JP2001245660A - 生きた細胞または組織を包含するカプセル - Google Patents
生きた細胞または組織を包含するカプセルInfo
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Abstract
カプセルを提供する。 【解決手段】 生きた細胞または組織を充填物として含
み、これらの細胞または組織が増殖できるカプセルが提
供される。カプセル内で増殖させ得るので、細胞密度を
極めて高くすることができ、食品などに使用される。
Description
組織を含むカプセル及びその応用に関する。より詳しく
は、本発明は、微生物、植物もしくは動物由来の生きた
細胞または組織を充填物として含み、かつその細胞また
は組織が生育可能なカプセル、そのカプセルを含有する
食品に関する。
品が食されている。代表的な発酵食品であるヨーグルト
は、牛乳に乳酸菌、ビフィズス菌など(以下、乳酸菌等
という)を作用させて得られ、これを食すると、乳酸菌
等が腸内に入り、腸内で活発に活動し、整腸作用を活発
に行う。しかし、生きたまま腸にたどり着ける乳酸菌等
は、ごく一部であり、そのほとんどは、胃の強い酸性の
ために、死滅している。
のカプセルに入れて、腸内まで運ぶことが検討されてい
る(例えば、特開平8−242763号公報)。しか
し、この技術に用いられている乳酸菌等は、凍結乾燥し
たものであり、凍結乾燥乳酸菌等が水分を吸収して再度
活性を表すまでにはかなりの時間を要する。
ば、活性を直ちにかつ十分に発揮することができるた
め、生きた細胞を腸内に到達させる技術が望まれてい
る。
歩は、医薬品の開発あるいは植物の改良など様々な分野
に影響を与えている。特に、遺伝子組換えなどの技術に
より、生理活性物質、例えば、インスリンなどを微生物
に生産させる技術が実用化されており、このようなイン
スリン生産微生物を生きたままカプセル化し、糖尿病患
者の生体に埋め込むことにより、糖尿病の治療が可能に
なることも考えられる。
利用のみならず、医薬用途などの広範囲な利用が可能と
なる、生きている細胞を閉じ込め、かつ、生育させる技
術が求められている。
れた生きた細胞または組織を包含するカプセルであっ
て、該液体内で細胞または組織が増殖し得るカプセル、
に関する。
プセルがシームレスソフトカプセルである。
たは組織が食品用途に使用されている細胞または植物組
織である。
たは組織が、乳酸菌(ビフィズス菌を含む)、納豆菌、
パン酵母、醸造用酵母、醸造用糸状菌、単細胞藻類、多
細胞藻類、食用植物および食用植物組織からなる群から
選択される1または2以上の細胞である。
食品に関し、好ましくは、前記カプセルを含有する食品
が、果汁飲料、野菜ジュース、健康ドリンク、加工乳、
豆乳、ゼリー、ヨーグルト、乳酸菌飲料、発酵乳、炭酸
飲料、ニアウォーターおよびプリンである。
難であったため、乾燥細胞しかカプセル化されておら
ず、カプセル内に閉じ込められた細胞を増殖させること
は不可能と考えられ、全く試みられることもなかった。
しかし、本発明者らが、初めて、水系物質のカプセル化
に成功し、細胞がカプセル内に閉じ込められているにも
係わらず、死滅せず、かつ増殖が可能であることを見出
したことにより、本発明が完成されたものである。
した乳酸菌、ビフィズス菌などしか送達できず、緩慢な
整腸作用しか得られなかったものが、生きた乳酸菌、ビ
フィズス菌などを送達することにより、即効かつ強力な
整腸作用を得ることができるなどの効果がもたらされ
る。さらに、カプセル内で細胞または組織が増殖できる
ことから、より高い菌体密度(例えば、約1010個〜
1011個/gカプセル)を有するカプセルを得ること
ができるため、上記の食品用途以外にも、バイオリアク
ター用途、医薬用途、医療用途、人工種子用途などの用
途が広がる。
