JP2001244098A - プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置 - Google Patents

プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置

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JP2001244098A
JP2001244098A JP2000050919A JP2000050919A JP2001244098A JP 2001244098 A JP2001244098 A JP 2001244098A JP 2000050919 A JP2000050919 A JP 2000050919A JP 2000050919 A JP2000050919 A JP 2000050919A JP 2001244098 A JP2001244098 A JP 2001244098A
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JP
Japan
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anode electrode
frequency power
plasma
plasma processing
electrode
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JP2000050919A
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English (en)
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Kiyotaka Ishibashi
清隆 石橋
Kazuki Shigeyama
和基 茂山
Toshihiro Kugimiya
敏洋 釘宮
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハイブリッド型プラズマ源を備えた従来のプ
ラズマ処理装置では,アノード電極の近傍に高密度プラ
ズマが存在することになるため,アノード電極に高周波
電力を供給してもバイアスがほとんど発生せず,アノー
ド電極3への堆積性成分の付着を抑えることが難しかっ
た。 【解決手段】 本発明は,アノード電極3に誘導結合ア
ンテナ4より大きな高周波電力を供給することにより,
高密度プラズマを生成しながらもアノード電極3に大き
な負のバイアスを生じせしめ,アノード電極3に堆積性
成分が付着するのを抑えることを図ったものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,対向電極間に高周
波電力を供給してプラズマを生成する容量結合型プラズ
マ源と,誘導結合アンテナに高周波電力を供給してプラ
ズマを生成する誘導結合型プラズマ源とを組み合わせた
ハイブリッド型プラズマ源を用いて,基板に対してエッ
チングや成膜などのプラズマ処理を施すプラズマ処理方
法及びプラズマ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プロセスプラズマを生成するプラズマ源
の一つに,容量結合型プラズマ源がある。容量結合型プ
ラズマ源は,均一処理性が良く,また低解離の反応性プ
ラズマを生成するので,エッチングなどのプラズマ処理
によく用いられてきた。容量結合型プラズマ源は,反応
容器内に,対向するアノード電極とカソード電極とを有
し,反応容器内に反応ガスを導入した上で,アノード電
極とカソード電極との間に高周波電力を印加することに
より,反応ガスをプラズマ化する。この反応ガスプラズ
マにより,カソード電極に載置された基板にプラズマ処
理が施される。容量結合型プラズマ源の欠点は,生成す
るプラズマの密度が低いため,デバイスの微細化には適
さないことである。高密度プラズマを生成するプラズマ
源には,例えば誘導結合型プラズマ源がある。誘導結合
型プラズマは,誘導結合アンテナに高周波電力を供給し
て誘導電界を発生させ,電子さらにはイオンを加熱して
プラズマを生成する。誘導結合型プラズマ源の欠点は,
反応ガスの解離度が高くなってしまうことである。解離
度が高いと,例えば酸化膜エッチングの際に選択比が低
くなるなどの問題が生じる。そして,両者の長所を兼ね
備えることを図ったのが,両者を組み合わせたハイブリ
ッド型プラズマ源である。例えば特開平10−1892
96号公報に開示されている通り,ハイブリッド型プラ
