JP2001242624A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

感光性樹脂組成物

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JP2001242624A
JP2001242624A JP2000054076A JP2000054076A JP2001242624A JP 2001242624 A JP2001242624 A JP 2001242624A JP 2000054076 A JP2000054076 A JP 2000054076A JP 2000054076 A JP2000054076 A JP 2000054076A JP 2001242624 A JP2001242624 A JP 2001242624A
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Japan
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photosensitive resin
resin composition
ether
mass
group
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Application number
JP2000054076A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Takagi
良博 高木
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Fujifilm Electronic Materials Co Ltd
Original Assignee
Fujifilm Electronic Materials Co Ltd
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Publication date
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】アルカリ性水溶液で現像でき、高感度であり、
しかも、絶縁性、平坦性、耐熱性、耐溶剤性等の諸特性
の優れたパターン状薄膜を容易に形成することができる
感光性樹脂組成物、更には、上記諸特性と同時に低誘電
特性の優れたパターン状薄膜を容易に形成することがで
きる感光性樹脂組成物及びその処理方法を提供するこ
と。 【解決手段】スチレンとマレイン酸アミドの2成分を少
なくとも含有する共重合体、メラミン化合物、及び光酸
発生剤を含有することを特徴とするネガ型感光性樹脂組
成物。前記ネガ型感光性樹脂組成物を、塗布、露光、ア
ルカリ現像後、超高圧マイクロジェットで水洗すること
を特徴とするネガ型感光性樹脂組成物の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なネガ型感光
性樹脂組成物に関し、特にミクロなパターン構造を形成
することのできる感光性樹脂組成物、さらに詳しくは、
半導体集積回路(IC)、液晶ディスプレイ(LCD)
用薄膜トランジスタ(TFT)回路等の回路製造用のマ
スクを作成するためのネガ型レジストとして、さらには
層間絶縁膜、カラーフィルタ用保護膜等の永久膜形成材
料としても好適な感光性樹脂組成物及びその処理方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、LCD用TFT、IC等の電子
部品の製造においては、サブミクロン以下の高解像度を
有するとともに高感度を有するレジストが強く要望され
ている。
【0003】例えばICシリコンウェハのウェットエッ
チング方式で形成されるレジストパターンには、基板と
の密着性やエッチング液に侵されない耐薬品性が必要と
される。またイオンインプラ工程等が加わる場合には、
高温加熱に耐えうる耐熱性が要求される。
【0004】一方、1画素ごとにTFTを組み込んだア
クティブマトリクス型LCD(AM−LCD)は、その
応答速度の早さから、表示画面の大面積化が望まれてい
る。このようなAM−LCDのTFT回路の形成にも、
ICの場合と同様にレジストが用いられている。
【0005】さらにLCDや他の電子部品を製造する際
には、層状に配置される配線間を絶縁するための層間絶
縁膜やカラーフィルター用保護膜等の永久膜を形成しな
ければならない。このような膜は、従来、熱硬化性樹脂
組成物を用いて形成されているが、レジストと同様の組
成物で形成しようとする試みが行われている。しかし、
層間絶縁膜形成は、必要な工程数が多く、層間絶縁膜に
要求される諸特性、平坦性、高解像性、現像性、耐熱
性、耐薬品性、基板との密着性、絶縁性等を良好に確保
することが困難であった。また、上述のようにデバイス
の高密度化に伴い、応答速度をより向上させるために
は、層間絶縁膜素材により低誘電性が要求されてきてい
るが、上記のような従来のネガ型レジストでは、それら
諸特性と低誘電性とを両立させる点で充分満足のいくも
のではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
カリ性水溶液で現像でき、高感度であり、しかも、絶縁
性、平坦性、耐熱性、耐溶剤性等の諸特性の優れたパタ
ーン状薄膜を容易に形成することができる感光性樹脂組
成物、更には、従来、上記諸特性と同時に実現すること
が困難であった低誘電特性の優れたパターン状薄膜を容
易に形成することができる感光性樹脂組成物及びその処
理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記構
成の感光性樹脂組成物及びその処理方法が提供されて、
本発明の上記目的が達成される。 (1)スチレンとマレイン酸アミドの2成分を少なくと
も含有する共重合体、メラミン化合物、及び光酸発生剤
を含有することを特徴とするネガ型感光性樹脂組成物。 (2)フッ素化芳香族エポキシ化合物を含有することを
特徴とする上記(1)に記載の感光性樹脂組成物。 (3)フッ化脂肪族化合物を含有することを特徴とする
上記(1)または(2)に記載の感光性樹脂組成物。 (4)上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の記載の
ネガ型感光性樹脂組成物を、塗布、露光、アルカリ現像
後、超高圧マイクロジェットで水洗することを特徴とす
るネガ型感光性樹脂組成物の処理方法。 本発明は化学増幅型で光重合系に比べて、塗布もの、タ
ッキング性が良好である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の感光性樹脂組成物
について詳述する。まず該本発明の感光性樹脂組成物に
配合される各成分について説明する。 〔I〕スチレンとマレイン酸アミドの2成分を少なくと
も含有する共重合体(以下、「共重合体(A)」とい
う)
【0009】共重合体(A)は、それを構成する構造単
位に相当する単量体を共重合することにより得ることが
できるが、好ましい方法として、下記の高分子反応を利
用した方法を挙げることができる。即ち、スチレンと無
水マレイン酸、必要に応じて少量の他の単量体をラジカ
ル共重合して、スチレン−無水マレイン酸交互共重合鎖
を主成分とする共重合体を合成し、無水マレイン酸に由
来する酸無水基に直接アミンを反応させてアミド化反応
することにより共重合体(A)を得ることができる。共
重合体(A)としては、次のスチレン−マレイン酸アミ
ド共重合体が好ましい。この共重合体は、特開平5−2
65208号公報に記載の方法で合成することができ
る。
【0010】
【化1】
【0011】式(I)中、Rは炭素数1〜12のアルキ
ル基、炭素数7〜14のアラルキル基、炭素数6〜18
のアリール基、もしくは炭素数2〜14のアルコキシア
ルキル基を表す。モル比でx:y=0.85〜0.5:
0.15〜0.50である。上記アミド基は、無水マレ
