JP2001238582A - 両軸受リールのクラッチ戻し装置 - Google Patents

両軸受リールのクラッチ戻し装置

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JP2001238582A
JP2001238582A JP2000056859A JP2000056859A JP2001238582A JP 2001238582 A JP2001238582 A JP 2001238582A JP 2000056859 A JP2000056859 A JP 2000056859A JP 2000056859 A JP2000056859 A JP 2000056859A JP 2001238582 A JP2001238582 A JP 2001238582A
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return
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spool
dual
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Shinichi Morimoto
伸一 森本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リール本体や戻し部材の構造を簡素化しかつ
クラッチ戻し装置の製造コストの低減を図る。 【解決手段】 クラッチ戻し装置50は、クラッチ機構
をハンドルの糸巻取方向の回転に連動してクラッチオフ
状態から前記クラッチオン状態に復帰させる装置であっ
て、ハンドルに連動するラチェットホイールと、戻し部
材51と、連結機構53と、戻し部材を振り分けて付勢
するトグルばね56とを備えている。戻し部材は、クラ
ッチカムに連結され、その回動に応じてラチェットホイ
ールに係合する係合位置と離反する非係合位置とに揺動
しつつ移動する。連結機構は戻し部材に移動部材に形成
された板状の突起部53aと、突起部に係合するように
クラッチカムの一部を切り欠いて形成された連結部53
bとを有し、戻し部材を所定範囲揺動自在かつクラッチ
カムの移動方向に移動不能に連結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クラッチ戻し装
置、特に、リール本体に移動自在に装着されたクラッチ
操作部材によりスプールとハンドルとを連結するクラッ
チオン状態から遮断するクラッチオフ状態に操作される
両軸受リールのクラッチ機構をハンドルの糸巻取方向の
回転に連動してクラッチオフ状態からクラッチオン状態
に復帰させる両軸受リールのクラッチ戻し装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】両軸受リールは、従来、ハンドルを有す
るリール本体と、リール本体に回転自在に装着されたス
プールと、ハンドルの回転をスプールに伝達する回転伝
達機構とを備えている。回転伝達機構には、ハンドルと
スプールとを連結・遮断するクラッチ機構が設けられて
いる。クラッチ機構は、クラッチ操作部材により連結状
態(クラッチオン状態)と遮断状態(クラッチオフ状
態)とに操作される。小型の両軸受リールでは、クラッ
チ操作部材はリール本体の後部に設けられ、クラッチオ
ンからクラッチオフだけを行えるようになっている。ク
ラッチオフからクラッチオンは、ハンドルの糸巻取方向
の回転に連動して動作するクラッチ戻し装置により行わ
れる。
【0003】従来のクラッチ戻し装置は、ハンドルの回
転に連動して回転するギア部材と、クラッチ操作部材に
連動するクラッチプレートに連結された戻し部材と、戻
し部材を付勢するトグルばねとを有している。クラッチ
プレートは、クラッチ操作部材に連動して動作してクラ
ッチ機構をクラッチオン状態からクラッチオフ状態に切
り換える。戻し部材は、クラッチプレートにカシメ固定
されたピンによりクラッチプレートに揺動自在に連結さ
れ、クラッチプレートの移動に連動してギア部材に当接
する係合位置と離反する非係合位置とに揺動しつつ移動
する。戻し部材は、リール本体に設けられた案内部に係
合する係合部を有し、案内部によって係合位置と非係合
位置との間で揺動範囲を規制された状態で案内される。
トグルばねは、戻し部材の移動に伴って係合位置と非係
合位置とに付勢する。
【0004】従来のクラッチ戻し装置では、クラッチ操
作部材がクラッチオン位置からクラッチオフ位置に操作
されると、クラッチプレートの移動によりクラッチ機構
がクラッチオフ状態になる。また、クラッチプレートの
移動に連動して戻し部材が非係合位置から係合位置に揺
動しつつ移動する。戻し部材が移動してトグルばね死点
を越えると、係合位置側に付勢される。この状態で、ハ
ンドルが糸巻取方向に回転すると、ギア部材が係合位置
にある戻し部材を蹴って戻し部材が案内部に案内されて
非係合位置側に戻る。そして、トグルばねの死点を越え
ると戻し部材が非係合位置に付勢される。また、戻し部
材が非係合位置に戻ると、それに連動してクラッチプレ
ートが移動してクラッチ機構がクラッチオン状態にな
り、さらにクラッチ操作部材がクラッチオン位置に戻
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成では、
クラッチプレートにカシメ固定されたピンによって戻し
部材を揺動自在に連結している。このため、ピンを用意
して加工する工程や加工されたピンをクラッチプレート
にかしめる工程が必要になり、クラッチ戻し装置の製造
コストを低減しにくい。しかも、リール本体に案内部を
設けるとともに案内部に係合する係合部を設けて揺動範
囲を規制しつつ案内しなければならず、戻し部材やリー
ル本体の構造も複雑になる。
【0006】本発明の課題は、リール本体や戻し部材の
構造を簡素化しかつクラッチ戻し装置の製造コストの低
減を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明1に係る両軸受リー
ルのクラッチ戻し装置は、リール本体に移動自在に装着
されたクラッチ操作部材によりスプールとハンドルとを
連結するクラッチオン状態から遮断するクラッチオフ状
態に操作される両軸受リールのクラッチ機構をハンドル
の糸巻取方向の回転に連動してクラッチオフ状態からク
ラッチオン状態に復帰させる装置であって、回転部材
と、戻し部材と、連結手段と、トグルばね手段とを備え
ている。回転部材は、ハンドルの回転に連動して回転す
