JP2001253106A - サーマルプリンタ及びサーマルヘッドの制御方法 - Google Patents

サーマルプリンタ及びサーマルヘッドの制御方法

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JP2001253106A
JP2001253106A JP2000065255A JP2000065255A JP2001253106A JP 2001253106 A JP2001253106 A JP 2001253106A JP 2000065255 A JP2000065255 A JP 2000065255A JP 2000065255 A JP2000065255 A JP 2000065255A JP 2001253106 A JP2001253106 A JP 2001253106A
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JP
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thermal head
temperature
maximum value
energy
thermal
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JP2000065255A
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English (en)
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Yozo Kobayashi
陽三 小林
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Toshiba TEC Corp
Original Assignee
Toshiba TEC Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きすぎるエネルギーを誤って印加すること
によりサーマルヘッドの寿命を短くしてしまう不都合の
発生を防止する。 【解決手段】 サーマルヘッドの発熱部を構成する発熱
抵抗体にエネルギーを印加することにより発熱部の温度
を上昇させて用紙に印字を行うサーマルヘッドの制御方
法において、予め、印字時の発熱部がとり得る各温度に
ついて、発熱抵抗体がその寿命を損なわない範囲で温度
上昇する程度のエネルギーを求め、求めたエネルギーを
超えないように最大値を設定しておき、印字の際には、
発熱部の温度を検知し、この温度に応じた最大値以下に
発熱抵抗体に印加するエネルギーを規制する(S6〜S
9)ことによって、大きすぎるエネルギーを誤って印加
することを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルヘッドの
発熱抵抗体を発熱させて印字を行うサーマルプリンタ及
びこのサーマルプリンタに用いるサーマルヘッドの制御
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、サーマルヘッドを用いて印字を行
うサーマルプリンタが用いられている。サーマルヘッド
は、用紙幅方向に沿って並んだ多数の発熱抵抗体を備え
ているものや、発熱抵抗体が用紙の幅方向と直交する方
向に配列され、キャリッジに載せられて用紙の幅方向に
移動するものが知られている。
【0003】一般に、サーマルプリンタでの印字形式と
しては、感熱紙を用いる形式のもの、インクリボンを用
いて、普通紙などの用紙にインクリボンのインクを熱転
写する形式のもの、或いは、昇華性インクを用いて、イ
ンクの蒸気により記録する形式のもの等、種々の形式の
ものがある。
【0004】近年、これらの印字形式では、画像の高密
度化、カラー化、多重記録化、高階調記録化などが進ん
でいる。印字終了までに要する時間を長くすることなく
このような高機能を実現するためには、印字を高速で行
うことが必要である。印字を高速化するためには、印字
スピードが遅い場合に比べて、サーマルヘッドの発熱抵
抗体への通電時間を短くするとともに印加電圧を増大
し、サーマルヘッドのピーク温度を高温にする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】印字の高速化にあたっ
