm厚ローエミッシブガラスは波長0.3〜2.0
μmの電磁波(日射エネルギー)を3mm厚フロート板ガ
ラスと同程度に透過させるが、波長5.0〜20.0μ
mの電磁波(20℃の室内から放射される熱エネルギ
ー)については、3mm厚フロート板ガラスとは異なりほ
とんど屋外に逃がさないという特性を示す。
【0020】したがって、このような特性を示すガラス
板4cを室内側に配置した複層ガラスを建物の外周開口
部に設置した場合、特に冬期の暖房負荷軽減に絶大な効
果を発揮する。また、このような高断熱複層ガラスは通
常のフロート板ガラスと比べて高い断熱性を有するた
め、冬期の冷輻射による窓際の冷え込みを解消し、室内
のガラス表面の結露発生を防止できるという効果もあ
る。
【0021】なお、高断熱複層ガラスは、図3に示した
構成に限定されるわけではなく、通常のフロート板ガラ
スと同程度に短波長の日射エネルギーを室内に採り入れ
る一方で、通常のフロート板ガラスとは異なり長波長の
室内熱放射エネルギーをほとんど室内側に反射する特性
を示すものであればよい。また、ガラスを嵌め込む窓枠
(サッシ)については通常のものでよいが、高断熱性サ
ッシを用いれば、高断熱複層ガラスの特性を有効に引き
出すことができる。
【0022】また、ここでは室内側窓4が開閉可能であ
るため、後述するように外気に連通した空気層3を通じ
て室内の換気を行うことができるとともに、室内からキ
ャットウォーク6に出入りできるようになっている。し
たがって、中間期における空調負荷の軽減を図ることが
できるとともに、屋外側窓2と室内側窓4の間の空間の
メンテナンスが容易に行われる。
【0023】(2)屋外側窓 屋外側窓2は、主として室内側窓4の外側に空気層3を
形成するために設けられたものである。したがって、そ
の構成は、通常のフロート板ガラスを通常のサッシに嵌
め込んだもので足りるが、その他の単板板ガラス(強化
ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射板ガラス、型板ガ
ラス、色焼付ガラス等)、複合板ガラス(網入板ガラ
ス、合せガラス、複層ガラス等)、成形ガラス(ガラス
ブロック、プリズムガラス等)を嵌め込んだものや、高
断熱性サッシを用いたものであってもよい。また、屋外
側窓2は、電動ブラインド5やキャットウォーク6が建
物1の外周に露出しないように保護し、これらが汚れた
り破損しないようにする役割も果たしている。
【0024】(3)空気層 屋外側窓4と室内側窓2に挟まれた空気層3は、冬期に
は室内側窓2の外側を空気で包んで室内熱エネルギーを
逃がさないよう保温し、夏期には強烈な日射で室内温度
が急上昇しないように日射を和らげる温度緩衝帯の役割
を果たすものである。したがって、このような空気層3
を設けたことにより、冬期に建物1の暖房負荷の軽減を
図ることができるだけでなく、夏期には室内側窓2の窓
面に届く強烈な日射が和らげられ室内の温度上昇が緩や
かになり、建物1の冷房負荷の軽減を図ることができ
る。なお、後述するように、空気層3の外気に対する開
放度合を、季節に応じた室内温度環境に合わせてきめ細
かく調節することにより、空気層3の熱的性質を調整す
ることができるようになっている。
【0025】(4)日射調節手段 日射調節手段たる電動ブラインド5は、支持枠5aに内
蔵されたモータ5bにより羽根5c,5c,…を巻き取
り送り出すことができるとともに、羽根5c,5c,…
の角度を適宜調節することができるものである。すなわ
ち、冬期には図1において仮想線表示したように、支持
枠5a内部に羽根5c,5c,…を巻き取ることによっ
て、屋外側窓2を透過する日射が室内側窓4の窓面に充
分に当たるようにし、夏期には図1において実線表示し
たように、支持枠5aから羽根5c,5c,…を送り出
してこれを屋外側窓2と室内側窓4の間に介在させ、屋
外側窓2を透過する強烈な日射が室内側窓4の窓面にあ
まり当たらないようにすれば、冬期の暖房負荷及び夏期
の冷房負荷をともに軽減させることができる。
【0026】また、電動ブラインド5は、日射を感知す
る光センサー及びタイマーと連動する制御装置(図示せ
ず)により、羽根5c,5c,…の上下動や角度調節が
自動的に行われるように構成されているので、季節に合
わせたきめこまかい室内温度調整が可能となり、年間を
通じて空調負荷の軽減を図ることができる。さらに、電