液体(内容液)の割合は約30%程度であるので、菌体
密度が高い場合には、内容液の菌体密度は3.3×10
11個/mlにもなる。カプセル化しないフリーの菌で
はこのような高密度までの培養は困難である。また、菌
体を培養した後、濃縮してこのような高密度にすると懸
濁液の粘性が非常に高くなるため、カプセル化すること
は現在の技術では至難であり、本発明の有用性がより明
らかとなる。
を有する構造を有し、中に細胞または組織を含有する懸
濁液または培養液を封入できる構造のものをいい、おも
に球状であるが、球状以外の形状も可能である。
セルに用いられているものであればどのようなものでも
よく、天然高分子からなる皮膜、あるいは合成高分子皮
膜が用いられる。食品用途に用いる場合は、天然高分子
からなる皮膜が好ましい。
く、3層構造またはそれ以上の層構造であってもよい
が、好ましくは3層構造である。
有する液体が最内層であり、この液体を被覆する中間層
が親油性の膜であり、最外層が、用途に応じて、可食
性、易崩壊性(生分解性)、腸溶性、水不溶性、生体適
合性などの1または2以上の性質を有する外皮膜である
ことが好ましい。
衝液、培養液もしくは、細胞の生命の維持に必要な成分
と細胞とを含有する液状物質である。
の膜としては、食用に供される各種油脂類、脂肪酸類、
糖の脂肪酸エステル類などが用いられるが、好ましく
は、動物性油脂、植物性油脂、それらの生物学的もしく
は化学的処理された油脂などが用いられる。具体的には
各種天ぷら油、サラダ油、融点が35℃以下の硬化油、
ビタミンE、小麦胚芽油、ごま油、カカオバター、バタ
ー、マーガリン、ショートニング、ショ糖脂肪酸エステ
ルなどが例示できるが、これらに限定されない。これら
の親油性材料を用いることにより、水系の物質を包括す
るカプセルが得られる。
合、可食性の外皮膜としては、天然高分子皮膜、例え
ば、ゼラチン、寒天、ペクチン、アルギン酸、カラギー
ナン、カードラン、デンプン、ジェランガム、グルコマ
ンナンあるいはこれらの混合物、または、必要に応じ
て、これらにタンパク質、糖蛋白、ムコ多糖、糖、糖ア
ルコール、多価アルコール等を添加した物質から得られ
る高分子皮膜が好ましい。添加する天然高分子の具体例
としては、アラビアガム、プルラン、デキストラン、キ
サンタンガム、ローカストビーンガム、コラーゲン、カ
ゼインなどが挙げられる。
膜、胃溶解性の外皮膜、小腸溶解性の外皮膜、大腸溶解
性の外皮膜、不溶性の排出される外皮膜等を選ぶことが
できる。腸溶性の外皮膜としては、例えば、ゼラチンま
たは寒天とペクチンとを組合せて得られる外皮膜が挙げ
られる。外皮膜には、成形性などを考慮して、グリセリ
ンなどが添加されても良い。
場合、中間層(内皮膜)−外皮膜として表すと、ビタミ
ンEオイル−寒天、小麦胚芽油−アルギン酸ナトリウ
ム、ショ糖脂肪酸エステル−ゼラチン、グリセリン中鎖
脂肪酸エステル−カラギーナンなどが挙げられる。中で
も、ビタミンEオイル−2〜4%寒天、小麦胚芽油−2
〜4%アルギン酸ナトリウムが、得られるカプセルの物
性の面から好ましい。
は、カプセルの粒径によっても異なるが、体積比で10
〜70:10〜50:5〜50が好ましく、30〜5
0:25〜40:25〜40がより好ましい。
プセルであることが好ましい。シームレスソフトカプセ
ルとすることにより、重層構造の場合、親油性膜および
外皮膜をそれぞれ薄くすることができる。このことによ
り、細胞または組織の増殖に必要な物質がカプセル内部
と外部の間を、より容易に移動することができ、カプセ
ル内の細胞または組織が増殖し得ると考えられる。さら
に、増殖した細胞が外部に漏れ出ることはない。
く物質移動に抵抗が少ない透過性の良いカプセル外皮膜
を用いるか、逆に孔径の小さな物質移動抵抗の大きなバ
リアー性の高いカプセル皮膜を用いて、それぞれの用途
