JP2001251014A - レーザダイオードモジュール - Google Patents

レーザダイオードモジュール

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JP2001251014A
JP2001251014A JP2000058828A JP2000058828A JP2001251014A JP 2001251014 A JP2001251014 A JP 2001251014A JP 2000058828 A JP2000058828 A JP 2000058828A JP 2000058828 A JP2000058828 A JP 2000058828A JP 2001251014 A JP2001251014 A JP 2001251014A
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fiber grating
wavelength
optical fiber
fiber
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Tatsuo Hatta
竜夫 八田
Kiyohide Sakai
清秀 酒井
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/10Construction or shape of the optical resonator, e.g. extended or external cavity, coupled cavities, bent-guide, varying width, thickness or composition of the active region
    • H01S5/14External cavity lasers
    • H01S5/146External cavity lasers using a fiber as external cavity

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ファイバグレーティングにより使用波長を所
望の値にロックした状況下においても、キンクフリー光
出力最大値が十分高くなるレーザダイオードモジュール
を提供する。 【解決手段】 レーザダイオード1と、その出射光の光
路上に配置されたレンズ2と、レンズ2による集光位置
において入射可能なように配置された光ファイバ3とを
備え、光ファイバ3は、ファイバグレーティング4を含
み、ファイバグレーティング4の反射中心波長は、レー
ザダイオード1のカットオフ波長より長波長であり、フ
ァイバグレーティング4の反射スペクトルの半値幅は、
レーザダイオード1の縦モード間隔の2倍から10nm
までの間となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ増幅器
の励起用光源として使用するレーザダイオードモジュー
ルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13は、米国特許5,724,377
号に開示された従来のレーザダイオードモジュールの概
略の構造図である。このレーザダイオードモジュール
は、レーザダイオード1と、レーザダイオード1の出射
光の光路上に配置された光ファイバ12とを備えてい
る。レーザダイオード1は、光学的フィードバックのな
い状態では波長982nmで発振するレーザダイオード
である。光ファイバ12は、入射側の先端にマイクロレ
ンズ加工部を有し、一部に反射中心波長980nmのフ
ァイバグレーティング4を有する。一般に、ファイバグ
レーティングとは、光ファイバ内で屈折率が周期的に変
化するように形成した部分のことであり、この屈折率の
変化の周期によって、特定の波長の光だけを屈折率の変
化の割合に応じて一定量だけ反射する性質を有する。な
お、ファイバグレーティングは、光ファイバを紫外線に
感光させることで形成することができる。
【0003】レーザダイオード1からの出射光であるレ
ーザ光は、マイクロレンズ加工部13に入射することに
より、拡散光から平行光へと変換され、平行光として、
光ファイバ12の内部を伝搬する。光ファイバ12の内
部をファイバグレーティング4まで伝搬したレーザ光
は、ファイバグレーティング4により反射し、レーザダ
イオード1に再入射する。このようにして複合共振器が
構成される構造においては、レーザダイオード1の発振
波長は、上述の982nmではなく、ファイバグレーテ
