JP2001252575A - 結晶性多孔質シリカ化合物−強酸性陽イオン交換樹脂複合体およびその調製方法 - Google Patents

結晶性多孔質シリカ化合物−強酸性陽イオン交換樹脂複合体およびその調製方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】新規な結晶性多孔質シリカ化合物固体と強酸性
陽イオン交換樹脂との複合体、その調製方法およびこの
複合体からなる触媒を提供する。 【解決手段】結晶性多孔質シリカ化合物と強酸性陽イオ
ン交換樹脂との複合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶性多孔質シリ
カ化合物と強酸性陽イオン交換樹脂との複合体、その調
製方法およびこの複合体からなる触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】強酸性陽イオン交換樹脂であるナフィオ
ン(登録商標、デュポン社製)は、イオン交換樹脂やイオ
ン交換膜としてだけでなく、固体強酸触媒等としても広
く応用されている。固体酸触媒としてのナフィオンは
(市販されているNR-50(登録商標、デュポン社製)がその
代表的例)、アルコールやカルボン酸等の含酸素化合物
を用いる反応において優れた触媒作用を示す。これは、
アルコール等が触媒を膨潤し触媒の細孔が拡がるので、
基質と触媒作用を持つ強酸性のスルホン酸基が容易に接
触できるからである。
【0003】しかしながら、反応基質が炭化水素の反応
系では、反応が極端に遅くなる。これは、炭化水素が触
媒の膨潤をほとんど引き起こさず、触媒の細孔が小さい
ままであるので、触媒内への反応基質の拡散が遅いから
である。強酸性触媒による炭化水素の変換反応は、工業
的にも重要であり、ナフィオン触媒の汎用性を向上させ
るには、この欠点を克服する必要がある。
【0004】最近、デュポンの研究グループは、無機多
孔質固体である非晶質シリカとナフィオンとの複合体(S
AC-13(登録商標、デュポン社製))を調製し、この複合体
を炭化水素の反応に用いると、基質が触媒内で速く拡散
し、良好な速度で反応が進行することを報告した(M.
A.Harmerら,J.Am.Chem.Soc.,vol.118,7708頁,1
996年)。
【0005】しかしながら、上記複合体では、シリカが
アモルファス(非晶質)であり、細孔の大きさにばらつき
があるので、単にナフィオン固体中のスルホン酸基と基
質との接触を促進するのみで、スルホン酸基の触媒特性
の改良までには至らなかった。
【0006】一方、近年、メソ孔を有する結晶性多孔質
シリカ(メソポーラスシリカ)に関する研究も盛んであ
る。このような結晶性多孔質シリカとして、例えば、MC
M-41(J.S.Beckら,J.Am.Chem.Soc.,vol.114,10
834頁、1992年)が挙げられる。このメソ細孔シリカは、
ある定まった直径の細孔が一次元に配列したものであ
り、その特異な反応場は新しい反応性、選択性をもたら
すと期待されている。
【0007】メソ細孔化合物についても、触媒特性の改
良等を目的として、有機物との複合化が望まれている。
これまでに、細孔表面にメチル基等の簡単な有機基を導
入し、固体表面の親水性を下げ、疎水性を向上させる試
みが行われている(例えば、N. Igarashiら,Chem. Let
t., 1頁,1999年)。しかしながら、メソ孔を形成する
結晶化過程において、通常130℃以上の高温が必要とな
るので、複雑な有機化合物の導入は困難である。事実こ
のような化合物は未だ報告されておらず、結晶性多孔質
シリカ化合物と有機高分子との複合体は全く知られてい
ない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規な結晶
性多孔質シリカ化合物と有機高分子との複合体、その調
製方法およびこの複合体からなる触媒を提供することを
主な目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者は、鋭意研究を重
ねた結果、結晶性多孔質シリカ化合物と強酸性陽イオン
交換樹脂との複合体を調製できることを見いだし、本発
明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明は、下記の複合体、その調製
方法およびその用途を提供するものである。 1.結晶性多孔質シリカ化合物と強酸性陽イオン交換樹
