JP2001248817A - 循環流動層炉の脱硫方法とその装置 - Google Patents
循環流動層炉の脱硫方法とその装置Info
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- JP2001248817A JP2001248817A JP2000058945A JP2000058945A JP2001248817A JP 2001248817 A JP2001248817 A JP 2001248817A JP 2000058945 A JP2000058945 A JP 2000058945A JP 2000058945 A JP2000058945 A JP 2000058945A JP 2001248817 A JP2001248817 A JP 2001248817A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、脱硫剤の投入により炉内温度の低
下を招くことがなく、かつ燃費や排ガス性状の向上を図
ることが可能な循環流動層炉の脱硫方法とその装置に関
する。 【構成】 流動層炉内に脱硫剤を直接投入することによ
り炉内の硫黄酸化物を除去する循環流動層炉の脱硫方法
において、前記流動層炉１に具えられた選択された任意
ののぞき窓部１０ａのシールエア供給部１５下流側に脱
硫剤２０を投入し、該脱硫剤２０を燃焼反応により生じ
る硫黄酸化物と反応させて該硫黄酸化物を除去すること
を特徴とし、前記のぞき窓をシールポット６出口とライ
ザ２入口の間に位置する循環流動砂還流路７に位置する
のぞき窓部１０ａとする。
下を招くことがなく、かつ燃費や排ガス性状の向上を図
ることが可能な循環流動層炉の脱硫方法とその装置に関
する。 【構成】 流動層炉内に脱硫剤を直接投入することによ
り炉内の硫黄酸化物を除去する循環流動層炉の脱硫方法
において、前記流動層炉１に具えられた選択された任意
ののぞき窓部１０ａのシールエア供給部１５下流側に脱
硫剤２０を投入し、該脱硫剤２０を燃焼反応により生じ
る硫黄酸化物と反応させて該硫黄酸化物を除去すること
を特徴とし、前記のぞき窓をシールポット６出口とライ
ザ２入口の間に位置する循環流動砂還流路７に位置する
のぞき窓部１０ａとする。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却の際に生じる
排ガス中の硫黄酸化物を除去する方法において、特に炉
内に脱硫剤を投入して二酸化硫黄等の硫黄酸化物と反応
させ、排ガス中の硫黄酸化物を除去する乾式脱硫法を利
用した循環流動層炉の脱硫方法とその装置に関する。
排ガス中の硫黄酸化物を除去する方法において、特に炉
内に脱硫剤を投入して二酸化硫黄等の硫黄酸化物と反応
させ、排ガス中の硫黄酸化物を除去する乾式脱硫法を利
用した循環流動層炉の脱硫方法とその装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来より、焼却炉から排出する排ガス中
には、焼却物中に含まれる硫黄化合物が燃焼して生じる
酸性有害物質が多く含まれており、その処理対策として
様々な方法が採られている。その処理方法は湿式法、半
乾式法及び乾式法とに大別され、その中でも先進国で多
く用いられている石灰スラリー吸収法を代表とする湿式
法は、高効率で以って脱硫が可能であるが、設備コスト
及び運転コストが極めて高い。
には、焼却物中に含まれる硫黄化合物が燃焼して生じる
酸性有害物質が多く含まれており、その処理対策として
様々な方法が採られている。その処理方法は湿式法、半
乾式法及び乾式法とに大別され、その中でも先進国で多
く用いられている石灰スラリー吸収法を代表とする湿式
法は、高効率で以って脱硫が可能であるが、設備コスト
及び運転コストが極めて高い。
【０００３】一方、脱硫率は余り高くないものの簡易か
つ経済的な脱硫プロセスとして、簡易形排煙脱硫技術が
発展途上国を中心に推進されており、この中でも他に装
