JP2001239994A - 船舶における排ガスの水中排出装置 - Google Patents

船舶における排ガスの水中排出装置

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JP2001239994A
JP2001239994A JP2000053942A JP2000053942A JP2001239994A JP 2001239994 A JP2001239994 A JP 2001239994A JP 2000053942 A JP2000053942 A JP 2000053942A JP 2000053942 A JP2000053942 A JP 2000053942A JP 2001239994 A JP2001239994 A JP 2001239994A
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Sadahiro Abe
貞宏 安部
Yasushi Ito
靖史 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排ガス中の炭酸ガスを海水に吸収させるとと
もに、前記排ガス混入海水により船舶の推進力を得るに
あたり、排ガスのエネルギー及び船舶の航行に伴うエネ
ルギーを有効利用することにより、格別な装置を必要と
せず、簡単かつ低コストの手段で以って、船舶の推進効
率及び炭酸ガスの吸収効率を上昇させ得る船舶における
排ガスの水中排出装置を提供する。 【解決手段】 排ガス源から排出される排ガスを、船体
を貫通した管路から海水中に排出するようにした船舶に
おける排ガスの水中排出装置において、船体前部に開口
された1次海水取入口と、船底の後部寄りの部位に設け
られ、前部に2次海水入口が開口され後部に排水口が開
口された海水ダクトと、1次海水取入口から船体内を経
て海水ダクト内の海水通路に開口する海水管と、排ガス
を海水通路の海水管開口部の下流側に導く排ガス管と、
海水管内の海水を海水通路への開口部へ向けて圧送する
圧送手段とを備えてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、船舶に搭載される
内燃機関等の排ガス源から排出される排ガスを、海水管
内を流れる海水と混合させて、この排ガス混入海水を前
記船体後方底部の開口から海中に放出するようにした、
船舶における排ガスの水中排出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、船舶に搭載されるデイーゼル機関
から排出される排ガス中の炭酸ガス(二酸化炭素)を海
水に吸収させて海中に排出する際に、該排ガス混入海水
を船体の前部近傍から放出して気泡を形成し、この気泡
で船体を包むことにより航行の摩擦抵抗を低減し、船舶
の推進効率を上昇せしめる技術が提供されてきている。
かかる技術の1つに、特開昭62−286886号の発
明がある。この発明においては、船舶推進機関からの排
ガスを冷却装置において冷却した後、圧縮機で高圧に加
圧し、これを混合器にて水と混合させて、船体前部の噴
射ノズルから船体周りに噴射して微小気泡を形成し、該
微小気泡により船体全域を包み航行の摩擦抵抗を低減し
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】排ガス中の炭酸ガスを
海水に吸収させて海中に排出する際に、該排ガス混入海
水を船体後部から放出して推進力を得る手段、あるいは
前記排ガス混入海水を船体の前部近傍から放出して気泡
を形成し、この気泡で船体を包むことにより航行の摩擦
抵抗を低減し船舶の推進力を得る手段を用いた船舶にお
いては、該排ガスの圧力(静圧)レベルが大気圧レベル
にあっても排ガスを容易に海水中に吸収でき、前記排ガ
ス混入海水を船体後部から放出しあるいは前記気泡を形
成するために格別な装置を必要とせず、かつ排ガスに加
えるエネルギーを最少限にして、排ガスのエネルギーを
有効に利用し、船舶の推進効率を上昇させつつ、炭酸ガ
スを海水に効率良く吸収させることが要求される。
【0004】しかるに、特開昭62−286886号の
発明にあっては、排ガスを海水に混入させ炭酸ガスを海
水に吸収させる作用を促進するため、排ガスを冷却装置
において海水あるいは清水と熱交換させて冷却し、さら
に、この排ガスを、海面下にあって圧力の高い海水が流
れている海水管内に放出して該海水と混合させるため、
該排ガスを、圧縮機を用いて高圧に加圧して圧力(静