る。戻し部材は、クラッチ操作部材のクラッチオフ方向
の移動に連動して移動する移動部材に連結され、移動部
材の移動に応じて回転部材に係合する係合位置と回転部
材から離反する非係合位置とに揺動しつつ移動する。連
結手段は移動部材と戻し部材とのいずれか一方に移動部
材の移動方向と交差する方向に突出して形成された板状
の突起部と、突起部に係合するように移動部材と戻し部
材との他方の一部を切り欠いて形成された連結部とを有
し、戻し部材を移動部材に所定範囲揺動自在かつ移動部
材の移動方向に移動不能に連結するための手段である。
トグルばね手段は、戻し部材を係合位置と非係合位置と
に振り分けて付勢する。
【0008】このクラッチ戻し装置では、クラッチ操作
部材がクラッチオフ方向に操作されると、それに連動し
て移動部材が移動し、移動部材の移動に応じて戻し部材
が回転部材に当接する係合位置に揺動しつつ移動する。
このとき、戻し部材は、連結手段によって揺動範囲を所
定範囲に規制された状態で移動する。そして、トグルば
ね手段の死点を越えると、係合位置に向けて付勢され
る。この状態で回転部材が糸巻取方向に回転すると、係
合位置にある戻し部材が回転部材に係合して非係合位置
側に移動する。これにより戻し部材に連結された移動部
材も元の位置に移動し、クラッチ機構がクラッチオン状
態になりかつ操作部材もクラッチオン位置に戻る。ここ
では、移動部材と戻し部材とのうち一方の部材に突出し
て形成された板状の突起部と、他方の部材を切り欠いて
形成された連結部とによって連結手段を構成したので、
ピンを用いる必要がなくなり連結手段の構成が簡素にな
る。しかも、連結手段によって揺動範囲を規制したの
で、リール本体に案内部を設けることなく戻し部材を係
合位置に案内できる。このため、リール本体や戻し部材
の構造も簡素になる。
【0009】発明2に係る両軸受リールのクラッチ戻し
装置は、発明1に記載の装置において、戻し部材は板状
の部材であり、突起部は、戻し部材の一部を折り曲げて
形成され、連結部は、移動部材の一部を切り欠いて形成
されている。この場合には、戻し部材に比べて複雑な形
状の移動部材に切欠きによって形成された連結部を設け
ているので、移動部材の構造が簡素になり移動部材を製
造しやすくなる。
【0010】発明3に係る両軸受リールのクラッチ戻し
装置は、発明2に記載の装置において、連結部は、突起
部が前記所定範囲で揺動可能なように一端が狭い略扇形
形状に移動部材の一部を切り欠いて形成されている。こ
の場合には、切り欠かれた扇形形状の狭い一端を揺動中
心として揺動範囲を規制して戻し部材を揺動させること
ができる。
【0011】発明4に係る両軸受リールのクラッチ戻し
装置は、発明3に記載の装置において、突起部は、戻し
部材の移動方向に沿って折り曲げられた平面を有し、連
結部は、移動方向上流側が狭い略扇形形状に形成されて
いる。この場合には、突起部が移動方向に沿って形成さ
れているので、突起部の移動方向の強度が高くなるとと
もに、連結部と突起部とが接触する部分が狭い扇形形状
に連結部が形成されているので、移動時に戻し部材が揺
動しやすくなる。
【0012】発明5に係る両軸受リールのクラッチ戻し
装置は、発明2に記載の装置において、連結部は、突起
部が前記所定範囲で揺動可能なように中央部が狭い略鼓
形状に移動部材の一部を切り欠いて形成されている。こ
の場合には、鼓形形状の中央部の狭い部分を揺動中心と
して揺動範囲を規制して戻し部材を揺動させることがで
きる。
【0013】発明6に係る両軸受リールのクラッチ戻し
装置は、発明5に記載の装置において、突起部は、戻し
部材の移動方向と交差する方向に沿って折り曲げられた
平面を有し、連結部は、移動方向と交差する方向に長い
略鼓形状に形成されている。この場合には、連結部が中
央が狭い鼓形状に形成されているので、移動時に突起部
が連結部の狭い中心部分に接触して戻し部材が揺動しや
すくなる。
【0014】発明7に係る両軸受リールのクラッチ戻し
装置は、発明1から6のいずれかに記載の装置におい
て、回転部材は、外周部に周方向に間隔を隔てて配置さ
れた複数の歯部を有し、戻し部材は、歯部に先端が当接
する。この場合には、複数の歯部に爪部材を当接させる
ことによって、回転部材をハンドルの糸繰り出し方向の
回転を禁止するワンウェイクラッチの構成部品と兼用で
きる。
【0015】発明8に係る両軸受リールのクラッチ戻し
装置は、発明1から7のいずれかに記載の装置におい
て、移動部材は、スプールの回転軸回りに回動し、戻し
部材は、移動部材の回動に連動して係合位置と非係合位
置との間で揺動しつつ移動する。発明9に係る両軸受リ
ールのクラッチ戻し装置は、発明1から7のいずれかに
記載の装置において、移動部材は、スプールの回転軸に
接離する方向に往復移動し、戻し部材は、移動部材の往
復移動に連動して係合位置と非係合位置との間で揺動し
つつ移動する。
【0016】
【発明の実施の形態】〔実施形態1〕 〔全体構成〕図1において、本発明の一実施形態による
両軸受リールは、水深表示機能を有する手巻きのリール
である。
【0017】両軸受リールは、釣り竿に装着されるリー
ル本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール
回転用のハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に
配置されたドラグ調整用のスタードラグ3と、リール本
体1の内部に回転自在に装着された糸巻用のスプール1
5と、クラッチ操作用のクラッチ操作レバー12とを主
に備えている。
【0018】リール本体1は、図1及び図2に示すよう
に、左右1対の側板7a,7bとそれらを連結する複数
の連結部材7cとからなるフレーム7と、フレーム7の
左右を覆う左右の側カバー8a,8bとを有している。
フレーム7の下面には、釣り竿に設けられたリールシー
トに両軸受リールを装着するための竿装着脚11が設け
られている。竿装着脚11は、スプール15の軸方向の
中心位置よりハンドル2側に偏ってフレーム7の下面の
連結部材7cに一体形成されている。フレーム7の後部
には、サミングを行う場合の親指の当てとなるサムレス
ト17が配置されている。サムレスト17は、後部の連
結部材7cと一体で形成されている。
【0019】リール本体1の前側(糸繰り出し側)上部
には、水深表示装置としてのカウンター4が固定されて
いる。カウンター4の内部には、仕掛けの水深や棚位置
を水面からと底からとの2つの基準で表示するための液
晶表示ディスプレイからなる水深表示部5と、水深表示