ズマ源の構成は,容量結合型プラズマ源のアノード電極
の外側に,誘導結合型プラズマ源の誘導結合アンテナを
配置したようなものとなる。ところで,プラズマ処理装
置においては,プラズマ中の堆積性成分が反応容器内に
堆積することがあるが,容量結合型プラズマ源のアノー
ド電極のように,高周波電力が供給されている箇所に
は,この堆積は一般に起こり難い。これは,高周波電力
が供給されている箇所では,負のバイアスが生じ,この
負のバイアスに加速されたイオンによって堆積性成分が
スパッタされるためである。負のバイアスがある程度の
大きさを有していれば,イオンによる堆積性成分のスパ
ッタの速度が堆積速度を上回り,アノード電極に堆積性
成分が付着しても,堆積性成分はアノード電極から直ぐ
に離脱する。離脱した堆積性成分は基板処理に寄与す
る。例えばエッチング処理であれば,非エッチング領域
の保護や側壁の保護といった寄与を果たす。また,成膜
処理であれば,アノード電極に成膜分子が付着して成膜
分子の量が減少するのを抑えるのに寄与する。アノード
電極への堆積性成分の付着を防止する上で重要となる負
のバイアスの大きさは,プラズマ密度や電極のパワー面
密度などに影響を受ける。プラズマ密度が大きくなる
と,電極に生じる負のバイアスは小さくなる。容量結合
型プラズマ源では,アノード電極に供給する高周波電力
が小さくても,プラズマ密度が低いため,十分なバイア
スがかかる。また,容量結合型プラズマ源においては,
アノード電極に供給する高周波電力の周波数は比較的低
い方がよい。高周波電力の周波数が比較的高くなると,
投入パワーのうちプラズマ発生に寄与するパワー成分が
多くなり,相対的にバイアスに寄与する成分が少なくな
るためである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これに対し,ハイブリ
ッド型プラズマ源では,誘導結合アンテナの作用により
アノード電極近傍に高密度プラズマが生成される。この
誘導結合型プラズマは,容量結合型プラズマと較べて2
桁程度密度が大きい。このため,容量結合型プラズマ源
と同じようにアノード電極に高周波電力を供給すると,
負のバイアスが極端に小さくなり,アノード電極に堆積
性成分が付着するのを抑えることができない。また,ア
ノード電極近傍に高密度プラズマがあると,投入パワー
が静電容量的にプラズマ発生に寄与する割合が小さく,
アノード電極に供給する高周波電力の周波数を低く抑え
ても,負のバイアスが必ずしもかかり易くならない。本
発明は,このような従来の技術における課題を解決する
ために,プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置を改良
し,高密度プラズマを生成しながらもアノード電極に堆
積性成分が付着するのを抑えることができるハイブリッ
ド型プラズマ源を用いたプラズマ処理方法及びプラズマ
処理装置を提供することを主要な目的とするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに,請求項1に係る発明は,反応容器内に対向して配
置されたカソード電極とアノード電極との間に基板を配
置し,前記反応容器内に反応ガスを導入し,前記アノー
ド電極側の前記アノード電極より離れた位置に前記カソ
ード電極と対向して配置された誘導結合アンテナ,及び
前記アノード電極に高周波電力を供給して,前記反応ガ
スをプラズマ化し,基板にプラズマ処理を施してなるプ
ラズマ処理方法において,前記アノード電極に供給する
高周波電力を前記誘導結合アンテナに供給する高周波電
力よりも大きくしてなることを特徴とするプラズマ処理
方法として構成されている。また,請求項2に係る発明
は,前記請求項1に記載のプラズマ処理方法において,
前記アノード電極に供給する高周波電力を,前記誘導結
合アンテナに供給する高周波電力の1.5倍以上に設定
してなることをその要旨とする。また,請求項3に係る
発明は,前記請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置
において,前記アノード電極に供給する高周波電力の周
波数を2MHz以上に設定してなることをその要旨とす
る。前記請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラズマ
処理方法では,アノード電極に誘導結合アンテナより大
きな高周波電力が供給されるため,高密度プラズマを生
成しながらもアノード電極に大きな負のバイアスを生じ
せしめ,アノード電極に堆積性成分が付着するのを抑え
ることができる。さらに,前記請求項2に記載のプラズ
マ処理方法のように,アノード電極に誘導結合アンテナ