イン酸ユニットに下記等の1級アミンを付加させて作る
ことができる。アミンの具体例としては、メチルアミ
ン、エチルアミン、プロピルアミン、i−プロピルアミ
ン、ブチルアミン、t−ブチルアミン、sec−ブチル
アミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキ
シルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ラウリ
ルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、アニリ
ン、オクチルアニリン、アニシジン、4−クロルアニリ
ン、1−ナフチルアミン、メトキシメチルアミン、2−
メトキシエチルアミン、2−エトキシエチルアミン、3
−メトキシプロピルアミン、2−ブトキシエチルアミ
ン、2−シクロヘキシルオキシエキルアミン、3−エト
キシプロピルアミン、3−プロポキシプロピルアミン、
3−イソプロポキシプロピルアミン等を挙げる事ができ
る。好ましいアミンの例はアニリン、2−メトキシエチ
ルアミン、2−エトキシエチルアミンまたは3−メトキ
シプロピルアミンである。特に好ましい1級アミンは、
ベンジルアミン、フェネチルアミンである。共重合体
(A)は、目的とする共重合体(A)の構造に応じて、
適宜、使用する単量体、重合条件、高分子反応条件、ア
ミン付加条件等を選択することによりの製造することが
できる。
【0012】共重合体(A)の数平均分子量は、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー法で、標準物質とし
て単分散のポリスチレンを用いて測定したポリスチレン
換算値として、500〜30,000であることが好ま
しく、より好ましくは1000〜20,000である。
また、質量平均分子量は、好ましくは10,000〜2
5,000である。
【0013】共重合体(A)は、本発明の感光性樹脂組
成物中に、3〜30質量%含有されることが好ましく、
より好ましくは5〜25質量%である。
【0014】〔II〕メラミン化合物 本発明に用いられるメラミン化合物は、感光時または加
熱時に前記共重合体(A)のカルボキシル基などの官能
基と光酸発生剤からの酸存在下に反応し、結合する機能
を有するものであれば、特に制限されるべきではない
が、好ましくは、下記式(II)で表される化合物が挙げら
れる。
【0015】
【化2】
【0016】式(II)中、R5は、−NR5152{R51
52は、各々水素又は−CH2OR53(R53は水素又は
炭素数1〜6のアルキル基またはシクロアルキル基を示
す。)を示す。}又はフェニル基を示し、R1,R2,R
3,R4は、各々水素又は−CH 2OR53(R53は水素又
は炭素数1〜6のアルキル基またはシクロアルキル基を
示す。)を示す。上記R53のアルキル基またはシクロア
ルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基,n−ブチル基、イソブチル基、t
−ブチル基,n−アミル基、イソアミル基,n−ヘキシ
ル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。本発明に使
用される式(II)で表されるメラミン化合物の具体例とし
ては、例えば、ヘキサメチロールメラミン(R1,R2
3,R4,R51,R52は、各々−CH2OH)及びアル
キル化ヘキサメチロールメラミン(R1,R2,R3
4,R5 1,R52は、各々−CH2OR53、かつR53は好
ましくは炭素数1〜3)、部分メチロール化メラミン
(R1,R2,R3,R4,R51,R52から選択される1〜
5個は−CH2OHでかつ非選択は水素)及びそのアル
キル化体(好ましくはR53は炭素数1〜3)、テトラメ
チロールベンゾグアナミン(R1,R2,R3,R4は各々
−CH2OHで,R5はフェニル基)及びアルキル化テト
ラメチロールベンゾグアナミン(好ましくはR53は炭素
数1〜3)、部分メチロール化ベンゾグアナミン
(R1,R2,R3,R4から選択される1〜3個は−CH
2OHでかつ非選択は水素)及びそのアルキル化体(好
ましくはR53は炭素数1〜3)、あるいは上記化合物の
オリゴマー(好ましくは、単量体2〜5個)等を挙げる
ことができる。本発明は、メラミン化合物と共にそれと
同じ機能を有する熱硬化剤を併用することができる。併
用することができる熱硬化剤としては、エポキシ系化合
物、フェノール系化合物、アゾ系化合物、イソシアネー
ト系化合物等が挙げられる。例えば、エポキシ系硬化剤
としては、分子中に平均して1個以上のエポキシ基をも
つ化合物であり、例えば、n−ブチルグリシジルエーテ
ル、2−エトキシヘキシルグリシジルエーテル、フェニ
ルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、エ
チレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレング
リコールジグリシジルエーテル、ベオペンチルグリコー
ルジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジル
エーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等のグ
リシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、
o−フタル酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエス
テル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4
−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート、3,4
−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル(3,4
−エポキシ−6−メチルシクロヘキサン)カルボキシレ
ート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキ
シルメチル)アジペート、ジシクロペンタンジエンオキ
サイド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エー
テルなどの脂環式エポキシ等が挙げられる。メラミン化
合物を含む熱硬化剤は、共重合体(A)に対して2〜5
0質量部の範囲で配合するのが好ましく、より好ましく
は4〜40質量部である。配合量が少なすぎると感度が
低下し、現像不良を起こすことがあり、一方、配合量が
多すぎると絶縁性や塗膜性が悪くなる場合がある。メラ
ミン化合物は、全熱硬化剤中に50〜100質量%含む
ことが好ましい。
【0017】〔III〕光酸発生剤 本発明で用いられる光酸発生剤としては、光により直接
若しくは間接的に酸を発生するものであれば特に限定さ
れるものでなく、具体的には、ジフェニルヨードニウム
塩、トリフェニルスルホニウム塩、フェニルジアゾニウ
ム塩、ベンジルトシレート、ニトロベンジルトシレー
ト、ジニトロベンジルトシレート、ベンジルスルホネー
ト、ニトロベンジルスルホネート、ベンジルカルボネー
ト、ニトロベンジルカルボネート、ジニトロベンジルカ
ルボネートや、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6
−[2−(2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−
メチル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−
エチル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−
プロピル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,
