JP2001238445A - 多出力スイッチング電源 - Google Patents

多出力スイッチング電源

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JP2001238445A JP2000051443A JP2000051443A JP2001238445A JP 2001238445 A JP2001238445 A JP 2001238445A JP 2000051443 A JP2000051443 A JP 2000051443A JP 2000051443 A JP2000051443 A JP 2000051443A JP 2001238445 A JP2001238445 A JP 2001238445A
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巧 大江
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幸哉 道下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型、高効率、良好な出力レギュレーション
特性を実現する多出力スイッチング電源を低コストで提
供することを目的とする。 【解決手段】 一次巻線と複数の二次巻線を備えたトラ
ンスと、電源からの電力を前記一次巻線に断続的に通電
させる主スイッチング素子と、前記主スイッチング素子
をオンオフさせる制御信号を発生する制御回路と、前記
複数の二次巻線に発生する電力をそれぞれ整流し、複数
の直流電力を発生する整流回路と、前記複数の直流電力
をそれぞれ負荷回路に出力する複数の出力端子と、前記
負荷回路からの戻り電流をトランスに戻す共通端子を備
えた多出力スイッチング電源において、前記共通端子と
前記トランスの間、及び前記整流回路と出力端子の間
に、磁気結合された複数の巻線から成る複合チョークの
巻線を挿入した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、出力レギュレーシ
ョン特性を向上させると共に低コストで製作することが
可能な多出力スイッチング電源を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は、従来の多出力スイッチング電源
の一例を示す回路図である。同図に示した多出力スイッ
チング電源は、直流電源HVから供給される直流電力を
絶縁し、共通端子GNDと出力端子31,32の間に出
力電圧V1、V2を出力する2チャンネルの出力を備え
た多出力スイッチング電源である。以下にこのような構
成の多出力スイッチング電源の動作について説明する。
【0003】図9において、直流電源HVは、例えば、
FET(電界効果トランジスタ)のような主スイッチン
グ素子Q1を介してトランスT1の一次巻線Npに印加
されている。
【0004】トランスT1の二次側巻線Ns1は、ダイ
オードD1、D2によって構成された整流回路21が接
続され、この整流回路21の正側出力は、複合チョーク
11の巻線N1の一端に接続されている。
【0005】複合チョーク11は、同一のコアに巻線N
1、N2が巻線されており、両巻線N1,N2の巻数比
は出力電圧V1、V2の電圧比と等しくなるように構成
されている。
【0006】複合チョーク11の巻線N1の他の一端と
整流回路21の負側出力の間には平滑コンデンサC1が
接続されており、この平滑コンデンサC1の正側端子
は、出力端子31に接続され、負側端子は、共通端子G
NDに接続されている。
【0007】同様に、トランスT1の二次側巻線Ns2
は、ダイオードD3、D4によって構成された整流回路
22が接続され、この整流回路22の正側出力は、複合
チョーク11の巻線N2の一端に接続されている。
【0008】複合チョーク11の巻線N2の他の一端と
共通端子GNDの間には平滑コンデンサC2が接続され
ており、この平滑コンデンサC2の正側端子は、出力端
子32に接続されている。また、整流回路22の負側出
力は、共通端子GNDに接続されている。
【0009】出力端子31,32及び共通端子GND
は、それぞれ誤差増幅器14に接続され、誤差増幅器1
4の出力は、例えばフォトカプラのような絶縁型信号伝
