JP2001237747A - 遠端漏話を補償するdsl伝送システム - Google Patents

遠端漏話を補償するdsl伝送システム

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JP2001237747A
JP2001237747A JP2000377457A JP2000377457A JP2001237747A JP 2001237747 A JP2001237747 A JP 2001237747A JP 2000377457 A JP2000377457 A JP 2000377457A JP 2000377457 A JP2000377457 A JP 2000377457A JP 2001237747 A JP2001237747 A JP 2001237747A
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modem
matrix
fext
dmt
symbol
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JP2000377457A
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Tomas Nordstroem
ノルトシュトローム トマス
Daniel Bengtsson
ベンクトゾン ダニエル
Olivier Isson
イソン オリヴィエ
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ST MICROELECTRONICS NV
STMicroelectronics SA
STMicroelectronics NV
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ST MICROELECTRONICS NV
STMicroelectronics SA
STMicroelectronics NV
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    • H04L25/03Shaping networks in transmitter or receiver, e.g. adaptive shaping networks
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
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    • H04B1/62Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission for providing a predistortion of the signal in the transmitter and corresponding correction in the receiver, e.g. for improving the signal/noise ratio
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  • Power Engineering (AREA)
  • Telephonic Communication Services (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】デジタル加入者回線伝送システムにおいて、遠
端漏話を除去することが可能なキャンセラ回路を提供す
る。 【解決手段】行列積HMが対角となるように、送信前
に、ベクトルS=(Si),i=1〜nを先補償行列Mで乗算
する先補償手段を含み、Hは、R=HSによって規定
された複数の伝送チャネルの伝達行列であり、R=(R
i),i=1〜nはモデムでそれぞれ受信された離散マルチト
ーンシンボルRiのベクトルである、遠端漏話除去回路
によって達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル加入者回
線伝送システムに関する。特に、離散マルチトーン伝送
(DMT)に基づくより対電話回線で高速通信を可能と
するものに関する。本発明は、詳細には、このような伝
送システムの遠端に配置されたモデムによって誘発され
る漏話信号を補償するための遠端漏話(FEXT)キャ