脂との複合体。 2.結晶性多孔質シリカ化合物が、メソポーラスシリカ
である上記1に記載の複合体。 3.強酸性陽イオン交換樹脂が、スルホン酸基を有する
強酸性陽イオン交換樹脂である上記1に記載の複合体。 4.ケイ素アルコキシド、カチオン型界面活性剤、強酸
性陽イオン交換樹脂および溶媒を混合したものを加熱す
ることを特徴とする結晶性多孔質シリカ化合物と強酸性
陽イオン交換樹脂との複合体の調製方法。 5.カチオン型界面活性剤が、第4級アンモニウム塩、
アルキルアミン塩および水酸化四級アンモニウム塩から
なる群から選択される少なくとも一種であることを特徴
とする上記4に記載の複合体の調製方法。 6.結晶性多孔質シリカ化合物と強酸性陽イオン交換樹
脂との複合体からなるスチレンまたはスチレン誘導体の
二量化反応の触媒。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の複合体は、結晶性多孔質
シリカ化合物と強酸性陽イオン交換樹脂との複合体であ
る。
【0012】本発明の複合体における結晶性多孔質シリ
カ化合物部分は、規則的な細孔構造を有する多孔質シリ
カ化合物であれば特に制限されず、一次元的細孔によっ
て構成されたほぼ均一な規則的細孔構造を有しているこ
とが好ましい。一次元的細孔構造とは、筒状の細管が同
一方向に整列し、更に積層している状態を示す。このよ
うな化合物としては、例えば、メソポーラスシリカ化合
物などを挙げることができる。このようなメソポーラス
シリカ化合物としては、例えば、MCM-41、MCM-48, MCM-
50, FSM-16等が挙げられる。或いは、例えば、ジルコニ
ウム、チタン等の酸化物を含むメソポーラスシリカ化合
物であってもよい。
【0013】本発明の複合体における(結晶性多孔質シ
リカ化合物部分の)細孔の大きさは、メソ孔であれば特
に制限されない。本発明の複合体における細孔の大部分
(これを以下「主細孔」という)の直径は、メソ孔である限
り特に制限されないが、通常1〜10nm程度、好ましくは1
〜5nm程度、特に好ましくは2〜4nm程度である。複合体
における主細孔の細孔全体に占める割合は、特に制限さ
れないが、通常約70%以上、好ましくは85〜100%程度
である。主細孔の細孔全体に占める割合が約85%以上で
あって、主細孔の直径が2〜4nm程度であるメソポーラス
シリカ化合物部分を有する複合体が特に好ましい。な
お、複合体の細孔の値および主細孔の細孔全体に占める
割合は、窒素吸着法の吸着等温線からBJH(Barnett-Joyn
er-Halenda)法を用いて算出した値とする。
【0014】複合体の比表面積は、特に制限されない
が、窒素吸着によるBET比表面積として、通常200〜1000
m2/g程度、好ましくは400〜800m2/g程度である。複合体
の細孔容積は、特に制限されないが通常0.1〜1cm3/g程
度、好ましくは0.4〜0.8cm3/g程度である。本発明にお
けるBET比表面積および細孔容積の値は、窒素吸着の吸
着等温線により算出した値とする。
【0015】本発明の複合体における強酸性陽イオン交
換樹脂部分は特に制限されないが、イオン交換樹脂部分
がpKa≦3程度の酸性度を示すことが好ましい。さらに、
強酸性陽イオン交換樹脂部分が、約130℃以下において
分解しない複合体が特に好ましい。本発明の複合体にお
ける強酸性陽イオン交換樹脂部分としては、例えば、ス
ルホン酸基などの官能基を有するイオン交換樹脂を例示
することができる。スルホン酸基を有するイオン交換樹
脂としては、パーフルオロカーボンスルホン酸系樹脂
(例えば、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)等)等を
例示することができる。
【0016】複合体の形状は、特に制限されず、用途等
に応じて、粒状、膜状等の所望の形状とすることができ
る。或いは、必要に応じて公知のバインダーを加え、成
形することができる。
【0017】本発明の複合体は、例えば、ケイ素アルコ
キシド、カチオン型界面活性剤、強酸性陽イオン交換樹
脂および溶媒を混合したものを加熱する方法等により調
製することができる。
【0018】混合する順番等は、特に制限されず、例え
ば、(i)強酸性陽イオン交換樹脂のアルコール溶液およ
び(ii)カチオン型界面活性剤を含む水溶液を別途調製
し、これらを混合した後に、ケイ素アルコキシドを混合
してもよい。次に、得られた混合物を加熱して複合体を
