JP2001234008A - ロングラン性の改善されたエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物およびその成形物 - Google Patents

ロングラン性の改善されたエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物およびその成形物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボイドの発生が少なく外観に優れ、ダイ付着
が少なく、ロングラン性およびセルフパージ性が良好
で、かつ着色が少ないエチレン−ビニルアルコール共重
合体からなる樹脂組成物およびそれを用いた多層構造体
を得ること。 【解決手段】 窒素雰囲気下、220℃で加熱処理した
時の極限粘度[η]の変化が以下の(1)〜(3)式を
満たし、カルボン酸(A)を0.05〜5μmol/g
含み、カルボン酸(A)およびその塩の総含有量(μm
ol/g)に対する分子量70以上のカルボン酸(a)
およびその塩の含有量(μmol/g)の比が0.1以
上であり、かつアルカリ土類金属塩(B)を金属換算で
2〜25μmol/g含有するエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体樹脂組成物。 0.05 ≦ [η]0 ≦ 0.2 (1) 0.12 ≦ [η]10/[η]0 ≦ 0.6 (2) 0.1 ≦ [η]60/[η]0 ≦ 0.8 (3) 但し、 [η]0:加熱処理前の極限粘度 [η]10:加熱処理開始から10時間後の極限粘度 [η]60:加熱処理開始から60時間後の極限粘度

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボイドの発生が少
なく外観に優れ、ダイ付着が少なく、ロングラン性およ
びセルフパージ性が良好で、かつ着色が少ないエチレン
−ビニルアルコール共重合体からなる樹脂組成物および
それを用いた多層構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】エチレン−ビニルアルコール共重合体
(以下、EVOHと略すことがある)は酸素などの各種
ガス遮蔽性、耐油性、非帯電性、機械強度等に優れた有
用な高分子材料であり、フィルム、シート、容器などに
成形され、各種包装材料などとして広く用いられる。か
かる成形にあたっては通常溶融成形が行われるため、E
VOHには溶融成形時のロングラン性(長時間の成形に
おいてもフィッシュアイやスジのない成形物が得られ
る)、外観性(ゲル・ブツの発生が見られない成形物)
が要求される。
【0003】しかしながら、EVOHは分子内に化学的
に比較的活性な水酸基を持つため、高温溶融状態では酸
素がほとんど無い押出成形機内部でも酸化・架橋反応が
起こり、長期連続運転を行うと熱劣化物が成形機内部に
堆積し、スジ・ゲル等の熱安定性に由来する問題を生じ
やすい。
【0004】かかる問題を改善するために、EVOHに
微量の酸・金属塩を添加する方法が知られており、上記
のロングラン性、ゲル・ブツに代表される外観を改善す
るために、(1)周期律表第2属の金属塩を0.000
5〜0.05重量%(金属換算)、pKa3.5以上で
沸点が180℃以上の酸を0.002〜0.2重量%お
よびpKa3.5以上で沸点が120℃以下の酸を0.
01〜0.2重量%含有させ、かつ特定の流動特性を示
すEVOH組成物が開示されている(特開昭64−66
262号公報)。また、着色が少なく、成形時にブツの
発生が少ない、しかも接着性に優れたEVOHとして、
(2)ヒドロキシカルボン酸および/またはその塩をヒ
ドロキシカルボン酸換算で100〜5000ppm、ア
ルカリ金属塩を金属換算で50〜500ppm、アルカ
リ土類金属塩を金属換算で20〜200ppm含むこと
を特徴とするEVOH組成物が開示されている(特開平
10−67898号公報)。さらに、高温において酸化
性ゲルの形成に対して改良された安定性を示すEVOH
として、(3)3〜9個の炭素原子を有する脂肪族カル
ボン酸の少なくとも1種の1価または2価の金属塩約
0.01〜約0.5重量%および少なくとも1種のヒン
ダードフェノール系酸化防止剤約0.05〜約0.5重
量部から本質的に成ることを特徴とするEVOHが開示
されている(特開平4−227744号公報)。
【0005】上記に示すような開示技術(1)〜(3)
では、それら以前の技術に比べEVOHのロングラン性
・外観性は改善されている。しかしながら、極めて長時
間の連続運転を行う際など、成形機内部に一部の樹脂が
長時間滞留しやすい場合には、上記開示技術に示された
EVOHを用いても架橋・増粘し最終的にはゲル化に至
