JP2001252251A - 心負担評価方法および心負担評価装置 - Google Patents

心負担評価方法および心負担評価装置

Info

Publication number
JP2001252251A
JP2001252251A JP2000066395A JP2000066395A JP2001252251A JP 2001252251 A JP2001252251 A JP 2001252251A JP 2000066395 A JP2000066395 A JP 2000066395A JP 2000066395 A JP2000066395 A JP 2000066395A JP 2001252251 A JP2001252251 A JP 2001252251A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tension
driver
vehicle
signal
respiratory
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000066395A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4255598B2 (ja
Inventor
Katsunori Tanaka
克則 田中
Katsumichi Sekine
克理 関根
Ichiro Kageyama
一郎 景山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2000066395A priority Critical patent/JP4255598B2/ja
Publication of JP2001252251A publication Critical patent/JP2001252251A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4255598B2 publication Critical patent/JP4255598B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】作業者の心拍信号を取得し、この心拍信号から
拍動間隔データを求め、この拍動間隔データを用いて作
業者の緊張度を計測し評価する評価方法および評価装置
において、緊張度の主観的評価結果と対応する安定した
客観的評価結果を精度よく得ることのできる作業者の心
負担評価方法および評価装置を提供することを課題とす
る。 【解決手段】作業者の拍動間隔データを用いて作業者の
緊張度を計測するために、作業者の心拍信号を取得する
際、作業者に一定周期で呼吸統制刺激信号を与えて呼吸
統制を行わせることで前記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、心拍信号を取得
し、この心拍信号から拍動間隔データを求め、この拍動
間隔データを用いて作業者の緊張度を計測し評価する評
価方法および評価装置であって、特に、車両を運転する
ドライバーの緊張度を計測し評価することによって、車
両あるいは車両に装着されるタイヤの性能評価を行う評
価方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】一般に、タイヤを含めた車両の性能、例
えば操縦安定性や乗り心地性の評価は、最終的にドライ
バーによる官能評価によってなされている。例えば、ド
ライバーが積極的にハンドルを操舵して、車両の挙動変
化を調べ、剛性感やすわり感等を官能的に評価したり、
高速道路を一定の速度で走行する際にハンドルがふらつ
くことなく、また、僅かなハンドルの操舵による修正を
行うことなく真っ直ぐに走るかどうかといった直進性等
を評価している。また、乗り心地の柔らかさや硬さの評
価についても、ドライバーによる官能評価を行ってい
る。
【0003】しかし、このような官能評価は、特別に訓
練されたドライバーでなければ、絶対的な位置づけで客
観的かつ適格に評価することは困難であるばかりか、評
価対象の車両を比較評価をする場合においても、評価結
果が十分に再現されず、比較対象の相対的な評価さえも
困難な場合が多い。そのため、訓練されたドライバーに
よって官能評価を行わなくても、絶対的な位置づけで客
観的かつ適格に評価できる、あるいは評価対象の車両性
能を相対的に精度よく評価できる評価方法が望まれてい
る。特に、近年車両の直進走行時の蛇行現象が注目さ
れ、車両の直進性を客観的かつ適格にしかも精度よく評
価できる評価方法や評価指標を望む声が大きい。
【0004】これに対して、今日脳波や心拍等の人間の
電気的生理学的指標に基づいて、車両を運転するドライ
バーの心負担、すなわち緊張度を直接計測し評価する試
みが増えている。
【0005】例えば、特開平11−151231号公報
では、車両走行中のドライバーの心拍データから拍動間
隔データを得、この拍動間隔データを周波数分析して、
パワースぺクトルを求め、所定の周波数、例えば0.1
5Hz以上の高周波数成分を求めて、副交換神経の活動
度の指標とし、ドライバーが緊張して運転しているか、
あるいは緊張せずに運転しているかを判断する疲労度判
定装置が提案されている。また、車両を運転するドライ
バーの心拍を計測し、これより拍動間隔データを得て、
3拍毎の分散値を求めることによって、ドライバーの緊
張感と眠気を含んだ総合的な意識変化を評価する方法が
提案されている(自動車技術会、学術講演会前刷集94
6,1994−10,133−136頁)。これによる
と、緊張により心拍数が増加することはよく知られてい
るが、心拍の拍動間隔には、0.25(1/bea
t)、0.1(1/beat)および0.02(1/b
eat)近傍に3つのピークが有り、特に、0.25
(1/beat)近傍のピークは副交換神経の影響が大
きく、緊張するとこの周波数の振幅は減少し、リラック
スすると増加すると記載されている。ここで、この0.
