JP5406315B2 - 自己誘導遠端クロストークを緩和するためのシステムおよび方法 - Google Patents

自己誘導遠端クロストークを緩和するためのシステムおよび方法 Download PDF

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Description

[関連出願へのクロスリファレンス]この出願は、2009年2月27日に出願され、シリアル番号61/156,361を有する“Instantaneous Partial Self-FEXT Cancellation and Precoding in VDSL Using Received/Transmit Symbol Energy Information at the CO”と題された米国仮特許出願の優先権と恩恵を主張し、その全体がここに引用によって組み込まれる。この出願はまた、2009年2月27日に出願され、シリアル番号61/156,381を有する“Off Diagonal Architecture of DSM3 Processor”と題された米国仮特許出願の優先権と恩恵も主張し、その全体もここに引用によって組み込まれる。
VDSLシステムでは、レートを制限する主要な要因の1つは自己FEXT(自己誘導遠端クロストーク)に由来する。一般に、自己FEXTを緩和するための装置はCO中心的であり、信号ベクタリングとしても知られる、DSM−3セッションに関与する異なるポートに跨った信号協調を要求する。ベクタリングは、CO(中央オフィス)がベクトル化されたユーザの送信および受信シンボルにアクセスすることを可能とする。従って、上流および下流の両方におけるFEXTキャンセレーションは一般にCOにおいて行われる。しかしながら、利用可能な計算リソースは限定されることができ、従ってCOが処理することができる計算の複雑度のレベルは限定される。
Nがベクトル化されたユーザの数を表すと想定しよう。完全な自己FEXTキャンセレーション方式は、DMTシンボル周期毎に(N)のオーダーの計算を要求する。関与するトーンの総数は4,096であり、わずか10人のベクトル化されたユーザでも、全ての自己FEXTキャンセレーションのための複雑度のレベルは一秒当り10億フロップのオーダーであることに注意されたい。しかも、FEXT緩和装置での電力消失もまた、FEXT緩和アルゴリズムの複雑度に比例する。あらゆる完全な自己FEXTキャンセレーションに関与するそのような複雑度の度合いは、今日利用可能なシリコンでは満たすことができないことを当業者は理解するであろう。このように、自己FEXT緩和を行いデータレートを拡大するためには、中央オフィスにおける利用可能な計算的リソースの最適な利用の必要がある。
簡単に述べると、なかんずく一実施形態は、トーン毎のFEXT(遠端クロストーク)緩和を行う方法である。方法は、入力信号の1つ以上の瞬時特性を決定することであって、特性は入力信号の振幅レベルと入力信号のエネルギーレベルの少なくとも1つを含むことからなる。方法は更に、入力信号の1つ以上の瞬時特性に従って、緩和のために入力信号を処理するかどうかを決定することからなる。緩和のために入力信号を処理するかどうかを決定することに基づいて、入力信号が緩和のために処理される。
別の実施形態は、入力信号の1つ以上の瞬時特性を決定することであって、1つ以上の瞬時特性は入力信号の振幅と入力信号のエネルギーレベルの1つ以上を含むことからなる。方法は更に、1つ以上の瞬時特性に従ってキャンセルする1人以上の妨害者を選択することであって、1人以上の妨害者を選択することは、DMT(離散マルチトーン)シンボル毎のベースで行われることからなる。
別の実施形態は、1人以上の妨害者についての瞬時特性を導出するように構成された推定器からなるシステムである。システムは更に、瞬時特性に従ってキャンセルする1人以上の妨害者中から選択する選択器であって、選択器は瞬時特性を閾値と比較するように構成されているものからなる。システムはまた、選択された妨害者のみの上でFEXT緩和を行うための遠端クロストーク(FEXT)緩和器からなる。
本開示のその他のシステム、方法、特徴および利点は、以下の図面と詳細な記載の精査によって当業者には明らかであるか明らかとなるであろう。全てのそのような追加のシステム、方法、特徴および利点は、この開示内に含まれ、本開示の範囲内であり、添付の請求項によって保護されることが意図されている。
開示の多くの側面は、以下の図面を参照することでより良く理解することができる。図面中のコンポーネントは必ずしも実寸大ではなく、むしろ本開示の原理を明確に描写することに強調が置かれている。しかも、図面中において、いくつかの図を通して同様の参照番号は対応する部分を指し示している。
図1は、DSLシステムにおいて典型的に経験されるクロストークの様々なタイプを描く。 図2は、中央オフィスが複数の送受信機からなるDSLシステムを描く。 図3は、図2に示されたベクトル化下流PMD層の例示的実施形態を描く。 図4は、図2に示されたベクトル化上流PMD層の例示的実施形態を描く。 図5は、犠牲者の受信器において経験される通りの、妨害者入力と犠牲者ユーザ上へのそのインパクトを描く。 図6は、部分的自己FEXTキャンセレーションのための配座ポイントを選択するための実施形態を描く。 図7は、図6に示されたような、部分的FEXTキャンセレーションの目的で妨害者入力を選択するために利用され得る決定境界のその他の実施形態を描く。 図8は、同じ振幅をもつが異なる位相の2つのクロスカップリングした異なるチャネルを通した一人の妨害者の自己FEXTの投影を描く。 図9は、AWGN背景ノイズのものに近いかそれより少ないレベルまで自己FEXTの貢献を低減するように、瞬時レベルを使った部分的自己FEXTキャンセレーションを行った結果を描く。 図10Aは、擬似不動点形式で格納された係数が実数および虚数の値に拡張された、プリコーダーまたはキャンセラーユニットの一つの可能な実装を描く。 図10Bは。正規化された係数が抽出されて乗算器入力に提示される別の実装を描く。 図11Aは、図10Bに描かれたアーキテクチャに基づいた、プリコーダーまたはキャンセラーユニットのその他の可能な実装を描く。 図11Bは、図10Bに描かれたアーキテクチャに基づいた、プリコーダーまたはキャンセラーユニットのその他の可能な実装を描く。 図11Cは、図10Bに描かれたアーキテクチャに基づいた、プリコーダーまたはキャンセラーユニットのその他の可能な実装を描く。 図12は、入力データの実数および虚数部分が両方共ゼロである時にゼロ出力を可能とする追加されたハードウェア回路をもった、図10A−Bと11A−Cに示された複素数乗算器の一つの可能な実装を描く。 図13Aは、複数の妨害者のデータ入力間で多重化されている、乗算器回路の一つの可能な実装を描く。 図13Bは、各個別の妨害者の複数の犠牲者ユーザ中へのカップリング係数を順序付けるための実施形態を描く。 図14Aは、プリコーダーの全体的アーキテクチャと、2人のDSLユーザNとMのDSLPHY装置への関連付けられたインターフェースを示す。 図14Bは、オフダイアゴナルプリコーダーアーキテクチャと呼ばれる自己FEXTプリコーダーアーキテクチャ上でどのように帯域の削減が実現されることができるかを描く。 図14Cは、上流キャンセラーの全体的アーキテクチャと、2人のDSLユーザNとMのDSLPHY装置への関連付けられたインターフェースを示す。 図14Dは、オフダイアゴナルキャンセラーアーキテクチャと呼ばれる自己FEXTキャンセラーアーキテクチャ上でどのように帯域の削減が実現されることができるかを描く。 図15は、図2に示された様々なコンポーネントを実行するための装置の実施形態を描く。 図16は、図2のシステムにおいて部分的自己FEXTキャンセレーションを行うためのプロセスの実施形態のトップレベルフロー図を描く。 図17は、2つの独立したデータストリームをデマッピングする前に二重FFTブロックの出力がトーン毎のベースで組み合わされた、2×2MIMO受信器の例示的実施形態を描く。 図18は、トーン毎の周波数ドメインエコーキャンセラーの例示的実施形態を描く。
本開示の様々な側面をまとめたので、ここで図面中に描かれている開示の記載を詳細に参照する。開示は、それらの図面との関係で記載されるが、それをここに開示された実施形態に限定する意図はない。逆に、意図は、添付された請求項によって規定される開示の精神と範囲内に含まれる全ての代替形、変形および同等形をカバーすることである。
当業者が理解するであろうように、クロストークは、デジタル加入者線(DSL)システムにおけるノイズの偏在的なソースである。図1は、DSLシステムにおいて典型的に経験される様々なタイプのクロストークを描いている。簡単のために、中央オフィス(CO)110は、2つの加入者線上で2セットの顧客構内設備(CPE)104、108と通信している2つの送受信機102、106からなる。送受信機102はCPE104と通信し、送受信機106はCPE108と通信する。描写のために、CO送受信機106とCPE108からCO送受信機102かCPE104のどちらかへのクロストークが記載される。しかしながら、干渉は、上流および下流パスの両方における同じ加入者線上の送信機および受信機の間であっても良く、それは送信信号の近端エコーである。
「遠端」という用語は干渉のソースが受信側から離れているシナリオを指し、「近端」という用語は干渉のソースが受信側に近いシナリオを指す。例えば、矢印112によって示される干渉は、下流通信中に結合された送受信機106によって生成され、CPE104によって受信されたノイズを描いている。「犠牲者」または「犠牲者ユーザ」という用語はクロストークについて検査されているラインまたは回路を指し、「妨害者」という用語はクロストークのソースを記載する。ノイズが受信側から離れて生成されるので、これは下流遠端クロストーク(FEXT)と呼ばれる。同様に、矢印114によって示される干渉は、上流近端クロストーク(NEXT)を描いている。矢印116によって示される干渉は、上流FEXTを描いており、矢印118によって示される干渉は、下流NEXTを描いている。特に、FEXTは、VDSLにおけるノイズの偏在的なソースである。従って、FEXTを緩和することのような、上述したような欠陥および不備に対処することへの様々な需要が産業界に存在する。
図2は、DSLシステム200を描いており、そこではCO230は、送受信機240a、240bおよび240cによって表された複数の送受信機からなる。送受信機は、別々の加入者線を通して、それぞれCPE210a、210b、210cに接続されている。図中、各加入者線は、その上流および下流パスに分けられている。送受信機240a−cのための下流パスは、それぞれ矢印202a、202b、202cによって示されている。同様に、送受信機240a、240b、240cのための上流パスは、それぞれ矢印204a、204b、204cによって示されている。この図では、Mベクタリングが可能とされたCPEの3つのみがCPE210a、210b、210cとして示されている。
