JP2001236894A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル

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JP2001236894A
JP2001236894A JP2000379413A JP2000379413A JP2001236894A JP 2001236894 A JP2001236894 A JP 2001236894A JP 2000379413 A JP2000379413 A JP 2000379413A JP 2000379413 A JP2000379413 A JP 2000379413A JP 2001236894 A JP2001236894 A JP 2001236894A
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Japan
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phosphor layer
phosphor
display panel
plasma display
color
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Application number
JP2000379413A
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English (en)
Inventor
Kanako Miyashita
加奈子 宮下
Hiroyuki Kado
博行 加道
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PDPにおいて、パネルの色バランスを長期
にわたって保持させることを目的とする。 【解決手段】 赤色、緑色、青色の各背面蛍光体層11
1R,G,Bのうち、最も輝度劣化速度の速い青色以外
の色に対して、前面蛍光体層107R,Gを設けるよう
にした。これによって、前面蛍光体層における紫外線や
イオン衝撃による輝度劣化が起こり易くなり、前面蛍光
体層を設けた色においては輝度劣化速度が向上するの
で、最も輝度劣化速度の速い色と輝度が均衡し、パネル
の色バランスを長期にわたって保持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示デバイスなど
に用いるプラズマディスプレイパネルに関するものであ
って、特に、色バランスに優れたプラズマディスプレイ
パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータやテレビなどの画像
表示に用いられているカラー表示デバイスにおいて、プ
ラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel 、
以下、「PDP」という。)は、大型で薄型軽量を実現
することのできるカラー表示デバイスとして注目されて
いる。
【0003】図11は、従来の一般的なPDPの一部断
面斜視図である。同図に示すように、PDPは、前面ガ
ラス基板11と背面ガラス基板12とが、隔壁19を介
して平行に対峙して配置されている。この前面ガラス基
板11の対向面上には、複数本の表示電極13および表
示スキャン電極14(本図においては各2本のみ表示し
ている。)がストライプ状に交互に平行に列設される。
当該各電極13,14は、鉛ガラスなどからなる誘電体
層15で被覆され、さらにMgO保護膜16で被覆され
る。
【0004】他方、背面ガラス基板12の対向面上に
は、ストライプ状のアドレス電極17(本図においては
4本のみ図示している。)と、その表面を覆う鉛ガラス
などからなる誘電体層18とが形成され、さらにアドレ
ス電極17に隣接するように隔壁19が形成される。ま
た、隣り合う隔壁19の間の凹部には、赤色(R)、緑
色(G)、青色(B)の各背面蛍光体層20R,20
G,20Bが形成されている。
【0005】以上の構成により、前面ガラス基板11と
背面ガラス基板12の間の放電空間21において、各電
極13,14とアドレス電極17の交差するところに単
位発光領域となるセルが形成される。なお、放電空間2
1には、例えばNeを主体にバッファガスとして微量の
キセノンを含む不活性ガスが封入されている。PDPを
画像表示する際には、この放電空間21内の対応するセ
ルにおいて、表示電極13および表示スキャン電極14
間で放電させ、そのときに発生する紫外線が各色蛍光体
20R,G,Bを励起することにより生成される赤色、
緑色、青色の三原色の可視光を加法混色することによっ
てフルカラー表示できるようになっている。
【0006】このようなPDPに使用される各色の背面
蛍光体層は、白表示した際の色のバランスが合うように
設けられている。各背面蛍光体層20R,G,Bは、初
期の輝度がそれぞれの蛍光体の特性により異なるので、
PDPの初期の状態における色温度の低下を防止するた
めに、例えば、輝度の低い青色のセルピッチを他の色よ
りも大きく設定したり、駆動時の信号処理によって最も
輝度の低い蛍光体にあわせて他の蛍光体の維持放電回数
を抑えて使用したりしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のPDPにおいては、以下に示すような色温度に対す
る課題がある。PDPに使用される各色の背面蛍光体層
は、放電時における紫外線照射や、イオン衝撃によって
劣化し、PDPの点灯時間とともに輝度が低下する。こ
の各色における輝度の劣化速度は、各色の背面蛍光体層
20R,G,Bの組成に違いにより異なるため、PDP
の点灯時間が多くなるにつれて各色の背面蛍光体層の輝
度低下率がばらつき、PDPを白表示した際には、色バ
ランスが崩れる、いわゆる色温度が低下するという問題
がある。この色バランスは信号処理により調整すること
も可能であるが、できるだけ一定に保つようにすること
が望ましい。
【0008】一方、初期の色温度を高めるために、輝度
の最も低い青色にあわせて信号処理を行うことにより赤
色、緑色の輝度を落として使用する場合には、PDPの
輝度が低下してしまうという問題もある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るプラズマディスプレイパネルは、パネ
ルの色バランスを長期にわたって保持させることを第1
の目的とし、初期のパネル輝度を向上させることを第2
の目的とする。第1の目的を達成するため、本発明に係
るプラズマディスプレイパネルは、一方の主面に電極が
列設されている前面パネルと、複数本の隔壁および前記
前面パネルの電極間における放電により発生する紫外線
により励起され、赤色、緑色、青色の各色の可視光を発
光し、前記隔壁と隔壁の間に各色順に配設される背面蛍
光体層とを備え、前記隔壁を介して前記前面パネルと平
行に対峙して配設される背面パネルとを備えたプラズマ
ディスプレイパネルであって、前記前面パネルは、前記
電極が設けられた主面側において、前記赤色、緑色、青
色の三色の背面蛍光体層のうち、輝度劣化速度が最も大
きい色の以外の少なくとも一色の背面蛍光体層と対向す
る位置に、当該背面蛍光体層と同色の前面蛍光体層が設
けられていることを特徴とする。これによって、前面蛍
光体層における紫外線やイオン衝撃による輝度劣化が起