5−ジメトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジ
ン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−
(3,5−ジエトキシフェニル)エテニル]−s−トリ
アジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2
−(3,5−ジプロポキシフェニル)エテニル]−s−
トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−
[2−(3−メトキシ−5−エトキシフェニル)エテニ
ル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチ
ル)−6−[2−(3−メトキシ−5−プロポキシフェ
ニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(ト
リクロロメチル)−6−[2−(3,4−メチレンジオ
キシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−
ビス(トリクロロメチル)−6−(3,4−メチレンジ
オキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス−ト
リクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フ
ェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメ
チル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s
−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−
(2−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−
トリアジン、4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−
ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリア
ジン等のトリアジン化合物、α−(p−トルエンスルホ
ニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−
(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェ
ニルアセトニトリル、α−(4−ニトロベンゼンスルホ
ニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−
(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホ
ニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−
(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロフェ
ニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシ
イミノ)−2,4−ジクロロフェニルアセトニトリル、
α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジ
クロロフェニルアセトニトリル、α−(2−クロロベン
ゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル
アセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミ
ノ)−2−チエニルアセトニトリル、α−(4−ドデシ
ルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセト
ニトリル、α−[(4−トルエンスルホニルオキシイミ
ノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−
[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−
メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキ
シイミノ)−3−チエニルアセトニトリル、α−(メチ
ルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルア
セトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)
−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(エチル
スルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセ
トニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミ
ノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n
−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテ
ニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイ
ミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−
(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロ
ヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニ
ルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリ
ル等のオキシムスルホネート化合物等が挙げられる。中
でも、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−
フェニルアセトニトリルなど、オキシムスルホネート化
合物は、透明性に優れ、かつ光酸発生剤としての性能が
高く、溶剤を用いる場合においても溶解性が良好であ
り、液晶パネル等の層間絶縁膜に使用し、液晶組成物と
隣接した場合であっても、ハロゲン原子等の浸潤がな
く、液晶組成物を変質させることが少ないため好ましく
用いることができる。
【0018】この光酸発生剤は、共重合体(A)100
質量部に対して通常、0.5〜20質量部、好ましくは
1〜15質量部、更に好ましくは、1〜10質量部であ
る。配合量が少なすぎると架橋硬化不良を起こすことが
あり、一方、配合量が多すぎると現像時の光未照射部で
も架橋反応が進行し、現像不良が起きてしまう場合が
る。
【0019】〔IV〕フッ素化合物 本発明の感光性樹脂組成物はフッ素原子を含有させるこ
とにより、好ましくは本発明の感光性樹脂組成物の固形
分中に3質量%以上、より好ましくは5〜30質量%含
有させることにより、他の諸特性に加え低誘電特性の優
れたパターン状薄膜をより容易に形成することができ
る。この場合、フッ素化合物は、感光時や加熱時に共重
合体(A)に含まれるカルボキシル基に結合されてもよ
いし、あるいはメラミン化合物に結合されてもよく、さ
らにはフッ素化合物同士で重合されてもよいし、これら
と反応することなく感光性樹脂組成物の混合物として存
在していてもよい。フッ素化合物の典型的な例は、下記
(1)〜(8)に示される含フッ素基が結合した化合物
である。
【0020】(1)F(CF2)n− (2)(CF3)2CF(CF2)n-2− (3)H(CF2)n− (4)CF3CHFCF2− (5)(CF3)2CH− (6)−(CF2CClF)−
【0021】
【化3】
【0022】ここで、nは通常、1〜10、好ましくは5
〜8である。また、式(7)及び(8)において、ベン
