JP2001245129A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JP2001245129A
JP2001245129A JP2000050073A JP2000050073A JP2001245129A JP 2001245129 A JP2001245129 A JP 2001245129A JP 2000050073 A JP2000050073 A JP 2000050073A JP 2000050073 A JP2000050073 A JP 2000050073A JP 2001245129 A JP2001245129 A JP 2001245129A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より少ない演算回数とより少ないメモリで階
調変換特性を求めることが可能な画像処理装置を提供す
る。 【解決手段】 異なる露光の複数画像から広ダイナミッ
クレンジ画像を合成する画像処理装置であって、画像毎
に所定サイズの局所領域を抽出する局所領域抽出部20
と水平及び垂直方向に1/2画素ずれた格子点の輝度相
当信号を算出する第1信号抽出部22と該輝度相当信号
のエッジ成分を算出する第2信号抽出部23とを有して
なる特徴量算出部10と、上記輝度相当信号に基づき適
正露光域を抽出する適正露光抽出部11と、上記エッジ
成分に基づき上記適正露光域の階調補正を行う階調補正
部11と、階調補正された適正露光域を合成して広ダイ
ナミックレンジ画像を生成する画像合成補間部と、を備
えた画像処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理装置、よ
り詳しくは、異なる露光条件で撮像された複数の画像か
ら一の広ダイナミックレンジ画像を生成する画像処理装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、異なる露光条件で撮像された
複数の画像を合成して一の広ダイナミックレンジ画像を
生成する画像処理装置が提案されている。
【0003】このようなものの一例として、特願平11
−338551号には、各画像を適正露光領域と不適正
露光領域に分割して、各適正露光領域毎に階調補正を行
い、階調補正された各画像毎の適正露光領域を合成して
一の広ダイナミックレンジ画像を生成する画像処理装置
が記載されており、さらに、この画像処理装置を適用し
た機器の例として、被写体をより広いダイナミックレン
ジで撮像することができるスーパーラチチュードデジタ
ルカメラが記載されている。
【0004】このようなデジタルカメラにおいては、よ
り詳しくは、次のような処理を基本的に行うようになっ
ている。
【0005】まず、例えばRGBのカラーフィルタがベ
イヤー(Bayer)配列になされた単板CCD(本発明の
実施形態を示す図4(A)参照)を使用して撮像を行
い、その撮像信号中のR画素に係る信号を補間処理する
ことにより1画面分のR画像を作成し、同様にG画素に
係る信号を補間処理し、B画素に係る信号を補間処理す
ることにより、各1画面分のG画像とB画像を作成す
る、いわゆる3板化の処理を行う。
【0006】次に、これらのRGB信号に基づき、画素
毎に次の演算を行って、輝度信号Yと輝度差信号Cb,
Crを算出する。
【0007】Y = 0.29900R+0.5870
0G+0.14400B Cb=−0.16874R−0.33126G+0.5
0000B Cr= 0.50000R−0.41869G−0.0
8131B その後に、これらの内の輝度信号Yに例えばラプラシア
ン等のフィルタをかけることにより画面内のエッジ成分
を抽出し、さらに所定の閾値と比較する2値化処理を行
ってエッジを検出する。
【0008】その後、輝度に対するエッジの出現頻度を
ヒストグラムとして作成して、さらに累積ヒストグラム
等に変換し、ヒストグラム平坦化に基づいて階調変換曲
線を求める処理を行っている。
【0009】このヒストグラム平坦化は、主要被写体は
エッジが多く、背景などの非主要部はエッジが少ないこ
とを前提とした技術である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したような一般的
な処理では、階調変換特性を算出するために、単板信号
から作成したRGB各3画面分の画像メモリと、これら
RGB3板信号から作成した輝度信号Yを記憶する1画
面分のメモリと、さらに、この輝度信号Yから抽出した
エッジ成分を記憶する1画面分のメモリと、の5画面分