25(1/beat)近傍に現れるピークは呼吸性変動
(Respiratory Sinus Arrhythmia: RSA)と呼ばれる
ものである。一方、本願発明者らは、車両を運転するド
ライバーの心拍を計測し、これより拍動間隔データを得
て、拍動に関するスペクトル解析を行い、0.28〜
0.34(1/beat)近傍に現れるRSAに合わせ
て設定されるパワースペクトルの帯域2乗和の値が、ド
ライバーの官能評価と一致することを報告している(日
本機械学会第8回交通・物流部門大会講演論文集「乗用
車の直進性とタイヤ設計要素に関する研究」(部門大会
編)1999.12.8〜10.川崎)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの装置や方法
は、いずれも計測される心拍データから拍動間隔データ
を得て、一定の周波数帯域のパワースペクトルの周波数
成分を求めることによって、あるいは、3拍毎の分散値
を求めて、ばらつきの程度を知ることによって、ドライ
バーの緊張度を計測し評価するものである。しかし、3
拍毎の分散値を求め、ばらつきの程度を知る上記方法で
は、短時間の意識変化等を評価するために、運転する車
両で車載計測を行いリアルタイムに評価する簡易かつ実
用的なものであるため、ドライバーの緊張度を精度よく
計測し評価することはできない。また、パワースペクト
ルを求め、RSAの成分を一定の帯域2乗和によって求
める上記方法では、どの帯域を帯域2乗和の範囲とする
かによって、RSA成分の値が変動し、緊張度やリラッ
クス度等の主観評価結果と対応する安定した客観的評価
結果を精度よく得ることができない場合もある。
【0007】このように心拍の拍動間隔データから拍動
間隔のパワースペクトルの周波数成分の値を求め緊張度
あるいはリラックス度の指標とする技術は、特開平7−
163536号公報に記載される入浴時のリラックス度
測定法や特開平7−143972号公報に記載される睡
眠状態判定方法の他、一定時間一定の作業を行っている
作業者の緊張度を計測し評価する方法等多岐に利用でき
るものであるが、上述したような、RSAの発生帯域の
設定範囲の問題から緊張度やリラックス度等の主観的評
価結果と対応する安定した客観的評価結果を精度よく得
ることはできない。
【0008】そこで、本発明は、上記問題点を解決すべ
く、作業者の心拍信号を取得し、この心拍信号から拍動
間隔データを求め、この拍動間隔データを用いて作業者
の緊張度を計測し評価する評価方法および評価装置にお
いて、緊張度の主観的評価結果と対応する安定した客観
的評価結果を精度よく得ることのできる心負担評価方法
および心負担評価装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明者らは、作業者の心拍信号から求められる
拍動間隔データを用いて作業者の緊張度を計測し評価す
る評価方法について鋭意検討した結果、作業者の緊張度
によって振幅の増減する上述した0.25(1/bea
t)近傍あるいは0.28〜0.34(1/beat)
近傍に現れるRSAのピークが、呼吸周波数(Hz)を
一定に保つことで、ピーク割れを起こさず、単一のピー
クを形成し、しかもこのピーク周波数(Hz)が、呼吸
の周波数(Hz)に比例してシフトすることを見出した
結果、以下の発明に至ったものである。すなわち、本発
明は、作業者の心拍信号を取得し、この心拍信号から拍
動間隔データを求め、この拍動間隔データを用いて作業
者の緊張度を計測し評価する心負担評価方法であって、
前記心拍信号の取得の際に、作業者に一定周期で呼吸統
制刺激信号を与えて呼吸統制を行わせることを特徴とす
る心負担評価方法を提供するものである。
【0010】ここで、前記呼吸統制刺激信号は、音、光
あるいは振動に基づく刺激信号であるのが好ましく、前
記一定周期は、呼吸統制による作業者の作業能率の変化
を最小限にするために、予め得られる前記作業者の作業
中の平均呼吸周期であるのがよい。また、上記心負担評
価方法は、車両を運転する際のドライバーの緊張度の評
価に用いられることが好ましく、車両を運転する際のド
ライバーの緊張度の評価を行うことによって、前記車両
の性能評価を行うのが好ましく、あるいは、車両を運転
する際のドライバーの緊張度の評価を行うことによっ
て、車両に装着されるタイヤの性能評価を行うのが好ま
しい。
【0011】また、本発明は、一定周期で呼吸統制刺激
信号を作業者に発する刺激信号発生部と、前記刺激信号
