JP2001241371A - 噴射用電磁弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動減衰効果のある噴射用電磁弁を提供す
る。 【解決手段】 バルブボディ２に収容されたニードル１
６により燃料を供給および停止する噴射用電磁弁１であ
って、バルブボディ２の内部に円筒状または半円筒状の
内筒部材３をその中心軸がニードル１６の作動方向と一
致するよう圧入して構成した噴射用電磁弁１である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ガソリンエンジ
ン、ディーゼルエンジンなどの内燃機関に用いられる燃
料噴射用電磁弁に関する。

【０００２】

【従来の技術】噴射用電磁弁は、燃料ポンプから送られ
てくる高圧燃料をガソリンエンジン、ディーゼルエンジ
ン等の内燃機関のシリンダ内に直接または吸気管内に噴
射するものである。内燃機関のシリンダ内に直接噴射す
る噴射用電磁弁の場合、燃圧が高いため、噴射用電磁弁
を閉弁するためのスプリングのセット荷重も高く設定さ
れている。このため、ニードル着座時の振動により、噴
射用電磁弁本体から発音がありまたは噴射用電磁弁を取
り付けているシリンダヘッドなどから振動が伝播し、内
燃機関のいろいろな部位より騒音が発生する。

【０００３】噴射用電磁弁のニードル着座時の振動に伴
い発生する内燃機関の騒音を解決するための従来技術と
して、特開平６―１０１５９５号公報がある。図８によ
り、この従来技術を説明する。図８は従来技術の噴射用
電磁弁の一部構造の断面図である。

【０００４】図８に示すように、従来技術は、円筒状の
ボディ３１と、ボディ３１の燃料噴射口３３に高速で着
座離反するニードル３２と、ニードル３２を燃料噴射口
３３側に押し付けるスプリング３４と、ボディ３１のプ
ランジャ室３６内を上下動するプランジャ３５を備えて
いる。ボディ３１はプランジャ室３６を形成するととも
に、燃料が内部を直接流通する内層３７と、この内層３
７を囲むように位置する外層３８との二重構造になって
いる。さらに、この内層３７と外層８の間には振動吸収
層３９が形成されている。この振動吸収層３９は減衰能
が高く、高圧による変形が少ない材料で形成されてい
る。

【０００５】このように構成された従来技術の場合、水
平方向に伝わる振動は振動吸収層３９により吸収されて
外層３８に伝わることがなくなり、垂直方向の振動も同
様に、振動吸収層３９によって徐々に緩衝されることに
なる。この結果、着座部３７ａで発生した振動をその伝
播方向にかかわらず有効に吸収することができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来技術の
噴射用電磁弁の場合、ニードル３２が内層３７の着座部
３７ａに高頻度で着座離反するので、次第に内層３７が
図示下方にずれる。内層３７が図示下方にずれると、燃
料噴射口３３の位置がずれる。燃料噴射口３３の位置が
ずれると、予め設定された位置と異なるので、燃料を適
切なタイミングで適量を供給することができなくなると
いう問題が発生する。

【０００７】本発明は、上記の問題を解決するために、
噴射用電磁弁の基本構成を変更しないことにより基本性
能に悪影響を与えないようにしながら、付加構成により
有効に振動を減少させることができる噴射用電磁弁を提
供することを目的にしたものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに、請求項１の発明は、バルブボディに収容されたニ
ードルにより燃料を供給および停止する噴射用電磁弁に
おいて、前記バルブボディの内部に円筒状または半円筒
状の内筒部材をその中心軸が前記ニードルの作動方向と
一致するよう圧入して構成したことを特徴とする噴射用
電磁弁である。

【０００９】前述の目的を達成するために、請求項２の
発明は、バルブボディに収容されたニードルにより燃料
を供給および停止する噴射用電磁弁において、前記バル
ブボディの内部に円筒状または半円筒状の内筒部材をそ
の中心軸が前記ニードルの作動方向と一致するととも
に、バルブボディ内壁と内筒部材外壁の間に隙間を形成
して構成したことを特徴とする噴射用電磁弁である。