得る。原料を混合した際に、沈殿が生じるが、溶液およ
び沈殿物の全てを加熱する。
【0019】用いるケイ素アルコキシドは、少なくとも
1種のC1〜C3アルコキシ基を有するケイ素化合物で
あれば特に制限されない。例えば、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシランなどを例示できる。
【0020】用いる強酸性陽イオン交換樹脂は、特に制
限されず、得られる複合体の強酸性陽イオン交換樹脂部
分が所望のものとなるよう適宜選択すればよい。pKa≦3
程度の酸性度を示す強酸性陽イオン交換樹脂が好まし
い。例えば、スルホン酸基等を官能基として有する強酸
性陽イオン交換樹脂を例示することができる。スルホン
酸基を有する強酸性陽イオン交換樹脂としては、パーフ
ルオロカーボンスルホン酸系樹脂(例えば、ナフィオン
(登録商標、デュポン社製)等)等を例示することができ
る。
【0021】強酸性陽イオン交換樹脂は、アルコール等
の溶媒に溶解させたものを用いるのがよい。或いは、一
旦溶解させた後、溶媒を留去することによりゲル状とな
ったものを用いてもよい。
【0022】強酸性陽イオン交換樹脂の量は、種類等に
より適宜設定することができるが、重量比で、シリカに
対して通常20%以下程度であり、好ましくは5〜10%程
度である。
【0023】用いるカチオン型界面活性剤は、特に制限
されないが、水溶液中でミセルを形成できるものが好ま
しい。例えば、第4級アンモニウム塩、アルキルアミン
塩、水酸化四級アンモニウム塩等を例示することができ
る。
【0024】第4級アンモニウム塩としては、例えば、
R1R2R3R4NX[式中、R1〜R4は同一又は相異なって、直鎖
状アルキル基を示し、XはF、Cl、Br、I等のハロゲン原
子を示す]を例示することができる。R1〜R4で示される
直鎖状アルキル基の炭素数は、通常1〜25程度であり、
好ましくは1〜20程度である。これらの中では、R2〜R4
の少なくとも一つがメチル基である第4級アンモニウム
塩が好ましく、R2〜R4がメチル基である第4級トリメチ
ルアンモニウム塩が特に好ましい。第4級アルキルトリ
メチルアンモニウム塩の具体例として、オクチルトリメ
チルアンモニウムクロライド、オクチルトリメチルアン
モニウムブロマイド、デシルトリメチルアンモニウムク
ロライド、デシルトリメチルアンモニウムブロマイド、
ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシル
トリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルトリ
メチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチ
ルアンモニウムブロマイド、オクタデシルトリメチルア
ンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモ
ニウムブロマイド等が挙げられる。
【0025】アルキルアミン塩としては、R1R2R3NHX[式
中、R1〜R3は、同一又は相異なって、直鎖状アルキル基
を示し、XはF、Cl、Br、I等のハロゲン原子を示す]を例
示することができる。R1〜R3として示される直鎖状アル
キル基の炭素数としては、8〜25が好ましく、特に8〜17
が好ましい。アルキルアミン塩の具体例として、トリオ
クチルアンモニウムクロライド、トリオクチルアンモニ
ウムブロマイド、トリデシルアンモニウムクロライド、
トリデシルアンモニウムブロマイド、トリドデシルアン
モニウムクロライド、トリドデシルアンモニウムブロマ
イド、トリヘキサデシルアンモニウムクロライド、トリ
ヘキサデシルアンモニウムブロマイド、トリオクタデシ
ルアンモニウムクロライド、トリオクタデシルアンモニ
ウムブロマイド等が挙げられる。
【0026】水酸化四級アンモニウム塩としては、例え
ば、R1R2R3R4NOH[式中、R1〜R4は同一又は相異なって、
直鎖または分子状のC1〜C3のアルキルを示す]を例示す
ることができる。これらの中では、R2〜R4の少なくとも
一つがメチル基である水酸化第4級アンモニウム塩が好
ましく、特にR1〜R4がメチル基である第4級テトラメチ
ルアンモニウム塩が好ましい。水酸化四級アンモニウム
塩の具体例として、水酸化テトラメチルアンモニウム、
水酸化トリメチルエチルアンモニウム、水酸化トリメチ
ルプロピルアンモニウム、水酸化ジメチルジエチルアン
モニウム等が挙げられる。
