JP2001253315A - シートベルト転向具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 ベルトガイド等の常設式ベルト転向装置をシ
ートバック又はピラー等の車体に配設することなく、し
かも、チャイルドシート等の比較的大型且つ高重量の設
備を使用することなく、幼児又は低年齢児童等が従来の
シートベルト装置を適切に着用し得るようにした簡易且
つ軽量なシートベルト転向具を提供する。 【解決手段】 シートベルト転向具１は、乗員の首に係
止可能な柔軟な素材で作られ、車両用シートベルトのシ
ョルダーベルト部分を転向するように機能する。シート
ベルト転向具は、乗員の首の背後に位置決め可能な中間
部２と、中間部の両側から前方に延び且つ乗員の首の左
右に位置決め可能な一対の腕部３と、中間部及び腕部の
内側に画成され且つ乗員の首を挿入可能な中空部４とを
有する。少なくとも一方の腕部の外側面には、シートベ
ルトを挿通可能なシートベルト挿入手段１０、１１が形
成される。腕部は、シートベルトを乗員の首から離間せ
しめる幅を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、シートベルト転向
具に関するものであり、より詳細には、幼児又は低年齢
児童等においても、従来のシートベルト装置を適切に着
用可能にする小型且つ軽量なシートベルト転向具に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】車両用シートベルト装置は、成人の体形
を規準に設計されていることから、幼児又は低年齢児童
等の体形に適応し難い。このため、シートバックの肩部
又はピラーの中間部等にベルトガイドを取付け、幼児等
の着席時にシートベルトの横断レベルを下方に変位する
ようにした各種構成のシートベルト装置が提案されてい
る（例えば、実開平２−１００９６３号、実開平１−７
３４４３号、実開平１−８３６５３号公報等）。この種
のシートベルトのレベル変更手段は、変更操作が困難で
あったり、或いは、誤操作による弊害が懸念されるなど
の難点があり、実際には、広く普及するに至っていな
い。

【０００３】これに対し、近年では、車両衝撃時の幼児
保護を目的としたチャイルドシートが急速に普及しつつ
あり、チャイルドシートは、既に多くの一般車両におい
て使用されている。一般に、チャイルドシートは、助手
席等のシートクッション上に置かれ、シートベルトを着
用できない座高の幼児等は、チャイルドシート上に着席
する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、チャイ
ルドシートは、成人が助手席等に着席する場合には、そ
の都度、車外に搬出しなければならない。即ち、チャイ
ルドシートは、幼児が座席に着席する場合にのみ座席上
に過渡的に配置され、常時は、座席から取り外され、任
意の収納場所に保管される。チャイルドシートの外形寸
法及び重量は比較的大きく、チャイルドシートの頻繁な
移動に伴う労力は、自動車ユーザーにとっては、かなり
の肉体的且つ精神的な負担となる。

【０００５】また、チャイルドシートは、その価格が比
較的高額であるにもかかわらず、幼児の成長に伴って数
年で不要となる場合があり、ユーザーの経済的負担や、
不要時の廃棄処分の手間等を考慮すると、必ずしも有利
であるとは結論し難い。

【０００６】しかも、幼児の頭部は、チャイルドシート
の有無に応じて大幅に相違することから、チャイルドシ
ートの使用・不使用に応じて助手席用エアバックの作動
形態を変更する必要が生じたり、或いは、乗員の着座又
は離座を検出する着座センサ等を備えた車両において
は、チャイルドシートの有無に相応して着座判定手段を
設定変更する必要性などが指摘されており、このため、
車載制御システムの構成が複雑化するなどの不利益が、
事実上の問題として提起されている。