こり易くなり、前面蛍光体層を設けた色においては輝度
劣化速度が向上するので、最も輝度劣化速度の速い色と
輝度劣化速度が均衡する。したがって、パネルの色バラ
ンスを長期にわたって保持することができる。
【0010】また、第2の目的を達成するため、本発明
に係るプラズマディスプレイパネルは、一方の主面に電
極が列設されている前面パネルと、複数本の隔壁および
前記前面パネルの電極間における放電により発生する紫
外線により励起され、赤色、緑色、青色の各色の可視光
を発光し、前記隔壁と隔壁の間に各色順に配設される背
面蛍光体層とを備え、前記隔壁を介して前記前面パネル
と平行に対峙して配設される背面パネルとを備えたプラ
ズマディスプレイパネルであって、前記前面パネルは、
前記電極の設けられた主面側において、前記赤色、緑
色、青色の三色の背面蛍光体層のうち、パネルを所定の
色温度で表示する際の初期の輝度利用率が最も小さい色
以外の少なくとも一色の背面蛍光体層と対向する位置
に、当該背面蛍光体層と同色の前面蛍光体層が設けられ
ていることを特徴とする。これによって、前面蛍光体層
を設けた色においては輝度が向上するので色バランスを
向上させながらパネル全体の輝度を向上させることがで
きる。
【0011】また、全ての色に対して前面蛍光体層を設
けるとともに、前記前面蛍光体層の可視光透過率を、前
記背面蛍光体層の輝度に応じて設定することによって
も、初期の色バランスを向上させながら輝度を向上させ
ることができる。このような前面蛍光体層、および背面
蛍光体層を構成する蛍光体粒子に水熱合成により得られ
た球状の蛍光体粒子を用いれば、パネルの輝度をより高
くすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。 〔実施の形態1〕以下、本発明の第1の実施の形態に係
るPDPおよびPDP表示装置について図面を参照しな
がら説明する。
【0013】<PDP100の構成>図1は、PDP1
00における前面ガラス基板101を取り除いた概略平
面図であり、図2は、PDP100の部分断面斜視図で
ある。なお、図1においては表示電極103、表示スキ
ャン電極104、アドレス電極108の本数などについ
ては分かり易くするため一部省略して図示している。両
図を参照しながらPDP100の構造について説明す
る。
【0014】図1に示すように、PDP100は、前面
ガラス基板101(不図示)、背面ガラス基板102、
n本の表示電極103、n本の表示スキャン電極10
4、m本のアドレス電極108、および斜線で示す気密
シール層121などからなる。各電極103,104,
108は、3電極構造の電極マトリックスを形成し、表
示電極103および表示スキャン電極104とアドレス
電極108との交点にセルが形成されている。
【0015】このPDP100は、図2に示すように、
前面板としての前面ガラス基板101および背面板とし
ての背面ガラス基板102がストライプ状に列設されて
いる隔壁110を介して互いに平行に配設されている。
前面ガラス基板101は、表示電極103、表示スキャ
ン電極104、誘電体ガラス層105、保護層106、
および前面蛍光体層107R,Gを備える。
【0016】表示電極103および表示スキャン電極1
04は、ともに銀からなる電極であり、前面ガラス基板
101上に交互かつ平行に並んでストライプ状に配設さ
れている。誘電体ガラス層105は、鉛ガラスなどから
なる層であり、前面ガラス基板101および各電極10
3、104を覆うように形成されている。
【0017】保護層106は、酸化マグネシウム(Mg
O)などからなる層であり、誘電体ガラス層105表面
上に形成されている。前面蛍光体層107R,Gは、そ
れぞれ赤色(R)、緑色(G)を発光する蛍光体粒子が
結着した層であって、背面蛍光体層111R、Gと対応
する保護層106表面上に形成されている。
【0018】一方、背面ガラス基板102の一主面上に
は、アドレス電極108、可視光反射層109、隔壁1
10、背面蛍光体層111R,G,Bが配されている。
アドレス電極108は、銀からなる電極であり、背面ガ
ラス基板102上に平行に列設されている。可視光反射
層109は、例えば、酸化チタンを含む誘電体ガラスか
らなる層であって、アドレス電極108を被覆するよう
に形成されており、各背面蛍光体層111R,G,Bで
発生する可視光を反射する機能と、誘電体層としての機
能を併せ持つ。
【0019】隔壁110は、可視光反射層109の表面
上においてアドレス電極108と平行に列設されてい
る。この隔壁110と隔壁110の間の凹部および隔壁
110の側壁には、各背面蛍光体層111R,G,Bが
順に形成されている。ここで、赤色、緑色、青色におけ
る隔壁110と隔壁110の間隙寸法W1,W2、W3
(図2)を、各色における背面蛍光体層の輝度に応じ
て、例えば、W1<W2<W3となるような不等ピッチ
としてもよい。前面蛍光体層を選択的に備える場合に
は、当該蛍光体層の発光によりパネルの色バランスが崩
れるが、上記不等ピッチのセル構造にすれば、発光面積
を調節することができるので、信号処理をしなくても初
期におけるパネルの色バランスをある程度調整すること
ができる。
【0020】背面蛍光体層111R,G,Bは、それぞ
れ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)を発光する蛍光
体粒子が結着した層である。各背面蛍光体層111R,
111G,111Bのアドレス電極108上における積
層方向の厚みは、各色蛍光体粒子の平均粒径のおよそ8
〜20倍程度が望ましい。すなわち、背面蛍光体層に一
定の紫外線を照射したときの輝度(発光効率)を確保す
るために、背面蛍光体層は、放電空間において発生した
紫外線を透過させることなく吸収するために蛍光体粒子
が最低でも8層、好ましくは10層程度積層された厚み
を保持することが望ましく、それ以上の厚みとなれば背
面蛍光体層の発光効率はほとんど飽和してしまうととも
に、20層程度積層された厚みを超えると放電空間12
2の大きさを十分に確保できなくなるからである。
【0021】PDP100は、上記前面パネルと背面パ
ネルとが張り合わされるとともにそのパネル周囲が気密
シール層121により封着され、その間に形成される放
電空間122内に放電ガス(例えば、ヘリウムとキセノ
ンの混合ガス)が封入された構成となっている。このP
DP100は、図3に示すようなPDP駆動装置150
に接続されてPDP表示装置160を構成している。こ
のPDP表示装置160の駆動時には、図3に示すよう
に、PDP100に表示ドライバ回路153、表示スキ
ャンドライバ回路154、アドレスドライバ回路155
を接続して、コントローラ152の制御に従い、点灯さ
せようとするセルにおける表示スキャン電極104とア
ドレス電極108に電圧を印加することによりその電極
間でアドレス放電を行って壁電荷を高めた後に、表示電
極103、表示スキャン電極104間に一括してパルス
電圧を印加すると壁電荷の貯まったセルにおいて維持放
電が行われる。この維持放電によって紫外線が発生し、
この紫外線により励起された背面蛍光体層および前面蛍
光体層が発光することでセルが点灯する。この各色セル
の点灯、非点灯の組み合わせによって画像が表示され
る。ここで、上述のように不等ピッチのセル構造であれ
ば,パネルの色バランスをある程度調整することができ