て、サーマルヘッドの発熱抵抗体への通電時間を短くす
るとともに印加電圧を増大し、サーマルヘッドのピーク
温度を高温にするには、サーマルヘッドに瞬間的に大き
いエネルギーを印加することになる。その際、サーマル
ヘッドの温度が高いほど、サーマルヘッドに印加可能な
エネルギーの最大値が小さくなるが、そのサーマルヘッ
ドの温度に対応する最大値よりも大きいエネルギーをサ
ーマルヘッドに印加してしまうと、発熱抵抗体の断線な
どが起こって、サーマルヘッドの寿命が短くなってしま
う。
【0006】また、サーマルプリンタで連続して印字を
行う場合、サーマルヘッドの温度は、断続的に印字を行
う場合よりも、早く上昇する。このような場合にも、上
と同じく、このベース温度に対して、サーマルヘッドに
印加するエネルギーが大きすぎると、サーマルヘッドの
寿命が短くなってしまう。
【0007】さらにまた、感熱紙やインクリボンが低温
になっている状態で印字する場合には、感熱紙やインク
リボンの温度が低い分だけサーマルヘッドを高温にしな
ければならない上に、印字を高速化するためサーマルヘ
ッドを瞬時に高温にしなければならない。したがって、
低温時の高速印字では常温時の高速印字よりもさらに大
きいエネルギーがサーマルヘッドに瞬間的に印加される
ことになる。しかし、サーマルヘッドの温度に対して、
サーマルヘッドに印加可能な最大エネルギーを規制して
いないと、サーマルヘッドの寿命が短かくなってしまう
という不具合がある。
【0008】従来は、サーマルヘッドの温度に対して印
加可能なエネルギーを規定していない。印加エネルギー
に関して規定されているのは、図3や図4に示すような
絶対最大定格による上限規制であるので、ヘッド温度が
高くなっていると、絶対最大定格以下であっても、発熱
抵抗体の断線などを引き起こしてしまう。よって、サー
マルヘッドの温度が上昇するに従って、ヘッドの寿命が
短くなる可能性がある。
【0009】本発明は、大きすぎるエネルギーを誤って
印加することによりサーマルヘッドの寿命を短くしてし
まう不都合の発生を防止し、サーマルヘッドを長寿命化
することを目的とする。
【0010】また、本発明は、印字品質を良好に保ちつ
つ、サーマルヘッドを長寿命化することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明のサ
ーマルプリンタは、サーマルヘッドに設けられた発熱抵
抗体にエネルギーを印加することにより前記発熱抵抗体
の温度を上昇させて用紙に印字するサーマルプリンタに
おいて、予め前記サーマルヘッドの温度に応じて前記発
熱抵抗体に印加可能なエネルギーの最大値を記憶する記
憶部と、前記サーマルヘッドの温度を測定する測定部
と、前記測定された温度に対するエネルギーが前記最大
値を超えるか否かを判断し、超える場合には前記最大値
を前記サーマルヘッドに印加する制御手段とを有する。
【0012】これにより、予め、発熱抵抗体がその寿命
を損なわない範囲で温度上昇する程度のエネルギーを、
印字時のサーマルヘッドがとり得る各温度について求め
て、その求めたエネルギーを超えないように最大値を設
定して、記憶部に記憶させておき、印字時に測定部によ
ってサーマルヘッドの温度を検知し、制御手段によって
この温度に応じた最大値以下に発熱抵抗体に印加するエ
ネルギーを規制することによって、大きすぎるエネルギ
ーを誤って印加することを防止する。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載のサ
ーマルプリンタであって、前記記憶部は、不揮発性の記
憶媒体である。
【0014】これにより、設定した最大値を保存でき
る。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載のサーマルプリンタであって、外部の温度を検出する
第二の測定部を有し、前記制御手段は、前記第二の測定
部も参照するようにした。
【0016】最大値の選択にあたって、感熱紙やインク
リボン等の記録する媒体の温度も考慮されるように、第
二の測定部により外部の温度を測定して、感熱紙やイン
クリボンの温度に代える。これにより、例えば感熱紙の
温度が低いために発熱抵抗体に多めのエネルギーを印加
する必要がある場合などに、適した最大値を選択可能と
することにより、そのような場合でもエネルギーが抑え
られ過ぎて不足して印字が薄くなる等といった不都合を
防止する。