の1.5倍以上の大きさを有する高周波電力を供給すれ
ば,スパッタの速度が堆積速度を上回り,アノード電極
への堆積性成分の付着を防止することが可能となる。さ
らに,前記請求項3に記載のプラズマ処理方法のよう
に,アノード電極に供給する高周波電力の周波数を2M
Hz以上に設定すれば,高周波電力にイオンが追従しな
くなり,より効率的に負のバイアスを生じさせることが
可能となる。また,請求項4に係る発明は,基板を載置
するカソード電極と,前記カソード電極に対向して配置
されたアノード電極と,前記アノード電極側の前記アノ
ード電極より離れた位置に前記カソード電極と対向して
配置された誘導結合アンテナとを具備するプラズマ処理
装置において,前記アノード電極の直流電位を測定する
直流電位測定手段と,前記直流電位測定手段により測定
された前記アノード電極の直流電位に基づいて,前記ア
ノード電極に供給する高周波電力を調整するための高周
波電力調整手段とを具備してなることを特徴とするプラ
ズマ処理装置である。前記請求項4に記載のプラズマ処
理装置では,アノード電極の直流電位を測定する直流電
位測定手段と,アノード電極に供給する高周波電力を調
整するための高周波電力調整手段とが備えられているた
め,アノード電極に堆積性成分が付着するのを抑えさら
には防止するように,アノード電極に供給する高周波電
力を調整することが可能となる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下,添付図面を参照して,本発
明の実施の形態につき説明し,本発明の理解に供する。
尚,以下の実施の形態は,本発明の具体的な一例であっ
て,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではな
い。ここに,図1は本発明の実施の形態に係るプラズマ
処理方法を実施するのに利用するプラズマ処理装置の概
略構成を示す図である。図1に示す如く,本発明の実施
の形態に係るプラズマ処理方法を実施するのに利用する
プラズマ処理装置は,基板1を載置するカソード電極2
と,前記カソード電極2に対向して配置されたアノード
電極3と,前記アノード電極3側の前記アノード電極3
より離れた位置に前記カソード電極2と対向して配置さ
れた誘導結合アンテナ4と,前記カソード電極2,アノ
ード電極3,及び誘導結合アンテナ4それぞれに高周波
電力を供給する高周波電源5,6,7とを具備したハイ
ブリッド型プラズマ源を備えたものである。前記プラズ
マ処理装置において,基板1を載置する平板状のカソー
ド電極2は,チャンバ(反応容器に対応)8の内底にチ
ャンバ8とは電気的に絶縁された状態で配置される。カ
ソード電極2に高周波電力を供給する高周波電源5に
は,マッチングボックス51を介して接続される。この
マッチングボックス51は,例えばLC回路であり,カ
ソード電極2の入力端と高周波電源5の出力端とのイン
ピーダンスを整合させ,高周波電力の反射を抑える。高
周波電源5からの高周波電力によりカソード電極2に
は,バイアス電位が与えられる。チャンバ8の上方,カ
ソード電極2と対向する位置には,カソード電極2から
近い順に,アノード電極3と,誘導結合アンテナ4とが
配置される。アノード電極3はマッチングボックス6
1,及び電力モニター62を介して,誘導結合アンテナ
4はマッチングボックス71を介して,高周波電源6,
7とそれぞれ接続される。高周波電源6,7の出力電力
は調整が可能である。アノード電極3には,カソード電
極2と同様平板状のものを用いることも可能であるが,
より高い均一性制御の精度を得るために,リング状の複
数の溝31が形成されている。誘導結合アンテナ4に
は,例えばループアンテナを用いることができる。図1
は,複数のループアンテナを,中心を同一にして直列接
続した様子を表している。また,誘導結合アンテナ4の
非電源側端は,コンデンサ41を介して接地される。こ
のコンデンサ41と電力モニター62は,高周波電源6
と高周波電源7との干渉を防止するために必要となる構
成である。
【0006】この装置を利用して基板1にプラズマ処理
を施す際の標準的な手順は次の通りである。まず,カソ
ード電極2に基板1が載置される。次に,装置外部から
チャンバ8内の溝31へ不活性ガスが導入される。次
に,高周波電源7から誘導結合アンテナ4に高周波電力
が供給され高密度の不活性ガスプラズマが溝31内に生
成される。次に,溝31から不活性ガスプラズマがカソ
ード電極2とアノード電極3との間のプラズマ処理空間
にまで拡散した状態で,反応ガスが前記プラズマ処理空
間に導入される。そして,高周波電源6からアノード電
極3に高周波電力が供給され,反応ガスがプラズマ化さ