ィング4の反射中心波長である980nmとなり、この
波長にロックされる。すなわち、レーザダイオード1に
流される順電流やレーザダイオードの配置される温度環
境に関わらず、安定して波長980nmでの光出力を得
ることができるようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図14に、上述のよう
にファイバグレーティング4を光ファイバ12内に設け
てレーザ光をレーザダイオード1に戻すこととした場合
と、そうでない場合との、ファイバ端光出力Pfと、レ
ーザダイオード順電流Ifとの関係を示す。破線で示し
たものが、ファイバグレーティング4がない場合の特
性、実線で示したものが、ファイバグレーティング4の
ある場合の特性である。図14からは、明らかなよう
に、ファイバグレーティング4を設けた場合には、キン
クを生じずに出射できる光出力の最大値(以下、「キン
クフリー光出力最大値」という。)が著しく低下し、フ
ァイバグレーティング4のない場合の半分程度の光出力
でしか使用することができないという問題点があった。
なお、「キンク」とは、ビームステアリングの発生によ
って、光ファイバ内の光出力とレーザダイオードに流す
順電流の間の直線性が失われる現象をいうが、詳しくは
後述する。
【0005】本発明は、上述の問題点を解決すること、
すなわち、ファイバグレーティングにより使用波長を所
望の値にロックした状況下においても、キンクフリー光
出力最大値が十分高くなるレーザダイオードモジュール
を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に基づくレーザダイオードモジュールの一つ
の局面においては、レーザダイオードと、上記レーザダ
イオードの出射光の光路上に配置されたレンズと、上記
レンズによる上記出射光の集光位置において入射可能な
ように配置された光ファイバとを備え、上記光ファイバ
は、ファイバグレーティングを含み、上記ファイバグレ
ーティングの反射中心波長は、上記レーザダイオードの
カットオフ波長より長く、上記ファイバグレーティング
の反射スペクトルの半値幅は、上記レーザダイオードの
縦モード間隔の2倍から10nmまでの間である。
【0007】上記構成を採用することにより、ファイバ
グレーティングの反射中心波長はカットオフ波長より長
波長側にあるので、高次横モードよりも基本横モードの
方が支配的となり、高次横モードの発振を抑えることが
できる。また、ファイバグレーティングの反射スペクト
ルの半値幅は縦モード間隔の2倍以上であるので、ファ
イバグレーティングの反射帯域がレーザダイオードの複
数の縦モードを含むこととなり、複数の縦モードが発振
することによって光出力が安定化する。さらに、ファイ
バグレーティングの反射スペクトルの半値幅は10nm
以下であるので、波長を10nm以下の精度で制御する
ことができる。
【0008】本発明に基づくレーザダイオードモジュー
ルの他の局面においては、レーザダイオードと、上記レ
ーザダイオードの出射光の光路上に配置されたレンズ
と、上記レンズによる上記出射光の集光位置において入
射可能なように配置された光ファイバとを備え、上記光
ファイバは、ファイバグレーティングを含み、上記ファ
イバグレーティングの反射中心波長は、上記レーザダイ
オードの利得ピーク波長より2nm以上長く、上記ファ
イバグレーティングの反射スペクトルの半値幅は、上記
レーザダイオードの縦モード間隔の2倍から10nmま
での間である。
【0009】上記構成を採用することにより、図5に示
した実験結果からわかるように、反射中心波長と利得ピ
ーク波長(レーザダイオード単体での発振中心波長)と
の差が2nmを超えると、キンクフリー光出力最大値は
急激に増大するので、キンクフリー光出力最大値を効率
良く大きくすることができる。
【0010】上記発明において好ましくは、上記レーザ
ダイオードの結晶成長層に平行な方向の基本横モード
と、上記光ファイバの基本横モードとが整合する倍率
を、基本横モード整合倍率とすると、上記レーザダイオ
ードと上記光ファイバとの結合倍率を、上記基本横モー
ド整合倍率と、上記結合効率が最大となる倍率との中間
の値となっている。この構成を採用することにより、図
11に示した実験結果からわかるように、キンクフリー
光出力最大値は最大となる。
【0011】上記発明において好ましくは、上記レーザ
ダイオードがリッジ導波路型であり、980nmで発振
する。この構成を採用することにより、発振する波長が
980nmであるので、光ファイバ増幅器の励起用光源
として用いることができる。