動ブラインド5は屋外側窓2によって保護されているた
め、建物1の外周面に露出している場合に比べて汚れた
り破損したりしにくくなっている。
【0027】なお、本発明における日射調節手段は、室
内への透光を完全に遮断せずに夏期の強烈な日射を遮
り、室内へ出来るだけ日射を採り入れたい冬期には適宜
撤去できるものであればよいので、電動ブラインド5に
代えて手動ブラインドや、手動により又は自動的に羽根
の角度を調節できるルーバー、手動により又は自動的に
開閉可能なカーテン、ローラーシェード、紙障子、よろ
い戸等を用いることもできる。
【0028】(5)通気口 通気口たる吸気口7A、排気口7Bは、建物1の外周に
面して各階の上部又は下部に設けられた固定ルーバーで
あり、空気層3を外気に連通させる役割を果たしてい
る。すなわち、図1において建物1の当該階外周下部の
吸気口7Aから採り入れられた外気は、温度差により空
気層3中を上昇し、建物1の当該階外周上部の排気口7
Bから排出される。したがって、室内側窓4を開けるこ
とにより、室内に新鮮な空気を採り入れて換気を行うこ
とができるだけでなく、中間期における空調負荷を軽減
することもできる。
【0029】また、図2に示すように、吸気口7Aと排
気口7Bは建物1の外周面に対して千鳥状に設けられて
いる。すなわち、外周上下部にそれぞれ吸気口7A、排
気口7Bが設けられているスパンと、外周上下部にそれ
ぞれ排気口7B、吸気口7Aが設けられているスパンと
が同一階に交互に並んでいる。また、図示しないが、最
下階の外周下部については全てのスパンに吸気口7Aが
設けられるとともに、最上階の外周上部については全て
のスパンに排気口7Bが設けられている。そして、同一
階においては空気層3を水平方向に仕切るものはないの
で、建物1全体の空気層3が万遍なく外気に連通される
ようになっている。
【0030】そして、吸気口7A、排気口7Bを固定ル
ーバーで構成するのではなく、羽根の角度を調節するこ
とにより開閉可能とした可動ルーバーで構成すれば、空
気層3の外気に対する開放度合を季節に応じた室内温度
環境に合わせてきめ細かく調節することができるため、
年間空調負荷のより一層の軽減を図ることができる。
【0031】なお、通気口の構成はここで示したものに
限定されるわけではなく、例えば、吸気と排気を並行し
て行う通気口を設けてもよいし、通気口の配置形態等に
ついても実情に合わせて適宜定めればよい。
【0032】(6)点検用足場 キャットウォーク6は、屋外側窓2と室内側窓4の間の
空間を点検するための足場として、屋外側窓2と室内側
窓4の間の各階フロアレベルに設けられたものである。
したがって、作業者は室内側窓4を開けて室内から直接
キャットウォーク6上に出入りすることにより、電動ブ
ラインド5の保守点検作業や屋外側窓2の内面及び室内
側窓4の外面の清掃作業を容易に行うことができる。
【0033】また、図1からも分かるように、ここでは
吸気口7Aが各階フロアレベルよりも下方に設けられて
いることとの関係上、グレーチングを敷き並べてキャッ
トウォーク6を構成し、キャットウォーク6によって空
気の上下方向の流れが妨げられないようになっている。
なお、点検用足場の構成はここで示したものに限定され
るわけではなく、屋外側窓2と室内側窓4の間の空間を
点検する際の足場となるものであれば、極めて簡易なも
ので足りる。ただし、空気層3内の空気の流れを妨げな
いような形状や配置とする必要があることは言うまでも
ない。
【0034】
【実施例】本発明の効果を確認すべく、外周面に屋外側
窓(窓面はフロート板ガラス)を配設するとともに、そ
の内側に空気層を挟んで室内側窓(窓面は高断熱複層ガ
ラス)を対向配設したダブルスキン構造の実験棟と、高
断熱複層ガラスからなる窓を単純に外周面に設置したシ
ングルスキン構造の実験棟を実際に建設し、以下の実験
を行った。
【0035】(1)夏期におけるガラス間空気層の温度
緩衝効果 1996年7月19日の終日にわたり、ダブルスキン及
びシングルスキンの双方についてエアコンを稼動せずに
室内ブラインドを全開とした同一条件の下、両実験棟の
室温を測定した。その結果を図5に示す。なお、参考デ
ータとして、当該日の日射量を図6に示す。
【0036】図5から、ダブルスキン(W)はシングル
スキン(S)に比べて室温の上昇が抑えられていること