れ,基板1にプラズマ処理が施される。ところで,アノ
ード電極3近傍に高密度プラズマが存在している間,ア
ノード電極3には負のバイアスが生じ難い状態となり,
アノード電極3に堆積性成分が付着する恐れが高い。そ
こで,本発明の実施の形態に係るプラズマ処理方法で
は,高周波電源6からアノード電極3に供給される高周
波電力が,高周波電源7から誘導結合アンテナ4に供給
される高周波電力よりも予め大きく設定される。アノー
ド電極3に生じる負のバイアスは,本来アノード電極3
表面近傍のプラズマの密度とアノード電極3のパワー面
密度の比に依存するものであるが,アノード電極3表面
近傍のプラズマ密度の測定は困難である。ただし,アノ
ード電極3の形状や材質,さらには誘導結合アンテナ4
との位置関係が定まれば,誘導結合アンテナ4のパワー
とプラズマ密度との対応関係も一義的に定まる。従っ
て,アノード電極3に生じる負のバイアスは,高周波電
源6からアノード電極3に供給される高周波電力と,高
周波電源7から誘導結合アンテナ4に供給される高周波
電力との関係に基づいて,調整し得る。
【0007】アノード電極3への高周波電力と誘導結合
アンテナ4への高周波電力との比と,アノード電極の直
流電位との関係を実験的に求めた結果を図2に示す。図
2に示す如く,アノード電極3への高周波電力と誘導結
合アンテナ4への高周波電力との比と,アノード電極の
直流電位との関係は,直線関係で近似することができ
る。アノード電極3への堆積性成分の付着を抑えるため
には,アノード電極3の直流電位を−50V以下にする
必要があり,この実施の形態では,図2の実験結果に従
って,アノード電極3への高周波電力を誘導結合アンテ
ナ4への高周波電力よりも大きくした。ガス種にもよる
が,アノード電極3の直流電位が−110V以上になれ
ば,すなわち,誘導結合アンテナ4より1.5倍以上大
きな高周波電力をアノード電極3に供給すれば,スパッ
タの速度が堆積速度を上回り,アノード電極3への堆積
性成分の付着を防止することも可能となる。図2の範囲
を越えるが,アノード電極3への高周波電力と誘導結合
アンテナ4への高周波電力との比が2以上になると,ア
ノード電極3の基材の原子もスパッタされ,その原子が
例えば反応ガス解離後の不要成分の除去に寄与する効果
もでてくる。しかしながら,アノード電極3への高周波
電力と誘導結合アンテナ4への高周波電力との比を大き
くし過ぎると(例えば4以上にすると),アンテナパワ
ーが形成するプラズマ密度が相対的に小さくなり,ある
いはアノード電極3の電位変動が大きくなり過ぎること
になり,処理速度の低下か若しくは異常放電の発生に繋
がるため,アノード電極3への高周波電力と誘導結合ア
ンテナ4への高周波電力との比は,1〜4の範囲にある
ことが好ましい。また,アノード電極3に供給する高周
波電力の周波数は,イオンが追従しない程度に高い方が
好ましい。容量結合型プラズマ源の場合と異なり,アノ
ード電極3近傍に高密度プラズマが存在することになる
ハイブリッド型プラズマ源では,投入パワーが静電容量
的にプラズマ発生に寄与する割合が小さいため,アノー
ド電極3に供給する高周波電力の周波数を抑えても,そ
れによるバイアスの生じ易さはそれほど変わらず,イオ
ンが追従することによって,かえって周波数が高い場合
と較べてバイアスが生じ難くなることが確かめられたか
らである。アノード電極3に供給する高周波電力の周波
数は,具体的には2MHz以上,好ましくは10MHz
以上がよい。このように,本発明の実施の形態に係るプ
ラズマ処理方法によれば,アノード電極に誘導結合アン
テナより大きな高周波電力が供給されるため,高密度プ
ラズマを生成しながらもアノード電極に大きな負のバイ
アスを生じせしめ,アノード電極に堆積性成分が付着す
るのを抑えることができる。
【0008】
【実施例】前記実施の形態では,アノード電極に供給す
る高周波電力を予め誘導結合アンテナに供給する高周波
電力より大きくしたが,例えば図3に示すように,図1
に示した構成に加えて,高周波電源7が出力する高周波
電力を測定する電力モニター72と,高周波電源6を制
御して高周波電源6が出力する高周波電力を調整する高
周波電力コントローラ63とを設けておき,高周波電源
6,及び高周波電源7の動作時に,前記電力モニター7
2により測定された高周波電力よりも大きく(例えば
1.5倍以上に)なるように,高周波電力コントローラ
63により高周波電源6を制御するようにしてもよい。
また,例えば図4に示すように,図1に示した構成に加
えて,アノード電極3の直流電位を測定する直流電位モ
ニター(請求項4に記載のプラズマ処理装置における直
