JP2001238687A - C型肝炎ウイルスの遺伝子型の判定方法 - Google Patents

C型肝炎ウイルスの遺伝子型の判定方法

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JP2001238687A
JP2001238687A JP2000388595A JP2000388595A JP2001238687A JP 2001238687 A JP2001238687 A JP 2001238687A JP 2000388595 A JP2000388595 A JP 2000388595A JP 2000388595 A JP2000388595 A JP 2000388595A JP 2001238687 A JP2001238687 A JP 2001238687A
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hcv
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hepatitis
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virus
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Moritoshi Kinoshita
盛敏 木下
Yusuke Ishida
祐介 石田
Makoto Kuboki
真 久保木
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡便な操作および短時間で高確度で効率よくC
型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子のタイプ1並びにサブタイ
プ2a、2bおよび3aを判定し、C型肝炎の診断、治療など
のための薬物療法に関する適性な指針を与える方法を提
供。 【解決手段】HCV遺伝子の5'非翻訳領域の-167位、-163
位および-161位の塩基を決定し、これらの塩基情報に基
づいて遺伝子型のタイプ1並びにサブタイプ2a、2bおよ
び3aを判定するC型肝炎ウイルスの遺伝子型の判定方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、C型肝炎ウイルス
(Hepatitis C virus、以下「HCV」と略記する)の遺伝子
型の判定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】HCVには遺伝子変異が高頻度に認められ
(顕著な塩基多様性を示し)、このことから遺伝子配列
の違いに基づく型分類が行われている。現在、その遺伝
子型は、HCVを大きくタイプ1からタイプ6までの6つに分
類し、この1〜6に更にサブタイプとしてa,b,cなどを
附記して表記されている(P. Simmonds, et al., Journ
al of General Virology, 74, 661-668 (1993))。世界
に広く分布する代表的なHCVの遺伝子型としては、サブ
タイプ1a、1b、2a、2bおよび3aの5つが知られている。
【0003】近年、肝炎患者の血清中HCV-RNAゲノムの
検出が、HCV感染の直接証明となるとされ、該HCV-RNAゲ
ノムがウイルス増殖のマーカーとして臨床上有用である
として注目されつつある。最近の研究では、インターフ
ェロンによるHCV関連疾患の治療効果の予測のために、
患者血清中のHCV-RNA量と共にこの遺伝子型の情報が、
その指標として重要視されている。即ち、血清中HCV-RN
A量の少ない症例では著効例が多く、またサブタイプ1b
は、2aおよび2bに比して無効例が多いという事例が報告
されており(「インターフェロン療法の実際」、C型肝
炎の最新ガイド、株式会社南江堂、1994年)、患者にお
けるHCV-RNA量およびHCV遺伝子型に関する情報が得られ
れば、事前に該患者におけるインターフェロン投与によ
る治療効果が予測できることが知られている。
【0004】また、HCVの遺伝子型を判定すれば、各型
毎の肝炎の進行程度、肝硬変、肝癌などへの移行率、症
状の特徴などに関する解析が可能になり、この解析結果
を予後の予測、治療の指針などとすることができる。更
にこの解析結果は感染経路の解明なども役立つ。従っ
て、HCVの遺伝子型の判定は、HCVが関与する疾患の診
断、治療、予後の予測などの面で、極めて重要である。
【0005】従来、既にいくつかのHCVの遺伝子型判定
方法が報告されている。例えば岡本らは、HCVのコア領
域を標的として7種のプライマーを作成し、これらのプ
ライマーを組合せ、逆転写酵素を用いたRT-PCR(Reverse
Transcription-PCR, Genome Res., 6(10), 986 (199
6))を実施し、得られた遺伝子産物のサイズから遺伝子
型を判定する方法を報告している(H. Okamoto, et a
l., Journal of General Virology, 73, 673-679 (199
2))。また、茶山らは、HCVのNS5領域を選び、同様にし
て遺伝子型を判定する方法を報告している(茶山一彰
ら、「肝臓」、33巻、805-806頁、1992年)。更に、HCV
の5'-非翻訳領域(以下「5'-NCR」と略記する)の遺伝
子増幅産物を制限酵素により切断して遺伝子型の判定を
行う試み(F. McOmish, et al., Transfusion, 33, 7-1
3 (1993);特開平9-75100号公報など)、同増幅産物を
直接塩基配列決定して得られる塩基情報に基づいて遺伝
子型を判定する方法(Germer J. J., et al., J. Clin.
