JP2001247854A - 建築木材用撥水剤 - Google Patents

建築木材用撥水剤

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JP2001247854A
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Hirohisa Kodama
裕久 児玉
Jun Yamatani
潤 山谷
Shohei Meguro
昌平 目黒
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TOURITSU KASEI KOGYO KK
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KYORYOKU KK
TOURITSU KASEI KOGYO KK
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  • Chemical And Physical Treatments For Wood And The Like (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】屋外で一定期間防水性を発揮させ水溶性とする
ことで作業安全性の確保、シックハウス症候の低減、地
球環境へ配慮した建築木材用撥水剤を提供する。 【解決手段】反応性乳化剤の存在下に水溶液中でアクリ
ル系不飽和単量体を乳化重合して得たアクリル樹脂系エ
マルジョンに、ワックスおよび紫外線遮断材を添加した
建築木材用撥水剤とする。紫外線遮断材を、酸化チタ
ン、酸化鉄、酸化亜鉛から選択される一種類以上の酸化
金属粉とし、さらに、防かび剤および(または)抗菌剤
を添加してもよい。なお、建築木材用撥水剤は5〜20
倍に水希釈して使用するようにしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、建造物用木材を屋外
にて一時保管する際に特に好適な、建築木材用撥水剤に
関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来から、建造物用の柱など
に用いられる木材は、ある程度含水率が下がるまで乾燥
させてから製材して建築現場へ運ばれて使用に供される
が、建築現場における保管場所は屋外であることが多
く、風雨等により木材の含水率が上昇すると反りやゆが
みが生じたりすることがある。
【0003】そこで、防水シートなどで木材全体を覆っ
たり、有機溶剤系ワニスを塗布したりして木材の含水率
が上昇するのを防ぐようにしていた。しかしながら、防
水シートは使用後に産業廃棄物となるため、環境への配
慮から今後も大量に使い続けることには問題があった。
【0004】また、有機溶剤系ワニスは内外装の造作材
等の化粧仕上げや長期耐候性付与が主な目的であるため
高価であり、さらに有機溶剤の使用は毒性や環境汚染等
の観点からも好ましいものではなかった。加えて、外壁
の内部等に使用される建築木材に対しては、長期間有効
な防水性や耐候性を付与する必然性もなかった。
【0005】
【目的】そこで、本願発明は上記問題点に鑑みて為され
たものであり、その目的は屋外において一定期間防水性
を発揮するとともに、水溶性とすることで塗布時の作業
安全性の確保、建築後のいわゆるシックハウス症候群の
低減、および地球環境への配慮を目的とした、新規な建
築木材用撥水剤を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願発明に係る建築木材用撥水剤は以下のように構
成している。すなわち、反応性乳化剤の存在下に水溶液
中でアクリル系不飽和単量体を乳化重合して得たアクリ
ル樹脂系エマルジョンに、ワックスおよび紫外線遮断材
を添加したことを特徴とする。
【0007】また、紫外線遮断材を、酸化チタン、酸化
鉄、酸化亜鉛から選択される一種類以上の酸化金属粉と
したことを特徴とする。さらに、上記建築木材用撥水剤
に防かび剤および(または)抗菌剤を添加してもよい。
なお、建築木材用撥水剤は5〜20倍に水希釈して使用
するようにしてもよい。
【0008】以下に、本願発明に係る建築木材用撥水剤
について、より具体的に詳述する。[反応性乳化剤]反
応性乳化剤(反応性界面活性剤)は、乳化重合時には通
常の乳化剤と同様に重合の場を提供するが、通常の乳化
剤と異なり乳化剤自体がモノマーと共重合しているた
め、ポリマーエマルジョンに乳化剤が遊離した状態で存
在することがない。従って、通常の乳化剤を使用した樹
脂エマルジョンが有している耐水性、接着性、耐候性の
低下などの弊害をなくすことができ、さらに重合後の排
水などへの乳化剤の混入もなくなり排水処理負担も軽減
することができることになる。