圧)を上昇せしめている。このため、かかる従来技術に
あっては、排ガス中の炭酸ガスを海水に吸収させるとと
もに、前記排ガス混入海水により船舶の推進力を得るた
めに、熱交換器としての冷却装置及び加圧用の圧縮機を
設置するという格別な装置を必要とし、装置が複雑化す
るとともに高コストとなり、排ガスのエネルギーの利用
率が低下する。
【0005】本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、排
ガス中の炭酸ガスを海水に吸収させるとともに、前記排
ガス混入海水により船舶の推進力を得るにあたり、排ガ
スのエネルギー及び船舶の航行に伴うエネルギーを有効
利用することにより、格別な装置を必要とせず、簡単か
つ低コストの手段で以って、船舶の推進効率及び炭酸ガ
スの吸収効率を上昇させ得る船舶における排ガスの水中
排出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するため、請求項1記載の発明として、船舶に搭載さ
れる内燃機関等の排ガス源から排出される排ガスを、船
体を貫通した海水管路を流れる海水中に排出するように
した船舶において、船体前部の浸水部外板に開口された
1次海水取入口と、船底の後部寄りの部位に船体の長手
方向に設けられるとともに、前部に2次海水入口が開口
され後部に排水口が開口された海水ダクトと、前記1次
海水取入口から船体内を貫通され前記海水ダクト内の海
水通路に開口する海水管と、前記排ガス源からの排ガス
を前記海水通路の前記海水管開口部の下流側に導く排ガ
ス管と、前記海水管に設けられて該海水管内の海水を前
記海水通路への開口部へ向けて圧送する圧送手段とを備
えてなることを特徴とする船舶における排ガスの水中排
出装置を提案する。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1におい
て、前記海水管の前記海水通路への開口部に海水を噴出
させるノズルを設けるとともに、前記排ガス管の前記海
水通路への開口部を前記ノズルの直下流に近接させて配
置し、前記ノズルから前記海水通路に噴出される1次海
水及び該海水通路を流れる2次海水の流速により前記排
ガス管内の排ガスを吸引するエジェクタ装置を構成して
なることを特徴とする。
【0008】請求項3記載の発明は、前記排ガス管の具
体的構成に係り、請求項1において、前記排ガス管は、
前記排ガス源から煙突に接続される排ガス排出管路の前
記煙突寄りの部位から分岐されて前記海水通路への開口
部に接続されてなることを特徴とする。
【0009】請求項4ないし5記載の発明は、排ガスの
水中排出装置の配置構造に係り、請求項4記載の発明
は、請求項2において、前記圧送手段を備えた海水管の
前記海水通路への開口部と、前記排ガス管の前記海水通
路への開口部とにより構成される前記エジェクタ装置を
前記船体の幅方向に複数設けたことを特徴とする。
【0010】請求項5記載の発明は、請求項1におい
て、前記船体の中央部に、船舶の推進機関により駆動さ
れるプロペラ軸を貫設し、該プロペラ軸に連結されたプ
ロペラと、前記海水ダクトの排水口とを船幅方向に並設
したことを特徴とする。
【0011】かかる発明によれば、船体前部に開口され
た1次海水取入口から海水を取り入れることにより、船
舶の航行によるスクープ作用により海水管内を高速で海
水を流し、さらにこの高速海水を圧送手段により加圧す
るという2段の高速化手段により高速化し、かかる高速
の1次海水を、2次海水入口からスクープ作用により海
水ダクト内の海水通路を流れている2次海水中にノズル
によって噴出せしめ、該1次海水及び2次海水の流速に
より前記ノズルの直下流にある排ガス管開口部近傍に負
圧を形成してベンチュリ作用により排ガスを吸引するよ
うに構成されたエジェクタ装置によって排ガスを海水中
に溶解せしめる。
【0012】従って、かかる発明によれば、1次海水の
スクープ作用及び圧送手段による加圧という2段の高速
化手段にて高速化した1次海水を、2次海水入口からの
スクープ作用による速度で流動している2次海水中に噴
出させて排ガス管開口部近傍に負圧を形成するため、排
ガス吸引部に大きな負圧が得られて該エジェクタ装置の
吸引力が上昇し、かかる高吸引力でのベンチュリ作用に
よって排ガスを吸引せしめるので、煙突近傍における大
気圧レベルにある排ガスをも容易に海水中に吸引し、海
水と接触させて微細気泡化することができ、排ガス中の
炭酸ガスを効率良く海水中に溶解させることができる。
【0013】また、前記のように、エジェクタ装置にて
