JP2001252069A - L−アミノ酸発酵用添加剤 - Google Patents

L−アミノ酸発酵用添加剤

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JP2001252069A
JP2001252069A JP2000067926A JP2000067926A JP2001252069A JP 2001252069 A JP2001252069 A JP 2001252069A JP 2000067926 A JP2000067926 A JP 2000067926A JP 2000067926 A JP2000067926 A JP 2000067926A JP 2001252069 A JP2001252069 A JP 2001252069A
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amino acid
additive
acid
oil
fermentation
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Takeshi Sakota
丈志 迫田
Keiichi Maruyama
圭一 円山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 L−アミノ酸発酵用細菌の生育および増殖を
妨げることなく、L−アミノ酸収量を向上することので
きるL−アミノ酸発酵用添加剤を提供する。 【解決手段】 油脂と脂肪酸の混合物の和1モルに対し
て炭素数2〜4のアルキレンオキシドを5〜150モル
付加して得られた反応生成物からなるL−アミノ酸発酵
用添加剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はL−アミノ酸の収量
を向上させるL−アミノ酸発酵用添加剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、L−グルタミン酸、L−リジン等
の工業的なL−アミノ酸発酵生産においては、コリネバ
クテリウム属、ブレビバクテリウム属等の細菌を用いて
行っている。その収量向上を目的としてポリオキシエチ
レンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンモ
ノアルキルエーテル等の添加剤を発酵培地に添加する方
法が知られている。しかしながら、従来の方法では収量
が満足できるものではなかった。特開平5−30895
8号公報では、油脂とアルコールの混合物にアルキレン
オキシドを付加して得られる生成物を含有するL−アミ
ノ酸発酵用培地を用いてL−アミノ酸を生産する方法を
開示している。しかし、この培地を用いても従来の方法
に比べれば改善されるものの、いまだ満足できる収量が
得られるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、L−
アミノ酸発酵用細菌の生育および増殖を妨げることな
く、L−アミノ酸収量を向上することのできるL−アミ
ノ酸発酵用添加剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(1) 油脂と脂肪酸の混合物の和1モルに対して炭素
数2〜4のアルキレンオキシドを5〜150モル付加し
て得られた反応生成物からなるL−アミノ酸発酵用添加
剤、(2)油脂と脂肪酸の混合割合が、油脂1モルに対
して脂肪酸0.5〜10モルであることを特徴とする
(1)記載のL−アミノ酸発酵用添加剤、(3) L−
アミノ酸がL−グルタミン酸である(1)または(2)
記載のL−アミノ酸発酵用添加剤、(4) (1)、
(2)または(3)記載のL−アミノ酸発酵用添加剤を
生産培地に添加して、L−アミノ酸生産菌を培養し、そ
の培養物よりL−アミノ酸を採取することを特徴とする
L−アミノ酸の製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に使用する油脂としては、
ヤシ油、パーム油、オリーブ油、大豆油、菜種油、アマ
ニ油、ヒマワリ油等の植物油、豚脂、牛脂および魚油等
の動物油のほか、これらの油脂の硬化油、半硬化油、さ
らにこれら油脂の精製油や精製工程で副生する回収油等
があげられる。また、これらの2種以上の混合物も使用
することができる。脂肪酸としては、カプリル酸、2−
エチルヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、マルガリン
酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキン酸、ベ
ヘン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン
酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸等の単独脂肪
酸、牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸等の混合脂肪酸、回収油
由来の脂肪酸およびこれらの脂肪酸の2種以上の混合物