ゼン環の水素は、フッ素その他の置換基で置換されてい
てもよいし、ベンゼン環は脂環式化されてもよい。
【0023】フッ素化合物として、アルコール類、カル
ボン酸類、エポキシ化合物類、オレフィン類、ハロゲン
化化合物、アクリレート類、メタクリレート類、エステ
ル類、エーテル類、アミン類等を挙げることができる。
なかでも、エポキシ化合物類、アクリレート類、メタク
リレート類、アミン類が好ましい。
【0024】これらエポキシ基を含有するエポキシ化合
物類、アクリレート類、メタクリレート類、アミン類の
具体例として、下記表1に示される基と上記(1)〜
(8)に示される含フッ素基とが結合した化合物を挙げ
ることができる。
【0025】
【表1】
【0026】上記表1の枠のなかに、例えばエポキシ化
合物類としてエポキシを含む基が記載されているが、そ
のエポキシ化合物類とは、その基と上記(1)〜(8)
に記載されている含フッ素基等とが結合して形成される
種々のエポキシ化合物を意味する。その他の化合物類に
ついても同様である。フッ素化合物としては、中でもエ
ポキシ化合物類及びアミン類が好ましく、特に上記
(7)及び(8)などの芳香族系の含フッ素基を有した
フッ素化芳香族エポキシ化合物、上記(1)などの脂肪
族の含フッ素基を有したフッ化脂肪族化合物が好まし
い。フッ素化芳香族エポキシ化合物の好ましい例として
は、
【0027】
【化4】
【0028】2,2′−[1,3−フェニレンビス
[[2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチ
ル)エチリデン]オキシメチレン]]ビス−オキシラン
【0029】
【化5】
【0030】2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプ
ロポキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンが挙げら
れ、フッ化脂肪族化合物の好ましい例としては、
【0031】
【化6】
【0032】が挙げられる。
【0033】本発明の感光性樹脂組成物は、共重合体
(A)、メラミン化合物、及び光酸発生剤、更にはフッ
素化合物を溶媒に溶解して調製される。
【0034】本発明の感光性樹脂組成物に用いられる溶
媒としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレング
リコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、
プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレン
グリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジ
エチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレング
リコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエ
チルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルア
セテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセ
テート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセ
テート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルア
セテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルア
セテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル
アセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル
アセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテ
ルアセテート、2−メトキシブチルアセテート、3−メ
トキシブチルアセテート、4−メトキシブチルアセテー
ト、2−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−
メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−
3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシブチルア
セテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポ
キシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテー
ト、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペ
ンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチル
アセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテ
ート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、
4−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、アセト
ン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルシソ
ブチルケトン、エチルイソブチルケトン、テトラヒドロ
フラン、シクロヘキサノン、プロピオン酸メチル、プロ
ピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸
イソプロピル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2
−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2
−メチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチ
ル−3−メトキシプロピオネート、エチル−3−エトキ
シプロピオネート、エチル−3−プロポキシプロピオネ
ート、プロピル−3−メトキシプロピオネート、イソプ
ロピル−3−メトキシプロピオネート、エトキシ酢酸エ
チル、オキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル
ブタン酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、
炭酸メチル、炭酸エチル、炭酸プロピル、炭酸ブチル、
ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロ
ピル、ピルビン酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢
酸エチル、ベンジルメチルエーテル、ベンジルエチルエ
ーテル、ジヘキシルエーテル、酢酸ベンジル、安息香酸
エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−
ブチロラクトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シク
ロヘキサノン、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリ
ン、メチルカルビトール、エチルカルビトール、メチル
エチルカルビトール等を挙げることができる。
【0035】また本発明では、感光性樹脂組成物の塗布
性の向上たとえばストリエーション(塗布すじあと)の
防止、また塗膜の現像性を向上させるために界面活性剤
を配合することもできる。界面活性剤としては、たとえ