大きな負圧に圧力低下した海水流中に排ガスを吸引させ
るので、排ガスを、排ガス源から煙突に至る排ガス通路
の圧力状態のままで、圧縮機等で加圧することなく、容
易に海水中に混入させることができる。これにより、従
来技術のように、排ガスを海水中に溶解させるのに、圧
縮機等のような格別な動力や装置を必要とせず、簡単か
つ低コストの手段で以って、排ガス中の炭酸ガスを効率
良く海水中に溶解させることができるとともに、船舶の
推進効率を上昇させることができる。さらに、前記のよ
うに、煙突近傍における大気圧レベルにある排ガスをエ
ジェクタ装置に導くようにしており、大気に解放されて
いる排ガスをエジェクタ装置へ導いているため、推進機
関側の背圧を上昇させることは無い。
【0014】また、かかる発明によれば、前記のよう
に、海水を2段の高速化手段により高速化し、かかる高
速海水をエジェクタ装置にて、スクープ作用による速度
で流動している2次海水中に噴出させることにより、大
きな負圧を形成し、高吸引力で排ガスを吸引するため、
排ガスの吸引作用が増大し、海水中に吸収される排ガス
の気泡径が微小径化されて、該気泡中の炭酸ガスの海水
への吸収速度が増大され、該炭酸ガスの吸収効率が上昇
する。
【0015】また、前記のように、エジェクタ装置にお
いて、海水を2段の高速化手段により高速化して、スク
ープ作用による速度で流動している2次海水中に噴出さ
せることにより高吸引力で排ガスを吸引するので、海水
中での排ガスの微細気泡化が促進されることにより、排
ガス混入海水の見かけ容積が取り入れ海水よりも大きく
なり、かつ海水ダクト内の海水通路を後方へ流動する2
次海水の増速作用により、該排ガス混入海水を、船舶の
航行速度よりも大きな速度で排水口から後方へ噴出させ
ることができ、該噴出海水を効率的に船舶の推進動力化
することができ、船舶の推進効率が上昇する。
【0016】また、かかる発明においては、前記エジェ
クタ装置にて排ガスと海水とを接触させることにより前
記海水中での排ガスの微細気泡化が促進された海水を、
船体の外板に沿って後方に流すので、船体の周りに排ガ
スの微細気泡が保持され、これにより前記排ガス混入海
水中の微細気泡による船体の摩擦抵抗の低減効果が増大
し、これによっても船舶の推進効率が上昇する。
【0017】さらに、請求項4ないし5記載の発明によ
れば、圧送手段を備えた海水管の2次海水通路への開口
部と、排ガス管の2次海水通路への開口部とにより構成
されるエジェクタ装置を前記船体の幅方向に複数設ける
とともに、前記船体の中央部に、船舶の推進機関により
駆動されるプロペラ軸を貫設し、該プロペラ軸に連結さ
れたプロペラと、前記海水ダクトの排水口とを船幅方向
に並設したことことにより、該プロペラ軸の推進動力に
前記排ガス混入海水の噴出による推進動力が重畳され、
さらなる推進効率の上昇が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
ている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置など
は特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれ
のみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎな
い。
【0019】図1は本発明の実施形態に係る船舶におけ
る排ガスの水中排出装置の配置構造を示す側面図、図2
は図1の平面図、図3は図1のA―A矢視図である。
【0020】本発明に係る船舶における排ガスの水中排
出装置の配置構造を示す図1ないし図2において、1は
船舶の船体、2は該船体の船底である。4は船体1の後
部寄りの部位に設置されたデイーゼル機関(以下エンジ
ンという)で、図2に示すように船体幅の中央部に設置
されている。8は前記エンジン4の出力軸に連結される
プロペラ軸、6は煙突、5は前記エンジン4からの排ガ
スを前記煙突6に導く排出管である。また100は海面
である。3は前記排出管5の前記煙突6の手前位置から
分岐されて後述する海水通路25の排ガス吸収部29に
接続される排ガス管である。11は1次海水が流動する
海水管で、これの1次海水取入口10は前記船体前部の
浸水部外板に開口されている。該海水管11は前記1次
海水取入口10から船尾方向に延設され、その途中に、
後述する渦巻きポンプ20が設けられ、エジェクタ30
の環状通路27に接続されている。
【0021】図2、3において、24は海水ダクトで、