信号がCO230からDSLループ上に下流に送信されると、エネルギーの或る量が一つの下流CO送信機から隣接するCPE受信機中に漏れて、それにより隣接する受信機中に望ましくないFEXTを作り出す。FEXTに対処するために、ベクタリングが可能とされたCPEに結合された送受信機は、情報を共有して、ベクトル化された物理的媒体依存性(PMD)下流(DS)層220によって示される多入力多出力(MIMO)プリコーディング信号の形での送信を協調することができる送信機を有する。
図3は、図2のベクトル化PMDDS層220の例示的実施形態を描いている。各送受信機について、PMD層220は、各送受信機中のマッパー304a、304b、304cとIFFT306a、306b、306cの間にMIMOプリコーダー320が挿入されている図3に示されたものに類似している。図2の送受信機240a、240bおよび240cについての詳細な下流PMD層が、それぞれPMD層330a、330bおよび330cとして示されている。それらは、配座マッパー304a、304b、304cのためにユーザデータを変換するためのシリアル−パラレル変換ブロック302a、302b、302cと、IFFT出力を時間ドメイン処理ブロック310a、310b、310cに変換するためのパラレル−シリアル変換ブロック308a、308b、308cを含む。一般的に、MIMOプリコーダー320の目的は、FEXTの加入者線中への望ましくない追加について送信機において補償することである。プリコーディング(またはプリキャンセレーション)は、送信データサンプル(即ち、CO側上のマッパー出力、下流送信配座ポイントと呼ばれる)を入力として取り、CO側上のIFFTへの入力のための事前補償されたデータサンプルを出力する、行列演算(プリコーダー行列340として示されている)によって行われる。事前補償は、ベクトル化されたグループ中の遠端受信機の各々においてFEXTがキャンセルされるように行われる。プリコーディングが有効であるためには、プリコーダー行列340がベクトル化されたDMTシステムの全てのサブキャリア間の完全な独立性を提示するように、全てのユーザのデータシンボルが送信機出力において同期化されて揃えられるべきである。
DMTシンボルの適切な同期および揃えがあると、プリコーダー演算は、ベクトル化されたグループ中の全てのユーザに跨った各サブキャリアについての行列乗算として見ることができる。一般に、サブキャリア毎のプリコーダー係数は、ベクトル化されたユーザの間に存在するFEXT結合チャネル行列の逆に向けて収束する。プリコーダー係数の導出は、その間に既知の信号シーケンスが良く決定されたパターンで各送信機によって送信されているところのFEXT結合チャネル分析フェーズの後で行われることができる。最適なプリコーディング行列を導出するための更なる詳細は、2007年8月25日出願の米国特許出願シリアル番号11/845,040に見つけることができ、それはここにその全体が引用によって組み込まれる。
図2に戻ると、信号がCPE210a、210bおよび210cからDSLループ上に上流に送信されると、エネルギーの或る量が一つの上流CPE送信機から隣接するCO受信機中に実効的に注入されて、それにより隣接する受信機中への望ましくない上流FEXT信号を作り出す。上流方向のFEXTに対処するために、ベクタリングが可能とされたCPESに結合された上流CO受信機は、情報を共有して、ベクトル化された物理的媒体依存性(PMD)上流層250によって示される多入力多出力(MIMO)キャンセリング信号の形での受信を協調することができる受信機を有する。
図4は、図2のベクトル化された上流(US)PMD層250の例示的実施形態を描いている。各受信機について、図4のPMD層250は、FFT406a、406b、406cとFEQ405a、405b、405cの間に挿入されたMIMOキャンセラー420からなる。代替的実施形態では、MIMOキャンセラー420は、FEQ405a、405b、405cとデマッパー404a、404b、404cの間に挿入される。一般に、MIMOキャンセラー420は、加入者線上の望ましくないFEXTについて受信機における補償を行う。キャンセレーションは、データサンプル(即ち、FFT配座出力またはFEQ配座出力)を受け取り、FEQまたはデマッパーへの入力のための補償されたデータサンプルを出力する、行列演算(キャンセラー行列440として示されている)によって行われる。
補償は、ベクトル化されたグループ中の受信機の各々においてFEXTがキャンセルされるように行われる。キャンセレーションが有効であるためには、キャンセラー行列440がベクトル化されたDMTシステムの全てのサブキャリア間の完全な独立性を提示するように、全てのユーザのデータシンボルが受信機出力において同期化されて揃えられるべきである。図2の送受信機240a、240bおよび240cについての詳細な上流PMD層が、それぞれPMD層430a、430bおよび430cとして示されている。それらは、時間ドメイン処理ブロック410a、410b、410cで処理された時間ドメインデータをFFTブロックに変換するためのシリアル−パラレル変換ブロック302a、302b、302cと、デマッパ−出力をユーザデータに変換するためのパラレル−シリアル変換ブロック402a、402b、402cを含む。
ベクタリングを可能とする一つの側面は、正に送信されて受信されたDMTシンボルの揃えと同期である。送信機の揃えの帰結として、受信されたDMTシンボルはベクタリングが可能とされたCOとCPE中で同期化される。揃えはCO230によって制御され、同期化された演算のために要求され、Mベクタリングが可能とされたユーザの間の直交性を確かなものとする。ベクタリンググループ中の全てのユーザの同期化と揃えによって達成される直交性は、トーン毎のベースでMIMOチャネルの簡略化を許容する。言い換えると、DSLのOFDM/DMT信号は幅広い帯域に渡って延びているが、循環性のプリフィックスによるチャネルの巡回性の性質のために、等価なMIMOシステムはN周波数チャネルからなり、それは独立したトーンとして見られることができる。
結果として、あらゆる妨害者とあらゆる犠牲者ユーザの間のFEXT結合伝達関数は、単純な複素数係数としてあらゆる与えられたトーンにおいて見られる。自己FEXTプリコーディングまたはキャンセレーション問題を複素数入力値の規定されたセットを1タップ複素数チャネル係数への入力としてもったトーン毎の問題に簡略化するこの直交性の性質は、ここに記載されるような、入力信号エネルギーに基づいた瞬時キャンセレーションの概念を梃入れする上での鍵である。しかも、概念は、多数の妨害者が単一の犠牲者ユーザにインパクトを与える自己FEXTキャンセレーション問題において表されるような、多入力/単一出力システムに適用されることができる一方で、記載された実施形態は単一入力/単一出力システムで実装されても良い。
自己FEXTを経験している同じベクトル化された犠牲者についてどちらの方向でも総データレートが最大化されるように、全ての周波数に跨って有効な、与えられたベクトル化されたユーザについてのCO230における自己FEXT(遠端クロストーク)キャンセレーションを行うための様々な実施形態が記載される。いくつかの実施形態については、部分的自己FEXTキャンセレーションは、カップリングと入力信号レベルに基づいてシステム中のユーザを順序付けすることを行うことからなる。その他の実施形態については、FEXTキャンセレーションは選択フェーズからなり、それにより各それぞれの妨害者の入力を処理するかどうかについて各妨害者に関する決定がなされる。各決定は、その他の妨害者による貢献とは独立になされる。そのような実施形態に従って、閾値アプローチが選択フェ−ズのために実装される。閾値を決定するために様々な要素が使われ、それらには平均入力信号エネルギーレベル、結合チャネルの振幅、および部分的FEXTキャンセレーションが行われた後の残留FEXTの目標レベルが含まれるが、それらに限定はされない。部分的自己FEXTキャンセレーションのための様々な実施形態は、消費電力の削減に結果としてなり、計算リソースの多重化または共有化を許容することが強調されるべきである。より詳細に後述されるように、その他の実施形態はまた、データ帯域要求の低減も提供する。
与えられたベクトル化された犠牲者について、自己FEXTによるノイズの平均パワーは、妨害者の平均送信シンボルパワーに加えて、犠牲者と妨害者の間のカップリングの関数である。この観察は、それらの平均送信パワーおよび犠牲者ユーザ中へのカップリングに基づいて、部分的キャンセレーション方式においてどの妨害者を処理するかの選択を行うライン選択アルゴリズムの導出に繋がる。この選択は、ユーザ数、各妨害者の平均送信エネルギー、およびそれらの犠牲者ユーザ中への相対的貢献が時間においてゆっくりと変動していると仮定されているので、時間において頻繁ではない間隔で行われることが期待される。様々な実施形態について、DMTシンボル毎のベースで与えられた犠牲者について特定のトーン上でキャンセルされなければならない妨害者を選択するために、妨害者の瞬時送信エネルギーにおける変動は、その帰結として受信されたエネルギーと共に、ファクターに入れられる。
関連する部分的キャンセレーション問題は、例えば利用可能なリソースが与えられた時の最適な性能目的を達成するために、利用可能な計算リソースに従ってFEXTキャンセレーションを行うためのトーンを賢く選ぶこと(「トーン選択」と呼ばれる)が関与することに注意すべきである。更に、ライン選択とトーン選択は共同して行われることができる。但し、全てのDMTシンボルにおいて予め選択された入力の実際のクロストークキャンセレーションを行う間、どのトーンについてどの妨害者をキャンセルするかを決めるラインおよびトーン選択アルゴリズムの両方は、統計的平均の観点からは犠牲者中への妨害者のエネルギーカップリングにだけ依存する。言い換えると、妨害者から犠牲者への瞬時FEXTの量は妨害者の瞬時配座エネルギーとカップリングの大きさの両方の関数であるという事実に関わらず、全てのDMTシンボルについて、予め決定された妨害者の同じセットが与えられた犠牲者のために各DMTシンボルにおいてキャンセルされる。妨害者の平均送信パワーは一定であり先天的に固定されているが、瞬時シンボルエネルギーは変動することに注意すべきである。
非限定的な例として、最高瞬時配座ポイントエネルギー(最も外側の配座ポイントに対応する)の最低瞬時配座ポイントエネルギー(原点に最も近い配座ポイントに対応する)に対する比が16、129、または42dBである14ビット/ビンQAM配座を考える。従って、直交システムにおける周波数当りの1タップ複素数乗算演算として表され得る、対応する自己FEXTチャネルの出力は、同じ42dBレンジで変動する瞬時エネルギーレベルを経験する。よって、第二の妨害者と比較して犠牲者中へのより弱いFEXTカップリングをもった第一の妨害者は、もし仮に両方の妨害者が同じ平均配座エネルギーで送信したとしても、より高いレベルの犠牲者中への瞬時FEXTを注入することが可能であることに注意すべきである。記載された様々な実施形態は、瞬時FEXTを考慮に入れて、カップリング値および送信シンボルのエネルギーに基づいた順序付けを行う。これに基づいて、瞬時FEXTパワーに従ってFEXTキャンセレーションが行われる。