流電位測定手段に対応)9と,前記直流電位モニターに
より測定されたアノード電極3の直流電位に基づいて,
高周波電源6を制御して高周波電源6が出力する高周波
電力を調整する高周波電力コントローラ(請求項4に記
載のプラズマ処理装置における高周波電力調整手段に対
応)10とを設けることによっても,アノード電極3へ
の高周波電力を誘導結合アンテナ4への高周波電力より
も大きくし,アノード電極3に堆積性成分が付着するの
を抑えることが可能である。高周波電力コントローラ1
0には,予めアノード電極3の直流電位に対する設定値
が,例えば−50V〜−500Vの範囲内で与えられて
おり,高周波電力コントローラ10は,この設定値と,
直流電位モニター9からのアノード電極3の直流電位と
の偏差を演算し,この偏差を解消するように,高周波電
源6の出力を制御する。上述したような設定値の範囲で
は,高周波電力コントローラ10の制御により,アノー
ド電極3への高周波電力は誘導結合アンテナ4への高周
波電力よりも大きくなり,アノード電極3への堆積性成
分の付着を抑えたり,さらには防止することが可能とな
る。
【0009】ところで,誘導結合アンテナ4への投入パ
ワーのうちの一部は,誘導結合アンテナ4が発生する磁
界に誘導されてアノード電極3に渦電流が生じることに
より,アノード電極3において消費される。このため,
アノード電極3において消費されるパワーが少なくな
り,誘導結合アンテナ4への投入パワーが効率的にプラ
ズマ発生に寄与することになると,前記実施の形態の場
合よりも,アノード電極3に供給する高周波電力を大き
くする必要が生じる。例えばアノード電極3の基材に抵
抗率が大きなものを用いたり,アノード電極3の各所に
スリットを設けるなどすれば,渦電流を抑えることが可
能である。アノード電極3の基材には,シリコンを用い
るのが望ましく,前記実施の形態に係るプラズマ処理装
置も,シリコンを用いたものである。このときのアノー
ド電極3の抵抗率は,ドーパント量の制御により品質を
維持し得る0.1Ω・m程度であるが,アノード電極3
の基材に,0.5Ω・m程度の抵抗率を有するものを用
いると,渦電流は10%以下に抑えられる。アノード電
極3の基材に抵抗率が0.5Ω・m程度のものを用いた
場合や,スリットつきのアノードを用いた場合,アンテ
ナRF透過率が90%以上のアノードを用いた場合など
では,アノード電極3への堆積性成分の付着をある程度
抑えるには,アノード電極3への高周波電力と誘導結合
アンテナ4への高周波電力との比を1.6以上,付着を
防止するには2.4以上,アノード電極3の基材がスパ
ッタされるには3.2以上とするのが好ましい。また,
比の上限の目安は,6.4である。前記実施の形態のよ
うに,0.1Ω・m程度の抵抗率を有する基材をアノー
ド電極3に用いた場合には,誘導結合アンテナ4への投
入パワーのうちプラズマ中でのパワー吸収率は50%で
あるが,パワー吸収率がX%のとき,アノード電極3へ
の付着を抑えるには,アノード電極3への高周波電力と
誘導結合アンテナ4への高周波電力との比はおおよそ
0.02X以上,付着を防止する場合には0.03X以
上,アノード電極3の基材をスパッタさせる場合には
0.08X以上とする。また,比の上限は,0.08X
とする。なお,アノード電極3に平板状のものを用いた
場合でも,上述した比はほぼ同等でよい。また,前記実
施の形態では,基板1をカソード電極2に載置してい
た。プラズマ処理としてエッチング処理を行う場合に
は,冷却を考慮して基板1はカソード電極2に載置して
おくのが現実的であるが,成膜処理を行う場合には,カ
ソード電極2に載置する場合も含めて,カソード電極2
とアノード電極3との間に基板1を配置してもよい。
【0010】
【発明の効果】以上説明した通り,前記請求項1〜3の
いずれか1項に記載のプラズマ処理方法では,アノード
電極に誘導結合アンテナより大きな高周波電力が供給さ
れるため,高密度プラズマを生成しながらもアノード電
極に大きな負のバイアスを生じせしめ,アノード電極に
堆積性成分が付着するのを抑えることができる。さら
に,前記請求項2に記載のプラズマ処理方法のように,
アノード電極に誘導結合アンテナの1.5倍以上の大き
さを有する高周波電力を供給すれば,スパッタの速度が
堆積速度を上回り,アノード電極への堆積性成分の付着
を防止することが可能となる。さらに,前記請求項3に
記載のプラズマ処理方法のように,アノード電極に供給
する高周波電力の周波数を2MHz以上に設定すれば,
高周波電力にイオンが追従しなくなり,より効率的に負
のバイアスを生じさせることが可能となる。また,前記
請求項4に記載のプラズマ処理装置では,アノード電極