置を必要としない炉内脱硫法が普及してきている。炉内
脱硫法の基本概念は、石灰石、水酸化カルシウム、ドロ
マイト等の脱硫剤の粉末を焼却炉内へ直接吹き込み、こ
れが燃焼ガス中のＳＯ２及び酸素と接触して硫酸カルシ
ウムあるいは硫酸マグネシウムなどを生成させる反応に
よって、ＳＯ２を固定する方法である。
つ経済的な脱硫プロセスとして、簡易形排煙脱硫技術が
発展途上国を中心に推進されており、この中でも他に装
置を必要としない炉内脱硫法が普及してきている。炉内
脱硫法の基本概念は、石灰石、水酸化カルシウム、ドロ
マイト等の脱硫剤の粉末を焼却炉内へ直接吹き込み、こ
れが燃焼ガス中のＳＯ２及び酸素と接触して硫酸カルシ
ウムあるいは硫酸マグネシウムなどを生成させる反応に
よって、ＳＯ２を固定する方法である。
【０００４】さらに脱硫効率を高める場合には、前記炉
内脱硫法と他の脱硫装置とを組み合わせることにより、
排ガス中の硫黄酸化物をほぼ完全に除去することが可能
である。例えば、炉内への石灰石の吹き込みとともに、
排ガス処理工程との間に水のスプレーによる冷却塔を設
け、冷却塔における二次脱硫反応によって脱硫率を高め
ることができる。このように、該技術ではプロセスの簡
易化、設備のコンパクト化建設及びランニングコストの
大幅な低減が図られる。
内脱硫法と他の脱硫装置とを組み合わせることにより、
排ガス中の硫黄酸化物をほぼ完全に除去することが可能
である。例えば、炉内への石灰石の吹き込みとともに、
排ガス処理工程との間に水のスプレーによる冷却塔を設
け、冷却塔における二次脱硫反応によって脱硫率を高め
ることができる。このように、該技術ではプロセスの簡
易化、設備のコンパクト化建設及びランニングコストの
大幅な低減が図られる。
【０００５】前記炉内脱硫法における脱硫剤投入方法と
しては、投入前の焼却物に予め混入させておく方法、若
しくは焼却炉の炉壁に脱硫剤投入口を設け、圧縮空気と
ともに炉内に導入する方法が挙げられる。しかしなが
ら、前者のように脱硫剤を予め焼却物に混入させておく
と、焼却物と脱硫剤の混合比にむらが生じるため、連続
的に燃焼を行なう循環流動層炉では排ガス中の二酸化硫
黄等の硫黄酸化物の濃度が時間的に大きく変動する。ま
た、後者のように炉壁に脱硫剤投入口を設ける構成では
脱硫剤搬送空気が該投入口より炉内に入るため炉内の温
度低下を招き、焼却炉の燃焼効率が悪化する。また、脱
硫剤投入口付近の温度が局部的に低温化してしまうた
め、排ガス性状が悪化し、さらに燃費にも影響を及ぼす
ことになる。特に小型の焼却炉では炉内温度分布の不均
一化が顕著に現れてくる。
しては、投入前の焼却物に予め混入させておく方法、若
しくは焼却炉の炉壁に脱硫剤投入口を設け、圧縮空気と
ともに炉内に導入する方法が挙げられる。しかしなが
ら、前者のように脱硫剤を予め焼却物に混入させておく
と、焼却物と脱硫剤の混合比にむらが生じるため、連続
的に燃焼を行なう循環流動層炉では排ガス中の二酸化硫
黄等の硫黄酸化物の濃度が時間的に大きく変動する。ま
た、後者のように炉壁に脱硫剤投入口を設ける構成では
脱硫剤搬送空気が該投入口より炉内に入るため炉内の温
度低下を招き、焼却炉の燃焼効率が悪化する。また、脱
硫剤投入口付近の温度が局部的に低温化してしまうた
め、排ガス性状が悪化し、さらに燃費にも影響を及ぼす
ことになる。特に小型の焼却炉では炉内温度分布の不均
一化が顕著に現れてくる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来の炉内脱硫
法は、設備のコンパクト化、設備コスト及び運転コスト
の大幅な低減化、また、他の脱硫法との組み合わせによ
る高脱硫率の達成等の理由から、石灰スラリー吸収法等
の高コストで装置の複雑な湿式法に代り普及しつつあ
る。しかし、脱硫剤の投入方法には問題点が残り、上記
したように炉内投入前に脱硫剤を混入すると脱硫率が悪
化し、また、炉壁に脱硫剤投入口を設けると炉内温度が
低下して焼却炉の燃焼効率が低減するとともに、排ガス