の画像メモリが必要となってしまっている。
【0011】また、階調変換特性を算出する際に必要な
演算は、次のようになっている。まず、単板信号から3
板RGB信号を算出する際には、 R信号: (加算1,除算1)×画素数×3/4 G信号: (加算3,除算1)×画素数/2 B信号: (加算1,除算1)×画素数×3/4 だけの演算が必要である。
【0012】次に、これらのRGB信号から輝度信号Y
を算出する際には、上記輝度信号Yの演算式から、 Y信号: (加算2,乗算3)×画素数 だけの演算が必要である。
【0013】さらに、輝度信号からエッジ成分を算出す
る際には、 エッジ成分:(加算10,減算2,乗算4,論理4)×
画素数 だけの演算が必要となる。
【0014】そして、抽出したエッジ成分を2値化処理
する際には、 2値化: (論理1)×画素数 だけの演算が必要となる。
【0015】加えて、2値化して検出したエッジからヒ
ストグラムを算出する際には、 ヒストグラム:(加算1,減算2,除算2,論理1)×
画素数 だけの演算が必要である。
【0016】こうして、トータルとして、ヒストグラム
が算出されるまでに、 (加算16,減算4,乗算7,除算4,論理6)×画素
数 の演算が必要となる。
【0017】また、補色系のカラーフィルタを備えたC
CD(本発明の実施形態を示す図5(A)参照)の場合
には、同様に、ヒストグラムが算出されるまでに、 (加算16,減算4,乗算7,除算5,論理7)×画素
数 の演算と、6画面分のメモリが必要となっている。
【0018】このように、従来からの一般的な処理を行
うと、大きな作業用メモリが必要になると共に、多数の
演算が必要となって、コストや処理時間を要することに
なってしまっている。さらに、こうした処理回路をIC
化することを考えた場合には、大容量メモリがネックと
なって、1チップ化するのに適しているとはいえなかっ
た。
【0019】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、より少ない演算回数とより少ないメモリで階調変
換特性を求めることが可能な画像処理装置を提供するこ
とを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、第1の発明による画像処理装置は、同一被写体に
対して異なる露光条件で撮像された複数の画像からなる
画像群を処理して一の広ダイナミックレンジ画像を生成
する画像処理装置であって、上記画像群中の各画像毎に
整数座標外の画素位置における特徴量を算出する特徴量
算出手段と、上記特徴量を算出する過程で得られた画像
信号に基づき適正露光域を抽出する適正露光抽出手段
と、上記特徴量に基づき上記適正露光域の階調補正を行
う階調補正手段と、この階調補正手段により階調補正さ
れた適正露光域を合成して3板状態に補間することによ
り一の広ダイナミックレンジ画像を生成する合成手段
と、を備えたものである。
【0021】また、第2の発明による画像処理装置は、
上記第1の発明による画像処理装置において、上記特徴
量算出手段が、上記画像群中の各画像毎に水平方向及び
垂直方向にそれぞれ1/2画素ずれた画素位置を中心と
して所定サイズの局所領域を抽出する局所領域抽出手段
と、上記水平方向及び垂直方向にそれぞれ1/2画素ず
れた画素位置に関して上記局所領域内の画素情報から輝
度信号に相当する信号及び該輝度信号に相当する信号の
特徴量であるエッジ成分を算出するエッジ算出手段と、
を有してなるものである。
【0022】さらに、第3の発明による画像処理装置
は、上記第1の発明による画像処理装置において、上記
階調補正手段が、上記適正露光域に関して上記特徴量に
基づきヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段
と、上記ヒストグラムに基づき階調変換曲線を算出する
階調変換曲線算出手段と、上記階調変換曲線を用いて階
調変換を行う変換手段と、を有してなるものである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1から図6は本発明の一実施形
態を示したものであり、図1は電子カメラの基本的な構
成を示すブロック図である。
【0024】本実施形態は、本発明の画像処理装置を電
子カメラに適用したものであり、簡単のために短時間露
光による画像と長時間露光による画像との2画像を合成
して一の広ダイナミックレンジ画像を得る場合について
説明するが、もちろんより多数の画像を合成する場合に
適用することも可能である。
【0025】この電子カメラは、電子シャッタ機能を有