カップリング値と送信シンボルのエネルギーに基づいて妨害者を順序付けすることに加えて、いくつかの実施形態は、各妨害者の送信したシンボルを独立して考慮することに向けられている。これは、同時にその他のユーザが送信したシンボルの自己FEXT貢献かまたは犠牲者によって経験されることが期待される背景ノイズレベルのどちらかと比較して、その個別のユーザの送信したシンボルの自己FEXTへの相対的貢献に基づいて達成され得る。記載された実施形態は、与えられたトーンについてのみのカップリングに基づいたライン選択が関与する従来のアプローチと比較した時に、SNRにおけるより高いゲインを提供することも強調されるべきである。
様々な実施形態は様々な送信または受信シンボルエネルギーのより多くの瞬時計算と比較が関与するので、一般にデータレートにおけるゲインとこのゲインを達成するために要求される追加のオンライン計算の間にトレードオフがある。そうであるので、代替的実施形態は、カップリングに基づいたオフライン決定と、様々な妨害者のシンボルエネルギーに基づいた単純なオンライン決定の両方の組み合わせに向けられている。この点では、瞬時FEXTの計算による追加の複雑度は、低い複雑度のアーキテクチャを提案することによってファクターに入れられる。
様々な実施形態は、犠牲者と妨害者の間のカップリングとそれらの瞬時送信入力信号レベルが与えられたときに様々なベクトル化されたユーザからの入力データ間の共通のリソースを多重化することによって、固定された計算リソースが与えられたときのシステムの性能を最大化することに向けられているが、これはまた削減された消費電力、削減されたデータ転送、および入力データが与えられた閾値より下の時の計算リソースが関与する低減された帯域要求に結果としてなることが強調されるべきである。これらの目的(例えば、削減された消費電力、削減された帯域)は、異なる実装を通して達成されても良い。
入力データのレベルを考慮した部分的FEXTキャンセレーションに向けられた実施形態は、入力信号が幅広いダイナミックレンジを有し(例えば、QAM配座)、対応するカップリングチャネルが単一タップ複素数または実数係数によって表されるようなその他のシステムで実装されても良い。カップリングチャネルのそのような特徴は、OFDMが実装されているシステムにおいて一般的であり、そこではキャリア間の直交性は、トーン毎の等価モデルに結果としてなり、各周波数ビンがその他とは独立に評価されることができる。
非限定的な例として、部分的キャンセレーションを梃入れすることに向けられた様々な実施形態は、COかまたは顧客構内設備(CPE)側のどちらかにおけるデュアルライン受信機中の(2×2)MIMO受信機で、およびもしその入力QAM信号が或る閾値より上に入れば、一つの方向の全ての入力QAMトーンのその他の方向の対応する受信機トーンへのインパクトを厳密にキャンセルする、重複周波数ドメインエコーキャンセラーで、実装されても良い。図17は、2×2MIMO受信機1700の例示的実施形態を描いており、そこでは2つの独立したデータストリームをデマッピングする前にデュアルFFTブロック1704、1712の出力がトーン毎のベースで組み合わされる。2×2MIMO受信機は、2つのダイレクトパス係数FEQ1706aおよびFEQ1706bのセットと共に、一つのチャネルのその他のもの中への干渉を差し引くクロスカップリング係数Cm,c1706dおよびCc,m1706cのセットからなる。図17において、デュアルチャネル受信機はまた、両ダイレクトチャネルの時間ドメイン処理ブロック1701aおよび1701bで処理された時間ドメインデータをFFTブロックに変換するためのシリアル−パラレル変換ブロック1702aおよび1702bと、デマッパ−1708a、1708bの出力をユーザデータに変換するためのパラレル−シリアル変換ブロック1710a、1710bを含む。
2つのDSLペア上での協調送信が関与する応用については、干渉チャネルは典型的には対応するダイレクトチャネルよりもはるかに小さな大きさのものである。部分的キャンセレーションの実施形態は、その他中への各チャネル独立でのカップリング係数Cm,cおよびCc,mと周波数の各々において2つの独立したダイレクトチャネル上で達成されるべき目標残留部分キャンセレーションまたは背景ノイズと関連付けられた閾値の決定に基づいた2×2MIMO受信機で実装されても良い。各チャネルの各トーン上のFFT出力は、それぞれのダイレクトチャネルの送信信号と関連付けられた潜在的に大きな配座サイズの使用のために大きなダイナミックスイングを顕示するので、クロスカップリング係数への入力も、大きなダイナミックスイングを顕示する。部分的キャンセレーション方式の応用は、カップリング係数Cm,cおよびCc,mとの乗算によってその他のチャネル中へのキャンセレーションのために処理されるために、2つのそれぞれの予め決められた閾値より上に入るFFT出力の配座ポイントを考慮することからなる。入力信号を選択的に処理することによって、各チャネルのその他のチャネル中への目標残留干渉ノイズレベルを依然として許容しながら、パワー削減およびリソース共有の様々な利点が可能とされる。
同様に、入力QAM信号の入力信号レベルに基づいた自己FEXTプリコーダーまたはキャンセラーについてここに記載された概念は、1タップエコーキャンセラー係数のトーン毎からなる、周波数ドメインエコーキャンセラーのキャンセレーションプロセスに適用されることができる。図18は、トーン毎の周波数ドメインエコーキャンセラーの例示的実施形態を描いており、それはフルデュプレックス周波数重複システムにおいて、各送信トーンと関連付けられた送信機配座信号の同じ周波数において位置する対応する受信トーン中へのインパクトをキャンセルするようにデザインされている。トーン毎の周波数ドメインエコーキャンセラー1820は、送信マッパ−1804の出力を入力として受信し、それが差し引かれるところの、FEQ1838の出力に影響を与えている自己エコーの複製を生成する。代替的実施形態では、自己エコーの複製の減算は、FFTブロック1836の出力において各トーンについて、FEQ1838の前に行われる。
図18を参照すると、受信パスでは、送受信機1800は、時間ドメイン処理ブロック1832で処理された時間ドメインデータを変換するシリアル−パラレル変換ブロック1834と、デマッパ−1740の出力をユーザデータに変換するパラレル−シリアル変換ブロック1842を含む。送信パスでは、送受信機は、ユーザデータをマッパ−1804に変換するシリアル−パラレル変換ブロック1802と、IFFTブロック1806の出力を時間ドメインブロック1810に変換するパラレル−シリアル変換ブロック1808を含む。部分的キャンセレーション方式の応用は、一方において送信トーンのエコーカップリング係数と対応する受信トーンによって、他方において受信トーン上で達成されるべき部分的キャンセレーション後の目標残留エコーノイズレベルまたは目標背景ノイズによって、決定されるところの閾値に対するそのレベルに従った送信配座信号の選択的処理における全てのトーンについて組み込まれる。再度、入力信号を選択的に処理することによって、トーン上の対応する受信信号中への各送信信号の目標残留エコーノイズレベルを依然として許容しながら、パワー削減およびリソース共有の様々な利点が可能とされる。
下流自己FEXT緩和については、全てのベクトル化されたユーザの送信シンボルがFEXTプリコーダーにおいて利用可能である。送信シンボルは、図3のマッパ−304a、304b、304cの出力によって表される。マッパ−の出力は、プリコーダー入力への提示の前に、トーン毎のスケーリングファクターの対象とされても良い。一般に、マッピング関数は、このトーン毎のスケーリングを組み込んでいるものとして解釈されるべきである。よって、与えられたトーンについて、送信されたエネルギーの定量化は、様々なユーザについての送信された配座ポイントの表現の実数部および虚数部の最上位ビット(MSB)の位置に基づいて行われることができる。代替的に、配座マッピングを生成するのに使われたデータビットの値が、入力信号のエネルギーまたは複素数平面中の振幅を定量化するのに使われても良い。特定のトーン上の上流自己FEXTキャンセレーションについては、受信シンボルのみがCO受信機において直接利用可能である。もし自己FEXTキャンセレーションが周波数ドメインイコライザーの後で行われれば、受信配座信号のエネルギーレベルは、配座プロセスがこの複素数信号を部分的キャンセレーションのための入力として考慮すべきかどうかを決定するために評価される。プリコーダーの場合については、エネルギー定量化は、指定された閾値に対する成分毎(即ち、実数部と虚数部)の大きさの比較に簡略化されても良く、そのようなアプローチは基本的にその固定点表現における指定された閾値によって決定された通りの与えられた位置より上に有意なビットがあるかどうかを決定することからなるので、それは削減された実装の複雑度の利点を供する。閾値決定はまた、関心のある周波数における自己FEXTチャネル係数の実数部および虚数部振幅と、犠牲者ユーザ中への妨害者の入力信号の除去のために目標とされた目標残留自己FEXTレベルと関連付けられていても良い。
代替的に、図4に描かれているような、周波数ドメインイコライザーの前にキャンセラーへの入力が取られる上流自己FEXTキャンセレーション方式では、瞬時妨害者選択のためのエネルギー定量化プロセスは、FFT出力における受信複素数信号の表現の実数部および虚数部に基づいている。エネルギー定量化はまた、指定された閾値に対する成分毎(即ち、実数部と虚数部)の大きさの比較に簡略化されても良く、それはまた、関心のある周波数における自己FEXTチャネル係数の実数部および虚数部振幅と、犠牲者ユーザ中への妨害者の入力信号の除去のために目標とされた目標残留自己FEXTレベルで決定されても良い。
例示的実施形態については、部分的FEXTキャンセレーションは、入力配座シンボルの入力信号レベル、および/または等価自己FEXTチャネル応答、および/または
関心のある特定のトーンにおける妨害者信号の犠牲者中へのキャンセレーション後に望まれる目標残留自己FEXTレベルに基づいている。前述した通り、このキャンセレーションプロセスにおける妨害者入力の使用の決定は、与えられた犠牲者についての全てのその他の妨害者とは独立になされることができ、またはもし関心のある周波数において1人より多くの妨害者が犠牲者にインパクトを与えていれば、その他の妨害者の入力と犠牲者ユーザ中へのそれらのそれぞれのチャネルカップリング係数の知識をもって共同になされることができる。後者の場合、キャンセルされるべき妨害者を選択する際にFEXTカップリングも考慮に入れるために、様々なユーザについての重み付けされた瞬時エネルギーを比較すること(ここで重みはFEXTカップリングに比例している)に基づいた方法が採用されても良い。ここでも、より単純な実装を組み込むために、エネルギーの代りに成分毎の大きさが使われても良い。両方法において、FEXTキャンセレーションは、主に妨害者の入力に基づいており、その重み付けされたエネルギーまたは振幅は、全ての妨害者の内の最初のいくつかの最も高いレベルのものの内にある。そうであるので、妨害者の最初のセットよりもより少なく有意な自己FEXTの相対的貢献を有する妨害者の入力は、FEXTキャンセレーションプロセスから廃棄されても良い。
