JP2001250595A - 白金触媒電極およびその製造方法、この白金触媒電極を組み込んだ色素増感型太陽電池 - Google Patents

白金触媒電極およびその製造方法、この白金触媒電極を組み込んだ色素増感型太陽電池

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JP2001250595A JP2000063426A JP2000063426A JP2001250595A JP 2001250595 A JP2001250595 A JP 2001250595A JP 2000063426 A JP2000063426 A JP 2000063426A JP 2000063426 A JP2000063426 A JP 2000063426A JP 2001250595 A JP2001250595 A JP 2001250595A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた還元性能を有するとともに、製造コス
トが安価である白金触媒電極およびその製造方法、この
白金触媒電極を組み込んだ色素増感型太陽電池を提供す
る。 【解決手段】 導電性を有する基板上に、白金触媒前駆
体インキを印刷したのち、加熱することによって触媒に
変化させて白金触媒電極とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は、白金触媒電極お
よびその製造方法、この白金触媒電極を組み込んだ色素
増感型太陽電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、主流であるシリコン系太陽電池の
弱点をカバーする次世代太陽電池として有望視されてい
るものに、色素増感型太陽電池がある。色素増感型太陽
電池とは、電気化学光電池の一種であり、代表的な例と
して、ルテニウム錯体色素増感型二酸化チタン太陽電池
などが挙げられる。その構造は一般に透明電極1を有す
る2枚のガラス基板2の電極間に、酸化物半導体である
二酸化チタン薄膜3と、増感色素4、ヨウ素を主成分と
した酸化還元電解質溶液5と、還元触媒膜6とを順に挟
み込んだ積層型である(図1参照)。導電極間の増感色
素4は可視光7をできる限り多く吸収するためのもので
あり、これに光が当たって飛び出す光励起電子が二酸化
チタンに伝達され、連鎖的に起こる光電気化学反応によ
って外部ロードに光電流が生じる。また、光励起電子を
効率よくとらえるように、即ち光電流を効率よく発生す
るようにと、二酸化チタン薄膜3は多孔質にして表面積
を大きくしてある。
【0003】この色素増感型太陽電池が次世代太陽電池
として有望視されているのは、シリコン系太陽電池より
も製造コストを引き下げられる可能性が高いからであ
る。シリコン系太陽電池は、光電変換効率において10
%以上の実績があるが、製造コスト面では問題がある。
即ち、シリコン単結晶型および多結晶型では原料のケイ
石を溶融還元して金属シリコンにする過程で多量のエネ
ルギーを消費する問題がある。一方、これら結晶型より
も製造コストを引き下げられ実用化寸前のアモルファス
(非晶質)型においても、プラズマ放電でシリコンを基
板に蒸着するのに大規模設備が必要といった問題があ
る。 これに対して、色素増感型太陽電池では、二酸化
チタン、色素、電解質が安価な上に、高価な製造装置も
不要であるため、発電能力を基準にすれば、シリコンア
モルファス型太陽電池よりも3割程度安い1ワット単価
にて製造できる可能性がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記色素増感型太陽電
池において製造コストをさらに下げようとすると、次の
ような問題がある。すなわち、導電性を有する基板上に
還元触媒膜6を設けた対向電極8において最良の還元性
能を発揮させるためには、還元触媒膜6の材料として白
金の使用が不可欠である(以下、この対向電極を白金触
媒電極という)。しかしながら、白金が金よりも高価な
貴金属であるにもかかわらず、従来はスパッタリング法
や真空蒸着法によって還元触媒膜6を成膜しているた
め、材料の消費において無駄が多く、コスト高となる。