する単板式のカラーCCD等でなり、被写体像を光電変
換して画像信号として出力するためのCCD4と、この
CCD4上に被写体像を結像するためのレンズ系1と、
このレンズ系1を通過した光束の通過範囲を制御するた
めの絞り2と、この絞り2を通過した光束から不要な高
周波成分を除去するための光学フィルタでなるローパス
フィルタ3と、上記CCD4から出力された後に図示し
ない相関二重サンプリング回路等でノイズ成分の除去が
行われその後に増幅等がなされたアナログの画像信号を
デジタル信号に変換するためのA/D変換器5と、この
A/D変換器5によりデジタル化された一画面分の画像
データを各蓄積するものであり長時間露光による画像と
短時間露光による画像とをそれぞれ記憶する第1画像用
バッファ6aおよび第2画像用バッファ6bと、これら
の内の測光用および焦点検出用のデータを蓄積するのに
も用いられる第1画像用バッファ6aから画像データを
読み出して輝度分布を求め撮像時に適正露光となるよう
に上記絞り2の開口径や上記CCD4の電子シャッタを
制御する測光評価部7と、上記第1画像用バッファ6a
から画像データを読み出して合焦位置の検出を行いその
検出結果に基づいて後述するAFモータ9を制御する合
焦点検出部8と、この合焦点検出部8に制御されて上記
レンズ系1のAF用レンズを駆動し上記CCD4上に被
写体像を結像させるようにするAFモータ9と、上記第
1,第2画像用バッファ6a,6bから読み出された画
像データから特徴量であるエッジ成分を抽出する特徴量
算出手段たる特徴量算出部10と、この特徴量算出部1
0から出力される長時間露光に係る輝度信号に相当する
信号に基づいて、画面全体を構成する各画素について、
その画素が適切な露出であるか否かを信号レベルにより
判別し、その結果に基づき分割画像情報を抽出して出力
する適正露光抽出手段たる適正露光抽出部11と、上記
特徴量算出部10から出力されるエッジ成分に基づき階
調変換曲線を作成して上記適正露光抽出部11から出力
される適正露光域の階調変換を行う階調補正手段たる階
調補正部12と、この階調補正部12から出力される階
調変換後の長時間露光に係る適正露光域および短時間露
光に係る適正露光域を合成して3板状態に補間すること
により一の広ダイナミックレンジ画像を生成する合成手
段たる画像合成補間部13と、この画像合成補間部13
により合成された広ダイナミックレンジ画像を例えば記
録媒体や表示装置などに出力する出力部14と、上記測
光評価部7や合焦点検出部8の検出結果を受け取るとと
もに、上記特徴量算出部10、階調補正部12、画像合
成補間部13、出力部14を含むこの電子カメラ全体の
制御を行う制御部15と、を有して構成されている。
【0026】次に、図2は上記特徴量算出部10の詳細
な構成を示すブロック図である。
【0027】この特徴量算出部10は、長時間露光画像
を記憶している上記第1画像用バッファ6aから画像デ
ータを読み出して、輝度信号に相当する信号を生成し上
記適正露光抽出部11に出力すると共に、長時間露光画
像と短時間露光画像の特徴量であるエッジ成分を順に算
出して上記階調補正部12に出力するものであり、例え
ば5×5画素でなる局所領域を抽出する局所領域抽出手
段たる局所領域抽出部20と、抽出された局所領域の画
像データを記憶する作業用バッファ21と、輝度信号に
相当する第1信号を抽出するエッジ算出手段たる第1信
号抽出部22と、特徴量であるエッジ成分としての第2
信号を抽出する同エッジ算出手段たる第2信号抽出部2
3と、を有して構成されている。
【0028】また、図3は、上記階調補正部12の詳細
な構成を示すブロック図である。
【0029】この階調補正部12は、長時間露光画像と
短時間露光画像を、後段の画像合成補間部13で合成し
て広ダイナミックレンジ画像とするのに適するように階
調補正するものであり、上記適正露光抽出部11により
抽出された適正露光領域について上記特徴量算出部10
から出力されるエッジ成分からエッジを判別してエッジ
ヒストグラムを作成するヒストグラム作成手段たるヒス
トグラム作成部30と、このエッジヒストグラムに基づ
き階調変換曲線を算出する階調変換曲線算出手段たる変
換曲線算出部31と、算出された階調変換曲線に基づき
上記特徴量算出部10から出力される画像データの階調
補正を行う変換手段たる変換部32とを有して構成され
ている。
【0030】次に、図6は、階調変換特性の算出処理を
示すフローチャートであり、図4は、ベイヤー配列の原
色系フィルタCCDにおけるエッジ成分を算出する手段