Microbiol., 37(8), 2625-2630 (1999); Holland J.,
et al., Pathology, 30(2), 192-195 (1998); Doglio
A., et al., Res. Virol., 149(4), 219-227 (1998))
なども報告されている。
【0006】しかしながら、上記報告された各種のHCV
遺伝子型の判定方法は、その判定精度、判定効率、操作
の煩雑さ、判定に要する時間、コストなどにおいて、尚
充分に満足できるものではなく、これらの改善された、
新しいHCV遺伝子型の判定方法の確立および臨床上HCVを
簡易・迅速に定量および遺伝子型判定できる系の開発が
望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
要望に合致する改良されたHCV遺伝子型の判定方法を提
供することにある。
【0008】本発明者らは、上記目的より、多数のC型
肝炎患者血清について、その5'-NCR(HCV-RNAの定性的
または定量的測定法において、従来よりPCR増幅されて
いる領域のひとつである)の塩基配列を決定して、遺伝
子型判定のアルゴリズム作成のデーターベースとした。
【0009】その結果、該5'-NCRの塩基配列中の特定位
置の数個の塩基が、HCV遺伝子型に特異的であり、特定
位置の少なくとも3つの塩基情報によって、HCV遺伝子の
タイプ1並びにサブタイプ2a、2bおよび3aが確実に判定
できるという事実を見出した。またこの知見を基礎とし
て、臨床検体中のHCV-RNAの定量と遺伝子型判定とを、
簡便な操作で、短時間で、同時に行い得る新しい方法
(系)の開発に成功した。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、HCV遺伝子の
5'-NCRの-167位、-163位および-161位の塩基を決定し、
これらの塩基情報に基づいて遺伝子型のタイプ1並びに
サブタイプ2a、2bおよび3aを判定する、HCVの遺伝子型
の判定方法を提供する。
【0011】本発明は、また、HCV遺伝子の5'-NCRの-16
7位、-163位、-161位および-99位の塩基を決定し、これ
らの塩基情報に基づいて遺伝子型のサブタイプ1a、1b、
2a、2bおよび3aを判定する、HCVの遺伝子型の判定方法
を提供する。
【0012】本発明は、更に、以下のHCV遺伝子の型判
定方法を提供する。 (i) HCV遺伝子の5'-NCRの-159位、-155位、-132位、-12
8位、-124位、-122位および-119位からなる群から選ば
れる少なくとも1つの塩基を決定し、該塩基情報を更に
参照する上記判定方法; (ii) HCV遺伝子の5'-NCRのPCR増幅産物を被検サンプル
とする上記判定方法; (iii) PCR増幅産物がHCV-RNAの定量測定法に従い得られ
るPCR増幅産物である上記判定方法;および (iv) 塩基の決定が、配列番号1の塩基配列からなるプラ
イマーを用いた直接塩基配列決定法に従い行われる上記
判定方法。
【0013】また、本発明は、配列番号1の塩基配列か
らなるプライマーを提供する。
【0014】更に、本発明は、検体中のHCV-RNA量の定
量とその遺伝子型の判定を行う方法であって、(a) HCV
遺伝子の5'-NCRをRT-PCRによって増幅してHCV-RNA量を
定量する工程、(b) 工程(a)で調製されたPCR増幅産物を
精製する工程、および(c) 工程(b)で精製されたPCR増幅
産物の塩基配列を決定してHCV-RNAの遺伝子型を判定す
る工程を含むことを特徴とする方法を提供する。
【0015】上記検体中のHCV-RNA量の定量とその遺伝
子型の判定を行う方法は、更に、以下の態様を包含す
る。 (i) 工程(a)で調製されたPCR増幅産物が、HCV遺伝子の
5'-NCRの-274番から-31番の塩基配列からなるDNA断片で
ある態様; (ii) 工程(a)で調製されたPCR増幅産物を、鋳型として
その領域内に設定したプライマーを用いて更にPCRによ
って増幅し、得られるPCR増幅産物を引続き工程(b)およ
び(c)に供する態様; (iii) 工程(b)の精製が、ガラス担体を用いたカラムク
ロマトグラフィーにより行われる態様; (iv) 工程(c)の塩基配列の決定が直接塩基配列決定法に
従い行われる態様。
【0016】本発明の遺伝子型判定方法は、容易且つ簡
便な操作で、短時間に、所望のHCVの遺伝子型判定を、
高精度に効率よく行うことができる。
【0017】また、本発明に係わるHCV-RNA量の定量と
その遺伝子型の判定を行う方法は、容易且つ簡便な操作
および短時間で、高精度で効率よく実施できるものであ
り、C型肝炎の診断、治療、予後の予測などに有効であ
る。特に、本発明方法によって、患者のHCVの遺伝子型
が判定できれば、該患者に対するインターフェロン投与
による治療効果を事前に予測することができ、かくし
て、個々の患者に合った適切な薬物療法を実施すること
ができる利点がある。
