JP2001234306A - 高耐食バルクアモルファス合金 - Google Patents
高耐食バルクアモルファス合金Info
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Abstract
持ち、濃厚酸中でも腐食されない高耐食バルクアモルフ
ァス合金とその製法を提供する。 【解決手段】 TaおよびNbの2種の合計で25〜6
5原子%を含むとともに、前記TaまたはNbのいずれ
か1種を3原子%以上とし、さらに2〜8原子%のPを
含み、残部は実質的にNiからなる組成の合金とする。
この合金をガラス遷移温度以上で結晶化温度以下の過冷
却液体状態の温度範囲にて溶融し、形成予定のバルク形
状に急冷して固化する。
Description
腐食性環境に耐え、溶融状態から超急冷を必要とするこ
となく、バルク成形可能な高耐食アモルファス合金に関
するものである。
こと、あるいはスパッターデポジションによって、激し
い腐食性環境で異常な高耐食性を示す多数のアモルファ
ス合金を見いだし特許を出願してきた。この発明は、特
開昭61−210143号および特開昭62−3373
5号に開示されている。
て開示した発明は以下の4つの発明からなる。 (1)Taを15〜80原子%含み、残部は実質的にN
iよりなる高耐食アモルファス合金。 (2)Taと、Ti、Zr、NbおよびWよりなる群が
ら選ばれる1種または2種以上の元素とを含み、残部は
実質的にNiよりなり、含有率はTaが10原子%以
上、前記群から選ばれる1種または2種以上の元素が、
Taとの合計で15〜80原子%である高耐食アモルフ
ァス合金。 (3)Taと、Feおよび/またはCoとを含み、残部
は実質的にNiよりなり、含有率はTaが15〜80原
子%、Feおよび/またはCoが75原子%以下、Ni
が7原子%以上である高耐食アモルファス合金。 (4)Taと、Ti、Zr、NbおよびWよりなる群が
ら選ばれる1種または2種以上の元素と、Feおよび/
またはCoとを含み、残部は実質的にNiよりなり、含
有率はTaとTi、Zr、NbおよびWよりなる群がら
選ばれる1種または2種以上とが合計で15〜80原子
%であり、Feおよび/またはCoが75原子%以下、
Niが7原子%以上である高耐食アモルファス合金。
た発明は、以下の16の発明からなる。 (1)Taを30〜80原子%含み、残部は実質的にN
iよりなり合計を100原子%とする非酸化性腐食環境
下で耐食性を有する高耐食アモルファス合金。 (2)12原子%以上のTaを含み、TaとNbとの合
計が30〜80原子%含み残部は実質的にNiよりなり
合計を100原子%とする非酸化性腐食環境下で耐食性
を有する高耐食アモルファス合金。 (3)12原子%以上のTaを含み、Tiおよび/また
はCrとTaとの合計が30〜80原子%含み残部は実
質的にNiよりなり合計を100原子%とする非酸化性
腐食環境下で耐食性を有する高耐食アモルファス合金。 (4)12原子%以上のTaを含み、TaとNbとの合
計が25原子%以上であり、Tiおよび/またはCrと
TaとNbとの合計が30〜80原子%であって残部は
実質的にNiよりなり合計を100原子%とする非酸化
性腐食環境下で耐食性を有する高耐食アモルファス合
金。 (5)30〜80原子%のTaと2原子%以上のNiを
含み、残部は実質的にFeおよび/またはCoからなり
合計を100原子%とする非酸化性腐食環境下で耐食性
を有する高耐食アモルファス合金。 (6)12原子%以上のTaを含み、TaとNbとの合
計が30〜80原子%であって、2原子%以上のNiを
含み、残部は実質的にFeおよび/またはCoからなり
合計を100原子%とする非酸化性腐食環境下で耐食性
を有する高耐食アモルファス合金。 (7)25原子%以上のTaを含み、Tiおよび/また
はCrとTaとの合計が25原子%以上であって、30
〜80原子%であって、2原子%以上のNiを含み、残
部は実質的にFeおよび/またはCoからなり合計を1
00原子%とする非酸化性腐食環境下で耐食性を有する
高耐食アモルファス合金。 (8)12原子%以上のTaを含み、TaとNbとの合
計が25原子%以上であり、Tiおよび/またはGとT
aとNbとの合計が30〜80原子%であってさらに2
原子%以上のNiを含み、残部は実質的にFeおよび/
またはCoからなり合計を100原子%とする非酸化性