【０００７】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、ベルトガイド等の
常設式ベルト転向装置をシートバック又はピラー等の車
体に配設することなく、しかも、チャイルドシート等の
比較的大型且つ高重量の設備を使用することなく、幼児
又は低年齢児童等が従来のシートベルト装置を適切に着
用し得るようにした簡易且つ軽量なシートベルト転向具
を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記
目的を達成すべく、乗員の首に係止可能な柔軟な素材で
作られ且つ車両用シートベルトのショルダーベルト部分
を転向するように機能するシートベルト転向具を提供す
る。シートベルト転向具は、乗員の首の背後に位置決め
可能な中間部と、中間部の両側から前方に延び且つ乗員
の首の左右に位置決め可能な一対の腕部と、中間部及び
腕部の内側に画成され且つ乗員の首を挿入可能な中空部
とを有する。少なくとも一方の腕部の外側面には、シー
トベルトを挿通可能なシートベルト挿入手段が形成さ
れ、腕部は、シートベルトを乗員の首から離間せしめる
幅を有する。

【０００９】本発明の上記構成によれば、シートベルト
転向具は、幼児又は低年齢児童の首廻りに装着され、シ
ートベルトのショルダーベルト部分は、シートベルト挿
入手段に挿通され、腕部の輪郭に沿って若干上向きに転
向する。このような転向具によれば、ベルトガイド等の
常設式ベルト転向装置をシートバック又はピラー等の車
体に配設することなく、成人の体型を規準とした従来の
シートベルト装置のショルダーベルト経路を変更し、幼
児等の胸部から腰部近傍にかけてショルダーベルト部分
を確実に位置決めすることができる。また、このような
シートベルト転向具によれば、チャイルドシート等の比
較的大型且つ高重量の設備を要することなく、従来形式
のシートベルト装置によって、成人と同様に幼児等を衝
突時の衝撃から保護することができる。しかも、上記シ
ートベルト転向具によれば、幼児等の体型又は座高等の
相違に係わらず、常に幼児の首廻りにシートベルト転向
手段を形成することができるので、極めて汎用性が高
く、実用的に有利である。

【００１０】また、転向具の腕部は、シートベルトを乗
員の首から離間せしめる幅を有し、ショルダーベルト部
分の上部を幼児又は低年齢児童の肩口に確実に位置決め
することができ、しかも、幼児等の視界を遮ることがな
く、幼児等に不快感を与えない。

【００１１】更に、上記シートベルト転向具は、小形且
つ軽量な構成を有し、乗車時及び降車時に容易に着脱し
且つ保管収納し得る簡便性を備えており、加えて、チャ
イルドシートや、従来のシートベルト転向装置に比べて
遙に安価に製造し得る構成を有する。従って、本発明の
シートベルト転向具は、極めて高い実利性を有する。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態によれ
ば、上記中間部及び腕部は、表層材料を被覆したエアク
ッション材料又は樹脂発泡成形品からなる。好ましく
は、表層材料は、織布、不織布、合成樹脂シート、ゴム
シート又はエラストマーシートからなり、上記エアクッ
ション又は樹脂発泡成形品を収容可能な内部領域を備え
た袋体に形成され、袋体は、上記中間部及び腕部の形態
を有する。なお、エアクッションとして、空気層を封入
した密封構造の合成樹脂製袋体、或いは、空気を微細な
間隙に封入した綿等の繊維集合体などを好適に使用し得
る。

【００１３】本発明の他の好ましい実施形態によれば、
上記中間部及び腕部は、比較的厚手のシート状材料を巻
回してなる棒状体からなり、乗員の首を囲むように湾曲
又は屈曲し、上記中空部は、湾曲又は屈曲した棒状体の
中心領域に形成される。好ましくは、上記シート状材料
は、織布、不織布、合成樹脂シート、ゴムシート又はエ
ラストマーシートの平板形袋体からなり、該袋体の内部
には、エアクッション材料又は樹脂発泡成形品が収容さ
れる。

【００１４】本発明の更に好適な実施形態によれば、上
記シートベルト挿入手段は、前記腕部の外側面におい
て、腕部の長手方向又は高さ方向に延びる間隙として形
成される。シートベルト挿入手段を左右の腕部に夫々形
成し、或いは、想定した座席の位置に応じて片側の腕部
のみに形成しても良い。