【0017】請求項4記載の発明は、請求項1,2又は
3記載のサーマルプリンタであって、印字スピードを切
り換える切り換え手段を有し、前記最大値が各印字スピ
ード毎に設定されている。
【0018】これにより、印字スピードに適した最大値
を選択可能として、例えば印字スピードが速いのにエネ
ルギーが少なくて印字が薄くなる等といった不都合を防
止する。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項1,2,3
又は4記載のサーマルプリンタであって、前記発熱抵抗
体の基部となるグレーズの厚さ毎に前記最大値を設定し
た。
【0020】例えば、グレーズが厚いと、蓄熱性能が良
くなるので、過熱を避けるためには、グレーズが薄い場
合に比べて少ないエネルギーを印加するのがよい。逆
に、グレーズが薄いと、蓄熱性能が悪くなるので、グレ
ーズが厚い場合に比べて大きいエネルギーを印加しない
と、サーマルヘッドが冷めるのが速いために印字に十分
な温度を得られず印字が薄くなってしまう。したがっ
て、グレーズの厚さの違いによっても最大値を選択可能
とする。
【0021】請求項6記載の発明のサーマルヘッドの制
御方法は、サーマルヘッドに設けられた発熱抵抗体にエ
ネルギーを印加することにより前記発熱抵抗体の温度を
上昇させて用紙に印字を行う前記サーマルヘッドの制御
方法において、予め前記サーマルヘッドの温度に応じて
前記発熱抵抗体に印加可能とするエネルギーの最大値を
設定しておき、印字時には、前記サーマルヘッドの温度
を測定し、測定された前記サーマルヘッドの温度に対応
する前記最大値に基づいて前記発熱抵抗体に印加するエ
ネルギーを前記最大値以下に規制する。
【0022】これにより、予め、発熱抵抗体がその寿命
を損なわない範囲で温度上昇する程度のエネルギーを、
印字時のサーマルヘッドがとり得る各温度について求め
て、その求めたエネルギーを超えないように最大値を設
定しておき、印字時にサーマルヘッドの温度を検知し、
この温度に応じた最大値以下に発熱抵抗体に印加するエ
ネルギーを規制することによって、大きすぎるエネルギ
ーを誤って印加することを防止する。
【0023】請求項7記載の発明は、請求項6記載のサ
ーマルヘッドの制御方法であって、前記最大値は、不揮
発性の記憶媒体に格納されていて、印字時に読み出され
る。
【0024】これにより、請求項6での最大値の設定が
容易に行える。
【0025】請求項8記載の発明は、請求項6又は7記
載のサーマルヘッドの制御方法であって、前記最大値の
設定にあたって、印字時に前記サーマルヘッドの周囲の
温度も参照する。
【0026】これにより、最大値の選択にあたって、感
熱紙やインクリボン等の記録する媒体の温度も考慮され
るようにし、例えば感熱紙の温度が低いために発熱抵抗
体に多めのエネルギーを印加する必要がある場合など
に、適した最大値を選択可能とすることにより、そのよ
うな場合でもエネルギーが抑えられ過ぎて不足して印字
が薄くなる等といった不都合を防止する。
【0027】請求項9記載の発明は、請求項6,7又は
8記載のサーマルヘッドの制御方法であって、印字スピ
ードを複数種類に切替可能とし、前記最大値を各印字ス
ピード毎に設定した。
【0028】これにより、印字スピードに適した最大値
を選択可能として、例えば印字スピードが速いのにエネ
ルギーが少なくて印字が薄くなる等といった不都合を防
止する。
【0029】請求項10記載の発明は、請求項6,7,
8又は9記載のサーマルヘッドの制御方法であって、前
記発熱抵抗体の基部となるグレーズの厚さ毎に前記最大
値を設定した。
【0030】例えば、グレーズが厚いと、蓄熱性能が良
くなるので、過熱を避けるためには、グレーズが薄い場
合に比べて少ないエネルギーを印加するのがよい。逆
に、グレーズが薄いと、蓄熱性能が悪くなるので、グレ
ーズが厚い場合に比べて大きいエネルギーを印加しない
と、サーマルヘッドが冷めるのが速いために印字に十分
な温度を得られず印字が薄くなってしまう。したがっ
て、グレーズの厚さの違いによっても最大値を選択可能
とする。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明のサーマルヘッドの制御方
法の実施の一形態について、図面を用いて説明する。ま
ず、図1は、本実施の形態のサーマルヘッドの制御方法
が用いられるサーマルプリンタの一例を構成する部材の
一部を示す縦断面図である。サーマルプリンタは、図1