達手段13を介して、PWM制御回路12に入力され
る。
【0010】また、PWM制御回路12の出力は、主ス
イッチング素子Q1のゲートに接続される。
【0011】このような構成の、多出力スイッチング電
源の動作を以下に説明する。まず、主スイッチング素子
Q1がオン状態になると、トランスT1の二次側巻線N
s1に誘起起電力が発生し、これによってダイオードD
1が導通し、複合チョーク11の巻線N1にエネルギー
が蓄積される。
【0012】同様に、主スイッチング素子Q1がオン状
態になると、トランスT1の二次側巻線Ns2に誘起起
電力が発生し、これによってダイオードD3が導通し、
複合チョーク11の巻線N2にエネルギーが蓄積され
る。
【0013】次に、主スイッチング素子Q1がオフ状態
になると、複合チョーク11の巻線N1に蓄積されたエ
ネルギーが減少し始め、ダイオードD2が導通する。
【0014】同様に、主スイッチング素子Q1がオフ状
態になると、複合チョーク11の巻線N2に蓄積された
エネルギーが減少し始め、ダイオードD4が導通する。
【0015】このような動作を繰り返すことによって、
複合チョーク11の巻線N1,N2の他の一端と共通端
子GNDとの間に、電源電圧HVとトランスT1の一次
側巻線Np及び二次側巻線Ns1,Ns2の巻数比に対
応する電圧が発生し、この電圧が平滑コンデンサC1、
C2によって平滑され、共通端子GNDと出力端子3
1,32の間に直流の出力電圧V1、V2が発生する。
【0016】また、出力電圧V1、V2は、誤差増幅器
14の内部に備えられた基準電圧(図示せず。)と比較
され、この誤差信号が絶縁型信号伝達手段13を介し
て、PWM制御回路12に入力される。
【0017】PWM制御回路12は、誤差信号がゼロに
なる方向に主スイッチング素子の制御信号を出力し、出
力電圧V1、V2の安定化を図っている。
【0018】また、複合チョーク11は、前述のよう
に、巻線N1,N2が出力電圧V1、V2の電圧比と等
しくなるように同一のコアに巻線されているため、巻線
N1、N2に蓄積されたエネルギーが出力電圧の下がっ
たチャンネルの巻線に移動する。
【0019】従って、例えば、出力端子に接続された負
荷の要求電力にアンバランスが生じ、あるチャンネルの
出力電圧が低下した場合、複合チョーク11の各巻線に
蓄積されたエネルギーが、出力電圧が低下したチャンネ
ルに接続されている複合チョーク11の巻線に移動し、
出力電圧の不均衡を是正するような働きを行なう。
【0020】従って、図9のような構成の多出力スイッ
チング電源では、各チャンネルに接続された負荷の要求
電力にアンバランスが生じた場合でもそれぞれの出力電
圧を安定させることが可能である。
【0021】このような、多出力スイッチング電源は、
上述した構成の他にも、 (1)メインコンバータと降圧(昇圧)コンバータを組
み合わせたもの (2)メインコンバータとマグアンプを組み合わせたも
の (3)メインコンバータとシリーズレギュレータを組み
合わせたもの ような構成を成すものが知られている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
多出力スイッチング電源では、以下に説明する問題点が
あった。
【0023】多出力スイッチング電源は、例えばパーソ
ナルコンピュータ等の電源に用いられる場合が多く、こ
の場合、例えば、ハードディスク等の起動停止により負
荷の要求電力が頻繁に変動する。
【0024】また、パーソナルコンピュータ等の情報機
器は、省スペース化、低価格化が極限まで要求されてお
り、これに用いられる電源もこのような要求に対応する
ため、省スペース化、低価格化、高効率化が極限まで求
められる。
【0025】これに対して、(1)メインコンバータと
降圧(昇圧)コンバータを組み合わせたものや、(2)
メインコンバータとマグアンプを組み合わせたものは、
負荷の要求電力の変動に対する出力電圧の安定性(以
下、レギュレーション特性と言う。)は良いが、メイン
コンバータと降圧(昇圧)コンバータとマグアンプのそ
れぞれに制御回路が必要であるため部品点数が多くなり
高価であると共に小型化が困難であるという問題点があ
った。
【0026】また、(3)メインコンバータとシリーズ
レギュレータを組み合わせたものは、レギュレーション