部5の右側に配置された3つのスイッチ6a〜6cから
なる操作キー部6とが設けられている。ここで、例えば
図1上側のスイッチ6aは電源をオンオフするための電
源操作スイッチであり、中間のスイッチ6bは、モード
切り換えスイッチであり、下側のスイッチ6cは底や棚
等をメモするためのスイッチである。
【0020】図2に示すように、フレーム7内には、ス
プール15と、スプール15に釣糸を均一に巻くための
レベルワインド機構(図示せず)とが配置されている。
また、フレーム7と側カバー8bとの間には、ハンドル
2からの回転力をスプール15に伝えるためのクラッチ
機構13を含む第1回転伝達機構18と、クラッチ操作
レバー12の操作に応じてクラッチ機構13を係脱する
ためのクラッチ制御機構19と、スプール15にドラグ
力を作用させるドラグ機構21と、スプール15の回転
時の抵抗力を調整するためのキャスティングコントロー
ル機構22とが配置されている。また、フレーム7と側
カバー8aとの間には、スプール15の回転力をレベル
ワインド機構に伝えるための第2回転伝達機構23が配
置されている。
【0021】スプール15は両端にフランジ部15aを
有しており、両フランジ部15aの間に糸巻き胴部15
bを有している。スプール15はその中心を貫通するス
プール軸24に固定されている。スプール軸24は軸受
によってフレーム7に回転自在に支持されており、側カ
バー8b側の端部は側板7bを貫通して側方に突出する
ように延びている。
【0022】第1回転伝達機構18は、リール本体1に
回転自在に支持されたハンドル軸30と、ハンドル軸3
0に固定されたマスターギヤ31と、マスターギヤ31
に噛み合うピニオン32とを有している。ハンドル軸3
0は、一端がリール本体1の外部に突出し、その先端に
ハンドル2が回転不能に装着されている。マスターギア
31は、ハンドル軸30に回転自在に装着されており、
ドラグ機構21を介してハンドル軸30の回転が伝達さ
れる。
【0023】ピニオン32は、一端側外周部に形成され
た歯部32aと、他端側に形成された噛み合い部32b
と、歯部32aと噛み合い部32bとの間に形成された
小径部32cとを有している。噛み合い部32bの中心
部には係合溝が形成されており、スプール軸24に形成
された係合凸部24aと係合あるいは離脱が可能であ
る。このようなピニオン32の噛み合い部32bとスプ
ール軸24の係合凸部24aとによりクラッチ機構13
が構成されている。ここでは、ピニオン32が外方に移
動してその噛み合い部32bの係合溝とスプール軸24
の係合凸部24aとが離脱すると、ハンドル軸30から
の回転力はスプール軸24に伝達されない。この状態が
クラッチオフ状態(離脱状態)である。一方、ピニオン
32が内方に移動してその噛み合い部32bの係合溝と
スプール軸24の係合凸部とが係合すると、ハンドル軸
30からの回転力がスプール軸24に伝達される。この
状態がクラッチオン状態(連結状態)である。
【0024】〔クラッチ回りの構成〕次に、クラッチ操
作レバー12とクラッチ制御機構19とについて詳細に
説明する。クラッチ操作レバー12は、図3に示すよう
に、スプール15の後方かつ上方で側カバー8bに揺動
自在に装着されている。クラッチ操作レバー12は、側
カバー8bに揺動自在に支持される揺動軸12bと、揺
動軸12bの先端に回転不能に装着された操作用のレバ
ー部12aと、揺動軸12bの基端に回転不能に装着さ
れた係止突起12cとを有している。
【0025】クラッチ制御機構19は、クラッチヨーク
40と、クラッチヨーク40を制御するためのクラッチ
カム41とを有している。クラッチヨーク40は、スプ
ール軸24の外周側に配置されており、2本のガイド軸
42によってスプール軸24の軸心と平行に移動可能に
支持されている。なお、スプール軸24はクラッチヨー
ク40に対して相対回転が可能である。すなわちスプー
ル軸24が回転しても、クラッチヨーク40は回転しな
いようになっている。また、クラッチヨーク40はその
中央部にピニオン32の小径部32cに係合する半円弧
状の係合部40aを有している。またクラッチヨーク4
0を支持するガイド軸42の外周でクラッチヨーク40
と側カバー8bとの間にはコイルばね43が圧縮状態で
配置されており、クラッチヨーク40はコイルばね43
によって常に内方(側板7b側)に付勢されている。
【0026】このような構成では、通常状態ではピニオ
ン32は内方のクラッチ係合位置に位置しており、その
噛み合い部32bとスプール軸24の係合凸部24aと
が係合してクラッチオン状態となっている。一方、クラ
ッチヨーク40によってピニオン32が外方に移動した
場合は、噛み合い部32bと係合凸部24aとの係合が
外れ、クラッチオフ状態となる。
【0027】クラッチカム41は、クラッチ操作レバー
12の揺動によりスプール軸24回りに回動する部材で
あり、回動によりクラッチヨーク40をスプール軸外方
に移動させるものである。クラッチカム41は、スプー
ル軸24回りに回動自在に装着された回動部45と、回
動部45からクラッチ操作レバー12側に延びる第1突
出部46aと、回動部45から前方に延びる第2突出部
46bと、回動部45の側面に形成された傾斜カムから
なる1対のカム突起47a,47bとを有している。こ
のカム突起47a,47bに対向するクラッチヨーク4
0の両端には、カム突起47a,47bに乗り上げるカ
ム受け(図示せず)が形成されている。
【0028】回動部45は、クラッチヨーク40と側板
7bとの間に配置されており、側板7bに回動自在に支
持されている。第1突出部46aは回動部45から上後
方に延び、先端は二股に分かれてクラッチ操作レバー1
2の係止突起12cに係合している。この第1突出部4
6aは、クラッチ操作レバー12の揺動に応じてクラッ
チカム41を回動させるために設けられている。
【0029】第2突出部46bは、リールの前方に延び
ており、マスターギヤ31と側板7bとの間に配置され
た逆転防止用のラチェットホイール52の外方側に延び
ている。第2突出部46bの周方向の一端には、捩じり
コイルばねからなる第2トグルばね55が係止されてい
る。第2トグルばね55の他端は側板7bに係止されて
いる。この第2トグルばね55により、クラッチカム4
1は、図3に示すクラッチオン位置と、図4に示すクラ
ッチオフ位置とに保持される。第2突出部46bの周方
向の他端はさらに外方に突出しており、その基端には、
クラッチ戻し機構50の戻し部材51が揺動自在に装着
されている。
【0030】カム突起47a,47bは、クラッチヨー