発生部から発生する刺激信号に従って呼吸統制を行った
前記作業者の心拍信号を取得し、この心拍信号から拍動
間隔データを求め、この拍動間隔データを用いて、呼吸
性変動成分を抽出する呼吸性変動抽出部とを備え作業者
の緊張度を計測し評価する心負担評価装置を提供するも
のである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の心負担評価方法お
よび心負担評価装置について、添付の図面に示される好
適実施例を基に詳細に説明する。なお、本実施例では、
車両を運転するドライバーの緊張度を計測し評価するこ
とによって、車両に装着されるタイヤの性能評価を行う
場合について説明するが、本発明においては、タイヤの
性能評価のみならず、車両の性能評価に用いてもよく、
また、本発明においては、緊張度の計測や評価の対象と
なる作業者が車両を運転するドライバーに限定される訳
でなく、一定時間一定の作業を行う作業者に適用するも
のであってもよい。
【0013】図1は、本発明の心負担評価装置の好適実
施例であるドライバーの運転中の緊張度を計測し評価す
る心負担評価装置10の概略を示す。
【0014】心負担評価装置10は、一定周期で呼吸統
制刺激信号をドライバーDに発する刺激信号発生部12
と、刺激信号発生部12から発生する刺激信号に従って
呼吸統制を行った車両運転中のドライバーの心拍信号を
取得する信号取得部14およびこの心拍信号から拍動間
隔データを求め、この拍動間隔データを用いて、呼吸性
変動成分(RSA)を抽出する解析部16を備える呼吸
性変動抽出部18とを主に備え、さらに上記心拍を計測
する電極20a、20bおよび20cと、呼吸統制され
てドライバーが呼吸を行っているかどうかを確認するた
めの呼吸信号を得る呼吸信号検知センサ22とを有す
る。
【0015】刺激信号発生部12は、音、光あるいは振
動に基づく刺激信号をドライバーDに与える信号発生部
であって、ドライバーDがこの刺激信号に合わせて一定
周期で呼吸するように、すなわち呼吸統制するように、
一定周期で信号が発生する。刺激信号発生部12は、例
えば一定周期で信号を発生するものであればいずれでも
よく、メトローノーム等や一定周期で発光する発光光源
や一定周期で振動を発生する振動発生装置であってもよ
い。少なくとも、ドライバーDによって一定周期の刺激
信号が感知されるものであればいずれでもよい。
【0016】信号取得部14は、ドライバーDの心臓を
挟んだ胸上部と左腰部に配置した電極20aおよび20
bから微弱な信号を得て心拍信号を誘導、取得するとと
もに、呼吸統制されてドライバーが呼吸を行っているか
確認するために、ドライバーの鼻下方に配置される呼吸
信号検知センサー22からの呼吸信号を取得する。な
お、ドライバーDの左腰部には、アース電極20cが配
置される。本実施例では、このように電極20a、20
bおよび20cを配置するが、必ずしもこのような配置
方法に限定されるわけでなく、公知の電極設定方法であ
ってもよく、電極の配置方法は限定されない。また、呼
吸信号検知センサは、本発明において特に必須のもので
なく、ドライバーDが刺激信号に基づいて呼吸を行う限
りにおいて、呼吸信号を確認する必要はない。
【0017】また、呼吸性変動抽出部18には、車両を
走行する際にデータを収拾するために、信号取得部14
で取得される心拍データや呼吸信号を記録保持するデー
タロガー24が設けられる。
【0018】解析部16は、データロガー24に記録保
持された心拍信号から拍動間隔データを求め、この拍動
間隔データを用いて、呼吸性変動成分(RSA)を抽出
する部分である。図2(a)には、心拍信号の一例が、
図2(b)には、その拡大波形が示されているが、解析
部16は、図2(a)に示されるような一定周期で最大
振幅をとる心拍信号から、最大振幅の時間間隔、すなわ
ち図2(b)に示すような拍動の時間間隔であるRRI
(R−R interval)データを検出し、図3に
示すようなRRIデータを得るとともに、所定の拍動
数、例えば100拍のRRIデータを用いて、周波数解
析を行い、図4に示すようなパワースぺクトルを求め、
さらに、略0.3(1/beat)近傍に現れるパワー
スペクトルのピーク(RSA)値を抽出し、このピーク
値をドライバーDの緊張度として出力するように構成さ
れる。この時、呼吸信号検出センサ22から得られる呼
吸信号をモニタし、一定周期で呼吸されているか判断
し、一定周期で呼吸されていない場合は、パワースペク