に示すように、構成部材として、サーマルヘッド1、プ
ラテンローラ2、圧接ローラ3を備えている。
【0032】プラテンローラ2は、図1紙面に直交する
軸4を回転中心として回転自在となるように、軸4の両
端を図示しないフレームによって回転自在に支持されて
いる。そして、図示しないモータ等の駆動源により、回
転駆動される。
【0033】サーマルヘッド1は、一方の端部5近傍
に、図1では紙面に直交する方向である主走査方向に沿
って多数配列された発熱部6を備えている。そして、サ
ーマルヘッド1は、発熱部6がプラテンローラ2に対し
て接離自在となるように、他方の端部7を回動自在に支
持されている。さらに、サーマルヘッド1は、バネ8に
よって、発熱部6がプラテンローラ2に圧接する方向へ
付勢されている。
【0034】圧接ローラ3は、図1紙面に直交する軸9
を回転中心として回転自在になるように、軸9の両端を
図示しないフレームによって回転自在に支持されてい
る。さらに、軸9の両端はバネ10により、プラテンロ
ーラ2に圧接する方向へ付勢されている。これにより、
圧接ローラ3は、プラテンローラ2の回転に従って回転
する。
【0035】用紙Yが感熱紙である場合には、プラテン
ローラ2及び圧接ローラ3の少なくとも外周面は、感熱
紙を変色させないために、ゴム等の弾性を有する材料で
形成されている。
【0036】用紙Yは、図示しない案内部材で案内され
て、プラテンローラ2と圧接ローラ3との間を通ってプ
ラテンローラ2とサーマルヘッド1との間を通る用紙搬
送経路11内を搬送される。ここで、用紙Yが感熱紙で
ない場合、用紙Yとサーマルヘッド1との間には、イン
クリボン(図示せず)が挟まれる。
【0037】図2は、発熱部6の構造を拡大して示す縦
断面図である。発熱部6は、セラミックス基板12上
に、ガラスグレーズ層13と発熱抵抗体層14と電極層
15と耐摩耗層16とがスパッタリング法により順次積
層されることにより、形成される。電極層15に所定の
電圧が印加されて発熱抵抗体層14に通電されることに
より、発熱抵抗体層14が発熱し、発熱部6の温度が上
昇する。
【0038】印字にあたっては、プラテンローラ2を回
転させて用紙Yを搬送しながら、発熱抵抗体層14を発
熱させる。
【0039】次に、サーマルヘッド1の温度に応じて発
熱抵抗体層14に印加可能とするエネルギーの最大値で
あるリミット値の設定について説明する。本実施の形態
のリミット値は、サーマルヘッド1の温度に対する寿命
(一般的には108パルス以上)を満足するエネルギー
の値である。リミット値は試験で求めるが、これは、連
続的に通電して印加されるエネルギーを加速的に大きく
することで、短時間で推定できる。リミット値は印字ス
ピードによっても変わってくるので、各々の印字スピー
ド毎に求める。
【0040】ここで、電極層15に印加される電圧の値
は、大概、プリンタ毎に一定であって、この場合、エネ
ルギーは、電圧を印加する時間(パルス数)で調節され
る。
【0041】本実施の形態では、本実施の形態のサーマ
ルプリンタにおいて選択可能とする三種類の印字スピー
ド、A:7.62cm/sec(3インチ/秒)、B:12.70cm/se
c(5インチ/秒)、C:20.32cm/sec(8インチ/秒)
について求めた。その結果を図3に示す。
【0042】ガラスグレーズ層13の厚さによっても、
サーマルヘッド1の温度に対する寿命を満足するエネル
ギーの値すなわちリミット値は変化する。
【0043】例えば、サーマルヘッド以外の構成が略同
じサーマルプリンタを一つのラインで製造するにあたっ
て制御系を共通化してコストダウンを図るようにした場
合や、サーマルプリンタで複数種類のサーマルヘッドを
付け替え可能とした場合に、ガラスグレーズ層13の厚
さによって異なるリミット値を選択する処理を行うこと
により、より正確なリミット値を選択できる。
【0044】本実施の形態では、A:厚さ60μm、
D:厚さ35μmの二種類のガラスグレーズ層13の厚
さについて求めた。その結果を図4に示す。
【0045】ここで、図3におけるグラフAと、図4に
おけるグラフAとは、同じである。つまり、図3のグラ
フに結果を示した実験では、ガラスグレーズ層13の厚
さが60μmのサーマルヘッド1が用いられており、図
4に結果を示した実験では、印字スピードを7.62cm/sec
としている。
【0046】図3及び図4のグラフには、横軸に、サー