があげられる。油脂と脂肪酸の混合割合は、好ましくは
油脂1モルに対して脂肪酸0.5〜10モルであり、さ
らに好ましくは0.8〜5モルである。脂肪酸が0.5
モル未満であるとアルキレンオキシドとの付加反応が進
みにくい傾向があり、10モルを越えると反応生成物の
粘度が非常に高くなる傾向があるため製造および取り扱
い上好ましくない。
【0006】本発明における炭素数2〜4のアルキレン
オキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキ
シド、ブチレンオキシドなどがあげられ、2種以上のア
ルキレンオキシドのブロック状付加でもランダム状付加
であってもよい。これらのアルキレンオキシドのうち、
エチレンオキシドの含有量は70モル%以上が好まし
い。アルキレンオキシドの付加モル数としては油脂と脂
肪酸の混合物の和1モルに対して5〜150モル、好ま
しくは10〜100モルである。アルキレンオキシドの
付加モル数が5未満であると、未反応の油脂および脂肪
酸が残存する可能性が高く、L−アミノ酸発酵用培地へ
の分散性が悪くなるため好ましくなく、150モルを越
えると反応生成物の粘度が非常に高くなるか、もしく
は、常温にて固体となり製造および取り扱い上好ましく
ない。
【0007】アルキレンオキシド付加反応の反応温度
は、通常80〜180℃である。使用する触媒は通常ア
ルキレンオキシドの付加反応において使用されるアルカ
リ性物質、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩および有機
金属塩等を用いることができ、例えばナトリウムメトキ
シド、カリウムメトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、乳酸カリウ
ムが挙げられる。これらの触媒は生成物に対して0.0
1〜1重量%程度使用するのが好ましく、さらに好まし
くは0.05〜0.5重量%である。また、常圧で反応
を行うよりも1.0MPa(ゲージ圧。以下同様)以下
の加圧下で反応を行うのが好ましい。
【0008】本発明のL−アミノ酸発酵用添加剤は、L
−アミノ酸生産菌が生育する培地に添加することができ
る。添加量は生育培地に対して0.001〜5重量%、
好ましくは0.01〜3重量%である。添加量が0.0
01重量%未満ではL−アミノ酸の収量が十分ではない
ため好ましくなく、5重量%を越えて添加しても効果は
あまり変わらず、コスト的に好ましくない。また、添加
時期は培養前でも培養開始後でもよく、更には、前培養
の段階で加えることもできる。添加回数も1回でも2回
以上であっても良い。
【0009】本発明の添加剤は、さらに他の添加剤およ
び消泡剤をL−アミノ酸生産菌の生育を妨げない程度の
濃度であれば併用することができる。L−アミノ酸発酵
用添加剤としては、例えばソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸
エステル、アルキルグルコシド、エステルアミド等があ
げられる。消泡剤としては、例えば植物油、脂肪族アル
コール、脂肪酸などや、高級アルコール、アルキルフェ
ノールなどを出発原料にアルキレンオキシドを付加した
消泡剤、シリコーン残基を含む消泡剤等があげられる。
また、必要に応じて抗生物質、ビタミン等を添加しても
よい。抗生物質としてはペニシリンが一般的であり、ビ
タミンとしてはビオチンが一般的である。本発明のL−
アミノ酸発酵用添加剤は公知のアミノ酸に対して使用す
ることができるが、特にL−グルタミン酸に用いること
が好ましい。
【0010】
【発明の効果】本発明のL−アミノ酸発酵用添加剤は、
L−アミノ酸発酵用細菌の生育および増殖を妨げること
なく、L−アミノ酸の収量を大幅に改善することができ
る。
【0011】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明する。 (1)L−アミノ酸発酵用添加剤の合成 実施例1 ヤシ油657.4g(1.0モル)、ラウリン酸20
0.0g(1.0モル)および水酸化カリウム4.4g
を5リットルオートクレーブに仕込み、窒素ガスで十分
に置換後、120℃に昇温し、窒素を吹き込みながら−
0.097MPa以下の減圧下で1時間、原料脱水を行
った。その後、140℃まで昇温し、エチレンオキシド
1320.0g(30モル)を0.5MPa以下の条件
で圧入した後、オートクレーブ内の圧力が一定になるま
で140℃で1時間反応を行った。反応終了後、60℃
以下に冷却し、塩酸を用いて触媒の中和を行った後、1
10℃に昇温し、窒素吹き込み下、−0.097MPa
以下の減圧下で2時間脱水を行った。脱水の後に、生成
した中和塩を濾別し、発酵用添加剤を2046.8g得
た。 実施例2〜4 実施例1と同様の方法で、表1に示す原料を用いて合成
を行い、実施例2〜4の発酵用添加剤を得た。
【0012】
【表1】
【0013】EO:エチレンオキシド PO:プロピ
レンオキシド *油脂と脂肪酸(アルコール)の混合物の和1モルに対
する仕込みモル数 比較例1 牛脂932.1g(1.0モル)、グリセリン184.