色素増感型太陽電池の製造コストを引き下げるために
は、この白金触媒電極を低コストに製造することが不可
欠である。
【0005】したがって、本発明の目的は、上記の問題
点を解決することにあり、優れた還元性能を有するとと
もに、製造コストが安価である白金触媒電極およびその
製造方法、この白金触媒電極を組み込んだ色素増感型太
陽電池を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、こ
の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明の白金触媒電極の製
造方法は、導電性を有する基板上に、白金触媒前駆体イ
ンキを印刷したのち、加熱することによって触媒に変化
させて白金触媒電極とするように構成した。
【0007】また、上記構成において、基台の支持枠に
回転自在に支持されかつ深さ5〜30μmの多数のイン
キセルを表面に有する凹版ロールと、凹版ロールの表面
に1〜1000mPa・sの低粘度インキを供給するイ
ンキ供給装置と、支持枠に支持された凹版ロールの周囲
所定箇所に備えられ、凹版ロールに供給されたインキを
凹版ロール表面に広げてインキセル内に一定量のインキ
を保持させるドクターと、支持枠の凹版ロールの下方に
回転自在に支持されかつ凹版ロールに接触する凸部を有
して凹版ロール表面にインキセル内のインキを凸部に転
移させる印刷ロールと、支持枠に支持され印刷ロールと
凹版ロールとを同期回転駆動する駆動装置と、被印刷体
を載置しかつ基台上に印刷ロールに接触する印刷位置A
と印刷ロールから離れた退避位置B、Cとの間で移動可
能に備えた定盤と、定盤を上記両位置間で移動させる被
印刷体駆動装置と、印刷ロールの回転と定盤の退避位置
B、Cから印刷位置Aへの移動とを制御して印刷ロール
の凸部に転移させたインキを被印刷体に印刷させる制御
装置とからなる薄膜形成装置を用い、白金酸類又は有機
白金錯体類の少なくとも1種の白金触媒前駆体がインキ
総重量の0.1%以上含まれており、沸点130〜28
0℃のグリコール類、グリコールモノエーテル類、3価
アルコールモノエステル類のうち少なくとも1種の有機
溶剤がインキ総重量の40%以上含まれている白金触媒
前駆体インキを印刷した。
【0008】また、上記構成において、白金酸類を、白
金塩化水素酸、塩化白金酸水和物、塩化白金酸のアミン
塩から選ばれた少なくとも一つとした。
【0009】また、上記構成において、有機白金錯体類
を、 一般式 Pt(R、またはPtCl (Rはβ―ジケトンキレート、β―ケトエステルキレ
ート、ジベンジリデンアセトンからなる群のうち少なく
とも1種をあらわし、Rは、シクロオクタジエンであ
る)にて表わされる熱分解性に優れる白金錯体から選ば
れた少なくとも一つとした。
【0010】また、本発明の白金触媒電極は、白金の凝
集物によって形成された白金膜の膜厚が300nm以下
であるように構成した。また、本発明の色素増感型太陽
電池は、上記白金触媒電極を対向電極とするように構成
した。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
をさらに詳しく説明する。
【0012】図1は本発明に係る色素増感型太陽電池用
白金触媒電極の構造を示す図、図2は本発明に係る白金
触媒電極の製造に用いることのできる薄膜形成装置を示
す斜視図である。図中、1は透明電極、2はガラス基
板、3は二酸化チタン薄膜、4は増感色素、5は酸化還
元電解質溶液、6は還元触媒膜、7は光、8は対向電
極、9は基台、10は支持枠、11は凹版ロール、12
は印刷ロール、13はインキ供給装置、14はドクタ
ー、15は凸部、16は駆動装置、17は定盤、18は
被印刷体駆動装置をそれぞれ示す。
【0013】本発明の特徴は、導電性を有する基板上に
白金を保持させる手段として、白金触媒前駆体インキを
印刷したのち、加熱することによって触媒に変化させる
方法をとることにある。この方法は、材料の消費におい
て無駄が少なく、従来のスパッタリング法や真空蒸着法
と比較して白金純分において数分の1の使用量で済むた
め、製造コストが安価な白金触媒電極およびこれを対向
電極として組み上げた色素増感型太陽電池を得ることが