性状の悪化や燃費の悪化をも引き起こすこととなる。本
発明は上記課題に鑑み、流動層炉内に脱硫剤を投入して
炉内脱硫を行なうにあたり、炉壁に設けた脱硫剤投入口
による炉内温度低下を防止し、かつ大量の脱硫剤搬送空
気の導入による排ガス性状の悪化を防ぐとことのできる
脱硫方法とその装置を提供することを目的とする。
法は、設備のコンパクト化、設備コスト及び運転コスト
の大幅な低減化、また、他の脱硫法との組み合わせによ
る高脱硫率の達成等の理由から、石灰スラリー吸収法等
の高コストで装置の複雑な湿式法に代り普及しつつあ
る。しかし、脱硫剤の投入方法には問題点が残り、上記
したように炉内投入前に脱硫剤を混入すると脱硫率が悪
化し、また、炉壁に脱硫剤投入口を設けると炉内温度が
低下して焼却炉の燃焼効率が低減するとともに、排ガス
性状の悪化や燃費の悪化をも引き起こすこととなる。本
発明は上記課題に鑑み、流動層炉内に脱硫剤を投入して
炉内脱硫を行なうにあたり、炉壁に設けた脱硫剤投入口
による炉内温度低下を防止し、かつ大量の脱硫剤搬送空
気の導入による排ガス性状の悪化を防ぐとことのできる
脱硫方法とその装置を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、請求項１記載の発明として、前記流動層炉
に具えられた選択された任意ののぞき窓部のシールエア
に脱硫剤を混入し、該脱硫剤を前記シールエアに同伴さ
せて炉内に送給し、燃焼反応により生じる硫黄酸化物と
反応させて該硫黄酸化物を除去することを特徴とする。
従来より、循環流動層炉には炉内の燃焼状態を確認する
ために、複数ののぞき窓が具えられており、該のぞき窓
部分を冷却するためにシールエアを導入している。かか
る発明は、炉内に吹き込むシールエアに脱硫剤を搬送さ
せて炉内脱硫を行う方法であり、言い換えれば、脱硫剤
の搬送空気をのぞき窓から導入することで該搬送空気が
シールエアを兼ねることができ、これにより、炉内に吹
き込む低温の空気量が低減し、炉内温度の低下を防ぐと
ともに、炉内温度分布の均一化が図れる。したがって、
排ガス性状及び燃費の悪化を防止することができる。
するために、請求項１記載の発明として、前記流動層炉
に具えられた選択された任意ののぞき窓部のシールエア
に脱硫剤を混入し、該脱硫剤を前記シールエアに同伴さ
せて炉内に送給し、燃焼反応により生じる硫黄酸化物と
反応させて該硫黄酸化物を除去することを特徴とする。
従来より、循環流動層炉には炉内の燃焼状態を確認する
ために、複数ののぞき窓が具えられており、該のぞき窓
部分を冷却するためにシールエアを導入している。かか
る発明は、炉内に吹き込むシールエアに脱硫剤を搬送さ
せて炉内脱硫を行う方法であり、言い換えれば、脱硫剤
の搬送空気をのぞき窓から導入することで該搬送空気が
シールエアを兼ねることができ、これにより、炉内に吹
き込む低温の空気量が低減し、炉内温度の低下を防ぐと
ともに、炉内温度分布の均一化が図れる。したがって、
排ガス性状及び燃費の悪化を防止することができる。
【０００８】さらに、請求項２記載の発明は、請求項１
記載の前記のぞき窓が、シールポットの出口側とライザ
入口の間の循環流動砂還流路上の任意の位置に設けられ
たのぞき窓であり、該還流路を介して炉内に送給するこ
とを特徴とする。前記のぞき窓は、その必要性上フリー
ボード部の炉壁上に多く設けられているが、排ガス出口
付近のライザ炉壁に位置するのぞき窓に脱硫剤を投入す
ると、温度低下が著しくなるため排ガス性状が悪化し、
また脱硫剤と排ガスとの接触時間が非常に短いため反応
が不十分で、硫黄酸化物が残留してしまう。したがっ
て、上記のようにシールポット出口側とライザ入口の間
の循環流動砂還流路上に配置するのぞき窓に投入するこ
とで、排ガスとの反応時間を十分にとれ、脱硫効率が向
上する。また、該のぞき窓から投入された脱硫剤は、す
ぐにライザ炉床部の流動層に送給され、蓄熱量の高い流
動層にて昇温されるため、炉内温度分布が均一に保た
