JP2001252097A - 核酸ハイブリダイゼーションの効率化法 - Google Patents

核酸ハイブリダイゼーションの効率化法

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JP2001252097A JP2000065862A JP2000065862A JP2001252097A JP 2001252097 A JP2001252097 A JP 2001252097A JP 2000065862 A JP2000065862 A JP 2000065862A JP 2000065862 A JP2000065862 A JP 2000065862A JP 2001252097 A JP2001252097 A JP 2001252097A
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幸夫 須藤
Hiroshi Shinoki
浩 篠木
Kousaku Ookubo
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    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 核酸分子内の水素結合による三次構造の形成
を妨げることによってハイブリダイゼーションの効率を
増大させる方法を提供すること。 【解決手段】試料中の核酸とプローブ核酸とをハイブリ
ダイゼーションさせることを含む、試料中の核酸におけ
るプローブ核酸の塩基配列と相補的な配列を検出する方
法において、試料中の核酸及び/又はプローブ核酸の1
種類以上の塩基を予め化学的に修飾しておくことを特徴
とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハイブリダイゼー
ションによる核酸の検出方法の効率を増大させる方法に
関する。より詳細には、本発明は、試料中の標的核酸と
プローブ核酸とをハイブリダイゼーションさせて試料中
の核酸におけるプローブ核酸の塩基配列と相補的な配列
を検出する際のハイブリダイゼーション効率を増大させ
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】標的核酸試料、または標的核酸試料中の
核酸と相補的な塩基配列を含む核酸プローブの何れか一
方を固相に固定し、他方とハイブリダイゼーションさせ
る方法は、1975年にE.M.Southernにより開発され、
サザンブロッティング法(核酸プローブを用いて固定化
されたDNA試料中の標的核酸を検出する方法)又はノ
ーザンブロッティング法(核酸プローブを用いて固定化
されたRNA試料中の標的核酸を検出する方法)として
多用されている(J.Mol.Biol. 98, 503, (1975))。サ
ザンブロッティング法では、核酸試料を電気泳動後、ニ
トロセルロース膜又はナイロン膜などに固定し、相補的
配列を有する核酸プローブと接触させる。
【0003】この方法とは逆に、核酸プローブを固相に
固定化し、標的核酸と接触させることにより、標的核酸
の量を測定する方法も開発され、遺伝子解析や遺伝子診
断などに利用されてきている。DNAアレイは、このよ
うな手法をもとにして、核酸試料中の標的核酸の存在量
を同時に多数測定できる方法として開発され、遺伝子発
現の同時多数解析や遺伝子多型性の解析などに利用され
てきている(S.Fodor, Science 277, 393 (1997); Natu
re Genetics Supplement 21, 20 (1999))。
【0004】上述の方法はいずれも、互いに相補的な核
酸同士がハイブリダイゼーションによりハイブリッドを
形成することを利用している。このハイブリッドは、塩
基配列の相補性が高いほど試料中の標的核酸断片とプロ
ーブ核酸とが強く結合し、より高い温度でも解離しない
ようになる。そこで、試料中の標的核酸がプローブ核酸
とが互いに完全な相補性を有する場合には解離せず、相
補性が不完全な場合には解離するような条件(温度、イ
オン強度などで調節)で洗浄することにより、試料中の
標的核酸がプローブ核酸と完全な相補性を有しているか
どうかをか判定することができる。
【0005】完全に相補的な核酸同士でもハイブリッド
の結合エネルギーはその塩基配列により異なるため、反
応条件、解離条件は塩基配列に応じて最適化する必要が
ある。20塩基程度のオリゴDNAでは、該DNA中の
塩基含量(GC含量)により結合エネルギーを推定する
ことができる(Molecular Cloning: A laboratory Mann
ual, 2nD ED. 第9章, Cold Spring Harbor Laborator
y, Cold Spring Harbor, NY.,1989.)。しかし、cDN
Aのような大きなDNAを対象とする場合には、該DN
A分子内での水素結合による三次構造の形成がハイブリ
ッド形成に大きな影響を与えると考えられている。この