【0012】上記発明において好ましくは、上記レンズ
が、上記光ファイバの入射側の端部に設けられた円柱レ
ンズである。この構成を採用することにより、レンズ効
果を発揮する方向と垂直な方向については、倍率が1倍
となり、高次モードの励振を抑えることができる結果、
キンクフリー光出力最大値が上昇する。
【0013】
【発明の実施の形態】(実施の形態1) (構成)図1に、本実施の形態におけるレーザダイオー
ドモジュールを示す。このレーザダイオードモジュール
は、レーザダイオード1と、の出射光の光路上に配置さ
れたレンズとしての凸レンズ2と、凸レンズ2による出
射光の集光位置において入射可能なように配置された偏
波保存光ファイバ3とを備えている。偏波保存光ファイ
バ3は、その一部分として、紫外線照射により形成され
た短周期のファイバグレーティング4を有する。ファイ
バグレーティング4の反射中心波長は982nm、ピー
ク反射率は5%、反射スペクトルの半値幅は0.6nm
である。レーザダイオード1とファイバグレーティング
4との間隔は約1mである。
【0014】図2を参照して、レーザダイオード1自体
の構成について説明する。このレーザダイオード1は、
AlGaAs半導体チップ5を母材とし、出射面側に
は、誘電体膜を多層に蒸着して形成した反射率1%の前
面反射ミラー6を有し、出射面の背面側には、誘電体膜
を多層に蒸着して形成した反射率90%の後面反射ミラ
ー7を有する。AlGaAs半導体チップ5の上側に
は、結晶成長によって形成された光導波路層8があり、
その上側には、エッチングにより形成されたリッジ9が
ある。このレーザダイオード1の発振するレーザ光は、
レーザ出射部10から出射される。以下、説明のため、
図2におけるリッジ9に平行な方向をz軸とし、光導波
路層8に平行でz軸に垂直な方向をx軸とし、z軸およ
びx軸に垂直な方向をy軸とする。
【0015】なお、レーザダイオード1の発振する縦モ
ードの波長は、レーザダイオード1の温度や順電流によ
って変化するため、ファイバグレーティング4の反射中
心波長と縦モードの波長との関係は一定ではない。した
がって、全光出力の安定化のためには、ファイバグレー
ティング4の反射帯域がレーザダイオードの複数の縦モ
ードを含むように設計し、必ず複数の縦モードが発振す
るようにすることが必要である。したがって、そのよう
な観点からファイバグレーティング4の反射スペクトル
の半値幅は、レーザダイオード1の縦モード間隔0.1
4nmの2倍以上である0.6nmを選択している。ま
た、レーザダイオードモジュールにおいては、波長を1
0nm以下の精度で制御することが求められており、そ
のことから半値幅の上限も10nm程度に限られる。し
たがって、ファイバグレーティングの反射スペクトルの
半値幅がレーザダイオードの縦モード間隔の2倍から1
0nmの間にあることが、ファイバグレーティングで波
長を安定化する励起用光源にとっては必要である。
【0016】(動作の概要)レーザダイオード1からの
出射光であるレーザ光は、凸レンズ2で集光され、平行
光として、偏波保存光ファイバ3の内部を伝搬する。偏
波保存光ファイバ3の内部をファイバグレーティング4
まで伝搬したレーザ光は、ファイバグレーティング4に
より反射し、レーザダイオード1に再入射する。レーザ
ダイオード1におけるレーザの発振波長は、ファイバグ
レーティング4から戻ってきたレーザ光(以下、「反射
戻り光」という。)によって、982nm近傍にロック
され、レーザダイオード1に流れる順電流や温度に関ら
ず安定して982nm近傍で発振する。
【0017】ところで、レーザダイオード1とファイバ
グレーティング4との間隔は約1mであるので、ファイ
バグレーティング4からの反射戻り光の位相は乱れてい
る。したがって、このレーザダイオードモジュールの出
力するレーザ光のコヒーレンスは低下している。コヒー
レンスの低下は、通信などに用いる光源としては、雑音
増加の要因となり、好ましくない。しかし、光ファイバ
増幅器の励起用光源として用いる場合には、このような
雑音は問題とならず、むしろ出力や波長に関しては、外
乱に対して適度に安定しているために、かえって好都合
であるといえる。
【0018】(発振の仕組み)AlGaAs半導体チッ
プ5は、順電流の供給とともに975nm近傍に利得を
有する利得媒体である。この利得媒体が、前面反射ミラ
ー6と、後面反射ミラー7とによって挟まれることによ
って、共振器を形成し、レーザダイオード1単体では9
75nm近傍で発振する。レーザ光は、x方向には、リ
ッジ9によって発生する実効屈折率差によって、約3.