【0027】これらのカチオン型界面活性剤は、1種ま
たは2種以上を組み合わせて使用することができる。2
種以上を組み合わせて使用する場合には、(i)第4級ア
ンモニウム塩およびアルキルアミン塩からなる群から選
択される少なくとも一種と(ii)少なくとも一種の水酸化
第四級アンモニウム塩の組み合わせが好ましい。
【0028】カチオン型界面活性剤の量は、用いる界面
活性剤の種類等に応じて適宜設定することができるが、
ケイ素アルコキシドに対してモル比で通常5〜50%程度
であり、好ましくは10〜30%程度である。或いは、溶液
とした時に、臨界ミセル濃度以上であればよい。
【0029】用いる溶媒は、特に制限されないが、例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコ
ール;水;これらの混合溶液等を例示できる。
【0030】ケイ素アルコキシド、カチオン型界面活性
剤、強酸性陽イオン交換樹脂および溶媒の混合物を加熱
する温度は、特に制限されないが、通常110〜150℃程
度、好ましくは120〜140℃程度である。加熱時間は、特
に制限されないが、通常0.5〜5日程度、好ましくは1〜2
日程度である。反応圧力は、通常0.2〜1MPa程度、好ま
しくは0.4〜0.6MPa程度である。加熱をする際の雰囲気
は特に制限されず、空気等の酸化性雰囲気下でもよい
し、窒素、ハロゲン等の不活性ガス雰囲気下でもよい。
【0031】加熱後、濾別等の公知の方法を用いて複合
体を回収し、必要に応じて乾燥してもよい。更に、必要
に応じて、得られた複合体をH2SO4、HCl等の酸を含む溶
液(溶媒:メタノール、エタノール等のアルコール、
水、これらの混合溶媒など)に分散させ撹拌してもよ
い。この際には、必要に応じて、加熱・還流等を行って
もよいし、この操作を数回繰り返してもよい。更に、必
要に応じて、複合体を120〜170℃程度で、10〜20時間程
度再度加熱してもよい。
【0032】本発明の複合体は、固体酸触媒等として好
適に使用できる。本発明の複合体は、スチレン、スチレ
ン誘導体などの二量化反応の触媒、特に環化を伴わない
スチレン、スチレン誘導体などの二量化反応の触媒とし
て好適に使用することができる。
【0033】反応原料であるスチレン誘導体としては、
ビニル基部分および/またはベンゼン環部位を置換され
たスチレンなどを例示することができる。
【0034】スチレン誘導体のビニル基部分の置換基と
しては、C1〜C5程度の直鎖/分枝状アルキル基など
を例示することができる。具体的には、メチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、t-ブチル基、n-ペンチル基など
を例示できる。ビニル基部分を置換されたスチレン誘導
体としては、α-メチルスチレン、β-メチルスチレンな
どを例示できる。
【0035】スチレン誘導体のベンゼン環部位の置換基
としては、C1〜C4程度の直鎖/分枝状アルキル基な
どを例示することができる。具体的には、メチル基、エ
チル基、イソプロピル基、t-ブチル基などを例示でき
る。ベンゼン環における置換部位は、特に制限されず、
o-位、p-位、m-位のいずれでもよい。スチレン誘導体に
おける置換基の数は、通常1〜3程度、好ましくは1で
ある。ベンゼン環部位を置換されたスチレン誘導体とし
ては、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-エチル
スチレン、p-イソプロピルスチレン、p-t-ブチルスチレ
ンなどを例示できる。
【0036】本発明の複合体の使用量は、所定の効果が
得られる限り特に制限されないが、原料となるスチレン
またはスチレン誘導体に対して、重量比で通常1〜20%
程度、好ましくは5〜10%程度である。
【0037】反応時間は、通常2〜10時間程度、好まし
くは4〜6時間程度である。反応温度は、通常30〜100℃
程度、好ましくは50〜70℃程度である。二量化反応を行
う際には、原料であるスチレン、スチレン誘導体などを
必要に応じてトルエン、ヘキサン、ジクロロメタン、ク
ロロホルムなどの溶媒に溶かしてもよい。
【0038】本発明の触媒を使用する場合には、使用す
る前に活性を高めるための前処理を行うことができる。
例えば、複合体を使用する前に真空下で加熱処理を行う
ことができる。或いは、イオン交換等の公知の方法を用
いて、複合体の強酸性陽イオン交換樹脂部分をH+型とし