ンセラに関する。
【0002】
【従来の技術】図1は、離散マルチトーンを用いる従来
のDSL伝送システムにおける送信器(TX)及び受信
器(RX)の部分を含むモデムを概略的に表している。
データXのシリアルストリームは、例えばQAM(直交
振幅変調)の星座のシンボルに各データをマップするマ
ッパ回路(mapper circuit)11へ入力される。次に、マ
ップされた値は、シリアル−パラレルコンバータ12に
よってN個の成分のS個の組に変換される。この組の各
成分は、周波数領域係数(frequency domain coefficien
t)とみなされる。以下でDMTシンボルとも称される周
波数領域係数のこの組は、逆高速フーリエ変換(IFF
T)回路13へ入力される。該回路は、サンプルの時間
領域ブロックを生成し、該回路の次に、パラレル/シリ
アルコンバータ(P/S)が接続される。それゆえ、こ
の時間領域ブロックは、種々の周波数のN個の正弦波サ
ブキャリアの和である。その振幅は、IFFT回路で受
信された、対応する周波数領域係数によって決定され
る。
【0003】各時間領域ブロックは、チャネルによって
生じたシンボル内干渉(ISI)及びキャリア内干渉
(ICI)を除去するか又は少なくとも減衰させるため
に、ブロック19内で周期的に先フィックス(cp)及
びサフィックス(cs)が付加され、ハイブリッド回線
インタフェース18を介して電話回線10へ送信され
る。回線インタフェース18もまた、回線10に接続さ
れた他方のモデムから送信されてくる時間領域ブロック
を受信する。
【0004】受信側において、回線10から送信されて
くる時間領域ブロックは、先フィックス及びサフィック
スを削除するブロック19´と、各ブロックに対してN
個の周波数領域係数を計算するシリアル/パラレルコン
バータ(S/P)とを介して、高速フーリエ変換(FF
T)回路14へ入力される。次に、N個の周波数領域係
数は、各周波数成分によって受けた減衰及び位相シフト
に対して補償する等化器15へ入力される。次に、等化
された値は、パラレル−シリアルコンバータ16によっ
てN個の複素数R(fj)のストリームにシリアル化され
る。次に、それらの最も近く(closest)に来る星座のシ
ンボルS^cを、各R(fj)に係るデマッパ17によって処
理する。更に、デマッパ17は、選択された星座点S^c
に係るデジタルワードX^cを出力する。
【0005】図2は、電話回線25及び26を介して、
複数のエンドユーザと通信する中央局20を含むDSL
伝送システムを概略的に表している。モデムM1、M
2、Mc(1)及びMc(2)は、図1に表された構造を有す
る。中央局のモデムに接続された電話回線の端は回線終
端(LT)側と称され、一方、エンドユーザのモデムに
接続された端はネットワーク終端(NT)側と称され
る。
【0006】実際に、このようなDSL伝送システム
は、全周波数帯域を、正弦波の全二重伝送用に用いるこ
とを可能にする。しかしながら、特に、種々のノイズ源
は、データの伝送及びインピーダンス特性受信を妨害す
る。
【0007】所与のモデムに対して、3つの種々のノイ
ズ源は、図2に表されたように、自己エコーと、近端漏
話(NEXT)と、遠端漏話(FEXT)とに区別され
る。
【0008】自己エコーは、所与のモデムに対して、ハ
イブリッドインタフェースを介して送信器TXから受信
器RXへ漏れる寄生信号である。
【0009】近端漏話(NEXT)は、反対の伝送方向
で隣接した電話回線25及び26の信号から生じる。詳
細には、この例において、モデムMc(1)で生じたNEX
Tは、モデムMc(2)からのこのモデムMc(1)で受信され
た寄生信号である。この具体例の中で、モデムMc(1)は
LT側に配置されるので、NEXTは、LT−NEXT
と称される。逆に、モデムM2によりモデムM1で発生
したNEXTは、NT−NEXTと称される。
【0010】遠端漏話(FEXT)は、隣接した電話回
線の同一の伝送方向に沿って伝わる信号から生じる。詳
細には、説明された例の中で、モデムMc(1)で生じたF
EXTは、反対側に配置されたモデムM2からのこのモ
デムMc(1)で受信された寄生信号である。これは、共通
の結合器を共有する電話回線25及び26の間の結合の
ためである。この具体例の中で、モデムMc(1)はLT側
に配置されるので、FEXTはLT−FEXTと称され
る。逆に、モデムMc(2)によりモデムM1で発生したF