を示す図である。
【0031】まず、単板でなる上記CCD4が、図4
(A)に示すような原色ベイヤー配列のカラーフィルタ
アレイを備えたものである場合について説明する。
【0032】このCCD4に結像された被写体像は、異
なる露光条件で複数回撮像されるようになっており、上
述したように、例えば長時間露光による撮像と短時間露
光による撮像とがこの順に行われて、順次画像信号とし
て出力される。
【0033】これらの画像信号は、A/D変換器5によ
ってデジタル信号に変換された後に、第1画像用バッフ
ァ6aと第2画像用バッファ6bにそれぞれ記憶され
る。
【0034】上記測光評価部7と合焦点検出部8は、こ
れらの内の一方の第1画像用バッファ6aに蓄積された
長時間露光の画像データに基づいて、AE情報とAF情
報を制御部17にそれぞれ出力する。
【0035】一方、特徴量算出部10は、上記第1画像
用バッファ6aおよび第2画像用バッファ6bに記憶さ
れている画像データを、画素配列に沿う所定方向に順次
読み込むことにより(ステップS1)、映像信号の走査
を行う(ステップS2)。
【0036】そして、局所領域抽出部20において、図
4(A)に示すような例えば5×5画素でなる局所領域
の信号を抽出して(ステップS3)、この局所領域の信
号を後段の階調補正部12で使用するために出力する
(ステップS4)とともに、作業用バッファ21に一旦
記憶させておく。
【0037】第1信号抽出部22は、この作業用バッフ
ァ21に記憶されている図4(A)に示すような局所領
域のデータから、輝度信号に相当する第1信号を抽出す
る(ステップS5)。
【0038】すなわち、この第1信号抽出部22におい
ては、縦横に配列された画素同士の間の格子点となる位
置、つまり、縦方向および横方向に各0.5画素分ずら
した画素位置における輝度信号を、G信号で代用して補
間演算し抽出するようになっている。
【0039】具体的には、図4(B)に示すように、画
素G1 と画素G3 との間の格子点の相対的な輝度相当信
号をG1 +G3 として算出し、同様に、画素G1 と画素
G4との間の格子点の相対的な輝度相当信号をG1 +G4
、画素G3 と画素G6 との間の格子点の相対的な輝度
相当信号をG3 +G6 、画素G4 と画素G6 との間の格
子点の相対的な輝度相当信号をG4 +G6 、などととし
て算出する。
【0040】このG信号で代用した輝度相当信号は、本
来ならば2で除算して平均値をとるべきであるが、後段
の適正露光抽出部11において適正露光域を抽出するた
めには、相対的な信号でも事足りるために、2で除算す
るのを省くことにより、演算回数を減少させている。
【0041】こうして第1信号である輝度相当信号が算
出されたら、第1信号抽出部22から適正露光抽出部1
1に出力する(ステップS6)。
【0042】次に、第2信号抽出部23は、上記作業用
バッファ21に記憶されている図4(A)に示すような
局所領域のデータから、特徴量であるエッジ成分(第2
信号)を抽出する(ステップS7)。
【0043】すなわち、この第2信号抽出部23におい
ては、例えばラプラシアン等の2次微分フィルタをかけ
ることにより、第2信号であるエッジ成分を取り出すよ
うになっている。2次元のラプラシアンは、良く知られ
ているように、x方向の2階微分とy方向の2階微分と
の線形結合でなる。従って、図4(C)に示すような格
子点の内の符号cで示す点におけるエッジ成分をラプラ
シアンにより求める際には、点cを中心としてx方向お
よびy方向にそれぞれ2階差分をとって線形結合するこ
とにより行われる。
【0044】まず、x方向についての2階差分は、 (c−b)−(d−c)=2c−b−d であり、y方向についての2階差分は、 (c−a)−(e−c)=2c−a−e となるために、結局、 cのエッジ=|4c−a−b−d−e| を算出すればよいことになる。
【0045】図4(A)の点I1 を点cとしたときに
は、a,b,c,d,eの各格子点における輝度相当信
号は、 a=(G1 +G4 ) b=(G3 +G6 ) c=(G4 +G6 ) d=(G4 +G7 ) e=(G6 +G9 ) となるために、これらを代入すれば、点I1 のエッジ成
分は、 I1 =|2(G4 +G6 )−G1 −G3 −G7 −G9 | として求められることが分かる。
【0046】図4(A)に示したような5×5画素でな
る局所領域においては、さらに、点I2 ,I3 ,I4 の
エッジ成分も求めることができ、それぞれ、 I2 =|2(G4 +G7 )−G2 −G5 −G6 −G9 | I3 =|2(G6 +G9 )−G4 −G7 −G8 −G11| I4 =|2(G7 +G9 )−G4 −G6 −G10−G12| となる。