ここで図5を参照すると、それは、犠牲者の受信機において見られる通りの、妨害者入力と犠牲者ユーザへのそのインパクトを描いている。この非限定的な例では、妨害者入力は128ポイントQAM配座502によって表され、それは自己FEXTチャネル504を通してクロスカップリングし、ここでは4QAM信号として表されている犠牲者信号506の上に重ね合わされている。4QAM配座(受信機におけるダイレクトチャネル等化後の)が、妨害者と関連付けられた自己FEXTノイズと共に示されている。受信信号の分布が、自己FEXT無しのノイズのAWGNレベルによって影響を受けた同じ4QAM配座ポイントと比較されている。様々な実施形態については、部分的キャンセレーションプロセスの目的は、自己FEXTのレベルを背景ノイズレベルのそれよりも少ないレベルまで低減することである。キャンセレーションプロセスにおいて考慮された妨害者の入力信号の決定のために適用されるべき閾値は、入力信号の配座ポイントのエネルギーに基づいていることができ、従って配座入力信号上の半径として適用されることができる。特に、この半径より下に入る配座ポイントは、キャンセレーションプロセスへの入力としては考慮されないであろう一方、半径の外側に横たわるものは、部分的キャンセレーションプロセスのために考慮されるであろう。
ここで図6を参照すると、自己FEXTクロスカップリングおよびキャンセレーションプロセスが示されている。自己FEXTが犠牲者ユーザにFEXTチャネルを通してクロスカップリングする間、プリコーダーまたはキャンセラーは、犠牲者の送信または受信信号から妨害者の自己FEXT信号の推定を引くことによって、1タップ複素数プリコーダーまたは1タップ複素数キャンセラーを通して自己FEXTのキャンセレーションを行う。図6は、部分的キャンセレーションプロセスのために考慮される配座のポイント、特に規定された円652の外側に横たわるものを、例として示す。部分的自己FEXTキャンセレーションプロセスの結果として、いくらかの残留自己FEXT信号が犠牲者ライン上に残る。残留自己FEXT信号の量は、部分的キャンセレーションプロセスのために考慮された入力信号の半径に比例する。図7に描かれているように、部分的キャンセレーションプロセスのために妨害者入力を利用するかどうかを決定するために使われる決定境界は、円、正方形、長方形、または星形、あるいはその他の規定された決定境界を含むがそれらに限定はされない、あらゆる数の形状として実施されることができる。決定境界は、入力配座のx軸およびy軸に適用されるか、またはあらゆるその他のより複雑な決定境界である。決定されるべき閾値は入力配座のxおよびy軸に沿って異なることができることは強調されるべきである。但し、妨害者配座の対称性は、xおよびy軸に沿って同じ閾値が適用されるべきであることを示唆する。
図8は、同じ振幅だが異なる位相の2つの異なるクロスカップリングチャネルを通した1人の妨害者の自己FEXTの投影を描いている。1つのチャネル802は妨害者の回転を誘導しない一方、別のチャネル804はπ/4の時計回りの回転を誘導する。犠牲者ユーザ上の自己FEXTの存在によって誘導されたエラーのxおよびy方向の分布が、同じレベルのAWGNノイズの分布と比較して、2つのチャネル802、804についてそれぞれ描かれている。自己FEXTによって誘導されたエラーの分散は、クロストークチャネルによって導入された回転に基づいて異なる。そうであるので、決定されるべき閾値は、クロストークチャネルの減衰の大きさだけでなくクロスカップリングの位相も考慮に入れることができる。
図9に描かれているように、入力信号の瞬時レベルを使った部分的自己FEXTキャンセレーションを行うことの目的は、自己FEXTの貢献を、自己FEXT無しの環境において犠牲者ユーザによって経験されるAWGN背景ノイズのそれに近いかまたはそれよりも少ないレベルまで低減することである。自己FEXT均一分布がガウス分布によって近似できる程度において、自己FEXTキャンセレーション後のエラー信号の分布は、分散σ’2≧σが自己FEXT無し環境の分散σに近いようなものであるべきである。様々な実施形態については、特定の配座ポイント入力が部分的キャンセレーションプロセスのために利用されるかどうかの決定は、自己FEXTクロストークカップリング係数の実数および虚数次元の相対的振幅に依存する、予め決められた閾値のセットに対するxおよびy軸に沿った入力配座入力信号の比較からなる。いくつかの実施形態については、比較は、入力信号自体の実数および虚数成分の振幅の比較によって先行されるか続かれる。
記載された概念を更に描写するために、以下を考える。まず、(X+jY)が与えられたユーザについての自己FEXTキャンセラーへの配座ポイントの複素数入力を表すとし、C=Cr+jCiが入力信号(X+jY)に潜在的に乗算されることができるキャンセラー係数とする。様々な実施形態に従って、もし実数のプリコーディングされた出力Sr=(XCr−YCi)または虚数出力成分Si=(XCi+YCr)が或る閾値より下であるかを決定することのみに基づいてキャンセレーションのための妨害者を選択するために、より低い複雑度の方法が実装されても良い。以下のシナリオを考える。まず、X>>YでありCr>>Ciであるとする。この場合、Sr=(XCr−YCi)〜=XCr>>Si=(XCi+YCr)であり、Crに対するXの相対的振幅が、特定の入力信号を考慮するかどうかを決定するのに単独で使われることができる。
他方、もしX>>YでありCr=Ciであれば、Sr=(XCr−YCi)〜=XCr〜=Si=(XCi+YCr)〜=XCiである。ここでは、Max(Cr、Ci)に対するXの相対的振幅が、入力信号を考慮するかどうかを決定するのに使われることができる。最後に、もしX>>YでありCr<<Ciであれば、Sr=(XCr−YCi)<<Si=(XCi+YCr)〜=XCiである。この場合、Ciに対するXの相対的振幅が、入力信号を考慮するかどうかを決定するのに単独で使われることができる。結果の対応するセットは、もしX<<Yであっても同様に達成されることができる。上の方法は、実数および虚数成分の大きさの比較に典型的には値の固定点表現中の最上位ビットの位置を決定することが関与するので、一般的に実装するのが容易である。異なる決定プロセスが様々な実施形態で実装されることができる。
FEXTキャンセレーションプロセスにおける入力信号レベルの考慮のために使われる先に記載された閾値は、入力信号のエネルギーと関連付けられていても良く、従って配座入力信号上の半径として適用されることができる。この半径内に横たわる(即ち、閾値652より下の)配座ポイントはFEXTキャンセレーションプロセスへの入力としては考慮されないであろう一方、半径の外側に横たわるものはFEXTキャンセレーションプロセスのために考慮されるであろう。いくつかの実施形態については、閾値は入力配座のx軸とy軸に対して異なることができることに注意されたい。いくつかの実施形態については、プリコーダーおよび/またはキャンセラーは、1タップ複素数乗算器として実施されても良い。従って、そのような実施形態は、キャンセラー係数の実数成分(cr)と虚数成分(ci)の相対的振幅(および可能なら符号)を知った上での、受信配座ポイントの相対的実数および虚数成分振幅の比較が関与する、代替的シンボル選択プロセスを組み込んでも良い。
閾値を決定するための様々なアプローチがここで記載される。1つのアプローチは、その特定の周波数において犠牲者ユーザに影響を与えている背景ノイズ成分の振幅に対する部分的FEXTキャンセレーションを行った後で残る残留自己FEXTの相対的レベルを考慮する。犠牲者ユーザに影響を与えている背景ノイズはガウシアンノイズであると仮定される一方、残留自己FEXTは、既知の自己FEXTカップリングチャネル係数と既知の入力信号によって決定される確率的なプロセスである。既知の入力信号は、x軸およびy軸に沿って閾値によって規定された境界内に入る配座ポイントに限定されている。
結果として得られる信号はガウシアン信号の和であり限定されたサポートをもった均一に分布した信号であるので、結果として得られる信号は本質的にガウシアンではない一方、結果として得られる信号はガウシアン信号によって近似されることができ、その分散は2つの信号の分散に等しい。部分的キャンセレーションプロセスのxおよびy入力のための閾値の導出は、犠牲者ユーザ配座上で或る信号対雑音比およびビットエラーレート(BER)を満たすために結果として得られる信号のノイズ分散がx軸およびy軸に沿って独立に必要とされる分散より下に入るように、決定されるべきである。閾値を決定するための別のアプローチは、全ての妨害者の貢献による各ビン(または信号エネルギー)中のFEXTの確率密度関数(pdf)を考慮する。閾値は、組み合わされた自己FEXTが或るレベルより下に入るように決定される。
以下の実施形態は、自己FEXTプリコーダー、キャンセラー乗算演算の消費電力の削減を達成するための、記載された部分的キャンセレーション技術の応用を例示する。まず、典型的な自己FEXT信号レベルは、15〜20dB以上受信機において見られる犠牲者の信号のレベルよりも下であることに注意すべきである。99%FEXTカップリングの大きさは以下によって与えられる:
Figure 0005406315
ここでfはHzでの周波数であり、dはメートルでのループ長である。非限定的な例として、f=3MHzでありd=300mであると仮定する。このシナリオでは、FEXTカップリングの大きさが8.26×10−3よりも低い確率は、約0.99である。以下のカップリング行列が、300mのAWG26バンドルを共有している5つのユーザシステムから取られる。カップリング分散は99%最悪の場合の条件に対するdB値で表現される。それは、ダイレクトチャネル信号レベルよりはるかに下であるFEXTカップリング伝達関数を実際に経験することがどれ程ありそうなことかを描写する。
Figure 0005406315