トルのピーク値を抽出しないように構成してもよい。
【0019】ここで、抽出されるRSAの値、すなわち
略0.3(1/beat)近傍に現れるピークは、ピー
ク値が高いほどドライバーDの緊張度が低く、リラック
スした状態であることを示し、ピーク値が低いほど、ド
ライバーDの緊張度が高い状態にあることを示す。ま
た、このRSAのピークは、単一のピークから構成され
るため、従来のように帯域2乗和で評価する必要がな
く、安定した緊張度の計測、評価を行うことができる。
このように、RSAのピークがピーク割れを起こすこと
なく単一のピークで構成させることができるのは、ドラ
イバーDの呼吸を統制するからである。詳細については
後述する。
【0020】このように呼吸統制されたドライバーDの
拍動間隔データのRSAのピークの値を求めることでド
ライバーDの緊張度を計測し心負担を評価する心負担評
価装置10は、車両を一定にして評価対象であるタイヤ
を取り替えてタイヤの性能評価を行う評価方法に用いる
ことができる。例えば、ドライバーDが一定時間自ら操
舵することなく車両を直進させて走行する際の緊張度を
計測し心負担を評価することによって、車両を直進させ
た時のタイヤの直進性の性能評価を行うことができる。
また、同一のタイヤを種々の車両に装着し、運転するド
ライバーDの緊張度を計測し心負担を評価することによ
って車両の性能評価を行う場合に用いることもできる。
さらに、車両に装着されているタイヤをそのまま用い
て、運転するドライバーDの緊張度を計測し心負担を評
価することによってタイヤを含めた車両の総合性能の評
価を行う場合にも用いることができる。心負担評価装置
10は、以上のように構成される。
【0021】次に、本発明の心負担評価方法について、
上記心負担評価装置10を例としてその作用に基づいて
説明する。
【0022】まず、刺激信号発生部12から一定周期で
光、音あるいは振動等の刺激信号を車両走行中のドライ
バーDに与え、一定周期で呼吸統制させる。ここで、刺
激信号の発する周期は、呼吸統制によるドライバーDの
運転への影響を最小限にする点から、予め得られるドラ
イバーDの運転中の平均呼吸周期であるのが好ましく、
例えば、1/0.6秒以上1/0.2秒以下の範囲内の
一定周期、より好ましくは、1/0.45秒以上1/
0.25秒以下の範囲内の一定周期であるのがよく、更
に言えば略1/0.3秒とするのがよい。ここで、ドラ
イバーDの運転中の平均呼吸周期は、後述する心拍信号
の取得の前に、ドライバーDの運転中の呼吸数を計測
し、これを計測時間で除することによって予め得てもよ
く、あるいは、既知となっているドライバーDの運転中
の平均呼吸周期を用いてもよく、平均呼吸周期の取得は
特に制限されない。
【0023】一方、呼吸統制された状態にあるドライバ
ーDに配置された電極20a,20bから心拍に基づく
電位信号を得、信号取得部14に送られる。信号取得部
14では、電位信号が増幅され、図2(a)に示される
ような心拍信号を得る。得られた心拍信号はデータロガ
ー24に蓄積され記録される。また、心拍信号の他に、
ドライバーDの呼吸が呼吸統制されているか確認するた
めの呼吸信号も信号取得部14で取得され、データロガ
ー24に記録される。
【0024】その後、データロガー24から解析部16
に心拍信号や呼吸信号が送られ、RSAの抽出が行われ
る。解析部16では、図2(a)に示されるような心拍
信号から、RRIを求めて、図3に示されるような拍動
間隔データを得、その後、この拍動間隔データから周波
数解析によって図4に示すようなパワースペクトルを得
る。ここで、ドライバーDは一定周期で発する刺激信号
に従って一定周期で呼吸統制されているので、図4に示
すように、0.3(1/beat)近傍に鋭い単一のピ
ーク(RSA)を形成する。解析部16では、この単一
のピーク値を求めることによって、このピーク値をドラ
イバーDの緊張度として出力する。なお、呼吸信号検出
センサ22で得られた呼吸信号から一定周期あるいは、
所定範囲のばらつき内で周期的に呼吸していないと判断
された場合は、ドライバーDの緊張度は出力されない。
後述するように、呼吸のばらつきによって単一のRSA
のピークが得られないからである。
【0025】このように、呼吸統制を行うことによって
単一のRSAのピーク周波数を得ることができるのは、
RSAのピーク周波数(RSA周波数)(Hz)が図5
に示すように、ドライバーDの呼吸周波数(Hz)と一
致して変化することを本願発明者らが鋭意検討して見出