【0009】反応性界面活性剤としては、分子内に後述
のアクリル系不飽和単量体と共重合しえる不飽和結合を
有するものであれば、ノニオン系、アニオン系あるいは
カチオン系を問わず使用することができる。
【0010】これらの反応性界面活性剤は、分子内に、
疎水性基、親水性基および反応性基を各々少なくとも1
個有する化合物であり、疎水性基は脂肪族または芳香族
炭化水素基からなり、親水性基はポリオキシアルキレン
エーテル基に代表されるノニオン性基、スルホン酸塩、
カルボン酸塩、燐酸塩に代表されるアニオン性基および
第4級アンモニウム塩に代表されるカチオン性基を含有
し、反応性基はビニルエーテル基、アリルエーテル基、
ビニルフェニル基、アリルフェニル基、アクリル酸また
はメタクリル酸のエステルまたはアミド基、マレイン酸
等の不飽和二塩基酸のエステルまたはアミド基を含有す
るものであり、例えば、1−(メタ)アリロキシまたは
(メタ)アクリロイルオキシまたは(メタ)アリロキシ
カルボニルメチル−3−アルコキシ(ポリオキシアルキ
レノキシ)またはアルキルフェノキシ(ポリオキシアル
キレノキシ)またはアシロキシ(ポリオキシアルキレノ
キシ)−2−ヒドロキシプロパンまたはそのアルキレン
オキシド付加物あるいはこれらの硫酸または燐酸エステ
ルアルカリまたはアンモニウム塩、ビスフェノール化合
物またはグリコール化合物のアルキレンオキシド付加物
あるいはこれらの硫酸または燐酸エステルアルカリまた
はアンモニウム塩、ビニルまたはアリルフェノール化合
物のアルキレンオキシド付加物あるいはこれらの硫酸ま
たは燐酸エステルアルカリまたはアンモニウム塩、スル
ホコハク酸のモノアリル−モノアルキルエステルアルカ
リまたはアンモニウム塩、スルホコハク酸のモノ(3−
アリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−モノアルキル
エステルアルカリまたはアンモニウム塩などがあげられ
る。
【0011】その他、例えば、澱粉、デキストリン、カ
ルボキシメチルセルロール(CMC)、ヒドロキシエチ
ルセルロース(HEC)、メチルセルロース、エチルセ
ルロース、アンモン酸ソーダ、アラビアゴムなども乳化
剤として使用することができる。
【0012】[アクリル系不飽和単量体]本発明に使用
されるアクリル系不飽和単量体は、アクリル酸およびメ
タクリル酸のエステルの中から選ばれる少なくとも一種
を含んでなるものであり、これらアクリル酸またはメタ
クリル酸エステルとしては、例えば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブ
チル、第三ブチル、アミル、ヘキシル、シクロヘキシ
ル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノ
ニル、デシル、ドデシル、オクタデシル、2−ヒドロキ
シエチル、グリシジルなどのエステルがあげられる。
【0013】また、上記アクリル酸またはメタクリル酸
エステルとともに、その他の不飽和単量体を共重合させ
ることができ、該その他の不飽和単量体としては、例え
ば、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブテン、ブタ
ジエン等の脂肪族不飽和炭化水素;塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン等のハロゲン化脂肪族不飽和炭化水素;スチレ
ン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族不
飽和炭化水素;クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マ
レイン酸等の不飽和カルボン酸エステル;安息香酸ビニ
ル、酢酸ビニル等のビニルエステル;アクリルアミド、
メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N
−メチロールメタクリルアミド、アクリロニトリル等の
窒素含有ビニルモノマーなどがあげられる。
【0014】また、アクリル酸またはメタクリル酸とと
もに、上記のクロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレ
イン酸等の他の不飽和カルボン酸を併用したものをアク
リル系不飽和単量体として使用し、かつ中和剤を使用す
ることでアクリル系樹脂自体に水溶性を付与することも
でき、これら中和剤としては、例えば、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチ
ルアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノ
ールアミン等の有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、アンモニア等の無機塩基があげられ、これら
はカルボキシル基を中和するに十分な量が用いられる。
【0015】また、本実験で製造されるアクリルエマル
ジョンは、ガラス転移温度(Tg)の範囲が−20℃〜
40℃であることが好ましい。Tgが−20℃以下だと
タックがありすぎてブロッキングの問題が生じ、40℃
以上だと風乾での成膜性が悪くなり、白化したり、皮膜
がひび割れしたりして耐水性が損なわれるからである。
【0016】[ワックス]ワックスとは、常温で固体で
あり、加熱時に比較的低粘度の液体になる密ろう状有機
物と定義づけられるものである。ワックスは大きく分け
ると石油ワックス、動植物ワックス、合成ワックスに分
類できる。さらに、石油ワックスにはパラフィンワック
スやマイクロクリスタリンワックスなどの高級炭化水素
があり、動植物ワックスにはカルナウバワックス、キャ
ンデリラワックス、木ろう、密ろう等の高級エステルが
ある。また、合成ワックスにはポリエチレンワックス、
フィッシャー・トロプシュワックスなどの高級炭化水素
がある。
【0017】ワックスは、アクリルエマルジョンに撥水
性を付与するために添加するものであり、融点が比較的
低い50〜70℃のものが相溶性等の観点から好まし
く、融点以上に加熱して添加する。さらに、アクリルエ
マルジョン中におけるワックスの偏在を解消し分散性を
良好なものとするには、ポリオキシアルキレン等の相溶
化剤を添加することが好ましい。相溶化剤を選択する場
合には、アクリルエマルジョンおよびワックス相互の親
水性、疎水性との兼ね合い等から決定すればよく、例え
ば水溶性のアクリルエマルジョンに対しては、親水性の
高いポリオキシメチレン、ポリオキシエチレンなどを相
溶化剤とすることが好ましい。
【0018】[紫外線遮断材]紫外線遮断材は、建築木
材に塗布したアクリルエマルジョンの塗膜に対する影響
を膜表面に抑えることで塗膜内部側の劣化を防止し、塗
膜寿命を長くするとともに建築木材の日焼け等を防止す
るものである。
【0019】紫外線遮断材としては公知の有機系、無機
系の紫外線遮断能を有する物質を用いることができる
が、有機系の紫外線吸収剤は経時的劣化が無機系と比較
して大きく、また塗膜が着色してしまうことが多い。
【0020】特に、塗膜に透明性が要求されて添加量が
制限される場合でも十分な紫外線遮断能を発揮する、酸
化鉄、酸化亜鉛および酸化チタン等の無機系の紫外線遮
断材が好ましいものである。また、必要に応じてクレ
ー、炭酸カルシウム、ベントナイト、との粉等を加え
て、紫外線遮断をより効果的に行うようにしても良い。
【0021】[防かび剤および・抗菌剤]防かび剤およ
び・抗菌剤としては、公知の無機系、有機系の防かび剤
・抗菌剤を用いることができる。
【0022】無機系の防かび剤・抗菌剤としては、例え
ば、銀、亜鉛、銅等の抗菌性および・または防かび性を
付与しえる金属、またはその塩化物、リン酸塩、チオス
ルファート塩、ケイ酸塩ならびにこれらを担持させた無
機化合物があげられ、より具体的には銀、亜鉛または銅
ゼオライト類、銀リン酸ジルコニウム、銀ハイドロキシ
アパタイト、銀リン酸塩ガラス、銀リン酸塩セラミック
ス、銀リン酸カルシウム等として市販されているものが
あげられ、有機系のものとしては、有機窒素硫黄系抗菌
剤、有機ブロム系抗菌剤、有機窒素系抗菌剤、その他の
抗菌剤などがあげられ、具体的には、有機窒素硫黄系抗
菌剤としてはメチレンビスチオシアネート等のアルキレ
ンビスチオシアネート化合物、5−クロル−2−メチル
−4−イソチアゾリン−3−オン、2−オクチル−4−
イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロル−2−オ
クチル−4−イソチアゾリン−3−オン等のイソチアゾ
リン化合物、クロラミンT、N,N−ジメチル−N’−
(フルオロジクロルメチルチオ)−N’−フェニルスル
ファミド等のスルホンアミド化合物、2−(4−チオシ
アノメチルチオ)ベンゾチアゾール2−メルカプトベン
ゾチアゾール等のチアゾール化合物、2−ピリジンチオ
ール−1−オキシドおよびその金属塩、2−(4−チア
ゾリル)ベンツイミダゾール、3,5−ジメチル−1,
3,5−2H−テトラヒドロチアジアジン−2−チオ
ン、N−(フルオロジクロルメチルチオ)フタルイミ
ド、ジチオ−2,2’−ビス(ベンズメチルアミド)等
があげられ、有機ブロム系抗菌剤としては、2−ブロモ
−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、1,1−ジ
ブロモ−1−ニトロ−2−プロパノール、2,2−ジブ
ロモ−2−ニトロエタノール、2−ブロモ−2−ニトロ