【0047】このような5×5画素単位の処理を2画素
間隔で繰り返して行うことにより、画面周辺の2行2列
を除いた全画面のエッジ成分を算出することができる。
【0048】上記点I1 ,I2 ,I3 ,I4 のエッジ成
分を算出する式を見れば分かるように、係数2が乗算さ
れている()内の量は、各点I1 ,I2 ,I3 ,I4 に
おける輝度相当信号となっている。すなわち、輝度相当
信号である第1信号は、特徴量であるエッジ成分を算出
する過程で得られるようになっている。
【0049】このような処理における演算回数は、一格
子点毎に、輝度相当信号である第1信号を算出する際に
加算を1回行い、さらにエッジ成分を続けて算出する過
程で、減算を4回、乗算を1回、絶対値をとる論理演算
を1回うだけで済むようになっている。
【0050】また、この処理は、単板データを3板デー
タに補間処理するときのような画素位置に応じた分岐処
理が不要となるために、近年の複数段のパイプライン処
理を行うことができるプロセッサ等を有効に用いて、深
い段数での処理を行うことが可能となり、処理速度を向
上させることができる。
【0051】この第2信号抽出部23から出力される第
2信号は、上記階調補正部12に入力される。
【0052】階調補正部12のヒストグラム作成部30
は、上記制御部15の指令により、上記第2信号抽出部
23から出力されたエッジ成分と、上記適正露光抽出部
11から出力される適正露光領域情報とに基づいて、エ
ッジヒストグラムを算出する(ステップS8)。
【0053】ここに、上記適正露光抽出部11は、上記
第1画像用バッファ6aから読み出した長時間露光の画
像データから得られる輝度相当信号である第1信号に基
づいて、長時間露光に係る適正露光域を判断し、それ以
外の部分を短時間露光に係る適正露光域とするようにな
っている。
【0054】つまり、適正露光抽出部11において、上
述したようにG信号を補間して作成された格子点におけ
る輝度相当信号の信号レベルを、所定値と比較すること
により、その画素が、適切な露光であるか否かを判別
し、適正露光と判断された画素の集合を長時間露光画像
における適正露光域として、その結果を上記ヒストグラ
ム作成部30に出力する。
【0055】こうして、ヒストグラム作成部30におい
て、適正露光領域内のエッジ成分と所定の閾値とを比較
することにより、エッジを抽出する。このときの閾値と
の比較による2値化処理では、論理演算1回を画素数分
だけ行うことになる。
【0056】さらに、ヒストグラム作成部30は、エッ
ジを構成する画素の輝度レベルに対する出現頻度を示す
エッジヒストグラムを作成する。このエッジヒストグラ
ムの算出においては、例えば、加算1,減算2,除算
2,論理1の各演算が画素数分だけ行われることにな
る。
【0057】こうしてヒストグラム作成部30は、適正
露光領域内の全ての画素について走査をし終えてエッジ
ヒストグラムを作成したところで(ステップS9)、そ
のエッジヒストグラムを変換曲線算出部31に出力す
る。
【0058】変換曲線算出部31では、エッジヒストグ
ラムをガウシアンカーネル等を用いてコンボリューショ
ンすることにより目標ヒストグラムを生成し、この目標
ヒストグラムと上記ヒストグラム作成部30から出力さ
れたエッジヒストグラムとを各積分して累積ヒストグラ
ムに変換し、これらに基づいて階調補正特性となるトー
ンカーブを算出する(ステップS10)。
【0059】変換部32は、上記制御部15の指令によ
り、上記局所領域抽出部20から出力される画像データ
に、この変換曲線算出部31から得られるトーンカーブ
に基づいた階調補正を行い、階調補正後の画像データを
上記画像合成補間部13に出力する。
【0060】画像合成補間部13では、上述したよう
に、階調補正された長時間露光の適正露光域に係る画像
データと、階調補正された短時間露光の適正露光域に係
る画像データとを受け取って合成して3板状態に補間す
ることにより、一の広ダイナミックレンジ画像を生成す
るようになっている。
【0061】生成された広ダイナミックレンジ画像は、
その後、出力部14から出力される。
【0062】こうして、原色単板のCCD4の場合に
は、画像データからエッジヒストグラムを算出するまで
に、合計で、 (加算2,減算6,乗算1,除算2,論理3)×画素数 だけの演算が行われることになり、上述したような従来
における演算回数、 (加算16,減算4,乗算7,除算4,論理6)×画素