した結果によるものである。すなわち、一定周波数(一
定周期)で呼吸すると、RSA周波数(Hz)も一定の
値となり、図4に示すような単一のRSAピークが得ら
れる。しかも、RSA周波数は、呼吸周波数に比例して
変動する。
【0026】従来においては、呼吸統制が行われないた
め、図6に示されるように、ドライバーDの呼吸周波数
がばらつき、RSAは、呼吸周波数のばらつきに応じて
ばらつく。そこで、RSAの発生範囲に応じた帯域、例
えば0.28〜0.34(1/beat)の帯域を設定
し、この帯域のパワースペクトルの2乗和の値によっ
て、図7に示すような結果を得ていた。
【0027】ここで図7は、車両を一定にしてタイヤを
取り替えつつ、ドライバーDの緊張度を計測し評価する
ことによって、タイヤの性能評価、直進性の評価を行っ
た評価結果を示している。試験条件としては、通常の市
販車両を用い、タイヤ構造の異なるタイヤAおよびタイ
ヤBの空気充填内圧を180kPaとした2条件とタイ
ヤAおよびタイヤBの空気充填内圧を220kPaに変
えた2条件の計4条件であり、この4条件についてタイ
ヤの性能評価を行ったものである。計測条件は、高速道
路を90km/時で直進走行している際のドライバーD
の心拍信号を120秒間計測し、これより拍動間隔のパ
ワースペクトルを求め、RSAの値として0.28〜
0.34(1/beat)帯域の2乗和を求めた。この
例では、タイヤA(220kPa)のRSAの値が最も
低く、タイヤB(180kPa)の値が最も高くなって
いる。従って、タイヤB(180kPa)を車両に装着
する場合、ドライバーDは最もリラックスし、すなわち
緊張することなく運転し、タイヤA(220kPa)を
車両に装着する場合、ドライバーDの心的負担が大きく
最も緊張して運転することを表している。そして、この
結果は、ドライバーDの官能評価と対応する。従って、
0.28〜0.34(1/beat)帯域の2乗和の値
の大小によってタイヤの性能評価を行うことができる。
【0028】しかし、図6に示すように、RSAの値を
求めるには帯域2乗和を求める必要があるため、RSA
ピークの発生する帯域を含むように帯域を設定しなけれ
ばならず、RSAの値を精度よく抽出することができな
かった。すなわち、ドライバーDの呼吸間隔のばらつき
によってRSAのピーク位置が変動することから、この
RSAのピークがすべて含まれるように、一定の帯域、
上記例では0.28〜0.34(1/beat)の帯域
における帯域2乗和を求めなければばらないが、この帯
域2乗和には、RSAの信号成分の他にこの帯域に含ま
れるノイズ成分も含まれ、精度の高い評価を行うことが
できなかった。
【0029】しかし、本発明においては、一定周期で呼
吸するように呼吸統制することによって、RSAを単一
ピークにすることができ、このピーク値を求めること
で、ドライバーDの運転中の心負担、すなわち緊張度の
程度を表すRSAの値を精度高く求めることができる。
従って、上記タイヤの性能評価において、官能評価と対
応する精度の高い客観評価を行うことができる。勿論、
呼吸統制が必ずしも完全におこなわれず、僅かに呼吸周
波数がばらつくために、従来に比べて狭い帯域であるが
RSAのピーク位置がばらついている場合においても、
従来に比べて狭い帯域の2乗和を求めることによって、
従来よりも一層安定した評価を得ることができる。
【0030】上記例では、車両を運転するドライバーの
緊張度を計測し評価することによって、車両に装着され
るタイヤの性能評価を行う場合について説明したが、本
発明においては、タイヤの性能評価のみならず、車両の
性能評価に用いてもよいことは上述した通りである。ま
た、車両やタイヤの性能評価は、上記直進性に限られ
ず、車両の走行方法によって走行中の乗り心地性能や車
両内の車内騒音等の性能評価に適用してもよい。さら
に、ドライバーの替わりに一定時間一定の作業を行う作
業者の緊張度を計測し、心負担の評価に適用するもので
あってもよい。
【0031】以上、本発明の心負担評価方法および心負
担評価装置について詳細に説明したが、本発明は上記実
施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲に
おいて、各種の改良および変更を行ってもよいのはもち
ろんである。
【0032】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、一定周期
で作業者に呼吸をおこなわせることによって、拍動間隔