できる。
【0014】上記導電性を有する基板としては、ガラス
からなる基板上にITO、SnO、ZnO等の薄膜か
らなる透明電極が形成されたものや、ステンレス等の金
属からなる基板が用いられる。
【0015】上記印刷には、代表的な薄膜形成装置であ
る日本写真印刷株式会社製オングストローマー(登録商
標)による印刷法が適している。この薄膜形成装置によ
る印刷法は、他の一般的な印刷法と比較してインキの消
費量が非常に少なく、白金触媒電極の製造コストの低減
をさらに進めるものである。具体的には、図2に示すよ
うな、基台9の支持枠10に回転自在に支持されかつ深
さ5〜30μmの多数のインキセルを表面に有する凹版
ロール11と、凹版ロール11の表面に1〜1000m
Pa・sの低粘度インキを供給するインキ供給装置13
と、支持枠10に支持された凹版ロール11の周囲所定
箇所に備えられ、凹版ロールに供給されたインキを凹版
ロール表面に広げてインキセル内に一定量のインキを保
持させるドクター14と、支持枠10の凹版ロール11
の下方に回転自在に支持されかつ凹版ロール11に接触
する凸部を有して凹版ロール11表面にインキセル内の
インキを凸部15に転移させる印刷ロール12と、支持
枠10に支持され印刷ロール12と凹版ロール11とを
同期回転駆動する駆動装置16と、被印刷体を載置しか
つ基台9上に印刷ロール12に接触する印刷位置Aと印
刷ロールから離れた退避位置B、Cとの間で移動可能に
備えた定盤17と、定盤17を上記両位置間で移動させ
る被印刷体駆動装置18と、印刷ロール12の回転と定
盤17の退避位置B、Cから印刷位置Aへの移動とを制
御して印刷ロール12の凸部15に転移させたインキを
被印刷体に印刷させる制御装置(図示せず)とからなる
薄膜形成装置を用い、白金酸類又は有機白金錯体類の少
なくとも1種の白金触媒前駆体がインキ総重量の0.1
%以上含まれており、沸点130〜280℃のグリコー
ル類、グリコールモノエーテル類、3価アルコールモノ
エステル類のうち少なくとも1種の有機溶剤がインキ総
重量の40%以上含まれている白金触媒前駆体インキを
印刷する。
【0016】上記凹版ロール11のインキセルの深さを
5〜30μmとするのは、印刷後、焼成して得られる白
金触媒の膜厚を薄くするためである。インキセルの深さ
が30μmを超えると、白金の凝集物によって構成され
る白金触媒の膜厚が厚くなりすぎ、微粒子の接触点が多
くなり粒界抵抗のため電子の高速伝達に支障をきたす。
なお、インキセルの深さが5μmに満たないと白金触媒
としての機能が不十分となる。また、上記インキ粘度を
1〜1000mPa・sとするのも同様の理由である。
【0017】上記白金酸類とは、白金塩化水素酸、塩化
白金酸水和物、塩化白金酸のアミン塩から選ばれた少な
くとも一つであり、例えばヘキサクロロ白金酸やヘキサ
クロロ白金酸6水和物、ジクロロテトラアンミン白金
(II)などが挙げられる。
【0018】上記有機白金錯体類とは、 一般式 Pt(R、またはPtCl (Rはβ―ジケトンキレート、β―ケトエステルキレ
ート、ジベンジリデンアセトンからなる群のうち少なく
とも1種をあらわし、Rは、シクロオクタジエンであ
る)にて表わされる熱分解性に優れる白金錯体から選ば
れた少なくとも一つであり、例えばビスアセチルアセト
ネート白金、ビスアセト酢酸エチルエステル白金、ビス
ジベンジリデンアセトン白金、ジクロロシクロオクタジ
エン白金などが挙げられる。
【0019】上記130〜280℃のグリコール類、グ
リコールモノエーテル類、3価アルコールモノエステル
類の有機溶剤とは、沸点が130〜280℃の多官能ア
ルコール類のことである。グリコール類溶剤としては、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレン
グリコール、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、
1,2,6−ヘキサントリオールなどがある。グリコー
ルモノエーテル類溶剤としては、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどが
ある。3価アルコールモノエステル類溶剤としては、グ
リセリルモノアセテートなどがある
【0020】前記薄膜形成装置を用いて白金触媒電極を
作製するにあたり、白金触媒前駆体インキの組成は重要
である。なぜなら、白金触媒性能とこの装置に適した印
刷性能をバランスよく有したインキ組成物であることが
不可欠であるからである。その点、先に挙げた白金触媒
前駆体インキはこの条件を充分に満たしている。
【0021】即ち、溶剤としてメタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ールなどの低沸点溶剤のみのインキ組成物を用いた場
合、上記の薄膜形成装置を用いると、薄膜形成装置の凹
版ロール11にインキ組成物を供給した時点でインキ組
成物が乾燥してしまい、被印刷体にインキ組成物を転移
できないことがある。
【0022】また、低沸点溶剤のみでなく、たとえば沸
点が130〜280℃の高沸点溶剤を40%以下混合し
て用いた場合でも、やはり凹版ロール11にインキ組成
物を供給した時点で乾燥し、印刷が困難である。たと
え、印刷できたとしても、連続して印刷を行うと、凹版
ロール11上でインキ組成物の粘度が徐々に上昇し、イ
ンキ組成物の膜厚にムラが発生し、最終的には流動性が
なくなり、連続して印刷することが不可能となる。ニト
ロセルロースなどの高分子量増粘剤を添加してインキ粘
度を増加させ、印刷適性を向上させることも考えられる
が、このような増粘剤を使用すると、インキ組成物を印
刷することは可能であっても、インキの濾過精製の際に
目詰まりを起こしやく、また後工程の焼成工程において
増粘剤成分の焼成除去が不十分となりやすい。
【0023】以下、以上のような薄膜形成装置および白
金触媒前駆体インキを用いて色素増感型太陽電池用白金
触媒電極を作製する工程を説明する。
【0024】まず、白金酸類又は有機白金錯体類の少な
くとも1種の白金触媒前駆体を、沸点130〜280℃
のグリコール類、グリコールモノエーテル類、3価アル
コールモノエステル類のうち少なくとも1種の有機溶剤
に溶解させ、必要に応じてインキバインダー成分を添加
して白金触媒前駆体インキを調整する。
【0025】有機白金錯体類のみの場合には耐吸湿性や
微分散性があるため必ずしもインキバインダーを添加し
なくてもよいが、白金酸類を用いる場合にはインキバイ
ンダーを微量添加する。具体的には、80℃における重
量減少率が5%以下、380℃における重量減少率が9
5%以上である有機化合物を添加することにより、白金
酸や白金酸水和物などの白金酸類の吸湿性を緩和し、薄
膜における高分散状態を維持し、さらに焼成後、優れた
白金触媒性能を得ることができる。80℃における重量
減少率が5%以下のものを使用するのは、それを越える
と乾燥時に薄膜中に大きな空隙を生じ、白金触媒性能の
劣化を招きやすいからである。また、380℃にて重量
減少率が95%以上のものと使用するのは、焼成時に白
金は400℃付近で形成されるが、その際に不純物の少
ない方がよいからである。上記条件を満たす有機化合物
中でも低分子量の熱可塑性アクリル樹脂は、白金酸類の
微分散性と耐吸湿性、印刷性、焼成時熱分解性に特に優
れている。代表的な低分子量熱可塑性アクリル樹脂とし
ては、コーポニール類(日本合成化学)、ライトアクリ
ルオリゴマー類(共栄社化学)などが挙げられる。
【0026】次に、このインキを代表的な薄膜形成装置
である日本写真印刷株式会社製オングストローマー(登
録商標)を用い、前記した導電性を有する基板上に印刷
する。
【0027】次に、この印刷基板を仮乾燥し、ホットプ
レート等による加熱にて溶剤を除去し、さらに380℃
以上の温度で酸化または還元雰囲気にて焼成することに
より、前記白金触媒前駆体を白金触媒に変化させ、白金
触媒電極を得る。
【0028】なお、以上のようにして導電性を有する基
板上に形成された白金触媒は、白金の凝集物によって構
成される白金膜であり、その膜厚は300nm以下であ
ることが好ましい。これ以上の膜厚になると微粒子の接
触点が多くなり粒界抵抗のため電子の高速伝達に支障を
きたす。
【0029】
【実施例】まず、塩化白金酸6水和物(ナカライテスク
社製)0.03gをヘキシレングリコール4gに溶解し