に応じた外皮膜とすることができる。また、皮膜に電荷
を持たせることにより、荷電物質の透過に選択性を持た
せることもでき、より多様な機能を持ったカプセルとす
ることができる。
に、特に制限はなく、細菌、酵母、カビ、藻類、植物の
細胞、植物または動物の組織が挙げられ、それぞれの用
途に応じて、用いれば良い。
としては、乳酸菌(ビフィズス菌を含む)、納豆菌、パ
ン酵母、醸造用酵母(ワイン酵母、清酒酵母、味噌酵
母、醤油酵母など)、醸造用糸状菌(麹菌など)、単細
胞藻類(例えば、クロレラ、スピルリナなど)、多細胞
藻類(ワカメ、昆布など)、食用植物および食用植物組
織(例えば、高麗人参など)が挙げられる。
は、当業者が通常用いる方法で製造される。三層構造を
有する場合、シームレスソフトカプセルとするのがもっ
とも好ましい。シームレスソフトカプセルの製造方法
は、例えば、食品加工技術、第15巻、p28−33、
1995、あるいは、特開平5−31352号公報に記
載されている。特に、三重ノズルを用いた滴下法で、中
間層に油状物質(例えば、硬化油)を介在させて作成す
ることがより好ましい。
は、生存もしくは増殖できる最小量から、ろ過もしくは
遠心分離により集めた細胞または組織を充填することで
達成される高密度量まで可能であるが、本発明の特徴は
カプセル内で細胞または組織の培養を行い、高密度まで
増殖させることが可能であることから、カプセルに封入
する細胞または組織の濃度は、通常、継代培養する時の
細胞または組織の濃度で十分である。
粒径は、用途によっても異なるが、0.1mm〜10m
mである。より好ましくは、0.2〜8mmである。食
用に用いる場合は、平均粒径は4mm以下が好ましく、
0.1mm〜2mmがさらに好ましい。このようなシー
ムレスソフトカプセルは、食品に使用する場合、のど越
しがよく、このまま用いられるが、カプセル表面にデン
プン、デンプン分解物、ペクチンなどの糊剤あるいは増
粘剤をコーティングしてもよい。
るシームレスソフトカプセルは、適切な培地に懸濁して
培養することにより増殖できる。特にアルギン酸ゲルの
ように、ゲル形成に多価の金属イオンが必要である皮膜
素材のものは、ゲル強度を維持するために必要濃度の多
価の金属イオンを培地に加えるのが好ましい。そのため
に、アルギン酸ゲルの場合、塩化カルシウムや塩化スト
ロンチウムや塩化バリウムや塩化アルミニウムを培地量
に対して0.01〜5重量%加えると良いが、好ましく
は、0.5〜3重量%である。
を培養した場合、カプセル内でビフィズス菌を培養増殖
させることができるため、カプセル内の生きたビフィズ
ス菌の数が数百億個/gカプセル以上と極めて多くなる
ことに加え、カプセル内で生細胞を培養するため、洗浄
菌体では失われてしまうような代謝産物(バクテリオシ
ンや多糖等)もカプセル内に蓄えている。そのため、カ
プセル内で増殖させたビフィズス菌を力プセルごと摂取
することにより、凍結乾燥菌末よりも即効かつより強力
な整腸作用が示され、さらに皮膚、関節を滑らかにする
効果を奏する。
は、カプセル内で乳酸菌を培養増殖させることができる
ため、乳酸発酵バイオリアクターに用いることにより、
高効率で乳酸を生成し、菌体の混入のない培養液が得ら
れ、乳酸の回収も容易である。
または組織を、所望の培地中で、増殖させることができ
る。そして、その増殖した細胞または組織を含むカプセ
ルは食品などの用途に使用される。例えば、乳酸菌(ビ
フィズス菌)、高麗人参組織などをカプセルに封入し、
増殖後、果汁飲料、野菜ジュース、健康ドリンク、豆
乳、ゼリー、加工乳、ヨーグルト、乳酸菌飲料、発酵
乳、炭酸飲料、ニアウオーター、プリンなどに添加し
て、本発明のカプセル入り食品が製造される。なお、本
発明において、ゼリーというときにはジェルタイプの食
品を含む。また、カプセルが添加される食品は、これら