腐食環境下で耐食性を有する高耐食アモルファス合金。 (9)20原子%以上60原子%未満のTaと7原子%
以下のPを含み残部は、実質的に20原子%以上のNi
よりなり合計を100原子%とする非酸化性腐食環境下
で耐食性を有する高耐食アモルファス合金。 (10)7原子%以上のTaを含み、TaとNbとの合
計が20原子%以上80原子%未満であって、7原子%
以下のPを含み、残部は実質的に20原子%以上のNi
よりなり合計を100原子%とする非酸化性腐食環境下
で耐食性を有する高耐食アモルファス合金。 (11)15原子%以上のTaを含み、Tiおよび/ま
たはCrとTaとの合計が20原子%以上80原子%未
満であって、7原子%以下のPを含み、残部は実質的に
20原子%以上のNiよりなり合計を100原子%とす
る非酸化性腐食環境下で耐食性を有する高耐食アモルフ
ァス合金。 (12)7原子%以上のTaを含み、TaとNbとの合
計が16原子%以上であり、Tiおよび/またはCrと
TaとNbとの合計が20原子%以上80原子%未満で
あり、7原子%以下のPを含み、残部は実質的に20原
子%以上のNiよりなり合計を100原子%とする非酸
化性腐食環境下で耐食性を有する高耐食アモルファス合
金。 (13)20原子%以上80原子%未満のTaと、2原
子%以上のNiと7原子%以下のPを含み、実質的残部
であるFeおよび/またはCoとNiとの合計が20原
子%いじょうであり合計を100原子%とする非酸化性
腐食環境下で耐食性を有する高耐食アモルファス合金。 (14)7原子%以上のTaとNbとの合計が20原子
%以上80原子%未満であって、2原子%以上のNiと
7原子%以下のPを含み、実質的残部であるFeおよび
/またはCoとNiとの合計が20原子%以上であり、
合計を100原子%とする非酸化性腐食環境下で耐食性
を有する高耐食アモルファス合金。 (15)15原子%以上のTaを含み、Tiおよび/ま
たはCrとTaとの合計が20原子%以上80原子%未
満であって、2原子%以上のNiと7原子%以下のPを
含み、実質的残部であるFeおよび/またはCoとNi
との合計が20原子%以上であり、合計を100原子%
とする非酸化性腐食環境下で耐食性を有する高耐食アモ
ルファス合金。 (16)7原子%以上のTaを含み、TaとNbとの合
計が16原子%以上であり、Tiおよび/またはCrと
TaとNbとの合計が20原子%以上80原子%未満で
あり、さらに2原子%以上のNiと7原子%以下のPを
含み、実質的残部であるFeおよび/またはCoとNi
との合計が20原子%以上であり、合計を100原子%
とする非酸化性腐食環境下で耐食性を有する高耐食アモ
ルファス合金。
合金の作製には、通常、液体状態から超急冷あるいはス
パッターデポジションを必要とするため、大きさの制限
からその応用には限界があった。
ー法によって、結晶質合金では決して得られない高耐食
性を備えたアモルファス合金が得られるが、液体急冷法
では、厚さ数μmのリボン状合金、スパッター法では下
地を被覆する薄膜合金となるため、その応用が限られ、
バルク状のアモルファス合金の出現が待たれていた。
ので、高耐食性を備えた元素とアモルファス形成能を向
上させる元素の組み合わせによって、銅鋳型に流し込む
方式によってもバルクアモルファス合金が得られるもの
であり、当然、種々の方法で作製する粉末あるいはフレ
ーク状のアモルファス合金を過冷却温度において成形す
ることによってもアモルファス合金が得られるものであ
る。
は、これらの合金についてさらに研究した結果、Taを
含むNi−Nb系合金が特にアモルファス形成能が高
く、とりわけ小量のリンを添加することによって、アモ
ルファス形成能が高くなり、かつ強酸中において高耐食
性を示すことを見いだした。
アモルファス単相を示すことが知られている。しかし、
銅鋳型鋳造法により作製した直径1mmの円柱状試料は
完全にアモルファスにならないことがX線回折により判
明した。そこで、この合金にP、Si、Bなどの半金属
を添加したところ、Pがアモルファス形成能を上げるの
に最適であることが判明したので、Pの添加量を変えた
合金を作製した。図2は液体急冷法で作製したリボン状
アモルファスNi−Nb−P合金試料の示差走査熱量計
(DSC)を用いて測定したDSC曲線を示している。
Pの添加量が2および5原子%で、約40Kの過冷却液
体領域が現れており(ガラス遷移温度Tg〜結晶化温度