マルヘッド1の温度を、縦軸に、横軸の各値に対するリ
ミット値をとって、実験の結果を示し、更に、従来リミ
ット値としても用いられていた絶対最大定格をともに示
した。各グラフA,B,C,Dの上側の領域のエネルギ
ーが発熱抵抗体層14に印加されると、サーマルヘッド
1が寿命を満足しないうちに壊れてしまう。そのような
ことの発生を防ぐため、本実施の形態では、印加するエ
ネルギーがリミット値を超えないように、通電時間を制
御する。
【0047】サーマルプリンタは、図5に示すような制
御手段としての制御部17を有している。この制御部1
7により、サーマルプリンタを構成する各部を制御して
いる。制御部17は、各種の演算処理を実行し各部を集
中的に制御するCPU18を有し、このCPU18に
は、ROM19及びRAM20がシステムバス21を介
してバス接続されている。ROM19は、各種の動作プ
ログラムを格納したものであり、この動作プログラムに
従ってCPU18が各部を制御する。RAM20は、各
種の可変情報を一時的に格納する。RAM20の一部領
域は、印字バッファとして利用されたり、各種のカウン
タ領域として利用されたりする。
【0048】CPU18にはまた、プラテンローラ2を
回転駆動させる駆動源であるモータ22が接続されてい
る。CPU18の制御により、モータ22が制御され
て、印字スピードが調節される。さらに、リミット値の
制御にあたって、サーマルヘッド1の温度を測定する測
定部であるサーマルヘッド測定用温度センサ23と、サ
ーマルプリンタの周囲の温度を測定する第二の測定部で
ある外部測定用温度センサ24とが設けられており、こ
れらの温度センサ23,24はCPU18に接続されて
いる。ここで、外部測定用温度センサ24により測定さ
れたサーマルプリンタの周囲の温度は、リミット値の選
択にあたって参照する感熱紙やインクリボン等の記録す
る媒体の温度に代えられる。
【0049】そして、ユーザによる各種の操作を受け付
ける各種の切り換えスイッチ25が設けられており、こ
れらの切り換えスイッチ25もCPU18に接続されて
いる。切り換えスイッチ25の中には、印字スピードを
切り換える切り換え手段としてのスイッチも含まれてい
る。
【0050】図3及び図4のリミット値は、各温度毎の
値をテーブルにされて、記憶部であって不揮発性の記憶
媒体であるEEPROM26に格納されている。
【0051】図6に示すフローチャートを用いて、RO
Mに格納されたプログラムに従って実行される発熱抵抗
体層14への通電時間の制御の流れを説明する。まず、
温度センサの測定値及び設定された印字スピードから、
発熱抵抗体層14に通電する時間T1,T2を算出する
(ステップS1)。ここで、本実施の形態ではT1,T
2と二つの時間を算出しているが、それは、本実施の形
態では、1ドットの印字にあたって通電を二段階に分け
て、第一段階目をT1で、第二段階目をT2で通電する
場合について考えているからである。なお、複雑なもの
では五段階に分けて通電する場合もある。
【0052】次に、サーマルヘッド1の温度が温度セン
サで測定された周囲温度と同じかどうかを判断する(ス
テップS2)。サーマルヘッド1の温度と周囲温度とが
異なる場合には(ステップSのN)、ステップS3へ進
み、通電時間T1,T2を補正する(ステップS3)。
【0053】ここで、サーマルヘッド1の温度と周囲温
度の差異に応じたT1,T2の補正値は、各温度毎の値
をテーブルにして、ROMか、バッテリでバックアップ
されるRAM等の不揮発性メモリに、格納されている。
このテーブルを参照して、ステップS3の補正が行われ
る。ステップS3の補正は、サーマルヘッド1の温度が
周囲温度よりも高かった場合には短めにされる。サーマ
ルプリンタを連続で使用していると、サーマルヘッド1
の温度が上昇してくる。サーマルヘッド1の温度が周囲
温度よりも高くなっている場合、通電時間T1,T2を
短くしなければ、サーマルヘッド1の温度が高くなりす
ぎてしまう。サーマルヘッド1の温度が高くなりすぎる
と、サーマルヘッド1の寿命が短くなる。
【0054】一方、ステップS3で、サーマルヘッド1
の温度が周囲温度よりも低かった場合には長めに補正す
る。サーマルヘッド1の温度が周囲温度よりも低くなっ
ている場合には、通電時間T1,T2を長めにしなけれ
ば、サーマルヘッド1の温度が充分に上昇できず、印字
が薄くなったり、印字されなかったりする可能性があ