データから得られるパワースペクトルにおけるRSAの
ピークを単一にすることができるため、作業者の緊張度
の主観的評価と対応する安定した客観的評価を精度よく
得ることができる。特に、車両を運転するドライバーの
緊張度を計測し心負担の評価を行うことによって、車両
の性能評価や車両に装着されるタイヤの性能評価を精度
良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の心負担評価装置の一例の構成を示す
概略構成図である。
【図2】 (a)は、本発明の心負担評価方法で得られ
る心拍信号の一例を示す図であり、(b)は(a)に示
される心拍信号の拡大波形を示す図である。
【図3】 本発明の心負担評価方法で得られる拍動間隔
データの一例を示す図である。
【図4】 本発明の心負担評価方法で得られる拍動間隔
データのパワースペクトル波形を示す図である。
【図5】 作業者の呼吸周波数とRSA周波数の関係を
示す図である。
【図6】 従来の拍動間隔データから得られるパワース
ペクトル波形を示す図である。
【図7】 従来の拍動間隔データから得られるRSA帯
域2乗和の結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 心負担評価装置 12 刺激信号発生部 14 信号取得部 16 解析部 18 呼吸性変動抽出部 20a,20b,20c 電極 22 呼吸信号検出センサ 24 データロガー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 景山 一郎 千葉県習志野市泉町1−2−1 日本大学 生産工学部機械工学科内 Fターム(参考) 4C017 AA02 AA10 AA14 AB04 AC16 BC21 DD20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】作業者の心拍信号を取得し、この心拍信号
    から拍動間隔データを求め、この拍動間隔データを用い
    て作業者の緊張度を計測し評価する心負担評価方法であ
    って、 前記心拍信号の取得の際に、作業者に一定周期で呼吸統
    制刺激信号を与えて呼吸統制を行わせることを特徴とす
    る心負担評価方法。
  2. 【請求項2】前記呼吸統制刺激信号は、音、光あるいは
    振動に基づく刺激信号である請求項1に記載の心負担評
    価方法。
  3. 【請求項3】前記一定周期は、予め得られる前記作業者
    の作業中の平均呼吸周期である請求項1または2に記載
    の心負担評価方法。
  4. 【請求項4】車両を運転する際のドライバーの緊張度の
    評価に用いられることを特徴とする請求項1〜3のいず
    れかに記載の心負担評価方法。
  5. 【請求項5】車両を運転する際のドライバーの緊張度の
    評価を行うことによって、前記車両の性能評価を行うこ
    とを特徴とする請求項4に記載の心負担評価方法。
  6. 【請求項6】車両を運転する際のドライバーの緊張度の
    評価を行うことによって、車両に装着されるタイヤの性
    能評価を行うことを特徴とする請求項4に記載の心負担
    評価方法。
  7. 【請求項7】一定周期で呼吸統制刺激信号を作業者に発
    する刺激信号発生部と、 前記刺激信号発生部から発生する刺激信号に従って呼吸
    統制を行った前記作業者の心拍信号を取得し、この心拍
    信号から拍動間隔データを求め、この拍動間隔データを
    用いて、呼吸性変動成分を抽出する呼吸性変動抽出部と
    を備え作業者の緊張度を計測し評価する心負担評価装
    置。
JP2000066395A 2000-03-10 2000-03-10 心負担評価方法、これを用いる車両性能評価方法およびタイヤ性能評価方法ならびに心負担評価装置 Expired - Fee Related JP4255598B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000066395A JP4255598B2 (ja) 2000-03-10 2000-03-10 心負担評価方法、これを用いる車両性能評価方法およびタイヤ性能評価方法ならびに心負担評価装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000066395A JP4255598B2 (ja) 2000-03-10 2000-03-10 心負担評価方法、これを用いる車両性能評価方法およびタイヤ性能評価方法ならびに心負担評価装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001252251A true JP2001252251A (ja) 2001-09-18