0g(2.0モル)および水酸化カリウム7.1gを5
リットルオートクレーブに仕込み、窒素ガスで十分に置
換後、120℃に昇温し、窒素を吹き込みながら−0.
097MPa以下の減圧下で1時間、原料脱水を行っ
た。その後、140℃まで昇温し、エチレンオキシド2
420.0g(55モル)を0.5MPa以下の条件で
圧入した後、オートクレーブ内の圧力が一定になるまで
140℃で1時間反応を行った。反応終了後、60℃以
下に冷却し、塩酸を用いて触媒の中和を行った後、11
0℃に昇温し、窒素吹き込み下、−0.097MPa以
下の減圧下で2時間脱水を行った。脱水の後に、生成し
た中和塩を濾別し、発酵用添加剤を3288.6g得
た。
【0014】比較例2〜3 比較例1と同様の方法で、表1に示す原料を用いて合成
を行い、比較例2〜3の発酵用添加剤を得た。 (1)L−アミノ酸生成量および菌体量の測定 ここに示す例は、L−アミノ酸発酵用添加剤の効果を説
明するものであり、細菌の属および発酵または培養条件
を制限するものではない。 グルコース 50.0g 尿素 8.0g ペプトン 2.0g K2HPO4 1.0g MgSO4・7H2O 1.0g ビオチン 5μg/L 水道水 残部 培地合計 1L pH 6.8 に調製
【0015】500ml振盪フラスコに入れた上記培地
200mlに、ペプトン−グルコース寒天斜面培地に保
存してあるミクロコッカス・グルタミカス菌を1白金耳
接種し、振盪条件下、30℃で24時間前培養を行っ
た。次に、500ml振盪フラスコに入れた上記培地2
00mlに、表1に示す発酵用添加剤を培地重量に対し
0.2重量%添加し、さらに、これらの培地に前述の前
培養液5mlを接種し、30℃で24時間振盪培養を行
った。培養後、培地100mlを吸引濾過して湿菌体を
得た。この湿菌体にメタノール100mlを加えて良く
分散した後、吸引濾過してメタノール洗浄菌体を得た。
この洗浄菌体収量を表2に示す。別に、上記培養培地中
に生成したL−グルタミン酸量をフォルモール滴定法を
用いて定量した。このアミノ酸収量を表2に示す。
【0016】
【表2】
【0017】表2より、本発明の添加剤は比較例の添加
剤と比較し、L−アミノ酸発酵用細菌の生育および増殖
を妨げず、L−アミノ酸収量を改善できることがわか
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油脂と脂肪酸の混合物の和1モルに対し
    て炭素数2〜4のアルキレンオキシドを5〜150モル
    付加して得られた反応生成物からなるL−アミノ酸発酵
    用添加剤。
  2. 【請求項2】 油脂と脂肪酸の混合割合が、油脂1モル
    に対して脂肪酸0.5〜10モルであることを特徴とす
    る請求項1記載のL−アミノ酸発酵用添加剤。
  3. 【請求項3】 L−アミノ酸がL−グルタミン酸である
    請求項1または請求項2記載のL−アミノ酸発酵用添加
    剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2418277A4 (en) * 2009-03-31 2013-01-23 Kaneka Corp METHOD FOR MICROORGANISM CULTURE AND METHOD FOR PRODUCING SUBSTANCE WITH MICROORGANISM

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EP2418277A4 (en) * 2009-03-31 2013-01-23 Kaneka Corp METHOD FOR MICROORGANISM CULTURE AND METHOD FOR PRODUCING SUBSTANCE WITH MICROORGANISM
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