【００１０】前述の目的を達成するために、請求項３の
発明は、前記内筒部材が内筒部材外壁の一部に半径方向
外方に向かって形成された圧着部を備え、前記圧着部が
バルブボディ内壁と圧着して構成したことを特徴とする
請求項２記載の噴射用電磁弁である。

【００１１】前述の目的を達成するために、請求項４の
発明は、バルブボディに収容されたニードルにより燃料
を供給および停止する噴射用電磁弁において、前記バル
ブボディ外壁の周囲で、かつ前記噴射用電磁弁をシリン
ダヘッドに固定する固定部位と前記バルブボディの端部
に設けられた噴射口との間の区間に円筒状または半円筒
状の外筒部材を圧着して構成したことを特徴とする噴射
用電磁弁である。

【００１２】前述の目的を達成するために、請求項５の
発明は、バルブボディに収容されたニードルにより燃料
を供給および停止する噴射用電磁弁において、前記ニー
ドルを可動させるためのソレノイドを内包するハウジン
グプレートの外部に前記ハウジングプレートの一部を覆
うとともに圧着し、前記ハウジングプレートから延設さ
れ半径方向内方に向かって傾斜させられた凹み部に沿う
ように圧着して噴射口方向に移動しないように構成させ
られたカバー部材を形成してなることを特徴とする噴射
用電磁弁である。

【００１３】前述の目的を達成するために、請求項６の
発明は、バルブボディに収容されたニードルにより燃料
を供給および停止する噴射用電磁弁において、前記バル
ブボディの内部にスプリングピンを圧入して構成したこ
とを特徴とする噴射用電磁弁である。

【００１４】前述の目的を達成するために、請求項７の
発明は、前記スプリングピンの張力方向を前記バルブボ
ディの振動方向に一致するよう配置したことを特徴とす
る請求項６に記載の噴射用電磁弁である。

【００１５】前述の目的を達成するために、請求項８の
発明は、バルブボディに収容されたニードルにより燃料
を供給および停止する噴射用電磁弁において、前記バル
ブボディに連結されたホルダパイプに前記ニードルのリ
フト量を決めるためのアジャスティングパイプを結合す
る結合部位が前記アジャスティングパイプの中央から両
端方向に少なくとも１ヶ所ずつ設定して構成したことを
特徴とする噴射用電磁弁である。

【００１６】前述の目的を達成するために、請求項９の
発明は、バルブボディに収容されたニードルにより燃料
を供給および停止する噴射用電磁弁において、前記バル
ブボディに連結されたホルダパイプに前記ニードルのリ
フト量を決めるためのアジャスティングパイプを結合す
る結合部位が前記ホルダパイプと前記アジャスティング
パイプの接触面全面に設定されていることを特徴とする
噴射用電磁弁である。

【００１７】前述の目的を達成するために、請求項１０
の発明は、バルブボディに収容されたニードルにより燃
料を供給および停止する噴射用電磁弁において、前記バ
ルブボディに連結されたホルダパイプに前記ニードルの
リフト量を決めるためのアジャスティングパイプを結合
する結合部位が複数点に設定されていることを特徴とす
る噴射用電磁弁である。

【００１８】前述の目的を達成するために、請求項１１
の発明は、前記アジャスティングパイプと前記ホルダパ
イプの間に形成された隙間と、前記アジャスティングパ
イプの内部に形成されるとともに前記隙間と連通する燃
料通過穴とを備えたことを特徴とする請求項８に記載の
噴射用電磁弁である。

【００１９】

【発明の実施形態】本発明の実施形態を図に基づき説明
する。図１は本発明の１実施形態にかかる噴射用電磁弁
の全体構造の一部断面図である。図１に基づき、噴射用
電磁弁１の基本構成を説明する。