【００１５】

【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明の好適な
実施例について詳細に説明する。図１、図２及び図３
は、本発明の第１実施例に係るシートベルト転向具の全
体構成を示す平面図、正面図、背面図、縦断面図及び斜
視図である。

【００１６】シートベルト転向具１は、平面視におい
て、部分的に開口した概ね環状の形態を有し、左右一対
の腕部３と、腕部３の中間に位置する中間連結部２とを
備える。中間連結部２及び腕部３は、８乃至１５cmの直
径の円形断面又は楕円形断面を有する。転向具１の外表
面は、袋体に縫製された織布５で全体的に被覆される。

【００１７】図２（Ｂ）に示す如く、開閉可能なジッパ
ー６が、織布５の背面に取付けられ、ジッパー６は、転
向具１の幅方向に水平に延在する。図２（Ｃ）に示す如
く、空気を密封可能な合成樹脂製の空気袋７が、織布５
内に収納される。空気袋７は、弾力的な合成樹脂材料の
シートによって一体的に成形され、転向具１の輪郭と実
質的に同一の形態に賦型される。空気袋７は、空気を密
封可能な空気導入栓９を備える。導入栓９を介して空気
袋７内に導入された空気は、密閉空気層８を空気袋７内
に形成する。空気袋７は、素材の弾力性及び空気の圧縮
変形により、人体に柔軟に接触可能な変形能を保有する
とともに、外部からの衝撃を緩衝可能なエアクッション
として機能する。空気袋７は、所望により、空気層８の
空気圧を調整する空気圧調整弁（図示せず）を備え、調
整弁は、極端に高い圧力が作用したときに内部の空気を
大気開放する。空気袋７は、ジッパー６の開放により、
織布５から取出し、或いは、織布５内に挿入することが
できる。

【００１８】帯状フラップ１１が、一方の腕部３に取付
けられる。フラップ１１は、織布５と実質的に同一の素
材で作られ、腕部３の側面に水平に延びる。フラップ１
１の第１端部１２が、織布５に縫着される。上下一対の
スナップ嵌合式雌型留め具１５が、フラップ１１の第２
端部１３に取付けられる。留め具１５に対応する上下一
対の雄型留め具（図示せず）が、織布１に取付けられ、
雄型留め具は、留め具１５と相互嵌合し、第２端部１３
を腕部３の側面に保持する。フラップ１１は、シートベ
ルトを挿通可能な間隙１０を腕部３の側部に形成する。

【００１９】腕部３の先端部３０は、若干接近するよう
に内側に湾曲して終端し、先端部３０の間には、幼児の
首の直径よりも若干狭い幅を有する開口部４０が形成さ
れる。開口部４０は、転向具１の中心領域に形成された
円形中空部４に連続する。中空部４の直径は、幼児の首
の直径よりも若干大きな寸法に設定され、中空部４は、
使用時に幼児の首を収容する。

【００２０】使用において、幼児の首は、開口部４０か
ら中空部４内に挿入される。開口部４０は、首の挿入時
に若干拡大した後、原形に復元し、腕部３及び中間連結
部２は、幼児の首廻りに若干の遊び寸法を確保して首に
嵌着する。シートベルト５０のショルダーベルト部分
（仮想線で示す）が、間隙１０に挿入され、腕部３の輪
郭に従って転向し、腕部３から斜め下方に延びる。

【００２１】図４は、転向具１の使用形態を示す斜視図
であり、図４には、助手席６０に着席した幼児（仮想線
で示す）が転向具１を着用した状態が例示されている。
転向具１は、幼児の首廻りに比較的緩く嵌着し、幼児の
首に保持される。シートベルト５０は、車体のセンタピ
ラー（図示せず）に固定された巻取器（リトラクタ）５
１から上方に延び、センタピラー上部に取付けられたベ
ルトガイド５２によって下方に折り返し、助手席６０の
シートバック６１に向かって斜め下方に延びる。シート
ベルト５０のショルダーベルト部分５３は、助手席６０
を斜めに横断し、中継具５５によってドア側に折り返さ
れ、ラップベルト部分５４に連続する。中継具５５は、
車体中央部の床部分に配置されるバックル（図示せず）
に係止可能なタングプレートを備える。ラップベルト部
分５４は、シートクッション６２上の幼児の腰部近傍を
横断し、ラップベルト部分５４の先端部（ベルトアン
カ）５６は、ドア廻りの車体床部分に配置されたシート
ベルト保持具（図示せず）に着脱可能に係止する。