−1,3−ジアセトキシプロパン、β−ブロモ−β−ニ
トロスチレン5−ブロモ−5−ニトロ−1,3−ジオキ
サン等の有機ブロモニトロ化合物、2,2−ジブロモ−
3−シアノプロピオンアミド等の有機ブロモシアノ化合
物、1,2−ビス(ブロモアセトキシ)エタン、1,4
−ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブテン、ブロモアセ
トアミド等のブロモ酢酸化合物、ビストリブロモメチル
スルホン等の有機ブロモスルホン化合物等があげられ、
有機窒素系抗菌剤としては、ヘキサヒドロ−1,3,5
−トリエテニル−s−トリアジン、ヘキサヒドロ−1,
3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリア
ジン等のs−トリアジン化合物、N,4−ジヒドロキシ
−α−オキソベンゼンエタンイミドイルクロライド、α
−クロロ−O−アセトキシベンズアルドキシム等のハロ
ゲン化オキシム化合物、トリクロロイソシアヌレート、
ジクロロイイソシアヌル酸ナトトリウム等の塩素化イソ
シアヌル酸化合物、塩化ベンザルコニウム、塩化デカリ
ニウム等の第4級アンモニウム化合物、2−メチルカル
ボニルアミノベンツイミダゾール等のカルバミン酸化合
物、1−〔2−(2,4−ジクロロフェニル)〕−2’
−〔(2,4−ジクロロフェニル)メトキシ〕エチル−
3−(2−フェニルエチル)−1H−イミダゾリウムク
ロライド等のイミダゾール化合物、2−クロルアセトア
ミド等のアミド化合物、N−(2−ヒドロキシプロピ
ル)アミノメタノール、2−(ヒドロキシメチルアミ
ノ)エタノール等のアミノアルコール化合物、2,4,
5,6−テトラクロロイソフタロニトリル等のニトリル
化合物があげられる。
【0023】[希釈倍率]本願発明の建築木材用撥水剤
は、必要に応じて要求される防水性能や塗工性向上等の
理由により適宜水希釈して用いるようにしても良い。特
に希釈倍率を5〜20倍とすることにより要求される防
水性能を変化させることができるので好ましい。
【0024】
【実施形態例】以下、実施例をもって本発明を更に具体
的に説明する。実施例で用いたアクリルエマルジョンは
以下の製造例のように製造した。
【0025】[製造例1]イオン交換水100部および
反応性乳化剤(アクアロンHS−10:第一工業製薬株
式会社製)2部をとり、70℃に昇温してから過硫酸ア
ンモニウム0.6部を加えた。ここに、メチルアクリレ
ート45部、2−エチルヘキシルアクリレート45部、
グリシジルメタクリレート7部、N−メチロールアクリ
ルアミド3部、反応性乳化剤1部およびイオン交換水3
0部からなる混合乳化液を3時間を要して滴下し、滴下
終了後さらに同温度で1時間反応させた。その後、アン
モニア水でpHを8〜9に調整しアクリルエマルジョン
Aを得た。
【0026】[製造例2]イオン交換水100部および
乳化剤(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫
酸エステルアンモニウム塩)2部をとり、70℃に昇温
してから過硫酸アンモニウム0.6部を加えた。ここ
に、メチルメタクリレート45部、2−エチルヘキシル
アクリレート45部、グリシジルメタクリレート7部、
N−メチロールアクリルアミド3部、乳化剤1部および
イオン交換水30部からなる混合乳化液を3時間を要し
て滴下し、滴下終了後さらに同温度で1時間反応させ
た。その後、アンモニア水でpHを8〜9に調整しアク
リルエマルジョンBを得た。
【0027】[実施例1〜5および比較例1〜4]製造
したアクリルエマルジョンに対して、表1に示した割合
で各原料を配合したものを実施例1〜5および比較例1
〜4とした建築木材用撥水剤を作成した。
【0028】[撥水剤の性能評価]実施例1〜5、比較
例1〜4をそれぞれ水で15倍に希釈し、これに矩形板
状の木材を2分間浸漬して24時間乾燥したものを試験
片として、塗工性、撥水性、滑り性を比較した結果を表
2に示した。
【0029】1)塗工性 塗工性は以下の判断基準に従った。 ○:表面が均一である △:表面が均一でなくところどころムラがある ×:表面が均一でなくムラがある
【0030】2)撥水性 撥水度試験方法(JIS P 8137)に従い、Rx
で表示した(xは0〜10の非連続な整数であり数字が
大きいほど良好な撥水性を示す)。
【0031】3)滑り性 図1に示す滑り角度測定法により滑り性を測定した。こ
の滑り角度測定手順を以下に示す。 1.同じ条件で塗工した試験片aを2枚づつ用意した。 2.両面粘着テープを用い、傾斜板1上に試験片aの塗
工面を上にした状態で固定し、他方の試験片aを塗工面
同士が重なるように載置した(図1−a)。 3.傾斜板1の一方を持ち上げ、上側の試験片aが滑り
落ちたときの傾斜板1の角度θを実施例1〜5、比較例