【００２０】噴射用電磁弁１はバルブボディ２に収容さ
れたニードル１６により燃料を供給したり、停止したり
する機能を有する。噴射用電磁弁１はバルブボディ２を
介してシリンダヘッド８ａおよびクランプ８ｂからなる
固定部位８により軸方向および軸方向に直角な方向に動
かないよう固定される。通常は、図１に示すように、バ
ルブボディ２の図示上端をシリンダヘッド８ａおよびク
ランプ８ｂで軸方向および軸方向に直角な方向に挟み込
むことにより噴射用電磁弁１を固定する。

【００２１】バルブボディ２の内部にはニードル１６が
配置されている。ニードル１６は作動方向である図示軸
方向に延設された部材である。バルブボディ２の図示下
端の内部にはシート１７が配置されている。シート１７
の内部には、ニードル１６がニードル先端１６ａを介し
てシート１７の下端と当接可能に配置されている。ニー
ドル先端１６ａとシート１７により、燃料を供給および
停止するための噴射口９が構成される。

【００２２】バルブボディ２の図示上端の内面には円筒
状のホルダパイプ１２が連結されている。ホルダパイプ
１２の外周にはニードル１６を軸方向に作動させるため
のソレノイド２０が配置されている。ソレノイド２０の
外周には、ソレノイド２０を内包するためのハウジング
プレート５が形成されている。ハウジングプレート５
は、ソレノイド２０を内包している円筒状の外周部と、
その外周部から軸方向に延設され半径方向内方に向かっ
て傾斜した凹み部５ａを備えている。

【００２３】ホルダパイプ１２の内面には、ニードル１
６のリフト量を決めるためのアジャスティングパイプ１
１が結合されている。このアジャスティングパイプ１１
はホルダパイプ１２の軸方向の適宜位置に圧入または溶
接により固定される。ニードル後端１６ｂがアジャステ
ィングパイプ１１に当接することにより、ニードル１６
のリフト量を設定することができる。ニードル１６のリ
フト量を設定することにより、図示下端の噴射口９の大
きさを設定することができ、これにより燃料の流量を決
めることができる。ニードル後端１６ｂの近傍には燃料
供給路１８が配置されており、この燃料供給路１８から
供給された燃料はニードル１６の外周を経由して噴射口
９に通じている。

【００２４】アジャスティングパイプ１１の内部には、
ニードル１６を噴射口９に押圧するためのスプリング１
９が配置されている。スプリング１９のセット荷重は高
い燃圧に対応するため高く設定されている。ソレノイド
２０の電磁力が消去されると、スプリング１９のばね力
により、瞬時にニードル１６のニードル先端１６ａがシ
ート１７に当接し、噴射口９を閉じる。

【００２５】噴射用電磁弁１の基本構成の作用を説明す
る。最初に、噴射口９から高圧燃料を図示のないシリン
ダ内に直接または吸気管内に噴射する場合を説明する。
ソレノイド２０に電流が流れると、ソレノイド２０の電
磁力によりニードル１６はスプリング１９のばね力に抗
して軸方向（作動方向）上方に移動する。移動したニー
ドル１６は、ニードル後端１６ｂがアジャスティングパ
イプ１１に着座することにより上方への移動を停止す
る。ニードル１６が軸方向（作動方向）上方に移動する
ことにより、それまで閉じていた噴射口９が開口する。
噴射口９が開口すると、燃料供給路１８から供給されて
いた燃料が噴射口９から噴射される。なお、ニードル後
端１６ｂがアジャスティングパイプ１１に着座すると
き、打音が発生するとともに噴射用電磁弁１が固定部位
８を節として軸方向に直角方向（円弧方向）に振動す
る。