【0018】
【発明の実施の形態】本明細書において、アミノ酸、ペ
プチド、塩基配列、核酸、制限酵素、その他に関する略
号による表示は、IUPACおよびIUPAC-IUBによる命名法ま
たはその規定、および「塩基配列又はアミノ酸配列を含
む明細書等の作成のためのガイドライン」(平成9年3
月、特許庁調整課審査基準室)に従うものとする。
【0019】また、本発明におけるHCV遺伝子の5'-NCR
の塩基配列は、HCV遺伝子のサブタイプ1bの代表例とし
て、国立遺伝学研究所核酸データーベース(DDBJ)に登
録されているK-14(DDBJ D31602)を基準とし、その翻
訳領域の開始コドン(ATG)におけるAを0番目として、こ
のAの直前の5'-NCRにおける塩基を-1番目とし、5'上流
側に向かって連続する負の番号を付して示すものであ
る。
【0020】本発明によれば、上記の通り、HCV遺伝子
の5'-NCRにおける特定位置(即ち、-167位、-163位およ
び-161位)のわずか3つの塩基(および所望により更に-
99位を加えた4つの塩基)を同定するのみで、HCV遺伝子
型を正確に判定することができる。また、上記3ヶ所ま
たは4ヶ所に加えて、更に5'-NCR中の他の塩基情報、好
ましくは、-159位、-155位、-132位、-128位、-124位、
-122位および-119位からなる群から選ばれる少なくとも
1つの塩基を決定し、この塩基情報を参照することによ
って、より的確にHCV遺伝子型を判定することができ
る。
【0021】本発明者が確認した上記HCV遺伝子の5'-NC
Rにおける特定位置と、HCV遺伝子型との関連は、下記表
1に示されるとおりである。
【0022】
【表1】
【0023】上記表1に示されるとおり、HCV遺伝子の5'
-NCRの-167番目がT、-163番目がAおよび-161番目がGで
ある場合は、HCV遺伝子型はタイプ1と同定できる。この
タイプ1の同定に当たっては、更に-159番目がCまたは
T、-155番目がC、-132番目がG、-128番目がAまたはT、-
124番目がCまたはG、-122番目がC,GまたはTおよび-119
番目がAまたはGである塩基情報の少なくとも1つを参照
することができる。
【0024】当該タイプ1の同定は、患者由来の被検サ
ンプルを他の遺伝子型であるタイプ2、3などと明確に区
別できるものであり、これによって、例えば該患者に対
するインターフェロン投与による治療効果は充分に予測
可能である。
【0025】所望により、上記タイプ1は、更にそのサ
ブタイプ1aおよび1bを同定することもできる。このサブ
タイプ1aおよび1bの同定には、HCV遺伝子の5'-NCRの-99
番目の塩基情報が役立つ。即ち、当該-99番目の塩基がG
である場合は、サブタイプ1bと同定でき、またAである
場合は、実質的にサブタイプ1aと同定できる。
【0026】HCV遺伝子の5'-NCRの-167番目がT、-163番
目がGおよび-161番目がGである場合は、HCVの遺伝子型
はサブタイプ2aと同定できる。この同定には更に-159番
目がA、-155番目がT、-132番目がA、-128番目がT、-124
番目がC、-122番目がCおよび-119番目がCまたはTである
塩基情報の少なくとも1つを参照することができる。
【0027】HCV遺伝子の5'-NCRの-167番目がT、-163番
目がGおよび-161番目がAである場合は、HCVの遺伝子型
はサブタイプ2bと同定できる。この同定には更に-159番
目がA、-155番目がT、-1322番目がA、-128番目がT、-1
24番目がT、-122番目がCおよび-119番目がTである塩基
情報の少なくとも1つを参照することができる。
【0028】HCV遺伝子の5'-NCRの-167番目がC、-163番
目がGおよび-161番目がGである場合は、HCVの遺伝子型
はサブタイプ3aと同定できる。この同定には更に-159番
目がT、-155番目がC、-132番目がG、-128番目がA、-124
番目がC、-122番目CCおよび119番目がGである塩基情報
の少なくとも1つを参照することができる。
【0029】本発明のHCVの遺伝子型判定方法は、上記
の通りHCV遺伝子の5'-NCRの特定位置の塩基情報を指標
とするものであり、かかる塩基情報を得るための被検サ
ンプルの調製、その塩基配列の決定のための手法などに
は何ら限定はなく、公知もしくは将来得られ得る各種の
方法を広く採用することができる。
【0030】以下、本発明に係るHCV遺伝子型の判定方
法につき詳述すれば、本発明に係るHCV遺伝子型の判定
は、例えば前述した工程(a)〜(c)の実施により行うこと
ができる。この工程(a)〜(c)は、より詳しくは以下のご
とくして実施できる。 工程(a):PCR増幅産物の調製 本発明に従う遺伝子型判定に供される被検サンプルの好
ましい例としては、検体(HCV遺伝子)中の5'-NCRをRT-PC
Rに従い増幅させたPCR増幅産物を挙げることができる。
ここで、被検サンプルとしての上記PCR増幅産物は、HCV