7μmの幅に閉じ込められ、y方向には、光導波路層8
によって、約1.6μmの幅に閉じ込められている。レ
ーザダイオード1から生じるレーザ光は、共振器長Lと
波長λおよび実効屈折率neffにより、式(1)で表さ
れる間隔Δλの複数の縦モード、すなわち、z方向に発
振する。
【0019】
【数1】
【0020】たとえば、L=1mm,neff=3.6,
λ=980nmを式(1)に代入して計算すると、その
縦モード間隔Δλは、約0.14nmとなる。一般に、
このようなレーザを100mW以上の出力で動作させる
と、光スペクトルは、約10nmに渡って広がり、発振
する縦モードの本数も数十本になる。
【0021】一方、x方向およびy方向は横モードと呼
ばれ、もっとも低次の単峰単一モードだけで発振するこ
とが、レーザ共振器のクオリティ(Q値)を高め、偏波
保存光ファイバ3との光学的結合効率を高めるために必
須である。リッジ9および光導波路層8の形状を設計す
る際には、そのことを考慮して、高次の横モードが伝搬
しないようになっている。
【0022】しかし、このような単一横モードは、レー
ザダイオード1に流す順電流が380mA以下の低電流
領域についてのみ成立することが知られている。光導波
路層8は、結晶成長によって形成されており、高電流に
おいても単一横モードを保つため、y方向には安定した
単一横モードが得られるが、x方向の閉じ込めは比較的
弱く、高い電流を流すと高次モードでも発振するように
なる。そのため、レーザ光の形状や出射方向が歪む現象
である、「ビームステアリング」が発生する。このよう
なビームステアリングが生じると、レーザ光を光ファイ
バと結合させた場合に光ファイバ内の光出力とレーザダ
イオードに流す順電流の間の直線性が失われる。このた
め、使用可能な光出力の上限は制限される。ビームステ
アリングの発生によって、光ファイバ内の光出力とレー
ザダイオードに流す順電流の間の直線性が失われる現象
は、「キンク」と呼ばれている。
【0023】(発明者らによる検討)図1に示すような
構成のレーザダイオードモジュールにおいては、キンク
の発生は、ファイバグレーティング4の反射中心波λfg
と関係が深いことが発明者らによって実験的に明らかに
された。
【0024】図3に、ファイバ内光出力Pfとレーザダ
イオードに流した順電流Ifとの関係を示す。図中に描
かれた3本の線は、それぞれλfgが976.5nm,9
81nm,985nmのときのPf―If特性を示したも
のである。図3から、λfgが大きくなるに連れて、キン
クフリー光出力最大値も大きくなっていることがわか
る。このレーザダイオード素子は、ファイバグレーティ
ングを設けない状態でも、If=380nmにおいて素
子自体のビームステアリングにより、キンクが発生する
特性を有するものであるが、図3から、985nmのフ
ァイバグレーティングを設けた場合には、設けない場合
とほぼ同等のキンクフリー光出力最大値となっているこ
とがわかる。反射中心波λfgとキンクフリー光出力最大
値との関係がこのようになるのは、ファイバグレーティ
ングによる反射戻り光が存在するときにはレーザダイオ
ードの高次モードが発振しやすくなるためである。
【0025】図4に、ファイバグレーティングによる反
射戻り光が存在する場合の光スペクトルを示す。図4か
らは、各縦モードが30pm間隔で双峰になっているこ
とがわかる。これは、x方向の高次横モードの発生を裏
付けている。双峰のピークのうち、長波長側にあるのが
基本横モード、短波長側にあるのが高次横モードであ