【００２６】次に、噴射口９から噴射されている高圧燃
料の噴射を停止する場合を説明する。ソレノイド２０に
流れている電流をきると、ソレノイド２０の電磁力がな
くなるので、ニードル１６はスプリング１９のばね力に
より軸方向（作動方向）下方に瞬時に移動する。移動し
たニードル１６は、ニードル先端１６ａがシート１７に
着座することにより下方への移動を停止する。ニードル
１６がシート１７に着座することにより、それまで開い
ていた噴射口９が閉口する。噴射口９が閉口すると、燃
料は噴射口９から噴射されなくなる。なお、ニードル先
端１６ａがシート１７に着座するとき、打音が発生する
とともに噴射用電磁弁１が固定部位８を節として軸方向
に直角方向（円弧方向）に振動する。

【００２７】以上説明したように、噴射用電磁弁１の基
本構成によると、噴射口９から高圧燃料を噴射する場合
も噴射を停止する場合も、噴射用電磁弁１のほぼ中央の
固定部位８を節とし、噴射用電磁弁１の上端および下端
を腹とする振動を起こすことになる。以下に、上記の振
動を効果的に減衰させる本発明の各実施例を説明する。

【００２８】図１により、本発明の第１実施例を説明す
る。第１実施例はバルブボディ２の内部に円筒状または
半円筒状の内筒部材３をその中心軸がニードル１６の作
動方向、すなわちニードル１６の軸方向と一致するよう
圧入して構成した噴射用電磁弁である。

【００２９】円筒状または半円筒状の内筒部材３をバル
ブボディ２の内部に圧入することにより、固定部位８を
節とする振動が起きた場合、内筒部材３とバルブボディ
２の間に相対ずれが発生し、摩擦減衰を起こし、振動を
低減させることができる。

【００３０】次に、図２により本発明の第２実施例を説
明する。図２は本発明の１実施形態にかかる噴射用電磁
弁の一部構造の断面図である。本発明の第２実施例はバ
ルブボディ２の内部に円筒状または半円筒状の内筒部材
３をその中心軸がニードル１６の作動方向（軸方向）と
一致するとともに、バルブボディ内壁２ａと内筒部材外
壁３ａの間に隙間４を形成した噴射用電磁弁である。

【００３１】第２実施例によれば、バルブボディ内壁２
ａと内筒部材外壁３ａの間の隙間４に燃料層ができ、ス
クイズ効果により実施例１より大きな振動低減効果を得
ることができる。また、圧入作業がないため、組付作業
をするとき、組付時間の短縮を図ることができ、コスト
の低減に寄与する。

【００３２】さらに、図３により本発明の第３実施例を
説明する。図３は本発明の１実施形態にかかる噴射用電
磁弁の一部構造の断面図である。本発明の第３実施例は
内筒部材３が内筒部材外壁３ａの一部に半径方向外方に
向かって形成された圧着部３ｂを備え、圧着部３ｂがバ
ルブボディ内壁２ａと圧着するとともに、圧着部３ｂが
存しないバルブボディ内壁２ａと内筒部材外壁３ａの間
には隙間４が形成されている噴射用電磁弁である。

【００３３】第３実施例によれば、バルブボディ内壁２
ａと内筒部材外壁３ａの間の隙間４に燃料層ができるこ
とによる実施例２と同様の効果に加え、燃圧の変動によ
る内筒部材３の軸方向への移動を防止することができ
る。

【００３４】図１に戻って、本発明の第４実施例を説明
する。第４実施例はバルブボディ外壁２ｂの周囲で、噴
射用電磁弁１をシリンダヘッド８ａに固定する固定部位
８とバルブボディ２の端部に設けられた噴射口９との間
の区間に円筒状または半円筒状の外筒部材１０を圧着し
た噴射用電磁弁である。

【００３５】本発明の第４実施例によれば、噴射口９の
近傍で起きた振動を効率よく摩擦減衰し、振動を低減さ
せることができる。

【００３６】図１により、本発明の第５実施例を説明す
る。第５実施例はニードル１６を可動させるためのソレ
ノイド２０を内包するハウジングプレート５の外部にハ
ウジングプレート５の一部を覆うとともに圧着し、曲げ
部６ａによりハウジングプレート５から延設され半径方
向内方に向かって傾斜させられた凹み部５ａに沿うよう
に圧着して、噴射口９の方向に移動しないように構成さ
せられたカバー部材６を形成させられた噴射用電磁弁で
ある。

