JP2001243940A - 鉛蓄電池 - Google Patents

鉛蓄電池

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JP2001243940A JP2000303078A JP2000303078A JP2001243940A JP 2001243940 A JP2001243940 A JP 2001243940A JP 2000303078 A JP2000303078 A JP 2000303078A JP 2000303078 A JP2000303078 A JP 2000303078A JP 2001243940 A JP2001243940 A JP 2001243940A
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Yasuyuki Nehei
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Shuhei Takeshima
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 負極耳及び負極ストラップの酸化腐食を防止
し、更には、負極ストラップの電解液による溶解並びに
電解液の成層化現象を防止する。 【解決手段】 負極耳2aに接続する負極ストラップ5
の下面と各相隣る耳2a,2aの対向面とで囲繞形成さ
れる各空間7内に差し込まれ、該負極ストラップの下面
と各相隣る耳の対向面とリテーナー4の上端面に密着す
るに適した吸液性歯状突起6bの複数個を配設されると
共に吸液性歯状突起を他端で連接するこれら長手の吸液
性連接用マット板部6cを設けて成る硫酸カルシウムな
どを原料として成形したくし形吸液性成形マット6を用
意し、その耳挿入用スリット6aを極板群の耳へ密嵌挿
入すると共に夫々の歯状突起6bを夫々の対応する空間
7に差し込み装着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉛蓄電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の密閉鉛蓄電池では、極板群の負極
ストラップ及び負極耳は気相中に露出しているため、過
充電時に正極で発生した酸素ガスの大部分は、負極板で
吸収されるが、その一部は、負極ストラップや負極耳の
表面に接触し、酸化鉛を生成し、腐食が進行し、負極ス
トラップや耳の内部まで腐食する。一方、気相中の希硫
酸電解液の蒸気は、負極ストラップや耳に付着し、生成
した酸化鉛と反応し、水を生成し、希硫酸電解液が希
釈、消費され電池寿命を短縮する。また、フロート充電
などの充電中に正極から酸素が発生していると、負極ス
トラップの上面を酸化し貴へ分極して負極板の電位と負
極ストラップ上面の電位の電位差が大きくなり、還元電
位を超えるため、カソーディックな保護がされなくな
り、腐食を促進する。耳の酸素ガスとの接触による酸化
腐食を防止するための発明が、特開平4−249064
号公報に開示されている。即ちこの公報では、極板群が
電解液中に浸漬された液式の鉛蓄電池において厳しい状
況下で使用され、電解液面が適正レベル以下に下がった
場合に、負極ストラップと負極板の耳が気相に曝され、
負極板の耳が酸素ガスと反応し、酸化腐食することを生
ずることを防止する目的で耐酸性の多孔性マット状体の
多数個を用意し、その夫々の多孔性マット状体を負極ス
トラップに接続する負極板の耳列の各相隣る耳間に形成
される夫々の空間に1個づつ夫々差し込み、耳の表面に
密着させて酸素ガスと接触しないようにしている。ま
た、更に、負極ストラップ周辺の極板群と電槽との隙間
をホットメルトで目張りし、次にフェノール発泡樹脂の
原料液を負極板の耳と耳の間及び負極ストラップ周辺に
注入し、注入後十数分で発泡及び硬化を完了し、負極板
耳と耳との間にほゞ隙間なく耳とよく密着した連続気泡
を有するフェノール樹脂を生成せしめて、耳を腐食から
保護するようにした鉛蓄電池に係る発明を開示してい
る。また、特開平8−162149号公報に開示の発明
は、上記に引用した公報に開示の発明では、リテーナー
とは物理的に別体のマット状体を挿入している関係上、
本来的に別部材であるマット状体とリテーナーとの間に
腐食隙間が不可避的に発生するので、その境界隙間を経
て酸素ガスが侵入し耳部に到達するため、耳部における
異常腐食を防止するには充分でないとの見地から、該リ
テーナー本体と該リテーナー本体と一体的に形成され該
負極ストラップの下面に接触するまでに延ばされ、且つ
各相隣る耳の対向面を被覆することにより、前記の境界
隙間をなくして、負極耳部における異常腐食を一層抑制
できる密閉鉛蓄電池に係る発明を開示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、上記の特
開平4−249064号公報に開示の発明では、該多孔
性のマット状体を耳列の各相隣る耳間の空間に1つづつ
差し込まなければならず、また、更には、負極ストラッ
プ周辺を発泡体で包む必要がある場合には、上記のよう
にホットメルトで目張りした後、発泡性樹脂原液を注入