EXTは、NT−FEXTと称される。
【0011】自己エコーを除去するエコーキャンセラ
は、例えば、公開されていない欧州特許出願番号984
10112号で知られている。しかしながら、この文献
は、EPC法第54条(3)に基づいてのみ、従来技術
として考慮される。
【0012】LT側におけるADSL伝送システムのN
EXT干渉を除いて除去するためのキャンセラも、参考
文献としてここで取り入れる米国特許第5887032
号により公知である。このキャンセラは周波数領域内で
作用し、所与のサブキャリア又はトーンに対して、NE
XT干渉が、干渉するチャネルで送信するモデムによっ
て出力されたシンボル値と比例すると想定する。該シン
ボル値は、所与の係数によって調整され、NEXT干渉
を受けるモデムによって受信されたシンボルから減算さ
れる。
【0013】自己エコー除去及びLT−NEXT除去の
両方は可能である。それは、(自己エコーの場合)同一
モデムによって、又は(LT−NEXT干渉の場合)中
央局の隣接モデムによって送信される信号は、直接利用
することができるからである。
【0014】しかしながら、FEXT除去は、NEXT
又は自己エコー除去よりも本質的に非常に複雑となる。
なぜなら、干渉するチャネルを介して送信するモデム
は、遠端側に配置されており、それゆえ、干渉シンボル
の実際の値がわからないからである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、FE
XT干渉を十分に除去することが可能で且つ簡単な構造
を有するDSL伝送システムに基づいたDMTに対する
キャンセラ回路を設計することである。
【0016】本発明の他の目的は、DSL伝送システム
に基づいたDMTにおける、効率的なFEXT除去方法
を設計することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】これら及び他の目的は、
デジタル加入者回線伝送システム用の遠端漏話除去回路
であって、該伝送システムが、複数の伝送チャネルにつ
いて離散マルチトーンシンボルを対応するネットワーク
終端モデムへ送信する複数の回線終端モデムを含み、行
列積HMが対角となるように、送信前に、ベクトルS
=(Si),i=1〜nを先補償行列(precompensation matri
x)で乗算する先補償手段を含み、Hは、R=HSによ
って規定された複数の伝送チャネルの伝達行列であり、
R=(Ri),i=1〜nはモデムでそれぞれ受信された離散
マルチトーンシンボルRiのベクトルである遠端漏話除
去回路によって達成される。
【0018】また、本発明は、デジタル加入者回線伝送
システム用の遠端漏話除去方法であって、該伝送システ
ムが、n個の伝送チャネルについて離散マルチトーンシ
ンボルSiを対応するネットワーク終端モデムへ送信す
る、複数の回線終端モデムを含み、ベクトルS=(Si),
i=1〜nは、行列積HMが対角となるように、送信前
に、先補償行列Mで乗算され、Hは、R=HSによっ
て規定されたn個の伝送チャネルの伝達行列であり、R
=(Ri),i=1〜nは、モデムによってそれぞれ受信され
る離散マルチトーンシンボルRiのベクトルである遠端
漏話除去方法を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の前述及び他の目的、特徴
及び効果は、添付図面を参照しながら説明され且つ限定
しない、以下の実施形態の詳細な説明から明らかにされ
る。
【0020】本発明は、送信すべきDMTシンボルを、
LT側で適切に先に歪ませることによって、NT側でF
EXT干渉を除去することを可能にするという考えに基
づいている。詳細には、Sがベクトル(Si),i=1〜nで
あるならば、SiはモデムMiから送信されるDMTシン
ボルであり、Rがベクトル(Ri),i=1〜nであるなら
ば、RiはモデムMc(i)で受信されたDMTシンボルで
あり、そのときR=HSとなる。Hは、n個のダウン
ストリーム(即ちLTからNTへ)の伝送チャネルの伝
達行列である。
【0021】R及びSは、N個の成分のn個のベクトル
の連接(concatenation)としての、nN個の成分のベ
クトルである。各Si(応答Ri)は、N個の周波数(又は
トーン)成分Si(fj)(応答Ri(fj))のベクトルである。
【0022】Dは対角であり、HM=Dのような行列
Mが存在すると発明者らが想定し、送信前にベクトルS