【００３７】本発明の第５実施例によれば、ソレノイド
２０の近傍で起きた振動を効率よく摩擦減衰し、振動を
低減させることができる。

【００３８】図４により、本発明の第６実施例を説明す
る。図４は本発明の１実施形態にかかる噴射用電磁弁の
図１のｚ―ｚからみた断面図である。ただし、内筒部材
３をなくし、スプリングピン７を圧入した図を想定して
いる。第６実施例はバルブボディ２の内部にスプリング
ピン７を圧入して構成した噴射用電磁弁である。

【００３９】本発明の第６実施例によれば、噴射用電磁
弁の振動を効率よく摩擦減衰し、振動を低減させること
ができる。

【００４０】本発明の第７実施例は、図４に示すよう
に、スプリングピン７の張力方向をバルブボディ２の振
動方向に一致するよう配置した噴射用電磁弁がある。

【００４１】本発明の第７実施例によれば、スプリング
ピン７の張力方向をバルブボディ２の振動による変形方
向に一致するようにしたので、実施例６で得られる効果
以上の大きな制振効果を得ることができる。

【００４２】図５により本発明の第８実施例を説明す
る。図５は本発明の１実施形態にかかる噴射用電磁弁の
他部構造の断面図である。本発明の第８実施例はバルブ
ボディ２に連結されたホルダパイプ１２にニードル１６
のリフト量を決めるためのアジャスティングパイプ１１
を結合する結合部位１３をアジャスティングパイプ１１
の中央から両端方向に少なくとも１ヶ所ずつ設定して構
成した噴射用電磁弁である。ホルダパイプ１２とアジャ
スティングパイプ１１の間でかつ結合部位１３の間には
隙間１４が形成されている。ホルダパイプ１２とアジャ
スティングパイプ１１の結合方法として、圧入や溶接が
利用できる。

【００４３】本発明の第８実施例によれば、結合部位１
３がアジャスティングパイプ１１の中央から両端方向に
少なくとも１ヶ所ずつ設定されるので、変形による歪み
を抑えることが可能な部分が増え、噴射用電磁弁の剛性
が向上し、振動および騒音を低減することができる。な
お、ホルダパイプ１２とアジャスティングパイプ１１の
接触面積を従来並みにすれば、圧入荷重を従来並みに抑
えることができる。

【００４４】図６により本発明の第９実施例を説明す
る。図６は本発明の１実施形態にかかる噴射用電磁弁の
他部構造の断面図である。本発明の第９実施例はバルブ
ボディ２に連結されたホルダパイプ１２にニードル１６
のリフト量を決めるためのアジャスティングパイプ１１
を結合する結合部位１３がホルダパイプ１２とアジャス
ティングパイプ１１の接触面全面に設定されている噴射
用電磁弁である。また、本発明の第１０実施例はバルブ
ボディ２に連結されたホルダパイプ１２にニードル１６
のリフト量を決めるためのアジャスティングパイプ１１
を結合する結合部位１３が複数点に設定されている噴射
用電磁弁である。

【００４５】本発明の第９実施例および第１０実施例に
よれば、第８実施例以上に、変形による歪みを抑えるこ
とが可能な部分が増え、噴射用電磁弁の剛性が向上し、
振動および騒音を低減することができる。

【００４６】図７により、本発明の第１１実施例を説明
する。図７は本発明の１実施形態にかかる噴射用電磁弁
の他部構造の断面図である。本発明の第１１実施例は図
５の第８実施例の構成に、アジャスティングパイプ１１
とホルダパイプ１２の間に形成された隙間１４と、アジ
ャスティングパイプ１１の内部に形成されるとともに隙
間１４と連通する燃料通過穴１５を付加した噴射用電磁
弁である。