遺伝子の5'-NCRの全領域に対応する塩基長を与えるもの
であってもよいが、特にその必要はなく、本発明のHCV
の遺伝子型判定に利用できる塩基情報を含むもの、即
ち、少なくとも5'-NCRの塩基番号-167〜-161位を含むDN
A断片、好ましくは-167〜-99位を含むDNA断片(部分DN
A)であればよい。
【0031】尚、RT-PCRは、HCV遺伝子の5'-NCRの特定
位置を含む適当な標的領域を特異的に増幅するように適
宜設定したプライマーを利用して、常法に従って実施す
ることができる。その実施には、例えば前記した既知判
定方法に係る文献などの記載が参照される。
【0032】このようなPCR増幅産物の調製には、既知
のHCV-RNA定量測定法に用いられる方法がそのまま利用
できる。かかる方法の利用によれば、本発明に係わるHC
V遺伝子の型判定のための所望のPCR増幅産物が調製でき
ると共に、該PCR増幅産物を利用して検体中のHCV-RNA量
も定量できる利点がある。
【0033】本発明方法の好ましい態様は、この工程
(a)においてHCV-RNA量を定量する態様を包含する。
【0034】HCV-RNAの定量は、HCV遺伝子の5'-NCRをRT
-PCRによって増幅してPCR増幅産物を得ることを前提と
して、その手法などにはなんらの限定もなく、従来より
知られているまたは将来得られ得る各種の方法を広く採
用して実施することができる。
【0035】本発明に係るHCVの遺伝子型判定方法に使
用できるHCV-RNAの定量測定法の具体例としては、例え
ば以下の市販の測定用キットを利用する方法を挙げるこ
とができる。
【0036】「アンプリコアTMHCVモニター(HCV-RNA測
定用)」(ロシュ・ダイアグノスティックス社製) 「アンプリコアTMHCVモニターv2.0(HCV-RNA測定
用)」(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)。
【0037】後者のキットを用いる定量測定法の実施に
際しては、HCV遺伝子の5'-NCRの-274番から-31番の塩基
配列からなる所望のPCR増幅産物が調製される。
【0038】上記測定キットを利用して調製されるPCR
増幅産物は、本発明のHCV遺伝子型の判定に極めて有効
に利用することができる。即ち、該PCR増幅産物は、調
製の簡便さはもとより、HCV-RNA量の定量と同時にその
遺伝子型判定を行うことができる点で極めて有利であ
る。
【0039】尚、上記HCV-RNA定量測定法に際して調製
されるPCR増幅産物は、所望により、これを鋳型とし
て、その一部領域を増幅するようにその領域内に適宜設
定したプライマーを利用して更に常法に従いPCR増幅し
てもよく、かくして得られる増幅産物を本発明に従う遺
伝子型判定のための被検サンプルとすることもできる。 工程(b):PCR増幅産物の精製 工程(a)で得られるPCR増幅産物を、常法、例えばガラス
担体を用いる通常のカラムクロマトグラフィーなどの精
製工程に付して精製する。
【0040】当該精製工程において用いられるカラム
は、市販の精製用カラムのいずれでもよい。好適なカラ
ムの例としては、例えばGFXカラム(アマシャムファル
マシア社)、セントリセップスピンカラム(PEバイオシ
ステムズ社)、セントリスピン20カラム(プリンストン
セパレーション社)などを例示できる。精製操作、精製
条件などは、これらのカラムを用いる通常の方法と特に
異なるものではなく、慣用される操作、条件を採用する
ことができる。 工程(c):塩基配列の決定と遺伝子型の判定 工程(b)で精製されたPCR増幅産物について、その塩基配
列、特にその特定位置の塩基配列を決定して、HCV-RNA
の遺伝子型を判定する。
【0041】当該塩基配列決定のための手法は、本発明
判定方法にかかる特定の塩基情報が得られる限りにおい
て何ら限定はない。該手法としては、公知もしくは将来
得られ得る各種の方法を広く採用することができる。
【0042】好ましくは、当該塩基配列の決定は、それ
に利用されるシークエンサ−が一般に広く採用されてい
ることより、任意のシ−クエンシング用プライマーを用
いる直接塩基配列決定法(例えばサイクルシークエンシ
ング法:服部正平、「PCRを用いた直接塩基配列決定
法」、実験医学(増刊)新PCRとその応用、29-35頁(19
97)、羊土社など)に従い実施することができる。
【0043】ここで、シ−クエンシング用プライマー
は、本発明にかかる特定の塩基情報が得られるように設
定したものである限り特に限定はなく、PCR増幅産物の
領域から任意に設定することができる。当該プライマー
の特に好ましいものとしては、HCV遺伝子の5'-NCRの-21
0番〜-189番に対応する配列番号1の塩基配列からなるプ
ライマー(「geno7」と命名)を例示することができ
る。
【0044】このプライマーgeno7は、HCV遺伝子型の判
定を行い得る塩基多様性を含む5'-NCRにおいて、どの遺
伝子型のHCV-RNAとも反応することができものであり、
