JP2001250429A - フラットケーブル用絶縁シート、フラットケーブル及びその製造方法 - Google Patents

フラットケーブル用絶縁シート、フラットケーブル及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 断面積が小さい導体を用いる場合でも、フラ
ットケーブルの末端で絶縁層を引き抜く時の導体の断線
を十分に防止できるフラットケーブル用絶縁シート、フ
ラットケーブル及びその製造方法を提供することを目的
とする。 【解決手段】 本発明のフラットケーブル用絶縁シート
は、並設された複数の線状導体2を被覆する絶縁層4を
形成するフラットケーブル用絶縁シート9a,9bであ
って、45μm以下の厚さを有し、線状導体2を固定す
るポリ塩化ビニル層8と、ポリ塩化ビニル層8を支持す
るシート状の基材6とを備える。本発明の絶縁シートを
用いてフラットケーブル10の絶縁層4を形成すると、
断面積の小さい(0.01mm2以下)線状導体2を用
いる場合でもフラットケーブル10の末端でその絶縁層
4を引き抜く時に線状導体2の断線を十分に防止するこ
とが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば家庭用ビデ
オ、プリンター等の配線材として用いられるフラットケ
ーブル用の絶縁シート、フラットケーブル及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フラットケーブルは、一般的に、薄肉状
の線状導体を一対の絶縁シートで挟持してこれらを加熱
しながら圧力を加えて融着したものであり、家庭用ビデ
オやプリンター等の配線材として用いられている。こう
したフラットケーブルに用いる絶縁シートは、例えば特
開平11−116755号公報に開示されており、この
公報に開示された絶縁シートは、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)等の基材と、ポリ塩化ビニル(以下、
「PVC」という)樹脂やポリエステル系接着剤等から
なる接着剤層とで構成されており、このうち基材として
PET、接着剤層としてPVC樹脂を組み合わせて用い
る絶縁シートは、その材料費や加工費が安くなること、
及びPVC樹脂が導体に接着されないため端末において
絶縁層の引抜き加工や剥ぎ取り加工等が容易であること
から広く用いられるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年、フラッ
トケーブルについて、薄肉化、導体の狭ピッチ化(配線
の高密度化)が要求されており、それに伴って、導体と
して厚さが小さく且つ幅が狭いもの(すなわち断面積が
小さいもの)を用いることが要求されており、具体的に
は0.01mm2以下の断面積を有する導体が用いられ
るようになっている。
【0004】しかしながら、前述した従来の公報に記載
の絶縁シートを用いてフラットケーブルを製造した場
合、上述のように導体の断面積が小さくなると、フラッ
トケーブルの末端において絶縁層を引き抜くときに、断
線する導体の割合が多くなるという課題があった。
【0005】そこで、本発明は、断面積が小さい導体を
用いる場合でもフラットケーブルの末端における絶縁層
の引抜作業時の導体断線を十分に防止することができる
フラットケーブル用絶縁シート、フラットケーブル及び
その製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した。その結果、導体の断線
が、PVC層の厚さを所定値以下にすることにより十分
に防止されることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち本発明のフラットケーブル用絶縁
シートは、少なくとも1本の線状導体を被覆する絶縁層
を形成するフラットケーブル用絶縁シートであって、4
5μm以下の厚さを有し、線状導体を固定するPVC樹
脂層と、PVC樹脂層を支持するシート状の基材とを備
えることを特徴とする。また本発明のフラットケーブル
は、少なくとも1本の線状導体と、上記一対の絶縁シー
トのそれぞれのPVC樹脂層で線状導体を挟持し一対の