ておいてもよい。このような前処理を行わない場合に
も、本発明の触媒は一定の触媒活性を発揮することがで
きる。
【0039】本発明の触媒は、一旦使用した後、必要に
応じて、強酸性溶液中において撹拌する方法等により再
生することができる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、規則的な細孔を有する
無機固体と有機高分子との複合体を得ることができる。
【0041】本発明の触媒を用いると、高選択的にスチ
レンおよびスチレン誘導体の二量化反応を行うことがで
きる。本発明の触媒によると、α-メチルスチレンの二
量化反応において、短時間で2,4-ジフェニル-4-メチル-
1-ペンテンを得ることができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもので
はない。
【0043】実施例1:MCM-41型結晶性多孔質シリカ化
合物−ナフィオン複合体の調製 ナフィオンの5%プロパノール溶液2mlを、減圧蒸留し、
十分に溶媒を留去してゲル状物を得た。得られたゲル状
物(約0.1g)にエタノール1.5mlを加え、十分に攪拌して
溶解させた。この溶液を水酸化テトラメチルアンモニウ
ム(1.44g)およびヘキサデシルトリメチルアンモニウム
ブロマイド(1.64g)を蒸留水15mlに溶解させたもの(前者
は水に易溶。後者は水に不溶で界面活性剤であるのでミ
セルを形成。)に加え、室温でよく撹拌した。次いで、
この溶液に、激しく攪拌しながらテトラエトキシシラン
(6.44g)をゆっくり加えた。この段階で、白い沈殿が生
成した。ついで、沈殿および溶液の全てをテフロン製の
ビーカーに移し、ビーカーをステンレス製のオートクレ
ーブに入れた。オートクレーブを密閉し、空気雰囲気
下、130℃で24時間加熱した。圧力は、加熱により自然
昇圧された。反応終了後、ビーカー中に生成した白色沈
殿を濾別し、多量の蒸留水で洗浄し、空気中60℃で、12
時間乾燥した。次いで、この沈殿をエタノール300mlと
濃硫酸3mlの混含溶液に加え、18時間還流した。還流
後、沈殿を濾別し、多量のエタノールでよく洗浄し、空
気中で150℃で14時間乾燥し、結晶性多孔質シリカ化合
物−強酸性陽イオン交換樹脂複合体を得た。
【0044】生成した固体の結晶性を粉末X線回折で分
析したところ、メソ孔を有する結晶性多孔質シリカ化合
物であるMCM-41と同様の回折パターンが得られた。ま
た、窒素吸着のデータより、BET比表面積は609m2/gであ
った。得られた複合体の主細孔の直径は2.9nm、主細孔
の細孔全体に占める割合は約88%、細孔容積は0.641cm3
/gであり、MCM-41とほぼ同様の結果を得た。赤外線吸収
スペクトルでは、MCM-41に帰属される吸収の他に、ナフ
ィオンに帰属される1150、1250cm-1の吸収も観測され、
全ての結果が複合体形成を支持した。
【0045】実施例2 ナフィオンの5%プロパノール溶液5mlを、減圧蒸留し、
十分に溶媒を留去してゲル状物を得た。得られたゲル状
物(約0.25g)にエタノール1.5mlを加え、十分に攪拌して
溶解させた。この溶液を用いて、実施例1と同様の方法
で結晶性多孔質シリカ化合物−強酸性陽イオン交換樹脂
複合体を得た。
【0046】得られた複合体の粉末X線回折は、MCM-41
と同様であった。また、窒素吸着のデータより、BET比
表面積は569m2/g、主細孔の直径2.9nm、主細孔の細孔全
体に占める割合は約85%、細孔容積0.621cm3/gであっ
た。
【0047】実施例3:α-メチルスチレンの二量化反応
による2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテンの合成 α-メチルスチレン0.591g(5mmol)をトルエン5mlに溶か
した。この溶液に実施例1と同様にして調製したMCM-41
型結晶性多孔質シリカ化合物−ナフィオン複合体50mgを
加え、アルゴン雰囲気下、60℃において激しく撹拌しな
がら反応を行った。反応液を随時採取し、ガスクロマト
グラフィーで生成物を分析した。
【0048】比較として、MCM-41型結晶性多孔質シリカ
化合物−ナフィオン複合体の代わりに、強酸性陽イオン
交換樹脂であるナフィオンNR-50、アンバーリスト-15ま
たは非晶質シリカ-ナフィオン複合体であるSAC-13(いず
れも市販品)を触媒として用いて、同様の反応を行っ
た。結果を図1に示す。無触媒またはMCM-41型結晶性多