その利用によれば、配列決定が極めて良好に実施でき
る。例えば後述する実施例では、配列決定に供した全て
の被検サンプルを例外なく配列決定できている。
【0045】本発明はかかる配列番号1の塩基配列から
なるプライマーをも提供するものである。
【0046】本発明に係るHCVの遺伝子型の判定方法に
おいて用いられる検体サンプルは、HCV遺伝子を含む限
り特に限定されるものではなく、例えば被検者から採取
されたHCV遺伝子を含むサンプルなどの各種生体試料の
いずれでもよい。臨床上の指標としては、特に血清など
の血液サンプルが好ましい。
【0047】また、本発明において採用され得る各種の
操作、例えば、RNAの抽出、DNAまたはDNA断片の合成、
切断、削除、付加または結合を目的とする酵素処理、RN
AまたはDNAの単離、精製、複製、選択、増幅などはいず
れも常法に従うことができる(分子遺伝学実験法、共立
出版(株)1983年発行;PCRテクノロジー、宝酒造
(株)1990年発行など参照)。またこれらのDNAなどは
必要に応じて適宜常法に従い修飾して用いることもでき
る。
【0048】本発明のHCVの遺伝子型判定方法によれ
ば、簡単な操作および短時間で、検体中のHCVの遺伝子
型を判定することができ、また同時にHCV-RNA量を測定
することができる。かかるHCV-RNA量とHCV遺伝子型とを
同時に一連の操作で知ることができる本発明方法に従え
ば、例えばC型肝炎患者におけるインターフェロンによ
る治療効果が予測でき、かくして個々の患者に合った適
切な治療を実施することも可能となる。この点より、本
発明方法は、C型肝炎患者などのHCVが関与する患者に対
するインターフェロン治療効果の有効性の判断に有用で
あり、本発明方法によって、非常に簡便にかつ正確に当
該効果の予測が可能である。
【0049】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。但し、本発明はこれらに何ら限定されるもの
ではない。実施例1 HCV-RNAの5'-NCRの塩基配列ライブ
ラリー (1)プライマーの調製 本例において用いたプライマー(geno7, geno5およびge
no6)の塩基配列をそれぞれ配列番号1、2および3に示
す。これらは、自動シンセサイザーを用いて合成した。
【0050】プライマーgeno7は、シークエンシング用
であり、HCV-RNAのコア蛋白のイニシエーションコドンA
TGのAを0番とした時の-210番から-189番の配列に相当す
る。
【0051】プライマーgeno5およびgeno6は、PCR用で
あり、それぞれ同-271番から-252番および同-64番から-
43番の配列に相当する。 (2)サンプルの調製 岡本法(「スマイテストHCVジェノタイプ」(株)特殊
免疫研究所)でHCV-RNAの遺伝子型を決定しておいた57
例の患者血清におけるHCV-RNA量を、HCV-RNA定量測定キ
ット「アンプリコアTMHCVモニターv2.0(HCV-RNA測定
用)」(ロシュ・ダイアグノスティックス社)を用い
て、同キット操作法に従い定量した。
【0052】上記測定キットは、HCV遺伝子の5'-NCRの-
274番から-31番の配列からなる244bpのPCR産物を与える
ものであり、この定量済みPCR産物溶液を利用して、以
下の通り遺伝子型判定のための被検サンプルを調製し
た。
【0053】PCR産物は、GFXカラム(GFXTMPCR DNA and
Gel Band Purification: アマシャム・ファルマシア
社)を用いて精製した。
【0054】即ち、GFXカラムに同キット添付のコレク
ションチューブをセットし、同キット添付のキャプチャ
ー緩衝液500μlをカラムに加えた後、「アンプリコアTM
HCVモニターv2.0」で定量済みのPCR産物溶液60μlを加
えて、4〜6回ピペッティングにより攪拌した。このGFX
カラムをコレクションチューブをセットしたまま15000
回転/分で30秒間遠心し、コレクションチューブに溶出
される溶液を取り除いた。再度コレクションチューブを
セットし、同キット添付のウォッシュ緩衝液500μlをGF
Xカラムに加え、15000回転/分で30秒間遠心し、コレク
ションチューブに溶出される溶液ごとコレクションチュ
ーブを廃棄した。次にGFXカラムに1.5mlサンプルチュー
ブをセットし、1 mM EDTAを含む10mMトリス緩衝液(pH
8.0)の20μlをGFXカラムに加え、室温に1分間放置した
後、15000回転/分で1分間遠心して、1.5mlサンプルチ
ューブに溶出してくるPCR産物を回収した。
【0055】回収したPCR産物の1μlを取り、3%アガロ
ースゲルにて電気泳動し、エチジウムブロミド染色にて
244bpのPCR産物のバンドを確認した。
【0056】ここでバンドが確認された場合には、回収
したPCR産物を被検サンプルとして後述のシークエンシ
ング反応に供した。
【0057】一方、244bpのバンドが確認されない場合
には、シークエンシング反応に供するPCR産物が不足し