れ、排ガス性状の悪化を防止できる。
記載の前記のぞき窓が、シールポットの出口側とライザ
入口の間の循環流動砂還流路上の任意の位置に設けられ
たのぞき窓であり、該還流路を介して炉内に送給するこ
とを特徴とする。前記のぞき窓は、その必要性上フリー
ボード部の炉壁上に多く設けられているが、排ガス出口
付近のライザ炉壁に位置するのぞき窓に脱硫剤を投入す
ると、温度低下が著しくなるため排ガス性状が悪化し、
また脱硫剤と排ガスとの接触時間が非常に短いため反応
が不十分で、硫黄酸化物が残留してしまう。したがっ
て、上記のようにシールポット出口側とライザ入口の間
の循環流動砂還流路上に配置するのぞき窓に投入するこ
とで、排ガスとの反応時間を十分にとれ、脱硫効率が向
上する。また、該のぞき窓から投入された脱硫剤は、す
ぐにライザ炉床部の流動層に送給され、蓄熱量の高い流
動層にて昇温されるため、炉内温度分布が均一に保た
れ、排ガス性状の悪化を防止できる。
【０００９】かかる発明を効果的に実施する装置とし
て、請求項３、４記載のごとく構成するよい。請求項３
記載の発明は、流動層炉の任意箇所の炉壁に突設された
のぞき窓部を具えた循環流動層炉の脱硫装置において、
前記のぞき窓部直下に設けられたのぞき窓部のシールエ
ア供給口の上流側若しくは下流側に脱硫剤投入口を設
け、該投入口より投入した脱硫剤をシールエアに同伴さ
せて炉内に送給させたことを特徴とする。さらに、請求
項４記載の発明は、シールポット出口からライザ入口の
間の循環流動砂還流路上の任意の位置にのぞき窓を設
け、該のぞき窓部のシールエア供給口下流側に脱硫剤投
入口を設けたことを特徴とする。このように構成するこ
とで、前記脱硫剤投入口から投入した脱硫剤を、前記シ
ールエア供給口の上流側若しくは下流側から吹き込むシ
ールエアにより炉内へ向かう空気流に同伴させることが
でき、該脱硫剤を容易に炉内へ送給することができると
ともに、のぞき窓を冷却、及びシールすることが可能で
ある。
て、請求項３、４記載のごとく構成するよい。請求項３
記載の発明は、流動層炉の任意箇所の炉壁に突設された
のぞき窓部を具えた循環流動層炉の脱硫装置において、
前記のぞき窓部直下に設けられたのぞき窓部のシールエ
ア供給口の上流側若しくは下流側に脱硫剤投入口を設
け、該投入口より投入した脱硫剤をシールエアに同伴さ
せて炉内に送給させたことを特徴とする。さらに、請求
項４記載の発明は、シールポット出口からライザ入口の
間の循環流動砂還流路上の任意の位置にのぞき窓を設
け、該のぞき窓部のシールエア供給口下流側に脱硫剤投
入口を設けたことを特徴とする。このように構成するこ
とで、前記脱硫剤投入口から投入した脱硫剤を、前記シ
ールエア供給口の上流側若しくは下流側から吹き込むシ
ールエアにより炉内へ向かう空気流に同伴させることが
でき、該脱硫剤を容易に炉内へ送給することができると
ともに、のぞき窓を冷却、及びシールすることが可能で
ある。
【００１０】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
る寸法、材質、形状、その相対位置などは特に特定的な
記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する
趣旨ではなく単なる説明例にすぎない。図１は本発明の
実施形態にかかる脱硫剤投入手段を具えた循環流動層炉
の全体構成図で、図２は前記循環流動層炉に設けられた
のぞき窓部の側部外観図である。かかる循環流動層炉１
は、流動層４とフリーボード３とからなり主として燃焼
反応を行なうライザ２と、該流動層４から吹き上げる流
動砂を排ガスから分離回収するサイクロン５と、炉内未
燃ガスのサイクロン５への吹き抜けを防止するシールポ
ット６と、該シールポット６とライザ２の間に位置する
流動砂の還流路である流動砂循環路７とから構成され
る。
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
る寸法、材質、形状、その相対位置などは特に特定的な