るが、調整しきれない場合には維持放電回数を相対的に
減少させるなどの信号処理を施すことにより色バランス
を整え、PDPの色温度を向上させるようにすることが
好ましい。
【0022】<前面パネルの構成>次に、本発明に特徴
的な前面パネルの構成について説明する。図4は、図2
におけるPDPをy軸方向からみた部分拡大断面図であ
る。同図に示すように、前面蛍光体層107R,Gは、
背面蛍光体層111R,G,Bのうち最も輝度劣化速度
の速い青色の背面蛍光体層111Bを除く、赤色と緑色
の背面蛍光体層111R,Gに対応する前面パネルに備
えられる。この前面蛍光体層107R,Gを形成する蛍
光体粒子は、水熱合成法により得られた蛍光体粒子のよ
うに、その粒径が十分小さく、かつ球状であることが好
ましい。蛍光体粒子が小さく、球状であれば、球状でな
い粒子を使用する場合と比べ発光に寄与できる実効的な
表面積が増加するため、前面蛍光体層107R,Gは、
実際に発光に寄与する蛍光体粒子表面積が増加するとと
もに発光効率が高まる。この前面蛍光体層に用いる蛍光
体粒子については後述する。
【0023】図5は、図4におけるPDPのb−b'断
面をx軸方向から見た拡大断面図である。同図に示すよ
うに、表示電極103および表示スキャン電極104に
対応する保護層106表面上に、切り欠き部107aを
設けている。これにより、各電極103,104が放電
空間に露出されるので、放電が起こり易くなるため好ま
しい。
【0024】<前面蛍光体層107R,Gを設けること
による効果>このように放電が起こる表示電極103お
よび表示スキャン電極104は、背面パネルに形成され
る背面蛍光体層111R,Gよりも、前面蛍光体層10
7R,Gと近接して設けられている。そのため、PDP
の駆動時には、表示電極103および表示スキャン電極
104の間での維持放電により発生する紫外線の照射お
よびイオン衝撃が前面蛍光体層107R,Gに対して起
こり易くなり、前面蛍光体層107R,Gは輝度劣化速
度が早くなる。すなわち、前面蛍光体層を備える色の輝
度劣化速度については、三色のうち最も輝度劣化速度の
速い色の背面蛍光体層と輝度劣化速度が近づくことにな
る。そのため、PDPの点灯時間が長くなったとしても
三色の輝度劣化速度が均衡化されるので、PDPの点灯
時間に対する色温度(色バランス)の変化を抑制するこ
とができる。この輝度劣化速度について、さらに図6を
参照して説明する。
【0025】図6は、各背面蛍光体層の輝度劣化速度の
違いを説明するための図であり、背面蛍光体層のみを設
けたPDPにおける各色の点灯時間に対する相対輝度を
示している。なお、各色蛍光体としては一般的に知られ
ている蛍光体である赤色蛍光体:(Y,Gd)BO3
Eu、緑色蛍光体:Zn2SiO4:Mn、青色蛍光体:B
aMgAl1017:Euを用いた。また、相対輝度と
は、各色蛍光体層の初期の輝度に対する輝度の割合を示
すものである。
【0026】同図に示すように、上記PDPを5000
時間点灯した後に、各色の相対輝度を求めた結果、赤色
が3%、緑色が10%劣化したのに対し、青色は25%
輝度劣化しており、上述したように青色が最も輝度劣化
速度が速いことが分かる。図7は、PDPにおいて、輝
度劣化速度の遅い赤色を例にとって、前面蛍光体層また
は背面蛍光体層のみを設けた場合のPDPの輝度劣化速
度を説明するための図であり、各PDPの点灯時間に対
する赤色の相対輝度を示している。なお、赤色蛍光体と
しては、(Y,Gd)BO3:Euを使用した。
【0027】同図に示すように、背面蛍光体層のみ形成
している状態では、5000時間経過後においても輝度
は3%低下しているのみであるが、前面蛍光体層のみを
形成している場合には、輝度は20%も低下しているこ
とが分かる。これにより、三色のなかで比較的輝度劣化
しにくい赤色においても、前面蛍光体層においては輝度
劣化速度が高まることがわかる。
【0028】そのため、前面蛍光体層および背面蛍光体
層双方を備えるPDPの場合において、その前面蛍光体
層を備える色については、背面蛍光体層のみを備える場
合に比べて輝度劣化速度が高まると考えられる。図8
は、PDPにおいて、赤色および緑色に対して、前面蛍
光体層を設けた場合のPDPにおける各色の輝度劣化速
度を説明するための図であり、PDPの点灯時間に対す
る各色の相対輝度を示している。
【0029】同図に示すように、前面蛍光体層が設けら
れた赤色、緑色については5000時間経過後におい
て、輝度は12%、20%低下していることが分かる。
これにより、図6を用いて説明した前面蛍光体層を設け
ない場合と比較すると、赤色、緑色の輝度劣化速度が増
加していることがわかる。 <前面蛍光体層107R,Gの可視光透過率について>
前面蛍光体層107R,Gが形成されることにより、背
面蛍光体層111R,Gが発する可視光が前面ガラス基
板101を透過しにくくなり、PDPの輝度が低下する
恐れがある。そのため、前面蛍光体層107R,Gの可
視光透過率は、背面蛍光体層111R,Gの可視光透過
率よりも大きくすることが望ましい。この可視光透過率
は、前面蛍光体層107R,Gの膜厚や空隙率を変更す
ること、すなわち膜厚を薄くするか、空隙率を大きくす
るかの組み合わせにより高めることができる。また、こ
の可視光透過率を調整することにより各色の輝度が変わ
るので、PDPの色温度を調整することができる。これ
は後述するような状態の蛍光体を用いることが好まし
い。
【0030】上述したように、各色の背面蛍光体層のう
ち、輝度劣化速度が最も速い背面蛍光体層以外の色に対
応させて前面蛍光体層を備えることにより、各色の輝度
劣化速度を均衡化できるので、PDPの点灯時間に対す
る色温度の低下を抑制することができる。なお、上記第
1の実施の形態においては、前面蛍光体層を最も輝度劣
化速度の速い色以外の二色に対して設けたが、最も輝度
劣化速度の小さい色に対してのみ前面蛍光体層を設ける
ようにしても、効果は劣るが、色温度の低下は抑制する
ことができる。また、青色の背面蛍光体層111Bに対
応する前面蛍光体層を含む全ての色に設けるようにして
も、他の色に対して例えば、層の厚みを小さくするなど
して、その形成量を少なくして可視光透過率を高めれば
実施することができる。その場合、効果は劣るが、同様
に色温度の経時的な低下を抑制できる。
【0031】<PDP100の製造方法>次に、上述し
たPDP100について、その製造方法を図1および図
2を参照しながら説明する。 前面パネルの作製 前面パネルは、前面ガラス基板101上にまず、各n本
の表示電極103および表示スキャン電極104(図2
においては各2本のみ表示している。)を交互かつ平行
にストライプ状に形成した後、その上を誘電体ガラス層
105で被覆し、さらにその表面に保護層106を形成
することによって作製される。
【0032】表示電極103および表示スキャン電極1
04は、銀からなる電極であって、電極用の銀ペースト
をスクリーン印刷により塗布した後、焼成することによ
って形成される。誘電体ガラス層105は、鉛系のガラ
ス材料を含むペーストをスクリーン印刷で塗布した後、
所定温度、所定時間(例えば560℃で20分)焼成す
ることによって、所定の層の厚み(約20μm)となる
ように形成する。上記鉛系のガラス材料を含むペースト
としては、例えば、PbO(70wt%)、B23(1
5wt%)、SiO2(10wt%)、およびAl23
(5wt%)と有機バインダ(α−ターピネオールに1
0%のエチルセルローズを溶解したもの)との混合物が
使用される。ここで、有機バインダとは樹脂を有機溶媒
に溶解したものであり、エチルセルローズ以外の樹脂と
してアクリル樹脂、有機溶媒としてブチルカービトール
なども使用することができる。さらに、こうした有機バ
インダに分散剤(例えば、グリセルトリオレエート)を
混入させてもよい。
【0033】保護層106は、酸化マグネシウム(Mg
O)から成るものであり、例えばスパッタリング法やC
VD法(化学蒸着法)によって所定の厚み(約0.5μ
m)となるように形成される。前面蛍光体層107R,
Gは、赤色(R)、緑色(G)の各蛍光体粒子と有機バ
インダとからなるペースト状の蛍光体インキをスクリー
ン印刷方法により塗布し、これを400〜590℃の温
度で焼成して有機バインダを焼失させることによって、
各蛍光体粒子が結着して形成される。また、フォトリソ
グラフィー方法を用いて形成することもできる。
【0034】背面パネルの作製 背面パネルは、まず背面ガラス基板102上に、電極用
の銀ペーストをスクリーン印刷し、その後、焼成するこ
とによってm本のアドレス電極108が列設された状態
に形成される。その上に鉛系のガラス材料を含むペース
トをスクリーン印刷法で塗布して可視光反射層109を
形成し、同じく鉛系のガラス材料を含むペーストをスク
リーン印刷法により所定のピッチで繰り返し塗布した後
焼成することによって隔壁110を形成する。この隔壁
110により、放電空間122は、x軸方向にセル(単
位発光領域)毎に区画される。
【0035】そして、この隔壁110と隔壁110の間
の溝に、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各蛍光
体粒子と有機バインダとからなるペースト状の蛍光体イ
ンキを塗布する。これを400〜590℃の温度で焼成
して有機バインダを焼失させることによって、各蛍光体
粒子が結着してなる背面蛍光体層111R,111G,
111Bが形成される。この各蛍光体粒子としては、上
記前面蛍光体層と同様の理由により、水熱合成法により
得られた蛍光体粒子が好ましい。
【0036】パネル張り合わせによるPDPの作製 このようにして作製された前面パネルと背面パネルは、
前面パネルの各電極と背面パネルのアドレス電極とが直
交するように重ね合わせられるとともに、パネル周縁に
封着用ガラスを介挿させ、これを例えば450℃程度で
10〜20分間焼成して気密シール層121(図1)を
形成させることにより封着される。そして、一旦放電空
間122内を高真空(例えば、1.1×10-4Pa)に
排気したのち、放電ガス(例えば、He−Xe系、Ne
−Xe系の不活性ガス)を所定の圧力で封入することに
よってPDP100が作製される。
【0037】<蛍光体インキおよび蛍光体粒子について
>前面パネルおよび背面パネルに塗布される蛍光体イン
キは、各色蛍光体粒子、バインダ、溶媒とが混合され、
15〜3000センチポアズとなるように調合されたも
のであり、必要に応じて、界面活性剤、シリカ、分散剤
(0.1〜5wt%)等を添加してもよい。
【0038】この蛍光体インキに調合される赤色蛍光体
粒子としては、(Y1-X-yGd1-X)BO3:EuX、また
はY2-X3:EuXで表される化合物が用いられる。こ
れらは、その母体材料を構成するY元素の一部がEuに
置換された化合物である。ここで、Y元素に対するEu
元素の置換量Xは、0.05≦X≦0.20の範囲とな
ることが好ましい。これ以上の置換量とすると、輝度は
高くなるものの輝度劣化が著しくなることから実用上使
用できにくくなると考えられる。一方、この置換量以下
である場合には、発光中心であるEuの組成比率が低下
し、輝度が低下して蛍光体として使用できなくなるため
である。
【0039】緑色蛍光体としては、Ba1-XAl
1219:MnX、またはZn2-XSiO4:MnXで表され
る化合物が用いられる。Ba1-XAl1219:MnXは、
その母体材料を構成するBa元素の一部がMnに置換さ
れた化合物であり、Zn2-XSiO4:MnXは、その母
体材料を構成するZn元素の一部がMnに置換された化
合物である。ここで、Ba元素およびZn元素に対する
Mn元素の置換量Xは、上記赤色蛍光体のところで説明
した理由と同様の理由により、0.01≦X≦0.10
の範囲となることが好ましい。
【0040】青色蛍光体としては、Ba1-XMgAl10
17:EuXまたはBa1-XMgAl1 423:EuXで表
される化合物が用いられる。Ba1-XMgAl1017
EuX、Ba1-XMgAl1423:EuXは、その母体材
料を構成するBa元素の一部がEuに置換された化合物
である。ここで、Ba元素に対するEu元素の置換量X
は、上記と同様の理由により、前者の青色蛍光体は0.
03≦X≦0.25、後者の青色蛍光体は0.03≦X
≦0.20の範囲となることが好ましい。
【0041】これらの各色蛍光体粒子には、一般的に用
いられる焼成を行う方法により得られるものを用いても
よいが(例えば、特開平11−144625号報参
照。)、水熱合成法により得られる球状の蛍光体粒子
(粉砕工程を経ていない)が用いれば、さらに各色の輝
度を上げることができる。この蛍光体の水熱合成法につ
いては後述する。
【0042】蛍光体インキに調合されるバインダとして
は、エチルセルローズやアクリル樹脂(インキの0.1
〜10wt%を混合)を用いることができ、溶媒として
は、α−ターピネオール、ブチルカービトールを用いる
ことができる。なお、バインダとして、PMAやPVA
などの高分子を、溶媒として、ジエチレングリコール、
メチルエーテルなどの有機溶媒や水を用いることもでき
る。
【0043】<蛍光体粒子の水熱合成法について>本第
1の実施の形態において、背面蛍光体層および前面蛍光
体層の蛍光体粒子に、水熱合成法により製造されたもの
を用いる場合には、例えば、以下のように製造される蛍
光体粒子を使用することができる。なお、水熱合成法と
は、高温高圧水溶液(熱水)の高い溶解・析出作用およ
び高反応性を利用した化合物の合成方法および結晶育成
方法である。
【0044】青色蛍光体 (Ba1-XMgAl1017:EuXについて)まず、混合
液作製工程において、原料となる、硝酸バリウムBa
(NO32、硝酸マグネシウムMg(NO32、硝酸ア
ルミニウムAl(NO33、硝酸ユーロピウムEu(N
32をモル比が1−X:1:10:X(0.03≦X
≦0.25)となるように混合し、これを水性媒体に溶
解して混合液を作成する。この水性媒体にはイオン交換
水、純水が不純物を含まない点で好ましいが、これらに
非水溶媒(メタノール、エタノールなど)が含まれてい
ても使用することができる。
【0045】次に、水和工程において、この水溶液に塩
基性水溶液(例えば、アンモニア水溶液)を滴下するこ
とにより、水和物を形成する。この水和物を水洗した
後、所定温度、所定時間(600℃で10時間)焼成し
て、水と硝酸を取り除く。その後、水熱合成工程におい
て、焼成後の粉末と水性媒体(イオン交換水が好ましい
が、メタノール、エタノールなどの非水溶媒が混在して
いてもよい。)と少量のアルミ粉末を、金あるいは白金
などの耐食性、耐熱性を持つものからなる容器に入れ
て、例えばオートクレーブなどの加圧しながら加熱する
事ができる装置を用い、高圧容器中で所定温度(200
〜800℃)、所定圧力(3M〜70MPa)の下で水
熱合成(12〜20時間)を行う。
【0046】次に、この粉体を還元雰囲気下(例えば水
素を5%、窒素を95%含む雰囲気)で、所定温度、所
定時間(例えば、1000℃で2時間)焼成(熱処理)
することにより所望の青色蛍光体Ba1-XMgAl10
17:EuXを得ることができる。水熱合成を行うことに
より得られる蛍光体粒子は、形状が球状となり、かつ粒
径が従来の固相反応から作製されるものとくらべて小さ
く(平均粒径:0.1μ〜3.0μm程度)形成され
る。なお、ここでいう「球状」とは、ほとんどの蛍光体
粒子の軸径比(短軸径/長軸径)が、例えば、0.9以
上1.0以下となるように定義されるものであるが、必
ずしも蛍光体粒子のすべてがこの範囲に入る必要はな
い。
【0047】(Ba1-XMgAl1423:EuXについ
て)この蛍光体は、上述したBa1-XMgAl1017
EuXと原料が異なるのみであり、水熱合成等は同じ方
法で行うので、以下、その使用する原料について説明す
る。原料として、水酸化バリウムBa(OH)2、水酸
化マグネシウムMg(OH)2、水酸化アルミニウムA
l(OH)3、水酸化ユーロピウムEu(OH)2をモル
比が1−X:1:14:X(0.03≦X≦0.20)
となるように混合する。このあとは、上述したBa1-X
MgAl1017:EuXと同様に、水和物を作成し、水
熱合成、焼成工程を経ることにより、Ba1-XMgAl
1423:EuXを得ることができる。本方法で得られる
蛍光体粒子の平均粒径は、0.1μ〜3.0μm程度で
あり、形状は略球状のものが得られる。
【0048】緑色蛍光体 (Zn2-XSiO4:MnXについて)まず、混合液作製
工程において、原料である、硝酸亜鉛Zn(NO3)、
硝酸珪素Si(NO32、硝酸マンガンMn(NO32
をモル比で2−X:1:X(0.01≦X≦0.10)
となるように混合し、イオン交換水に溶解して混合液を
作成する。
【0049】次に、水和工程において、この混合液に対
して塩基性水溶液(たとえばアンモニア水溶液)を添加
し、水和物を作成する。その後、水熱合成工程におい
て、この水和物とイオン交換水を白金や金などの耐食
性、耐熱性を持つものからなるカプセル中に入れて、例
えばオートクレーブを用い、高圧容器中で所定温度、所
定圧力(例えば、温度200〜350℃、圧力1M〜3
5MPa)の条件下所定時間(例えば、2〜10時間)
水熱合成を行う。そして水熱合成が行われた粒子を乾燥
することにより、所望のZn2-XSiO4:MnXが得ら
れる。この水熱合成工程により、得られる蛍光体粒子は
粒径が0.1μ〜3.0μm程度となり、その形状が球
状となる。
【0050】(Ba1-XAl1219:MnXについて)ま
ず、混合液作製工程において、原料である、硝酸バリウ
ムBa(NO32、硝酸アルミニウムAl(NO32
硝酸マンガンMn(NO32がモル比で1−X:12:
X(0.01≦X≦0.10)となるように混合し、こ
れをイオン交換水に溶解して混合液を作成する。
【0051】次に、水和工程においてこの混合液に塩基
性水溶液(たとえばアンモニア水溶液)を滴下すること
により、水和物を形成させる。その後、水熱合成工程に
おいて、この水和物とイオン交換水を白金や金などの耐
食性、耐熱性を持つものからなるカプセル中に入れて、
例えばオートクレーブを用いて高圧容器中で所定温度、
所定圧力(例えば、温度200〜350℃、圧力1M〜
30MPa)の条件下、所定時間(例えば、2〜20時
間)水熱合成を行う。
【0052】その後、乾燥することにより、所望のBa
1-XAl1219:MnXが得られる。この水熱合成工程に
より、得られる蛍光体は粒径が0.1μ〜3.0μm程
度となり、その形状が球状となる。 赤色蛍光体 ((Y1-x-yGdx)BO3:Euyについて)混合液作製
工程において、原料である、水酸化イットリウムY
2(OH)3、水酸化ガドリニウムGd2(OH)3、ホウ
酸H3BO3、および水酸化ユーロピウムEu2(OH)3
を混合し、モル比が1−x−y:x:1:y(0.00
≦x≦0.40、0.05≦y≦0.20)となるよう
にイオン交換水に溶解して混合液を作成する。次に、水
和工程において、この混合液に対して塩基性水溶液(例
えば、アンモニア水溶液)を添加し、水和物を形成させ
る。その後、水熱合成工程において、この水和物とイオ
ン交換水を白金や金などの耐食性、耐熱性を持つものか
らなる容器中に入れ、例えばオートクレーブを用いて高
圧容器中で所定温度、所定時間(例えば、温度200〜
350℃、圧力1M〜30MPa)の条件下、所定時間
(例えば、3〜12時間)水熱合成を行う。その後、得
られた化合物の乾燥を行い、所望の(Y1-x-yGdx)B
3:Euyが得られる。この水熱合成工程により、得ら
れる蛍光体は粒径が、0.1μm〜3.0μm程度とな
り、その形状が球状となる。
【0053】(Y2-X3:EuXについて)混合液作製
工程において、原料である、硝酸イットリウムY2(N
32と硝酸ユーロピウムEu(NO32を混合し、モ
ル比が2−X:X(0.05≦X≦0.30)となるよ
うにイオン交換水に溶解して混合液を作成する。次に、
水和工程において、この水溶液に対して塩基性水溶液
(例えば、アンモニア水溶液)を添加し、水和物を形成
させる。
【0054】その後、水熱合成工程において、この水和
物とイオン交換水を白金や金などの耐食性、耐熱性を持
つものからなる容器中に入れ、例えばオートクレーブを
用いて高圧容器中で温度200〜350℃、圧力1M〜
30MPaの条件下、3〜12時間水熱合成を行う。そ
の後、得られた化合物の乾燥を行い、所望のY2-X3
EuXが得られる。この水熱合成工程により、得られる
蛍光体は粒径が0.1μ〜3.0μm程度となり、かつ
その形状が球状となる。この粒径、形状は発光特性に優
れた蛍光体層を形成するのに適している。
【0055】上記各蛍光体粒子は、いずれも水熱合成法
によって生成すれば、上述のように、形状が球状となり
やすくかつ、粒径の小さな粒子(平均粒径が0.1μ〜
3.0μm程度)に形成される。そのため、粒子の粉砕
およびふるいわけは不要となる。したがって、水熱合成
法により得られる蛍光体粒子表面には、粉砕に伴う酸素
欠陥が形成されることもなく、蛍光体の輝度、および輝
度劣化は著しく改善する。また、蛍光体粒子において紫
外線が到達する領域は、粒子表面から数nm程度と浅
く、ほとんど表面しか発光しない状態であり、こうした
蛍光体粒子の粒径が3.0μm以下になれば発光に寄与
する粒子の表面積が増加するので蛍光体層を形成したと
きにその輝度は高い状態に保たれる。
【0056】さらに、水熱合成法により生成された蛍光
体粒子は、熱水中で結晶成長していくため、ほとんどが
単結晶から構成される。そのため、蛍光体粒子自体には
結晶粒界がほとんど存在せず、酸素欠陥などが存在しに
くくなるため、酸素欠陥に吸収される紫外線は減少する
とともに、発光中心の励起は起こり易くなる。したがっ
て、水熱合成法により得られた蛍光体粒子は、輝度が高
くなるとともに、酸素欠陥から派生する輝度劣化におい
ても抑制される。また、粒子径もサブミクロンオーダー
までのものが生成されるので、蛍光体を塗布したときに
おける塗布ムラも少なくなり、蛍光体層における蛍光体
の充填度も向上するため、PDPの輝度も従来に比べ高
くなる。
【0057】なお、上述したPDP100の前面蛍光体
層107R,Gおよび背面蛍光体層111R,G,Bに
は、全ての蛍光体層に水熱合成を行った蛍光体粒子を使
用することが好ましいが、三色のいずれかの蛍光体層に
水熱合成を行った蛍光体粒子が使用されていれば、その
色の輝度が向上してPDPの輝度は向上すると考えられ
る。特に、従来の青色蛍光体は、他の蛍光体と比べて輝
度が低く、三色同時に発光した場合の白色の色温度は低
下する傾向があった。そのため、PDP表示装置におい
ては、信号処理によって青色以外の蛍光体(赤、緑)の
セルの輝度を下げることにより白表示の色温度を改善し
ていたが、水熱合成法により製造された青色蛍光体を背
面蛍光体層111Bに使用すれば、青色セルの輝度が高
まり、他の色のセルの輝度を意図的に下げることが不要
となる。したがって、全ての色のセルの輝度をフルに使
用することができるので、白表示の色温度が高い状態を
保ちつつ、PDP表示装置の輝度を上げることができ
る。
【0058】(実施例) 〔実施例サンプル1〜2〕PDPの蛍光体粒子にそれぞ
れ、赤色:(Y,Gd)BO3:Eu、緑色:(Zn2
iO4:Mn)、青色:BaMgAl1017:Euを用
い、前面蛍光体層として赤色と緑色に設けたもの(N
o.1)、および赤色に設けたもの(No.2)を作製
した。
【0059】ここで、PDPは42インチのものを使用
し、隔壁110の高さを0.1mm、隔壁110と隔壁
110の間隔、すなわちセルピッチを0.36mmに設
定した。放電ガスの組成としては、キセノンガス(5
%)とネオン(95%)の混合ガスを使用し、封入圧力
は66500Paとした。なお、使用した同色の蛍光体
粒子においては背面蛍光体層および前面蛍光体層ともに
同じ製造方法で作製したものを用いた。
【0060】〔比較例サンプル〕前面蛍光体層を備えな
い以外は、上記サンプルNo.1,2と同様のものを作
製した(No.3)。 〔実験〕 実験方法:まず、上記サンプルNo.1〜3の初期の色
温度が11000Kとなるように各色の入力電力を調整
した。そして、これらのPDPを5000時間連続的に
白表示させた後の色温度の測定を行った。
【0061】結果と考察:実験結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】表1から分かるように、本第1の実施の形
態に係るNo.1,2のサンプルは、5000時間の連
続駆動後においても色温度の低下が少なく、9500K
以上を示す。特に、赤色、緑色に前面蛍光体層を設けた
No.1のサンプルでは、連続駆動後においても100
00Kを示す。一方、No.3のサンプルにおいては、
8000Kまで低下している。
【0064】以上の結果から、輝度劣化速度の最も速い
色以外の色に対して前面パネルに前面蛍光体層を設ける
ことにより、その色の輝度劣化速度を、輝度劣化速度の
最も早い色と近づけることができるので、経時による色
温度の低下を抑制することができる。 (第2の実施の形態)次に、第2の実施の形態にかかる
PDPについて図面を参照しながら説明する。
【0065】なお、第2の実施の形態に係るPDPは、
上記第1の実施の形態で図1〜図4を用いて説明したP
DPと略同じ構成をしており、三色の中で前面蛍光体層
を設ける色が異なるのみであるので、異なる部分を中心
に説明する。図9は、第2の実施の形態におけるPDP
の断面斜視図を示す。なお、第1の実施の形態における
図2と同じ番号を付したものについては同じ構成である
ため、説明を省略する。
【0066】同図に示すように、本第2の実施の形態に
係るPDPにおいては、三色の中で最も輝度の低い背面
蛍光体層の色に対応するように青色の前面蛍光体層10
7Bを設けている。例えば、一般的に知られている蛍光
体である赤色蛍光体:(Y,Gd)BO3:Eu、緑色蛍
光体:Zn2SiO4:Mn、青色蛍光体:BaMgAl
1017:Euを用いる場合、各蛍光体粒子の特性として
その輝度は、青色<赤色<緑色の順となり、各色のセル
ピッチが同等ならば、背面蛍光体層の輝度もこの順とな
る。このような各背面蛍光体層を100%の輝度で発光
させると、色バランスが崩れパネルの初期の色温度が5
500K程度と低い値を示すので、約9000K以上の
初期の色温度を示すためには赤色の輝度利用率を55%
程度、緑色の輝度利用率を76%程度まで抑制するのが
一般的である。このように初期においてパネルを所定の
色温度で表示する際の各色の輝度の利用率を、以下、初
期の輝度利用率という。ここで、初期の輝度利用率の低
い赤色、緑色の輝度を最大限利用して、パネルの色温度
を高く保つとともに輝度を向上させるためには、PDP
の青色における輝度を向上させる必要がある。そのた
め、輝度の低い青色に対して、前面蛍光体層107Bを
設けることによって、パネルにおける青色の輝度を向上
させるようにしている。
【0067】このようにすることによって青色の輝度が
向上するのは、前面と背面の両方に蛍光体層を設けた方
が、背面側だけに設けるより放電時に発生する紫外線を
可視光の発光に有効に利用することができるためである
と考えられる。例えば、前面蛍光体層を備えない場合、
放電時に発生する紫外線の一部は前面ガラス基板101
などに吸収されてしまい、発光に寄与することができな
くなると考えられる。
【0068】一方、本第2の実施の形態のように、前面
蛍光体層107Bを設けることによって発生した紫外線
は、背面蛍光体層111Bはもちろんのこと、前面パネ
ルに形成された前面蛍光体層107も励起して発光する
ので、紫外線利用率が向上し、その分PDPにおける青
色の輝度は向上する。そのため、各色の初期の輝度が均
衡化するので、従来技術のように、セルピッチを調整し
たり、赤色、緑色の輝度を抑えたりしなくても初期のP
DPの色温度を向上することができる上、PDPの輝度
を向上させることもできる。ここで、さらに、青色の前
面蛍光体層に水熱合成により得られた蛍光体粒子を用い
れば、さらに輝度が向上するので好ましい。
【0069】なお、前面蛍光体層107Bの可視光透過
率は、背面蛍光体層111Bの透過率よりも大きいこと
が望ましい。これは、前面蛍光体層の可視光透過率が背
面蛍光体層よりも低いと、背面蛍光体層で発生した可視
光が前面パネルを透過しにくくなり、輝度が低下する恐
れがあるからである。このような可視光透過率の関係に
設定するためには、前面蛍光体層107Bの厚みを背面
蛍光体層111Bの厚みよりも薄くすればよい。また、
前面蛍光体層107Bの空隙率(前面蛍光体層の単位体
積あたりの空隙の占める体積比率)を背面蛍光体層11
1Bよりも大きくしても同様の効果が得られ、例えば、
背面蛍光体層の蛍光体粒子よりも粒径の大きな蛍光体粒
子を用いて前面蛍光体層を形成することにより実施する
ことができる。
【0070】図10は、異なる粒径の蛍光体粒子を用い
た青色の前面蛍光体層の膜厚を変化させたときの青色の
相対輝度を示す図である。同図に示すように、焼成によ
って得られた蛍光体粒子(板状:粒径3.5μm)を使
用する場合の青色の相対輝度は、膜厚が10μmとなる
まで向上し、10μmとなったときに極大値:1.4と
なり、その後下降していく。そのため、前面蛍光体層の
膜厚を10μm以下となるようにすれば、蛍光体粒子の
使用量を減らせるためコスト的にも好ましい。
【0071】一方、水熱合成を行った蛍光体粒子(球
状:1μm、2μm)を用いた場合、2μmの粒子で
は、膜厚が6μmのところで相対輝度は極大値(1.
6)となり、1μmの粒子では3μmの膜厚で極大値
(1.6)を示し、それ以上の厚みでは輝度が低下する
ことが分かる。これにより、焼成、粉砕を経て得られた
蛍光体粒子を使用する場合よりも相対輝度が20%程度
高くなるとともに膜厚を薄くできる。
【0072】これは、上述したようにもともと水熱合成
法により合成された蛍光体粒子は輝度が高くなる上、そ
の粒子形状が球状に形成されるので、板状に比べて実際
に発光する蛍光体粒子の総表面積が増大するためである
と考えられる。また、蛍光体粒子の粒径が小さいほど、
その効果が顕著になると考えられる。この前面蛍光体層
の空隙率としては、50%以上となるように設定するこ
とが好ましい。
【0073】また、上記実施の形態においては、青色の
みに前面蛍光体を設けるようにしたが、パネルで所定の
色温度(例えば9000K)を表示するために色バラン
スを調整する際に、各色の背面蛍光体層のうち最も初期
の輝度利用率の低い色以外の色、すなわち青色と緑色に
対して前面蛍光体層を設けるようにしてもよい。このよ
うにすれば、効果は低下するが、PDPの初期の色温
度、および輝度を改善することができる。さらに、全て
の色に対して前面蛍光体層を設けるようにしてもよい。
この場合には、背面蛍光体層の輝度利用率の最も低い色
に対しては可視光透過率を低くするために厚く、最も高
い色に対しては前面蛍光体層と背面蛍光体層の両側によ
る発光が最大輝度となるような適切な厚みで前面蛍光体
層を形成して各色の輝度を調整すれば、PDPの初期の
色温度および輝度を改善することができる。
【0074】(実施例) [実施例サンプル4〜7]No.4〜No.6のPDP
は、基本的には第1の実施の形態の実施例と同様構成を
しているが、前面パネルに、青色の前面蛍光体層を形成
するとともに、その蛍光体層の膜厚および空隙率を表2
に示すように変化させている点、No.7のPDPは、
青色と緑色に前面蛍光体層を形成している点で異なって
いる。
【0075】また、各背面蛍光体層の厚みは、30μm
とし、そのときの背面蛍光体層の可視工透過率は10%
以下であった。 〔比較例サンプル〕No.8のPDPは、各色において
背面蛍光体層のみを形成し、前面蛍光体層を形成してい
ないものである。
【0076】〔実験〕 実験方法:No.4〜8のPDPについて、各色の輝度
利用率が100%となるように白表示を行い、そのとき
の色温度を測定した。 結果と考察:実験結果について表2に示す。
【0077】
【表2】
【0078】表2に示すように、No4〜6のPDPで
は、青色の前面蛍光体層を設けることにより、色温度が
10000Kを超える値を示す。特に可視光透過率を高
くするにつれて色温度が向上し、80%の可視光透過率
の場合には10500Kを示す。No.6のPDPで
は、前面蛍光体層の厚みが増した分可視光透過率が減少
して初期の色温度が若干低下しているが、10000K
を示す。
【0079】また、No.7のPDPでは、若干色温度
(9000K)が低下しているが実用上差し支えるもの
ではない。一方、No.8のPDPにおいては、色温度
が6000Kと非常に低い値を示す。これは、青色の輝
度が低いのでPDPの色バランスが崩れ、色温度が低下
しているためと考えられる。
【0080】<第1および第2の実施の形態に係る変形
例>上記各実施の形態においては、隔壁をストライプ状
に形成したが、井桁状の隔壁や、蛇行したライン状の隔
壁を複数備えるような場合においても実施することがで
きる。
【0081】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明にかか
るプラズマディスプレイパネルの寿命試験方法は、プラ
ズマディスプレイパネルを対象として劣化促進する寿命
試験方法であって、試験対象のプラズマディスプレイパ
ネルをフレーム内時分割階調表示方式で駆動して劣化促
進させるとともに、試験時に適用するフレーム内時分割
階調表示方式の時分割表示パターンは、1フレーム期間
にアドレス放電を少なくとも1回行うアドレス期間を含
み、かつ、残余の放電維持期間における放電回数が、プ
ラズマディスプレイパネルの実使用時に適用されるフレ
ーム内時分割階調表示方式のそれに比して多く含む設定
としているので、アドレス電極の劣化を考慮することが
できる状態で、PDPの寿命を示す輝度劣化、および放
電特性の変動による放電セルの誤動作等が早期にあらわ
れるように劣化が促進されて、プラズマディスプレイパ
ネルの寿命を短期間で評価することができ、寿命改善の
開発スピードの向上に貢献することができる。
【0082】また、本発明に係るプラズマディスプレイ
パネルの寿命試験装置は、プラズマディスプレイパネル
を対象として劣化促進する寿命試験装置であって、試験
対象のプラズマディスプレイパネルを表示駆動する表示
駆動手段と、当該表示駆動手段をフレーム内時分割階調
表示方式で駆動するように制御するとともに、試験時に
適用するフレーム内時分割階調表示方式の時分割表示パ
ターンにおいて、1フレーム期間にアドレス放電を少な
くとも1回行うアドレス期間を含み、かつ、残余の放電
維持期間における放電回数が、プラズマディスプレイパ
ネルの実使用時に適用されるフレーム内時分割階調表示
方式のそれに比して多くなるように制御する制御手段と
を備えるので、アドレス電極の劣化を考慮することがで
きる状態でプラズマディスプレイパネルの劣化が促進さ
れて、寿命を短期間で評価することができ、寿命改善の
開発スピード向上に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る前面ガラス基
板を取り除いたPDPの概略平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るPDPの一部
概略断面斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るPDP表示装
置のブロック図である。
【図4】図2におけるPDPをy軸方向から見たときの
一部を拡大した断面図である。
【図5】図2におけるPDPをx軸方向から見たときの
一部を拡大した断面図である。
【図6】背面蛍光体層のみを設けた場合のPDPにおけ
る各色の輝度劣化を示すグラフである。
【図7】前面蛍光体層および背面蛍光体層のみを設けた
場合のPDPにおける輝度劣化を示すグラフである。
【図8】第1の実施の形態に係るPDPの各色の輝度劣
化を示すグラフである。
【図9】第2の実施の形態に係るPDPの一部概略断面
斜視図である。
【図10】水熱合成法により得られた青色蛍光体粒子を
使用した場合の膜厚と相対輝度の関係を示す図である。
【図11】従来の一般的なPDPの一部概略断面斜視図
である。
【符号の説明】
100 PDP 101 前面ガラス基板 102 背面ガラス基板 103 表示電極 104 表示スキャン電極 105 誘電体ガラス層 106 保護層 107R,G,B 前面蛍光体層 108 アドレス電極 109 可視光反射層 110 隔壁 111R,G,B 背面蛍光体層 121 気密シール層 122 放電空間 150 PDP駆動装置 152 コントローラ 153 表示ドライバ回路 154 表示スキャンドライバ回路 155 アドレスドライバ回路 160 PDP表示装置

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の主面に電極が列設されている前面
    パネルと、 複数本の隔壁と、前記前面パネルの電極間における放電
    により発生する紫外線により励起され、赤色、緑色、青
    色の各色の可視光を発光し、前記隔壁と隔壁の間に各色
    順に配設される背面蛍光体層とを備え、前記隔壁を介し
    て前記前面パネルと平行に対峙して配設される背面パネ
    ルとを備えたプラズマディスプレイパネルであって、 前記前面パネルは、前記電極が設けられた主面側におい
    て、前記赤色、緑色、青色の三色の背面蛍光体層のう
    ち、輝度劣化速度が最も大きい色の以外の少なくとも一
    色の背面蛍光体層と対向する位置に、当該背面蛍光体層
    と同色の前面蛍光体層が設けられていることを特徴とす
    るプラズマディスプレイパネル。
  2. 【請求項2】 前記前面蛍光体層は、前記背面蛍光体層
    の赤色、緑色、青色の三色のうち、赤色のみに対して備
    えられることを特徴とする請求項1に記載のプラズマデ