船底2の後部の船幅方向中央部に突設され、その内部に
は2次海水が通流する海水通路25が形成されている。
21は該海水通路25の2次海水入口、13は該海水通
路25の海水の出口である排水口である。尚、前記海水
ダクト24は船底2の中央部または前部に設置してもよ
い。27は前記船体1に形成された環状通路で、前記海
水管11の出口が開口している。22は該環状通路27
と前記海水通路25とを連通するノズルで、該環状通路
27内の1次海水を該海水通路25に噴出可能な小径に
形成されている。29は前記排ガス管3の出口が開口す
る環状の排ガス吸収部で、前記海水通路25の、前記ノ
ズル22の開口部の直下流に臨むように設けられてい
る。該排ガス吸収部29はこれを通る排ガスが気泡28
を容易に形成できるように、例えば、金網等によって構
成される。前記海水通路25、環状通路27、ノズル2
2、排ガス吸収部29等によりエジェクタ30を構成す
る。
【0022】図2に示すように、前記1次海水入口に接
続される海水管11、渦巻きポンプ20、及びエジェク
タ30からなる排ガス噴出装置は、前記船体1の幅方向
に2組配設され、その間に前記エンジン4からのプロペ
ラ軸8が配置されている。尚、前記排ガス噴出装置は1
組、あるいは3組以上並列に設けても良い。前記渦巻き
ポンプ20は、回転駆動される渦巻き羽根により海水を
加圧し渦巻き状のケーシングを通して圧送するように構
成された公知のポンプである。
【0023】かかる構成からなる排ガスの水中排出装置
を備えた船舶の航行時において、前記エンジン4からの
排ガスは排出管5を通って煙突6から大気中に排出され
る。該排出管5を通る排ガスは、図示しない分配手段に
よって、適当量が分流されて排ガス管3に入り、該排ガ
ス管3からエジェクタ30の排ガス吸収部29に入る。
一方、船舶の航行に伴うスクープ作用により、1次海水
が船速相当の流速で以って船首の1次海水取入口10か
ら海水管11に導入されて、前記渦巻きポンプ20に送
られる。該渦巻きポンプ20においては、電動モータ等
の駆動源により回転駆動される渦巻き羽根により、前記
海水管11を通流してきた海水を加圧、増速し、前記エ
ジェクタ30の環状通路27に送る。
【0024】また、船舶の航行に伴うスクープ作用によ
り、2次海水が船速相当の流速で以って2次海水入口2
1から海水通路25に導入され、該海水通路25内を排
水口13へと流過する。前記環状通路27に導入された
1次海水は、前記ノズル22において通路面積が絞られ
るとともに、該1次海水が前記スクープ作用及び前記渦
巻きポンプ20による加圧の、2段の高速化手段により
高速化されているため、高速で下流側に向けて噴出せし
められる。かかるノズル22からの海水の高速噴出によ
り、該ノズル22の直下流に設けられた排ガス吸収部2
9近傍の海水通路25内の圧力(静圧)が負圧まで低下
し、この圧力低下によるベンチュリ作用によって、前記
排ガス管3から排ガス吸収部29内に導入されている排
ガスは、高速で吸引されて海水と混合せしめられて気泡
化(28は気泡)し、該排ガス中の炭酸ガスは海水中に
溶解される。この際において、前記排ガス吸収部29は
金網で構成されているので、該金網を通過する際に排ガ
スの気泡化が促進される。そして、前記排ガスの気泡2
8を含む排ガス混入海水は、前記の高速を維持しながら
海水通路25を通って、排水口13から船体1後部に向
けて噴出される。
【0025】かかる実施例によれば、1次海水のスクー
プ作用及び渦巻きポンプ20による加圧という2段の高
速化手段にて高速化した1次海水を、2次海水入口21
からのスクープ作用による速度で流動している2次海水
中に噴出させて、排ガス吸収部29近傍に負圧を形成す
るため、排ガス吸引部である前記排ガス吸収部29近傍
に大きな負圧が得られてエジェクタ30の吸引力が上昇
し、かかる高吸引力でのベンチュリ作用によって排ガス
を吸引せしめるので、煙突6近傍の排出管5内における
大気圧レベルにある排ガスをも容易に海水中に吸引し、
海水と接触させて微細気泡化することができ、排ガス中
の炭酸ガスを効率良く海水中に溶解させることができ
る。
【0026】また、前記のように、エジェクタ30にて
大きな負圧に圧力低下した海水流中に排ガスを吸引させ
るので、該排ガスを、エンジン4から煙突6に至る排出
管内の圧力状態のままで、圧縮機等で加圧することな
く、容易に海水中に混入させることができる。これによ
り、従来技術のように、排ガスを海水中に溶解させるの
に、圧縮機等のような格別な動力や装置を必要とせず、