ク40をスプール軸方向外方に押圧するために設けられ
ている。すなわち、クラッチカム41が図3に示すクラ
ッチオン位置から図4に示すクラッチオフ位置に回動す
ると、カム突起47a,47bにクラッチヨーク40が
乗り上げてスプール軸方向外方に移動する。クラッチ戻
し機構50は、ハンドル2の糸巻取方向の回転に応じ
て、クラッチオフ位置に配置されたクラッチカム41を
クラッチオン位置に戻してクラッチ機構13をクラッチ
オン状態に復帰させると共に、クラッチカム41により
クラッチ操作レバー12をクラッチオフ位置からクラッ
チオン位置に戻すものである。
【0031】クラッチ戻し機構50は、前述した戻し部
材51と、ラチェット歯52aが外周に形成されたラチ
ェットホイール52と、戻し部材51をクラッチカム4
1に所定範囲揺動自在かつクラッチカム41の回動方向
に移動不能に連結するための連結機構53と、第1トグ
ルばね56とから構成されている。戻し部材51は、板
状の部材であり、クラッチカム41の第2突出部46b
の他端側の基端に連結機構53により揺動自在に連結さ
れている。戻し部材51は、クラッチカム41の回動に
よって、ラチェットホイール52から離反した、図3に
示す非係合位置からラチェットホイール52のラチェッ
ト歯52aに係合する、図4に示す係合位置に向けて揺
動しつつ移動する。戻し部材51は、その先端にラチェ
ットホイール52のラチェット歯52aに係合する係合
突起51aを有している。係合突起51aは、ラチェッ
トホイール52に向けて折り曲げられている。
【0032】連結機構53は、戻し部材51の基端部に
クラッチカム41の回動方向と交差する方向(スプール
軸24に沿う方向)に突出して形成された板状の突起部
53aと、突起部53aに係合するようにクラッチカム
41を切り欠いて形成された連結部53bとを有してい
る。突起部53aは、図5及び図6に示すように、戻し
部材51の一部を戻し部材51の移動方向(クラッチカ
ム41の回動方向)と交差する方向に沿って折り曲げら
れた平面を有している。連結部53bは、クラッチカム
41の第2突出部46bの他端側の基端に形成された略
鼓形状の切り欠きによって構成されている。この鼓形
は、その両端部分が移動方向と交差する方向に間隔を隔
てて配置された交差する方向に長い形状である。この鼓
形の連結部53bの中央部の狭い部分の幅は、突起部5
3aの厚みより僅かに広く形成されており、狭まった中
央部分から両端部分に向けて円弧状に拡がっている。ま
た、中心部分を中心とする円弧で形成されている。
【0033】このような連結機構53では、クラッチオ
フ時には、連結部53bの一側が突起部53aの一側部
を押圧して戻し部材51を係合位置に移動させる。クラ
ッチオン時には、突起部53aの一側部が連結部53b
の一側を押圧してクラッチカム41を非係合位置に移動
させる。このとき、戻し部材51の揺動範囲が連結部5
3bの両側部によって規制される。このように部材の折
り曲げや切欠きによって連結機構53を構成することに
より、連結機構53の構成が簡素になる。また、連結部
53bの形状によって戻し部材51の揺動範囲を所定の
範囲に規制することができるので、リール本体1側に戻
し部材51を案内するための案内部を設ける必要がなく
なる。
【0034】第1トグルばね56は、捩じりコイルばね
からなり、一端がクラッチカム41の第2突出部46b
の他端側に形成された突出部の先端に係止され、他端が
戻し部材51の基端部側に係止されている。第1トグル
ばね56は、戻し部材51を係合位置と非係合位置とに
保持するために設けられており、死点を挟んで係合位置
と非係合位置とに振り分けて付勢する。すなわち、図3
に示す離脱姿勢では、第1トグルばね56の両係止端を
結ぶ直線が戻し部材51の揺動軸芯(突起部53aの中
間部)より図3上側に位置するので、第1トグルばね5
6は、戻し部材51を反時計方向に付勢する。また、図
4に示す連結姿勢では、直線が揺動軸芯の下側に位置す
るので時計方向に付勢する。戻し部材51の揺動により
この両係止端を結ぶ直線が揺動軸芯を通るとき、第1ト
グルばね56が最も縮んだ(両端が接近した)死点とな
る。
【0035】ここでは、第1トグルばね56の一端をク
ラッチカム41に係止しているので、クラッチカム41
の回動による戻し部材51の揺動によって両係止位置が
変化し、第1トグルばね56が伸縮しその死点を超える
と逆方向に付勢する。この伸縮時に両係止位置が変化す
るので、片側の係止位置しか変化しない従来例に比べて
伸縮の度合いが少なくなり、第1トグルばね56が疲労
しにくくなり、第1トグルばね56の寿命の低下を抑え
てクラッチ戻し機構50全体の寿命の低下を抑えること
ができる。また、移動する2つの係止位置の関係だけで
ばねの設計を行えるので、第1トグルばね56の配置や
形状の自由度が高くなり、種々の形態のクラッチ戻し機
構50にトグルばねを配置しやすくなる。
【0036】また、第1トグルばね56の伸縮量が戻し
部材51の揺動量に対して少なくなるので、第2トグル
ばね55が死点を超えてクラッチカム41を一方から他
方の位置に付勢方向を切り換える時にクラッチカム41
に対して第1トグルばね56があまり影響を与えなくな
る。このため、クラッチカム41の切換時のフィーリン
グが向上して安定する。
【0037】戻し部材51は係合位置に配置されると、
ラチェットホイール52の外周より内周側に係合突起5
1aが位置してラチェット歯52aに係止し得る状態に
なり、非係合位置に配置されると、ラチェットホイール
52の外周から若干離反した位置に係合突起51aが位
置する。この戻し部材51はラチェットホイール52の
軸芯の前方かつ上方に配置されている。このため、ラチ
ェットホイール52の後方に配置される従来例に比べて
ラチェットホイール52の後方側の空間が小さくて済
む。戻し部材51の係合突起51aはラチェット歯52
aにより引っ張られて図4に示す係合位置から図3に示
す非係合に回動する。
【0038】ラチェットホイール52はマスターギヤ3
1と側板7bとの間でハンドル軸30に回転不能に装着
されている。ラチェットホイール52の外周側には前述
したような鋸歯状のラチェット歯52aが形成されてい
る。戻し部材51は、このラチェット歯52aにより係
合突起51aが引っ張られて係合位置から非係合位置に
移動する。ラチェットホイール52の後方には、ストッ
パー機構60が配置されている。
【0039】ストッパー機構60は、ラチェットホイー
ル52の一方側への回転を禁止することによってスプー
ル15の糸繰り出し方向の回転を停止させるものであ