ていると考えられるため、geno5プライマーとgeno6プラ
イマーによるPCR増幅を行った。即ち、「アンプリコア
TMHCVモニターv2.0」のPCR産物溶液2μlに、10×PCR緩
衝液(アドバンスドバイオテクノロジー社)2μl、10mM
dNTPs溶液(パーキン・エルマー社)1.6μl、25mM MgC
l2(アドバンスドバイオテクノロジー社)1.2μl、10pm
ol/μlのgeno5プライマー溶液0.8μl、10pmol/μlのgen
o6プライマー溶液0.8μlおよび「Thermostable DNAポリ
メラーゼ」(アドバンスドバイオテクノロジー社)0.5U
を加え、総容量20μlとして94℃、3分間の後、94℃、30
秒間、56℃、30秒間および72℃、90秒間のサイクルを35
サイクル行い、次いで72℃、10分間反応させた。
【0058】かくして得たPCR産物の全量をGFXカラムに
て同様に精製し、被検サンプルとしてシークエンシング
反応に供した。 (3)シークエンシング(塩基配列の決定) シークエンシング反応は、gene7プライマーによる直接
塩基配列決定法(サイクルシークエンシング法)に従い
以下の通り行った。
【0059】即ち、前記被検サンプル(PCR産物)2μl
に、「BigDye Terminator Rmix」(パーキン・エルマー
社)4μl、3.2pmol/μlのgeno7プライマー溶液0.5μlお
よび滅菌蒸留水を加えて総容量10μlとして、96℃、30
秒間、50℃、30秒間および60℃、4分間のサイクルを35
サイクル行った。シークエンシング反応後、反応液に脱
イオン化ホルムアミド色素液を加えて、ABI377自動シー
クエンサー(パーキン・エルマー社)にて塩基配列を決
定した。 (4)HCV遺伝子の5'-NCRの塩基配列データベースと遺伝子
型判定 (4-1) 上記57例の患者血清サンプルのHCV遺伝子型は、
岡本法でサブタイプ1b、2aおよび2bの3種と同定され
た。
【0060】これらのサンプルのHCV遺伝子の5'-NCRの
塩基配列情報を、遺伝子型決定のための遺伝子型判定ア
ルゴリズム作成にデータベースとして供した。
【0061】尚、遺伝子型サブタイプ3aの同定には、既
存のHCV株の配列情報(GeneBank No. HCV6311, HCV6318
およびHCV6323)を利用した。
【0062】当該データベースを注意深く観察すること
により、HCV遺伝子の5'-NCRの-167番目、-163番目およ
び-161番目の塩基は、HCV遺伝子型のサブタイプ1b、2
a、2bおよび3aの各遺伝子型で共通しており、この3ヵ所
の塩基情報に基づけば、これら遺伝子型間の区別乃至同
定が可能であることがわかった。
【0063】即ち、HCV遺伝子型のサブタイプ1bでは、H
CV遺伝子の5'-NCRの-167番目が「T」、-163番目が「A」
および-161番目が「G」であった。
【0064】HCV遺伝子型のサブタイプ2aでは、HCV遺伝
子の5'-NCRの-167番目が「T」、-163番目が「G」および
-161番目が「G」であった。
【0065】HCV遺伝子型のサブタイプ2bでは、HCV遺伝
子の5'-NCRの-167番目が「T」、-163番目が「G」および
-161番目が「A」であった。
【0066】HCV遺伝子型のサブタイプ3aでは、HCV遺伝
子の5'-NCRの-167番目が「C」、-163番目が「G」および
-161番目が「G」であった。 (4-2) 上記57例の患者サンプル中にはHCV遺伝子型のサ
ブタイプ1aは存在しておらず、このサブタイプ1aの遺伝
子型判定に関する情報が得られないため、岡本法でHCV
遺伝子型がサブタイプ1aおよび1bと判定された両者を含
むサンプルとして、血友病患者の血清を用いて、実施例
1に記載の本発明方法を繰り返し、各サンプルのHCV遺
伝子の5'-NCRの塩基配列情報を得た。
【0067】その結果、岡本法で判定されたサブタイプ
1aおよび1bの両者とも、共通してHCV遺伝子の5'-NCRの-
167番目は「T」、-163番目は「A」および-161番目は
「G」であった。このことから、本発明方法によってHCV
遺伝子型のタイプ1の同定が可能であることが判った。
【0068】更に、本発明方法に従えば、岡本法でサブ
タイプ1aと判定されたサンプルにおけるHCV遺伝子の5'-
NCRの-99番目の塩基は、11例全例においていずれも
「A」であった。一方、HCV遺伝子の5'-NCRの-99番目の
塩基が「G」と決定されたサンプルは、HCV遺伝子型のサ
ブタイプ1bと同定できた。
【0069】これらのことから、本発明方法によって、
HCV遺伝子の5'-NCRの-167、-163、-161および-99位の遺
伝子情報に基づいて、HCV遺伝子型のタイプ乃至サブタ
イプの区別乃至同定が可能であることが判った。 実施例2 HCV遺伝子型の判定 C型肝炎患者の血清を用いて、実施例1に従いHCV遺伝子
型の判定を行った。
【0070】即ち、「アンプリコアTMHCVモニターv2.