犠牲者ユーザのダイレクトチャネル信号レベルと比較したFEXT信号レベルの相対的な弱さは、それらがエネルギー正規化された入力信号に乗算されるので相対的に小さな大きさのものであるプリコーダーおよびキャンセラーの係数を作り出す。そうであるので、様々な実施形態について、複素数プリコーダーまたはキャンセラー係数Cr+jCiは、典型的には1個の符号ビットとE個の指数ビットとM個の仮数ビットをもった擬似浮動点フォーマットで符号化される。E個の指数ビットの決定は、仮数ビットが[−1、1]の区間中の正規化された値を表すようなものである。そうすることによって、複素数プリコーダーまたはキャンセラー係数Cr+jCiは、正規化された複素数値(cr+jci)と実数振幅C’の積C’*(cr+jci)として表現され得る。固定点2の補数の乗算(fixed point two’s-complement multiplication)実装では、この積は典型的には、シフターとそれに続く正規化された複素数乗算として実装される。自己FEXTチャネルとプリコーダーまたはキャンセラー値は、妨害者の信号を減衰する(ダイレクトチャネル犠牲者信号と比較して)ので、このシフターは減衰に相当するダウンシフト演算である。
ここで図10Aを参照すると、それはプリコーダーまたはキャンセラーユニットの実装を描いており、そこでは擬似浮動点フォーマットで格納された係数が2ステッププロセスで実数および虚数値Cr+jCiに拡張される。これは、係数抽出器608による正規化された係数(cr+jci)の抽出からなり、それはダウンシフタ−601、603に渡されて、妨害者QAM入力データで乗算される前に、指数によって表された数と等しい量でダウンシフトされる。複素数乗算器602の複素数出力は、妨害者信号の犠牲者中へのクロスカップリングを補償するために、概数器605、607を介して犠牲者ダイレクトチャネルの成分と加算または減算される。図10Bは、正規化された係数(cr+jci)が記憶装置から抽出されて乗算器602入力に提示される一方、ダウンシフタ−601、603が正規化された係数での乗算の前に指数によって表された数と等しい量で妨害者入力データを直接ダウンシフトする実施形態を描いている。出力結果は図10Aのものと同一であり、妨害者入力データの代りに係数がダウンシフトされている。
係数をダウンシフトするのではなく入力データをダウンシフトすることの恩恵は、前述したような或る閾値より下の入力データを廃棄することの概念が、ダウンシフト演算によって自動的に達成されることであることに注意されたい。ダウンシフト演算の結果として、指数と関連付けられた閾値より下のあらゆるデータは、ゼロとして乗算器入力に提示される。様々な実施形態は、内部レジスターをトグルせず、ゼロ入力信号がオペランドの1つとして提示された時にはいつでも一定のゼロ値を出力し、削減された消費電力から恩恵を受ける、補助されたハードウェアをもった乗算器からなっていても良い。言い換えると、X+jY配座入力信号が閾値よりも下である時はいつでも、ダウンシフト演算は、残された有意なビットがない実数および、または虚数部をもった、乗算器へのX’+jY’入力を作成する。
X’およびY’入力データの両方がゼロである時に内部および外部レジスターをトグルすることなく一定のゼロ値を出力する複素数乗算器602は、その動作においてパワーを保存し、組み合わされたダウンシフトと複素数乗算器は、図6に例示された入力信号選択プロセスを実装する。その境界が閾値によって決定されるグレーの影が付けられたボックスの外側に入る配座ポイントのみが、部分的キャンセレーションプロセスにおいて考慮される。図12を短く参照すると、それは入力データの実数および虚数部の両方がゼロである時にゼロ出力を可能とする追加のハードウェア回路をもった複素数乗算器の一つの可能な実装を示している。
記載された様々な実施形態は、犠牲者ユーザに影響を与えている自己FEXT妨害者の相対的レベルを有利に活かしている。擬似浮動点フォーマットでの自己FEXTカップリング係数の符号化と、与えられた妨害者と犠牲者の間のカップリングの減衰と直接関係する各入力妨害者データのダウンシフトのための対応する指数の適用は、各妨害者入力データについて異なる閾値が設定されることを実効的に許容する。この妨害者毎の閾値は、各妨害者によって犠牲者ユーザ中に誘導された残留自己FEXTの量を実効的に等化し、それにより部分的キャンセレーションの目的を達成する。ここまでに記載された様々な実施形態は、主に全ての妨害者と与えられた犠牲者の間のカップリングの相対的振幅を考慮に入れていたが、背景ノイズの貢献レベルと比較して犠牲者ユーザ上で達成されるべき目標残留FEXTノイズレベルを明示的には考慮していない。ここで記載される実施形態はこの側面を考慮に入れる。
部分的FEXTキャンセレーション方式のいくつかの実施形態については、キャンセルされていない犠牲者ライン上の残留自己FEXT信号の量は、キャンセラーまたはプリコーダーによって処理された最低出力信号値によって決定される。これに基づいて、この1タップ複素数プリコーダー、キャンセラー演算においては入力および出力信号レベルの間に直接的な関係があるので、この部分的キャンセレーションプロセスのための或る閾値を超える入力信号レベルのみが考慮される。犠牲者ユーザ上の背景ノイズに対する残留自己FEXTの相対的レベルに基ついて与えられた値より下に入る出力信号レベルを廃棄することは、部分的キャンセレーションプロセスのためにキャンセラーまたはプリコーダーの入力において考慮されるべき最小信号レベルを決定することと等しい。最小入力信号レベルが増加するにつれて、残留FEXTの量も増加する。従って、より高い背景ノイズフロアとエネルギーにおいて同様である残留FEXTエネルギーレベルを達成することは、入力閾値をより高い値に設定することを示唆する。図10Bに描かれたアーキテクチャにおけるより高い閾値の使用は、ダウンシフタ−701および703を使って入力データに追加のダウンシフトを行うことに相当する。但し、入力データの追加のダウンシフトは、図11A,11Bに描かれているような、アップシフタ−711、716を使った係数または出力データのアップシフトによって補償されるべきである。
アップシフト補償は、目標SNRと犠牲者ユーザ上の望ましい残留自己FEXTレベルに基づいた入力データの選択のために選択された閾値に関わらず、全体的なFEXTカップリング係数の大きさを同一に保つ。図11Cを参照すると、それはカップリング係数の大きさを表すのに使われる元の指数ビットがまた、要求される追加のダウンシフトを目標残留FEXTレベルの関数として示すためにも使われている一つの実装を示している。妨害者入力データは16ビットに基づいて符号化されているので、可能なダウンシフトの最大数は16(4ビット)に制限されている。但し、複素数プリコーダーまたはキャンセラー係数Cr+jCiを、追加のダウンシフトと大きさにおいて1の値を超えることができる正規化された複素数値(cr”+jci”)を含んだ指数からなるC”*(cr”+jci”)のフォーマットで、格納することを許容するために、係数バス726は12から16ビットに増加されている。16ビットの係数バス726は、目標SNR/残留FEXTレベルによって設定された追加のダウンシフトの数がゼロである時はいつでも下位12ビットのみが使われ、それにより先に図10Bに示された実施形態に戻るようなやり方で、乗算器の入力と揃えられる。
部分FEXTキャンセレーションのための以下の実施形態は、より大きな数の妨害者の間での与えられた乗算器のリソースのセットの多重化を達成する。図13Aは、乗算器回路902の一つの可能な実装を描いており、それは多数の妨害者のデータ入力の間で多重化されている。もしデータバス904からフェッチされ特定の妨害者のために規定された閾値に従って適切にダウンシフトされているデータが全ゼロ値を作り出せば、乗算器906は入力を廃棄してゼロ出力を作成すると共に、計算のために乗算器入力において提示される次の妨害者/係数セットをフェッチする。多数の妨害者の入力の共通の乗算器リソースへのそのような動的な多重化を許容することによって、乗算器リソースのより良い時間利用を行うことができる。
共通のリソースの時間多重化からの恩恵を受ける能力は、多数の入力データが、1つの乗算演算と関連付けられた時間よりも少ない時間で乗算器902の入力に提示されることができることを前提としている。非限定的な例として、もし妨害者のシフトされた入力データの50パーセントが与えられたシンボルについての全ての妨害者に跨って統計的にゼロであれば、多数の連続したシフトされた入力データセットが全てゼロの場合には、多数の妨害者のための入力データのセットの系列および関連する係数が乗算器のユニットに提示されるべきである。
図13Bは、別の入力多重化概念の活用を容易にすることを目論むことができる、各個別の妨害者のカップリング係数を多数の犠牲者ユーザに順序付けするための実施形態を描いている。図13Bでは、プリコーダー/キャンセラー計算プロセスが、選択された妨害者と全ての犠牲者ユーザの間のカップリングを表す選択された妨害者犠牲者係数と一緒に乗算されるべき妨害者入力データと共に提示される。いくつかの実施形態については、プロセスは、与えられたトーン上の1人の妨害者に対応する入力データが乗算リソースに提示されて、カップリング係数の大きさに基づいて先天的に順序付けされている、この妨害者の全ての犠牲者ユーザ中へのインパクトと関連付けられた全てのカップリング係数で、処理されるようなやり方で、行われる。
1人の与えられた妨害者の同じ入力データが徐々にダウンシフトされていくにつれて、そしてより弱いカップリングチャネルと関連付けられたカップリング係数がより多くの減衰と共に考慮されていくにつれて、図13Aの乗算器の入力データが全セロとして現れ、或るレベルの減衰が到達されたので全ての後続の犠牲者ユーザについて乗算プロセスが停止されることができる。この時点で、別の妨害者からのその他の入力データが処理のために考慮に入れられることができる。これが図13Bに描かれており、そこでは妨害者入力データが妨害者1から妨害者Nまで順次提示される。考慮している各妨害者データ(例えば、図中に円で囲まれている妨害者2)について、N−1人の犠牲者ユーザ中への関連付けられた予め順序付けられたカップリング係数が連続してフェッチされる。示されるように、妨害者2の犠牲者ユーザ3中へのカップリングは、あらゆる犠牲者中への全てのカップリングの中で最も大きな振幅を有する。これは妨害者2の犠牲者ユーザ1中へのカップリングと、それから犠牲者ユーザJによって続かれ、それにより妨害者2に対応する妨害者/犠牲者カップリング係数の順序付けされたセットを作成している。
この非限定的な例については、犠牲者ユーザ5中へのカップリングが、あらゆる犠牲者中への妨害者2の全てのカップリングの中で最も小さな振幅を有する。妨害者2のあらゆる入力信号レベルについて、ユーザ5の係数と関連付けられたダウンシフトが、ユーザJと関連付けられたものよりも多く、それはユーザ1またはユーザ3でさえもと関連付けられたものよりも大きい。但し、妨害者2の与えられた瞬時入力信号レベルについては、ユーザJについて図13Bに描かれているように、特定の犠牲者ユーザと関連付けられたダウンシフトの量は、乗算器の入力にゼロ入力を作成しても良い。従って、犠牲者Jについてのこの与えられた入力信号の処理は、妨害者2と関連付けられた順序付けプロセスにおけるJに続く全ての犠牲者ユーザのための処理と共に、回避されることができることは強調されるべきである。