ば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシ
エチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレ
イルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリ
オキシエチレンアリールエーテル類、ポリオキシエチレ
ンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートな
どのポリオキシエチレンジアルキルエステル類などのノ
ニオン系界面活性剤、エフトップEF301、同30
3、同352(新秋田化成(株)製)、メガファックF
171、同F172、同F173(大日本インキ化学工
業(株)製)、フロラードFC−430、同FC−43
1(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG71
0、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−
102、同SC−103、同SC−104、同SC−1
05、同SC−106(旭硝子(株)製)などの名称で
市販されているフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサ
ンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メ
タ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo. 57、95
(共栄社油脂化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0036】これらは2種以上用いることもできる。こ
のような界面活性剤は、感光性樹脂組成物中の全量を1
00質量部とするとき、2質量部以下好ましくは1質量
部以下の量で含有していてもよい。
【0037】また本発明に係る感光性樹脂組成物は、基
板との密着性を向上させるために接着助剤を含んでいて
もよい。このような接着助剤としては、官能性シランカ
ップリング剤などが挙げられる。官能性シランカップリ
ング剤としては、下記のものが例示されるが、中でもS
3及びS4が好ましい。 S1.ビニルトリエトキシシラン:CH2=CHSi
(OC253 S2.ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン:
CH2=CHSi(OCH24OCH33 S3.γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:
【0038】
【化7】
【0039】S4.γ−メタアクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン:
【0040】
【化8】
【0041】S5.γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン:HSC36Si(OCH33
【0042】また、感光性樹脂組成物の耐熱性、基板と
の密着性を向上させるために、分子内に少なくとも2個
のエポキシ基を有する化合物を含んでいてもよい。この
ようなエポキシ基含有化合物としては、たとえば、エピ
コート1001、同1002、同1003、同100
4、同1007、同1009、同1010、同828
(商品名;油化シェルエポキシ(株)製)などのビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂、エピコート807(商品
名;油化シェルエポキシ(株)製)などのビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、エピコート152、同154(商
品名;油化シェルエポキシ(株)製)、EPPN20
1、同202(商品名;日本化薬(株)製)などのフェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、EOCN102、同
103S、同104S、1020、1025、1027
(商品名;日本化薬(株)製)、エピコート180S7
5(商品名;油化シェルエポキシ(株)製)などのクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、CY−175、同1
77、同179、アルダライトCY−182、同19
2、184(商品名;チバ−ガイギー(株)製)、ER
L−4234、4299、4221、4206(商品
名;U.C.C社製)、ショーダイン509(商品名;
昭和電工(株)製)、エピクロン200、同400(商
品名;大日本インキ(株)製)、エピコート871、同
872(商品名;油化シェルエポキシ(株)製)、ED
−5661、同5662(商品名;セラニーズコーティ
ング(株)製)などの環状脂肪族エポキシ樹脂、エポラ
イト100MF(共栄社油脂化学工業(株)製)、エピ
オールTMP(日本油脂(株)製)などの脂肪族ポリグ
リシジルエーテルなどが挙げられる。
【0043】これらのうちでも、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂、脂肪族ポリグリシジルエーテルなどが
好ましく用いられる。
【0044】上記のようなエポキシ基含有化合物の分子
量は特に限定されることはなく、高分子量であってもよ
く、またビスフェノールA(またはF)のグリシジルエ
ーテルなどのような低分子量であってもよい。
【0045】任意成分としてのエポキシ基含有化合物
は、共重合体(A)100質量部に対して、5〜50質
量部の量で必要に応じて用いられる。更に、本発明の感
光性樹脂組成物においては、必要に応じて、帯電防止
剤、保存安定剤、ハレーション防止剤、消泡剤、顔料等
を添加することもできる。
【0046】本発明の感光性樹脂組成物を用いることに
より、例えば次のようにしてパターンを形成することが
できる。先ず、各成分を、例えばその固形分の濃度が5
〜60質量%となるように溶媒に溶解して、これを孔径
0.2〜10μm程度のフィルターで濾過することによ
り本発明の感光性樹脂組成物溶液を調製する。そして、
この本発明の感光性樹脂組成物溶液をシリコンウェハー
等の基板の表面に塗布し、プリベークを行うことにより
溶剤を除去して感光性樹脂組成物の塗膜を形成する。次
いで、形成された塗膜に対して光照射処理などの放射線
照射処理を行った後、現像処理を行って放射線未照射部
分を除去することによりパターンが形成される。
【0047】本発明の感光性樹脂組成物溶液を基板に塗
布する方法としては、回転塗布法、流し塗布法、ロール
塗布法等の各種の方法を採用することができる。プリベ
ークの条件は、例えば加熱温度が50〜150℃、加熱
時間が30秒間〜600秒間である。放射線照射処理に
使用される放射線としては、超高圧水銀燈等からの紫外
線で、波長365nmのi線、波長405nmのh線、
436nmのg線、波長248nmのKrFエキシマレ
ーザー、波長193nmのArFエキシマレーザー等の
遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線あるいは電子
線等の荷電粒子線が挙げられる。
【0048】現像処理に用いられる現像液としては、好
ましくは、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア
水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミ
ン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチ
ルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、
ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ〔5.