の直流電位を測定する直流電位測定手段と,アノード電
極に供給する高周波電力を調整するための高周波電力調
整手段とが備えられているため,アノード電極に堆積性
成分が付着するのを抑えさらには防止するように,アノ
ード電極に供給する高周波電力を調整することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るプラズマ処理方法
を実施するのに好適なプラズマ処理装置の概略構成を示
す図。
【図2】 アノード電極への高周波電力と誘導結合アン
テナへの高周波電力との比と,アノード電極の直流電位
との関係を実験的に求めた結果を示す図。
【図3】 本発明の実施例に係るプラズマ処理方法を実
施するのに好適なプラズマ処理装置の概略構成を示す
図。
【図4】 本発明の他の実施例に係るプラズマ処理装置
の概略構成を示す図。
【符号の説明】
1…基板 2…カソード電極 3…アノード電極 4…誘導結合アンテナ 5,6,7…高周波電源 8…チャンバ 9…直流電位モニター 10…高周波電力コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 釘宮 敏洋 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 4K030 CA12 FA03 FA04 JA16 KA15 KA39 KA41 5F004 BA06 BA20 BB13 BB18 BC08 CA03 5F045 AA08 BB14 EH02 EH04 EH08 EH11 EH12 EH20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器内に対向して配置されたカソー
    ド電極とアノード電極との間に基板を配置し,前記反応
    容器内に反応ガスを導入し,前記アノード電極側の前記
    アノード電極より離れた位置に前記カソード電極と対向
    して配置された誘導結合アンテナ,及び前記アノード電
    極に高周波電力を供給して,前記反応ガスをプラズマ化
    し,基板にプラズマ処理を施してなるプラズマ処理方法
    において,前記アノード電極に供給する高周波電力を前
    記誘導結合アンテナに供給する高周波電力よりも大きく
    してなることを特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 【請求項2】 前記アノード電極に供給する高周波電力
    を,前記誘導結合アンテナに供給する高周波電力の1.
    5倍以上に設定してなる請求項1に記載のプラズマ処理
    方法。
  3. 【請求項3】 前記アノード電極に供給する高周波電力
    の周波数を2MHz以上に設定してなる請求項1又は2
    に記載のプラズマ処理方法。
  4. 【請求項4】 基板を載置するカソード電極と,前記カ
    ソード電極に対向して配置されたアノード電極と,前記
    アノード電極側の前記アノード電極より離れた位置に前
    記カソード電極と対向して配置された誘導結合アンテナ
    とを具備するプラズマ処理装置において,前記アノード
    電極の直流電位を測定する直流電位測定手段と,前記直
    流電位測定手段により測定された前記アノード電極の直
    流電位に基づいて,前記アノード電極に供給する高周波
    電力を調整するための高周波電力調整手段とを具備して
    なることを特徴とするプラズマ処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8222156B2 (en) 2006-12-29 2012-07-17 Lam Research Corporation Method and apparatus for processing a substrate using plasma
US8262847B2 (en) 2006-12-29 2012-09-11 Lam Research Corporation Plasma-enhanced substrate processing method and apparatus
JP2012522330A (ja) * 2009-03-27 2012-09-20 エコール ポリテクニック 誘導プラズマアプリケータ
KR101371350B1 (ko) * 2011-12-20 2014-03-28 (주)피피티 Rf 플라즈마 시스템에서 각 소스로부터 출력되는 플라즈마 주파수의 서로 다른 위상을 제어하는 시스템 및 방법

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