ような、分子内三次構造の形成は塩基含量だけからでは
推測することが困難であるため、ハイブリダイゼーショ
ン条件の最適化を困難にしている。また、水素結合によ
る分子内三次構造の形成は、ハイブリダイゼーション効
率にも悪影響を及ぼし検出感度を低下させるという問題
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
技術の問題点を解消することを解決すべき課題とした。
即ち、本発明は、核酸分子内の水素結合による三次構造
の形成を妨げることによってハイブリダイゼーションの
効率を増大させる方法を提供することを解決すべき課題
とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、試料中の核酸とプロ
ーブ核酸とをハイブリダイゼーションさせる際に試料中
の核酸及び/又はプローブ核酸の1種類以上の塩基を予
め化学的に修飾しておくことによって、ハイブリダイゼ
ーションの効率を増大できることを見い出し、本発明を
完成するに至った。
【0008】即ち、本発明によれば、試料中の核酸とプ
ローブ核酸とをハイブリダイゼーションさせることを含
む、試料中の核酸におけるプローブ核酸の塩基配列と相
補的な配列を検出する方法において、試料中の核酸及び
/又はプローブ核酸の1種類以上の塩基を予め化学的に
修飾しておくことを特徴とする方法が提供される。本発
明の方法では好ましくは、試料中の核酸及び/又はプロ
ーブ核酸の1種類以上の塩基を予め化学的に修飾してお
くことにより該核酸分子内の水素結合の強度が低下して
いる。本発明において好ましくは、試料中の核酸はDN
Aである。本発明において好ましくは、プローブ核酸は
プローブDNAである。
【0009】本発明において好ましくは、化学的に修飾
される塩基はシチジン又はグアニンである。本発明の一
実施態様では、核酸をヒドラジンで処理することにより
塩基の化学的修飾が行われる。本発明において好ましく
は、プローブ核酸が支持体上に固定されている。本発明
においてより好ましくは、複数のプローブ核酸が支持体
上に固定されている。
【0010】本発明の別の側面によれば、核酸をヒドラ
ジンまたは硫酸ジメチルで処理することを含む、核酸分
子内の水素結合の強度を低下するための方法が提供され
る。本発明のさらに別の側面によれば、核酸中の塩基を
化学修飾するための試薬としてヒドラジン及び/または
硫酸ジメチルを含む、上記した本発明の方法を行うため
に使用するハイブリダーゼーション効率向上用試薬キッ
トが提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様および実
施方法について説明する。本発明の方法は、試料中の核
酸とプローブ核酸とをハイブリダイゼーションさせるこ
とによって、試料中の核酸におけるプローブ核酸の塩基
配列と相補的な配列を検出するものである。本明細書で
用いる「核酸」という用語は、DNA又はRNAの両方
を包含する意味で用いられ、また核酸は天然由来の核
酸、遺伝子組み換え技術により作製した核酸、並びに化
学合成した核酸のいずれでもよい。
【0012】本明細書で用いる「試料中の核酸」は、プ
ローブ核酸がハイブリダイズすることができる標的配列
を含む核酸である。試料の種類は限定されず、生体由来
の試料、培養細胞由来の試料、又は人工的に構築したD
NAライブラリー由来の試料など任意の試料を挙げるこ
とができる。また、試料中の核酸が染色体に由来するも
のなど分子量が非常に大きいものである場合には、適当
な制限酵素で適当な長さに切断しておいてもよい。本明
細書で用いる「プローブ核酸」とは、検出すべき特定の
塩基配列(例えば、特定の遺伝子又はその一部の塩基配
列など)を有する核酸を意味する。プローブ核酸の種類
は特に限定されず、例えばcDNAクローンやオリゴヌ
クレオチドなどが挙げられ、その長さも特に限定され
ず、数塩基対(好ましくは数十塩基対)から数十キロ塩
基対以上のものまで任意の長さのものを使用することが
できる。
【0013】本発明の方法では、試料中の核酸における
プローブ核酸の塩基配列と相補的な配列が検出される。
検出には、相補的な配列の存在の有無を検出すること以
外に、相補的な配列の存在量を検出すること、並びに相
補的な配列における変異を検出することなども含まれ
る。ハイブリダイゼーション後にプローブ核酸が試料中
の核酸の標的配列とハイブリダイズしたかどうかを検出
するために、プローブ核酸又は試料中の核酸の何れか片
方(通常は、固定化される核酸以外の核酸)を標識して
おくこのが望ましい。標識の種類および方法は当業者に
公知であり、放射標識あるいは非放射性標識の何れかを
適宜選択できる。放射標識としては、例えば、3H、125
I、35S、14C又は32Pなどの放射性同位体による核酸
の標識が挙げられる。非放射性標識としては、例えば、
蛍光標識(ジゴキシゲニン等)あるいは酵素標識(ビオ
チン−アビジン系を介したアルカリホスファターゼ標