が行列Mで乗算されたならば、そのときR=H
=D SはFEXT干渉から解放される。これは、モデ
ムMc(i)で受信されたDMTシンボルRiのいずれの成
分Ri(fj)も、モデムMiから送信されたDMTシンボル
Siの成分Si(fj)だけに依存するからである。
【0023】実際の場合、伝達行列Hを逆行列にするこ
とができ、それは、簡単にM=H-1とIを単位行列とし
てD=Iとを選択できる。である。これは、受信された
DMTシンボルの周波数成分の等化がもはや必要ないた
めに、更なる効果を提供する。
【0024】本発明の第1の実施形態によるFEXT先
補償回路(precompensating circuit)は、図3Aを用い
て以下に説明される。この回路は、伝達行列Hの列Hi
を記憶したメモリ31を含む。行列係数Hikは、行列
インバータ32へ入力される。行列乗算器33は、逆行
列M=H-1と、LTモデムMiから出力されたDMTシ
ンボルSiとを受信し、乗算MSを行う。DMTシン
ボルは、 (MS)i=(MS)j+(i-1)*N ,j=1〜N は、LTモデムMiにそれぞれ入力される。各LTモデ
ムMiにおいて、DMTシンボル(MS)iは、DMTシ
ンボルSiの代わりにIFFT回路へ入力される。結果
となるサンプルの時間ブロックは、NTモデムMc(i)へ
送信される。
【0025】図6に表されたように、伝達行列の係数
は、外部のLT−FEXTキャンセラ60から出力され
る。該LT−FEXTキャンセラ60は、参考文献とし
てここで取り込まれた、同一出願人によって同日出願さ
れた名称「遠端漏話を除去するDSL伝送システム」と
して提出された米国特許出願に開示されたようなもので
ある。基本的に、この適応性のあるLT−FEXTキャ
ンセラは、n個のアップストリーム(即ちNTからLT
へ)伝送チャネルの伝達行列の逆行列Hu-1を推定し、
FEXTの無い受信されたシンボルを回復するために、
Hu-1によってLTモデムで受信されたDMTシンボル
のベクトルを乗算する。ダウンストリーム伝達行列H=
Hu-1とすると、FEXT先補償回路61は、行列Hと
してLT−FEXTキャンセラから出力された推定行列
を直接用いることができる。
【0026】対称でないとき、(例えば少なくとも最小
手段2乗方法(least mean square method)によって)2
次エラーを最小にする最適化アルゴリズムによって、後
述するように、それぞれH(fj)-1又はH(fj)であるH-1
又はHを推定することもできる。この方法は、NT側に
おいて、及びH^-1の係数を更新するためにLT側にこ
の誤り値を送り戻して、以下の誤り値を計算する。 e2 k=‖Rk−S^k‖2=‖(H.H^-1.S)k−S^k‖2 (ここでkは、時間インデックスではないが、Sの特定
の値である)
【0027】FEXT先補償回路の第2の実施形態は、
図3Bを用いて以下で説明される。
【0028】従来のDMT伝送システムにおいて、周波
数fjで生じたFEXTは、隣接する周波数で送信された
周波数成分にも依存する。それは、時間領域ブロックの
限定された期間が、周波数成分の拡がりを生じるためで
ある。ここで、周波数fjで生じたFEXTが、同一周波
数(周波数内FEXT)で送信された成分に依存する想
定する。
【0029】モデムが、参考文献としてここで取り入れ
られた国際出願WO97/06619に記載された同期
ジッパ(synchronous Zipper)モデムであるならば、前述
された想定は完全に有効である。即ち、周波数fjにおけ
るFEXTは、周波数fi,i≠jで送信された周波数成分
から独立する。実際に、このようなモデムにおいて、送
信前に各時間領域ブロックに付加されたサフィックス
は、いずれの周波数内漏話をも除去する。
【0030】周波数内漏話を想定すると、行列計算は簡
単になる。ベクトルS(応答R)のDMTシンボルSi
(応答Ri)の各周波数fjにおける成分が、一緒にグル
ープ化されるならば、伝達行列Hは、その対角に沿った
N個の行列H(fj)の対角ブロック行列の形式を明らかに
する。周波数内漏話H(fj)行列は、nn個の係数を有
する。従って、行列Hの逆行列及び乗算MSは、周波
数毎に逐次に行われる。
【0031】この実施形態において、シーケンスコント
ローラ34′は、アドレスジェネレータ35′、パラレ
ル−シリアルコンバータ36−1′〜36−n′及びシ
リアル−パラレルコンバータ37−1′〜37−n′を