JP4255598B2 JP4255598B2 (ja) 2009-04-15

Family

ID=18585761

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000066395A Expired - Fee Related JP4255598B2 (ja) 2000-03-10 2000-03-10 心負担評価方法、これを用いる車両性能評価方法およびタイヤ性能評価方法ならびに心負担評価装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4255598B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006068091A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Yamatake Corp 生体負荷検査装置
KR100785924B1 (ko) * 2006-12-26 2007-12-17 삼성전자주식회사 호흡 유도 장치 및 그 방법
JP2010052690A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Bridgestone Corp タイヤ性能評価方法及びタイヤ性能評価装置
JP2010190874A (ja) * 2009-02-20 2010-09-02 Bridgestone Corp タイヤ性能評価方法及びタイヤ性能評価装置
CN105662345A (zh) * 2016-01-05 2016-06-15 深圳和而泰智能控制股份有限公司 心跳信号处理方法、装置和系统
JP2017164329A (ja) * 2016-03-17 2017-09-21 富士フイルム株式会社 診断支援装置とその作動方法および作動プログラム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006068091A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Yamatake Corp 生体負荷検査装置
JP4528583B2 (ja) * 2004-08-31 2010-08-18 株式会社山武 生体負荷検査装置
KR100785924B1 (ko) * 2006-12-26 2007-12-17 삼성전자주식회사 호흡 유도 장치 및 그 방법
JP2010052690A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Bridgestone Corp タイヤ性能評価方法及びタイヤ性能評価装置
JP2010190874A (ja) * 2009-02-20 2010-09-02 Bridgestone Corp タイヤ性能評価方法及びタイヤ性能評価装置
CN105662345A (zh) * 2016-01-05 2016-06-15 深圳和而泰智能控制股份有限公司 心跳信号处理方法、装置和系统
CN105662345B (zh) * 2016-01-05 2018-11-16 深圳和而泰智能控制股份有限公司 心跳信号处理方法、装置和系统
JP2017164329A (ja) * 2016-03-17 2017-09-21 富士フイルム株式会社 診断支援装置とその作動方法および作動プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP4255598B2 (ja) 2009-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Liang et al. Monitoring driver's alertness based on the driving performance estimation and the EEG power spectrum analysis
Hernando et al. Inclusion of respiratory frequency information in heart rate variability analysis for stress assessment