するなどの面倒で且つ時間のかゝる非能率な作業を要す
る。また、上記の特開平8−162149号公報に開示
の発明は、負極耳の側面及び負極ストラップの表面全面
の腐食を防止することができない不都合を有する。そこ
で、かゝる従来の技術の課題を解決し、簡単な作業で且
つ迅速に負極耳及び負極ストラップを酸化腐食から防止
し得られる鉛蓄電池の開発が望まれる。更に、上記に開
示の従来の鉛蓄電池では、下記の不都合が回避できな
い。即ち、鉛蓄電池の負極ストラップが、気相に露出し
ている状態において、特に、長期のフロート充電に入る
と、負極ストラップへの硫酸供給は、特開平4−249
064号公報及び特開平8−162149号公報では、
ガラス繊維又は発泡樹脂から成る多孔性のマット状体及
びマット状体と耳間の間隙から毛細管現象により滲み上
がり供給されるが、その滲み上がり供給の途上で、負極
ストラップに達する前に硫酸は多くは極板の耳群の金属
鉛や酸化鉛と接触し、反応して硫酸鉛となり消費され、
その結果、負極ストラップへの硫酸供給量が減少し、負
極ストラップ表面を保護する硫酸鉛の生成量が減少する
嫌いがある。また、上記従来のマットの有無に拘わら
ず、特に大型の縦長の密閉鉛蓄電池では長期の保証が求
められるが、電解液中の硫酸が比重が大きいために、極
板群の下部へ沈降するいわゆる成層化現象を起こし易
い。このような状態になると極板群の上部の硫酸濃度が
低くなるため、極板群の上部の硫酸分をマットを介して
毛細管現象により負極ストラップ上部へ供給する構造に
しても保護膜生成効果は小さくなった。このような見地
より、上記従来の技術のかゝる問題を解決し、長期使用
における硫酸により負極ストラップの鉛が溶解すること
を保持し、長期間に亘り負極ストラップを良好に保護す
ると共に電解液の成層化現象を防止し得る長期に亘り高
信頼性を有する鉛蓄電池の開発が望まれる。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来の課
題を解消した鉛蓄電池を提供するもので、鉛蓄電池用の
負極板と正極板とをリテーナーなどのセパレータを介し
て積層した積層体の上面の両側において突出し且つ一列
に並ぶ負極耳列及び正極耳列を夫々負極ストラップ及び
正極ストラップで接続して成る極板群とは別個に、吸液
性肉厚板状マットの一端に開口した耳挿入用スリットを
存し配設した複数個の吸液性歯状突起とこれら吸液性歯
状突起を共通に連接し且つ負極耳列の少なくとも中間の
耳の側面に当接密着せしめる長手の吸液性連接マット板
部とを一体成形して成る肉厚板状のくし形吸液性成形マ
ットを用意し、該くし形吸液性成形マットを、その耳挿
入用スリットに該極板群の負極耳列の中間の耳へ密嵌挿
入せしめると共に、その夫々の吸液性歯状突起を負極ス
トラップの下面と各相隣る耳の対向面で囲繞された夫々
の対応する空間内に差し込み、その夫々の吸液性歯状突
起の四周面を該負極ストラップの下面、相隣る耳の対向
面、リテーナーなどのセパレータの上端面に密着せしめ
ると共に、該長手の吸液性マット板部を負極耳列の少な
くとも中間の耳の側面に当接密着せしめるように該極板
群に装着せしめたことを特徴とする鉛蓄電池用組立体を
具備して成る。更に本発明に係る鉛蓄電池は、上記本発
明に係るくし形吸液性成形マットの該長手の連接用吸液
性マット板部の上面を延長して該負極ストラップの側面
に当接密着せしめる長手の吸液性マット板部を一体成形
して成るL字状吸液性成形マットを用意し、そのくし形
吸液性成形マットを前記の要領で該極板群に装着せしめ
たことを特徴とする鉛蓄電池用組立体を具備して成る。
更に本発明に係る鉛蓄電池は、上記本発明に係るL字状
吸液性成形マットの該負極ストラップの側面に当接密着
せしめる長手の吸液性マット板部の上縁から水平に延長
して該負極ストラップの上面に密着せしめる長手の吸液
性マット板部を一体成形すると共に、その下面と歯状突
起列の上面との間に負極ストラップを密嵌収容スペース
を存してコ字状凹溝を形成して成るコ字状吸液性成形マ
ットを用意し、そのくし形吸液性成形マットを前記の要
領で該極板群に装着したことを特徴とする蓄電池用組立
体を具備して成る。更に本発明に係る鉛蓄電池は、上記
の本発明に係る所望の形状の吸液性成形マットにこれか
ら下方に延長して、リテーナーの上部側面又は側縁に接
触せしめる吸液性下垂部を設けて成る吸液性成形マット
を用意し、そのくし形吸液性成形マットを前記の要領で
該極板群に装着したことを特徴とする蓄電池用組立体を
具備して成る。更に本発明に係る鉛蓄電池は、上記の負
極ストラップの酸化防止に加え、硫酸イオンを積極的に
供給して負極ストラップの硫酸に対する溶解を防止し、
長期に亘り良好な電池性能の良い鉛蓄電池を提供するも
ので、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の鉛蓄電池
において、くし形吸液性成形マットは、硫酸カルシウム
製であることを特徴とする。更に本発明に係る鉛蓄電池
は、上記の硫酸カルシウム製のくし形吸液性成形マット
を容易に作製し提供するもので、硫酸カルシウム製くし
形吸液性成形マットは、無水硫酸カルシウムの粉末又は