記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する
趣旨ではなく単なる説明例にすぎない。図１は本発明の
実施形態にかかる脱硫剤投入手段を具えた循環流動層炉
の全体構成図で、図２は前記循環流動層炉に設けられた
のぞき窓部の側部外観図である。かかる循環流動層炉１
は、流動層４とフリーボード３とからなり主として燃焼
反応を行なうライザ２と、該流動層４から吹き上げる流
動砂を排ガスから分離回収するサイクロン５と、炉内未
燃ガスのサイクロン５への吹き抜けを防止するシールポ
ット６と、該シールポット６とライザ２の間に位置する
流動砂の還流路である流動砂循環路７とから構成され
る。
【００１１】前記ライザ２炉床部には複数の孔が穿孔さ
れた一次空気供給管が突設され、該ライザ２下部に形成
する流動層４の上方の炉壁には汚泥投入口８と二次空気
導入口９が配置している。さらに、前記汚泥投入口８、
二次空気導入口９及び図示しないバーナ等の対面側の炉
壁には、炉内状況を確認するためののぞき窓１０ａ〜１
０ｅが夫々設置されており、炉の運転状況の安定性を保
っている。前記のぞき窓は耐熱性ガラス等で形成されて
いるものの、炉内温度が非常に高いため、冷却用のシー
ルエアを吹き込むことによりのぞき窓の耐久性を保持し
ている。
れた一次空気供給管が突設され、該ライザ２下部に形成
する流動層４の上方の炉壁には汚泥投入口８と二次空気
導入口９が配置している。さらに、前記汚泥投入口８、
二次空気導入口９及び図示しないバーナ等の対面側の炉
壁には、炉内状況を確認するためののぞき窓１０ａ〜１
０ｅが夫々設置されており、炉の運転状況の安定性を保
っている。前記のぞき窓は耐熱性ガラス等で形成されて
いるものの、炉内温度が非常に高いため、冷却用のシー
ルエアを吹き込むことによりのぞき窓の耐久性を保持し
ている。
【００１２】そして、本発明では、任意ののぞき窓に脱
硫剤投入口を設けて、前記シールエアに搬送されて炉内
に供給されるように脱硫剤を投入する構成としている。
該のぞき窓は、炉内の何れの場所に位置するものでもよ
いが、かかる実施形態では、シールポット６出口とライ
ザ２の間に位置する流動砂循環路７上に配置されるのぞ
き窓１０ａ上に設けている。これは、該のぞき窓１０ａ
から投入された脱硫剤はライザ２炉床部に送給され、該
ライザ２内での滞留時間が長いため排ガスと十分に混合
され、脱硫率が高くなるからである。また、フリーボー
ド３に較べて前記流動砂循環路７は比較的温度が低いた
め、脱硫剤投入口を設けることによる熱放出量が少な
く、さらに、前記脱硫剤を搬送するシールエアにより炉
内温度が低下しても、蓄熱量の高いライザ２炉床部の流
動層４へ送給されるため、温度低下による弊害が少な
い。
硫剤投入口を設けて、前記シールエアに搬送されて炉内
に供給されるように脱硫剤を投入する構成としている。
該のぞき窓は、炉内の何れの場所に位置するものでもよ
いが、かかる実施形態では、シールポット６出口とライ
ザ２の間に位置する流動砂循環路７上に配置されるのぞ
き窓１０ａ上に設けている。これは、該のぞき窓１０ａ
から投入された脱硫剤はライザ２炉床部に送給され、該
ライザ２内での滞留時間が長いため排ガスと十分に混合
され、脱硫率が高くなるからである。また、フリーボー
ド３に較べて前記流動砂循環路７は比較的温度が低いた
め、脱硫剤投入口を設けることによる熱放出量が少な
く、さらに、前記脱硫剤を搬送するシールエアにより炉
内温度が低下しても、蓄熱量の高いライザ２炉床部の流
動層４へ送給されるため、温度低下による弊害が少な
い。
【００１３】かかる脱硫剤投入口８を具えた循環流動層
炉１のフローを説明するに、炭酸カルシウム、水酸化カ
ルシウム、ドロマイド等の脱硫剤をホッパフィーダ１１
にて粉末状にし、ブロワ１２から送込む空気によりのぞ
き窓１０ａに送給する。このとき、炉内圧力に応じて該
脱硫剤を投入し易いようにコンプレッサを用いてもよ