一旦このステージに到達すると、妨害者3の瞬時信号の処理と、この妨害者の全ての犠牲者中への予め順序付けされたカップリング係数のプリフェッチが行われても良い。部分的キャンセレーション方式のそのような実施形態は、処理パワー保存とリソース共有の恩恵の両方を提供することに注意すべきである。また、順序付けは、ダウンシフタ−かまたはFEXTチャネルのみのカップリングと関連付けられた閾値の相対的値のどちらかに追従することができ、あるいはその他の実施形態では、順序付けは、各犠牲者ユーザと関連付けられた目標SNRまたは残留FEXTと共に、ダウンシフタ−かまたはFEXTチャネルのカップリングと関連付けられた閾値の相対的値に追従することができることにも注意されたい。
パワー保存とリソース共有の恩恵は、考慮している妨害者の様々な犠牲者ユーザ中へのインパクトと関連付けられた閾値の相対的値に従って順序付けプロセスを行うことによって達成されることができる。一般に、入力データと関連付けられた閾値に基づいて入力を乗算器に多重化することは、妨害者の与えられたセットについての乗算の量を削減するか、またはより大きな数の妨害者/犠牲者プリコーディングまたはキャンセレーションプロセスを達成するために与えられた時間スロット中のより大きな数の乗算に結果としてなるかのどちらかである。この非限定的例では、与えられた妨害者の全ての犠牲者ユーザ中への係数の単純な順序付けは、与えられた妨害者の全ての犠牲者中へのインパクトの乗算と関連付けられた計算時間を削減するために、容易に実装されることができる。パワーを保存することに加えて、順序付けは、1人の妨害者の与えられた犠牲者中への無視できるインパクトを計算するのに費やされた乗算器のアイドル時間を一纏めにして、この計算をバイパスすることを許容する。時間を節約することに加えて、記載された実施形態はまた、係数フェッチおよびその他の内部データ転送と関連付けられた動きも削減する。
部分的FEXTキャンセレーションのいくつかの実施形態は、自己FEXTプリコーダーおよびキャンセラーアーキテクチャのエンティティ間のデータ転送の削減が達成され得るように実装されても良い。記載された以前の実施形態でも、自己FEXTプリコーダーまたはキャンセラーにおけるデータ転送の内部的削減を実現することができ、それによりデータ帯域要求が低減されることに注意されたい。図13Bを参照し直すと、順序付けされた犠牲者ユーザJおよびそれより下についての妨害者2の計算されたFEXT成分は、各犠牲者ユーザと関連付けられた部分的FEXTキャンセレーションの蓄積に追加される必要はなく、それにより内部データ転送が削減される。また、予め順序付けされた係数テーブルにおける妨害者2についての犠牲者jに続く係数フェッチ動作は、犠牲者jに続く妨害者2の犠牲者中への対応するFEXT成分は処理されないので、必要がなく、それによりまたいくつかの内部データ転送を制限する。
更には、図14Bおよび図14Dに詳細が示されたオフダイアゴナルアーキテクチャと呼ばれる、自己FEXTプリコーダーおよびキャンセラーアーキテクチャ上で、帯域の削減を実現することができる。図14Aには、プリコーダーの一般的アーキテクチャと、2人のDSLユーザNとMのDSLPHY装置への関連付けられたインターフェースが示されている。オフダイアゴナルプリコーダーのいくつかの実施形態については、DSLユーザNのデータを送信するためのダイレクトパスの存在、および主に全てのその他のユーザ(ユーザM)からのFEXT推定からなる非ダイレクトパスの存在に注意すべきである。2つのエレメントは組み合わされて、ライン上に送信されるが、実際の処理の区分けは以下のようになされる。図14Aに描かれているように、DSLユーザNは、ユーザNデータの配座マッピングおよびゲインスケーリングを完全な分解能で行う。ユーザNのデータは、インターフェース1420を跨いでプリコーディングのためのDSM3プロセッサ131まで転送される。プリコーディングは2つのパートからなる:まず、ユーザNからユーザM中へのFEXT成分の推定をユーザN入力データから導出する。この推定はそれから、ユーザMの信号から引かれ、ユーザMのIFFT1434に渡される。ユーザN入力データはまた、ユーザMからのFEXTについての推定を受け取る。その他のユーザのFEXT推定と組み合わされたユーザNの処理されたダイレクトパスデータはそれから、ユーザNのライン上での送信のためにIFFTに渡される。図14Aはこのプロセスを描いており、それによりユーザNのダイレクトパスエレメント1442は、インターフェース1430を跨いでIFFT入力バッファー1432に提示される前に、ユーザMのFEXT推定およびDSM3プロセッサにおけるダイレクトチャネルの高次の対角エレメントと組み合わされる。
図14Bは、このプリコーダーアーキテクチャの代替形を描いており、そこではダイレクトパスとFEXT推定の組み合わせ動作は、DSM3プロセッサ上ではなくDSLPHY上で行われる。入力信号の瞬時振幅と共通のリソースの多重化に基づいた部分的キャンセレーションのそのような実施形態は、DSM3プリコーディングプロセスの異なるエンティティ間のインターフェース1420上の帯域使用を削減することに向けられている。DSM3プリコーダーの入力データが期待される残留自己FEXTと関連付けられた或る閾値より下に入る時にはいつでも、その入力データはプリコーダーには転送されない。図14A、14Bの下流プリコーダーの例へのこの応用は、上流キャンセラーアーキテクチャに拡張することもできることに注意されたい。そのようなキャンセラーアーキテクチャが、図14Cおよび図14Dに描かれている。
図14Cでは、DSLユーザNのダイレクトパスがインターフェース1440上でDSM3プロセッサ131まで転送され、そこでそれはDSM3プロセッサ、DSLPHYユーザNインターフェース1450を跨いで搬送し戻される前に、DSM3キャンセラープロセッサ上のユーザMのFEXT出力推定と再度組み合わされる。図14Dは、ユーザNのダイレクトパス成分がDSM3プロセッサ上ではなくDSLPHY層上のユーザMのFEXT出力推定と再度組み合わされる、オフダイアゴナルの差別化されたアーキテクチャの実施形態を示している。そのようなアーキテクチャは、ユーザNのFFT出力バッファーにおけるDSLユーザNの入力データが、ユーザNのユーザM中への期待された残留自己FEXTと関連付けられた或る閾値より下に入る場合に、DSLPHYとDSM3プロセッサの間のインターフェース1440における帯域の削減を許容する。もし与えられたトーンについてのFFT出力バッファーの出力がこの予め決められた閾値より下に入れるならば、データはDSM3プロセッサには搬送されず、それによりインターフェースにおける帯域を削減する。
プリコーダーまたはキャンセラーアーキテクチャにおける部分的キャンセレーションの実施形態について、各妨害者入力と関連付けられた閾値の決定がこのセクションで説明される。様々な実施形態について、2つのモデルが実装されても良い。第一のモデルは、その特定の周波数において犠牲者ユーザに影響を与えている背景ノイズ成分の振幅に対する部分的キャンセレーションの後に誘導された全体的な残留自己FEXTの相対的レベルを考慮する。犠牲者ユーザに影響を与えている背景ノイズがガウシアンノイズであるという事実が考慮される一方、残留自己FEXTは確率的なプロセスであり、それは既知の自己FEXTカップリングチャネル係数と既知の入力信号によって完全に決定され、それはxおよびy軸に沿って閾値によって規定された境界内に入る配座ポイントに限定されている。結果として得られる信号は、ガウシアン信号の和であり限定されたサポートをもった均一に分布した信号であるので、本質的にガウシアンではない。但し、それはガウシアン信号によって近似されることができ、その分散は2つの信号の分散の和に等しい。部分的キャンセレーションプロセスのxおよびy入力のための閾値の導出は、犠牲者ユーザ配座上で或るSNRおよびBERを満たすために結果として得られる信号のノイズ分散がx軸およびy軸に沿って独立にまたは共同で必要とされる分散より下に入るように、決定されるべきである。以下では、x軸およびy軸についての閾値が導出される。提示される方法は、クロストークのxおよびy軸成分に別々にまたは同時に適用されることができることに注意されたい。
部分的FEXTキャンセレーションの目的は、利用可能なリソース(複雑度、パワー等)に基づいて可能な最大レートを達成することである。従来のアプローチに対して前述したように、高レートを達成する一つのやり方は、オフライン事前処理と与えられた犠牲者について全てのトーンに跨ったカップリングの順序付けを行うことと、部分的キャンセレーションのためにそのように順序付けされたカップリング妨害者のサブセットのみを処理することである。但し、この方式は、大きなQAM配座中で顕著に(42dBまで)変動することができる瞬時送信シンボルエネルギーの変動を考慮しない。よって、部分的キャンセレーションのためのより最適な順序付けは、全てのトーン上で犠牲者の上に誘導された様々な妨害者からのクロストークエネルギーの処理と、全ての単一のDMTシンボルにおけるキャンセレーションのためにそれらを順序付けすることが関与する。瞬時ライン順序付けとトーン順序付けは、DMTシンボルベースで適用することができる。更にもっと最適な実装は、全てのトーンに跨った様々な妨害者から犠牲者への瞬時クロストークエネルギーに基づいて行われるラインおよびトーン共同の順序付けが関与する。瞬時エネルギーに基づいた順序付けのその他の実施形態も可能である。
但し、この順序付けは、潜在的に大量のオンライン計算が関与し、それにより部分的キャンセレーションを行うことの目的を打ち負かす。そうであるので、様々な実施形態はこれをファクターに入れて、オフライン順序付けを最小のオンライン計算と組み合わせ、よってレート(同じ計算的複雑度について)または計算の削減(与えられたレートについて)のどちらかのゲインを得る。これは、それより下の入力データを廃棄するように、全てのトーンにおける各犠牲者についての閾値を固定することによってなされる。様々な実施形態は、妨害者上に犠牲者によって誘導されたFEXTを閾値処理するか、またはそれが処理される前に特定の犠牲者についての妨害者の入力信号エネルギーを閾値処理するかのどちらかであっても良い。各トーン上の全ての妨害者について別々の閾値が組み込まれても良いことが再度強調されるべきである。閾値を決定することには、平均入力信号エネルギー(即ち、下流方向で送信された信号の平均エネルギーおよび上流方向で受信されたシンボルの平均エネルギー)、犠牲者と妨害者の間のクロストークカップリング、および部分的キャンセレーション方式を使って達成されるべき目標SNRを含んだ様々なファクターの考慮が関与する。目標SNRまたは残留ノイズレベルの実際の値は、後述するように、その他のファクターによって決定されることができる。