/及び硫酸カルシウム0.5水塩の粉末を水又は希硫酸
で混練して成るペーストを所定の型に入れ反応効果、脱
型して成るものである。
【0005】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施例を添付図面に
基づいて説明する。本発明は、電解液を極板群に含浸せ
しめた密閉式鉛蓄電池及び極板群を電解液に浸漬した液
式の鉛蓄電池のいずれにも適用できるが、図示の実施例
は、密閉式鉛蓄電池に適用した場合で説明する。図1乃
至図4は、本発明の実施の1例を示す。同図において1
は極板群を示す。該極板群1は、常法に従い5枚の負極
板2,2,…と4枚の正極板3,3,…を電解液を吸収
保持し且つ正,負極板より縦,横寸法の大きい耐酸性の
有機又は無機繊維の不織布などから成るリテーナー4,
4,…を介し交互に積層し且つ負極板の耳2a,2a,
…と正極板3の耳(図示しない)が左右に交互に配置さ
れた状態で積層し、その積層対の上面の上方に突出して
その1側に負極耳列が突出し、その他側に正極耳列(図
示しない)が形成されるようにし、その一列に並んだ負
極耳2a,2a,…の上部に接続する負極ストラップ5
をキャストオンストラップ方式などで形成し、その一列
に並んだ正極耳の上部に接続する正極ストラップ(図示
しない)を形成して極板群を形成した。
【0006】本発明は、このように構成した該極板群1
に、図1に示すように、その負極ストラップ5の下面と
一列に並ぶ負極耳列2a,2a,…の各相隣る耳2a,
2aの対向面とで囲繞形成された夫々の空間7,7,…
内に、該極板群1とは別個に本発明の特徴とする下記構
成の肉厚板状のくし形吸液性成形マット6を予め作製し
ておき、これをこれに形成した耳挿入用スリット6a,
6a,…に、該極板群1の負極耳列2a,2a,…を密
嵌挿入すると共に、各耳挿入用スリット6aを介して配
設されている夫々の歯状突起6b,6b,…を該極板群
1の負極ストラップ5の下面と負極耳列の各相隣る耳2
a,2aの対向面とで囲繞形成される夫々の空間7,
7,…内に一挙に差し込んで各該歯状突起6bの四周面
が図2乃至図4に示すように、夫々対応する負極ストラ
ップ5の下面、相隣る耳2a,2aの対向内面、リテー
ナー4の上端面及び負極耳列の各耳2aの側面に接続す
るようにした状態に該極板群1に装着して成る鉛蓄電池
用組立体Aを構成し、これを1個のセル室から成る角形
電槽又は複数個のセル室から成るモノブロック式角形電
槽に収容し、常法により鉛蓄電池を製造する。図示の例
では、上記本発明の鉛蓄電池用組立体Aをモノブロック
式電槽8の内部の仕切壁8aで複数個のセル室8b,8
bに仕切られた各セル室8bに収容し、常法により図示
しないが、その仕切壁8aの貫通孔を各正,負極ストラ
ップから立ち上がるセル間接続耳を介し直列接続して本
発明の鉛蓄電池を構成する。更に、この電槽8の上面に
蓋を密閉し、両端のセル室の端子用負極ストラップと端
子用正極ストラップの上面の正,負極柱を夫々植設し、
その正,負極柱の上端部を蓋の外部に突出させた正,負
極端子とし、各セル室8b内に極板群及び吸液性成形マ
ットに浸み込む量の希硫酸電解液を注入含浸させて密閉
式鉛蓄電池とする。
【0007】本発明の上記の肉厚板状の該くし形吸液性
成形マット6を該極板群1への装着は、該極板群を該電
槽8の各セル室8b内に収容する前でも後でも良い。図
2乃至図4は、電槽8の一端の負極端子用セル室8b内
に収容された本発明の鉛蓄電池用組立体Aの負極ストラ
ップ5側を示し、その上面に負極端子用極柱(図示しな
い)を植設される。
【0008】該くし形吸液性成形マット6、例えば、耐
酸性のパルプ、植物繊維、無機繊維、合成繊維などの電
気絶縁性材料に耐酸性の無機又は合成樹脂製の結着剤を
少量添加混合したものを成形用鋳型に入れ、加熱加圧し
て製造される。そのくし形吸液性成形マット6は、剛性
でも柔軟弾性を有するものでも差支えない。また、本発
明の該くし形吸液性成形マットは次のように作製しても
良い。即ち、鋳型により前記の空間内に密嵌挿入するに
足る長矩形で肉厚板の吸液性成形マットを作製した後、
その一端に開口し、極板群1の耳列2a,2a,…の少
なくとも中間の耳を密嵌挿入するに適した幅と長さの耳
挿入用スリット6aをコ字状に切り欠き形成することに
より、その耳挿入用スリット6aを存して極板群1の負
極ストラップ5の下面と各相隣る耳2a,2aの対向内
面に差し込んだとき、これらの面とリテーナー4の上端
面に摺接密着するに適した太さをもつ断面角形の歯状突
起6b,6bと、該吸液性成形マットの他端側で、これ
ら歯状突起6b,6b,…を共通に連接する共通の長手
の連接用吸液性成形マット板部6cとが形成されるよう
にして本発明の該くし形歯状吸液性成形マット6を製造
するようにしても良い。尚、図面で6b1は、各歯状突
起6bの先端の四周縁に設けたテーパー状の傾斜面を示
し、これにより、各歯状突起6bを該空間7内への差し
込みを円滑に行うようにし、その装着が完了したとき
は、図示のように負極ストラップ5より前方へ突出し、
該負極ストラップ5の下面全面は、該歯状突起6bの平
坦な上面に密着するようにした。