特性が良く、パッケージ化された三端子レギュレータ等
の部品を用いることにより低コスト化が可能であるが、
発熱量が多く効率が悪いという問題点があった。
【0027】更に、図9に説明した複合チョークを用い
た多出力スイッチング電源では、部品点数が少ないため
安価であるが、上記(1)〜(3)の構成のものに比
べ、レギュレーション特性が悪いという問題点があっ
た。
【0028】これは、複合チョークは、一種のトランス
ともみなせるため、それぞれの巻線間に漏れインダクタ
ンスが存在し、この漏れインダクタンスからリークする
磁束が出力レギュレーション特性を悪化させるために発
生する問題である。従って、これを用いた多出力スイッ
チング電源では、この漏れインダクタンスが大きくなる
ほどレギュレーション特性が悪くなり、小さくなるほど
レギュレーション特性が良くなる。
【0029】これに対し、複合チョークの巻線構造を工
夫することによってある程度、漏れインダクタンスを減
少させ、レギュレーション特性を改善することは可能で
あるが、これにも限界があり、巻線の漏れインダクタン
スをゼロにすることは原理的に不可能である。
【0030】また、図9に示したような従来のフォワー
ド型の多出力スイッチング電源では、複合チョークのイ
ンダクタンスが小さいと出力リプル電圧が大きくなり、
レギュレーション特性が悪化するという特性が知られて
いる。
【0031】この問題を解決するために、上記複合チョ
ークには、ある程度の大きさのインダクタンスが必要と
なるが、インダクタンスを大きくするために巻線のター
ン数を増やすと、巻線の抵抗分(銅損)により電圧降下
が生じ、効率及びレギュレーションが悪化するという問
題が発生する。
【0032】また、銅損の低減を図るためチョークの巻
線径を太くするとチョークのサイズが大きくなり、多出
力スイッチング電源を小型化することが困難となってし
まう。
【0033】本発明は、上記課題を解決するもので、小
型、高効率、良好な出力レギュレーション特性を実現す
る多出力スイッチング電源を低コストで提供することを
目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために請求項1に記載の発明では、一次巻線と複数の
二次巻線を備えたトランスと、電源からの電力を前記一
次巻線に断続的に通電させる主スイッチング素子と、前
記主スイッチング素子をオンオフさせる制御信号を発生
する制御回路と、前記複数の二次巻線に発生する電力を
それぞれ整流し、複数の直流電力を発生する整流回路
と、前記複数の直流電力をそれぞれ負荷回路に出力する
複数の出力端子と、前記負荷回路からの戻り電流をトラ
ンスに戻す共通端子を備えた多出力スイッチング電源に
おいて、前記共通端子と前記トランスの間、及び前記整
流回路と出力端子の間に、磁気結合された複数の巻線か
ら成る複合チョークの巻線を挿入したことを特徴とする
ものである。
【0035】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記トランスは、前記主スイッチン
グ素子がオン状態の時に一次巻線側から二次巻線側にエ
ネルギーが伝達される向きに巻線されたことを特徴とす
るものである。
【0036】請求項3に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記共通端子と前記トランスの間に
挿入された前記複合チョークの巻線は、前記整流回路と
出力端子の間に挿入された前記複合チョークの巻線と逆
極性になるように接続されたことを特徴とするものであ
る。
【0037】請求項4に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記整流回路と出力端子の間に挿入
された前記複合チョークの巻線の巻数n1,n2…nn
は、前記共通端子と前記トランスの間に挿入された前記
複合チョークの巻線の巻数をn0、前記複数の出力端子
から出力される出力電圧をそれぞれV1、V2…Vn、
とすると、 n1+n0:n2+n0:…:nn+n0≒V1:V
2:…:Vn の関係が成立するように構成されたことを特徴とするも
のである。
【0038】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて本発明を詳しく