制御し、挿入制御クロックCKinと、全てのLTモデム
iに対するトーンクロックCKtとを発生する。
【0032】メモリ31′は面状に構成され、各面は行
列H(fj)を記憶する。行列H(fj)は、逐次に繰り返さ
れ、行列インバータ32′で逆行列にされる。逆行列H
-1(fj)は、行列乗算器33′に逐次入力される。
【0033】DMTシンボルSiは、シーケンスコント
ローラ34′によって制御されたパラレル−シリアルコ
ンバータ36−i′へ各々入力される。N個の成分Si
(fj),j=1〜Nはパラレル−シリアルコンバータによって
逐次に出力され、行列乗算器33′は行列積H-1(fj)
S(fj)を逐次に計算する。S(fj)はベクトルS(fj)=
(Si(fj),i=1〜n)である。行列乗算器33′から出力
されたベクトルの成分[H-1(fj)S(fj)]iは、シリ
アル−パラレルコンバータ36−i′によって、DMT
シンボル(H-1*S)iに各々変換される。
【0034】図4は、本発明の第2の実施形態に従っ
て、FEXT先補償回路を用いるLTモデムMiを表し
ている。
【0035】このモデムの構造は、図1に表したものと
同じものであり、同一構成要素は参照番号も平行移動し
て変換されている。マッピングの後で、複素成分は、零
インサータに入力される。零インサータは、信号CKt
によってクロックされたモジュロNのカウンタ422に
よって与えられた位置に、信号CKinの立ち上がりで零
成分を挿入する。次に、複素成分は、シリアル−パラレ
ルコンバータ412によってDMTシンボルSiに変換
され、Siは先補償回路30′に入力される。先補償回
路から出力されたDMTシンボル(H-1*S)iは、パイ
ロットトーンインサータ回路430に入力される。該回
路430は、遅延器431によって遅延された信号CK
inの立ち上がりで、パイロットトーン成分P(i,fj)を挿
入する。モジュロNのカウンタ422は、読み出しアド
レスの最上位ビット(MSB)をROM433へ出力す
る。アドレスの最下位ビット(LSB)は、モデムが選
択されるかどうかを指示する信号SELiから与えられ
る。この信号は、シーケンサによって直接的に発生させ
ることができる。又は、モデムMiのランクiを、Ckin
によってクロックされたモジュロnのカウンタ432の
出力と比較する比較器434によって出力されることも
好ましい。読み出しアドレスで記憶されたデータP(i,f
j)は、パイロットトーンインサータ430へ入力され
る。インサータ430は、遅延された信号CKinの立ち
上がりで、DMTシンボルSiの周波数成分fjにおける
成分としてパイロットトーン値P(i,fj)を挿入する。そ
のとき、DMTシンボルは、通常、IFFT回路413
によって変換された周波数−時間である。
【0036】モデムMiの受信側において、ブロックR
Xは、図1に表されたモデムのブロックRXと同じもの
である。更に以下に説明されるように、RXから出力さ
れたデータは、データから受信された係数Hikを分離す
るデマルチプレクサへ入力される。
【0037】通常の送信モードにおいて、信号CKin及
びCKtが遅く、零が零インサータ420によって挿入
されず、パイロットトーン値がインサータ430によっ
て挿入されない。データXは、普通にマップされ、DM
TシンボルSiに並列化される。先補償回路30´から
受信した先補償DMTシンボル(H-1*S)iは、IF
FT回路へ直接的に送られる。
【0038】複合された送信/更新モードにおいて、零
インサータは、カウンタ422から得られた位置jに零
複素値を挿入する。これは、全てのモデムMiに対して
同時に行われる。それゆえ、各Siは、N−1個の通常
のマップデータと、周波数fjにおける零とを運ぶ。先補
償回路30´から受信した全ての先補償DMTシンボル
(H-1*S)iもまた、周波数fjの成分として零を有す
る。各モデムMiにおいて、この零は、パイロットトー
ンインサータによって、SELi=0ならば複素値P(i,
fj)=0に、SELi=1ならば複素値P(i,fj)=pjに置
き換えられる。pjは、周波数fjのみに依存する予め決め
られた複素数である。モデムM1、M2〜Mnは、CKin
の周波数で順番に選択される。更なるCKtパルスはjで
増分し、全体の挿入処理は新しい周波数fjで再び繰り返
される。
【0039】現在のカウンタ値がj0であり且つモデムM
i0が選択されたならば、NTモデムMc(i)で受信された