り、回動レバー61とカバー部材62とを有している。
回動レバー61は側板7bに回動自在に装着されてい
る。またカバー部材62は回動レバー61の先端に取付
られ、ラチェットホイール52の外周面を挟持可能であ
る。このカバー部材62とラチェットホイール52との
摩擦によって、ラチェットホイール52の時計回り(糸
巻取方向)の回転時には回動レバー61がラチェット歯
52aと干渉しない位置まで離れられ、ラチェットホイ
ール52の回転が許容される。一方、反時計回り(糸繰
り出し方向)の回転時には回動レバー61がラチェット
歯52aと干渉する位置まで引き込まれ、糸繰り出し方
向の回転が禁止される。なおこの両軸受リールには、こ
のようなストッパー機構60に加えて、ローラ型のワン
ウエイクラッチ65が側カバー8bとハンドル軸30と
の間に配置されている。
【0040】〔他の機構の構成〕次にドラグ機構21等
の他の機構について説明する。ドラグ機構21は、図2
に示すように、マスターギヤ31に押圧される摩擦プレ
ート70と、スタードラグ3の回転動作によって摩擦プ
レート70をマスターギヤ31に所定の力で押圧するた
めの押圧プレート71とを有している。またキャスティ
ングコントロール機構22は、スプール軸24を挟むよ
うに配置された複数のプレート72と、プレート72に
よるスプール軸24の挟持力を調整するためのキャップ
74とを有している。キャップ74の内周部には雌ねじ
が形成されており、側カバー8b側に形成された雄ねじ
と噛み合っている。
【0041】〔両軸受リールの動作〕次に動作について
説明する。通常の状態では、クラッチヨーク40はコイ
ルばね43によってスプール軸方向内方に押されてお
り、これによりピニオン32はクラッチオン位置に移動
させられている。この状態では、ピニオン32の噛み合
い部32bとスプール軸24の係合凸部24aとが噛み
合ってクラッチオン状態となっており、ハンドル2から
の回転力はハンドル軸30、マスターギヤ31及びピニ
オン32を介してスプール軸24及びスプール15に伝
達される。このとき、キャスティングコントロール機構
22のキャップ74の締め付け量を調整することによ
り、スプール15の回転時の抵抗力を調整することが可
能である。
【0042】仕掛けを投入する場合には、クラッチ操作
レバー12を図4に示すクラッチオフ位置に揺動させ
る。クラッチ操作レバー12が、図3に示すクラッチオ
ン位置から、図4に示すクラッチオフ位置に揺動する
と、クラッチカム41が図3反時計回りに回動する。こ
の結果、クラッチカム41のカム突起47a,47bに
クラッチヨーク40が乗り上げ、クラッチヨーク40は
スプール軸方向外方に移動させられる。クラッチヨーク
40はピニオン32の小径部32cに係合しているの
で、クラッチヨーク40が外方へ移動することによって
ピニオン32も同方向に移動させられる。この状態では
ピニオン32の噛み合い部32bとスプール軸24の係
合凸部24aとの噛み合いが外れ、クラッチオフ状態と
なる。このクラッチオフ状態では、スプール15は自由
回転状態になる。この結果、仕掛けの重さにより釣り糸
がスプール15から繰り出される。
【0043】また、クラッチカム41がクラッチオフ位
置に回動すると、クラッチ戻し機構50の戻し部材51
が時計方向に揺動し、死点を超えた時点で第1トグルば
ね56によりラチェットホイール52の内方に付勢され
る。この結果、戻し部材51はラチェット歯52aに係
止される係合位置に配置される。仕掛けが所定の棚に配
置されると、ハンドル2を糸巻取方向に回転させるか又
はクラッチ操作レバー12をクラッチオン位置に揺動さ
せスプール15の糸繰り出しを停止する。ハンドル2を
糸巻取方向に回転させると、ハンドル軸30が図4の時
計回りに回転する。これにつれてハンドル軸30に回転
不能に固定されたラチェットホイール52も時計回りに
回転する。ラチェットホイール52が時計回りに回転す
ると、ラチェット歯52aに戻し部材51の係合突起5
1aが引っかかって戻し部材51が引っ張られる。
【0044】戻し部材51が引っ張られると、戻し部材
51が反時計方向に揺動し、第1トグルばね56の死点
を超えた時点で戻し部材51がラチェットホイール52
の外方に付勢される。そしてラチェットホイール52に
係合しない非係合位置に向けて外方に戻し部材51が揺
動する。また、戻し部材51が引っ張られると、戻し部
材51に連結されたクラッチカム41が図4時計回りに
回動する。クラッチカム41が時計回りに回動すると、
クラッチカム41のカム突起47a,47bに乗り上げ
ていたクラッチヨーク40がカム突起47a,47bか
ら下りて、コイルばね43の付勢力によりスプール軸方
向内方に移動する。この結果、ピニオン32もスプール
軸方向内方向に移動しクラッチオン位置に配置される。
また、クラッチカム41が図4時計回りに回動すると、
第1突出部46aに係止されたクラッチ操作レバー12
もクラッチオン位置に揺動する。これにより、クラッチ
操作レバー12を操作することなくクラッチ機構13を
クラッチオフ状態からクラッチオン状態にすることがで
きる。
【0045】ここでは、クラッチカム41と戻し部材5
1とを連結する連結機構53をピンではなく、折り曲げ
られた突起部53aと切り欠かれた連結部53bとで構
成したので、連結構造が簡素になる。また、突起部53
aと連結部53bの形状によって揺動範囲を規制できる
ので、リール本体1と戻し部材51とに案内のための構
造を設ける必要がなくなり、リール本体1や戻し部材5
1の構成も簡素化する。
【0046】〔実施形態2〕図7〜図9において、両軸
受リールは、ベイトキャスト用の丸形の両軸受リールで
ある。このリールは、リール本体101と、リール本体
101の側方に配置されたスプール回転用ハンドル10
2と、ハンドル102のリール本体1側に配置されたド
ラグ調整用のスタードラグ103とを備えている。
【0047】リール本体101は、例えば表面に耐蝕層
が形成されたマグネシウム合金製の部材であり、フレー
ム105と、フレーム105の両側方に装着された第1
側カバー106及び第2側カバー107とを有してい
る。リール本体101の内部には糸巻用のスプール11
2がスプール軸120(図8)を介して回転自在かつ着
脱自在に装着されている。第1側カバー106は、スプ
ール軸方向外方から見て円形であり、第2側カバー10
7は、2つの交差する外周円で構成されたひょうたん型
である。
【0048】フレーム105内には、図8に示すよう
に、スプール112と、サミングを行う場合の親指の当