【００２２】ベルトガイド５２において比較的鋭角に折
り返したショルダーベルト部分５３は、幼児の首廻りに
位置する転向具１の間隙１０を貫通し、間隙１０におい
て、比較的緩い傾斜角度に転向した後、幼児の肩口から
幼児の胸部近傍を横断し、中継具５５に達する。

【００２３】このように、上記構成の転向具１によれ
ば、成人の体型を規準とした従来のシートベルト装置の
ショルダーベルト経路が、転向具１によって下方に変位
するので、ショルダーベルト部分５３は、幼児の頭部又
は顔面部分を横断することなく、幼児の胸部から腰部近
傍に向かって斜め下方に延びるように位置決めされる。
上記構成の転向具１は、幼児の体型又は座高等の相違に
係わらず、常に幼児の首廻りにシートベルト転向手段を
形成するので、極めて汎用性が高く、しかも、チャイル
ドシートや、従来のシートベルト転向装置に比べて遙に
安価に製造し得る構成を有するので、実用的に極めて有
利である。

【００２４】また、腕部３は、幼児の首とショルダーベ
ルト部分５３との間にエアクッションを形成するので、
ショルダーベルト部分５３による首廻りの不快な感触又
は圧力を幼児に与えず、しかも、転向具１は、幼児の視
界を遮ることがなく、更には、乗車時及び降車時に幼児
から容易に着脱し得る簡便性を備える。

【００２５】転向具１は又、小形且つ軽量な構成を有
し、容易に移動し且つ保管することができる。しかも、
上記構成の転向具１は、導入栓９を開放して空気袋７内
の空気を排出することにより、携帯可能に折り畳むこと
ができる。なお、転向具１をショルダーベルト部分５３
に常時係留しても良い。この場合、幼児のシートベルト
着用と、首部分への転向具１の装着とが、同時に行われ
る。

【００２６】図５及び図６は、本発明の第２実施例に係
るシートベルト転向具を展開状態で示す正面図、側面
図、平面図及び背面図である。また、図７は、シートベ
ルト転向具を巻回した状態を示す正面図及び縦断面図で
あり、図８は、シートベルト転向具の使用形態を示す平
面図及び斜視図である。

【００２７】本例のシートベルト転向具１は、全体的に
長方形に縫製された平板形態の布製袋体２０からなり、
袋体内部には、厚手の綿又は発泡樹脂シート等のクッシ
ョン材料３５（図７）が収納される。袋体２０は、シー
ト型クッション材料３５を織布２１で挟み、織布２１の
外周縁を縫合した構成のものであり、両側の織布２１を
部分逢着する複数の線型縫合２２が、適当な相互間隔を
隔てて袋体２０に付加的に施される。

【００２８】対をなすベルクロ（登録商標）ファスナー
等の係止具２３が、転向具１の中心部に取付けられる。
係止具２３は、転向具１の各面に配置され、転向具１の
巻回時に整合し、相互係止する。左右一対の布製舌状片
２４が、転向具１の片面に左右対称に取付けられる。各
舌状片２４の基端部２５は、織布２１に縫着し、各舌状
片２４の自由端部は、雄型ホック等の複数の留め具２６
を備える。各留め具２６と対応する雌型ホック等の留め
具２７が、転向具１の上縁に沿って取付けられる。留め
具２６、２７は、転向具１の巻回時に整合し、相互係止
する。左右一対の布製突状片３１が、転向具１の両側縁
に左右対称に取付けられる。各突状片３１の基端部は、
織布２１に縫着し、各突状片３１の自由端部は、雄型ホ
ック等の係止具３２、或いは、雌型ホック等の係止具３
３を備える。