4.0〕−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ
〔4.3.0〕−5−ノナン等が溶解されてなるアルカリ
水溶液が挙げられる。また、このアルカリ水溶液等に、
水溶性有機溶媒、例えばメタノール、エタノール等のア
ルコール類や、界面活性剤が適量添加されてなるものを
使用することもできる。現像処理時間は、例えば10〜
300秒間であり、現像方法としては、液盛り法、ディ
ッピング法、揺動浸漬法等を利用することができる。ア
ルカリ現像後、流水洗浄によるリンス処理を行うが、リ
ンス処理としては、超高圧マイクロジェットで水洗する
ことが好ましい。
【0049】超高圧マイクロジェットは、高圧噴射装置
から水が噴射される。超高圧マイクロジェットの印加圧
力は、通常、30〜350kgf/cm2(2.9〜3
4.3MPa)、好ましくは50〜250kgf/cm
2(4.9〜24.5MPa) のものを指す。該印加圧
力は、ノズルの形状によって選定され、本発明では、猫
目型ノズル(断面が凹レンズ状)が好ましい。超高圧マ
イクロジェットの噴射角は、水洗作用に大きな影響を及
ぼす。感光性樹脂組成物の面に対して垂直である場合
が、もっとも水洗作用は強い。一方、非感光部の組成物
の除去は、単に水洗作用が強いだけでは不十分で、機械
的な水の衝撃によって不要の組成物を基板から除去しな
ければないが、そのためには噴射方向は基板に対して垂
直方向が最も良いが、またその垂直方向と基板への噴射
方向とのなす角度が、±0〜20度ほどとして基板の進
行方向に対して前または後ろに噴射してもよい。
【0050】また、本発明の経済的な実施形態として連
続水洗を採用するのが実際的であるが、その場合に感光
性樹脂組成物層の幅方向に水が均等に行きわたるよう
に、扇型のひろがりをもって噴射する噴射ノズルを単独
または扇のひろがり方向に複数配列し、その扇面状の噴
射の方向に対して直角方向に感光性樹脂組成物を定速移
動しながら水の噴射部分を通過する方法をとって連続水
洗処理を行うことが好ましい。
【0051】本発明の方法では、非露光部層の深部でも
効果的に除去されるので、層厚の大きな一般には除去し
にくい組成物にも使用することも可能であり、プロファ
イルの良好なパターンを形成させることができる。
【0052】上記の噴射圧、衝撃角度、水流ひろがり形
状など本発明の目的を満たすための機能を有して特に好
ましく使用できる高圧噴射装置は、超高圧ジェット精密
洗浄システムAFシリーズ(旭サナック(株))が挙げ
られる。中でも相対的に高圧な噴射用にはAF5400
Sが、相対的に低圧な噴射用にはAF2800IIが、適
している。しかしながら、上記の噴射印加圧、衝撃角度
及び水流ひろがり形状等を有する装置であれば、この機
種に限定されず、本発明の感光性樹脂組成物の処理方法
の水洗手段に適用できる。
【0053】本発明では、超高圧マイクロジェットの効
果が強力でかつ深部に及ぶので、水による水洗で非パタ
ーン部が実質的に除去される。
【0054】パターン化されている樹脂組成物は、上記
水洗処理の後、例えば圧縮空気や圧縮窒素で風乾し、必
要に応じて例えば紫外線を該薄膜の表面に照射した後、
ホットプレート、オーブン等の加熱装置によりポストベ
ークを行う。ポストベークの条件は、通常、例えば15
0〜250℃の温度で3分〜2時間でよい。このように
して硬化したパターン状薄膜が基板の上に形成される。
こうして得られるパターン状薄膜は、高解像度、低誘電
率であって、絶縁性、平坦度、耐熱性、硬度等の物性に
優れる。また、感光性樹脂組成物において、フッ素化合
物を更に含むものは、上記特性に加えてその比誘電率は
3以下、好ましくは2.8以下である。したがって、本
発明の感光性樹脂組成物は電子部品の保護膜、平坦化
膜、層間絶縁膜等に有用であり、特に液晶表示素子、集
積回路素子及び固体撮像素子の層間絶縁膜に有用であ
る。
【0055】
【実施例】以下、本発明の感光性樹脂組成物を実施例に
基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。また、以下において、重合体のポリスチレン
換算数平均分子量は、昭和電工(株)製のGPCクロマ
トグラフSYSTEM−21を用い、キャリア溶媒をテ
トラヒドロフラン(THF)とし、流速1ml/min
で40℃条件下にて測定した。
【0056】実施例1 スチレン/マレイン酸ベンジルアミド共重合体樹脂(6
5/35(モル比)、数平均分子量約8000)100
質量部、ヘキサメトキシメチロールメラミン30質量