てとなるクラッチ操作レバー117と、スプール112
内に均一に釣り糸を巻くためのレベルワインド機構11
8とが配置されている。またフレーム105と第2側カ
バー107との間には、ハンドル2からの回転力をスプ
ール112及びレベルワインド機構118に伝えるため
の回転伝達機構119と、クラッチ機構121と、クラ
ッチ操作レバー117の操作に応じてクラッチ機構12
1を制御するためのクラッチ制御機構122と、スプー
ル112を制動するドラグ機構123と、スプール11
2の回転時の抵抗力を調整するためのキャスティングコ
ントロール機構124とが配置されている。また、フレ
ーム105と第1側カバー106との間には、キャステ
ィング時のバックラッシュを抑えるための遠心ブレーキ
機構125が配置されている。
【0049】フレーム105は、図14に示すように所
定の間隔をあけて互いに対向するように配置された1対
の側板108,109と、これらの側板108,109
を一体で連結する上下の連結部110a,110bとを
有している。また、図14左側のハンドル装着側と逆側
の側板108は、スプール軸方向から見て円形の内部に
空間を有する扁平有底筒状の部材である。側板108の
中心部よりやや上方には、スプール112を着脱するた
めの円形の開口108aが形成されている。この開口1
08aの内周面には、雌ねじ部108bが形成されてい
る。雌ねじ部108bには、スプール112の回転軸で
あるスプール軸120の左端を支持するスプール支持部
113が着脱自在に装着されている。
【0050】スプール112は、図8に示すように、両
側部に皿状のフランジ部112aを有しており、両フラ
ンジ部112aの間に筒状の糸巻き胴部112bを有し
ている。また、スプール112は、糸巻き胴部112b
の内周側の軸方向の実質的に中央部に一体で形成された
筒状のボス部112cを有しており、ボス部112cを
貫通するスプール軸120にたとえばセレーション結合
により回転不能に固定されている。この固定方法はセレ
ーション結合に限定されず、キー結合やスプライン結合
等の種々の結合方法を用いることができる。
【0051】スプール軸120は、側板109を貫通し
て第2側カバー107の外方に延びている。その延びた
一端は、第2側カバー107に装着されたボス部107
bに軸受126aにより回転自在に支持されている。ま
たスプール軸120の他端はスプール支持部113に設
けられた軸受126bにより回転自在に支持されてい
る。
【0052】スプール軸120の大径部分120aの右
端は、側板109の貫通部部分に配置されており、そこ
にはクラッチ機構121を構成する係合ピン120bが
固定されている。係合ピン120bは、直径に沿って大
径部分120aを貫通しており、その両端が径方向に突
出している。クラッチ操作レバー117は、図14に示
すように、1対の側板108,109間の後部でスプー
ル112後方に配置されている。クラッチ操作レバー1
17は側板108,109間で上下方向にスライドす
る。クラッチ操作レバー117のハンドル装着側には、
係合軸117aが側板109を貫通して一体形成されて
いる。この係合軸117aは、クラッチ制御機構122
に係合している。
【0053】回転伝達機構119は、ハンドル軸30
と、ハンドル軸130に固定されたマスターギア131
と、マスターギア131に噛み合う筒状のピニオンギア
132とを有している。ハンドル軸130は、側板10
9及び第2側カバー107に回転自在に装着されてお
り、ローラ型のワンウェイクラッチ186及び爪式のワ
ンウェイクラッチ187により糸繰り出し方向の回転
(逆転)が禁止されている。
【0054】ワンウェイクラッチ187は、図9に示す
ように、ハンドル軸130に回転不能に装着されたラチ
ェットホイール188と、側板109に揺動自在に装着
されたラチェット爪189とを有している。ラチェット
ホイール188の外周部には、略平行四辺形状に突出し
て形成されたラチェット歯188aが周方向に間隔を隔
てて配置されており、ラチェット爪189がラチェット
歯188aに噛み合うことによりハンドル軸130の糸
繰り出し方向の回転が禁止される。ラチェット爪189
は、ラチェットホイール188を両側から挟む制御片1
89aを先端部に有している。制御片189aは、糸巻
取方向の回転時にラチェット爪189をラチェットホイ
ール188に接近させ、糸繰り出し方向の回転時に離反
させる。
【0055】マスターギア131は、ハンドル軸130
に回転自在に装着されており、ハンドル軸130とドラ
グ機構123を介して連結されている。ピニオンギア1
32は、図8に示すように、側板109の外方から内方
に延び、中心にスプール軸120が貫通する筒状部材で
あり、スプール軸120に軸方向に移動自在に装着され
ている。また、ピニオンギア132の図8左端側は、軸
受127により側板109に回転自在かつ軸方向移動自
在に支持されている。ピニオンギア132の図8左端部
には係合ピン120bに噛み合う噛み合い溝132aが
形成されている。この噛み合い溝132aと係合ピン1
20bとによりクラッチ機構121が構成される。また
中間部にはくびれ部132bが、右端部にはマスターギ
ア131に噛み合うギア部132cがそれぞれ形成され
ている。
【0056】クラッチ制御機構122は、図9に示すよ
うに、係合軸117aに係合するクラッチプレート15
5と、クラッチプレート155に係合してスプール軸1
20を中心に回動するクラッチカム156と、クラッチ
カム156によりスプール軸120方向に沿って移動す
るクラッチヨーク157とを有している。また、クラッ
チ制御機構122は、スプール112の糸巻取方向の回
転に連動してクラッチ機構121をクラッチオンさせる
クラッチ戻し機構158を有している。
【0057】クラッチプレート155は、扇形に形成さ
れた板状部材であり、側板109に形成された案内部1
09aにより回転方向に案内されている。クラッチプレ
ート155の一端は、クラッチ操作レバー117の下方
への移動に連動して図9反時計回りに移動するようにク
ラッチ操作レバー117の係合軸117aの下端に接触
する位置に延びている。クラッチプレート155の他端
は、クラッチカム156に係止されており、クラッチプ
レート155とクラッチカム156とは連動してスプー
ル軸120回りに回動する。
【0058】クラッチカム156は、略リング状の板部
材であり側板109にスプール軸120回りに回動自在
に装着されている。クラッチカム156の外側面のスプ