DMTシンボルの周波数fj0におけるn個の成分は、pj0
で乗算された行列H(fj0)のi0番目の列を構成する。そ
れゆえ、NTモデムMc(i)は、行列係数Hioi(fj0)をL
TモデムMiへ送信することができる。各係数は、例え
ば、予め決められたヘッダに先行する。LTモデムMi
のデマルチプレクサ440は、このヘッダを検出し、係
数Hioi(fj0)を抽出する。列ベクトル(Hioi(fj0)),i=
1〜nは、先補償手段30´へ送信され、メモリ31´の
j0番目の面のi0番目の列に記憶される。
【0040】図5は、図3Bの先補償回路と図4のLT
モデムとを用いたNTモデムの構造を表している。この
モデムの構造は、図1に表されたものと同じものであ
り、同一構成要素は、参照符号を平行移動して変換され
ている。これに対照して、NTモデムは、マルチプレク
サ520、更新手段530、及びモジュロNのカウンタ
522を含み、等化器を持たない。NT側では、コント
ローラ34´と同期し、同じシーケンスパターンを有す
るシーケンスコントローラを備えていると想定する。
【0041】更新手段530は、CKtによってクロッ
クされたモジュロNのカウンタ522からの値j0と、遅
延器531によって遅延された信号Ckinとを受信す
る。更新/送信モードにおいて、更新手段530は、F
FTブロック514から出力された受信されたDMTシ
ンボルの周波数j0の成分を、Ckinの立ち上がりで抽出
する。更新手段530は、係数Hioi(fj0)を、先に得ら
れた最終係数Hioi(fj0)と比較する。差の絶対値が、通
常、周波数fj0の関数である所与のスレッショルドThj0
よりも大きいならば、新しい係数が、ヘッダに付加さ
れ、マルチプレクサ520を介してLTモデムMiへ送
信される。
【0042】図3Bに戻って、第1の実施形態と同様
に、行列H(fj)の列は、図6に表されたように外部のL
T−FEXTキャンセラから直接出力され得る。周波数
内FEXTを想定して、LT−FEXTキャンセラは簡
単な構造を有する。このような具体例において、前述で
引用された出願に開示されたように、LT−FEXTキ
ャンセラが、行列Hu-1,j=1〜Nを推定する。これら行
列を、先補償行列H(fj)として用いることができる。
【0043】従って、本発明の少なくとも1つの描かれ
た実施形態で説明されたように、種々の変更、修正及び
改善が当業者によれば容易に行うことができる。このよ
うな変更、修正及び改善は、本発明の技術的思想及び見
地の中でしようとするものである。従って、前述の説明
は、例としてのみ用いたものであり、何ら限定するもの
ではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物と
して限定するものにのみ制約される。
【図面の簡単な説明】
【図1】DSL伝送システムで用いるために適したモデ
ムの構成図である。
【図2】DSL伝送システムで発生する種々のタイプの
ノイズを説明図である。
【図3A】本発明によるFEXTキャンセラの第1の実
施形態の構成図である。
【図3B】本発明による第1のキャンセラの第2の実施
形態の構成図である。
【図4】本発明の第2の実施形態によるFEXTキャン
セラを用いるために適したLT側のモデムの構成図であ
る。
【図5】本発明の第2の実施形態によるFEXTキャン
セラを用いるために適したNT側のモデムの構成図であ
る。
【図6】本発明の第1及び第2の実施形態によるLT−
FEXTキャンセラとNT−FEXTキャンセラとの両
方に用いるDSL伝送システムの全体の構成図である。
【符号の説明】
10、410、510 回線 11、411、511 マッパ回路 12、412、512 シリアル−パラレルコンバータ 13、413、513 逆高速フーリエ変換器、IFF
T 14、514 高速フーリエ変換 15 等化器 16、36、516 パラレル−シリアルコンバータ 17、517 デマッパ回路 18、418、518 ハイブリッド 19 サフィックス及びプレフィックスの付加手段 19´ サフィックス及びプレフィックスの削除手段 20 中央局 25、26 電話回線 30、30´ 先補償回路 31、31´ 記憶手段、メモリ 32、32´ 逆変換手段、行列インバータ 33、33´ 先補償手段、行列乗算器 34´ シーケンスコントローラ 35´ アドレスジェネレータ 37 シリアル−パラレルコンバータ 420 零インサータ 422、522 モジュロNのカウンタ 430 