部、光酸発生剤としてα−(p−トルエンスルホニルオ
キシイミノ)−フェニルアセトニトリル5質量部を全体
の固形分濃度が30質量%になるようにプロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテートに溶解した後、前
記フッ素化合物F1を20質量部加え、攪拌溶解して、
感光性樹脂組成物を調製した。これを、ガラス基板(コ
ーニング7059)上に膜厚が、5μmとなる様、塗布
した後、ホットプレート上で、100℃、2分間乾燥さ
せ、8μmのL/Sパターンのマスクを通して、超高圧
水銀燈を用いて100mJ/cm2の露光量で露光を行
い、0.5質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ドアルカリ溶液にて、25℃で20秒間現像し、水洗、
乾燥して、プロファイルの優れた微細パターンを得た。
その後、220℃で30分間加熱硬化させた。水洗は、
試料を5mm/secの一定速度で試料台上を搬送させ
ながら、高圧噴射装置として超高圧ジェット精密洗浄シ
ステムAF5400S(旭サナック(株)製)を使用し
て扇状に拡がる薄層の水噴射を試料に施した。超高圧マ
イクロジェットは、扇状の噴射面が、試料の進行方向に
直角であり、かつ試料面に垂直な方向に噴射した。ま
た、そのときの超高圧マイクロジェットの印加圧力は、
150kgf/cm2(14.7MPa)とした。
【0057】組成物の感光性、得られたパターン状加熱
硬化膜の特性等を下記方法で評価した。 (1)比誘電率の測定:上記で得られた加熱硬化膜の比
誘電率を、室温、1MHzの条件で誘電率測定装置(ヒ
ューレットパッカード社製)を用いて測定した。比誘電
率は、2.5であった。 (2)耐熱性の評価 上記の加熱硬化膜の膜厚を測定した後、更に240℃のオ
ーブン内で30分間加熱した。そして、加熱処理後の膜
厚を測定し、加熱硬化膜の残膜率を求めた。加熱による
残膜率の変化はほとんどなかった。 (3)耐溶剤性の評価 上記の加熱硬化膜を、温度80℃のジメチルスルフォキ
シドとモノエタノールアミンの混合液(体積比3:7)
に12分間浸した後、水洗乾燥し、その後、膜厚を測定
した。浸漬による膜厚変化はほとんどなかった。 (4)平坦度の評価 上記の加熱硬化膜を、接触式の膜厚測定器を用いて表面
粗さを測定した。Ra値で10オングストロームで平坦
性は非常に良好であった。 (5)耐熱変色の評価 上記の加熱硬化膜を、更に240℃のオーブン内で30
分間加熱した後、上記と同様な方法で、透過率を測定し
た。400nmの透過率の変化は1%であり、ほとんど
変化が見られなかった。
【0058】実施例2〜4 実施例1で用いたフッ素化合物に代えて表2に記載した
フッ素化合物を用いた以外は、実施例1と同様に行った
結果、何れもプロファイルの優れた加熱硬化膜を得た。
これらの加熱硬化膜を実施例1と同様に評価した。比誘
電率の評価結果については表2に示した。また、その他
の耐熱性、耐溶剤性、平坦度、耐熱変色については、実
施例2〜4は、何れも実施例1と同様であった。 実施例5 スチレン/マレイン酸ベンジルアミド共重合体樹脂(6
5/35(モル比)、数平均分子量約8000)100
質量部、ヘキサメトキシメチロールメラミン20質量
部、光酸発生剤としてα−(p−トルエンスルホニルオ
キシイミノ)−フェニルアセトニトリル8質量部を全体
の固形分濃度が30質量%になるようにプロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテートに溶解して、感光
性樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様に行っ
た結果、プロファイルの優れた加熱硬化膜を得た。この
加熱硬化膜を実施例1と同様に評価した。比誘電率の評
価結果については表2に示した。また、その他の耐熱
性、耐溶剤性、平坦度、耐熱変色については、何れも実
施例1と同様であった。
【0059】
【表2】
【0060】実施例6 実施例1で用いたスチレン/マレイン酸ベンジルアミド
共重合体樹脂(65/35(モル比)、数平均分子量約
8000)100質量部に代えてスチレン/マレイン酸
フェネチルアミド共重合体樹脂(65/35(モル
比)、数平均分子量約8500)100質量部を用いた
以外は、実施例1と同様に行った結果、プロファイルの
優れた加熱硬化膜を得た。この加熱硬化膜を実施例1と
同様に評価した。比誘電率は2.7であった。また、そ
の他の耐熱性、耐溶剤性、平坦度、耐熱変色について