【0009】かくして、本発明の肉厚板状の該くし形吸
液性成形マット6は、図1に示すように負極耳挿入用ス
リット6a,6a,…を存して配設された吸液性歯状突
起6b,6b,…を長手の連接用吸液性成形マット板部
6cで連接した構成であるので、その夫々の歯状突起6
b,6b,…を該極板群1の前記の空間7,7,…に一
度に一挙に差し込み装着することができるので、極板群
1への該吸液性成形マット6の装着作業が容易迅速に得
られるばかりでなく、その装着により構成された該鉛蓄
電池用組立体Aは、図2乃至図4に明示するように、該
極板群1の各空間7に装填されたその各吸液性歯状突起
6bは、その断面角形の四周面において、その対応する
負極ストラップ5の内面、その相隣る耳の対向内面及び
そのリテーナーの上端面に密接するので蓄電池のフロー
ト充電時などにおいて発生する酸素ガスとの接触による
酸化反応を防止し、更に、同時に、その吸液性によっ
て、電解液を保持し、負極ストラップ5の下面、耳の対
向内面に常に電解液による湿潤状態に保持するので、更
に酸化反応を防止し、負極ストラップをカソーディック
に保護するなどの作用効果をもたらす。これに加え、更
に本発明のその鉛蓄電池用組立体Aは、その長手の連接
用吸液性成形マット板部6cを有するので、これが負極
耳列の耳の側面に当接密着し、耳の側面の酸化腐食を防
止する。また、常に硫酸電解液が接触する耳及びストラ
ップの面は、薄い緻密な硫酸鉛の保護膜が生成するなど
の効果をもたらす。
【0010】図5乃至図7は、本発明の他の実施例を示
し、その吸液性成形マットは、図5に示すように、前記
のくし形吸液性成形マット6の歯状突起6b,6b,…
を連接した共通一枚の長手の連接用吸液性成形マット板
部6cを上方に延長して負極ストラップ5の側面に当接
密着せしめるための長手の吸液性マット板部6dを一体
に成形して成るL字状吸液性成形マット6Aに構成した
ものである。この場合、図示のように、該共通一枚の長
手の連接用吸液性成形マット板部6cは、その長さ方向
の両端を延長し、その延長板部6c1,6c1を有する
ものに一体成形により形成し、これら延長板部6c1,
6c1で負極耳列の両端の耳2a,2aの側面に当接密
着せしめるようにし、この延長板部6c1,6c1をも
つ連接用吸液性成形マット板部6cの上面にこれに対応
して延長された延長板部6c1,6c1をもつ長手の吸
液性マット板部6dを一体成形により形成し、該負極ス
トラップ5の側面を全長に亘り当接密着するようにする
ことが好ましく、一般である。
【0011】図6及び図7は、図5示のL字状吸液性成
形マット6Aを、そのくし形吸液性成形マット6で図1
に示す鉛蓄電池用極板群1に、先の実施例と同じ要領で
装着して本発明の鉛蓄電池用組立体Bを構成し、これを
電槽8内に具備せしめたものである。かくして、該極板
群1は、該L字状吸液性成形マット6Aにより、その負
極ストラップ5の下面全面ばかりでなく、その側面全面
に亘り酸素ガスとの接触から保護されると同時に、電解
液の供給により湿潤され、腐食防止が先の実施例より一
層良好に得られ、また同時に、その負極耳列2a,2
a,…の全ての耳2aをその対向内面ばかりでなく、そ
の側面の腐食防止が得られる。
【0012】図8乃至図10は、本発明の更に他の実施
例を示す。図8は、吸液性成形マットの更に変形例を示
し、図5に示す好ましいL字状吸液性成形マット6Aの
負極ストラップ5の側面に接触せしめる長手の吸液性マ
ット板部6dの上縁から一体に水平に延び該負極ストラ
ップ5の上面全面に接触せしめる長手の吸液性マット板
部6eを一体に延長成形すると共にその下面の歯状突起
列6b,6b,…の上面との間に負極ストラップ5を密
嵌収容する高さスペースSを存してコ字状凹溝9を形成
して成るコ字状吸液性成形マット6Bを作製し、これ
を、図9及び図10に示すように、そのくし形吸液性成
形マット6を該極板群1に先の実施例と同じ要領で装着
して本発明の鉛蓄電池用組立体Cを構成し、これを電槽
8内に具備せしめたものである。尚、図面で6e1は、
該負極ストラップ5の上面に被着すべき吸液性マット板
部6eの先端の下縁に形成した先端に至るに従い上向き
に開拡する傾斜面を示し、これにより、該コ字状凹溝9
内に該負極ストラップ5を差し込み収容するその作業が
円滑に行われるようにし、装着後は、該負極ストラップ
5の前方に突出し、該負極ストラップ5の上面全面に該
吸液性マット板部6eの平坦な下面が密着するようにし
た。かくして、該極板群1は、該コ字状吸液性成形マッ
ト6Bにより、負極ストラップ5の下面全面及び側面全
面ばかりでなくその上面全面に亘り酸素ガスとの接触か
ら保護されると同時に、電解液の供給により湿潤され、
特に、該負極ストラップ5の上層部を電位的にカソーデ
ィックに保護され、その表面が被覆保護されない場合に
比し、一層長期に亘り、負極板と電位差が殆どない良好
な状態を確保することができる。尚、負極耳列の各耳の
両面及び側面は、その該L字状の吸液性成形マット6A
により保護されることは前記の実施例と変わりがない。
【0013】鉛蓄電池の充放電を繰り返して長期に亘り
使用している過程で、正極板3,3,…の伸びにより該