絶縁シートを加熱しながら圧力を加えて融着してなる絶
縁層とを備えることを特徴とする。
【0008】本発明の絶縁シートを用いてフラットケー
ブルの絶縁層を形成すると、フラットケーブルの線状導
体として、断面積の小さい(0.01mm2以下)導体
を用いる場合でも、フラットケーブルの端末加工で絶縁
層を引き抜くときに線状導体の断線を十分に防止するこ
とが可能となる。
【0009】更に本発明のフラットケーブルの製造方法
は、少なくとも1本の線状導体と、線状導体を被覆する
絶縁層とを備えるフラットケーブルの製造方法であっ
て、PVC樹脂を含むゾルを基材に塗布し、ゾルを乾燥
させて、基材上にPVC樹脂層を有する一対の絶縁シー
トを得る工程と、一対の絶縁シートのそれぞれのPVC
樹脂層で線状導体を挟持し、一対の絶縁シートを加熱し
ながら圧力を加えて融着して絶縁層を形成し、線状導体
及び絶縁層を備えたフラットケーブルを得る工程とを含
むことを特徴とする。
【0010】この製造方法によれば、厚さが45μm以
下のPVC樹脂層を基材上に形成することができ、しか
も押出加工法により絶縁シートを形成する場合に比べP
VC樹脂層の厚さを均一にすることが可能である。従っ
て、この製造方法によれば、上記のフラットケーブルを
有効に製造することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。
【0012】図1は、本発明のフラットケーブルの実施
形態を示す断面図である。図1に示すように、フラット
ケーブル10は、少なくとも1本の線状導体2を有して
いる。線状導体2の本数は、図1では3本となっている
が、フラットケーブル10の幅に応じて適宜選択され
る。線状導体2の本数は通常1〜50本である。また各
線状導体2の断面形状は、通常は矩形であるが、円形、
正方形等であってもよい。線状導体2の厚さは通常0.
010〜0.150mm、好ましくは0.015〜0.
100mmであり、幅は通常0.1〜1.5mm、好ま
しくは0.15〜1.27mmである。さらに線状導体
2の断面積の上限は、配線の高密度化の観点からは0.
01mm2であることが好ましく、0.009mm2であ
ることがより好ましい。一方、線状導体2の断面積の下
限は、通常は0.002mm2であり、好ましくは0.
003mm2である。断面積の下限が0.003mm2
満では、フラットケーブル10の端末加工で絶縁層を引
き抜く時に、断線する線状導体2の割合が多くなる傾向
がある。線状導体2としては、例えば軟銅、リン青銅等
が用いられる。これらのうちコストの点から軟銅が好ま
しい。
【0013】上記線状導体2は絶縁層4で被覆されてい
る。絶縁層4は一対の絶縁シート部4a,4bからな
り、一対の絶縁シートを加熱しながら圧力を加えて融着
することで形成されている。絶縁シート部4a,4b
は、シート状の基材6と、その基材6の上に設けられる
PVC樹脂層8とを備える。
【0014】基材6を構成する材料としては、例えばポ
リエチレンテレフタレート(PET)やポリイミド等が
用いられる。また基材6の厚さは通常は0.012〜
0.050mmである。
【0015】PVC樹脂層8を構成する材料の導電率は
2.75×10-9S/m以下であることが好ましい。導
電率が2.75×10-9S/mを超えるとフラットケー
ブル10の絶縁抵抗が大きすぎ、電子機器内の配線とし
て用いるには不適当である。上記のような導電率を有す
るPVC樹脂層8は、主としてPVC樹脂を溶剤に溶か
してゾル化したPVCゾルを基材6上に塗布した後乾燥
させ、溶剤を揮発させることにより形成される。ここ
で、PVC樹脂層8を構成する材料としては、後述する
融着時の温度で変形可能な程度の軟化点を有する材料が
用いられる。溶剤としては、例えばフタル酸イゾデシ
ル、トリ−(2−エチルヘキシル)トリメリテート等の
可塑剤が用いられ、これらのうちフタル酸イソデシルが
好適である。
【0016】PVCゾル中のPVC樹脂の含有率は好ま
しくは20〜50重量%である。PVC樹脂の含有率が
20重量%未満では、PVC樹脂層8の表面がベタつ
き、絶縁シートの巻取りや供給時に絶縁シート同士ある
いは絶縁シートと、これをガイドする設備部材とが粘着