識)などが挙げられる。
【0014】本発明の方法は、試料中の核酸とプローブ
核酸とをハイブリダイズさせることを含む。ハイブリダ
イゼーションの態様は限定されず、例えば、サザンハイ
ブリダイゼーション、ノザンハイブリダイゼーション、
ドットハイブリダイゼーション、コロニーハイブリダイ
ゼーション、又はプラークハイブリダイゼーションなど
を含む任意の態様で行うことができる。また、上記態様
は何れも片方の核酸を固定化させてから他方の核酸との
ハイブリダイゼーションを行うものであるが、本発明の
方法では、核酸を固定化することなく溶液中で両方の核
酸をハイブリダイゼーションさせることもできる。
【0015】ハイブリダイゼーションの条件は、検出す
べき塩基配列の長さ、塩基含有比(GC含有量)などに
応じて適宜設定することができる。例えば、試料核酸を
固定化したフィルターを用いて、適当なイオン強度の緩
衝液中42℃〜68℃でハイブリダイゼーションを行う
ことができる。ハイブリダイゼーションの終了後、適当
なイオン強度の緩衝液を用いて42℃〜68℃でフィル
ターを洗浄する。洗浄後のフィルターを用いて試料中の
標的核酸にハイブリダイズしたプローブ核酸を検出する
ことにより試料中の標的核酸を検出することができる。
但し、上記したハイブリダイゼーション条件および洗浄
条件は代表例を示すにすぎない。ハイブリダイゼーショ
ンの一般的操作及び条件は、Molecular Cloning: A lab
oratoryMannual, 2nD ED., Cold Spring Harbor Labora
tory, Cold Spring Harbor, NY.,1989)等に記載されて
いる。
【0016】ハイブリダイゼーションにおいては、相補
的配列の間で正確にハイブリッドを形成するためには、
反応温度、イオン強度を最適に選択する必要がある。温
度が高すぎると、プローブと相補的配列をもつ核酸とが
結合できない。逆に温度が低すぎると、プローブが非特
異的に核酸に結合してしまう。プローブと相補的な塩基
配列をより正確に検出するためには、溶液のイオン強度
(塩濃度)を下げたり、又は溶液の温度を挙げて不安定
な水素結合を除いて、非特異的に結合したプローブやミ
スマッチしているプローブを洗い流すことが重要であ
る。適正なハイブリダイゼーション条件および洗浄条件
を設定するには通常一定の試行錯誤が必要である。特
に、遺伝子診断におけるハイブリダーゼーション条件お
よび洗浄条件には、一塩基対レベルのミスマッチをも除
去できる程度の精密さが必要とされる。
【0017】本発明の方法は、ハイブリダイゼーション
に先立って試料中の核酸及び/又はプローブ核酸の1種
類以上の塩基を予め化学的に修飾しておくことを特徴と
する。塩基を化学修飾する方の核酸は試料中の核酸でも
プローブ核酸の何れでもよく、何れか片方を修飾しても
両方を修飾してもよい。化学修飾する塩基は、アデニン
(A)、シチジン(C)、グアニン(G)、チミン
(T)又はウリジン(U)の何れでもよいが、分子内水
素結合の形成を効率的に妨げるという観点からシチジン
(C)又はグアニン(G)が好ましく、特に好ましくは
シチジン(C)である。即ち、互いに相補的な2つの核
酸がハイブリダイズする場合、GC対は3個の水素結合
により結合するのに対し、AT対は2個の水素結合によ
り結合しているため、AT間の結合力よりもGC間の結
合力の方が強い。従って、G又はCを化学修飾すること
によりGC結合対を妨げる方が分子内水素結合をより効
率的に妨げることができる。
【0018】以下に塩基を化学的に修飾する方法につい
て説明する。DNA又はRNAなどの核酸は、相補的配
列をもつ核酸とハイブリッドを形成する。このハイブリ
ッドは、DNA又はRNA中の核酸塩基部分(プリン又
はピリミジン)での水素結合力により形成されていると
考えられている。従って、プリン又はピリミジン塩基を
特異的に修飾することができれば、相補的な結合の一部
分を破壊することが可能である。核酸塩基の特異的な修
飾の方法の一例としては、DNA塩基配列の決定方法に
利用されるマクサムギルバード法をあげることができる
(MoleculrCloning第2版第2巻第13章)。例えば、
ヒドラジンは、ピリミジン塩基を特異的に修飾すること
が可能であるが、高濃度の塩の存在下では、シトシンの
みが修飾され、ピリミジン塩基が開環する。また、硫酸
ジメチルは、グアニンのプリン塩基を修飾することがで
きる。このような試薬を用いてシトシン又はグアニンを
特異的に修飾することができる。また、塩基を修飾する
ための別の方法としては、塩基に特異的なインターカレ
ーターを用いる方法も考えられる。具体的には、ピレン
などのインターカレーターの誘導体を使用する方法が考
えられる。
【0019】本発明の方法では、上記したようにハイブ
リダイゼーションに先立って核酸の塩基を化学的に修飾
しておくことによって、核酸分子内の水素結合の強度を
低下している。このようにして核酸分子内の水素結合の
強度を低下させておくことにより該核酸の分子内折り畳