い。このようにして前記のぞき窓１０ａから流動砂循環
路７に吹き込まれた脱硫剤は、炉内を循環する流動砂と
ともにライザ２炉床部に送り込まれる。該ライザ２の炉
床部には、一次空気２３の導入により流動層４が形成さ
れており、汚泥投入口８から投入された汚泥２２はここ
で乾留ガス化、熱分解反応をした後、燃焼する。かかる
燃焼反応により生じる排ガス中の二酸化硫黄は、前記脱
硫剤と酸素雰囲気下で反応して硫酸カルシウムあるいは
硫酸マグネシウム等を生成して排ガスとともに排出され
る。前記脱硫剤は粉末状で炉内に供給されるため、投入
汚泥や排ガスと十分に混合され、二次空気２１の供給に
よりフリーボード３の上昇気流に搬送されながら、脱硫
反応が促進される。
炉１のフローを説明するに、炭酸カルシウム、水酸化カ
ルシウム、ドロマイド等の脱硫剤をホッパフィーダ１１
にて粉末状にし、ブロワ１２から送込む空気によりのぞ
き窓１０ａに送給する。このとき、炉内圧力に応じて該
脱硫剤を投入し易いようにコンプレッサを用いてもよ
い。このようにして前記のぞき窓１０ａから流動砂循環
路７に吹き込まれた脱硫剤は、炉内を循環する流動砂と
ともにライザ２炉床部に送り込まれる。該ライザ２の炉
床部には、一次空気２３の導入により流動層４が形成さ
れており、汚泥投入口８から投入された汚泥２２はここ
で乾留ガス化、熱分解反応をした後、燃焼する。かかる
燃焼反応により生じる排ガス中の二酸化硫黄は、前記脱
硫剤と酸素雰囲気下で反応して硫酸カルシウムあるいは
硫酸マグネシウム等を生成して排ガスとともに排出され
る。前記脱硫剤は粉末状で炉内に供給されるため、投入
汚泥や排ガスと十分に混合され、二次空気２１の供給に
よりフリーボード３の上昇気流に搬送されながら、脱硫
反応が促進される。
【００１４】ここで、図２を用いてのぞき窓部１０ａの
構造を説明するに、前記循環流動砂還流路７に突設され
た筒の先端部にフランジを介して固着されたシールエア
導入口１５とさらにその上部に耐熱性ガラス等により形
成されるのぞき窓１３が具えられ、矢印Ａ方向から炉内
をのぞくことができるように構成されている。前記のぞ
き窓部１０ａの中間部には、該のぞき窓部に向かって斜
め方向に脱硫剤投入口１４が突設され、図１に示したブ
ロワ１２により該脱硫剤投入口を脱硫剤２０が流下し、
シールエア投入口１５から導入されるシールエア２４と
合流して前記循環流動砂還流路７に送り込まれる。
構造を説明するに、前記循環流動砂還流路７に突設され
た筒の先端部にフランジを介して固着されたシールエア
導入口１５とさらにその上部に耐熱性ガラス等により形
成されるのぞき窓１３が具えられ、矢印Ａ方向から炉内
をのぞくことができるように構成されている。前記のぞ
き窓部１０ａの中間部には、該のぞき窓部に向かって斜
め方向に脱硫剤投入口１４が突設され、図１に示したブ
ロワ１２により該脱硫剤投入口を脱硫剤２０が流下し、
シールエア投入口１５から導入されるシールエア２４と
合流して前記循環流動砂還流路７に送り込まれる。
【００１５】かかるのぞき窓部１０ａから脱硫剤２０を
吹き込むことにより、視野の悪化という危惧があるが、
該脱硫剤２０は前記ホッパフィーダ１１により非常に微
細な粉末となり、かつその濃度は非常に希薄であるた
め、のぞき状態は十分確保できる。尚、本実施例では脱
硫剤投入口１４をシールエア供給口１５の下流側に設け
たが、前記シールエア供給口１５の上流側若しくはシー
ルエア供給口１５に脱硫剤投入口１４を設けることも可
能である。このように構成された脱硫剤投入口を具えた
のぞき窓部１０ａにより、簡単なプロセスで、かつ別に
装置を設ける必要がないため、設備コストや運転コスト
の低減が可能に炉内脱硫を達成できるとともに、炉内の
温度低下を防ぎ、安定した排ガス性状を保つことができ
る。尚、本発明の脱硫剤投入手段を具えた循環流動層炉
に、外部脱硫手段を設けることにより脱硫効率がより向
上することは言うまでもない。
吹き込むことにより、視野の悪化という危惧があるが、