た。これにコーポニールHS200(日本合成化学社
製)0.01mgを加え、ヘキシレングリコール99%
の白金触媒前駆体インキを調整した。次に、このインキ
を薄膜形成装置(日本写真印刷株式会社製オングストロ
ーマー(登録商標))を用い、表面抵抗値10Ω/□で
あるSnO膜を有するガラス基板(100mm×10
0mm×1.8mm)上に印刷した。次に、この印刷基
板を80℃、3分間乾燥後、400℃、1時間焼成し、
白金触媒電極を得た。このようにして得られた白金触媒
電極は、膜厚138nmの白金触媒を保持していた。
【0030】この電極の還元性能は、既報の一般的な色
素増感型太陽電池セルの作製方法(たとえば太陽風力エ
ネルギー講演論文集1998、147ページ)に準じて
セルを作製し、蛍光灯下における短絡電流値を測定する
ことにより評価した。具体的には、酸化チタン酸化物半
導体薄膜にルテニウム錯体色素を吸着させた電極と本発
明の白金触媒電極との間にヨウ素とヨウ化アンモニウム
による酸化還元電解質溶液を滴下し、この酸化還元電解
質溶液を介して両電極を貼り合わせ、周辺をエポキシ樹
脂にてシールした後、電極間を外部ロードにて短絡さ
せ、800lxの蛍光灯下において流れる電流値を測定
した。
【0031】(比較例1)白金触媒電極を作製するにあ
たり、白金ターゲットを準備し、スパッタリング装置
(島津製作所製)を用いて、表面抵抗値10Ω/□であ
るSnO膜を有するガラス基板(100mm×100
mm×1.8mm)上に実施例と同等な膜厚になるよう
にスパッタコーティングし、白金触媒電極を得た。
【0032】(比較例2)白金触媒電極を作製するにあ
たり、まず、塩化白金酸6水和物(ナカライテスク製)
0.03gをエタノール4gに溶解することによって、
白金触媒前駆体溶液を調整した。次に、この溶液をスピ
ンコーター(大日本スクリーン製)を用いて、表面抵抗
値10Ω/□であるSnO膜を有するガラス基板(1
00mm×100mm×1.8mm)上に実施例と同等
な膜厚になるようにコーティングした。次に、この印刷
基板を80℃、3分間乾燥後、400℃、1時間焼成
し、白金触媒電極を得た。
【0033】
【表1】
【0034】表1より明らかなように、実施例の白金触
媒電極を組み込んだ色素増感型太陽電池は、従来のスパ
ッタリング法にて白金触媒電極を形成した比較例1の場
合と比べて性能は遜色なく、白金を無駄に消費しないた
めコスト的にも優れている。また、スピンコート法にて
白金触媒電極を形成した比較例2の場合は、コスト面で
多少の改善が見られるが実施例には到底及ばず、白金触
媒電極に吸湿による乾燥むらが生じていたため性能的に
も実施例および比較例1よりかなり劣っていた。
【0035】
【発明の効果】本発明の白金触媒電極およびその製造方
法、この白金触媒電極を組み込んだ色素増感型太陽電池
は、以上のとおりの構成を有するので、次のような優れ
た効果を奏する。
【0036】すなわち、本発明は導電性を有する基板上
に、白金触媒前駆体インキを印刷したのち、加熱するこ
とによって触媒に変化させて白金触媒電極とするため、
材料の消費において無駄が少なく、従来のスパッタリン
グ法や真空蒸着法と比較して白金純分において数分の1
の使用量で済む。したがって、白金触媒電極を安価に製
造することができる。しかも、コスト高なスパッタリン
グ法や真空蒸着法に比べても、還元性能は同等以上であ
る。
【0037】また、色素増感型太陽電池1セルにおける
起電力は0.8V程度までであるため、色素増感型太陽
電池を実用に供するときには、1枚の基板上に形成した
個々の色素増感型太陽電池の電池セルを直列に連結する
必要がある。その際、連結するセル間の短絡などがおこ
らないように白金触媒電極のパターニングを必要とする
が、本発明は印刷法によるので白金触媒電極の形成と同
時にパターニングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る色素増感型太陽電池用白金触媒電
極の構造を示す図である。
【図2】本発明に係る白金触媒電極の製造に用いること