【００４７】本発明の第１１実施例によれば、第８実施
例同様、変形による歪みを抑えることが可能な部分が増
え、噴射用電磁弁の剛性が向上し、振動および騒音を低
減することができるだけでなく、隙間１４に確実に燃料
を充填させることができる。さらに、燃料通過穴１５の
穴径と長さおよび隙間１４の体積により、レゾネータを
構成し、燃料脈動を吸収し、排気ガスの浄化性能や振動
特性の向上に寄与することができる。

【００４８】

【発明の効果】請求項１の発明は、バルブボディに収容
されたニードルにより燃料を供給および停止する噴射用
電磁弁において、前記バルブボディの内部に円筒状また
は半円筒状の内筒部材をその中心軸が前記ニードルの作
動方向と一致するよう圧入して構成したことを特徴とす
る噴射用電磁弁であるので、内筒部材とバルブボディの
間に相対ずれが発生し、摩擦減衰し、振動を低減させる
ことができるという優れた効果を奏する。

【００４９】請求項２の発明は、バルブボディに収容さ
れたニードルにより燃料を供給および停止する噴射用電
磁弁において、前記バルブボディの内部に円筒状または
半円筒状の内筒部材をその中心軸が前記ニードルの作動
方向と一致するとともに、バルブボディ内壁と内筒部材
外壁の間に隙間を形成して構成したことを特徴とする噴
射用電磁弁であるので、バルブボディ内壁と内筒部材外
壁の間の隙間に燃料層ができ、スクイズ効果により大き
な振動低減効果を得ることができるという優れた効果を
奏する。

【００５０】請求項３の発明は、前記内筒部材が内筒部
材外壁の一部に半径方向外方に向かって形成された圧着
部を備え、前記圧着部がバルブボディ内壁と圧着して構
成したことを特徴とする請求項２記載の噴射用電磁弁で
あるので、燃圧の変動による内筒部材の軸方向への移動
を防止することができるという優れた効果を奏する。

【００５１】請求項４の発明は、バルブボディに収容さ
れたニードルにより燃料を供給および停止する噴射用電
磁弁において、前記バルブボディ外壁の周囲で、かつ前
記噴射用電磁弁をシリンダヘッドに固定する固定部位と
前記バルブボディの端部に設けられた噴射口との間の区
間に円筒状または半円筒状の外筒部材を圧着して構成し
たことを特徴とする噴射用電磁弁であるので、噴射口の
近傍で起きた振動を効率よく摩擦減衰し、振動を低減さ
せることができるという優れた効果を奏する。

【００５２】請求項５の発明は、バルブボディに収容さ
れたニードルにより燃料を供給および停止する噴射用電
磁弁において、前記ニードルを可動させるためのソレノ
イドを内包するハウジングプレートの外部に前記ハウジ
ングプレートの一部を覆うとともに圧着し、前記ハウジ
ングプレートから延設され半径方向内方に向かって傾斜
させられた凹み部に沿うように圧着して噴射口方向に移
動しないように構成させられたカバー部材を形成してな
ることを特徴とする噴射用電磁弁であるので、ソレノイ
ドの近傍で起きた振動を効率よく摩擦減衰し、振動を低
減させることができるという優れた効果を奏する。

【００５３】請求項６の発明は、バルブボディに収容さ
れたニードルにより燃料を供給および停止する噴射用電
磁弁において、前記バルブボディの内部にスプリングピ
ンを圧入して構成したことを特徴とする噴射用電磁弁で
あるので、噴射用電磁弁の振動を効率よく摩擦減衰し、
振動を低減させることができるという優れた効果を奏す
る。

【００５４】請求項７の発明は、前記スプリングピンの
張力方向を前記バルブボディの振動方向に一致するよう
配置したことを特徴とする請求項６に記載の噴射用電磁
弁であるので、スプリングピンの張力方向をバルブボデ
ィの振動による変形方向に一致するようにしたので、大
きな制振効果を得ることができるという優れた効果を奏
する。