該脱硫剤２０は前記ホッパフィーダ１１により非常に微
細な粉末となり、かつその濃度は非常に希薄であるた
め、のぞき状態は十分確保できる。尚、本実施例では脱
硫剤投入口１４をシールエア供給口１５の下流側に設け
たが、前記シールエア供給口１５の上流側若しくはシー
ルエア供給口１５に脱硫剤投入口１４を設けることも可
能である。このように構成された脱硫剤投入口を具えた
のぞき窓部１０ａにより、簡単なプロセスで、かつ別に
装置を設ける必要がないため、設備コストや運転コスト
の低減が可能に炉内脱硫を達成できるとともに、炉内の
温度低下を防ぎ、安定した排ガス性状を保つことができ
る。尚、本発明の脱硫剤投入手段を具えた循環流動層炉
に、外部脱硫手段を設けることにより脱硫効率がより向
上することは言うまでもない。
【００１６】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、流動
層炉の炉壁に設けられているのぞき窓から脱硫剤を投入
することにより、別に脱硫剤投入口を設ける必要がな
く、また、のぞき窓を冷却するために吹き込むシールエ
アが脱硫剤を炉内に搬送するため、高圧の空気で以って
該脱硫剤を吹き込まなくてもよい。さらに、前記シール
エアと脱硫剤搬送空気とを兼用することにより、低温空
気の炉内供給量が低減し、炉内の温度低下を防止するこ
とが可能となる。これにより排ガス性状が向上するとと
もに、燃費の向上を図ることができる。
層炉の炉壁に設けられているのぞき窓から脱硫剤を投入
することにより、別に脱硫剤投入口を設ける必要がな
く、また、のぞき窓を冷却するために吹き込むシールエ
アが脱硫剤を炉内に搬送するため、高圧の空気で以って
該脱硫剤を吹き込まなくてもよい。さらに、前記シール
エアと脱硫剤搬送空気とを兼用することにより、低温空
気の炉内供給量が低減し、炉内の温度低下を防止するこ
とが可能となる。これにより排ガス性状が向上するとと
もに、燃費の向上を図ることができる。
【図１】 本発明の実施形態におけるのぞき窓を具えた
循環流動層炉の全体構成図である。
循環流動層炉の全体構成図である。
【図２】 本発明の脱硫剤投入口を具えたのぞき窓部分
の側部外観図である。
の側部外観図である。
１ 循環流動層炉 ２ ライザ ７ 流動砂循環路 １０ａ、１０ｂ、１０ｃ、１０ｄ、１０ｅ のぞき窓
部 １１ ホッパフィーダ １２ ブロワ １３ のぞき窓 １４ 脱硫剤投入口 １５ シールエア供給口 ２０ 脱硫剤 ２４ シールエア
部 １１ ホッパフィーダ １２ ブロワ １３ のぞき窓 １４ 脱硫剤投入口 １５ シールエア供給口 ２０ 脱硫剤 ２４ シールエア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｆ２３Ｍ 11/04 １０１ (72)発明者 本多 裕姫 横浜市金沢区幸浦一丁目８番地１ 三菱重 工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 清水 義仁 横浜市金沢区幸浦一丁目８番地１ 三菱重 工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 石川 出 横浜市金沢区幸浦一丁目８番地１ 三菱重 工業株式会社横浜研究所内 (72)発明者 山内 恒樹 横浜市金沢区幸浦一丁目８番地１ 三菱重 工業株式会社横浜研究所内 Ｆターム(参考） 3K064 AA02 AB03 AD08 AE13 AF03 BA07 BA17 4D002 AA02 AC04 BA03 BA14 CA09 CA20 DA05 DA12 DA16 DA47 EA02
Claims (4)
- 【請求項１】 流動層炉内に脱硫剤を直接投入すること
により炉内の硫黄酸化物を除去する循環流動層炉の脱硫
方法において、 前記流動層炉に具えられた選択された任意ののぞき窓部
のシールエアに脱硫剤を混入し、該脱硫剤を前記シール
エアに同伴させて炉内に送給し、燃焼反応により生じる
硫黄酸化物と反応させて該硫黄酸化物を除去することを