に限定されない。
ないが、食品100gに対して、0.1〜10gが好ま
しく、0.5g〜3gがより好ましい。
的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するもの
ではない。
汁飲料) ビフィドバクテリウム・ロンガムJCM7050のコロ
ニー2白金耳をスキムミルク15%、イーストエキス
0.4%、グルコース3%、pH 6.5の液体のスキ
ムミルク培地100mLに植菌し、37℃、15時間、
アネロパック(三菱瓦斯化学株式会社製)を用いて嫌気
状態にした容器中で、60rpmでゆっくり振盪培養し
た。途中pHが下がってくるので、pH自動調節機を用
いて、5M−NaOH水溶液でpHを5.5に保った。
15時間培養後の菌数は、BL寒天培地(日水製薬
(株)製)上で24時間、嫌気培養し、コロニーを計数
することで求めたところ、2×109個/mlであっ
た。この菌液を、15%スキムミルク水溶液を0.01
%パンクレアチンF(天野製薬(株)製)で45℃、1
5時間処理して用いた以外は、同じ組成の上記スキムミ
ルク培地(以下、「パンクレアチン処理スキムミルク培
地」という)で100倍に希釈し、カプセルの内容液と
した。
シームレスソフトカプセル製造機を用いて液中滴下法に
より、この内容液入り三層構造のカプセル(平均粒径
1.8mm)を製造した。外皮膜は寒天とし、カプセル
滴形成と固化は、硬化液中で行った。
理スキムミルク培地1Lに入れ、窒素85%、水素10
%、炭酸ガス5%の混合ガス(住友精化(株)製)を1
00ml/分の流量で吹き込み、撹拌翼を用いて50r
pmでゆっくり攪拌し、pHを5.5に調節しながら3
7℃、30時間培養した。培養後のカプセル内の生菌数
は3×1010個/gカプセル(湿重量)であった。
透明なマスカットジュース100mlに2g添加し、マ
スカットジュース100ml当たり、生きたビフィズス
菌数が600億個と極めて多いカプセル入りマスカット
果汁飲料を調製した。この生のビフィズス菌入りカプセ
ルを添加したマスカット果汁飲料は、ビフィズス菌特有
の不味さがないため風味は低下せず、透明を保っており
美味しく飲めるものであった。このカプセルを含む果汁
飲料は生のビフィズス菌の数が多く、整腸作用が期待さ
れる。
ース) 乳酸菌ラクトコッカス ラクティス JCM7638を
CMG寒天培地(イーストエキス0.5%、ポリぺプト
ン0.5%、NaCl 0.5%、グルコース1%、寒
天2%)で培養したコロニー1白金耳をスキムミルク1
2%、イーストエキス0.4%、グルコース3%、pH
6.5の液体のスキムミルク培地20mlに植菌し、
37℃、15時間、静置培養した。15時間培養後の菌
数は、2×109個/mlであった。この菌液を、同じ
スキムミルク培地で500倍に希釈し、カプセルの内容
液とした。
の三層構造のカプセル(平均粒径1.8mm)を調製し
た。
ミルク水溶液を0.01%プロテアーゼP(天野製薬
(株)製)で40℃、15時間処理して用いた以外は、
同じ組成の上記スキムミルク培地(以下、「プロテアー
ゼP処理乳酸菌用スキムミルク培地」という)500m
lに入れ、5M−NaOH水溶液でpHを5.2に調節
しながら、37℃、2日間50rpmで振盪培養した。
培養後のカプセル内の生菌数は6×1010個/gカプ
セル(湿重量)であり、カプセル内で乳酸菌が著しく増
殖したことが示された。
水で洗浄後、野菜ジュースに1g/100mlの割で加
えた。この野菜ジュースは、生の乳酸菌を多量含んでい
るにも関わらず、それらの不味さがなく、カプセルのの
ど越しもよく、美味しく飲めるものであった。これによ
り、従来考えられなかった野菜ジュースを飲むことで、
多くの乳酸菌を摂取できるようになった。
健康ドリンク) シュークロース3%とインドール−3−酢酸(IAA)