吸液性成形マット6,6A,6Bは上方へ持ち上げられ
て、その下面で接触していたリテーナー4,4,…の上
端面から離隔され、リテーナー4,4,…からの電解液
の供給が絶たれてしまい、やがて吸液性成形マット6,
6A,6Bは乾いて腐食防止の目的が達成できなくなる
惧れがある。このような正極板3,3,…の伸びによ
り、該吸液性成形マット6,6A,6Bの下面がリテー
ナー4,4,…から離れても、上記のような不都合を生
じないようにするため、本発明は、前記の各種形状の吸
液性成形マット6,6A,6Bに、これから下方に延び
る吸液性下垂部を設け、これをその極板群へ装着したと
き、その吸液性下垂部がリテーナー4,4,…の上部の
側面又は側縁に接触せしめておくことにより、上記の問
題を解消するようにした。
【0014】その実施例を図11乃至図14に示す。図
11は、前記のコ字状吸液性成形マット6Bの下面、更
に詳細には、その夫々の歯状突起6b,6b,…の下面
の幅方向の中央から該長手の共通の連接用マット板部6
cの下面にかけて、これから一体に下方に且つその歯状
突起6bの長さ方向に延びる断面角形の吸液性下垂部材
6f,6f,…を一体成形により突設して成る吸液性成
形マット6B′を作製し、これを図12に示すように、
極板群1に装着して鉛蓄電池用組立体C′を構成したと
き、その各歯状突起6bの下面は、2枚のリテーナー
4,4の上端面に接触されると共にその中央の吸液性下
垂部材6fは、正,負極板の上端面より上方に突出する
2枚のリテーナー4,4の間の空間部に挿入され、その
両リテーナー4,4の突出した上部の対向側面4aがそ
の吸液性下垂部材6fの両側面に接触した状態となるの
で、正極板3の伸びで、該歯状突起6bの下面が該リテ
ーナー4,4の上端面から離れても、依然、吸液性下垂
部材6fはその両側面でリテーナー4,4の上部対向面
で接触を維持しているので、リテーナー4,4からの電
解液の該吸液性成形マット6Bへの供給は絶たれること
なく維持される。
【0015】図13は、図11の吸液性成形マット6
B′の変形例を示し、コ字状吸液性成形マット6Bは変
わらないが、その吸液性下垂部材6fをその長手の共通
の連接用マット板部6cの下縁からその全長に亘り一体
に下垂せしめた肉薄で柔軟性の矩形板状の吸液性下垂部
材6fを一体成形により設けて成る吸液性成形マット6
B″に構成したもので、これを、図14に示すように、
極板群1に装着して鉛蓄電池用組立体C″を構成したと
き、その矩形板状の吸液性下垂部材6fは、各リテーナ
ー4,4の上端面からその一側の隅角部から上部の1側
縁に沿って接触した状態になるので、正極板3が伸び、
該吸液性成形マット6B″の下面を押し上げられ、リテ
ーナー4,4の上端面から離れても、その吸液性下垂部
材6fの下端部において、リテーナー4との接触は維持
されるので、リテーナー4,4,…を電解液の該マット
6B″への供給は維持される。
【0016】更に、本発明の鉛蓄電池に用いるくし形吸
液性成形マットとして、硫酸カルシウムから成るくし形
吸液性成形マットを用いるようにすることにより、上記
実施例のくし形吸液性成形マットと同様に、上記の負極
ストラップ又は/及び耳列2a,2a,…を酸素ガスと
の接触から保護すると共に電解液を供給することによ
り、その酸化を防止し電位差を減少せしめることに加
え、硫酸電解液に自己の硫酸イオンを供給して、負極ス
トラップ又は/及び耳列2a,2a,…の鉛が硫酸に溶
解することを防止し、電解液の成層化現象を防止し長期
に亘り信頼性の高い鉛蓄電池をもたらす特有の効果をも
たらす。硫酸カルシウム製のくし形吸液性成形マット
は、必要に応じ、先の実施の態様に例示した図1、図
5、図8、図11及び図13に示すと同じ各種形状の成
形マット6,6A,6B,6B′,6B″の夫々の形状
に成形したものを使用できることは言うまでもない。
【0017】硫酸カルシウム製のくし形吸液性成形マッ
トの製造は、無水硫酸カルシウム(CaSO4 )の粉末
又は硫酸カルシウム0.5水塩(CaSO4 ・0.5H
2 O)の粉末の単独又はその両者の混合粉末を主体と
し、これに水又は希硫酸を適量添加し、混練し、そのペ
ーストを、上記の各種の成形マットの形状に対応した型
に入れて反応硬化させた後、脱型することにより硫酸カ
ルシウム2水塩(CaSO4 ・2H2 O)、いわゆるセ
ッコウから成る簡単且つ安価なくし形吸液性成形マット
を製造することができる。また、吸液性、負極ストラッ
プや耳への密着性を増大せしめるために、上記の成形原
料である、無水硫酸カルシウムの粉末又は/及び硫酸カ
ルシウム0.5水塩の粉末に、耐酸性の天然又は合成の
有機質の短繊維、ガラス、シリカなどの無機の短繊維や
粉末、耐酸性のパルプ、ゴム又は合成樹脂粉末、バーミ
キュライトなどの多孔質粉末などの充填剤を適量添加
し、水又は希硫酸と混練して成るペーストを上記のよう
に反応、硬化成形することにより、微多孔性と柔軟弾性
を付与された硫酸カルシウム主体のくし形吸液性成形マ
ットとしたものを使用することができる。
【0018】上記の硫酸カルシウム製の形状の異なるく
し形吸液性成形マット6,6A,…6B″を夫々図1〜
図4、図6〜図7、図9〜図10、図12、図14示の