数 に比してかなり演算回数を減少させることができるため
に、処理回路の負荷を軽減して処理時間を短縮すること
が可能となる。
【0063】さらに、演算途中のデータを記憶するメモ
リも、算出したエッジ成分を記憶する1画面分のメモリ
だけで済むために、上述した従来例においては5画面分
のメモリが必要であったのに比べて大幅に減少させるこ
とができ、回路規模を縮小させて基板面積を小さくする
ことができるために、処理回路を1チップのIC化する
際に大きな利点となる。
【0064】また、上述したような処理は、原色系のカ
ラーフィルタアレイを備えた単板CCDにのみ適用され
るものではなく、図5(A)に示すような補色系のカラ
ーフィルタアレイを備えたものについても同様に適用す
ることができる。図5は、補色系フィルタCCDにおけ
るエッジ成分を算出する手段を示す図である。
【0065】すなわち、局所領域抽出部20において、
図5(A)に示すような5×5画素でなる局所領域を抽
出し、縦横に配列された画素同士の間の格子点となる位
置、つまり、縦横に各0.5画素分ずらした画素位置に
おける輝度相当信号を、図5(B)に示すような補間演
算を用いて算出する。
【0066】すなわち、各格子点の周りの4つの画素デ
ータを加算することにより、図5(B)における4つの
格子点に関する輝度相当信号を、(M1 +Y1 +G1 +
C1)、(Y1 +M2 +C1 +G2 )、(G1 +C1 +
M4 +Y4 )、(C1 +G2+Y4 +M5 )などととし
て算出する。
【0067】そして、ラプラシアンを用いた場合には、
格子点cにおけるエッジは、上記図4(C)と同様の図
5(C)に示すように、 cのエッジ=|4c−a−b−d−e| として算出されるために、図4(A)の点I1 ,I2 ,
I3 ,I4 のエッジ成分は、 I1 =|2(M5 +Y4 +G2 +C1 )−M2 −M4 −
Y1 −Y5 −G1 −G5 −C2 −C4 | I2 =|2(M5 +Y5 +G2 +C2 )−M2 −M6 −
Y2 −Y4 −G3 −G5 −C1 −C5 | I3 =|2(M5 +Y4 +G5 +C4 )−M4 −M8 −
Y5 −Y7 −G2 −G4 −C1 −C5 | I4 =|2(M5 +Y5 +G5 +C5 )−M6 −M8 −
Y4 −Y8 −G2 −G6 −C2 −C4 | となる。
【0068】その後に、この輝度相当信号を2値化処理
して、ヒストグラムを作成するのは、上述と同様であ
る。
【0069】こうして、補色単板のCCD4の場合に
は、画像データからエッジヒストグラムを算出するまで
に、合計で、 (加算4,減算10,乗算1,除算2,論理3)×画素
数 だけの演算が行われることになり、上述したような従来
における演算回数、 (加算16,減算4,乗算7,除算5,論理7)×画素
数 に比してかなり演算回数を減少させることができるため
に、処理回路の負荷を軽減して処理時間を短縮すること
が可能となる。
【0070】さらに、演算途中のデータを記憶するメモ
リとしても、算出したエッジ成分を記憶する1画面分の
メモリで済むために、上述した従来例においては6画面
分のメモリが必要であったのに比べて大幅に減少させる
ことができ、回路規模を縮小させて基板面積を小さくす
ることができるために、処理回路を1チップのIC化す
る際に大きな利点となる。
【0071】このような実施形態によれば、より少ない
演算回数で階調補正を行うことができるために、処理回
路の負荷を軽減して処理時間を短縮することが可能とな
る。さらに、演算途中のデータを記憶するメモリが1画
面分のもので済むために、必要なメモリ量を大幅に減少
させることができて、回路規模を縮小させて基板面積を
小さくすることが可能となるために、処理回路を1チッ
プのIC化する際に大きな利点となる。
【0072】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲内にお
いて種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように請求項1による本発
明の画像処理装置によれば、整数座標外の画素位置にお
ける特徴量を算出して、その過程で得られた画像信号に
基づき適正露光域を抽出し、上記特徴量に基づき階調補
正を行うようにしたために、階調補正を行うまでの演算
回数やメモリ量を減少させることが可能となる。
【0074】また、請求項2による本発明の画像処理装
置によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏す