1mg/l含むMurashige−Skoog液体培
地(pH5.6)中で継代培養している高麗人参(Pa
nax ginseng C.A. Meyer)の細
胞5g(湿重量)を、500ml容三角フラスコに入
れ、同じ培地100mlを添加して、25℃、120r
pmで2週間振盪培養し、遊離細胞集塊を得た。更に、
この遊離細胞集塊を80μmの目のナイロン網で濾過
し、それを通った細かい細胞集塊を、更に20μmの目
のナイロン網で濾過し、網上に残った細胞集塊を集め
た。この細胞集塊5g(湿重量)を上記と同じ組成のM
urashige−Skoog液体培地100mlに懸
濁し、カプセルの内容液とした。
ある細胞懸濁液をバイブレーターで振動させながら行っ
た以外は、実施例1と同様に行った。得られた高麗人参
細胞入りカプセルの10gをとり、500ml容三角フ
ラスコに入れ、同じ組成のMurahsige−Sko
og液体培地100mlを添加し、25℃、50rpm
で3週間培養した。カプセル内で高麗人参細胞は増殖
し、カプセル内に充満していた。この培養して得られた
カプセル2gを滅菌蒸留水で洗浄後、カプセルを浮遊さ
せるためにペクチンを0.05g添加した健康ドリンク
(森下仁丹(株)製の商品名「スーパー力源」と同じ組
成で、高麗人参エキスを添加していないもの)50ml
に加え、生の高麗人参細胞入り健康ドリンクを調製し
た。この健康ドリンクは、生の高麗人参の細胞を含んで
いるにも関わらず、その苦さや不味さがなく、のどごし
がよく、美味しく飲めるものであった。
Cl 1g、および水500mlを加えて、121℃、
30分間オートクレーブし、その遠心上清を得た(以
下、大豆粉抽出培地という)。50ml容に三角フラス
コにこの大豆粉抽出培地10mlを入れ、納豆菌(バチ
ルス スブチルス IFO13169)のコロニーを1
白金耳接種した。これを30℃、15時間、120rp
mで振盪培養した。この培養液全量を、大豆粉抽出培地
90mlに加え、均一に懸濁後、カプセル化の内容液と
した。
たカプセル100gを大豆粉抽出培地400mlに加
え、30℃、100rpmで24時間培養した。培養後
のカプセル内で納豆菌は増殖し、粘質物を作っていた。
菌数は3×109個/gカプセル(湿重量)であった。
このカプセル3gを蒸留水で洗浄後豆乳100mlに添
加した。これは、納豆菌の臭いも少なく美味しく飲め、
豆乳と一緒に納豆菌と粘質物を摂取できるものであっ
た。
方法) 実施例1と同様にして調製したビフィドバクテリウム
ロンガムJCM7050のカプセルを保温ジャケット付
きの100mlの円筒形のカラムに充填した。外部の培
地槽にパンクレアチン処理スキムミルク培地を1L入
れ、培地をカプセル充填カラムの下方から上方に10m
l/分で流し、再び培地槽に戻して循環させた。培地槽
はpH自動調節機を用いて10Mのアンモニア水でpH
を5.5に保ち、嫌気状態を保つために、窒素85%、
水素10%、炭酸ガス5%の混合ガス(住友精化(株)
製)を吹き込んだ。混合気は、最初の12時間は100
ml/分、12時間目から30時間目までは20ml/
分で吹き込んだ。37℃で30時間培養したところ、カ
ラム内のカプセルの生菌数は5×1010個/gカプセ
ルと極めて多かった。
に物理的なダメージを与えることもなく、カプセル内に
高密度にビフィズス菌を培養することができる上、雑菌
汚染の機会を減少させることができる。また、カプセル
を集めるときにカプセルが壊れることもなく、食品に混
合する場所にカラムごと搬送することができる。従っ
て、培養時および培養後のハンドリングが極めて容易と
なり、工業的レベルでのカプセル内でのビフィズス菌の
培養に適している。
養) ビフィドバクテリウム ロンガムJCM7050を実施
例1と同様にしてスキムミルク培地で嫌気培養し、得ら