る。985nmを境にそれより長波長の縦モードにおい
ては、基本横モードが強く、それより短波長の縦モード
においては、高次横モードが強くなっている。
【0026】ここで、基本横モードと高次横モードの利
得が等しくなる波長を「カットオフ波長」と呼ぶことに
する。図4の結果では、カットオフ波長の長波長側で
は、基本横モードが高次横モードより強く、高次横モー
ドを抑えている。したがって、図4の結果は、カットオ
フ波長以上の反射中心波長を有するファイバグレーティ
ングで発振波長をロックすることにより、高次横モード
の発振を抑えることができ、キンクフリー光出力を高め
ることができることを示している。
【0027】図5に、ファイバグレーティングからの反
射のない状態、すなわち、レーザダイオード単体での発
振中心波長(「利得ピーク波長」ともいう。)λld、フ
ァイバグレーティングの反射中心波長λfg、およびキン
クフリー光出力最大値Pfkin kの間の関係をいくつかの
異なる素子およびファイバグレーティングの組み合わせ
について測定した結果を示す。横軸には反射中心波長と
発振中心波長との差λ fg−λldをとっている。図5か
ら、カットオフ波長以下の領域においても、λfg−λld
とキンクフリー光出力最大値Pfkinkとの間には相関が
あることがわかる。特に、λfg−λld>2nmの領域に
おいては、λfgが大きくなるにつれてPfk inkが急激に
増大することがわかる。
【0028】したがって、光ファイバ増幅器の吸収特性
などの制約から、ファイバグレーティングの反射中心波
長λfgをカットオフ波長より長波長側に設定することが
できない状況下であっても、λfg−λld>2nmとなる
ように設定することにより、キンクフリー光出力最大値
を大きくすることができる。
【0029】なお、この関係を安定して実現するには、
意図的に発振中心波長λldをロックしたい波長λfgより
所望波長分だけ短波長側にずらしてレーザダイオードを
作製すればよい。一般に、光ファイバ増幅器の励起用光
源として用いるような場合にはλfgを980nmに設定
するため、λldを970nm近傍まで短波長側にずらす
こととすれば、たとえ温度や湿度の変化があっても、キ
ンクフリー光出力最大値を十分に高めることができる。
【0030】(光学的結合状態)キンクの発生は、x方
向の高次横モードの発生に起因する。このため、凸レン
ズ2による光学的結合状態によっても影響を受ける。図
6を参照して、レーザダイオード1と偏波保存光ファイ
バ3との光学的結合状態について説明する。図6に示す
レーザダイオードモジュールは、レーザダイオード1
と、凸レンズ2と、偏波保存光ファイバ3とを備えてい
る。図6に示すように距離a,bをとり、凸レンズ2の
焦点距離をfとすると、これらのパラメータ間には、式
(2)で与えられる関係がある。
【0031】
【数2】
【0032】このとき、aおよびbにより式(3)で与
えられる倍率(以下、「結合倍率」という。)mは、単
一横モード同士の光学的結合効率を決める重要なパラメ
ータである。
【0033】
【数3】
【0034】レーザダイオード1からのレーザ出射部1
0は、x方向3.7μm、y方向1.6μmの楕円形状
をしている。よって、レーザの平均ビーム径は、相乗平
均値√(3.7×1.6)=2.43μmとなる。これ
に対して、偏波保存光ファイバ3のビーム径は、x,y
方向とも6μmである。したがって、x方向にもy方向
にも横モード不整合を緩和するためには、m=6/2.