ール軸120を挟んで対向する位置には、1対の傾斜し
たカム突起156a,156aが形成されている。ま
た、クラッチカム156の外周部には、クラッチプレー
ト155に係合する係合ピン156bが形成されてい
る。さらに、クラッチカム156の外周部には、突出部
156cが形成されており、この突出部156cにクラ
ッチ戻し機構158を構成する戻し部材159を連結す
るための連結機構163が設けられている。
【0059】クラッチヨーク157は、クラッチカム1
56の軸方向外方に対向して配置されている。クラッチ
ヨーク157は、側板109と第2側カバー107との
間にスプール軸120を挟んで立設された2本のガイド
軸160により案内されてスプール軸120方向に移動
自在である。また、第2側カバー107とクラッチヨー
ク157との間でガイド軸160の外周側に圧縮状態で
配置されたコイルばね161(図8)により軸方向内方
に付勢されている。クラッチヨーク157は、ピニオン
ギア132のくびれ部132bに係合する半円弧状の係
合部157aが形成されている。クラッチヨーク157
のクラッチカム156と対向する側面には、カム突起1
56a,156aに乗り上げる傾斜面(図示せず)が形
成されており、クラッチカム156が図9反時計回りに
回動してカム突起156a,156aに傾斜面が乗り上
げると、クラッチヨーク157は図8右方のクラッチオ
フ位置に移動し、傾斜面がカム突起156a,156a
から下りると、コイルばね161により付勢されてクラ
ッチオン位置に戻る。このクラッチヨーク157の移動
に連動してピニオンギア132がスプール軸方向に移動
し,クラッチ機構121がクラッチオフ状態とクラッチ
オン状態とに切り換わる。
【0060】クラッチ戻し機構158は、ラチェットホ
イール188と、クラッチカム156に揺動自在に連結
された戻し部材159と、戻し部材159とクラッチカ
ム156とを所定範囲揺動自在かつクラッチカム156
の回動方向に移動不能に連結するため連結機構163
と、戻し部材159を付勢するトグルばね162とを有
している。
【0061】戻し部材159は、アルミニウム合金など
の金属製の板状部材であり、連結機構163を介してク
ラッチカム156に揺動自在に連結されている。戻し部
材159は、クラッチカム156の回動によりラチェッ
トホイール188のラチェット歯188aに接触する係
合位置(図10)とそこから離反した離反位置(図9)
とに移動する。戻し部材159の先端には、ラチェット
歯188aに接触する係止爪159aが形成されてい
る。トグルばね162は、戻し部材159を係合位置と
非係合位置との2つの位置で保持する。
【0062】連結機構163は、図11及び図12に示
すように、戻し部材159の端部をスプール軸方向外方
に突出するように折り曲げて形成された突起部163a
と、突起部163aに係合するようにクラッチカム15
6の突出部156cに形成された連結部163bとを有
している。突起部163aは、戻し部材159の移動方
向に沿って折り曲げられた平面を有している。連結部1
63bは、突起部163aが所定範囲で揺動可能なよう
に移動方向上流側が狭い略扇形形状にクラッチカム15
6の突出部156cの一部を切り欠いて形成されてい
る。
【0063】このクラッチ戻し機構158では、クラッ
チ操作レバー117の押圧操作によりクラッチ機構12
1がクラッチオフ状態になると、図9に示す非係合位置
から図10に示す、ラチェット歯188aに接触する係
合位置に戻し部材159が前進する。このとき、連結部
163bの狭い間隔の基端側が突起部163aの一端に
接触して戻し部材159を押圧する。そして、連結部1
63bの両側部で揺動範囲が規制される。この状態で、
ハンドル102の操作によりハンドル軸130が糸巻取
方向に回転すると、戻し部材159がラチェット歯18
8aにより押圧されて非係合位置に戻る。これと同時
に、連結機構163を介してクラッチカム156を図9
時計回りに回動し、クラッチ機構121をクラッチオン
状態に戻す。
【0064】キャスティングを行うときには、クラッチ
操作レバー117を下方に押圧する。すると、クラッチ
プレート155が図15反時計回りに移動する。クラッ
チプレート155が移動すると、それに連動してクラッ
チカム156が反時計回りに回動し、クラッチヨーク1
57が図14外方のクラッチオフ位置に移動する。この
結果、クラッチ機構121を構成するピニオンギア13
2が軸方向外方に移動し、クラッチオフ状態になる。こ
のクラッチオフ状態では、スプール112が自由回転状
態になり、キャスティングを行うと仕掛けの重さにより
釣り糸がスプール112から勢いよく繰り出される。
【0065】仕掛けが着水すると、ハンドル102を糸
巻取方向に回転させる。すると、ラチェットホイール1
88が糸巻取方向(図15時計回り)に回転し、ラチェ
ット爪189が制御片189aの作用によりラチェット
ホイール188の外方に揺動する。この結果、糸巻取時
にラチェット爪189がラチェットホイール188に接
触しなくなり、糸巻取時に両者の接触によるクリック音
が生じなくなる。また、ラチェットホイール188が糸
巻取方向に回転すると、ラチェット歯188aが戻し部
材159の先端に当接し、戻し部材159を後方に押圧
する。すると、戻し部材159はトグルばね162の死
点を越えて後退し、トグルばね162により非係合位置
側に付勢される。この移動に連動してクラッチカム15
6が図9時計回りに回動し、クラッチヨーク157がコ
イルばね161の付勢力によりクラッチオン位置に移動
し、クラッチ機構121がクラッチオン状態になる。こ
のため、ハンドル102の回転がスプール112に伝達
され、スプール112が糸巻取方向に回転する。
【0066】ハンドル軸130が糸巻取方向に回転する
と、その回転がオシレーティング機構118に伝達され
釣り糸がスプール112に均一に巻き取られる。このよ
うな構成でも、クラッチカム156と戻し部材159と
を連結する連結機構163をピンではなく、折り曲げら
れた突起部163aと切り欠かれた連結部163bとで
構成したので、連結構造が簡素になる。また、突起部1
63aと連結部163bの形状によって揺動範囲を規制
できるので、リール本体101と戻し部材159とに案
内のための構造を設ける必要がなくなり、リール本体1
01や戻し部材159の構成も簡素化する。
【0067】〔他の実施形態〕 (a)前記実施形態では、クラッチカムがスプール軸回
りに回動したが、スプール軸の径方向に移動してスプー
ル軸に接離するタイプのクラッチ制御機構に設けられた