みによる三次構造形成を防止することができ、ハイブリ
ダイゼーション効率を増大させることができる。
【0020】本発明の好ましい態様では、試料中の核酸
又はプローブ核酸の何れか片方の核酸を支持体(固相支
持体、例えば、フィルター等)に固定した後、他方の核
酸をハイブリダイズさせる。より好ましい態様では、プ
ローブ核酸が支持体上に固定されている。プローブ核酸
として複数の核酸を支持体上に固定したDNAアレイと
称されるものを用いて、試料中の核酸をハイブリダイズ
させることにより、試料核酸中の複数の特定の塩基配列
を同時に検出及び定量することが可能になる。
【0021】本発明のハイブリダイゼーション法を用い
ることによって、ウイルス、微生物、動植物、ヒトなど
の核酸(DNA又はRNA)の所望の塩基配列を検出、
同定又は定量することができ、また各種塩基配列におけ
る変異の有無を検出することができる。
【0022】別の観点によれば、本発明は、核酸をヒド
ラジンまたは硫酸ジメチルで処理することを含む、核酸
分子内の水素結合の強度を低下するための方法に関す
る。上述した通り、ヒドラジンは、ピリミジン塩基を特
異的に修飾することが可能であるが、高濃度の塩の存在
下ではシトシンのみが修飾され、ピリミジン塩基が開環
する。また、硫酸ジメチルはグアニンのプリン塩基を修
飾することができる。これらの試薬を用いて核酸中のシ
トシン又はグアニンを特異的に修飾することができ、こ
れにより核酸分子内の水素結合の強度を低下させ、ハイ
ブリダイゼーション効率を高めることができる。
【0023】さらに別の観点によれば、本発明は、塩基
を化学修飾するための試薬としてヒドラジン及び/又は
硫酸ジメチルを含む、ハイブリダーゼーション効率向上
用試薬キットに関する。上述した通り、ヒドラジン及び
/または硫酸ジメチルを用いて核酸を処理することによ
って、シトシン又はグアニンを特異的に化学修飾するこ
とができるので、これらはハイブリダーゼーションの効
率向上用の試薬として有用である。このような塩基を化
学修飾するための試薬を核酸ハイブリダイゼーションを
行う際に必要な他の試薬と適宜組み合わせて高効率ハイ
ブリダイゼーション用キットとすることができる。他の
試薬の例としては、核酸を標識するのに必要な試薬(例
えば、標識物質、並びに核酸標識反応に必要な試薬な
ど)などが挙げられる。以下の実施例により本発明をさ
らに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試
薬、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り
適宜変更することができる。しがたって、本発明の範囲
は以下に示す具体例に限定されるものではない。
【0024】
【実施例】実施例1:標識cDNAの作成 ヒトcDNAライブラリー(Human Lung cDNA;宝社製)を鋳
型にして、Ready-To-GoDNA Labelling Beads(アマシャ
ム社製)により、32S-dATP標識cDNAを作成した(これ
を標識cDNA Iと称する)。この標識cDNA10μl(DN
A量5μg)に15μlの5MのNaClと30μlの95%ヒ
ドラジン溶液を添加し、20℃で5分間放置することに
より、塩基の修飾を行った。反応混合物に、200μl
の0.3M酢酸ナトリウム溶液を添加し、4℃で攪拌し
反応を停止したのち750μlのエタノールを添加し、
−20℃でエタノール沈殿を行い精製した(これを標識
cDNA IIと称する)。
【0025】実施例2:GAPDHcDNA固定化メンブランの
作成 実施例1で作製したcDNAを鋳型にして、PCR法によりヒト
GAPDHcDNAを増幅した。プライマーの配列は以下のもの
を使用した; Forwardプライマー:ATG GGG AAG GTG AAG GTC GGA G Reverseプライマー:TTA CTC CTT GGA GGC CAT GTG G PCR反応物は、低融点1%アガロースゲルにより電気泳
動を行い、対応するバンド(1007bp)を回収したの
ち、再度PCRにより増幅を行い、低融点1%アガロース
ゲル電気泳動により再精製を行ったのち、分光光度計で
濃度を測定した。このcDNA溶液を10ng/μl になるよ
うにTE緩衝液で希釈したのち、2μlをナイロン膜(Ame
rsham社製HybondN+)に点着、乾燥後、紫外線照射を行
うことにより、GAPDHcDNA固定化膜を作成した。
【0026】実施例3:実施例2で作製したGAPDHcDNA
固定化膜を、30mlのハイブリダイゼーション緩衝液
(0.1%SDS、5%DextranSulfateを含有する5倍濃
度のSSC緩衝液)に60℃で30分間浸漬した。次に、
実施例1で作製した標識cDNAIまたは標識cDNAIIを、
95℃で5分間加熱したのち、氷で急冷したのち添加
し、65℃で18時間のハイブリダイゼーションを行っ
た。ハイブリダイゼーション終了後 0.1%SDS含有S