ように、極板群の負極ストラップ5又は/及び耳列2
a,2a,…に装着して使用するときは、上記の負極ス
トラップ5の酸化防止効果をもたらし、その上、下記の
作用効果をもたらす。即ち、密閉鉛蓄電池の夫々の鉛蓄
電池用組立体A,B,C,C′,C″を具備した鉛蓄電
池1の夫々は、その負極ストラップ5に装着した多孔質
の硫酸カルシウム製のくし形吸液性成形マットは、注液
時に吸収した電解液とリテーナーなどのセパレータに含
有する電解液を吸収するために、長期に亘って電解液を
負極ストラップ5の表面に供給できる。更に電解液の硫
酸イオン濃度が硫酸鉛の溶解を大きくするまでの低濃度
になったときは、負極ストラップ5や耳2aの鉛の溶解
に優先して硫酸カルシウムは電離して硫酸イオンを供給
するので、負極ストラップ表面に生成している保護膜で
ある硫酸鉛層の溶解を抑える。これは硫酸カルシウムの
溶解度積Kspは6×10-5と硫酸鉛の溶解度積Ksp
は2×10-8に比較して大きいので、負極ストラップ5
腐食の原因となる硫酸鉛からのPb2+イオンの電離が始
まる前に、優先して解離してCa2+とSO4 2-を供給さ
せるために、SO4 2-の共通イオン効果により、硫酸鉛
の電離を抑制するので保護膜である硫酸鉛層を長期に亘
り保護することが可能になると推定され、電池の長期の
バックアップ電源用フロート充電などの長期使用におい
て有効である。また、同時に負極ストラップ5へのイオ
ンの移動が容易になるために、負極板2と負極ストラッ
プ5上面の電位差が小さくなり、腐食発生点の負極スト
ラップ5上面の電位が、より安定な卑側へシフトするた
めに電位的にも腐食を抑制できる。
【0019】次に比較試験につき詳述する。 実施例1 絶縁材料として耐酸性パルプを用い、これに対しアクリ
ル系接着剤を3重量%添加、混合したものを3種の鋳型
に充填し、加熱加圧して図1に示す肉厚板状のくし形吸
液性成形マットを成形し、これを負極板5枚と正極板4
枚とをこれら正,負極板より寸法の大きいガラス繊維か
ら成るリテーナーを介して積層し、積層体の上面に左右
に突出して並ぶ負極板耳列及び正極板耳列をキャストオ
ンストラップ法により負極ストラップ及び正極ストラッ
プを接続して作製した極板群に装着して鉛蓄電池用組立
体Aを構成した。 実施例2 実施例1と同じ混合物を用い、同様にして図5に示すL
字状吸液性成形マットを成形し、これを実施例1と同じ
極板群に装着して鉛蓄電池用組立体Bを構成した。 実施例3 実施例1と同じ混合物を用い、同様にして図8に示すコ
字状吸液性成形マットを成形し、これを実施例1と同じ
極板群に装着して鉛蓄電池用組立体Cを構成した。 実施例4 実施例1で使用した耐酸性パルプを主体としたくし形吸
液性成形マットに代え、硫酸カルシウム0.5水塩の粉
末を適量の水で混練したペーストを型に入れ反応硬化、
脱型して成る図1に示す肉厚板状の硫酸カルシウム2水
塩製のくし形吸液性成形マットを用い、これを実施例1
と同じ極板群に装着して鉛蓄電池用組立体Dを構成し
た。 比較例1 特開平4−249064号公報に開示のマット状体に対
応する吸液性成形マットを、実施例1に用いた混合物を
材料として成形したものを4個用意し、これを実施例1
に用いた極板群の耳間に夫々差し込み、その各吸液性マ
ットの四周面を負極ストラップの下面、相隣る耳間の対
向内面及びリテーナーの上端面に密着させた鉛蓄電池用
組立体を構成した。 比較例2 特開平8−162149号公報に開示に倣い、予め、実
施例1で用いたリテーナーの上端と一体に、実施例1で
用いた混合物を用いて吸液性成形マットを成形してお
き、この吸液性成形マット付きリテーナーを介して5枚
の負極板と4枚の正極板を該リテーナーを介して積層
し、正,負極耳列に夫々正,負極ストラップを接続して
極板群を構成したとき、その各リテーナーの上部に一体
の吸液性成形マットはその負極ストラップの下面、相隣
る耳間の対向内面に密着した状態の鉛蓄電池用組立体を
構成した。 比較例3 実公平2−18923号公報に開示に倣い、実施例1で
用いた極板群の正,負極耳列にその上方のストラップの
非吸液性で且つポリエステル製のくし状絶縁板の各間隙
を各耳に差し込み、耳間の空間内に歯状突起を挿入して
密着して成る鉛蓄電池用組立体を構成した。
【0020】次に、上記のこれら鉛蓄電池組立体の夫々
を、常法に従い1つのセル室から成る角形電槽に収容
し、比重1.30の希硫酸電解液3Kgを注入して、施
蓋密閉してMSE200の密閉鉛蓄電池A,B,C,
D,E,F,Gを夫々作製した。この場合、該極板群に
は、水銀/硫酸第一水銀参照電極を設置し、負極電位と
ストラップ電位を測定できるようにした。次に、夫々の
密閉蓄電池に2サイクルの充放電を行い、容量がほゞ同
等であることを確認した後、2.23V/セルの定電圧
充電を行い、充電電流が垂下して安定してから上記各部
の電位を測定した。その結果を下記表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】上記表1から、実施例1,2,3,4の電
池A,B,C,Dは負極板と負極ストラップ上面の電位
の電位差は、比較例1〜3の電池E,F,Gに比し小さ