与えられた犠牲者についてあらゆる一つのトーン上で閾値を決定するための2つの方式がここで記載される。第一の方式では、全ての妨害者についてのクロストークの入力推定が共通の閾値と比較され、閾値より少ないクロストークエネルギーはキャンセレーションまたはプリコーディングの目的のために更には処理されない。様々な実施形態について、この閾値は、特定のトーンについての全ての妨害者の与えられた犠牲者上へのインパクトについて同じであることに注意されたい。但し、その他の実施形態については、異なる閾値が実装されても良い。クロストークエネルギーは、カップリングの大きさと入力信号レベルの積である。この方式における閾値は、残留FEXTが統計的な観点から目標SNRを達成するように求められる。
下記の実施形態では、実数および虚数部についての閾値の導出が別々に考慮される。更には、与えられた犠牲者からユーザへのクロストークエネルギーは連続であり、別々に考慮される2つの方向のいずれにおいても均一なpdfのものであると仮定される。但し、クロストークエネルギーは、多くのQAM配座において均一に分布していないかも知れない。以下に提示される方法はそれでも、クロストークの非均一なpdfにも適用可能である。しかも、xおよびy方向の両方についての単一の共通した閾値も、提示される方法で計算されることができる。以下に提示される実施形態は、閾値を決定するために使われる方法の一例としてのみの役割を果たし、いかなるやり方でもそれを限定はしない。
全ての妨害者と犠牲者の間の実数カップリング係数と配座のX軸に沿った入力変動を考える。従って、全ての残留FEXT信号は、犠牲者配座のX軸に沿ってそれ自体を投影する。一つのトーン上の全てのベクトル化されたユーザについてのX方向に沿った共通のクロストークエネルギー閾値がεthで表されると仮定する。妨害者の総数をNとする。また、i番目の妨害者について、最大クロストークエネルギーが
Figure 0005406315
で与えられるとし、最小クロストークエネルギー(原点に最も近いシンボルに対応する)が
Figure 0005406315
で与えられるとする。妨害者インデックスiによる犠牲者上の閾値εthが与えられた時の残留FEXTエネルギーの期待される値は:
Figure 0005406315
で与えられ、ここでEは期待演算子を表す。よって、部分的キャンセレーション後の全ての妨害者によって誘導された犠牲者についての総残留FEXTは:
Figure 0005406315
である。犠牲者についての目標ノイズレベルをσ tarとすると、前の式によって、以下の式が導出される:
Figure 0005406315
大きな配座については
Figure 0005406315
および
Figure 0005406315
であると仮定することができる。これに基づいて、以下の表現を導出し得る:
Figure 0005406315
最大配座エネルギーλmaxが全ての配座サイズについて同じであると仮定すると、これは
Figure 0005406315
を導く。すると上の式は
Figure 0005406315
として書き直すことができる。εthは、犠牲者ユーザにインパクトを与える様々な妨害者の個別のクロストークエネルギー上に適用されるべき閾値であることに注意されたい。この閾値を各妨害者の入力信号に報告するために、カップリングが上の式中にファクターとして入れられる必要がある。
同様の分析がY方向についてもなされることができる。閾値の導出のための上の式は、全ての妨害者の犠牲者ユーザ中への残留FEXTエネルギーに基づいている。妨害者と犠牲者の間のカップリングが未知であるか同一であると考えられる場合には、妨害者の信号エネルギーのみに基づいた閾値の同様の導出も求めることができる。閾値を使うための上に記載された方法は、あらゆる望ましい値に設定することができる目標SNRを達成する。
いくつかの実施形態については、共通の閾値を使うことの概念は、与えられた犠牲者について各妨害者のための個別化された閾値を組み込むことに拡張されることができることに注意されたい。この場合には、部分的クロストークキャンセレーション後の各妨害者についての目標ノイズエネルギー(σ tarは、全ての妨害者のノイズエネルギーの総和がσ tarである、つまり
Figure 0005406315
であるように決定される。部分的キャンセレーション後の個別の妨害者の残留目標FEXTは(σ tar
Figure 0005406315
によって与えられる。そのような実施形態については、閾値は各妨害者について別々に保たれる。そのような実施形態の一例は、個別の目標残留FEXTが特定の犠牲者についての全ての妨害者について等しい時であり、よって、N人の妨害者について、
Figure 0005406315
である。ここで上に概略を示した期待方法を使って個別の閾値(ε thを求めるために上の式を適用することができる。この場合には、各妨害者のための個別の閾値は、各妨害者と関連付けられたカップリング係数によってキャンセラーの出力において導出された共通の閾値と関係している。
いくつかの実施形態は、記載された部分的FEXTキャンセレーション技術を、自己FEXTプリコーダー、キャンセラー、乗算演算の消費電力の削減を達成するために採用する。その他の実施形態は、より多くの数の妨害者の間で与えられた乗算器リソースのセットの多重化を達成することに焦点を当てている。更に別の実施形態は、自己FEXTプリコーダーおよびキャンセラーアーキテクチャ内のエンティティ間のデータ転送を削減するために記載された部分的FEXTキャンセレーション技術を適用することに向けられている。例えば、この帯域削減は、より詳細に先に記載されたオフダイアゴナルアーキテクチャまたは「差別化されたアーキテクチャ」と呼ばれるタイプの、自己FEXTプリコーダーおよびキャンセラーアーキテクチャ上で実現することができる。
図2を参照し直すと、それは瞬時自己FEXTキャンセレーションを行うためのここに記載された様々な実施形態が実装され得るDSLシステムを描いている。いくつかの実施形態に従って、システム200は、DMTベースのVDSL(超高ビットレートDSL)システムからなっていても良い。図2に描かれているように、システム200は、NセットのCPE(顧客構内設備)またはユーザ210a、210b、210cを含む。システム200は更に、自己FEXTキャンセレーションを行うためのFEXT緩和器137からなる。FEXT緩和器137は、下流方向と関連付けられたFEXTを緩和するための計算部131からなり、ここでいくつかの実施形態については、計算部131はMIMO(多入力/多出力)プリコーダーとして実装されても良い一方、上流方向と関連付けられたFEXTを緩和するためには、計算部131はMIMOキャンセラーからなっていても良い。計算部131は、各COのDSL送受信機240a、240b、240cの上流(US)および下流(DS)のベクトル化されたPMD層と密接に結合されている。FEXT緩和器137は更に、計算部131を制御する自己FEXTキャンセレーション制御部132からなる。制御部132は、与えられた妨害者の瞬時特性を監視する推定器135からなる。制御部132は更に、閾値に従ってキャンセルする妨害者を選択するための選択器139からなる。FEXT緩和器137は更に、外部ソースからのノイズに対処するキャンセラーからなっていても良い。CO230はまた、xDSLアクセス多重化器(DSLAM)、PHY層装置240a、240b、240c、およびユーザ240a、240b、240cとインターフェースするためのその他の設備を含んでいても良い。
先に記載されたように、全てのユーザは一般的に同じパワースペクトル密度(PSD)仕様の下で動作するので、全てのベクトル化されたユーザ(妨害者と犠牲者の両方)の平均送信パワーは、典型的には同じである。そうであるので、従来のアプローチは、時間と共にゆっくりと変動しておりよって確定的であると仮定されているFEXTカップリングに基づいて、与えられた犠牲者上でどの妨害者FEXTをキャンセルするかとどの妨害者をキャンセルしないかを決定することに焦点を当てていた。従来のアプローチでは、このアプローチは一般的にライン選択と呼ばれる。COにおける信号協調をもったベクトル化されたVDSLシステムは、この分野における比較的最近の進展である。計算および格納リソースの限定された量が与えられた時に、現行のアプローチは、FEXT緩和を行うためのトーンを最適化するためのトーン選択および/または各トーン上でキャンセルする妨害者の数を決定するためのライン選択に焦点を当てている。この点では、ライン選択が関与した従来のアプローチはカップリング値に基づいて部分的キャンセレーション決定を行うことに焦点を当てる一方で、それらは瞬時シンボルエネルギーの判定基準に焦点を当てることに失敗している。瞬時DMTシンボル−DMTシンボルレベルで見た時に、妨害者から犠牲者中に注入された自己FEXTノイズは妨害者上の瞬時送信パワーに依存しており、それはもし送信配座が大きければ一つのシンボルから別のものまで大幅に変動することができる。
ベクトル化されたVDSLシステムにおいてはしばしば、計算リソースの効率的な割り当てが、様々なベクトル化されたユーザについてのデータレートの最適化を助ける。一つの割り当て方式は、オフラインのラインとトーン共同の選択が関与し、そこでは全てのリソースは、妨害者と犠牲者の間のカップリングのみに基づいて犠牲者についての全てのトーンの間で分割される。瞬時部分的キャンセレーションの一実施形態は、部分的キャンセレーションにための与えられたトーン上の期待される乗算の総計が上記のオフライン計算(ライン選択、トーン選択および/またはラインおよびトーン共同の選択に基づいた)を使って割り当てられた数と等しいような閾値の計算に基づいている。この閾値は、各トーンにおいて利用可能な残留FEXTに基づいた閾値決定(先に記載されたような)と同様のやり方で決定されることができる。
様々な実施形態は、トーン毎のFEXT緩和を行うためにリソースの動的な割り当てに向けられており、それはプリコーディングまたはFEXTキャンセレーションからなっていても良い。特に、様々な実施形態はDSM3のFEXTキャンセレーションシステム200に向けられており、そこでは推定器135が、FEXT妨害者入力信号の瞬時エネルギーおよび/または振幅レベル、特定には妨害者配座上で送信または受信された配座ポイントの位置、を考慮に入れる。制御部132は、先に記載された技術に従って予め決められた閾値に基づいてFEXTキャンセレーション部131の制御を行う。
DMTシンボル毎のベースの選択プロセスが組み込まれ、それにより選択器139は、FEXTカップリング行列のおよび/またはプリコーダー/キャンセラー係数の実数および虚数成分の振幅(およびいくつかの実施形態については符号)に加えて、瞬時入力信号振幅/エネルギーレベルを評価することによって、与えられたトーンについてどの妨害者をキャンセルするかを決定する。更には、FEXTキャンセレーションの様々な実施形態は、DSM3プロセッサ131と、2つの装置の間で交換されているデータの分解能の低減に梃入れし、それによりそれらそれぞれのインターフェース上の帯域を削減するDSL物理(PHY)層装置240a、240b、240cからなるシステム200において実装される。もし仮に、一般に、図2のCO中心的自己FEXTキャンセレーション実施形態を参照したとしても、そしてFEXT緩和がCO430またはCPE440a、440b、440cにおいて行われるかどうかに関わり無く、与えられた動作の方向(例えば、上流対下流)についての部分的自己FEXT緩和のための様々な実施形態が、CO230またはCPE210a、210b、210cのどちらかにおいて実装されても良い。