1〜4について各々6回づつ測定した(図1−b)。
【0032】4)耐候性 試験片をサンシャインカーボンアーク灯式WOM試験機
に入れ、120分照射中に水を18分間噴射するサイク
ルで72時間照射し、自然界の約6月間に相当する加速
試験を行い、試験後における試験片の表面状態を以下の
判断基準に従って目視判断した。また、このときの撥水
性も上述した方法で評価した。 ○:変色していない △:黄色に変色している ×:黄褐色に変色している
【0033】表2の各撥水加工試験片の性能評価によ
り、実施例1〜5では耐候性の面で特に優れた結果を示
した。
【0034】[防水性試験]実施例4の建築木材用撥水
剤を水で10倍、15倍、20倍に希釈したものに矩形
板状の木材を2分間浸漬して24時間乾燥したものを試
験片とし、この試験片を水に24時間浸漬後、24時間
乾燥する工程を1サイクルとして4サイクル行った(1
サイクルは1週間間隔)。浸漬前と乾燥後24時間およ
び乾燥後48時間経過後の試験片の含水率、カビ発生の
有無を比較した結果を表3に示した。含水率の測定はケ
ット水分計(MT−8型;京浜ケット販売製)を用いて
測定した。なお、無塗工の木材を対象として同じ試験を
行い対比した。
【0035】試験の結果、希釈倍率は10〜20倍で十
分な防水性を発揮し、防カビ剤を混合したものではカビ
発生も確認されなかった。一方、無塗工のブランクで
は、含水率が高く、さらに2サイクル目以降ではカビの
発生が確認された。
【0036】[建築木材用撥水剤のフィルムによる性能
試験]さらに、上記表3と同じ実施例4の10倍、15
倍、20倍希釈液を50μm厚に塗布して乾燥したもの
を用いて上述したカーボンアーク灯式WOM試験機によ
り耐候性試験を行い、塗膜厚と紫外線遮断能力の経時変
化を調査した。その結果、各フィルムの塗膜厚みの減少
はほとんどなく耐候性に優れることが観察され、また紫
外線分光スペクトルでも試験前後でほとんど変化はな
く、400nm以下の紫外線領域の紫外線が有効に遮断
されていることが確認された。
【0037】以上の試験から、実施例の建築木材用撥水
剤10〜20倍を水希釈塗工した建築木材でも、屋外に
おける一時保管に十分な防水性が付与されているといえ
る。
【0038】
【効果】上述したように、本願発明にかかる建築木材用
撥水剤によれば、水溶液系の溶剤を用いているため、取
り扱いが容易であり作業性、安全性に優れ、屋外におけ
る一時保管中、十分な防水性および紫外線遮断能力を発
揮することができる。
【0039】さらに、残留有機溶剤の蒸発によるいわゆ
るシックハウス症候群の発生を抑えることができる。ま
た、防水シートを用いていないので産業廃棄物の発生が
ないという観点からも、その産業的効果は顕著なもので
ある。
【表1】
【表2】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】滑り角度測定法の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山谷 潤 東京都足立区神明南2丁目16番9号東立化 成工業株式会社内 (72)発明者 目黒 昌平 福島県いわき市小名浜字芳浜11−68共力株 式会社内 Fターム(参考) 2B230 AA02 AA03 AA08 BA01 BA17 CA03 CA07 CA15 CA22 CB08 CB25 CC04 DA02 EB02 EB12 4H020 BA02 BA04 BA05 4J002 AE03X AE04X BB03X BG04W BG05W DA077 DA107 DE106 DE116 DE136 FD187 FD206 GH01 HA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応性乳化剤の存在下に水溶液中でアク
    リル系不飽和単量体を乳化重合して得たアクリル樹脂系
    エマルジョンに、ワックスおよび紫外線遮断材を添加し
    たことを特徴とする建築木材用撥水剤。
  2. 【請求項2】 紫外線遮断材を、酸化チタン、酸化鉄、
    酸化亜鉛から選択される一種類以上の酸化金属粉とした
    ことを特徴とする請求項1記載の建築木材用撥水剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の建築木材用撥水剤
    に、防かび剤および(または)抗菌剤を添加したことを
    特徴とする建築木材用撥水剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の建築木材用撥水剤
    を、5〜20倍に水希釈したことを特徴とする建築木材
    用撥水剤。
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