るとともに、特徴量を算出する画素位置を水平方向及び
垂直方向にそれぞれ1/2画素ずれた画素位置とするこ
とにより、輝度信号に相当する信号及び輝度信号に相当
する信号のエッジ成分をより簡略に算出することが可能
となる。
【0075】さらに、請求項3による本発明の画像処理
装置によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果を奏
するとともに、特徴量に基づいてヒストグラムを作成し
階調変換曲線を算出しているために、より効果的な階調
変換を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の電子カメラの基本的な構成
を示すブロック図。
【図2】上記実施形態の特徴量算出部の詳細な構成を示
すブロック図。
【図3】上記実施形態の階調補正部の詳細な構成を示す
ブロック図。
【図4】上記実施形態において、ベイヤー配列の原色系
フィルタCCDにおけるエッジ成分を算出する手段を示
す図。
【図5】上記実施形態において、補色系フィルタCCD
におけるエッジ成分を算出する手段を示す図。
【図6】上記実施形態における階調変換特性の算出処理
を示すフローチャート。
【符号の説明】
4…CCD 6a…第1画像用バッファ 6b…第2画像用バッファ 10…特徴量算出部(特徴量算出手段) 11…適正露光抽出部(適正露光抽出手段) 12…階調補正部(階調補正手段) 13…画像合成補間部(合成手段) 14…出力部 15…制御部 20…局所領域抽出部(局所領域抽出手段) 21…作業用バッファ 22…第1信号抽出部(エッジ算出手段) 23…第2信号抽出部(エッジ算出手段) 30…ヒストグラム作成部(ヒストグラム作成手段) 31…変換曲線算出部(階調変換曲線算出手段) 32…変換部(変換手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 9/07 H04N 1/40 101E Fターム(参考) 5B057 AA20 CE11 CE17 DA20 DB06 DC23 DC25 5C022 AA13 AB17 AB19 AB68 AC42 AC55 AC69 5C065 AA03 BB12 BB30 BB48 CC01 CC02 CC08 DD02 DD17 EE10 GG13 GG30 GG50 5C076 AA11 AA12 AA19 AA27 BA06 CA10 5C077 LL17 LL18 MM03 MP08 PP15 PP23 PP32 PP34 PP47 PQ19 RR19 TT09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一被写体に対して異なる露光条件で撮
    像された複数の画像からなる画像群を処理して一の広ダ
    イナミックレンジ画像を生成する画像処理装置であっ
    て、 上記画像群中の各画像毎に整数座標外の画素位置におけ
    る特徴量を算出する特徴量算出手段と、 上記特徴量を算出する過程で得られた画像信号に基づき
    適正露光域を抽出する適正露光抽出手段と、 上記特徴量に基づき上記適正露光域の階調補正を行う階
    調補正手段と、 この階調補正手段により階調補正された適正露光域を合
    成して3板状態に補間することにより一の広ダイナミッ
    クレンジ画像を生成する合成手段と、 を具備したことを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 上記特徴量算出手段は、 上記画像群中の各画像毎に水平方向及び垂直方向にそれ
    ぞれ1/2画素ずれた画素位置を中心として所定サイズ
    の局所領域を抽出する局所領域抽出手段と、 上記水平方向及び垂直方向にそれぞれ1/2画素ずれた
    画素位置に関して上記局所領域内の画素情報から輝度信
    号に相当する信号及び該輝度信号に相当する信号の特徴
    量であるエッジ成分を算出するエッジ算出手段と、 を有してなることを特徴とする請求項1に記載の画像処
    理装置。
  3. 【請求項3】 上記階調補正手段は、 上記適正露光域に関して上記特徴量に基づきヒストグラ
    ムを作成するヒストグラム作成手段と、 上記ヒストグラムに基づき階調変換曲線を算出する階調
    変換曲線算出手段と、 上記階調変換曲線を用いて階調変換を行う変換手段と、 を有してなることを特徴とする請求項1に記載の画像処
    理装置。
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