図15は、図2に示された様々なコンポーネントを実行するための装置の実施形態を描いている。一般的に言って、部分的自己FEXTキャンセレーションを行うための様々な実施形態は、数々の計算装置のいずれか一つにおいて実装されても良い。その特定の配置に関わらず、図2中のFEXT緩和器137は、メモリー1512、プロセッサ1502、および大容量記憶装置1526からなっていても良く、そこではそれらの装置の各々はデータバス1510に跨って接続されている。
プロセッサ1502は、あらゆる特注または商業的に入手可能なプロセッサ、FEXT緩和器137と関連付けられたいくつかのプロセッサの内の中央処理ユニット(CPU)または補助プロセッサ、半導体ベースのマイクロプロセッサ(マイクロチップの形の)、1つ以上のアプリケーション特定集積回路(ASICs)、複数の好適に構成されたデジタルロジックゲート、および計算システムの全体的動作を協調するための個別的および様々な組み合わせの両方の離散的エレメントからなるその他の周知の電気的構成、を含んでいても良い。
メモリー1512は、揮発性メモリーエレメント(例えば、ランダムアクセスメモリー(DRAM、SRAM等のようなRAM)および不揮発性メモリーエレメント(例えば、ROM、ハードドライブ、CDROM等)のいずれか1つまたは組み合わせを含むことができる。メモリー1512は典型的には、ネイティブオペレーティングシステム1514、1つ以上のネイティブアプリケーション、エミュレーションシステム、または種々のオペレーティングシステムおよび/またはエミュレートされたハードウェアプラットフォーム、エミュレートされたオペレーティングシステム等のいずれかのためのエミュレートされたアプリケーションからなる。例えば、アプリケーションは、コンピューター読み取り可能な媒体上に格納されプロセッサ1502によって実行されたアプリケーション特定ソフトウェア1516を含んでいても良く、図2に対して記載されたモジュール137、131、132、135、139のいずれかを含んでいても良い。メモリー1512は、簡単のために省略されているその他のコンポーネントからなることができ、典型的にはなっていることを当業者は理解するであろう。但し、モジュール137、131、132、135、139はまたハードウェアとして実施されても良いことが注意されるべきである。
上述したコンポーネントのいずれかがソフトウェアまたはコードからなる場合、それらのコンポーネントは、例えばコンピューターシステムまたはその他のシステム中のプロセッサのような、命令実行システムによってかまたはそれとの関係で使用されるためのコンピューター読み取り可能な媒体中で実施される。本開示の文脈では、コンピューター読み取り可能な媒体は、命令実行システムによってかまたはそれとの関係で使用されるためのソフトウェアまたはコードを包含、格納、または維持することができるあらゆる触ることができる媒体を指す。例えば、コンピューター読み取り可能な媒体は、上述した処理装置1502による実行のための1つ以上のプログラムを格納していても良い。
コンピューター読み取り可能な媒体のより特定の例は、ポータブルコンピューターディスケット、ランダムアクセスメモリー(RAM)、リードオンリーメモリー(ROM)、消去可能プログラム可能リードオンリーメモリー(EPROM、EEPROM、またはフラッシュメモリー)、およびポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリー(CDROM)を含んでいても良い。図15に示されるように、FEXT緩和器137は更に、大容量記憶装置1526からなっていても良い。いくつかの実施形態については、大容量記憶装置1526は、ビットローディングテーブルのような、データを格納して管理するためのデータベース1528を含んでいても良い。
図16は、図2のシステムにおいて部分的自己FEXTキャンセレーションを行うためのプロセスの実施形態のためのトップレベルフロー図1600を描いている。ブロック1610から始まって、入力信号の瞬時特性が決定される。そのような実施形態については、特性は、入力信号の振幅レベルと入力信号のエネルギーレベルの少なくとも一つからなる。ブロック1620では、方法は更に、入力信号の決定された瞬時特性に従ってリソースを動的に割り当てることからなる。ブロック1630は、妨害者信号のFEXTキャンセレーションを行うために割り当てられたリソースを利用することによって進行する。
上述した実施形態は、可能な実装の単なる例に過ぎないことが強調されるべきである。本開示の原理から逸脱することなく上述した実施形態に多くの変形および変更がなされても良い。そのような変形および変更の全ては、ここでこの開示の範囲内に含まれ以下の請求項によって保護されることが意図されている。

Claims (26)

  1. 入力信号の1つ以上の瞬時特性を決定することであって、特性は入力信号の振幅レベルと入力信号のエネルギーレベルの少なくとも1つを含むことと、
    入力信号の1つ以上の瞬時特性に従って、クロストーク緩和のために入力信号を処理するかどうかを決定することと、
    クロストーク緩和のために入力信号を処理するかどうかを決定することに基づいて、クロストーク緩和のために入力信号を処理することと
    を含む、トーン毎のクロストーク緩和を行う方法。
  2. トーン毎のクロストーク緩和は、部分的遠端クロストーク(FEXT)緩和を行うことを含む、請求項1の方法。
  3. クロストーク緩和のために入力信号を処理するかどうかを決定することは、
    複数の計算リソースを割り当てることと、
    割り当てられた計算リソースを利用して1つ以上の妨害者信号のFEXTキャンセレーションを行うことと
    を含む、請求項2の方法。
  4. 1人以上の妨害者の犠牲者ユーザ中への入力信号のカップリングの度合いとレベルの少なくとも1つに基づいて妨害者を順序付けすることを更に含む、請求項3の方法。
  5. 入力信号の瞬時特性を決定することは、
    1つ以上の妨害者信号の各入力を独立に評価することと、
    FEXT緩和のための妨害者を選択することと
    を含む、請求項3の方法。
  6. 振幅レベルに従って入力信号の瞬時特性を決定することは、振幅レベルを予め決められた閾値と比較することを含む、請求項3の方法。
  7. 予め決められた閾値によって規定された決定境界内に位置する入力信号と関連付けられた配座ポイントについては、FEXTキャンセレーションがバイパスされる、請求項6の方法。
  8. 予め決められた閾値は、入力信号と関連付けられた配座ポイントのx軸とy軸に対して対称的に適用される、請求項6の方法。
  9. 予め決められた閾値は、入力信号と関連付けられた配座ポイントのx軸とy軸に対して非対称的に適用される、請求項6の方法。
  10. 予め決められた閾値は、
    平均入力信号レベルと、
    1つ以上の妨害者信号と犠牲者ユーザの間のカップリングの振幅と、
    部分的キャンセレーションが行われた後の背景ノイズに対する残留FEXTの目標レベルと、
    の1つ以上に従って導出される、請求項6の方法。
  11. 予め決められた閾値は、与えられたトーンについて犠牲者ユーザに割り当てられた計算リソースの数に従って導出され、予め決められた閾値は、計算的複雑度を低減し消費電力を削減するように、受信信号の複素数形式との成分毎の比較のための実数および虚数部分からなる、請求項6の方法。
  12. 成分毎の比較は、
    入力信号の実数および虚数部分をダウンシフトすることと、
    ダウンシフトされた実数および虚数部分をゼロ値と比較して、消費電力を削減するために乗算演算を行うかどうかを決定することと
    を含む、請求項11の方法。
  13. 成分毎の比較は、
    入力信号の実数および虚数部分をダウンシフトすることと、
    ダウンシフトされた実数および虚数部分をゼロ値と比較して、計算リソース共有のための乗算演算を行うか行わないかを決定することと
    を含む、請求項11の方法。
  14. 1人以上の妨害者の入力を共通の乗算器に時間多重化することを更に含む、請求項3の方法。
  15. 背景ノイズに対する1人以上の妨害者の各犠牲者ユーザ中へのFEXT信号のカップリングの度合いとレベルの少なくとも1つに基づいて、1人以上の妨害者の1人以上の犠牲者ユーザ中へのカップリング係数を順序付けすることと、
    予め決められた数の犠牲者ユーザについてのFEXTキャンセレーションに関する計算的複雑度のレベルを低減することと
    を更に含む、請求項3の方法。
  16. トーン毎のクロストーク緩和は、周波数ドメインエコーキャンセレーションを含む、請求項1の方法。
  17. トーン毎のクロストーク緩和は、2×2の多入力多出力(MIMO)受信器に実装される、請求項1の方法。
  18. 入力信号の1つ以上の瞬時特性を決定することであって、1つ以上の瞬時特性は入力信号の振幅と入力信号のエネルギーレベルの1つ以上を含むことと、
    1つ以上の瞬時特性に従ってキャンセルする1人以上の妨害者を選択することであって、1人以上の妨害者を選択することは、DMT(離散マルチトーン)シンボル毎のベースで行われることと、
    を含む、トーン毎の遠端クロストーク(FEXT)緩和を行う方法。
  19. 1つ以上の瞬時特性を閾値と比較することに基づいて、計算リソースを割り当てることを更に含む、請求項18の方法。
  20. 1つ以上の瞬時特性に従ってキャンセルする妨害者を選択することは、閾値によって形成された決定境界内に入るそれぞれの妨害者の配座ポイントのみを選択することを含む、請求項19の方法。
  21. 閾値によって形成された決定境界は、x軸およびy軸に対して対称的である、請求項19の方法。
  22. 閾値は、1人以上の妨害者による各ビンに結果としてなる、FEXTの確率密度関数(pdf)に基づいて決定される、請求項19の方法。
  23. 閾値は、FEXTキャンセレーションの後に達成されるべき残留FEXTの目標レベルに基づいて決定される、請求項19の方法。
  24. 全ての妨害者について共通の閾値が利用される、請求項19の方法。
  25. 各妨害者について個別の閾値が決定される、請求項19の方法。
  26. 1人以上の妨害者についての瞬時特性を導出するように構成された推定器と、
    瞬時特性に従ってキャンセルする1人以上の妨害者中から選択する選択器であって、選択器は瞬時特性を閾値と比較するように構成されているものと、
    選択された妨害者のみの上でFEXT緩和を行うための遠端クロストーク(FEXT)緩和器と、
    を含むシステム。
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