特徴とする循環流動層炉の脱硫方法。 - 【請求項２】 前記のぞき窓が、シールポットの出口側
とライザ入口の間の循環流動砂還流路上の任意の位置に
設けられたのぞき窓であり、該還流路を介して炉内に送
給することを特徴とする請求項１記載の循環流動層炉の
脱硫方法。 - 【請求項３】 流動層炉の任意箇所の炉壁に突設された
のぞき窓部を具えた循環流動層炉の脱硫装置において、 前記のぞき窓部直下に設けられたのぞき窓部のシールエ
ア供給口の上流側若しくは下流側に脱硫剤投入口を設
け、該投入口より投入した脱硫剤をシールエアに同伴さ
せて炉内に送給させたことを特徴とする循環流動層炉の
脱硫装置。 - 【請求項４】 シールポット出口からライザ入口の間の
循環流動砂還流路上の任意の位置にのぞき窓を設け、該
のぞき窓部のシールエア供給口下流側に脱硫剤投入口を
設けたことを特徴とする請求項３記載の循環流動層炉の
脱硫装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000058945A JP2001248817A (ja) | 2000-03-03 | 2000-03-03 | 循環流動層炉の脱硫方法とその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000058945A JP2001248817A (ja) | 2000-03-03 | 2000-03-03 | 循環流動層炉の脱硫方法とその装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001248817A true JP2001248817A (ja) | 2001-09-14 |
Family
ID=18579462
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000058945A Withdrawn JP2001248817A (ja) | 2000-03-03 | 2000-03-03 | 循環流動層炉の脱硫方法とその装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2001248817A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102210973A (zh) * | 2011-06-03 | 2011-10-12 | 北京科技大学 | 用于so2的半干法烟气脱硫除尘一体化装置 |
| JP2013029245A (ja) * | 2011-07-28 | 2013-02-07 | Jfe Engineering Corp | 草本系バイオマスの燃焼方法および燃焼装置 |
| CN104984630A (zh) * | 2015-05-12 | 2015-10-21 | 上海国际化建工程咨询公司 | 一种结合耐硫变换和循环流化床热法脱硫的合成气净化方法及装置和应用 |
-
2000
- 2000-03-03 JP JP2000058945A patent/JP2001248817A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102210973A (zh) * | 2011-06-03 | 2011-10-12 | 北京科技大学 | 用于so2的半干法烟气脱硫除尘一体化装置 |
| JP2013029245A (ja) * | 2011-07-28 | 2013-02-07 | Jfe Engineering Corp | 草本系バイオマスの燃焼方法および燃焼装置 |
| CN104984630A (zh) * | 2015-05-12 | 2015-10-21 | 上海国际化建工程咨询公司 | 一种结合耐硫变换和循环流化床热法脱硫的合成气净化方法及装置和应用 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070605 |