して作業が困難となり、50重量%を超えると、PVC
樹脂自体が硬くなるため基材6への塗布が困難となる。
またPVCゾル中の溶剤の含有率は好ましくは50〜8
0重量%である。溶剤の含有率が50重量%未満では、
PVC樹脂自体が硬くなるため基材6への塗布が困難と
なる傾向があり、80重量%を超えると、PVC樹脂層
8の表面がベタつき、絶縁シートの状態での巻取りや絶
縁シートの供給時に絶縁シート同士あるいは絶縁シート
と、これをガイドする設備部材とが粘着して作業が困難
となる。またPVCゾルは、必要に応じてステアリン酸
バリウム等の安定剤、ケイ酸アルミニウム等のフィラー
などを含有してもよい。
【0017】PVC樹脂層8の厚さの上限は45μmで
あり、好ましくは30μmである。これは、PVC樹脂
層8の厚さの上限が45μmを超えると、フラットケー
ブル10の末端で絶縁層4を引き抜く時に線状導体2が
絶縁層4中で動き、この際に基材6の間に挟まれたPV
C樹脂層8が波打ったような不均質な状態となり、局所
的に線状導体2を固定する力が大きくなるなどして断線
する線状導体2の割合が多くなるからである。一方、P
VC樹脂層8の厚さの下限は12μmであることが好ま
しく、15μmであることがより好ましい。PVC樹脂
層8の厚さが15μm未満では、融着時に導体2の両側
に回り込む樹脂量が不足して導体2の両側面と樹脂層8
の間に空間ができ、個々の導体2と絶縁層4との密着力
が不均一となるため、端部を切断した後に曲げたり、捻
ったりすることによりフラットケーブル10の端面で個
々の導体2が不均一に動き端子との接続作業が困難とな
る傾向があり、12μm未満では、更に融着時の樹脂の
回り込み量が不十分となり、樹脂層8間の接着面に十分
な圧力が加わらないために、絶縁シート同士の接着が不
十分となり、著しい場合にはフラットケーブル10に成
型した後に2枚の絶縁シートが剥がれてしまうことがあ
る。
【0018】次に、上記フラットケーブル10の製造方
法について図2を用いて説明する。図2はフラットケー
ブル10の製造の様子を示す一連の工程図である。
【0019】まずシート状の基材6を用意する。基材6
としては、例えばPETが用いられる。一方、PVCゾ
ル7を用意する。PVCゾル7は、PVC樹脂を溶剤に
溶かしてゾル化したものであり、溶剤としては、例えば
可塑剤が用いられる。PVCゾル7は必要に応じて更に
安定剤、フィラーなども含んでもよい。
【0020】そして基材6上にPVCゾル7を塗布し
(図2(a)参照)、その後PVCゾル7を加熱乾燥さ
せ、溶剤を揮発させる(図2(b)参照)。PVCゾル
7の加熱は、基材6上のPVC樹脂層8の厚さが45μ
m以下となるまで行う。こうして基材6上にPVC樹脂
層8が設けられた絶縁シート9aを得る。同様にしても
う一枚絶縁シート9bを用意する。
【0021】次に複数の線状導体2を用意し、これらを
所定のピッチで並設し、先に用意した一対の絶縁シート
9a,9bのPVC樹脂層8で複数の線状導体2を挟持
する(図2(c)参照)。その後、絶縁シート9a,9
bを加熱しつつ両側から圧力を加えて融着し(図2
(d)参照)、絶縁シート部4a,4bからなる絶縁層
4を得る。こうしてフラットケーブル10が得られる
(図1参照)。
【0022】なお、フラットケーブル10は線状導体2
が1本の場合も同様にして作製することができる。
【0023】次に、上記フラットケーブル10の端末加
工方法の一例について説明する。
【0024】図3(a)に示すように、まずフラットケ
ーブル10を台12の上に載せ、その先端が台12の縁
12aから突出するように配置し、更にフラットケーブ
ル10の上方から押え部材14でフラットケーブル10
を固定する。次にフラットケーブル10の突出した先端
に対し、2枚の刃16で上下面側からフラットケーブル
10を挟み込み、両面の基材6に切込みを入れる(図3
(b)、(c)参照)。続いて刃16をフラットケーブ
ル10の端面側に引っ張ることにより絶縁層4を除去す
る(図3(d)参照)。なお、2枚の刃16は、それら
の刃先同士の間隔が最も小さくて導体厚みより大きくな
るように調整する。
【0025】このとき、フラットケーブル10について
は、断面積の小さい(0.01mm 2以下)線状導体2