説明する。図1は、本発明に係る多出力スイッチング電
源の一実施例を示す回路図である。尚、同図において従
来例と同様の構成要素は同一の符号を付し、その説明を
省略する。
【0039】同図において、従来例で説明した多出力ス
イッチング電源と異なる点は、複合チョークの接続方法
である。
【0040】同図において、二次側巻線Ns1に発生す
る電圧は、整流回路21に入力され、この整流回路21
の正側出力は、平滑コンデンサC1の正側端子及び出力
端子31に接続されている。
【0041】また、整流回路21の負側出力は、複合チ
ョーク11の巻線N0を介して平滑コンデンサC1の負
側端子及び共通端子GNDに接続されている。
【0042】同様に、二次側巻線Ns2に発生する電圧
は、整流回路22に入力され、この整流回路21の正側
出力は、複合チョーク11の巻線N2を介して平滑コン
デンサC1の正側端子及び出力端子32に接続されてい
る。
【0043】また、整流回路21の負側出力は、複合チ
ョーク11の巻線N0を介して平滑コンデンサC2の負
側端子及び共通端子GNDに接続されている。
【0044】ここで、複合チョーク11の巻線N0とN
2の極性は、同図に示すように電流の流れる方向に対し
て順方向になるように接続され、巻線N0とN2の巻数
n0、n2は出力電圧V1、V2に対して、 V1:V2=n0:n0+n2 (1) の関係が成立するように構成されている。
【0045】本発明の多出力スイッチング電源では、二
次側巻線及び複合チョークを上述のような構成とするこ
とにより、従来の多出力スイッチング電源に比較して、
複合チョークの漏れインダクタンスの影響を減少させる
ことが可能となり、出力レギュレーション特性を向上さ
せることが可能となる。以下、その原理について説明す
る。
【0046】図9の従来例や図1の実施例に用いた複合
チョークは、一般的に、同一のコアに2個の巻線を巻い
て製作されるものであり、これは、図2に示したトラン
スT2と等価である。
【0047】同図に示すトランスT2において、一次側
巻線L1のインダクタンスと二次側巻線L2のインダク
タンスをそれぞれ、L1、L2、結合係数をk、一次側
電圧と二次側電圧をそれぞれV1、V2とすると、相互
インダクタンスMは、 M=k√(L1×L2) (2) で、表される。ここで、結合係数kは、漏れインダクタ
ンスの無い理想トランスでは、k=1であり、実際のト
ランスでは、k<1である。
【0048】また、同図に示すトランスT2において、
一次側電流と二次側電流をそれぞれI1,I2とする
と、一次側電圧と二次側電圧V1、V2はそれぞれ、 V1=L1(dI1/dt)+M(dI2/dt) (3) V2=L2(dI2/dt)+M(dI1/dt) (4) で表される。
【0049】また、このようなトランスT2は、図3に
示すような等価回路で表すことが可能であり、これを、
図4(a)に示した従来例の等価回路に適用すると、図
4(b)のように変形することができる。
【0050】図4(b)の回路において、一次側電圧と
二次側電圧V1、V2はそれぞれ、 V1=(L1-M)(dI1/dt)+M{d(I1+I2)/dt} (5) V2=(L2-M)(dI2/dt)+M{d(I1+I2)/dt} (6) で表され、これらはそれぞれ、 V1=L1(dI1/dt)+M(dI2/dt) (7) V2=M(dI1/dt)+L2(dI2/dt) (8) と、変形できる。
【0051】同様に、図3に示したトランスT2の等価
回路を、図1の実施例の等価回路に適用すると、図5の
ように変形することができる。尚、ここでは、図4の回
路との差異を明確にするため、二次側巻線L2のインダ
クタンスをL2’,相互インダクタンスをM’としてい
る。また、以下の説明において、図4(b)と図5にお
けるトランスの結合係数は等しいものとする。
【0052】図5の回路において、一次側電圧と二次側
電圧V1、V2はそれぞれ、 V1=(L1-M'){d(I1+I2)/dt}+M'{d(I1+2I2)/dt} (9) V2=(L2'-M')(dI2/dt)+M'{d(I1+2I2)/dt}+V1 (10) で表され、これらはそれぞれ、 V1=L1(dI1/dt)+(L1+M')(dI2/dt) (11) V2=(L1+M')(dI1/dt)+(L1+L2'+2M')(dI2/dt) (12) と、変形できる。