れた菌体を4℃、8000rpm、20分間遠心分離し
て集め、菌体の10倍量の蒸留水を加えて攪拌分散さ
せ、凍結乾燥した。この凍結乾燥菌体を、アネロパック
を入れて嫌気状態にした密閉容器中で冷蔵保存したとこ
ろ、極めて安定であった。この凍結乾燥菌体を0.1g
とりスキムミルク培地1Lに懸濁し、カプセルの内容液
とした。この懸濁液の生菌数は、5×107個/mlで
あった。
法でこの内容液入りのシームレスソフトカプセル(平均
粒径3.5mm)を調製した。
ン処理スキムミルク培地1Lに入れ、アネロパックを用
いて嫌気状態にした容器中で、5MのNaOH水溶液で
pHを5.5に調整しながら37℃、2日間振盪培養し
た。培養後のカプセル内の生菌数は2×1010個/g
カプセル(湿重量)であり、カプセル内での増殖が認め
られた。
酸菌飲料) 乳酸菌ラクトコッカス ラクティス JCM7638を
CMG寒天培地(イーストエキス0.5%、ポリペプト
ン0.5%、NaCl 0.5%、グルコース1%、寒
天2%)で培養し、コロニーを得た。この1白金耳をス
キムミルク12%、イーストエキス0.4%、乳糖3
%、pH6.5に調整した液体スキムミルク培地20m
lに植菌し、37℃、15時間静置培養したところ、菌
数は6×109個/mlであった。
で20分間遠心し、上清を捨てて菌体に生理食塩水40
mlを加え、ボルテックスを用いて攪拌し、再度8,0
00×gで20分間遠心し、菌体を集めた。もう一度同
じ操作を繰り返して洗浄菌体を得た。この洗浄菌体全量
に透明なリンゴジュース40mlを加え ボルテックス
で均一に分散させた。得られた菌体を懸濁したリンゴジ
ュース0.5mlを透明リンゴジュース100mlに添
加した。この乳酸菌懸濁リンゴジュース中の生菌数は1
×107個/mlであり、ほぼ透明であった。
養したビフィズス菌入りカプセル2gを調製し、これを
上記で得られた乳酸菌懸濁リンゴジュース100mlに
添加した。この生ビフィズス菌入りカプセルのビフィズ
ス菌の生菌数は、300億個/gカプセルであった。こ
の生ビフィズス菌入りカプセルを含有する生きた乳酸菌
入りリンゴジュースは「乳等省令」の規格基準における
乳酸菌飲料となるが、従来の乳酸菌飲料とは全く異な
り、ほぼ透明でありながら100ml当たり、生きたビ
フィズス菌600億個を摂取できる、口当たりのよい乳
酸菌飲料であった。
は組織がカプセル内部で増殖することができ、胃酸で溶
けないカプセルとすることで、特に、乳酸菌(ビフィズ
ス菌を含む)を用いた場合、大量の生きた菌を腸に送達
できるので、強力な整腸作用が、迅速に現れる。
Claims (6)
- 【請求項1】 液体に懸濁された生きた細胞または組織
を包含するカプセルであって、該液体内で細胞または組
織が増殖し得る、カプセル。 - 【請求項2】 前記カプセルがシームレスソフトカプセ
ルである、請求項1に記載のカプセル。 - 【請求項3】 前記細胞または組織が食品用途に使用さ
れている細胞または植物組織である、請求項1または2
に記載のカプセル。 - 【請求項4】 前記細胞または組織が、乳酸菌(ビフィ
ズス菌を含む)、納豆菌、パン酵母、醸造用酵母、醸造
用糸状菌、単細胞藻類、多細胞藻類、食用植物、食用植
物組織およびこれらの凍結乾燥菌体または組織からなる
群から選択される少なくとも1つの細胞または組織であ
る、請求項3に記載のカプセル。 - 【請求項5】 請求項1から4のいずれかの項に記載の
カプセルを含有する食品。 - 【請求項6】 前記カプセルを含有する食品が、果汁飲
料、野菜ジュース、健康ドリンク、加工乳、豆乳、ゼリ
ー、ヨーグルト、乳酸菌飲料、発酵乳、炭酸飲料、ニア
ウォーターおよびプリンである、請求項5に記載の食
品。
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