は、何れも実施例1と同様であった。 実施例7〜9 実施例6で用いたフッ素化合物に代えて表3に記載した
フッ素化合物を用いた以外は、実施例5と同様に行った
結果、何れもプロファイルの優れた加熱硬化膜を得た。
これらの加熱硬化膜を実施例1と同様に評価した。比誘
電率の評価結果については表3に示した。また、その他
の耐熱性、耐溶剤性、平坦度、耐熱変色については、実
施例7〜9は、何れも実施例5と同様であった。 実施例10 実施例5で用いたスチレン/マレイン酸ベンジルアミド
共重合体樹脂(65/35(モル比)、数平均分子量約
8000)100質量部に代えてスチレン/マレイン酸
フェネチルアミド共重合体樹脂(65/35(モル
比)、数平均分子量約8500)100質量部を用いた
以外は、実施例5と同様に行った結果、プロファイルの
優れた加熱硬化膜を得た。この加熱硬化膜を実施例1と
同様に評価した。比誘電率の評価結果については表3に
示した。また、その他の耐熱性、耐溶剤性、平坦度、耐
熱変色については、何れも実施例5と同様であった。
【0061】
【表3】
【0062】上記結果から、実施例で調製された感光性
樹脂組成物は、高解像度、高感度であり、露光、現像し
て得られるパターン状薄膜は、耐熱性、耐溶剤性、平坦
性等に優れることが明らかであり、フッ素化合物を含む
実施例は、更に低誘電率であることが明らかであり、ま
た、本発明の感光性樹脂組成物の処理方法も優れている
ことが分かる。
【0063】
【発明の効果】本発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ
性水溶液で現像でき、高解像度、高感度であり、しかも
耐熱性、耐溶剤性等の諸特性とともに、従来これらの特
性と同時に実現することが困難であった低誘電特性の優
れたパターン状薄膜を好ましくは本発明の処理方法によ
り容易に形成することができる。従って、本発明の感光
性樹脂組成物は、半導体集積回路、液晶ディスプレイ用
薄膜、トランジスタ回路等の回路製造用のマスクを作成
するためのネガ型レジストとして、さらには層間絶縁
膜、カラーフィルタ用保護膜等の永久膜形成材料として
も好適に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/32 501 G03F 7/32 501 H01L 21/027 H01L 21/30 502R Fターム(参考) 2H025 AA01 AA02 AA06 AA10 AA20 AB16 AC01 AD01 BE00 CB10 CB16 CB41 CC17 CC20 FA17 FA28 2H096 AA25 BA06 EA02 GA08 HA30 4J002 BH011 EB117 EH007 EL028 EN028 EQ017 EU186 EU187 EV227 EV237 EV247 EV267 EV297 FD146 FD207 FD310 GP03 GQ00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレンとマレイン酸アミドの2成分を
    少なくとも含有する共重合体、メラミン化合物、及び光
    酸発生剤を含有することを特徴とするネガ型感光性樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 フッ素化芳香族エポキシ化合物を含有す
    ることを特徴とする請求項1に記載のネガ型感光性樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 フッ化脂肪族化合物を含有することを特
    徴とする請求項1または2に記載のネガ型感光性樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載のネガ
    型感光性樹脂組成物を、塗布、露光、アルカリ現像後、
    超高圧マイクロジェットで水洗することを特徴とするネ
    ガ型感光性樹脂組成物の処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101136358B1 (ko) * 2004-12-10 2012-04-18 삼성전자주식회사 컬러필터용 잉크 조성물 및 이를 이용하여 제조된컬러필터 기판, 및 이를 이용한 컬러필터 기판의 제조 방법
WO2021117486A1 (ja) 2019-12-12 2021-06-17 ダイキン工業株式会社 組成物、硬化性組成物、及び、硬化物

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