くなり、腐食防止効果が大きいことが判る。また、Pb
/Pb2+平衡電位は、−950mV付近であることか
ら、実施例1,2,3,4の電池A,B,C,Dの負極
ストラップの上面の還元域であるから腐食域を脱してい
るに対し、比較例1〜3は酸化腐食域であり、腐食が回
避できないことが判る。更に、これら密閉電池を50℃
雰囲気で2.23Vのフロート充電試験を3ヶ月行って
変化を観察したところ、実施例1,2,3,4の電池
A,B,C,Dは、負極ストラップの腐食が認められな
かった。比較例1及び2の電池E,Fは負極ストラップ
上面及び側面及び耳の側面に腐食が認められた。比較例
3の電池Gはストラップの上面及び側面及び耳の対向面
及び側面に腐食の生成が認められた。実施例1〜3が示
すように、一般に、吸液性成形マットにより密着被覆さ
れる面積が大きく、酸素ガスとの遮断された状態で電解
液の供給により常にその負極ストラップ及び耳の表面が
湿潤しているほど電位差が小さく且つ腐食防止効果が大
きいことが判る。
【0023】上記の実施例では、本発明の該吸液性成形
マットを密閉式鉛蓄電池に適用した場合で説明したが、
極板群を浸漬した液式の鉛蓄電池において、その液面が
規正レベル以下に下がったときにも有効である。
【0024】
【発明の効果】このように本発明によるときは、極板群
とは別個に、肉厚板状の一端に開口して形成した耳挿入
用スリットを介し配設された極板群の負極ストラップの
下面と耳列の相隣る耳の対向面とリテーナーなどのセパ
レータの上端面とに密着せしめる吸液性歯状突起を長手
の吸液性連接マット板部で連接した肉厚板状のくし形吸
液性成形マットを用意したので、これを該極板群に装着
するときは、一挙に夫々の歯状突起四周面が負極ストラ
ップ、負極耳列の耳間に夫々の空間内に一挙に差し込み
装着され、従来の各空間に各成形マットを差し込み装填
するに比し、極板群へのその装着作業を容易迅速に行う
ことができ、簡単に鉛蓄電池用組立体を構成でき、ま
た、これを具備した鉛蓄電池は、その負極板の下面及び
相隣る耳の対向面に密着した吸液性成形マットによりリ
テーナーなどのセパレータから電解液により、その表面
を湿潤させ良好に酸化腐食を防止できる。また、本発明
は、該くし形吸液性成形マットを一体に具備したL字状
吸液性成形マット或いはコ字状吸液性成形マットを用意
したので、そのくし形吸液性成形マットで、簡単迅速に
極板群への装着作業を完了し得られるばかりでなく、負
極ストラップの側面、更にはその上面を吸液性マット板
部で夫々密着被覆された更に酸化腐食防止の保証された
夫々の鉛蓄電池用組立体が得られる。而も、酸素ガスと
遮断した状態で常に電解液がリテーナーなどのセパレー
タからその表面に供給されるので、これらの鉛蓄電池用
組立体を具備した鉛蓄電池は、負極耳の対向面及び側面
及び負極ストラップの下面、更には、側面及び上面を酸
素ガスとの接触を遮断し、同時にリテーナーなどのセパ
レータからの電解液がこれらの表面に常に供給されるの
で、負極耳及び負極ストラップの酸化腐食を防止でき、
また、負極ストラップの電位と負極板の電位との電位差
を減少せしめ或いは殆ど零とすると共に、還元電位を維
持し、長期に亘り腐食を防止できる。更に、これら吸液
性成形マットに吸液性垂下部を設けるときは、正極板が
伸びても吸液性垂下部を介しリテーナーからの電解液の
供給が維持できる効果をもたらす。更に、本発明のこれ
らの形状の異なる夫々のくし形吸液性成形マットを硫酸
カルシウム製とするときは、上記の負極ストラップ又は
/及び耳に対し、酸化防止効果と電解液の硫酸供給をも
たらす上に、長期使用で電解液濃度が低下した時、硫酸
カルシウムの硫酸イオンを供給し、負極ストラップ及び
耳の電解液による溶解を防止すると共に、電解液の成層
化現象を抑止し、長期に亘り高信頼性の鉛蓄電池をもた
らす。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明実施の1例の鉛蓄電池用組立体の分解
斜面図。
【図2】 図1の鉛蓄電池用組立体を具備した鉛蓄電池
の要部の上面図。
【図3】 図2のIII−III線裁断面図。
【図4】 図2のIV−IV線裁断面図。
【図5】 本発明の他の実施例の吸液性成形マットの斜
面図。
【図6】 図5に示す吸液性成形マットを極板群に装着
して成る鉛蓄電池用組立体を具備した鉛蓄電池の図4と
同様の裁断面図。
【図7】 図6のVII−VII線裁断面図。
【図8】 本発明の更に他の実施例の吸液性成形マット
の斜面図。
【図9】 図8に示す吸液性成形マットを極板群に装着
して成る鉛蓄電池用組立体を具備した鉛蓄電池の図4と
同様の裁断面図。
【図10】 図9のX−X線裁断面図。
【図11】 本発明の変形例の吸液性成形マットの斜面
図。
【図12】 図11に示す吸液性成形マットを極板群に
装着して成る鉛蓄電池用組立体を具備した鉛蓄電池の図
4と同様の裁断面図。
【図13】 本発明の更に変形例の吸液性成形マットの
斜面図。
【図14】 図13に示す吸液性成形マットを極板群に
装着して成る鉛蓄電池用組立体を具備した鉛蓄電池の図
3と同様の裁断面図。
【符号の説明】