孔質シリカ化合物−ナフィオン複合体の代わりにMCM-41
を触媒として用いた場合には、全く反応は進行しなかっ
た。
【0049】図1から明らかなように、本発明のMCM-41
型結晶性多孔質シリカ化合物−ナフィオン複合体を用い
た場合には、2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテンが高
選択的に生成した。また、この複合体を用いた場合に
は、他の触媒に比して短時間で高い収率が得られた。
【0050】実施例4:スチレンの二量化反応による1,3
-ジフェニルブタンの合成 スチレン0.52g(5mmol)をトルエン10mlに溶解させた溶液
に実施例1と同様にして調製したMCM-41型結晶性多孔質
シリカ化合物−ナフィオン複合体50mgを加え、アルゴン
雰囲気下、70℃において24時間激しく撹拌しながら反応
を行った。反応液を採取し、ガスクロマトグラフィーで
生成物を分析した。スチレンの2量体である1,3-ジフェ
ニルブタンが収率10%で得られた。
【0051】MCM-41型結晶性多孔質シリカ化合物−ナフ
ィオン複合体の代わりに、非晶質シリカ-ナフィオン複
合体であるSAC-13(市販品)を触媒として用いた場合に
は、1,3-ジフェニルブタンの収率は6%であった。無触
媒またはMCM-41型結晶性多孔質シリカ化合物−ナフィオ
ン複合体の代わりにMCM-41を触媒として用いた場合に
は、反応は全く進行しなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3に記載したα-メチルスチレンの二量
化反応における2,4-ジフェニル-4-メチル-1-ペンテンの
収率(%)の経時変化を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4G069 AA04 AA08 BA07A BA07B BA24A BA24B BA43A BA46A BE22A BE22B CB01 CB25 DA05 FA01 FB07 4H006 AA02 AC21 BA72 BA81 DA64 DA80 4H039 CA19 CA29 CL11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性多孔質シリカ化合物と強酸性陽イオ
    ン交換樹脂との複合体。
  2. 【請求項2】結晶性多孔質シリカ化合物が、メソポーラ
    スシリカである請求項1に記載の複合体。
  3. 【請求項3】強酸性陽イオン交換樹脂が、スルホン酸基
    を有する強酸性陽イオン交換樹脂である請求項1に記載
    の複合体。
  4. 【請求項4】ケイ素アルコキシド、カチオン型界面活性
    剤、強酸性陽イオン交換樹脂および溶媒を混合したもの
    を加熱することを特徴とする結晶性多孔質シリカ化合物
    と強酸性陽イオン交換樹脂との複合体の調製方法。
  5. 【請求項5】カチオン型界面活性剤が、第4級アンモニ
    ウム塩、アルキルアミン塩および水酸化四級アンモニウ
    ム塩からなる群から選択される少なくとも一種であるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の複合体の調製方法。
  6. 【請求項6】結晶性多孔質シリカ化合物と強酸性陽イオ
    ン交換樹脂との複合体からなるスチレンまたはスチレン
    誘導体の二量化反応の触媒。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006519287A (ja) * 2003-01-23 2006-08-24 コミツサリア タ レネルジー アトミーク 無機メソポーラス相および有機相を含む有機−無機ハイブリッド材料、膜および燃料電池
JP2008239436A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Tokyo Univ Of Science 多孔質酸化ジルコニウム及びその製造方法
JP2009203194A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 National Institute Of Advanced Industrial & Technology アルキン誘導体の製造方法

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