挿入手段、パイロットトーンインサータ 431、531 遅延器 432 モジュロnのカウンタ 433 ROM 434 比較器 440 デマルチプレクサ 520 マルチプレクサ 530 更新手段、アップデータ 60 LT−FEXT除去回路 61 NT−FEXT除去回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 500466407 エステーミクロエレクトロニクス エンフ ェー STMicroelectronics NV オランダ国, 1077 イクスイクス アム ステルダム, ストラウィンスキラーン 1725, ワールド トレード センター (72)発明者 トマス ノルトシュトローム スウェーデン国, エス−977 53 ルレ ア, プラクティカントヴァーゲン 8番 地 (72)発明者 ダニエル ベンクトゾン スウェーデン国, エス−977 53 ルレ ア, フォルスカルフ. 36アー番地 (72)発明者 オリヴィエ イソン フランス国, 38700 ラ トロンシュ, リュ ニコラ ブワロー, 28番地

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デジタル加入者回線伝送システム用の遠
    端漏話(FEXT)除去回路であって、該伝送システム
    は、n個の伝送チャネルについて離散マルチトーン(D
    MT)シンボル(Si)を対応するネットワーク(N
    T)終端モデム(Mc(i))へ送信する複数nの回線終端
    (LT)モデム(Mi)を含む、遠端漏話除去回路にお
    いて、 行列積HMが対角となるように、送信前に、ベクトル
    S=(Si),i=1〜nを先補償行列(M)で乗算する先
    補償手段(33、33´)を含み、Hは、R=HSに
    よって規定されたn個の伝送チャネルの伝達行列であ
    り、R=(Ri),i=1〜nは、モデムMc(i)でそれぞれ受
    信された前記DMTシンボルRiのベクトルであること
    を特徴とする遠端漏話除去回路。
  2. 【請求項2】 前記伝達行列(H)を記憶する記憶手段
    (31)と、 前記伝達行列を逆行列にし、該逆行列(H-1)を先補償
    手段(33)へ出力する逆変換手段(32)とを更に含
    むことを特徴とする請求項1に記載の遠端漏話除去回
    路。
  3. 【請求項3】 記録手段(31´)及び逆変換手段(3
    2´)を更に含んでおり、 前記記録手段(31´)は、トーンfjにおけるn個の伝
    送チャネルの伝達行列H(fj)を記憶し、H(fj)はR(fj)
    =H(fj)S(fj)によって規定され、R(fj)はベクトル
    R(fj)=(Ri(fj)),i=1〜nであり、S(fj)はベクトル
    S(fj)=(Si(fj)),i=1〜nであり、Ri(fj)及びSi(f
    j)は、受信したDMTシンボルRi及び送信したDMT
    シンボルSiそれぞれのトーンfjにおける成分であり、 前記逆変換手段(32´)は、前記伝達行列H(fj)を逐
    次に逆行列にし、該逆行列H-1(fj)を先補償手段(33
    ´)へ出力し、該先補償手段(33´)は、積H-1(fj)
    S(fj)を逐次に計算することを特徴とする請求項1に
    記載の遠端漏話除去回路。
  4. 【請求項4】 n個の伝送チャネルについて離散マルチ
    トーン(DMT)シンボルを対応するネットワーク(N
    T)終端モデム(Mc(i))へ送信する、複数nの回線終
    端(LT)モデム(Mi)を含むデジタル加入者回線伝
    送システムにおいて、 前記システムのNT側におけるFEXTを除去する請求
    項1又は2に記載の前記FEXT除去回路(61)と、 前記アップストリームの向きの複数の伝送チャネルの伝
    達行列H-1upの逆行列を推定することによって前記シス
    テムのLT側におけるFEXTを除去し、H=H-1upを
    前記FEXT除去回路の前記記憶手段へ出力する、LT
    −FEXT除去回路(60)とを更に含むことを特徴と
    するデジタル加入者回線伝送システム。
  5. 【請求項5】 n個の伝送チャネルについて離散マルチ
    トーン(DMT)シンボルSiを対応するネットワーク
    (NT)終端モデム(Mc(i))へ送信する、複数nの回
    線終端(LT)モデム(Mi)を含むデジタル加入者回