0」でウイルス量を定量した患者血清サンプルにつき、
そのHCV遺伝子の5'-NCRの塩基配列を決定し、実施例1で
示した塩基情報に基づく遺伝子型判定を行った。
【0071】実施例1の57例を含む全290サンプルについ
てのHCV-RNA量の定量結果と遺伝子型判定結果は次のと
おりであった。即ち、全290例中284例についてHCV-RNA
量の定量が可能であり、被検者におけるウイルス量が把
握できた。当該定量法に従うPCR産物を利用することに
より、290例全てにおいて、そのHCV遺伝子の5'-NCRの塩
基配列の決定が可能であった。
【0072】このことから、本発明によれば、被検者に
おけるHCV-RNA 量の定量とその遺伝子型の判定との両者
を非常に簡単に実施でき、得られた情報から、当該被検
者におけるインターフェロン治療効果が予測でき、かく
して本発明方法は臨床上極めて有用であることが判っ
た。
【0073】上記で決定されたHCV遺伝子の5'-NCRの特
定位置における塩基情報に基づく遺伝子型判定結果は、
以下の通りである。 (タイプ1):タイプ1と判定された例数は220例であ
り、これらは岡本法での遺伝子型判定結果(全例が1bで
あった)に一致していた。これら全例において、-167番
目の塩基は「T」、-163番目の塩基は「A」および-161番
目の塩基は「G」であった。
【0074】-159番目の塩基は「C」として特徴付けら
れた(但し、8例で「T」が、3例で「C」および「T」の
両者が検出された)。
【0075】-155番目の塩基は「C」として特徴付けら
れた。
【0076】-132番目の塩基は「G」として特徴付けら
れた。
【0077】-128番目の塩基は「A」として特徴付けら
れた(但し、1例で「T」が同時に検出された)。
【0078】-124番目の塩基は「C」として特徴付けら
れた(但し、1例で「G」が同時に検出された)。
【0079】-122番目の塩基は「T」として特徴付けら
れた(但し、「C」または「G」が各1例で同時に検出さ
れた)。
【0080】-119番目の塩基は「A」として特徴付けら
れた(但し、2例で「G」が同時に検出された)。 (サブタイプ1aおよび1b):上記タイプ1と判定された2
20例は、いずれも岡本法での遺伝子型判定では1bと判定
され、その中に1aと判定されたサンプルはなかった。
【0081】この220例および前記(4-2)に示した血友病
患者サンプル111例における-99番目の塩基は次の通りで
あった。
【0082】サブタイプ1a全11例において、-99番目の
塩基は「A」として特徴付けられた。
【0083】サブタイプ1b全320例において、-99番目の
塩基は「G」として特徴付けられた(但し、5%弱の16例
において「A」が検出された)。 (サブタイプ2a):サブタイプ2aと判定された例数は42
例であり、これら全例において、-167番目の塩基は
「T」、-163番目の塩基は「G」および-161番目の塩基は
「G」であった。
【0084】これら42例中41例は、岡本法での型判定結
果と一致していた。不一致例は、岡本法で(サブタイプ
1b+2a)混合型とされた1例であり、本発明の判定方法
ではその主要なタイプ(サブタイプ2a)を判定している
と考えられる。また、これら42例における下記特定位置
の塩基はそれぞれ次の通りである。
【0085】-159番目の塩基は「A」として特徴付けら
れた。
【0086】-155番目の塩基は「T」として特徴付けら
れた。
【0087】-132番目の塩基は「A」として特徴付けら
れた。
【0088】-128番目の塩基は「T」として特徴付けら
れた。
【0089】-124番目の塩基は「C」として特徴付けら
れた。
【0090】-122番目の塩基は「C」として特徴付けら
れた。
【0091】-119番目の塩基は「C」として特徴付けら
れた(但し、1例で「T」が、2例で「C」および「T」の
両者が検出された)。 (サブタイプ2b):サブタイプ2bと判定された全26例に
おいて、-167番目の塩基は「T」、-163番目の塩基は
「G」および-161番目の塩基は「A」であった。
【0092】これら26例全例は、岡本法での型判定結果
と一致していた。以下の特定位置における塩基はそれぞ
れ次の通りである。
【0093】-159番目の塩基は「A」として特徴付けら
れた。
【0094】-155番目の塩基は「T」として特徴付けら
れた。
【0095】-132番目の塩基は「A」として特徴付けら
れた。
【0096】-128番目の塩基は「T」として特徴付けら
れた。
【0097】-124番目の塩基は「T」として特徴付けら
れた。
【0098】-122番目の塩基は「C」として特徴付けら
れた。
【0099】-119番目の塩基は「T」として特徴付けら
れた。 (サブタイプ3a):試験した290例中に、サブタイプ3a
と判定されたサンプルはなかった。 (タイプ1+サブタイプ2b)混合型:2例において、-167
番目の塩基として「T」、-163番目の塩基として「A」お
よび「G」、-161番目の塩基として「A」および「G」、-
159番目の塩基として「A」および「C」、-155番目の塩
基として「C」および「T」、-132番目の塩基として
「A」および「G」、-128番目の塩基として「A」および
「T」、-124番目の塩基として「C」および「T」、-122
番目の塩基として「C」および「T」、-119番目の塩基と
して「A」および「T」をそれぞれ検出した。
【0100】このことから上記2例は、(タイプ1+サブ
タイプ2b)の混在型と判定され、これは岡本法での型判
定結果に一致していた(表2参照)。
【0101】以上のことから、HCV遺伝子の5'-NCRの-16
7番目、-163番目および-161番目の塩基情報に基づけ
ば、HCV遺伝子型のタイプ1並びにサブタイプ2a、2bおよ
び3aの区別乃至同定が極めて簡便に行い得ることがわか
った。
【0102】また、HCV遺伝子の5'-NCRの-99番目の塩基
情報に基づいて、サブタイプ1aおよび1bの区別乃至同定
が行い得ることがわかった。
【0103】更に、HCV遺伝子の5'-NCRの-159番目、-15
5番目、-132番目、-128番目、-124番目、-122番目およ
び-119番目の塩基は、同様にそれぞれの遺伝子型に特徴
的であり、必要に応じてこれらの少なくともひとつの塩
基情報を更に参照することにより、より的確な遺伝子型