43=2.5倍程度とすることが好ましい。しかし、本
実施の形態においては、結合倍率mを2倍近傍にするこ
とによって、y方向の横モード不整合による損失よりも
x方向の横モード整合を優先させている。図7〜図10
に4種類の結合倍率に対するPf―If特性の測定結果
を示す。図9に示すように、結合倍率2.01倍におい
てはIf=400mAまでキンクフリー動作が実現でき
ていることがわかる。結合倍率が大きくなればなるほ
ど、ファイバグレーティングからの反射戻り光のビーム
径が細くなるとともにレーザダイオードへの入射端面に
おける広がりの度合いが大きくなる。したがって、結合
倍率の増大につれて、x方向の高次の横モードが励振し
やすくなる。
【0035】図11に、結合倍率、結合効率およびキン
クフリー光出力最大値の関係を実験的に求めた結果を示
す。理論的に結合効率の最も高くなる結合倍率である
2.5倍より低い結合倍率であって、x方向横モードの
整合する倍率である6/3.7=1.6倍よりも高倍率
になるように凸レンズを配置することにより、もっとも
高いキンクフリー光出力最大値が得られる。すなわち、
図7〜図10のうち、結合倍率2.01倍において、最
も高いキンクフリー光出力最大値が得られることが、こ
のことからも裏付けられる。
【0036】なお、理論的には、結合効率の最も高くな
る結合倍率は2.5倍であるにもかかわらず、図11
で、2.5倍以上でさらに結合効率が増加しているの
は、使用した凸レンズが、4.5倍において最も低収差
となる凸レンズであって、2.5倍では収差が大きくな
っていたためである。
【0037】(実施の形態2)実施の形態1では、たと
えば、結合倍率2.01倍とするときは、x方向,y方
向ともに結合倍率2.01倍の凸レンズを用いた。x方
向とy方向には異なった倍率を設定してもよい。図12
に本実施の形態におけるレーザダイオードモジュールを
示す。このレーザダイオードモジュールは、凸レンズ2
(図1参照)の代りに、偏波保存光ファイバ3の入射側
端面を円柱レンズ状に形成した円柱レンズ部11を備え
ている。他の部分の構成は、実施の形態1におけるレー
ザダイオードモジュールと同じである。
【0038】図12に示した例では、円柱レンズ部11
は、y方向にのみレンズ効果を発揮するため、x方向の
倍率は1倍となり、高次モードの励振を抑えることがで
きる。その結果、キンクフリー光出力最大値が上昇す
る。
【0039】なお、今回開示した上記実施の形態はすべ
ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の
範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって
示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での
すべての変更を含むものである。
【0040】
【発明の効果】ファイバグレーティングの反射中心波長
は、上記レーザダイオードのカットオフ波長より長波長
側にあるので、高次横モードよりも基本横モードの方が
支配的となり、高次横モードの発振を抑えることができ
る。また、ファイバグレーティングの反射スペクトルの
半値幅は縦モード間隔の2倍以上であるので、ファイバ
グレーティングの反射帯域がレーザダイオードの複数の
縦モードを含むこととなり、複数の縦モードが発振する
ことによって光出力が安定化する。さらに、ファイバグ
レーティングの反射スペクトルの半値幅は10nm以下
であるので、波長を10nm以下の精度で制御すること
ができる。その結果、ファイバグレーティングにより使
用波長を所望の値にロックした状況下においても、キン
クフリー光出力最大値が十分高くなるレーザダイオード
モジュールを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に基づく実施の形態1におけるレーザ
ダイオードモジュールの概略の構造図である。
【図2】 本発明に基づく実施の形態1におけるレーザ
ダイオードの斜視図である。
【図3】 本発明に基づく実施の形態1におけるレーザ
ダイオードモジュールの、ファイバ内光出力とレーザダ
イオードに流した順電流との関係を示すグラフである。
【図4】 本発明に基づく実施の形態1におけるレーザ
ダイオードモジュールの、ファイバグレーティングによ