る。
【0055】そして、ステップS3の補正終了後、ステ
ップS4へ進む。
【0056】ステップS2で、サーマルヘッド1の温度
と周囲温度とが同じであった場合には(ステップS2の
Y)、そのままステップS4へ進む。
【0057】ステップS4では、印字濃度の設定をチェ
ックし、標準から変更されているかどうかを判断する。
そして、印字濃度が変更されている場合には(ステップ
S4のY)、ステップS5へ進み、通電時間T1,T2
を補正する(ステップS5)。
【0058】ここで、印字濃度に応じたT1,T2の補
正値は、各濃度毎の値をテーブルにして、ROMか、バ
ッテリでバックアップされるRAM等の不揮発性メモリ
に、格納されている。このテーブルを参照して、ステッ
プS5の補正が行われる。ステップS5の補正は、印字
濃度を濃くするように設定されていた場合には長めに、
印字濃度を薄くするように設定されていた場合には短め
にされる。
【0059】印字濃度のこのような設定は、感熱紙やイ
ンクリボンの感度に合わせるためにも行われる。感度が
低い感熱紙やインクリボン、つまり、発色開始温度が高
い感熱紙やインクの融解温度が高いインクリボンを用い
ている場合には、印字が薄くなったり印字されなかった
りすることがないように、予め印字濃度を濃く設定して
おくということがある。逆に、感度が高い感熱紙やイン
クリボン、つまり、発色開始温度が低い感熱紙やインク
の融解温度が低いインクリボンを用いている場合には、
印字が濃くなり過ぎたり、印字された文字がつぶれるこ
とのないように、予め印字濃度を薄く設定しておくとい
うことがある。このように、ステップS4〜S5によ
り、ユーザーが使用する感熱紙やインクリボンの性質に
合わせた通電時間を設定できる。
【0060】そして、ステップS5の補正終了後、ステ
ップS6へ進む。
【0061】ステップS4で、印字濃度の変更がないと
判断された場合には(ステップS4のN)、そのままス
テップS6へ進む。
【0062】ステップS6では、ここまでで算出された
通電時間T1がリミット値を超えているかどうかを判断
し、超えている場合には(ステップS6のY)、図3及
び図4に基づいたリミット値のテーブルを参照して通電
時間T1をリミット値に置き換え(ステップS7)、ス
テップS8へ進む。また、算出された通電時間T1がリ
ミット値を超えていない場合には(ステップS6の
N)、そのままステップS8へ進む。
【0063】ステップS8では、算出された通電時間T
2がリミット値を超えているかどうかを判断し、超えて
いる場合には(ステップS8のY)、図3及び図4に基
づいたリミット値のテーブルを参照して通電時間T2を
リミット値に置き換え(ステップS9)、通電時間T
1,T2の設定を終了する。また、算出された通電時間
T2がリミット値を超えていない場合には(ステップS
9のN)、そのまま通電時間T1,T2の設定を終了す
る。
【0064】このようなサーマルプリンタは、印字の際
には、プラテンローラ2によって用紙Yを搬送しなが
ら、サーマルヘッド1の発熱抵抗体層14に通電して発
熱部6を発熱させる。発熱部6が発熱することにより、
用紙Yが感熱紙であればその感熱発色剤が熱せられて発
色し、用紙Yがインクリボンとともに用いられる普通紙
であれば、インクリボンのインクが熱せられて融解し、
普通紙に転写される。
【0065】実際に使用される条件では、感熱紙やイン
クリボンの感度や温度、印字スピード、グレーズ層13
の厚さの違いによって、通電時間の最適値が多様に変化
する。しかも、連続印字においてはサーマルヘッド1の
温度が上昇するというように、サーマルヘッド1の温度
は使用される環境によって刻々と変化する。これに対し
て、本実施の形態によれば、周囲温度と、感熱紙やイン
クリボンの感度に合わせた印字スピードと、サーマルヘ
ッド1の温度と、印字濃度とに適するように通電時間T
1,T2を設定した上で、それらの通電時間T1,T2
がリミット値を超えないように制御している。これによ
り、良好な印字品質を得ながら、サーマルヘッド1の寿
命を損なうことを防止し、長寿命化できる。
【0066】なお、本実施の形態では、発熱抵抗体層1
4への通電を時間T1,T2の二段階としたが、実施に
あたっては、各種条件に合わせて、通電を一回の単発と
しても良いし、また、三回以上としていても良い。
【0067】また、本実施の形態では、電極層15にか
ける電圧が一定とされていることから、通電時間を制御