【0053】ここで、上記(7)、(8)式と上記(1
1)、(12)式を比較すると、従来例の回路における
二次側巻線のインダクタンスL2は、実施例の回路にお
けるL1+L2'+2M'に対応し、従来例の回路における相互イ
ンダクタンスMは、実施例の回路におけるL1+M'に対応し
ていることがわかる。
【0054】ここで、従来例と実施例の漏れインダクタ
ンスによる影響を同一の条件で比較するため、図6に示
すように、従来例の回路と同一構成で、二次側巻線L2
のインダクタンスがL1+L2'+2M'、相互インダクタンスが
L1+M'であるトランス(実際は、複合チョークであ
る。)を用いた等価回路において漏れインダクタンスを
計算する。
【0055】一般的に、図4(b)のような回路におい
て、一次側巻線L1から見た漏れインダクタンスRM1
は、 RM1=(1−k2)×L1 (13) であり、二次側巻線L2から見た漏れインダクタンスRM2は、 RM2=(1−k2)×L2 (14) である。
【0056】同様に、図6の等価回路における二次側巻
線L2から見た漏れインダクタンスRM2’は、 RM2'=L1+L2'+2M'-(L1+M')2/L1 =L2'-M'2/L1=(1-k2)/L2' (15) であり、一次側巻線L1から見た漏れインダクタンスRM1’は、 RM1'=L1-(L1+M')2/(L1+L2'+2M') ={(1-k2)/L1×L2'}/(L1+L2'+2M') =(1-k2)L1×L2'/(L1+L2'+2M') (16) で表される。
【0057】ここで、(13)式と(16)式を比較し
て、一次側巻線L1から見た漏れインダクタンスRM1
とRM1’を比較すると、(16)式におけるL2'/(L1+L
2'+2M')の項は、必ず1より小さい値となるため、必ず
RM1>RM1’の関係が成立する。
【0058】また、前述のように、従来例の回路に用い
る複合チョークの巻線は、出力電圧V1、V2の電圧に
対応する比率で巻線されており、実施例の複合チョーク
の巻線N2は(1)式に示すように、V1:V2=n
0:n0+n2に対応する比率で巻線されているため、
必ずL2<L2’が成立する。
【0059】従って、(14)式と(15)式を比較し
て、二次側巻線L2から見た漏れインダクタンスRM2
とRM2’を比較すると、必ずRM2>RM2’の関係
が成立する。
【0060】以上の結果より、実施例の回路における漏
れインダクタンスRM1’、RM2’は、従来例の回路
における漏れインダクタンスRM1、RM2に比較して
どちらも小さくなるため、複合チョークを図1のように
接続することによって、漏れインダクタンスによる影響
を低減し、出力レギュレーションを改善することが可能
となる。
【0061】また、参考までに、図7に3チャンネル出
力の多出力スイッチング電源の回路図を示す。この場
合、複合チョーク15の各巻線N0,N2,N3の巻数
n0,n2,n3と出力電圧V1、V2、V3の関係
は、 V1:V2:V3=n0:n0+n2:n0+n3 である。
【0062】なお、以上の説明は、本発明の説明および
例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎな
い。したがって本発明は、上記実施例に限定されること
なく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、
変形をも含むものである。
【0063】例えば、本発明の多出力スイッチング電源
は、図8に示すようにトランスT1の二次側巻線Ns1
とNs2を直列接続すると共に、ダイオードD2のカソ
ードをダイオードD4のアノードに接続した構成におい
ても上記と同様の効果を得ることが可能である。このよ
うに構成した場合、例えば、出力電圧V2側の負荷が重
負荷であり、出力電圧V1側の負荷が軽負荷となるクロ
スレギュレーションにおいても良好なレギュレーション
特性が得られることが試作回路において確認されてい
る。
【0064】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明によれば次のような効果がある。請求項1〜4に
記載の発明では、複合チョークを用いた多出力スイッチ