が分かり、ガラス間空気層が夏期において温度緩衝帯の
役割を果たしていることが確認された。
【0037】(2)夏期におけるダブルスキン構造の冷
房負荷軽減効果 1996年8月4日の終日にわたり、ダブルスキン及び
シングルスキンの双方についてエアコンを稼動して(室
温25℃に設定して自動運転)、室内ブラインドを全開
とした同一条件の下、両実験棟の室温及びエアコン消費
電力を測定した。その結果をそれぞれ図7および図8に
示す。なお、参考データとして、当該日の日射量を図9
に示す。
【0038】両実験棟とも室温25℃に設定してエアコ
ンを自動運転させたため、ダブルスキン(W)とシング
ルスキン(S)の双方とも室温はほぼ25℃で一定であ
る(図7参照)。しかし、ダブルスキン(W)はシング
ルスキン(S)に比べてエアコン消費電力が大幅に小さ
く(図8参照)、ダブルスキン(W)の冷房負荷軽減効
果が確認された。
【0039】(3)冬期におけるダブルスキン構造の暖
房負荷軽減効果 1998年1月19日の終日にわたり、ダブルスキン及
びシングルスキンの双方についてエアコンを稼動して
(室温23℃に設定して自動運転)、室内ブラインドを
全開とした同一条件の下、両実験棟の室温及びエアコン
消費電力を測定した。その結果をそれぞれ図10および
図11に示す。なお、参考データとして、当該日の日射
量を図12に示す。
【0040】両実験棟とも室温23℃に設定してエアコ
ンを自動運転させたため、ダブルスキン(W)とシング
ルスキン(S)の双方とも室温はほぼ23℃で一定であ
る(図10参照)。しかし、ダブルスキン(W)はシン
グルスキン(S)に比べてエアコン消費電力が大幅に小
さく(図11参照)、ダブルスキン(W)の暖房負荷軽
減効果が確認された。
【0041】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、屋外側窓
と室内側窓の間に設けた空気層が冬期には保温効果を奏
し、夏期には温度緩衝帯の役割を果たすため、冬期に室
内側窓の外側が保温され、暖房負荷の軽減を図ることが
できるだけでなく、夏期には室内側窓面に届く強烈な日
射が和らげられ室内の温度上昇が緩やかになり、冷房負
荷の軽減を図ることができる。
【0042】請求項2に係る発明によれば、冬期には屋
外側窓を透過した太陽光が室内側窓の高断熱複層ガラス
に充分に当たるように日射調節手段を操作することによ
り、日射エネルギーを充分に室内に採り入れつつ室内熱
放射エネルギーを室内から逃がさないようにすることが
できるだけでなく、夏期には屋外側窓を透過した太陽光
が室内側窓にあまり当たらないように日射調節手段を操
作することにより、日射エネルギーを室内に採り入れな
いようにすることができるので、冬期の暖房負荷だけで
なく夏期の冷房負荷も大幅に軽減することができる。な
お、日射調節手段は屋外側窓によって保護されているた
め、建物外周面に露出している場合に比べて汚れたり破
損したりしにくくなっている。
【0043】請求項3に係る発明によれば、室内側窓を
開けて室内に外気を導入することができるため、室内を
換気することができるとともに、中間期における空調負
荷の軽減を図ることができる。
【0044】請求項4に係る発明によれば、外気に対す
る空気層の開放度合を、季節に応じた室内温度環境に合
わせてきめ細かく調節することができるため、年間空調
負荷のより一層の軽減を図ることができる。
【0045】請求項5に係る発明によれば、作業者が室
内側窓を経由して室内から点検用足場に出入りして、屋
外側窓と室内側窓との間の空間を点検することができる
ため、日射調節手段等のメンテナンスが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建物外周構造の一実施形態を表す
要部縦断面図である。
【図2】同要部立面図である。
【図3】高断熱複層ガラスの構成例を表す部分断面斜視
図である。
【図4】高断熱複層ガラスに用いられる、片面に金属酸
化物膜がコーティングされたガラスの特性を示すグラフ
を表す図である。
【図5】夏期におけるガラス間空気層の温度緩衝効果を
表す図であって、1996年7月19日にエアコンを稼
動せずに測定した、ダブルスキン棟とシングルスキン棟
の室温を比較したものである。
【図6】1996年7月19日の日射量を表す図であ
る。