【００２９】平板形態に展開した転向具１は、これを下
縁から巻回することにより、図７に示す如く、柔軟な棒
状ロールを形成する。一対の係止具２３は、互いに整合
して相互係止し、また、舌状片２４の留め具２６は、織
布２１上の留め具２７と整合して相互係止する。

【００３０】左右の突状片３１は、転向具１を中心部か
ら屈曲することにより、図８（Ａ）に示す如く、互いに
接近し、転向具１は、突状片３１の係止具３２、３３の
相互係止により、中心連結部２、腕部３及び中空部４を
有する環状のシートベルト転向具１を形成する。実際に
幼児が転向具１を着用する際には、棒状ロール形態の転
向具１を幼児の首の背後に置き、左右の突状片３１を前
方に引っ張り、係止具３２、３３を整合して挟圧し、係
止具３２、３３を相互係止すれば良い。かくして、転向
具１は、図８（Ｂ）に示す如く、幼児の首に巻かれる。

【００３１】幼児が転向具１を着用した際、舌状片２４
は、ショルダーベルト部分５３を挿通可能な間隙１０を
腕部３の側面に形成する。間隙１０に挿入されたショル
ダーベルト部分５３は、腕部３の輪郭に沿って転向し、
この結果、幼児の肩口から胸部に沿って腰部近傍に延び
るように配向される。

【００３２】本実施例の転向具１も又、第１実施例と同
様、従来のシートベルト装置のショルダーベルト経路を
下方に変位せしめるので、ショルダーベルト部分５３
は、幼児の頭部又は顔面部分を横断することなく、確実
に幼児の胸部から腰部近傍にかけて位置決めされる。ま
た、本実施例の転向具１も又、幼児体形に対する高い汎
用性、着用時の快適性、着脱の簡便性、小形且つ軽量
性、携帯容易性、製造容易性等の各種利点を有するの
で、実用的に極めて有益である。

【００３３】以上、本発明の好適な実施例について詳細
に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるもので
はなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で
種々の変形又は変更が可能である。

【００３４】例えば、上記各実施例では、表層材料とし
て織布を使用しているが、不織布、合成樹脂シート、ゴ
ムシート又はエラストマーシート等の柔軟な素材を表層
材料として使用しても良い。

【００３５】また、上記第１実施例では、片側の腕部に
のみ間隙１０を形成したが、両側の腕部に間隙１０を形
成しても良い。更に、上記第１実施例では、間隙１０
は、腕部の長手方向に沿って延びるように配向されてい
るが、図1に仮想線で示すように、帯状フラップ１１及
び間隙１０を上下方向に延びるように配向し、或いは、
斜め方向に延びるように配向しても良い。

【００３６】また、柔軟な表層を有する発泡樹脂等の素
材より、上記第１実施例の形態の転向具、或いは、上記
第２実施例の棒状体を一体成形しても良い。この場合、
比較的肌触りが良い軟質樹脂又はエラストマー等で表層
を形成し、比較的高剛性の樹脂で芯材を形成したり、或
いは、長孔形態、長円形、楕円形又は長方形形態等の各
種形態の間隙を腕部の成形時に同時一体成形するなど、
本発明の技術を多種多様な態様に設計変更することがで
きる。

【００３７】

【発明の効果】以上説明した如く、本発明の上記構成に
よれば、ベルトガイド等の車載式ベルト転向装置をシー
トバック又はピラー等の車体に配設することなく、しか
も、チャイルドシート等の比較的大型且つ高重量の設備
を使用することなく、幼児又は低年齢児童が従来のシー
トベルト装置を適切に着用するようにした簡易且つ軽量
なシートベルト転向具を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】発明の第１実施例に係るシートベルト転向具の
全体構成を示す平面図（Ａ図）及び正面図（Ｂ図）であ
る。