ング電源の出力レギュレーション特性を、部品点数を増
やすことなく向上させることが可能であるため、安価で
小型化が可能であると共に効率の良い多出力スイッチン
グ電源を提供することが可能となる。
【0065】また、従来の多出力スイッチング電源で
は、複合チョークの巻数比が出力電圧比と等しくなるよ
うに構成されていたが、本発明の多出力スイッチング電
源では、複合チョークの巻線が、上述のように、 n1+n0:n2+n0:…:nn+n0≒V1:V
2:…:Vn の関係が成立するように巻線されているため、従来の多
出力スイッチング電源に比較して、複合チョークの巻数
を減らすことができる。従って、複合チョークを小型化
することが可能となるため、多出力スイッチング電源を
さらに小型化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多出力スイッチング電源の一実施
例を示す回路図である。
【図2】複合チョークの等価回路図である。
【図3】トランスの等価回路図である。
【図4】従来の多出力スイッチング電源の等価回路図で
ある。
【図5】本発明に係る多出力スイッチング電源の等価回
路図である。
【図6】本発明に係る多出力スイッチング電源の等価回
路図である。
【図7】本発明に係る多出力スイッチング電源の他の実
施例である。
【図8】本発明に係る多出力スイッチング電源の他の実
施例である。
【図9】従来の多出力スイッチング電源の一例を示す回
路図である。
【符号の説明】
11、15 複合チョーク 12 PWM制御回路 13 絶縁型信号伝達手段 14 誤差増幅器 21、22 整流回路 HV 入力直流電圧 C1、C2 コンデンサ Q1 主スイッチング素子 D1、D2、D3,D4、D5、D6 ダイオード T1、T2 トランス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 博昭 東京都武蔵野市中町2丁目9番32号 横河 電機株式会社内 Fターム(参考) 5H730 AA14 AA15 BB23 DD04 EE08 EE73 FD01 FF19 FG05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一次巻線と複数の二次巻線を備えたトラン
    スと、 電源からの電力を前記一次巻線に断続的に通電させる主
    スイッチング素子と、 前記主スイッチング素子をオンオフさせる制御信号を発
    生する制御回路と、 前記複数の二次巻線に発生する電力をそれぞれ整流し、
    複数の直流電力を発生する整流回路と、 前記複数の直流電力をそれぞれ負荷回路に出力する複数
    の出力端子と、 前記負荷回路からの戻り電流をトランスに戻す共通端子
    を備えた多出力スイッチング電源において、 前記共通端子と前記トランスの間、及び前記整流回路と
    出力端子の間に、磁気結合された複数の巻線から成る複
    合チョークの巻線を挿入したことを特徴とする多出力ス
    イッチング電源。
  2. 【請求項2】前記トランスは、前記主スイッチング素子
    がオン状態の時に一次巻線側から二次巻線側にエネルギ
    ーが伝達される向きに巻線されたことを特徴とする請求
    項1に記載の多出力スイッチング電源。
  3. 【請求項3】前記共通端子と前記トランスの間に挿入さ
    れた前記複合チョークの巻線は、前記整流回路と出力端
    子の間に挿入された前記複合チョークの巻線と逆極性に
    なるように接続されたことを特徴とする請求項1に記載
    の多出力スイッチング電源。
  4. 【請求項4】前記整流回路と出力端子の間に挿入された
    前記複合チョークの巻線の巻数n1,n2…nnは、前
    記共通端子と前記トランスの間に挿入された前記複合チ
    ョークの巻線の巻数をn0、前記複数の出力端子から出
    力される出力電圧をそれぞれV1、V2…Vn、とする
    と、 n1+n0:n2+n0:…:nn+n0≒V1:V
    2:…:Vn の関係が成立するように構成されたことを特徴とする請
    求項1に記載の多出力スイッチング電源。
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