る反射戻り光が存在する場合の光スペクトルを示すグラ
フである。
【図5】 本発明に基づく実施の形態1におけるレーザ
ダイオードモジュールの、ファイバグレーティングの反
射中心波長とレーザダイオード単体での発振中心波長と
の差と、キンクフリー光出力最大値との関係を示すグラ
フである。
【図6】 本発明に基づく実施の形態1におけるレーザ
ダイオードモジュールの、レーザダイオードと偏波保存
光ファイバとの光学的結合状態の説明図である。
【図7】 本発明に基づく実施の形態1のレーザダイオ
ードモジュールにおける、結合倍率3.25倍のときの
Pf―If特性の測定結果を示すグラフである。
【図8】 本発明に基づく実施の形態1のレーザダイオ
ードモジュールにおける、結合倍率2.67倍のときの
Pf―If特性の測定結果を示すグラフである。
【図9】 本発明に基づく実施の形態1のレーザダイオ
ードモジュールにおける、結合倍率2.01倍のときの
Pf―If特性の測定結果を示すグラフである。
【図10】 本発明に基づく実施の形態1のレーザダイ
オードモジュールにおける、結合倍率1.67倍のとき
のPf―If特性の測定結果を示すグラフである。
【図11】 本発明に基づく実施の形態1のレーザダイ
オードモジュールにおける、結合倍率、結合効率および
キンクフリー光出力最大値の関係を実験的に求めた結果
を示すグラフである。
【図12】 本発明に基づく実施の形態2におけるレー
ザダイオードモジュールの概略の構造図である。
【図13】 従来技術に基づくレーザダイオードモジュ
ールの概略の構造図である。
【図14】 ファイバ端光出力とレーザダイオード順電
流Ifとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 レーザダイオード、2 凸レンズ、3 偏波保存光
ファイバ、4 ファイバグレーティング、5 AlGa
As半導体チップ、6 前面反射ミラー、8光導波路
層、9 リッジ、10 レーザ出射部、11 円柱レン
ズ部、12 光ファイバ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザダイオードと、 前記レーザダイオードの出射光の光路上に配置されたレ
    ンズと、 前記レンズによる前記出射光の集光位置において入射可
    能なように配置された光ファイバとを備え、 前記光ファイバは、ファイバグレーティングを含み、 前記ファイバグレーティングの反射中心波長は、前記レ
    ーザダイオードのカットオフ波長より長く、 前記ファイバグレーティングの反射スペクトルの半値幅
    は、前記レーザダイオードの縦モード間隔の2倍から1
    0nmまでの間である、レーザダイオードモジュール。
  2. 【請求項2】 レーザダイオードと、 前記レーザダイオードの出射光の光路上に配置されたレ
    ンズと、 前記レンズによる前記出射光の集光位置において入射可
    能なように配置された光ファイバとを備え、 前記光ファイバは、ファイバグレーティングを含み、 前記ファイバグレーティングの反射中心波長は、前記レ
    ーザダイオードの利得ピーク波長より2nm以上長く、 前記ファイバグレーティングの反射スペクトルの半値幅
    は、前記レーザダイオードの縦モード間隔の2倍から1
    0nmまでの間である、レーザダイオードモジュール。
  3. 【請求項3】 前記レーザダイオードの結晶成長層に平
    行な方向の基本横モードと、前記光ファイバの基本横モ
    ードとが整合する倍率を、基本横モード整合倍率とする
    と、前記レーザダイオードと前記光ファイバとの結合倍
    率を、前記基本横モード整合倍率と、前記結合効率が最
    大となる倍率との中間の値とした、請求項1または2に
    記載のレーザダイオードモジュール。
  4. 【請求項4】 前記レーザダイオードがリッジ導波路型
    であり、980nmで発振する、請求項3に記載のレー
    ザダイオードモジュール。
  5. 【請求項5】 前記レンズが、前記光ファイバの入射側
    の端部に設けられた円柱レンズである、請求項1または
    2に記載のレーザダイオードモジュール。
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