排ガス中の炭酸ガスを効率良く海水中に溶解させること
ができるとともに、該排ガス混入海水による船舶の推進
が可能となる。
【0027】さらに、前記のように、煙突6近傍におけ
る大気圧レベルにある排ガスをエジェクタ30に導くよ
うにしており、大気に解放されている排ガスをエジェク
タ30へ導いているため、推進機関側の背圧を上昇させ
ることは無い。また、かかる実施例によれば、前記のよ
うに、海水を2段の高速化手段により高速化し、かかる
高速海水をエジェクタ30のノズル22より、スクープ
作用による速度で流動している2次海水中に噴出させる
ことにより、大きな負圧を形成し、高吸引力で排ガスを
吸引するため、排ガスの吸引作用が増大し、海水中に吸
収される排ガスの気泡径が微小径化されて、該気泡中の
炭酸ガスの海水への吸収速度が増大され、該炭酸ガスの
吸収効率が上昇する。
【0028】また、前記のように、エジェクタ30にお
いて、海水を2段の高速化手段により高速化して、スク
ープ作用による速度で流動している2次海水中に噴出さ
せることにより高吸引力で排ガスを吸引するので、海水
中での排ガスの微細気泡化が促進されることにより、排
ガス混入海水の見かけ容積が取り入れ海水よりも大きく
なり、かつ海水ダクト24内の海水通路を後方へ流動す
る2次海水の増速作用により、該排ガス混入海水を、船
舶の航行速度よりも大きな速度で排水口13から後方へ
噴出させることができ、該噴出海水を効率的に船舶の推
進動力化することができる
【0029】また、かかる実施例においては、前記エジ
ェクタ30にて排ガスと海水とを接触させることにより
前記海水中での排ガスの微細気泡化が促進された海水
を、船体1の外板に沿って後方に流すので、船体1の周
りに排ガスの微細気泡28が保持され、これにより前記
排ガス混入海水中の微細気泡28による船体の摩擦抵抗
の低減効果が増大する。この場合、前記海水ダクト24
を船底2の中央部あるいは前部に設ければ、前記排ガス
の微細気泡と船体1との接触面積が大きくなり、前記摩
擦抵抗の低減効果が増大する。
【0030】さらに、かかる実施例によれば、渦巻きポ
ンプ20を備えた海水管11とエジェクタ30とを前記
船体1の幅方向に2組(複数組であれば良い)設けると
ともに、前記船体1の中央部に、前記エンジン4により
駆動されるプロペラ軸8を貫設し、該プロペラ軸8に連
結されたプロペラと、前記海水ダクト24の排水口13
とを船幅方向に並設したことにより、該プロペラ軸8の
推進動力に前記排ガス混入海水の噴出による推進動力が
重畳され、さらに推進動力が上昇する。
【0031】
【発明の効果】以上記載の如く本発明によれば、1次海
水のスクープ作用及び圧送手段による加圧という2段の
高速化手段にて高速化した1次海水を、2次海水入口か
らのスクープ作用による速度で流動している2次海水中
に噴出させることにより、排ガス吸引部に大きな負圧が
得られ、エジェクタ装置における高吸引力でのベンチュ
リ作用によって排ガスを吸引せしめるので、煙突近傍に
おける大気圧レベルにある排ガスをも容易に海水中に吸
引し、海水と接触させて微細気泡化することができ、排
ガス中の炭酸ガスを効率良く海水中に溶解させることが
でき、排ガスを、排ガス源から煙突に至る排ガス通路の
圧力状態のままで、圧縮機等で加圧することなく、容易
に海水中に混入させることができる。これにより、従来
技術のように、排ガスを海水中に溶解させるのに、圧縮
機等のような格別な動力や装置を必要とせず、簡単かつ
低コストの手段で以って、排ガス中の炭酸ガスを効率良
く海水中に溶解させることができるとともに、船舶の推
進効率を上昇させることができる。
【0032】さらに、前記のように、煙突近傍における
大気圧レベルにある排ガスをエジェクタ装置に導くよう
にしており、大気に解放されている排ガスをエジェクタ
装置へ導いているため、推進機関側の背圧を上昇させる
ことは無い。また、本発明によれば、前記のように、海
水を2段の高速化手段により高速化し、これをエジェク
タ装置にて、スクープ作用による速度で流動している2
次海水中に噴出させることにより、大きな負圧を形成
し、高吸引力で排ガスを吸引するため、排ガスの吸引作
用が増大し、海水中に吸収される排ガスの気泡径が微小
径化されて、該気泡中の炭酸ガスの海水への吸収速度が
増大され、該炭酸ガスの吸収効率が上昇する。
【0033】また、前記のように、エジェクタ装置にお
いて、海水を2段の高速化手段により高速化して、スク
ープ作用による速度で流動している2次海水中に噴出さ
せることにより高吸引力で排ガスを吸引するので、海水