【００５５】請求項８の発明は、バルブボディに収容さ
れたニードルにより燃料を供給および停止する噴射用電
磁弁において、前記バルブボディに連結されたホルダパ
イプに前記ニードルのリフト量を決めるためのアジャス
ティングパイプを結合する結合部位が前記アジャスティ
ングパイプの中央から両端方向に少なくとも１ヶ所ずつ
設定して構成したことを特徴とする噴射用電磁弁である
ので、変形による歪みを抑えることが可能な部分が増
え、噴射用電磁弁の剛性が向上し、振動および騒音を低
減することができるという優れた効果を奏する。

【００５６】請求項９の発明は、バルブボディに収容さ
れたニードルにより燃料を供給および停止する噴射用電
磁弁において、前記バルブボディに連結されたホルダパ
イプに前記ニードルのリフト量を決めるためのアジャス
ティングパイプを結合する結合部位が前記ホルダパイプ
と前記アジャスティングパイプの接触面全面に設定され
ていることを特徴とする噴射用電磁弁であるので、変形
による歪みを抑えることが可能な部分が増え、噴射用電
磁弁の剛性が向上し、振動および騒音を低減することが
できるという優れた効果を奏する。

【００５７】請求項１０の発明は、バルブボディに収容
されたニードルにより燃料を供給および停止する噴射用
電磁弁において、前記バルブボディに連結されたホルダ
パイプに前記ニードルのリフト量を決めるためのアジャ
スティングパイプを結合する結合部位が複数点に設定さ
れていることを特徴とする噴射用電磁弁であるので、変
形による歪みを抑えることが可能な部分が増え、噴射用
電磁弁の剛性が向上し、振動および騒音を低減すること
ができるという優れた効果を奏する。

【００５８】請求項１１の発明は、前記アジャスティン
グパイプと前記ホルダパイプの間に形成された隙間と、
前記アジャスティングパイプの内部に形成されるととも
に前記隙間と連通する燃料通過穴とを備えたことを特徴
とする請求項８に記載の噴射用電磁弁であるので、燃料
脈動を吸収することができるという優れた効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の１実施形態にかかる噴射用電磁弁の全
体構造の一部断面図である。

【図２】本発明の１実施形態にかかる噴射用電磁弁の一
部構造の断面図である。

【図３】本発明の１実施形態にかかる噴射用電磁弁の一
部構造の断面図である。

【図４】本発明の１実施形態にかかる噴射用電磁弁の図
１のｚ―ｚからみた断面図である。

【図５】本発明の１実施形態にかかる噴射用電磁弁の他
部構造の断面図である。

【図６】本発明の１実施形態にかかる噴射用電磁弁の他
部構造の断面図である。

【図７】本発明の１実施形態にかかる噴射用電磁弁の他
部構造の断面図である。

【図８】従来技術の噴射用電磁弁の一部構造の断面図で
ある。

【符号の説明】 １……噴射用電磁弁、２……バルブボディ、２ａ……バ
ルブボディ内壁、２ｂ……バルブボディ外壁、３……内
筒部材、３ａ……内筒部材外壁、３ｂ……圧着部、４…
…隙間、５……ハウジングプレート、５ａ……凹み部、
６……カバー部材、６ａ……曲げ部、７……スプリング
ピン、８……固定部位、８ａ……シリンダヘッド、８ｂ
……クランプ、９……噴射口、１０……外筒部材、１１
……アジャスティングパイプ、１２……ホルダパイプ、
１３……固定部位、１４……隙間、１５……燃料通過
穴、１６……ニードル、１６ａ……ニードル先端、１６
ｂ……ニードル後端、１７……シート、１８……燃料供
給路、１９……スプリング、２０……ソレノイド、３１
……ボディ、３２……ニードル、３３……燃料噴射口、
３４……スプリング、３５……プランジャ、３６……プ
ランジャ室、３７……内層、３７ａ……着座部、３８…
…外層、３９……振動吸収層