のできる薄膜形成装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 透明電極 2 ガラス基板 3 二酸化チタン薄膜 4 増感色素 5 酸化還元電解質溶液 6 還元触媒膜 7 光 8 対向電極 9 基台 10 支持枠 11 凹版ロール 12 印刷ロール 13 インキ供給装置 14 ドクター 15 凸部 16 駆動装置 17 定盤 18 被印刷体駆動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA05 AA08 AA09 AA15 BA27C BC75A BC75B BC75C BD12C BE10C BE14C BE46C CC31 EA08 5F051 AA14 FA03 FA06 5H032 AA06 AS16 BB02 BB05 CC11 EE01 EE03 EE04 EE15 EE16 HH01 HH04 HH06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性を有する基板上に、白金触媒前駆
    体インキを印刷したのち、加熱することによって触媒に
    変化させて白金触媒電極とすることを特徴とする白金触
    媒電極の製造方法。
  2. 【請求項2】 基台の支持枠に回転自在に支持されかつ
    深さ5〜30μmの多数のインキセルを表面に有する凹
    版ロールと、凹版ロールの表面に1〜1000mPa・
    sの低粘度インキを供給するインキ供給装置と、支持枠
    に支持された凹版ロールの周囲所定箇所に備えられ、凹
    版ロールに供給されたインキを凹版ロール表面に広げて
    インキセル内に一定量のインキを保持させるドクター
    と、支持枠の凹版ロールの下方に回転自在に支持されか
    つ凹版ロールに接触する凸部を有して凹版ロール表面に
    インキセル内のインキを凸部に転移させる印刷ロール
    と、支持枠に支持され印刷ロールと凹版ロールとを同期
    回転駆動する駆動装置と、被印刷体を載置しかつ基台上
    に印刷ロールに接触する印刷位置Aと印刷ロールから離
    れた退避位置B、Cとの間で移動可能に備えた定盤と、
    定盤を上記両位置間で移動させる被印刷体駆動装置と、
    印刷ロールの回転と定盤の退避位置B、Cから印刷位置
    Aへの移動とを制御して印刷ロールの凸部に転移させた
    インキを被印刷体に印刷させる制御装置とからなる薄膜
    形成装置を用い、 白金酸類又は有機白金錯体類の少なくとも1種の白金触
    媒前駆体がインキ総重量の0.1%以上含まれており、
    沸点130〜280℃のグリコール類、グリコールモノ
    エーテル類、3価アルコールモノエステル類のうち少な
    くとも1種の有機溶剤がインキ総重量の40%以上含ま
    れている白金触媒前駆体インキを印刷したものである請
    求項1記載の白金触媒電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 白金酸類が、白金塩化水素酸、塩化白金
    酸水和物、塩化白金酸のアミン塩から選ばれた少なくと
    も一つである請求項2記載の白金触媒電極の製造方法。
  4. 【請求項4】 有機白金錯体類が、 一般式 Pt(R、またはPtCl (Rはβ―ジケトンキレート、β―ケトエステルキレ
    ート、ジベンジリデンアセトンからなる群のうち少なく
    とも1種をあらわし、Rは、シクロオクタジエンであ
    る)にて表わされる熱分解性に優れる白金錯体から選ば
    れた少なくとも一つである請求項2記載の白金触媒電極
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載の製造方法で得られる
    白金触媒電極において、白金の凝集物によって形成され
    た白金膜の膜厚が300nm以下であることを特徴とす
    る白金触媒電極。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載の白金触媒電極を対向
    電極としたことを特徴とする色素増感型太陽電池。
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