Tx)、ガラス形成能があることが示唆されている。こ
れらと同じ組成の合金を直径1mmの銅鋳型に鋳込んで
作製した円柱状試料のX線回折図はDSC曲線に対応
し、Pの添加量が2および5%でアモルファス化し、こ
れ以外のP量では結晶が現れることを示した。さらに、
直径2mmの円柱状試料で比較すると、2P合金で結晶
相が明瞭に現れるのに対し、5P合金ではアモルファス
単相を示した。
i−(40−x)Nb−xTa]0.95−5Pを作製し、ア
モルファス形成能および耐食性の改善を試みた。図3に
タンタルを10原子%まで添加したNi−Nb−Ta−
5P合金の液体急冷アモルファスリボンとバルク合金の
30℃、6M塩酸中での平均腐食速度を示す。図中、比
較のため純ニッケルおよびニオブの結果も示した。12
M塩酸中ではタンタルを5原子%添加しても、結晶構造
にかかわらず比較的高い腐食速度を示し、試験後の試料
表面には黒褐色の厚い腐食生成物がみられた。しかし、
タンタル量が10原子%になると、アモルファス(液体
急冷リボン)であれば一桁程度腐食速度が低下するの
で、更にタンタル量を増やし、しかもアモルファス化す
ればバルク状試料でも腐食速度がさらに低下することが
期待される。一方、6M塩酸中では、タンタルを添加し
ていないNi−40NbおよびNi−40Nb−5Pで
も10 -3mm/yのオーダの純Nbと同等の比較的低い
腐食速度を示し、更にタンタルを5原子%添加すると、
試験後試料表面は金属光沢が保たれ、重量変化はマイク
ロバランスの測定精度以下になり、優れた耐食性を示
す。このように、過冷却液体域が観察されたNi−40
Nb−(2,5)P合金から銅鋳込み鋳造法により円柱状試
料を作成した結果、直径2mmのガラス合金を作製で
き、また、Nbの一部をTaに置換した合金からもガラ
ス合金を得ることができた。これらのバルク状試料は6
M塩酸中で急冷リボン状試料と同等の高い耐食性を示す
ことが判明したのである。
モルファス合金の作製に有効な過冷却液体の温度範囲が
広い種々の合金を見いだし、溶融合金を鋼鋳型に流し込
む方法で、直径1mm以上の単相アモルファス合金の作
製に成功し、これらが液体急冷法で作製したリボン状ア
モルファス合金と同様の超耐食性を備えていることを見
いだし本発明に至ったのである。
の合計で25〜65原子%を含むとともに、前記Taま
たはNbのいずれか1種を3原子%以上とし、さらに2
〜8原子%のPを含み、残部は実質的にNiからなる高
耐食バルクアモルファス合金の組成とした。
20原子%以上含むとともに前記TaまたはNbのいず
れか1種を3原子%以上とし、TiおよびZrのいずれ
か1種または2種と、前記TaおよびNbの1種または
2種との合計で25〜65原子%を含み、さらに2〜8
原子%のPを含み、残部は実質的にNiからなる高耐食
バルクアモルファス合金の組成としたのである。これら
の場合において、「実質的にNiからなる」というの
は、Niの一部若しくは全部を置換してFeおよび/ま
たはCoを含む構成にできることを意味している。
金の製造方法は、上記組成の合金の過冷却液体領域の広
い温度範囲にて過冷却液体状態から急冷固化することに
よりバルクアモルファス合金を作製するようにしてい
る。
金の製造方法は、TaおよびNbの2種の合計で25〜
65原子%を含むとともに、前記TaまたはNbのいず
れか1種を3原子%以上とし、さらに2〜8原子%のP
を含み、残部は実質的にNiからなる合金母材を溶融
し、形成予定のバルク形状に急冷して固化する構成とし
ている。
以上含むとともに前記TaまたはNbのいずれか1種を
3原子%以上とし、TiおよびZrのいずれか1種また
は2種と、前記TaおよびNbの1種または2種との合
計で25〜65原子%を含み、さらに2〜8原子%のP
を含み、残部は実質的にNiとするからなる合金を溶融
し、形成予定のバルク形状に急冷して固化するして高耐
食バルクアモルファス合金を製造するように構成しても
よい。
なるアモルファス母材をガラス遷移温度以上で結晶化温
度以下の過冷却液体状態の温度範囲にて溶融し、金属鋳
型により形成されたキャビティ内に充填することにより
急冷固化させることによりキャビティ形状に倣ったバル
ク形状に成形するようにすればよい。
る。本発明者らは長年にわたりアモルファス合金の性質
の研究を行い、従来本発明者らが見いだしてきたTa、
Nb、Zr、Tiのように合金に耐食性を付与する元素