    線伝送システムにおいて、 前記システムのNT側におけるFEXTを除去する請求
    項3に記載のFEXT除去回路(61)と、 トーンfjにおけるアップストリームの向きの複数の伝送
    チャネルの伝達行列H -1up(fj)の逆行列を推定すること
    によって前記システムのLT側におけるFEXTを除去
    し、H(fj)=H-1up(fj)を前記FEXT除去回路の前記
    記憶手段へ出力する、LT−FEXT除去回路(60)
    とを更に含むことを特徴とするデジタル加入者回線伝送
    システム。
  6. 【請求項6】 n個の伝送チャネルについて離散マルチ
    トーン(DMT)シンボルSiを対応するネットワーク
    (NT)終端モデム(Mc(i))へ送信する、複数nの回
    線終端(LT)モデム(Mi)を含むデジタル加入者回
    線伝送システムであって、更に、前記システムのNT側
    におけるFEXTを除去する請求項3に記載のFEXT
    除去回路を含むデジタル加入者回線伝送システムにおい
    て、 各LTモデム(Mi)は、マルチトーンシンボルSiのト
    ーンfjにおける成分としての既知のシンボルP(i,fj)
    を、予め決められた時間に挿入する挿入手段(430)
    を含み、 各NTモデムMc(k)は、前記成分Rk(fj)を前記予め決
    められた時間に検出し、伝達行列H(fj)の係数Hik(fj)
    をそれらから導出する手段(530)を含み、 各NTモデムMc(k)は、前記係数Hik(fj)で送信すべき
    データを多重化するマルチプレクサ(520)を更に含
    み、 各LTモデムMkは、前記係数Hik(fj)を受信データか
    ら抽出するデマルチプレクサ(440)を更に含むこと
    を特徴とするデジタル加入者回線伝送システム。
  7. 【請求項7】 n個の伝送チャネルについて離散マルチ
    トーン(DMT)シンボルSiを対応するネットワーク
    (NT)終端モデム(Mc(i))へ送信する、複数nの回
    線終端(LT)モデム(Mi)を含むデジタル加入者回
    線伝送システム用の遠端漏話(FEXT)除去方法にお
    いて、 ベクトルS=(Si),i=1〜nは、行列積HMが対角と
    なるように、送信前に、先補償行列Mで乗算され、H
    は、R=HSによって規定されたn個の伝送チャネル
    の伝達行列であり、R=(Ri),i=1〜nは、モデムMc
    (i)によってそれぞれ受信されるDMTシンボルRiのベ
    クトルであることを特徴とするFEXT除去方法。
  8. 【請求項8】 前記伝達行列は記憶手段に記憶され、 前記伝達行列は、繰り返され且つ逆行列にされ、 前記逆行列は、先補償行列Mとして用いられることを特
    徴とする請求項7に記載のFEXT除去方法。
  9. 【請求項9】 トーンfjにおけるn個の伝送チャネルの
    伝達行列H(fj)は記憶手段に記憶され、H(fj)はR(fj)
    =H(fj)S(fj)によって規定され、R(fj)はベクトル
    R(fj)=(Ri(fj)),i=1〜nであり、S(fj)はベクトル
    S(fj)=(Si(fj)),i=1〜nであり、Ri(fj)及びSi(f
    j)は、受信したDMTシンボルRi及び送信したDMT
    シンボルSiそれぞれのトーンfjにおける成分であり、 前記伝達行列H(fj)は、繰り返され且つ逆行列にされ、 前記逆行列H-1(fj)は、トーンfjにおける先補償行列と
    して用いられることを特徴とする請求項7に記載のFE
    XT除去方法。
  10. 【請求項10】 各LTモデムMiについて、既知のシ
    ンボルP(i,fj)は、マルチトーンシンボルSiのトー
    ンfjにおける成分として予め決められた時間に挿入さ
    れ、 各NTモデムMc(k)について、成分Rk(fj)は、前記予
    め決められた時間に検出され、伝達行列H(fj)の係数H
    ik(fj)は、それらから導出され、送信すべきデータと多
    重化され、 各モデムMkについて、前記係数Hik(fj)は、受信され
    たデータから抽出されることを特徴とする請求項9に記
    載のFEXT除去方法。
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