【図7】夏期におけるダブルスキン構造の冷房負荷軽減
効果を表す図であって、1996年8月4日にエアコン
を稼動して測定した、ダブルスキン棟とシングルスキン
棟の室温を表すものである。
【図8】同エアコン消費電力を比較した図である。
【図9】1996年8月4日の日射量を表す図である。
【図10】冬期におけるダブルスキン構造の暖房負荷軽
減効果を表す図であって、1998年1月19日にエア
コンを稼動して測定した、ダブルスキン棟とシングルス
キン棟の室温を表すものである。
【図11】同エアコン消費電力を比較した図である。
【図12】1998年1月19日の日射量を表す図であ
る。
【符号の説明】
1 … 建物 2 … 屋外側窓 3 … 空気層 4 … 室内側窓 4a … スペーサ 4b,4c … ガラス板 4d … 乾燥空気層 4e … 金属酸化物膜 5 … 電動ブラインド(日射調節手段) 5a … 支持枠 5b … モータ 5c … 羽根 6 … キャットウォーク(点検用足場) 7A … 吸気口(通気口) 7B … 排気口(通気口)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 500116258 ヨゼフ ガルトナー ゲゼルシャフト ミ ト ベシュレンクテル ハフツング ウン ト コンパニー コマンデイトゲゼルシャ フト JOSEF GARTNER GESEL LSCHAFT MIT BESCHRA NKTER HAFTUNG&COMPA GNIE KOMMANDITGESEL LSCHAFT ドイツ国 グンデルフィンゲン D− 89421 ポストファック 20/40 POSTFACH 20/40 D−89421 GUNDELFINGEN GERMAN Y (71)出願人 591078929 菊川工業株式会社 東京都墨田区菊川2−18−10 (72)発明者 六鹿 正治 東京都新宿区西新宿6−5−1 新宿アイ ランドタワー29階 株式会社日本設計内 (72)発明者 杉丸 淳 東京都新宿区西新宿6−5−1 新宿アイ ランドタワー29階 株式会社日本設計内 (72)発明者 クラウス ローター ドイツ国 グンデルフィンゲン D− 89421 ポストファック 20/40 ヨゼフ ガルトナー ゲゼルシャフト ミト ベ シュレンクテル ハフツング ウント コ ンパニー コマンデイトゲゼルシャフト内 (72)発明者 田中 宏 東京都葛飾区高砂8−1−20 藤岡マンシ ョン401号 (72)発明者 増田 陽一 神奈川県横浜市神奈川区反町3−23 柴田 ビル401号 Fターム(参考) 2E001 DB02 FA00 FA03 FA32 GA06 HA11 HB01 HB04 HB05 NB02 NC06 ND14 ND15 ND16 4G061 AA20 BA01 CD02 CD21 DA09 DA14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の外周面に配設された屋外側窓と、
    この屋外側窓の内側に空気層を挟んで対向配設された室
    内側窓と、を備えてなり、 前記室内側窓が、短波長の日射エネルギーを室内に採り
    入れつつ長波長の室内熱放射エネルギーをほとんど室内
    側に反射する特性を示す高断熱複層ガラスを有してな
    る、ことを特徴とする建物外周構造。
  2. 【請求項2】 前記屋外側窓と前記室内側窓の間に配設
    された日射調節手段を備えることを特徴とする請求項1
    記載の建物外周構造。
  3. 【請求項3】 前記空気層を外気に連通させるための通
    気口を備えるとともに、前記室内側窓が開閉可能であ
    る、ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の建物
    外周構造。
  4. 【請求項4】 前記通気口が開閉可能であることを特徴
    とする請求項3記載の建物外周構造。
  5. 【請求項5】 前記屋外側窓と前記室内側窓の間に、該
    室内側窓を経由して室内から出入可能な点検用足場を備
    える、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれ
    か一項に記載の建物外周構造。
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