することにより、発熱抵抗体層14に印加されるエネル
ギーを調節するようにしたが、実施にあたって、電圧が
一定でなければ、通電時間でなくエネルギーを直接制御
しても良い。
【0068】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、発熱抵抗体が
その寿命を損なわない範囲で温度上昇する程度のエネル
ギーを、印字時のサーマルヘッドがとり得る各温度につ
いて求めて、その求めたエネルギーを超えないように最
大値を設定して、記憶部に記憶させておき、印字時に測
定部によってサーマルヘッドの温度を検知し、制御手段
によってこの温度に応じた最大値以下に発熱抵抗体に印
加するエネルギーを規制するので、大きすぎるエネルギ
ーを誤って印加することを防止できる。このため、サー
マルヘッドの寿命を損なうことを防止し、長寿命化でき
る。
【0069】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、前記記憶部は、不揮発性の記憶媒体であ
るので、最大値の設定や印字時の最大値の参照を容易に
行うことができ、請求項1記載の発明を容易に実現でき
る。
【0070】請求項3記載の発明では、請求項1又は2
記載の発明において、最大値の選択にあたって、第二の
測定部により外部の温度を測定して、感熱紙やインクリ
ボンの温度に代えて、感熱紙やインクリボン等の記録す
る媒体の温度も考慮されるようにし、例えば感熱紙の温
度が低いために発熱抵抗体に多めのエネルギーを印加す
る必要がある場合などに、適した最大値を選択可能とし
たので、そのような多めのエネルギーを要する場合にエ
ネルギーが抑えられ過ぎて不足して印字が薄くなる等と
いった不都合を防止できる。このため、印字品質を良好
に保つことができる。
【0071】請求項4記載の発明では、請求項1,2又
は3記載の発明において、印字スピードに適した最大値
を選択可能としたので、例えば印字スピードが速いのに
エネルギーが少なくて印字が薄くなる等といった不都合
を防止できる。このため、印字品質を良好に保つことが
できる。
【0072】請求項5記載の発明では、請求項1,2,
3又は4記載の発明において、グレーズの厚さの違いに
よっても最大値を選択可能としたので、例えば、グレー
ズが厚く蓄熱性能が良い場合には、過熱を避けるため
に、グレーズが薄い場合に比べて少ないエネルギーを印
加し、逆に、グレーズが薄く蓄熱性能が悪い場合には、
発熱部が冷めるのが速いために印字に十分な温度を得ら
れず印字が薄くなってしまうことのないように、グレー
ズが厚い場合に比べて大きいエネルギーを印加すること
ができるため、印字品質を良好に保つことができる。
【0073】請求項6記載の発明では、発熱抵抗体がそ
の寿命を損なわない範囲で温度上昇する程度のエネルギ
ーを、印字時の発熱部がとり得る各温度について求め
て、その求めたエネルギーを超えないように最大値を設
定しておき、印字時に発熱部の温度を検知し、この温度
に応じた最大値以下に発熱抵抗体に印加するエネルギー
を規制するので、大きすぎるエネルギーを誤って印加す
ることを防止できる。このため、サーマルヘッドの寿命
を損なうことを防止し、長寿命化できる。
【0074】請求項7記載の発明では、請求項6記載の
発明において、最大値を不揮発性の記憶媒体に格納して
おき、印字時に読み出すので、最大値の設定や印字時の
最大値の参照を容易に行うことができ、請求項6記載の
発明を容易に実現できる。
【0075】請求項8記載の発明では、請求項6又は7
記載の発明において、最大値の選択にあたって、感熱紙
やインクリボン等の記録する媒体の温度も考慮されるよ
うにし、例えば感熱紙の温度が低いために発熱抵抗体に
多めのエネルギーを印加する必要がある場合などに、適
した最大値を選択可能としたので、そのような多めのエ
ネルギーを要する場合にエネルギーが抑えられ過ぎて不
足して印字が薄くなる等といった不都合を防止できる。
このため、印字品質を良好に保つことができる。
【0076】請求項9記載の発明では、請求項6,7又
は8記載の発明において、印字スピードに適した最大値
を選択可能としたので、例えば印字スピードが速いのに
エネルギーが少なくて印字が薄くなる等といった不都合
を防止できる。このため、印字品質を良好に保つことが
できる。
【0077】請求項10記載の発明では、請求項6,