SCで2回、0.1%SDS含有0.5倍濃度SSCで2回洗浄
後、サランラップにつつみ、イメージングプレート(富
士フィルム社製)に10時間露光し、BAS1800で放射活
性を測定した。バックグラウンドを除去した後の測定値
(RI相対強度)は標識DNAIでは 1800であるが、
標識cDNAIIでは3300となり、ヒドラジン処理した
cDNA IIを用いた場合の方がハイブリダイゼーション効
率が向上したことが分かる。
【0027】
【発明の効果】本発明の方法によれば、試料中の標的核
酸とプローブ核酸とをハイブリダイゼーションさせて試
料中の核酸におけるプローブ核酸の塩基配列と相補的な
配列を検出する際のハイブリダイゼーション効率を増大
させることができる。本発明の方法によれば、例えば、
疾患の原因となるウイルス、細菌などの外来性遺伝物
質、あるいはヒトを含む生物の特定の遺伝情報を担う遺
伝子の有無、変異または当該遺伝子の発現状態などを効
率よく検出することが可能になる。
【0028】
【配列表】SEQUENCE LISTING <110> Fuji Photo Film Co. Ltd. <120> A method for increasing an efficiency of nuc
leic acid hybridization <130> A01113MA <160> 2
【0029】<210> 1 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: an artif
icially synthesized primer sequence <400> 1 atggggaagg tgaaggtcgg ag 22
【0030】<210> 2 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence: an artif
icially synthesized primer sequence <400> 2 ttactccttg gaggccatgt gg 22
フロントページの続き Fターム(参考) 4B024 AA11 CA04 CA09 HA11 4B063 QA01 QA08 QA13 QA17 QA18 QQ42 QR32 QR55 QR81 QR84 QS02 QS34

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料中の核酸とプローブ核酸とをハイブ
    リダイゼーションさせることを含む、試料中の核酸にお
    けるプローブ核酸の塩基配列と相補的な配列を検出する
    方法において、試料中の核酸及び/又はプローブ核酸の
    1種類以上の塩基を予め化学的に修飾しておくことを特
    徴とする方法。
  2. 【請求項2】 試料中の核酸及び/又はプローブ核酸の
    1種類以上の塩基を予め化学的に修飾しておくことによ
    り該核酸分子内の水素結合の強度を低下させることを特
    徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 試料中の核酸がDNAである、請求項1
    又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 プローブ核酸がプローブDNAである、
    請求項1から3の何れか1項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 化学的に修飾される塩基がシチジン又は
    グアニンである、請求項1から4の何れか1項に記載の
    方法。
  6. 【請求項6】 核酸をヒドラジンで処理することにより
    塩基の化学修飾を行う、請求項1から5の何れか1項に
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 プローブ核酸が支持体上に固定されてい
    る、請求項1から6の何れか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 複数のプローブ核酸が支持体上に固定さ
    れている、請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 核酸をヒドラジンまたは硫酸ジメチルで
    処理することを含む、核酸分子内の水素結合の強度を低
    下するための方法。
  10. 【請求項10】 核酸中の塩基を化学修飾するための試
    薬としてヒドラジン及び/または硫酸ジメチルを含む、
    請求項1から8の何れか1項に記載の方法を行うために
    使用するハイブリダーゼーション効率向上用試薬キッ
    ト。
JP2000065862A 2000-03-10 2000-03-10 核酸ハイブリダイゼーションの効率化法 Pending JP2001252097A (ja)

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