を用いる場合でもその断線を十分に防止することが可能
となる。従って、フラットケーブル10において配線密
度を向上させることができる。
【0026】次に本発明の内容を実施例を用いて具体的
に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるもので
はない。
【0027】
【実施例】(実施例1)PVC樹脂35重量%、可塑剤
としてのフタル酸ジイソデシル62重量%、並びに安定
剤としてのステアリン酸バリウムおよびフィラーとして
のケイ酸アルミニウムを3重量%からなるPVCゾルを
調整した。
【0028】上記PVCゾルを厚さ0.012mmの基
材としてのポリエチレンテレフタレート樹脂製テープ上
に塗布し、このテープを160℃のオーブンで加熱する
ことにより可塑剤の約1/3を揮発させ、PVC樹脂層
を、厚さ0.02mm(20μm)で且つ指で触っても
指紋がつかない程度になるまで乾燥し、テープ上にPV
C樹脂層を形成した絶縁シートを得た。このPVC樹脂
層を構成する材料の軟化点を測定したところ、170℃
であった。
【0029】次に厚さ0.035mm、幅0.19mm
の線状導体20本を0.3mmピッチで並設し、線状導
体の上下にそれぞれ、絶縁シートを配置し、絶縁シート
同士を160℃で加熱しながら2本のロールで挟み圧力
を加えて融着して絶縁層を形成し、フラットケーブルを
製造した。
【0030】こうして得られたフラットケーブルについ
て、絶縁抵抗、耐電圧特性、耐熱性試験、耐環境性試
験、屈曲性能、および加工性能の諸特性の評価を行っ
た。
【0031】絶縁抵抗は、長さ1.5mの2本のフラッ
トケーブルの線状導体間に500Vの電位差を与え、こ
の電位差と、このとき絶縁層に生じる漏れ電流との比と
して求めた。絶縁抵抗は1000MΩm以上と良好であ
った。
【0032】耐電圧特性は、長さ1.5mのフラットケ
ーブル3本を並設し、空中で隣接するフラットケーブル
の線状導体同士間に500Vの電位差を与えて1分間保
持し、更にフラットケーブル3本を水中に沈めて隣接す
るフラットケーブルの線状導体同士間に1000Vの電
位差を与え1分間保持したときの絶縁破壊の有無によっ
て評価した。その結果、前者の場合、後者の場合いずれ
も絶縁破壊は起こらなかった。この結果から、フラット
ケーブルは、良好な耐電圧特性を有することが分かっ
た。
【0033】耐熱性試験は、85℃の環境に96時間放
置したフラットケーブルについて絶縁抵抗と耐電圧特性
を調べることにより行った。その結果、いずれの場合も
特性の劣化は見られず、本実施例に係るフラットケーブ
ルが良好な耐熱性を有することが確認できた。
【0034】耐環境性試験は、フラットケーブルについ
て、−40℃の環境に4時間放置した後、85℃で4時
間放置し、更に25℃で1時間放置するヒートサイクル
を5サイクル実施し、その後絶縁抵抗と耐電圧特性を調
べることにより行った。その結果、これら特性の劣化は
見られなかった。また、40℃で相対湿度95%の環境
に96時間放置したフラットケーブルについても、絶縁
抵抗と耐電圧特性を調べた。その結果、これらの特性の
劣化は見られなかった。以上のことから、本実施例に係
るフラットケーブルが良好な耐環境性を有することが確
認できた。
【0035】屈曲性能は、3本のフラットケーブルにつ
いて、各ケーブルの厚さと同じ外径のマンドレルをフラ
ットケーブルの線状導体の長手方向に直交するように当
接しそのマンドレルを中心にしてフラットケーブルを1
80°折り曲げて重ねる作業を50回行い、そのときの
フラットケーブルの状態(すなわち導体が断線している
か、絶縁層の剥がれがあるか)によりその良否を判定し
た。その結果、いずれのフラットケーブルについても、
全ての導体に破断が見られず、また絶縁層の剥がれも見
られなかった。このことから、本実施例に係るフラット
ケーブルが良好な屈曲性能を有することが分かった。
【0036】加工性能は、以下のようにしてその良否を
判定した。すなわちまずフラットケーブルを台の上に載
せ、その先端が台の縁から20mmだけ突出するように
配置し、更にフラットケーブルの上方から押え部材でフ
ラットケーブルを固定した。次にフラットケーブルの端