中での排ガスの微細気泡化が促進されることにより、排
ガス混入海水の見かけ容積が取り入れ海水よりも大きく
なり、かつ海水ダクト内の海水通路を後方へ流動する2
次海水の増速作用により、該排ガス混入海水を、船舶の
航行速度よりも大きな速度で排水口から後方へ噴出させ
ることができ、該噴出海水を効率的に船舶の推進動力化
することができ、船舶の推進効率が上昇する。
【0034】さらに、請求項4ないし5記載の発明によ
れば、圧送手段を備えた海水管の2次海水通路への開口
部と、排ガス管の2次海水通路への開口部とにより構成
されるエジェクタ装置を前記船体の幅方向に複数設ける
とともに、前記船体の中央部に、船舶の推進機関により
駆動されるプロペラ軸を貫設し、該プロペラ軸に連結さ
れたプロペラと、前記海水ダクトの排水口とを船幅方向
に並設したことことにより、該プロペラ軸の推進動力に
前記排ガス混入海水の噴出による推進動力が重畳され、
さらなる推進効率の上昇が得られる。
【0035】以上、要するに本発明によれば、排ガスの
エネルギー及び船舶の航行に伴うエネルギーを有効利用
することにより、格別な動力や装置を必要とせず、簡単
かつ低コストの手段で以って船舶の推進効率を上昇させ
得るとともに、排ガス中の炭酸ガスを効率良く海水中に
溶解させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る船舶における排ガス
の水中排出装置の配置構造を示す側面図である。
【図2】 図1の平面図。
【図3】 図1のA―A矢視図である。
【符号の説明】
1 船体 2 船底 3 排ガス管 4 エンジン 5 排出管 6 煙突 8 プロペラ軸 10 1次海水取入口 11 海水管 13 排水口 20 渦巻きポンプ 21 2次海水入口 22 ノズル 24 海水ダクト 25 海水通路 27 環状通路 28 気泡 29 排ガス吸収部 30 エジェクタ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船舶に搭載される内燃機関等の排ガス源
    から排出される排ガスを、船体を貫通した海水管路を流
    れる海水中に排出するようにした船舶において、船体前
    部の浸水部外板に開口された1次海水取入口と、船底の
    後部寄りの部位に船体の長手方向に設けられるととも
    に、前部に2次海水入口が開口され後部に排水口が開口
    された海水ダクトと、 前記1次海水取入口から船体内を貫通され前記海水ダク
    ト内の海水通路に開口する海水管と、前記排ガス源から
    の排ガスを前記海水通路の前記海水管開口部の下流側に
    導く排ガス管と、前記海水管に設けられて該海水管内の
    海水を前記海水通路への開口部へ向けて圧送する圧送手
    段とを備えてなることを特徴とする船舶における排ガス
    の水中排出装置。
  2. 【請求項2】 前記海水管の前記海水通路への開口部に
    海水を噴出させるノズルを設けるとともに、前記排ガス
    管の前記海水通路への開口部を前記ノズルの直下流に近
    接させて配置し、前記ノズルから前記海水通路に噴出さ
    れる1次海水及び該海水通路を流れる2次海水の流速に
    より前記排ガス管内の排ガスを吸引するエジェクタ装置
    を構成してなることを特徴とする請求項1記載の船舶に
    おける排ガスの水中排出装置。
  3. 【請求項3】 前記排ガス管は、前記排ガス源から煙突
    に接続される排ガス排出管路の前記煙突寄りの部位から
    分岐されて前記海水通路への開口部に接続されてなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の船舶における排ガスの水
    中排出装置。
  4. 【請求項4】 前記圧送手段を備えた海水管の前記海水
    通路への開口部と、前記排ガス管の前記海水通路への開
    口部とにより構成される前記エジェクタ装置を前記船体
    の幅方向に複数設けたことを特徴とする請求項2記載の
    船舶における排ガスの水中排出装置。
  5. 【請求項5】 前記船体の中央部に、船舶の推進機関に
    より駆動されるプロペラ軸を貫設し、該プロペラ軸に連
    結されたプロペラと、前記海水ダクトの排水口とを船幅
    方向に並設したことを特徴とする請求項1記載の船舶に
    おける排ガスの水中排出装置。
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