【図２】図１に示すシートベルト転向具の背面図（Ａ
図）及びＩ−Ｉ線断面図（Ｂ図）である。

【図３】図１及び図２に示すシートベルト転向具の斜視
図である。

【図４】図１乃至図３に示すシートベルト転向具の使用
形態を示す斜視図である。

【図５】本発明の第２実施例に係るシートベルト転向具
を展開状態で示す正面図（Ａ図）及び側面図（Ｂ図）で
ある。

【図６】図５に示すシートベルト転向具の平面図（Ａ
図）及び背面図（Ｂ図）である。

【図７】図５及び図６に示すシートベルト転向具を巻回
状態で示す正面図（Ａ図）及びII−II線断面図（Ｂ図）
である。

【図８】シートベルト転向具の使用形態を示す平面図
（Ａ図）及び斜視図（Ｂ図）である。

【符号の説明】

１ シートベルト転向具 ２ 中間連結部 ３ 腕部 ４ 中空部 ５ 織布 ６ ジッパー ７ 空気袋 ８ 密封空気層 ９ 空気導入栓 １０ 間隙 １１ 帯状フラップ ３０ 先端部 ４０ 開口部 ５０ シートベルト ６０ 助手席

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 乗員の首に係止可能な柔軟な素材で作ら
   れ、車両用シートベルトのショルダーベルト部分を転向
   するように機能するシートベルト転向具であって、 乗員の首の背後に位置決め可能な中間部と、中間部の両
   側から前方に延び且つ乗員の首の左右に位置決め可能な
   一対の腕部と、前記中間部及び腕部の内側に画成され且
   つ乗員の首を挿入可能な中空部とを有し、少なくとも一
   方の前記腕部の外側面には、前記シートベルトを挿通可
   能なシートベルト挿入手段が形成され、前記腕部は、前
   記シートベルトを乗員の首から離間せしめる幅を有する
   ことを特徴とするシートベルト転向具。
2. 【請求項２】 前記中間部及び腕部は、表層材料を被覆
   したエアクッション材料により形成されることを特徴と
   する請求項１に記載のシートベルト転向具。
3. 【請求項３】 前記中間部及び腕部は、表層材料を被覆
   した樹脂発泡成形品からなることを特徴とする請求項１
   に記載のシートベルト転向具。
4. 【請求項４】 前記表層材料は、織布、不織布、合成樹
   脂シート、ゴムシート又はエラストマーシートからな
   り、前記中間部及び腕部の形態に形成され且つ前記エア
   クッション又は樹脂発泡成形品を収容可能な内部領域を
   有する袋体に形成されることを特徴とする請求項２又は
   ３に記載のシートベルト転向具。
5. 【請求項５】 前記中間部及び腕部は、比較的厚手のシ
   ート状材料を巻回してなる棒状体からなり、該棒状体
   は、乗員の首を囲むように湾曲又は屈曲し、前記中空部
   は、湾曲又は屈曲した棒状体の中心領域に形成されるこ
   とを特徴とする請求項１に記載のシートベルト転向具。
6. 【請求項６】 前記シート状材料は、織布、不織布、合
   成樹脂シート、ゴムシート又はエラストマーシートを平
   板形態に成形した袋体からなり、該袋体の内部には、エ
   アクッション材料又は樹脂発泡成形品が収容されること
   を特徴とする請求項５に記載のシートベルト転向具。
7. 【請求項７】 前記シートベルト挿入手段は、前記腕部
   の外側面において、該腕部の長手方向に延びる間隙とし
   て形成されることを特徴とする請求項１乃至６のいずれ
   か１項に記載のシートベルト転向具。
8. 【請求項８】 前記シートベルト挿入手段は、前記腕部
   の外側面において、該腕部の高さ方向に延びる間隙とし
   て形成されることを特徴とする請求項１乃至６のいずれ
   か１項に記載のシートベルト転向具。
9. 【請求項９】 前記シートベルト挿入手段は、左右の前
   記腕部の外側面に夫々形成されることを特徴とする請求
   項７又は８に記載のシートベルト転向具。