クラッチ戻し機構にも本発明を適用できる。 (b)前記実施形態では、戻し部材に突起部を設け、ク
ラッチカムに連結部を設けたが、逆に戻し部材に切欠き
で形成された連結部を設け、クラッチカムに折り曲げら
れた突起部を設けてもよい。
【0068】(c)前記実施形態では、手巻きの両軸受
リールを例に説明したが、電動リールにも本発明を適用
できる。 (d)前記実施形態では、扇形の切り欠きを移動方向に
沿って形成し、鼓形の切り欠きを移動方向と交差する方
向に沿って形成したが、これらの連結部の形成方向は、
前記実施形態に限定されない。たとえば、扇形の切り欠
きを移動方向と交差する方向に沿って形成し、鼓形の切
り欠きを移動方向に沿って形成してもよい。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、移動部材と戻し部材と
のうち一方の部材に突出して形成された板状の突起部
と、他方の部材を切り欠いて形成された連結部とによっ
て連結手段を構成したので、ピンを用いる必要がなくな
り連結手段の構成が簡素になる。しかも、連結手段によ
って揺動範囲を規制したので、リール本体に案内部を設
けることなく戻し部材を係合位置に案内できる。このた
め、リール本体や戻し部材の構造も簡素になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの
斜視図。
【図2】その縦断面図。
【図3】クラッチオン時のカバーを外した状態の側面
図。
【図4】クラッチオフ時のカバーを外した状態の側面
図。
【図5】連結機構の正面図。
【図6】図5のVI−VI断面図。
【図7】実施形態2を採用した両軸受リールの斜視図。
【図8】その縦断面図。
【図9】実施形態2の図3に相当する図。
【図10】実施形態2の図4に相当する図。
【図11】実施形態2の図5に相当する図。
【図12】図11のXII−XII断面図。
【符号の説明】
1,101 リール本体 2,102 ハンドル 7d ガイド突起 12 クラッチ操作レバー 13 クラッチ機構 15,112 スプール 19,122 クラッチ制御機構 24,120 スプール軸 30,130 ハンドル軸 50,158 クラッチ戻し機構 51,159 戻し部材 52,188 ラチェットホイール 52a,188a ラチェット歯 53,163 連結機構 53a,163a 突起部 53b,163b 連結部 56 第1トグルばね 162 トグルばね

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リール本体に移動自在に装着されたクラッ
    チ操作部材によりスプールとハンドルとを連結するクラ
    ッチオン状態から遮断するクラッチオフ状態に操作され
    る両軸受リールのクラッチ機構を前記ハンドルの糸巻取
    方向の回転に連動して前記クラッチオフ状態から前記ク
    ラッチオン状態に復帰させる両軸受リールのクラッチ戻
    し装置であって、 前記ハンドルの回転に連動して回転する回転部材と、 前記クラッチ操作部材のクラッチオフ方向の移動に連動
    して移動する移動部材に連結され、前記移動部材の移動
    に応じて前記回転部材に係合する係合位置と前記回転部
    材から離反する非係合位置とに揺動しつつ移動する戻し
    部材と、 前記移動部材と戻し部材とのいずれか一方に前記移動部
    材の移動方向と交差する方向に突出して形成された板状
    の突起部と、前記突起部に係合するように前記移動部材
    と戻し部材との他方の一部を切り欠いて形成された連結
    部とを有し、前記戻し部材を前記移動部材に所定範囲揺
    動自在かつ前記移動部材の移動方向に移動不能に連結す
    るための連結手段と、 前記戻し部材を前記係合位置と非係合位置とに振り分け
    て付勢するトグルばね手段と、を備えた両軸受リールの
    クラッチ戻し装置。
  2. 【請求項2】前記戻し部材は板状の部材であり、前記突
    起部は、前記戻し部材の一部を折り曲げて形成され、前
    記連結部は、前記移動部材の一部を切り欠いて形成され
    ている、請求項1に記載の両軸受リールのクラッチ戻し
    装置。
  3. 【請求項3】前記連結部は、前記突起部が前記所定範囲
    で揺動可能なように一端が狭い略扇形形状に前記移動部
    材の一部を切り欠いて形成されている、請求項2に記載
    の両軸受リールのクラッチ戻し装置。
  4. 【請求項4】前記突起部は、前記戻し部材の移動方向に
    沿って折り曲げられた平面を有し、 前記連結部は、移動方向上流側が狭い略扇形形状に形成
    されている、請求項3に記載の両軸受リールのクラッチ
    戻し装置。
  5. 【請求項5】前記連結部は、前記突起部が前記所定範囲
    で揺動可能なように中央部が狭い略鼓形状に前記移動部
    材の一部を切り欠いて形成されている、請求項2に記載
    の両軸受リールのクラッチ戻し装置。
  6. 【請求項6】前記突起部は、前記戻し部材の移動方向と
    交差する方向に沿って折り曲げられた平面を有し、 前記連結部は、移動方向と交差する方向に長い略鼓形状
    に形成されている、請求項5に記載の両軸受リールのク
    ラッチ戻し装置。
  7. 【請求項7】前記回転部材は、外周部に周方向に間隔を
    隔てて配置された複数の歯部を有し、 前記戻し部材は、前記歯部に先端が当接する、請求項1
    から6のいずれかに記載の両軸受リールのクラッチ戻し
    装置。
  8. 【請求項8】前記移動部材は、前記スプールの回転軸回
    りに回動し、 前記戻し部材は、前記移動部材の回動に連動して前記係
    合位置と非係合位置との間で揺動しつつ移動する、請求
    項1から7のいずれかに記載の両軸受リールのクラッチ
    戻し装置。
  9. 【請求項9】前記移動部材は、前記スプールの回転軸に
    接離する方向に往復移動し、 前記戻し部材は、前記移動部材の往復移動に連動して前
    記係合位置と非係合位置との間で揺動しつつ移動する、
    請求項1から7のいずれかに記載の両軸受リールのクラ
    ッチ戻し装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20150131935A (ko) * 2014-05-16 2015-11-25 가부시키가이샤 시마노 양 베어링 릴

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