面から10mmの位置で、2枚の刃で上下面側からフラ
ットケーブルを挟み込み、両面の樹脂製テープに切込み
を入れた上で、刃をケーブルの端面側に引っ張ることに
より絶縁層を除去する端末加工を行った。ここで、2枚
の刃は、それらの刃先同士の間隔が最も小さくて導体厚
み(35μm)より15μm大きい50μmとなるよう
にし、刃先と刃先の中間に導体の中心線がくるように調
整した。そして、この端末加工をフラットケーブル20
本について行い、このときの導体の破断を観察し、導体
の破断が見られない場合には加工性能が良好と判定し、
見られる場合には不良と判定した。この結果、20本の
フラットケーブルすべてについて導体の破断という異常
なく絶縁層の除去ができ、端末加工が容易であることが
分かった。
【0037】(比較例1)基材の上に厚さ0.05mm
(50μm)のPVC樹脂層を形成した以外は実施例1
と同様にしてフラットケーブルを作製した。こうして得
られたフラットケーブルについて、実施例1と同様にし
て諸特性の評価を行った。その結果、加工性能以外は実
施例1と同等の評価結果が得られたものの、加工性能に
ついては、フラットケーブル20本中18本において1
本以上の導体の破断が見られた。このことから、このよ
うに断面積が小さく強度が低い導体をフラットケーブル
の導体として使用することは困難であることが分かっ
た。
【0038】(比較例2)押出加工法により、比較例1
のPVC樹脂層より厚さが小さい(30μm)PVC樹
脂層を形成することを試みたが、押出加工したPVC樹
脂層の厚さが均一とならず、絶縁シート自体製造するこ
とができず、従って、フラットケーブルを製造すること
ができなかった。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明のフラットケ
ーブル用絶縁体、フラットケーブル及びその製造方法に
よれば、導体の断面積が小さい場合でも、フラットケー
ブルの末端において絶縁層を引き抜く時に導体の断線を
十分に防止することができる。このため、導体の配線密
度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフラットケーブルの一実施形態を示す
断面図である。
【図2】図1のフラットケーブルを製造する様子を示す
一連の工程図である。
【図3】図1のフラットケーブルの端末加工の様子を示
す一連の工程図である。
【符号の説明】
2…複数の線状導体、4…絶縁層、6…基材、7…ゾ
ル、8…ポリ塩化ビニル層、9a,9b…絶縁シート、
10…フラットケーブル。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1本の線状導体を被覆する絶
    縁層を形成するフラットケーブル用絶縁シートであっ
    て、 45μm以下の厚さを有し、前記線状導体を固定するポ
    リ塩化ビニル樹脂層と、 前記ポリ塩化ビニル樹脂層を支持するシート状の基材
    と、を備えることを特徴とするフラットケーブル用絶縁
    シート。
  2. 【請求項2】 少なくとも1本の線状導体と、 請求項1に記載の一対の絶縁シートのそれぞれのポリ塩
    化ビニル樹脂層で前記線状導体を挟持し前記一対の絶縁
    シートを加熱しながら圧力を加えて融着してなる絶縁層
    と、を備えることを特徴とするフラットケーブル。
  3. 【請求項3】 少なくとも1本の線状導体と、前記線状
    導体を被覆する絶縁層とを備えるフラットケーブルの製
    造方法であって、 ポリ塩化ビニル樹脂を含むゾルを基材に塗布し、前記ゾ
    ルを乾燥させて、前記基材上にポリ塩化ビニル樹脂層を
    有する一対の絶縁シートを得る工程と、 前記一対の絶縁シートのそれぞれのポリ塩化ビニル樹脂
    層で前記線状導体を挟持し、前記一対の絶縁シートを加
    熱しながら圧力を加えて融着して前記絶縁層を形成し、
    前記線状導体及び前記絶縁層を備えたフラットケーブル
    を得る工程と、を含むことを特徴とするフラットケーブ
    ルの製造方法。
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