1 極板群 6 くし形吸液性成形マット 6A L字状吸液性成形マット 6B コ字状吸液性成形マット 6B′,6B″ 下垂部を備えた吸液性成形マット 6a 耳挿入用スリット 6b 吸液性歯状突起 6c 長手の吸液性連接マット板部 6d 耳側面当接用長手の吸液性マット板部 6e 負極ストラップ上面密着用吸液性マット板部 6f 垂下部 A,B,C,C′,C″ 鉛蓄電池用組立体 2 負極板 2a 負極耳 3 正極板 4 リテーナー 4a リテーナーの側面 4b リテーナーの側縁 5 負極ストラップ 7 空間 8 電槽 S スペース 9 コ字状凹溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 利通 福島県いわき市常磐下船尾町杭出作23−6 古河電池株式会社いわき事業所内 (72)発明者 根兵 靖之 福島県いわき市常磐下船尾町杭出作23−6 古河電池株式会社いわき事業所内 (72)発明者 萬ヶ原 徹 福島県いわき市常磐下船尾町杭出作23−6 古河電池株式会社いわき事業所内 (72)発明者 竹島 修平 福島県いわき市常磐下船尾町杭出作23−6 古河電池株式会社いわき事業所内 Fターム(参考) 5H022 AA01 CC15 CC19 CC23 CC24 EE05 EE09 KK03 5H028 AA06 AA08 CC05 CC08 EE04 FF10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛蓄電池用の負極板と正極板とをリテー
    ナーなどのセパレータを介して積層した積層体の上面の
    両側において突出し且つ一列に並ぶ負極耳列及び正極耳
    列を夫々負極ストラップ及び正極ストラップで接続して
    成る極板群とは別個に、吸液性肉厚板状マットの一端に
    開口した耳挿入用スリットを存し配設した複数個の吸液
    性歯状突起とこれら吸液性歯状突起を共通に連接し且つ
    負極耳列の少なくとも中間の耳の側面に当接密着せしめ
    る長手の吸液性連接マット板部とを一体成形して成る肉
    厚板状のくし形吸液性成形マットを用意し、該くし形吸
    液性成形マットを、その耳挿入用スリットに該極板群の
    負極耳列の中間の耳へ密嵌挿入せしめると共に、その夫
    々の吸液性歯状突起を負極ストラップの下面と各相隣る
    耳の対向面で囲繞された夫々の対応する空間内に差し込
    み、その夫々の吸液性歯状突起の四周面を該負極ストラ
    ップの下面、相隣る耳の対向面、リテーナーの上端面に
    密着せしめると共に、該長手の吸液性マット板部を負極
    耳列の少なくとも中間の耳の側面に当接密着せしめるよ
    うに該極板群に装着せしめたことを特徴とする鉛蓄電池
    用組立体を具備して成る鉛蓄電池。
  2. 【請求項2】 該請求項1に記載のくし形吸液性成形マ
    ットの該長手の連接用吸液性マット板部の上面を延長し
    て該負極ストラップの側面に当接密着せしめる長手の吸
    液性マット板部を一体成形して成るL字状吸液性成形マ
    ットを用意し、そのくし形吸液性成形マットを請求項1
    に記載の要領で該極板群に装着せしめたことを特徴とす
    る鉛蓄電池用組立体を具備して成る鉛蓄電池。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のL字状吸液性成形マッ
    トの該負極ストラップの側面に当接密着せしめる長手の
    吸液性マット板部の上縁から水平に延長して該負極スト
    ラップの上面に密着せしめる長手の吸液性マット板部を
    一体成形すると共に、その下面と歯状突起列の上面との
    間に負極ストラップを密嵌収容スペースを存してコ字状
    凹溝を形成して成るコ字状吸液性成形マットを用意し、
    そのくし形吸液性成形マットを請求項1に記載の要領で
    該極板群に装着したことを特徴とする蓄電池用組立体を
    具備して成る鉛蓄電池。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の
    形状の吸液性成形マットにこれから下方に延長して、リ
    テーナーなどのセパレータの上部側面又は側縁に接触せ
    しめる吸液性下垂部を設けて成る吸液性成形マットを用
    意し、そのくし形吸液性成形マットを請求項1に記載の
    要領で該極板群に装着したことを特徴とする蓄電池用組
    立体を具備して成る鉛蓄電池。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の
    鉛蓄電池において、くし形吸液性成形マットは、硫酸カ
    ルシウム製であることを特徴とする鉛蓄電池。
  6. 【請求項6】 硫酸カルシウム製くし形吸液性成形マッ
    トは、無水硫酸カルシウムの粉末又は/及び硫酸カルシ
    ウム0.5水塩の粉末を水又は希硫酸で混練して成るペ
    ーストを所定の型に入れ反応効果、脱型して成るもので
    ある請求項5に記載の鉛蓄電池。
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