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 バルブボディに収容されたニードルによ
   り燃料を供給および停止する噴射用電磁弁において、前
   記バルブボディの内部に円筒状または半円筒状の内筒部
   材をその中心軸が前記ニードルの作動方向と一致するよ
   う圧入して構成したことを特徴とする噴射用電磁弁。
2. 【請求項２】 バルブボディに収容されたニードルによ
   り燃料を供給および停止する噴射用電磁弁において、前
   記バルブボディの内部に円筒状または半円筒状の内筒部
   材をその中心軸が前記ニードルの作動方向と一致すると
   ともに、バルブボディ内壁と内筒部材外壁の間に隙間を
   形成して構成したことを特徴とする噴射用電磁弁。
3. 【請求項３】 前記内筒部材が内筒部材外壁の一部に半
   径方向外方に向かって形成された圧着部を備え、前記圧
   着部がバルブボディ内壁と圧着して構成したことを特徴
   とする請求項２記載の噴射用電磁弁。
4. 【請求項４】 バルブボディに収容されたニードルによ
   り燃料を供給および停止する噴射用電磁弁において、前
   記バルブボディ外壁の周囲で、かつ前記噴射用電磁弁を
   シリンダヘッドに固定する固定部位と前記バルブボディ
   の端部に設けられた噴射口との間の区間に円筒状または
   半円筒状の外筒部材を圧着して構成したことを特徴とす
   る噴射用電磁弁。
5. 【請求項５】 バルブボディに収容されたニードルによ
   り燃料を供給および停止する噴射用電磁弁において、前
   記ニードルを可動させるためのソレノイドを内包するハ
   ウジングプレートの外部に前記ハウジングプレートの一
   部を覆うとともに圧着し、前記ハウジングプレートから
   延設され半径方向内方に向かって傾斜させられた凹み部
   に沿うように圧着して噴射口方向に移動しないように構
   成させられたカバー部材を形成してなることを特徴とす
   る噴射用電磁弁。
6. 【請求項６】 バルブボディに収容されたニードルによ
   り燃料を供給および停止する噴射用電磁弁において、前
   記バルブボディの内部にスプリングピンを圧入して構成
   したことを特徴とする噴射用電磁弁。
7. 【請求項７】 前記スプリングピンの張力方向を前記バ
   ルブボディの振動方向に一致するよう配置したことを特
   徴とする請求項６に記載の噴射用電磁弁。
8. 【請求項８】 バルブボディに収容されたニードルによ
   り燃料を供給および停止する噴射用電磁弁において、前
   記バルブボディに連結されたホルダパイプに前記ニード
   ルのリフト量を決めるためのアジャスティングパイプを
   結合する結合部位が前記アジャスティングパイプの中央
   から両端方向に少なくとも１ヶ所ずつ設定して構成した
   ことを特徴とする噴射用電磁弁。
9. 【請求項９】 バルブボディに収容されたニードルによ
   り燃料を供給および停止する噴射用電磁弁において、前
   記バルブボディに連結されたホルダパイプに前記ニード
   ルのリフト量を決めるためのアジャスティングパイプを
   結合する結合部位が前記ホルダパイプと前記アジャステ
   ィングパイプの接触面全面に設定されていることを特徴
   とする噴射用電磁弁。
10. 【請求項１０】 バルブボディに収容されたニードルに
    より燃料を供給および停止する噴射用電磁弁において、
    前記バルブボディに連結されたホルダパイプに前記ニー
    ドルのリフト量を決めるためのアジャスティングパイプ
    を結合する結合部位が複数点に設定されていることを特
    徴とする噴射用電磁弁。
11. 【請求項１１】 前記アジャスティングパイプと前記ホ
    ルダパイプの間に形成された隙間と、前記アジャスティ
    ングパイプの内部に形成されるとともに前記隙間と連通
    する燃料通過穴とを備えたことを特徴とする請求項８に
    記載の噴射用電磁弁。