JP6118097B2 (ja) 運転時生体状態判定装置及びコンピュータプログラム
US7470231B2 (en) Fatigue degree measurement device, fatigue detection device and computer program to be used therein
Mehler et al. A comparison of heart rate and heart rate variability indices in distinguishing single-task driving and driving under secondary cognitive workload
KR20140096609A (ko) 생체정보를 통한 운전자 개인인식 및 운전상태 변화정보 제공방법
JP5086834B2 (ja) 疲労解析装置及びコンピュータプログラム
JP5022530B2 (ja) 疲労度演算装置及びコンピュータプログラム
US8852116B2 (en) Psychiatric symptom and psychiatric disorder onset risk evaluation method and evaluator using heart rate variability index
CN105658145A (zh) 清醒装置、座椅及清醒度判断方法
JP2005087486A (ja) 作業中ストレス評価装置および作業中ストレス評価方法
JP4832914B2 (ja) 筋疲労評価装置
JPH07143972A (ja) 睡眠状態判定方法及びその装置
JP2020074805A (ja) ドライバーの状態推定方法及び装置
JP2022192032A (ja) 道路車両の運転体験を改善するために運転者の心理物理的状態を処理する方法及び関連する車両用システム
JP2001252251A (ja) 心負担評価方法および心負担評価装置
Takahashi et al. Development of a feedback stimulation for drowsy driver using heartbeat rhythms
JP6135054B2 (ja) 眠気判定方法、装置及びプログラム
Zhang et al. Investigating the relationship between pavement roughness and heart-rate variability by road driving test
JP2017064364A (ja) 生体状態推定装置、生体状態推定方法及びコンピュータプログラム
JP6537003B1 (ja) 乗り物酔いの評価方法および乗り物酔いの評価装置
JP5610332B2 (ja) タイヤ性能評価方法及びタイヤ性能評価装置
JP7141960B2 (ja) 心身管理システム
WO2017057022A1 (ja) 生体状態推定装置、生体状態推定方法及びコンピュータプログラム
Cassani et al. Predicting driver stress levels with a sensor-equipped steering wheel and a quality-aware heart rate measurement algorithm

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080624

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090120

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090128

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4255598

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130206

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130206

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130206

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees