JP2001234561A - 配水池設備の制御方法および装置 - Google Patents

配水池設備の制御方法および装置

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JP2001234561A
JP2001234561A JP2000050530A JP2000050530A JP2001234561A JP 2001234561 A JP2001234561 A JP 2001234561A JP 2000050530 A JP2000050530 A JP 2000050530A JP 2000050530 A JP2000050530 A JP 2000050530A JP 2001234561 A JP2001234561 A JP 2001234561A
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water
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downstream
amount
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Tomoo Teramoto
智夫 寺本
Tadanao Tajima
忠直 田島
Yuzo Takeishi
雄三 武石
Jinpei Tate
仁平 舘
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Hitachi Information and Control Systems Inc
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Hitachi Ltd
Hitachi Information and Control Systems Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、上流側と下流側の両方の配水
池の貯水量を運用上下限範囲を逸脱することなく下流側
配水池の流入量を安定に制御することができる 配水池
設備の制御方法および装置を提供することにある。 【解決手段】本発明の特徴とするところは、供給される
浄水量と上流側配水池1219の上下限貯水量および需
要量と下流側配水池1220の上下限貯水量に基づき上
流側配水池1219と下流側配水池1220の貯水量が
それぞれの上下限貯水量範囲内になるように下流側配水
池1220への流入量を求め、この求めた流入量によっ
て下流側配水池1220への流入量を制御するようにし
たことにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浄水場から浄水を
供給される上流側配水池から下流側配水池に流入する流
入量を調整するようにした配水池設備における下流側配
水池へ浄水流入量を制御する配水池設備の制御方法およ
び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上水道における配水池設備を図1に示
す。浄水場102で作られた浄水は、配水池101を通
して需要家へ供給される。配水池101より流出する需
要量は時間的に変化し、朝、夕は多く、深夜は少なくな
るような変動(日間変動)を示すのが一般的である。
【0003】需要量の日間変動に合わせて浄水場102
で水が作れれば何の問題もないが、浄水場102の処理
能力にも限界があり、需要のピークに合わせ浄水設備を
建設することはコストの面からも無駄である。また、浄
水場102としては、設備の安定稼動のため浄水量を一
定に保ち、一定の送水を行いたいという要求がある。
【0004】そこで、浄水場102と需要家の間に配水
池101及び配水池流入弁103を設けて配水池流入量
を調整し、需要量の少ない時間帯に配水池101に水を
溜め込み、多い時間帯にその水を使うという運用をして
いる。つまり、需要量の変動を配水池101の貯水量を
利用して吸収し、配水池101の流入量すなわち浄水場
102からの送水量の均等化を図っている。
【0005】需要量の変動状態は図2(a)の特性20
2のようになる。浄水場102からの送水量(=配水池
流入量)は前述の理由から終日一定であることが望まし
いため、最適流入量は直線201となる。需要量の変動
特性は曲線202のようになるため、配水池101の貯
水量は図2(b)の特性203のように変動する。つま
り、配水池101の貯水量を変動させることで、流入量
を一定にすることができることになる。
【0006】ところが、配水池101として通常は溢れ
たり、空になったりすることのないように、図1に示す
配水池101の運用範囲(貯水量、水位)のように運用
上限104と運用下限105を設け、需要量202の急
変に備え余裕を持った運用を行っている。上下限の範囲
内でみると、貯水量は図2(b)の変動特性203のよ
うに「A」で示す期間で下限値105を下回っているた
め、実運用上好ましくない。
【0007】当初は、貯水量に充分な余裕を見て配水池
を建設したが、その後の人口の増加等による需要量の増
加、変動量の増大により、このような現象の起こる地域
が増えている。特に、大都市近辺ではその傾向が顕著に
なっている。
【0008】従って、限られた配水池の容量を最大限に
活かし、変動の少ない流入量を算出し運用することが、
近年の上水道での課題の一つとなってきている。まや、
配水池流入弁のような機械設備は、その動作回数が寿命
に結びつくため変動回数を抑えるということが重要なこ
とである。
【0009】このようなことを解決するのにQRS(Qu
asi-optimum Routing System)法が提案されている。
【0010】QRS法についてその考え方を説明する
と、以下の通りとなる。需要量が図3(a)の曲線特性
301になっているとき、時間的に累計した累積流量は
図3(b)の特性302のようになる。
【0011】ここで、配水池101の貯水量を終日下限
値105となるような運用を考えた場合、貯水量の下限
値105を出発点として需要量と同量を流入すればよい
ので、累積流入量は図4(b)の特性401のようにな
る。同様に、配水池101の貯水量を終日上限値104
となるような運用を考えた場合、累積流入量は特性40
2のようになる。従って、曲線401と曲線402に挟
まれた範囲の累積流入量で配水池101へ流入させるこ
とにより、配水池101の貯水量を運用範囲に保持した
運用が可能となる。
【0012】次に、流入量が終日一定である最適流入量
を考える。配水池101の初期貯水量は配水池水位から
計算され、図4(b)のa点とする。通常、配水池10
1の運用として、夜間の需要が少ない時間帯に水を溜め
込み、朝、夕の需要の多い時間帯にその水を使うのが一
般的である。従って、朝方の需要が増える直前の時刻に
配水池貯水量を運用上限104に達するようにする必要
があり、それが目標貯水量すなわち図中のb点になる。
【0013】最適流入量の累積は、この初期貯水量(a
点)と目標貯水量(b点)を結ぶ直線403であり、そ
の流量は直線403の勾配になる。ところが、この直線
403において、c点とd点の間の時間帯で累積流入量
の下限(特性401)を下回っていることから、配水池
貯水量を運用範囲に保持することができなくなる。
【0014】以上のことから、配水池貯水量を運用範囲
内に保持した累積流入量は、特性401と特性402に
挟まれ範囲で直線あるいは折線を探索することで求めら
れることがわかる。このように折線を探索し、流入量を
求める方法がQRS法である。そして、探索した折線の
屈曲点が少ないほど流入量の変動回数が少ない結果とな
る。
【0015】従来のQRS法としての流入量の求め方
は、以下の通りである。ある配水池における累積流入量
の上下限値について、配水池貯水量の運用上下限より、
それぞれ図5に示す通り下限値を曲線501、上限値を
502と表わすことができる。従って、配水池貯水量を
運用範囲に保持した流入量は、曲線501と曲線502
の間に挟まれる範囲に存在するため、まずその範囲内に
存在する初期貯水量を出発点とする最も長い直線を探索
することから始まる。
【0016】図5の例では、初期貯水量a点とc’点を
通る直線が曲線501と曲線502に挟まれる範囲に存
在する最も長い直線であるが、3時に上限を超えc’点
に達するため、1時間前に戻り2時のc点で折り曲げる
ものとする。次にc点から同様に最も長い直線を探索
し、最終時刻6時にb’点に達する。しかし、目標貯水
量はb点であるため、1時間前に戻り5時のd点で折り
曲げ、最後にd点とb点を結び、折線503(a−c−
d−b)を決定する。
【0017】近年、大都市近辺では、人口の増加等によ
って図6(a)のように需要量も増加し、その需要変動
量の増大に伴い、配水池流入量(累積流入量)の変動も
図6(b)に示すように多くならざるを得なくなってき
ている。そのため、需要量に見合った貯水量とするよう
に、配水池を増設する浄水場も年々増えてきている。
【0018】配水池を増設する場合、既設の配水池を一
旦取り壊し、新しく容量の大きな配水池を建設すること
は実運用上不可能なため、別に新たな配水池を建設する
ことになる。その際、図7に示す、例えば配水池702
のように、既設の配水池701と同じ標高の土地に増設
できれば、浄水場からの送水管により、配水池701と
配水池702を並列に接続することで2つの配水池70
1、702の水位は物理的に同様に変化するため、配水
池701と配水池702は1つの配水池と見なすことが
できる。このような場合は、従来のQRS法により浄水
量を求めることができるため、問題にはならない。
【0019】しかし、土地の問題があり、特に大都市近
辺では既設と同じ標高の土地に配水池を増設すること
は、ほとんど不可能であり、やむなく配水池703のよ
うに、配水池701と標高の違う場所に増設することに
なる。この場合、2つの配水池701と702を並列に
接続すると、標高の高い配水池703に水が溜まる前に
標高の低い配水池701の貯水量が満水となる。
【0020】通常、配水池は、設備保護のために満水に
なるとオーバーフロー管より排水される仕組みが採られ
ている。2つの配水池701と702を並列に接続した
場合は、標高の低い配水池701で排水されてしまうた
めに、標高の高い配水池703には水が溜まらないこと
になる。そこで、標高の違う土地に建設された配水池を
送水管により直列に接続した、図8(a)に示すような
配水池設備が増えてきている。
【0021】一方、浄水場においては、浄水設備の維
持、管理の観点より、予めその日の浄水量を計画し、そ
の計画値に従った運用を行うことを要望している。すな
わち、図8(b)における浄水量801を予め計画し運
用することになるが、そのためには、需要量802を賄
うための下流側配水池805への流入量803について
も計画する必要が出てくる。
【0022】下流側配水池805への流入量803につ
いて、従来のQRS法を使用して求めた場合、需要量8
02の累積曲線と下流側配水池805の水位の運用上下
限により累積流入量の上下限(図5の曲線501と曲線
502)が求められ、その範囲で折線(図5の折線50
3)を探索することにより、配水池流入量803を算出
することになる。しかし、この従来の方法では、下流側
配水池805の運用上下限水位を計算条件として考慮し
ているために、下流側配水池805の水位は曲線806
のように運用上下限の範囲に保持するが、上流側配水池
804の運用上下限水位は一切計算条件に含まれていな
いため、上流側配水池804の水位は曲線807のよう
に運用上下限を逸脱する場合がある。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】従来技術は、上流側配
水池の水位が運用上下限を逸脱する場合があるという問
題点を有し、近年増加しつつある送水管により直列に接
続された2つの配水池を備えた配水池設備において、各
々の配水池の運用上下限条件を考慮し、安定した水運用
を行うことが強く要望されている。また、浄水場におい
ては、浄水設備の点検、修理に伴う維持、管理の上で計
画された浄水量による運用を行うことが望まれている。
【0024】本発明の目的は、上流側配水池から下流側
配水池に流入する流入量を調整するようにした配水池設
備における上流側と下流側の両方の配水池の貯水量を運
用上下限範囲を逸脱することなく下流側配水池の流入量
を安定に制御することができる 配水池設備の制御方法
および装置を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】まず、本発明の基本的な
考え方を説明する。
【0026】下流側配水池について図9により説明す
る。図9(a)において、下流側配水池901の流入量
902をQI、需要量903をQDとすると、単位時間
当たりの流量は各々式1、式2のように表わせる。
【0027】
【数1】
【0028】
【数2】
【0029】計算開始時刻tsと最終時刻te間の時刻
tにおける貯水量Vtは、初期貯水量をV0とすると式
3で表すことができる。
【0030】
【数3】
【0031】式3は図9(b)のようになり、ここで、
配水池901の貯水量の運用上限をVmax、運用下限
をVminとすると式4が成立する。
【0032】
【数4】 Vmin ≦ Vt ≦ Vmax …(式4) 式3を式4に代入し整理すると、時刻t(ts≦t≦t
e)において、式5の不等式が得られる。
【0033】
【数5】
【0034】単位時間当たりの需要量は予め日間変動な
どの水需要予測で求められているので、図9(c)に示
すように運用上限貯水量(Vmax)から需要量を積算
した折線904と運用下限貯水量(Vmin)から需要
量を積算した折線905の間に下流側配水池901の水
位を運用上下限の範囲に保持するための流入量が存在す
ることになる。
【0035】次に、上流側配水池について図10により
説明する。図10(a)に示すように通り、上流側配水
池1001の浄水量1002をQF、送水量1003を
QSとすると、単位時間当たりの流量は各々式6、式7
のように表わせる。
【0036】
【数6】
【0037】
【数7】
【0038】計算開始時刻tsと最終時刻te間の時刻
tにおける貯水量Vtは、初期貯水量をV0とすると式
8で表すことができる。
【0039】
【数8】
【0040】式8は図10(b)のような関係になり、
ここで、配水池1001の貯水量の運用上限をVma
x、運用下限をVminとすると式9が成立する。
【0041】
【数9】 Vmin ≦ Vt ≦ Vmax …(式9) (4)式を(5)式に代入し整理すると、時刻t(ts
≦t≦te)において式10の不等式が得られる。
【0042】
【数10】
【0043】単位時間当たりの需要量は水需要予測で求
められているので、図10(c)に示すように運用上限
貯水量(Vmax)に−1を乗じたものから浄水量を積
算した折線1004と運用下限貯水量(Vmin)に−
1を乗じたものから浄水量を積算した折線1005の間
に上流側配水池1001の水位を運用上下限の範囲に保
持するための送水量が存在することになる。
【0044】以上により、流入量QIは図9(c)に示
す折線904と折線905に挟まれた範囲で、また、送
水量QSは図10(c)に示す折線1004と折線10
05に挟まれた範囲で折線を探索することになる。流入
量QIは送水量QSと等しいので、「折線904と折線
905に挟まれた範囲」と「折線1004と折線100
5に挟まれた範囲」の条件を両方とも満足させることに
より、上流側及び下流側の配水池の運用範囲を同時に満
足させることができる。
【0045】つまり、図11に示すように、下流側配水
池901の累積流入量の上下限(折線904と折線90
5)と上流側配水池1001の累積送水量の上下限(折
線1004と折線1005)のAND条件により、2池
の条件を満足する累積流量の上下限を決定することがで
きる。このとき、2池の初期貯水量の点を一致させ折線
904、905と折線1004、1005を重ねあわせ
ることで、累積流入量の上下限を決定する。その後に従
来のQRS法と同様の方法により、初期貯水量から下流
側配水池901の目標貯水量を結ぶ、屈曲点数を最少と
する折線1101を探索し、下流側配水池901の流入
量を求める。
【0046】以上、本発明の基本的な考え方を説明した
が、本発明の特徴とするところは、要するに、上流側配
水池に供給される浄水量と上流側配水池の上下限貯水量
および需要量と下流側配水池の上下限貯水量に基づき上
流側配水池と下流側配水池の貯水量がそれぞれの上下限
貯水量範囲内になるように下流側配水池への流入量を求
め、この求めた流入量によって下流側配水池への流入量
を制御するようにしたことにある。
【0047】本発明は、上流側と下流側の両方の配水池
の貯水量を運用上下限範囲内となるように下流側配水池
の流入量を制御しているので、需用量不足を生じること
なく下流側配水池の流入量を安定に制御することができ
る。
【0048】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図12を用い
て説明する。
【0049】図12において、計算機1201には、1
日の水需要量を予測する水需要予測処理部1202があ
り、水需要予測量データ1203を算出する。水需要予
測量データ1203は、例えば季節毎の日間変動を考慮
して予測される。
【0050】計算機1201にはディスプレイ装置12
05が接続されており、そのディスプレイ装置1205
の画面を見ながら浄水場における1日の浄水量計画値を
ナウスやキーボードなどの入力装置によって設定され
る。入力された浄水量計画値は計算機1201内部の浄
水量計画値データメモリ1206に格納される。同様
に、上流側及び下流側の2つの配水池1219、122
0における水位の運用上下限値、下流側配水池1220
の目標水位等の配水池条件を設定入力することにより、
計算機1201内部の配水池条件データメモリ1207
に格納する。
【0051】上流側配水池1219には水位計121
7、下流側配水池1220には水位計1218が設置さ
れており、水位計1217、1218の水位実測値が計
算機1201の水位実測値メモリ1208に取り込まれ
る。
【0052】流入量設定値算出処理部1204は、これ
ら水需要予測量データ1203と浄水量計画値データ1
206と配水池条件データ1207と水位実測値120
8を用いて、前述したようにして上流側及び下流側の2
つの配水池1219、1220の運用上下限範囲を保持
し、かつ、変動回数を最少に抑えた配水池流入量の1日
分の目標値を算出し、流入量設定値して流入量設定値デ
ータメモリ1209に格納する。
【0053】流入量設定値算出処理部1204により算
出された流入量設定値データ1209は、計算機120
1から通信装置1210を経由して送信され、コントロ
ーラ1211の流入量設定値データメモリ1212に格
納される。コントローラ1211に格納される流入量設
定値データ1212は、計算機1201で算出された流
入量設定値データ1209と同一構成であり、1日分の
配水池流入量の目標値が格納されている。その流入量設
定値データ1212の現在時刻に該当するデータを現在
の流入量設定値として使用する。
【0054】配水池流入量は流入管路に設置された流量
計1216より、コントローラ1211に取り込まれ、
流入量実測値メモリ1214に格納される。流入量調整
処理部1213は、これら現在の流入量設定値1212
と流入量実測値1214を比較し、 (流入量設定値) > (流入量実測値) の場合は開指令 (流入量設定値) < (流入量実測値) の場合は閉指令 を配水池流入弁1215に対して出力することにより、
流入量実測値1214が流入量設定値1212になるよ
うに調整する。
【0055】以上のようにして、計算機1201で算出
した流入量設定値により、上流側配水池1219と下流
側配水池1220の水位(貯水量)を運用上下限範囲に
保持し、かつ、最も変動回数を少なくした流入量で下流
側配水池1220に水を送り込み、需要を賄うことがで
きる。このようにすることにより、浄水場1221を含
めた上水道設備全体の安定稼動を図ることができる。
【0056】次に、このように流入量設定値を算出し制
御することを6時の時点で7時から翌日6時までについ
て具体的な数値を使用して説明する。
【0057】上流側と下流側の配水池1219、122
0の条件は表1に示すとうりで、水需要予測量と浄水量
計画値については表2のとうりとする。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】初期水位は水位計1217及び水位計12
18より水位実測値1208として計算機1201に格
納され、運用上下限水位等の条件1207と浄水量計画
値1206については、ディスプレイ装置1205によ
り設定することで、配水池条件データ1207及び浄水
量計画値データ1206として計算機1201に格納さ
れる。
【0061】ディスプレイ装置1205にて配水池条件
1207及び浄水量計画値1206を設定することによ
り、水需要予測処理部1202が起動され、水需要予測
量データ1203が算出される。水需要予測処理部12
02では、良く知られている統計的手法を用いた方法
や、ニューロ等知識工学を応用した方法により水需要予
測量1203を算出するが、その算出方法については本
発明に直接関係ないので説明を省略する。
【0062】水需要予測処理部1202は、水需要予測
量データ1203を算出後に流入量設定値算出処理部1
204を起動する。水需要予測処理部1202より起動
された流入量設定値算出処理部1204は、水需要予測
量データ1203、配水池条件データ1207、浄水量
計画値データ1206及び水位実測値1208を使用し
て、上述したようにして流入量設定値データ1209を
算出する。
【0063】流入量設定値算出処理部1204が流入量
設定値データ1209を算出することについて具体的な
数値を使用して説明する。
【0064】まず、下流側配水池1220の運用上下限
範囲を求めると、図13に示すように、運用上限は運用
上限貯水量3500m(=運用上限水位3.5m×1
000m)から需要量を積算した折線1301とな
り、運用下限は運用下限貯水量2800m(=運用下
限水位2.8m×1000m)から需要量を積算した
折線1302となる。
【0065】次に、上流側配水池1219の運用上下限
範囲を求めると、運用上限は運用上限貯水量3500m
(=運用上限水位3.5m×1000m)に−1を
乗じたものから浄水量を積算した折線1303となり、
運用下限は運用下限貯水量2500m(=運用下限水
位2.5m×1000m)に−1を乗じたものから浄
水量を積算した折線1304となる。
【0066】上流側配水池1219と下流側配水池12
20における流入量の折線探索のスタート地点である初
期貯水量の位置を一致させる必要があるので、上流側配
水池1219と下流側配水池1220の初期貯水量の位
置が一致するように、上流側配水池1219の運用上下
限範囲である折線1303及び折線1304を平行移動
させ、下流側配水池1220の運用上下限範囲である折
線1301及び折線1302と重ね合わせる。
【0067】そして、上流側及び下流側の配水池121
9と配水池1220の運用上下限範囲がAND条件とな
る部分、つまり図13に示す2つの運用上下限範囲が重
なった部分(図中のハッチング部分)が最適流入量の範
囲となる。この最適流入量範囲の中で従来のQRS通り
に折線を探索していくことになり、その結果として折線
1307が得られる。この折線1307は、下流側配水
池1220の流入量の累積を示したものであり、時間当
たりの流量は折線の傾きになるため、それを算出すると
表3に示すような結果となる。
【0068】
【表3】
【0069】下流側配水池1220の流入量が求まった
ので、上流側配水池1219及び下流側配水池1220
の水位を算出してみると、下流側配水池水位は表4のよ
うになり、また、上流側配水池水位は表5のようにな
る。
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】配水池水位は次式の式11により算出す
る。
【0073】
【数11】
【0074】表4、表5にしめす結果を見てわかる通
り、上流側と下流側の配水池1219と配水池1220
は全ての時刻においてその水位が運用上下限の範囲に入
っている。
【0075】以上のような手順により、下流側配水池1
220の流入量が算出されるので、これを図12の流入
量設定値データ1209として格納し、通信装置121
0を通してコントローラ1211内の流入量設定値デー
タ1212として送信する。コントローラ1211は、
流入量設定値データ1212に従って配水池流入弁12
15を開閉操作して流入量を調整する。したがって、上
流側及び下流側の配水池水位を両方とも運用上下限の範
囲を逸脱することなく、変動回数を最少に抑えた流入量
で下流側配水池に流入させる運用ができることとなる。
【0076】これに対して、従来技術のように、つまり
下流側配水池1220の運用上下限範囲のみを考慮した
場合についての結果を図14に示す。図14における下
流側配水池1220の運用上下限範囲は、図13におけ
る折線1301及び折線1302と全く同じである。こ
の運用上下限範囲で折線を探索すると、折線1401が
得られる。その結果について、時間当たりの配水池流入
量と水位を数値で表わすと表6から表8に示すようにな
る。
【0077】
【表6】
【0078】
【表7】
【0079】
【表8】
【0080】表6から表8の結果からわかる通り、下流
側配水池1220の水位は常時運用上下限範囲内を推移
しているが、上流側配水池1219の水位は、24時と
翌日1時に運用下限値の2.5を下回っている。
【0081】本発明と従来技術の対比を理解しやすくす
るため、配水池水位の時間的変化を図15に示す。図1
5(a)は下流側配水池水位の変化を示し、図15
(b)は上流側配水池水位の変化を示している。
【0082】図15(a)における下流側配水池水位の
曲線1501は本発明によるもので、曲線1502は従
来技術によるものである。また、図15(b)における
上流側配水池水位の曲線1503は本発明によるもの
で、曲線1504は従来技術によるものである。これら
の曲線を比較すると、上流側配水池水位について、本発
明では運用上下限範囲を保持しているが、従来技術では
運用下限を下回った結果となっていることが理解でき
る。
【0083】このように浄水量計画値と水需要予測量、
上流側及び下流側配水池の運用上下限水位を計算条件と
して与え、変動回数を最少とする下流側配水池流入量を
算出し制御することで、浄水場においては浄水量計画値
通りに水を作り、配水池設備においては、その水位を運
用上下限の範囲内に保持した安定稼動が実現できる。
【0084】以上のようにして 下流側配水池の流入量
を制御するのであるが、上流側配水池に供給される浄水
量と上流側配水池の上下限貯水量および需要量と下流側
配水池の上下限貯水量に基づき上流側配水池と下流側配
水池の貯水量がそれぞれの上下限貯水量範囲内になるよ
うに下流側配水池への流入量を求め、この求めた流入量
によって下流側配水池への流入量を制御している。すな
わち、上流側と下流側の両方の配水池の貯水量を運用上
下限範囲内となるように下流側配水池の流入量を制御し
ているので、需用量不足を生じることなく下流側配水池
の流入量を安定に制御することができる。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば上流側と下流側の両方の
配水池の貯水量を運用上下限範囲内となるように下流側
配水池の流入量を制御しているので、需用量不足を生じ
ることなく下流側配水池の流入量を安定に制御すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象とする配水池設備の概略と配水池
における運用範囲を示した図である。
【図2】水需要量の変動と配水池流入量を一定としたと
きの配水池貯水量の変化を示した図である。
【図3】水需要量の変動曲線及び水需要の累積曲線を示
す図である。
【図4】水需要量の変動曲線及び配水池貯水量を運用範
囲に保持するための配水池流入量の累積曲線、最適流入
量の累積を示す図である。
【図5】従来技術で求めた配水池流入量の累積を示す図
である。
【図6】水需要量の増加、変動量の増大に伴う、流入量
の変動の増加を示す図である。
【図7】配水池を増設する際の配水池の配置構成を示す
図である。
【図8】本発明の対象とする配水池設備の概念と、従来
技術により求めた上流側及び下流側配水池の水位の変化
を示す図である。
【図9】本発明における下流側配水池の計算条件の説明
図である。
【図10】本発明における上流側配水池の計算条件の説
明図である。
【図11】本発明における上流側及び下流側の計算条件
と、流入量の折線探索について示す図である。
【図12】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図13】本発明における計算条件と折線探索手順につ
いて示した図である。
【図14】従来技術による計算条件と折線探索手順につ
いて示した図である。
【図15】本発明と従来技術での配水池水位の計算結果
を示す図である。
【符号の説明】
101…配水池、102…浄水場、103…配水池流入
弁、104…配水池水位の運用上限、105…配水池水
位の運用下限、701…既設配水池、702…同じ標高
の土地に増設した場合の配水池、703…違う標高の土
地に増設した場合の配水池、801…浄水場、802…
需要量、803…下流側配水池の配水池流入量、804
…上流側配水池、805…下流側配水池、1201…計
算機1202…水需要予測処理、1203…水需要予測
量データ、1204…流入量設定値算出処理、1205
…ディスプレイ装置、1206…浄水量計画値データ、
1207…配水池条件データ、1208…配水池水位実
測値、1209…下流側配水池流入量設定値データ、1
210…通信装置、1211…配水池流入弁コントロー
ラ、1212…下流側配水池流入量設定値データ、12
13…配水池流入量調整処理、1214…配水池流入量
実測値、1215…配水池流入弁、1216…流量計、
1217…上流側配水池の水位計、1218…下流側配
水池の水位計、1219…上流側配水池、1220…下
流側配水池、1221…浄水場
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田島 忠直 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立情報制御システム内 (72)発明者 武石 雄三 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立情報制御システム内 (72)発明者 舘 仁平 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか事業所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】浄水場から浄水を供給される上流側配水池
    から下流側配水池に流入する流入量を調整するようにし
    た配水池設備であって、前記浄水場から前記上流側配水
    池に供給される浄水量と前記上流側配水池の上下限貯水
    量および前記下流側配水池から供給する需要量と前記下
    流側配水池の上下限貯水量に基づき前記上流側配水池と
    前記下流側配水池の貯水量がそれぞれの上下限貯水量範
    囲内になるように前記下流側配水池への流入量を求め、
    この求めた流入量によって前記下流側配水池への流入量
    を制御することを特徴とする配水池設備の制御方法。
  2. 【請求項2】浄水場から浄水を供給される上流側配水池
    から下流側配水池に流入する浄水量を流入弁で調整する
    ようにした配水池設備であって、前記浄水場から前記上
    流側配水池に供給される浄水量計画値と前記上流側配水
    池の上下限水位および前記下流側配水池から供給する需
    要量予測値と前記下流側配水池の上下限水位に基づき前
    記上流側配水池と前記下流側配水池の水位がそれぞれの
    上下限水位範囲内になるように前記下流側配水池への流
    入量を求め、この求めた流入量によって前記流入弁を制
    御することを特徴とする配水池設備の制御方法。
  3. 【請求項3】浄水場から浄水を供給される上流側配水池
    から下流側配水池に流入する流入量を調整するようにし
    た配水池設備において、前記浄水場から前記上流側配水
    池に供給される浄水量と前記上流側配水池の上下限貯水
    量および前記下流側配水池から供給する需要量と前記下
    流側配水池の上下限貯水量に基づき前記上流側配水池と
    前記下流側配水池の貯水量がそれぞれの上下限貯水量範
    囲内になるように前記下流側配水池への流入量を求める
    計算機と、前記計算機で求めた流入量によって前記下流
    側配水池への流入量を制御するコントローラとを具備す
    ることを特徴とする配水池設備の制御装置。
  4. 【請求項4】浄水場から浄水を供給される上流側配水池
    から下流側配水池に流入する浄水量を流入弁で調整する
    ようにした配水池設備において、前記浄水場から前記上
    流側配水池に供給される浄水量計画値と前記上流側配水
    池の上下限水位および前記下流側配水池から供給する需
    要量予測値と前記下流側配水池の上下限水位に基づき前
    記上流側配水池と前記下流側配水池の水位がそれぞれの
    上下限水位範囲内になるように前記下流側配水池への流
    入量を求める計算機と、前記計算機で求めた流入量によ
    って前記流入弁を制御するコントローラとを具備するこ
    とを特徴とする配水池設備の制御装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011065379A (ja) * 2009-09-16 2011-03-31 Chugoku Electric Power Co Inc:The 貯水施設の運用支援システム、運用支援方法及びプログラム
JP2012079202A (ja) * 2010-10-05 2012-04-19 Hitachi Ltd 配水池浄水供給システムの浄水供給量算出方法およびそのプログラム、配水池浄水供給システム
JP2015166532A (ja) * 2014-03-04 2015-09-24 保夫 岡田 連結供給治水システム
JP2015218568A (ja) * 2014-05-21 2015-12-07 株式会社小松製作所 水道システム

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