を含むNi基アモルファス合金が、濃厚な酸の環境にお
いて著しく高い耐食性を有すること、これに小量のPを
添加することによって、さらに耐食性が向上すると共
に、アモルファス形成能も向上することを組み合わせ、
高耐食アモルファス合金をバルクとして作製することが
可能となるに至った。
ァス合金は、Ni、Ta、Nb、Pと最低4種類の元素
を含み、また高耐食性を保証するため、TaおよびNb
のいずれか1種を必須元素とすると共に、バルク合金の
作製のために、NiおよびPを必須元素とするものであ
る。
に係る合金の構成元素および含有率を示す。
でかつ両者の合計 (*2) TaおよびNbのいずれか1種3原子%以上
でかつ両者の合計20原子%以上と、TiおよびZrの
いずれか1種または2種との合計 (*3) 実質的にNi
次のような態様を採る。数値は原子%である。 Ta(x≧3)+Nb{(25〜65)−x}+P(2〜8)+N
i(残) Nb (x≧3)+Ta{(25〜65)−x}+P(2〜8)+
Ni(残) [Ta(x≧3)+Nb[(≧20)−x]+Zr](20〜65)+P
(2〜8)+Ni(残) [Nb(x≧3)+Ta[(≧20)−x]+Zr](20〜65)+P
(2〜8)+Ni(残) [Ta(x≧3)+Nb[(≧20)−x]+Ti](20〜65)+P
(2〜8)+Ni(残) [Nb(x≧3)+Ta[(≧20)−x]+Ti](20〜65)+P
(2〜8)+Ni(残) 一般的に、溶融状態から1アモルファス合金を作製する
には、104℃以上の高速による超急冷を必要とする。
ァス合金は、アモルファス化能を向上する元素の組み合
わせによって、過冷却液体の温度領域が大きいため、銅
鋳型に流し込むことによって直径1mm以上のアモルフ
ァス合金が得られる。
る理由を述べる。Niは本発明合金触媒の基礎となる元
素であって、Ta、Nb、Zr、Tiを固溶することに
よって、超急冷でアモルファス合金を形成する必須元素
である。
を合金に付与するのに必須の元素であって、第1の発明
においては合計で20原子%以上を必要とする。一方、
NiおよびPと共存してバルクアモルファス合金を形成
するにはTaおよびNbのいずれかを最低3原子%以上
含む4元合金とする必要がある。ただし、TaおよびN
bの総量が多すぎるとアモルファス形成能が減少するの
で、最高はTaおよびNbの合計で65原子%とする必
要がある。
食性を合金に付与する元素として、TaおよびNbに次
いで優れているが、TaおよびNbなしでは十分な耐食
性が得られず、さらにアモルファス形成能を向上させる
元素としても、TaおよびNbには劣るため、第2の発
明において、TaおよびNbのいずれか1種3原子%以
上でかつ両者の合計20原子%以上とZrおよびTiの
いずれか1種または2種との合計で25原子%以上とす
る必要がある。また、TaおよびNbの合計とZrおよ
びTiのいずれか1種または2種との合計が多すぎると
アモルファス形成能が減少するので、最高は65原子%
とする必要がある。
ァス形成能を向上させ、本合金をバルクアモルファス合
金とする必須元素であって、2原子%以上必要とする。
ただし、過剰の添加は却ってアモルファス形成能を減少
させるため、最高は8原子%とする必要がある。なお、
本合金において、Niを置換してFeおよびCoを含む
ことは、本合金の作製と耐食性に、なんら支障はない。
モルファス合金製造方法の一例を詳述する。図1に示す
ように、製造領域は予め真空にされた後、アルゴンガス
雰囲気に置かれている。表1に示した組成をもつアモル
ファス母材を溶融する石英管1が設けられており、これ
は垂直に配置され、下端部分には吹き出し口が形成され
ている。この石英管1の内部には未溶融のアモルファス
母材が収容される。石英管1は昇降可能とされ、その昇
降ラインを囲むように高周波コイル3が上部位置に配置
されている。そして、前記石英管1の下降端に対向して
銅鋳型4が設置され、この内部にキャビティ5が形成さ
れている。当初未溶融の合金が、高周波コイル3内の位
置に置かれるように、石英管1が引き上げられており、
加熱してアモルファス合金の過冷却液体状態となる温度
範囲まで昇温される。合金が溶融すると、石英管1が銅
鋳型4の真上まで下げられ、アルゴンガス送入孔6から
アルゴンガスを送入することによって溶融合金2は銅鋳
型4に流し込まれキャビティ5の形状で凝固する。この
ような方法によって、本発明の高耐食バルクアモルファ
ス合金が作製できる。
b−15原子%、P−5原子%の組成となるように原料
金属を混合し、アルゴンアーク溶融により原料合金を作
製した。この合金を図に示すアルゴン雰囲気中の石英管
1の中で再溶融し、銅鋳型4に流し込むことによって、
直径1mmあるいは2mm、長さ50mmの棒状合金を
得た。機械的破断面を用い、微小焦点X線回折により構
造を調べた結果、棒の中心部においても、単相アモルフ
ァス構造であることが確認された。同合金を30℃の1
2MHCl溶液に浸漬し腐食速度の測定を試みたが、1
週間の浸漬では、マイクロ天秤によっても、腐食による
重量減少が確認できなかった。また、同合金は30℃の
12MHCl溶液において、自己不動態化していること
が判明し、同合金がきわめて高い耐食性を備えているこ
とが確認された。
合し、アルゴンアーク溶融により原料合金を作製した。
これらの合金を図に示すアルゴン雰囲気中の石英管1の
中で再溶融し、銅鋳型4に流し込むことによって、直径
1mm、長さ50mmの棒状合金を得た。機械的破断面
を用い、微小焦点X線回折により構造を調べた結果、こ
れらの合金は棒の中心部においても、単相アモルファス
構造であることが確認された。これらの合金を30℃の
6MHCl溶液に浸漬し腐食速度の測定を試みたが、1
週間の浸漬では、マイクロ天秤によっても、腐食による
重量減少が確認できなかった。また、これらの合金は3
0℃の6M HCl溶液において、自己不動態化している
ことが判明し、これらの合金がきわめて高い耐食性を備
えていることが確認された。
れもアモルファス単相合金であって、きわめて苛酷な濃
塩酸中においても自己不動態化し、腐食速度が検出され
ない高耐食合金であることが判明した。
r、Tiのように合金に耐食性を付与する元素を含むN
i基アモルファス合金が、濃厚な酸の環境において著し
く高い耐食性を有すること、これに小量のPを添加する
ことによって、さらに耐食性が向上すると共に、過冷却
液体領域温度が広くなってアモルファス形成能も向上で
きるので、製造された合金は、バルクアモルファス単相
合金であって、濃厚酸中において高耐食性を備えてたも
のとなる。
するための装置の一例を示す概要断面説明図である。な
お点線で囲んだ部分はアルゴン雰囲気に置かれている。
金のDSC曲線図である。
す線図である。
………高周波コイル、4………銅鋳型、5………キャビ
ティ、6………アルゴンガス送入孔
Claims (5)
- 【請求項1】 TaおよびNbの2種の合計で25〜6
5原子%を含むとともに、前記TaまたはNbのいずれ
か1種を3原子%以上とし、さらに2〜8原子%のPを
含み、残部は実質的にNiからなる高耐食バルクアモル
ファス合金。 - 【請求項2】 TaおよびNbの合計で20原子%以上
含むとともに前記TaまたはNbのいずれか1種を3原
子%以上とし、TiおよびZrのいずれか1種または2
種と、前記TaおよびNbの1種または2種との合計で
25〜65原子%を含み、さらに2〜8原子%のPを含
み、残部は実質的にNiからなる高耐食バルクアモルフ
ァス合金。 - 【請求項3】 TaおよびNbの2種の合計で25〜6
5原子%を含むとともに、前記TaまたはNbのいずれ
か1種を3原子%以上とし、さらに2〜8原子%のPを
含み、残部は実質的にNiからなる合金母材を溶融し、
形成予定のバルク形状に急冷して固化することを特徴と
する高耐食バルクアモルファス合金の製造方法。 - 【請求項4】 TaおよびNbの合計で20原子%以上
含むとともに前記TaまたはNbのいずれか1種を3原
子%以上とし、TiおよびZrのいずれか1種または2
種と、前記TaおよびNbの1種または2種との合計で
25〜65原子%を含み、さらに2〜8原子%のPを含
み、残部は実質的にNiとするからなる合金を溶融し、
形成予定のバルク形状に急冷して固化することを特徴と
する高耐食バルクアモルファス合金の製造方法。 - 【請求項5】 前記組成からなるアモルファス母材をガ
ラス遷移温度以上で結晶化温度以下の過冷却液体状態の
温度範囲にて溶融し、金属鋳型により形成されたキャビ
ティ内に充填することにより急冷固化させることにより
キャビティ形状に倣ったバルク形状に成形することを特
徴とする請求項3または4のいずれか1に記載の高耐食
バルクアモルファス合金の製造方法。
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