    ィスプレイパネル。
  3. 【請求項3】 前記前面蛍光体層は、前記背面蛍光体層
    の赤色、緑色、青色の三色のうち、赤色、緑色のみに対
    して備えられることを特徴とする請求項1に記載のプラ
    ズマディスプレイパネル。
  4. 【請求項4】 前記前面蛍光体層の可視光透過率は、当
    該前面蛍光体層と同色の前記背面蛍光体層の可視光透過
    率よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のプラ
    ズマディスプレイパネル。
  5. 【請求項5】 前記前面蛍光体層の厚みは、前記背面蛍
    光体層の厚みよりも小さいことを特徴とする請求項4に
    記載のプラズマディスプレイパネル。
  6. 【請求項6】 前記蛍光体粒子の粒径が3.5μm以下
    であり、かつ前記前面蛍光体層の厚みが10μm以下で
    あることを特徴とする請求項5に記載のプラズマディス
    プレイパネル。
  7. 【請求項7】 前記前面蛍光体層の空隙率は、前記背面
    蛍光体層の空隙率よりも大きいことを特徴とする請求項
    4に記載のプラズマディスプレイパネル。
  8. 【請求項8】 前記前面蛍光体層は、前記前面パネルの
    電極に対応する位置を除いて形成されていることを特徴
    とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  9. 【請求項9】 前記隔壁と隔壁の間の距離は、当該隔壁
    と隔壁の間に配される背面蛍光体層の色の輝度に応じて
    異なることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディ
    スプレイパネル。
  10. 【請求項10】 前記前面蛍光体層および前記背面蛍光
    体層を構成する蛍光体粒子は、球状の蛍光体粒子である
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレ
    イパネル。
  11. 【請求項11】 前記球状の蛍光体粒子は水熱合成法に
    より合成されていることを特徴とする請求項10に記載
    のプラズマディスプレイパネル。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載のプラズマディスプレ
    イパネルと、当該プラズマディスプレイパネルの電極に
    接続され、当該電極に電圧を印加することにより前記プ
    ラズマディスプレイパネルを表示駆動する表示駆動回路
    と、 を備えたプラズマディスプレイパネル表示装置。
  13. 【請求項13】 一方の主面に電極が列設されている前
    面パネルと、 複数本の隔壁と、前記前面パネルの電極間における放電
    により発生する紫外線により励起され、赤色、緑色、青
    色の各色の可視光を発光し、前記隔壁と隔壁の間に各色
    順に配設される背面蛍光体層とを備え、前記隔壁を介し
    て前記前面パネルと平行に対峙して配設される背面パネ
    ルとを備えたプラズマディスプレイパネルであって、 前記前面パネルは、前記電極の設けられた主面側におい
    て、前記赤色、緑色、青色の三色の背面蛍光体層のう
    ち、パネルを所定の色温度で表示する際の初期の輝度利
    用率が最も小さい色以外の少なくとも一色の背面蛍光体
    層と対向する位置に、当該背面蛍光体層と同色の前面蛍
    光体層が設けられていることを特徴とする。
  14. 【請求項14】前記前面蛍光体層は、前記背面蛍光体層
    の赤色、緑色、青色の三色のうち、緑色、青色のみに対
    して備えられることを特徴とする請求項13に記載のプ
    ラズマディスプレイパネル。
  15. 【請求項15】 前記前面蛍光体層は、前記背面蛍光体
    層の赤色、緑色、青色の三色のうち、青色のみに対して
    備えられることを特徴とする請求項13に記載のプラズ
    マディスプレイパネル。
  16. 【請求項16】 前記前面蛍光体層の可視光透過率は、
    当該前面蛍光体層と同色の前記背面蛍光体層の可視光透
    過率よりも大きいことを特徴とする請求項13に記載の
    プラズマディスプレイパネル。
  17. 【請求項17】 前記前面蛍光体層の厚みは、前記背面
    蛍光体層の厚みよりも小さいことを特徴とする請求項1
    6に記載のプラズマディスプレイパネル。
  18. 【請求項18】 前記蛍光体粒子の粒径が3.5μm以
    下であり、かつ前記前面蛍光体層の厚みが10μm以下
    であることを特徴とする請求項17に記載のプラズマデ
    ィスプレイパネル。
  19. 【請求項19】 前記前面蛍光体層の空隙率は、前記背
    面蛍光体層の空隙率よりも大きいことを特徴とする請求
    項16に記載のプラズマディスプレイパネル。
  20. 【請求項20】 前記前面蛍光体層は、前記前面パネル
    の電極に対応する位置を除いて形成されていることを特
    徴とする請求項13に記載のプラズマディスプレイパネ
    ル。
  21. 【請求項21】 前記隔壁と隔壁の間の距離は、当該隔
    壁と隔壁の間に配される背面蛍光体層の色の輝度に応じ
    て異なることを特徴とする請求項13に記載のプラズマ
    ディスプレイパネル。
  22. 【請求項22】 前記前面蛍光体層および前記背面蛍光
    体層を構成する蛍光体粒子は、球状の蛍光体粒子である
    ことを特徴とする請求項13に記載のプラズマディスプ
    レイパネル。
  23. 【請求項23】 前記球状の蛍光体粒子は水熱合成法に
    より合成されていることを特徴とする請求項22に記載
    のプラズマディスプレイパネル。
  24. 【請求項24】 前記蛍光体粒子は青色の蛍光体粒子で
    あることを特徴とする請求項23に記載のプラズマディ
    スプレイパネル。
  25. 【請求項25】 請求項13に記載のプラズマディスプ
    レイパネルと、当該プラズマディスプレイパネルの電極
    に接続され、当該電極に電圧を印加することにより前記
    プラズマディスプレイパネルを表示駆動する表示駆動回
    路とを備えたプラズマディスプレイパネル表示装置。
  26. 【請求項26】 一方の主面に電極が列設されている前
    面パネルと、 複数本の隔壁と、前記前面パネルの電極間における放電
    により発生する紫外線により励起され、赤色、緑色、青
    色の各色の可視光を発光し、前記隔壁と隔壁の間に各色
    順に配設される背面蛍光体層とを備え、前記隔壁を介し
    て前記前面パネルと平行に対峙して配設される背面パネ
    ルとを備えたプラズマディスプレイパネルであって、 前記前面パネルは、前記電極が設けられた主面側におい
    て、前記赤色、緑色、青色の三色の背面蛍光体層と対向
    する位置に、当該背面蛍光体層と同色の前面蛍光体層が
    設けられ、かつ、前記三色の背面蛍光体層のうち、輝度
    劣化速度が最も低い色、または初期の輝度利用率が最も
    低い色のものと同色の前面蛍光体層は他の色よりも可視
    光透過率が低くなるように設けられることを特徴とす
    る。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002180042A (ja) * 2000-12-13 2002-06-26 Sumitomo Chem Co Ltd 高輝度蛍光体層
JP2006147556A (ja) * 2004-11-17 2006-06-08 Samsung Sdi Co Ltd プラズマディスプレイパネル

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JP2002180042A (ja) * 2000-12-13 2002-06-26 Sumitomo Chem Co Ltd 高輝度蛍光体層
JP2006147556A (ja) * 2004-11-17 2006-06-08 Samsung Sdi Co Ltd プラズマディスプレイパネル

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