判定が可能であることがわかった。
【0104】本発明方法に従い求められる特定位置にお
ける塩基情報と遺伝子型との関連は、前述した表1に示
すとおりである。
【0105】以上の結果(本発明方法と岡本法による型
判定結果との対比)をまとめて表2に示す。
【0106】
【表2】
【0107】また、本発明方法に従い得られた結果を、
群別測定(セログルーピング)と対比して表3に示す。
【0108】
【表3】
【0109】尚、表3において、群別測定は、市販のキ
ット(イムチェック・F-HCV「コクサイ」;国際試薬
(株))を用いて該キットの仕様書に従い実施した。表
中、群別測定における「untyped」は、同法による判定
不能例(グループ1の抗体もグループ2の抗体も検出でき
なかった例)および判定保留例(グループ1の抗体とグ
ループ2の抗体の両者が検出され判定できなかった例)
を示す。
【0110】表3に示す結果より、群別測定では、290例
中、41例で判定不能または判定保留となり、治療指針と
なる群別判定情報を得ることはできなかったのに比し
て、本発明方法によれば、より多くのサンプルで当該情
報を得ることが可能であることが判る。
【0111】更に、本発明方法に従う遺伝子型判定結果
とウイルス量定量結果を対比して表4に示す。
【0112】
【表4】
【0113】表4に示す結果より、290例中、6例のみウ
イルス量が0.5KIU/ml未満となったが、これらのサンプ
ルにおいても本発明の遺伝子型判定は可能であった。ま
た、上記6例を除く284 例では、ウイルス量の定量と遺
伝子型判定とが同時に行い得た。これらのことから本発
明方法はウイルスの検出面においても充分に高感度であ
り有用と考えられることが明らかとなった。
【0114】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Otsuka Pharmaceutical Co., ltd. <120> A method for determination of hepatitis C virus genotype <130> C100JP <150> JP H11-363869 and JP H11-363871 <151> 1999-12-22 and 1999-12-22 <160> 3 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <223> geno 7 primer <400> 1 ggagagccat agtggtctgc gg 22 <210> 2 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <223> geno 5 primer <400> 2 gaaagcgtct agccatggcg 20 <210> 3 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <223> geno 6 primer <400> 3 ctatcaggca gtaccacaag gc 22

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C型肝炎ウイルス遺伝子の5'非翻訳領域の-
    167位、-163位および-161位の塩基を決定し、これらの
    塩基情報に基づいて遺伝子型のタイプ1並びにサブタイ
    プ2a、2bおよび3aを判定する、C型肝炎ウイルスの遺伝
    子型の判定方法。
  2. 【請求項2】C型肝炎ウイルス遺伝子の5'非翻訳領域の-
    167位、-163位、-161位および-99位の塩基を決定し、こ
    れらの塩基情報に基づいて遺伝子型のサブタイプ1a、1
    b、2a、2bおよび3aを判定する、C型肝炎ウイルスの遺伝
    子型の判定方法。
  3. 【請求項3】C型肝炎ウイルス遺伝子の5'非翻訳領域の-
    159位、-155位、-132位、-128位、-124位、-122位およ
    び-119位からなる群から選ばれる少なくとも1つの塩基
    を決定し、該塩基情報を更に参照する請求項1に記載の
    判定方法。
  4. 【請求項4】C型肝炎ウイルス遺伝子の5'非翻訳領域のP
    CR増幅産物を被検サンプルとする請求項1に記載の判定
    方法。
  5. 【請求項5】PCR増幅産物がC型肝炎ウイルス-RNA定量的
    測定法に従い得られるPCR増幅産物である請求項4に記載
    の判定方法。
  6. 【請求項6】塩基の決定が、配列番号1の塩基配列から
    なるプライマーを用いた直接塩基配列決定法に従い行わ
    れる請求項1に記載の判定方法。
  7. 【請求項7】配列番号1の塩基配列からなるプライマ
    ー。
  8. 【請求項8】検体中のC型肝炎ウイルス-RNA量を定量す
    ると共に、その遺伝子型を判定する方法であって、以下
    の工程(a)〜(c): (a) C型肝炎ウイルス遺伝子の5'非翻訳領域をRT-PCRに
    よって増幅してC型肝炎ウイルス-RNA量を定量する工
    程、 (b) 工程(a)で調製されたPCR増幅産物を精製する工程、
    および (c) 工程(b)で精製されたPCR増幅産物の塩基配列を決定
    してC型肝炎ウイルス-RNAの遺伝子型を判定する工程、
    を含むことを特徴とする方法。
  9. 【請求項9】工程(a)で調製されたPCR増幅産物が、C型
    肝炎ウイルス遺伝子の5'非翻訳領域の-274番から-31番
    の塩基配列からなるDNA断片である請求項8に記載の方
    法。
  10. 【請求項10】工程(a)で調製されたPCR増幅産物を、鋳
    型としてその領域内に設定したプライマーを用いて更に
    PCRによって増幅し、得られるPCR増幅産物を引続き工程
    (b)および工程(c)に供する請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】工程(b)の精製が、ガラス担体を用いた
    カラムクロマトグラフィーにより行われる請求項8に記
    載の方法。
  12. 【請求項12】工程(c)の塩基配列の決定が直接塩基配
    列決定法に従い行われる請求項8に記載の方法。
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