JP2001248602A - パイロットシリンダを無限長機能で使用する方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】大口径のシリンダーを使用し、出力推力を大き
くとり、さらに出力移動量を制限されずに自由に構成可
能とする。 【解決手段】入力側に負荷加重用、早送り用各ピストン
油圧ポンプと出力側に大口径の油圧シリンダーを使用
し、各を接続させて入力ピストン油圧ポンプをサーボモ
ータで回転制御し、シリンダーの速度、位置、推力を制
御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、油圧プレス、摩擦圧接
機械、その他重荷重移動位置決め装置として、使用する
分野。

【０００２】

【従来の技術】一般的に大きな荷重の駆動装置は、油圧
シリンダを休止時にも運転するエネルギー効率の良くな
い油圧ポンプによる油圧源を用いて、油圧サーボバルブ
制御などで実用化されている。この方式では、力の増幅
度的には意味を持たず、微妙なエネルギー制御は無理で
あり、又、エネルギー的にも、機構装置においても経済
的でない。又、サーボモータによる力の拡大、位置制御
は、ボールねじによって行っているが、加圧力が２００
トンの場合、その荷重に耐えるためにはボールねじの直
径が１００ｍm２本となり、ねじのリードも大きくな
り、力の増幅度が少なく駆動するモータの必要トルクか
ら見て、モータ出力は２００Ｋｗ以上が必要になる。そ
のため機構的にも、経済的にも大掛かりとなり省エネ的
ではない。

【０００３】力の拡大機構は、ねじ方式、トグル方式、
及び、パスカル原理の小シリンダーの加圧で出力側に大
口径のシリンダーを用いる機構など、種々存在する。し
かし、何れも、加圧力と加圧ストロークの積と、出力側
の出力とそのストロークの積が等しいことから、力の増
幅度とその移動量には限界がある。そのため力の増幅度
を大きくして、出力側のシリンダストロークを大きく確
保するためには、加圧側の加圧シリンダストロークを実
用上不可能な程、長くしなければならない。即ち、パス
カルの原理による加圧側ピストンと、力を拡大する側の
出力シリンダの断面積比率を十分大きくし、しかも、出
力側シリンダのストロークを大きくするためには、入力
側シリンダの長さを長大のものにしなければならない。
長大な入力側シリンダは、実用的にも経済的にも限度が
ある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
は、出力推力を大きくして、さらに入力側の力を小さく
しようとするとき、出力移動距離が少なくなることであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、油圧ポンプと
油圧シリンダの構成の技術と位置制御、トルク制御を高
性能に制御する回路技術。摩擦圧接機械等において、圧
接時の加圧力２００トン、圧接距離は5ｍｍ、加工材料
の取付け、取外しのためストローク500ｍｍ。早送り距
離約495ｍｍとした場合、この早送りの間は無負荷であ
り、生産性を考え3秒程度と早送り時間を早めたい。圧
接送り２００トンはシリンダ内径３５０ｍｍ、１４MPａ
程度の高圧で、回転当り吐出量１５ｃｃで可能であり、
ポンプ駆動モータの出力は7.5Kw、1000ｒｐｍで可能、
又、早送りは、無負荷であり応力２トン程度で十分加速
でき、駆動モータは、ポンプ吐出量３００ｃｃ、5.5ｋW
で駆動できる。このように従来の、油圧方式、ボールね
じ方式などでは、２００Kw以上の駆動モータが必要で有
ったが、本機構では駆動モータ容量が十分の一程度と小
型になり、省エネ効果のほか、小型小荷重、小スペー
ス、低コストなど限りない特徴を発揮することが出来る。

【０００６】

【実施例】図１は、本発明装置の１実施例

【０００７】負荷２に結合した駆動シリンダー１は、負
荷荷重用として方向切替え電磁弁７を通してピストン型
油圧ポンプ３に接続されている。油圧ポンプ３は駆動シ
リンダー１の速度、位置、推力を制御するためサーボモ
ータ５で駆動される。またシリンダーの早送りとして、
方向切替え弁８、ピストン型油圧ポンプ４、サーボモー
タ６が接続される。

【０００８】駆動シリンダーの移動量Ｌは、油圧ポンプ
から送り込まれる油量Ｑとシリンダーの断面積Ａによっ
て定まる。またシリンダーの推力Ｆは油圧Ｐと断面積Ａ
の積によって定まる。油圧ポンプから制御出力される油
量Ｑは、油圧ポンプの回転あたりの油量ｑとサーボモー
タの回転量Ｎの積により定まる。また出力される油圧Ｐ
はサーボモータのトルクＴに比例する。以上の関係から
サーボモータの回転量とトルクを制御する事により、シ
リンダーの移動Ｌ及び推力Ｆを制御できる。同関係は速
度を制御することも示している。切替弁は駆動シリンダ
ーの方向を切り替えるため使用する。関係式数１を下記
に示す。

【０００９】関係式より駆動シリンダーを大推力とする
ためには断面積Ａを大きく取ればよい、しかし移動量が
少なく、速度が遅くなるため油量Ｑを多くする必要があ
る。このため、回転当たりの油量の多いピストンポンプ
４を使用し、早送り用として、サーボモータ６と切替弁
８に接続する。シリンダーの速度、移動量は制約がなく
駆動できる。

【００１０】

【数１】Ｌ＝Ｑ／Ａ＝ｋ１＊ｑ＊Ｎ／Ａ Ｆ＝Ｐ＊Ａ＝ｋ２＊Ｔ＊Ａ 上記の数式において、ｋ１，ｋ２はサーボモータと油圧
関係の変換定数である。

【００１１】

【発明の効果】従来一般産業の大きな力を必要とする機
械は機構的に複雑で、しかも大きな重量装置となり、経
済的にも高額のものである。本発明は、プレス機械、摩
擦圧接機械などの、特に大きな荷重を精密位置に決め送
りを行う駆動機構には、従来にない力の増幅度が優れ
て、しかも小型軽量である。そのため、装置が小さく、
省スペースであり、小型サーボモータの優れた制御性と
経済性を、そのまま重量物駆動に適合させることが出来
るので省エネで高性能である。以上のように本発明は、
従来に無い画期的な、経済的で実用的であるので、重量
物位置決め駆動分野において産業界に大きく貢献できる
発明である。

【図面の簡単な説明】

【図１】駆動シリンダーをサーボモータで制御する実施
方法を示した説明図である。

【符号の説明】

１ 駆動油圧シリンダー ２ 負荷 ３ 負荷荷重用ピストン油圧ポンプ ４ シリンダー早送り用ピストン油圧ポンプ ５ 負荷荷重用サーボモータ ６ 早送り用サーボモータ ７ 負荷荷重用シリンダー方向切替弁 ８ 早送り用シリンダー方向切替弁

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パスカルの原理による油圧回路におい
   て、入力側ピストンポンプのピストンと出力側油圧駆動
   シリンダの断面積の大きな比率で力の増幅度の関係を維
   持して、出力側油圧シリンダに対して、ピストン方式油
   圧ポンプと、位置、加圧力の制御を行うことが出来るサ
   ーボモータ駆動の、負荷荷重対応と早送り対応の２対の
   構成として組み合わせた力増幅装置。