7,8又は9記載の発明において、グレーズの厚さの違
いによっても最大値を選択可能としたので、例えば、グ
レーズが厚く蓄熱性能が良い場合には、過熱を避けるた
めに、グレーズが薄い場合に比べて少ないエネルギーを
印加し、逆に、グレーズが薄く蓄熱性能が悪い場合に
は、発熱部が冷めるのが速いために印字に十分な温度を
得られず印字が薄くなってしまうことのないように、グ
レーズが厚い場合に比べて大きいエネルギーを印加する
ことができるため、印字品質を良好に保つことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のサーマルヘッドの制御方法が用
いられるサーマルプリンタの一例を構成する部材の一部
を示す縦断面図である。
【図2】発熱部の構造を拡大して示す縦断面図である。
【図3】最大値を印字スピード別に示すグラフである。
【図4】最大値をグレーズ層の厚さ別に示すグラフであ
る。
【図5】制御手段の構成を示すブロック図である。
【図6】発熱抵抗体層への通電時間の制御の流れを示す
フローチャートである。
【符号の説明】
1 サーマルヘッド 13 グレーズ 14 発熱抵抗体 17 制御手段 23 測定部 24 第二の測定部 25 切り換え手段 26 記憶部、不揮発性の記憶媒体

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーマルヘッドに設けられた発熱抵抗体
    にエネルギーを印加することにより前記発熱抵抗体の温
    度を上昇させて用紙に印字するサーマルプリンタにおい
    て、 予め前記サーマルヘッドの温度に応じて前記発熱抵抗体
    に印加可能なエネルギーの最大値を記憶する記憶部と、 前記サーマルヘッドの温度を測定する測定部と、 前記測定された温度に対するエネルギーが前記最大値を
    超えるか否かを判断し、超える場合には前記最大値を前
    記サーマルヘッドに印加する制御手段と、を有すること
    を特徴とするサーマルプリンタ。
  2. 【請求項2】 前記記憶部は、不揮発性の記憶媒体であ
    ることを特徴とする請求項1記載のサーマルプリンタ。
  3. 【請求項3】 外部の温度を検出する第二の測定部を有
    し、前記制御手段は、前記第二の測定部も参照するよう
    にしたことを特徴とする請求項1又は2記載のサーマル
    プリンタ。
  4. 【請求項4】 印字スピードを切り換える切り換え手段
    を有し、前記最大値が各印字スピード毎に設定されてい
    ることを特徴とする請求項1,2又は3記載のサーマル
    プリンタ。
  5. 【請求項5】 前記発熱抵抗体の基部となるグレーズの
    厚さ毎に前記最大値を設定したことを特徴とする請求項
    1,2,3又は4記載のサーマルプリンタ。
  6. 【請求項6】 サーマルヘッドに設けられた発熱抵抗体
    にエネルギーを印加することにより前記発熱抵抗体の温
    度を上昇させて用紙に印字を行う前記サーマルヘッドの
    制御方法において、 予め前記サーマルヘッドの温度に応じて前記発熱抵抗体
    に印加可能とするエネルギーの最大値を設定しておき、
    印字時には、前記サーマルヘッドの温度を測定し、測定
    された前記サーマルヘッドの温度に対応する前記最大値
    に基づいて前記発熱抵抗体に印加するエネルギーを前記
    最大値以下に規制することを特徴とするサーマルヘッド
    の制御方法。
  7. 【請求項7】 前記最大値は、不揮発性の記憶媒体に格
    納されていて、印字時に読み出されることを特徴とする
    請求項6記載のサーマルヘッドの制御方法。
  8. 【請求項8】 前記最大値の設定にあたって、印字時に
    前記サーマルヘッドの周囲の温度も参照することを特徴
    とする請求項6又は7記載のサーマルヘッドの制御方
    法。
  9. 【請求項9】 印字スピードを複数種類に切替可能と
    し、前記最大値を各印字スピード毎に設定したことを特
    徴とする請求項6,7又は8記載のサーマルヘッドの制
    御方法。
  10. 【請求項10】 前記発熱抵抗体の基部となるグレーズ
    の厚さ毎に前記最大値を設定したことを特徴とする請求
    項6,7,8又は9記載のサーマルヘッドの制御方法。
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