る。このため、非常に高度なロングラン性を要求される
分野においても、ゲル・ブツ等の発生が少なく、耐着色
性および外観性に優れたEVOHの開発が求められてい
る。
【0006】ゲル・ブツの発生を抑制するためには、樹
脂組成物の溶融粘度を上昇させないことが望ましいが、
溶融粘度が低すぎる場合はフィルムなどの成形物が得ら
れない問題が有る。また、このような場合、仮に成形条
件の選択によりフィルムが得られたとしてもEVOHの
分解に伴い生成する分解ガスにより、その程度が軽い時
にはボイドと呼ばれる微細な気泡が、激しい時には大き
な穴がフィルム上に発生し、外観は著しく不良になる。
このボイドが小さい場合は一見ゲルと似ているが、ゲル
はフィルム上に凸状に盛り上がっているのに対し、ボイ
ドは逆に凹状に窪んでいるので容易に見分けがつけられ
る。
【0007】また、週末などに生産を一時中断する場
合、通常ポリエチレンなどで成形機内部よりEVOHを
パージしてスイッチを切るが、少量のEVOHが成形機
内に残留し、それが装置の昇温・降温過程で劣化し、成
形機の再立上げ時にゲルとなってフィルム・シート外観
を悪化させ、外観が通常の状態に回復するまで時間がか
かる問題が有る。(これをセルフパージ性不良と称す
る。)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のことから、ロン
グラン性に非常に優れ、かつボイド・穴空きの発生が無
く外観に優れ、セルフパージ性良好で、かつ着色の少な
いエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる樹脂組
成物およびそれを用いた多層構造体が求められていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記に示した課題は、窒
素雰囲気下、220℃で加熱処理した時の極限粘度
[η]の変化が以下の(1)〜(3)式を満たし、カル
ボン酸(A)を0.05〜5μmol/gおよびアルカ
リ土類金属塩(B)を金属元素換算で2〜25μmol
/g含有し、かつ下式(4)を満足することを特徴とす
るエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物によ
って解決される。 0.05 ≦ [η]0 ≦ 0.2 (1) 0.12 ≦ [η]10/[η]0 ≦ 0.6 (2) 0.1 ≦ [η]60/[η]0 ≦ 0.8 (3) 0.1 ≦(a)/(A)≦1.0 (4) 但し、 [η]0:加熱処理前の極限粘度 [η]10:加熱処理開始から10時間後の極限粘度 [η]60:加熱処理開始から60時間後の極限粘度 (A):カルボン酸(A)およびその塩の総含有量(μ
mol/g) (a):分子量70以上のカルボン酸(a)およびその
塩の含有量(μmol/g)
【0010】すなわち、本発明は窒素雰囲気下、220
℃で加熱処理した時の極限粘度[η]の変化が以下の
(1)〜(3)式を満たし、カルボン酸(A)を0.0
5〜5μmol/gおよびアルカリ土類金属塩(B)を
金属元素換算で2〜25μmol/g含有し、かつ下式
(4)を満足することを特徴とするエチレン−ビニルア
ルコール共重合体樹脂組成物に関する。 0.05 ≦ [η]0 ≦ 0.2 (1) 0.12 ≦ [η]10/[η]0 ≦ 0.6 (2) 0.1 ≦ [η]60/[η]0 ≦ 0.8 (3) 0.1 ≦(a)/(A)≦1.0 (4) 但し、 [η]0:加熱処理前の極限粘度 [η]10:加熱処理開始から10時間後の極限粘度 [η]60:加熱処理開始から60時間後の極限粘度 (A):カルボン酸(A)およびその塩の総含有量(μ
mol/g) (a):分子量70以上のカルボン酸(a)およびその
塩の含有量(μmol/g)
【0011】より好適な実施態様では、本発明の樹脂組
成物は窒素雰囲気下、220℃で加熱処理した時の極限
粘度[η]の変化が以下の(1’)〜(3’)式を満た
し、カルボン酸(A)を0.05〜4μmol/g含
み、カルボン酸(A)およびその塩の総含有量(μmo
l/g)に対する分子量70以上のカルボン酸(a)お
よびその塩の含有量(μmol/g)の比が0.1以上
であり、かつアルカリ土類金属塩(B)を金属換算で
2.5〜20μmol/g含有するエチレン−ビニルア
ルコール共重合体樹脂組成物である。 0.06 ≦ [η]0 ≦ 0.17 (1’) 0.15 ≦ [η]10/[η]0 ≦ 0.5 (2’) 0.12 ≦ [η]60/[η]0 ≦ 0.65 (3’)
【0012】好適な実施態様では、本発明の樹脂組成物
は下式(5)を満足する。 0.2 ≦ [η]60/[η]10 ≦ 2.5 (5) より好適には、本発明の樹脂組成物は下式(5’)を満
足する。 0.3 ≦ [η]60/[η]10 ≦ 2 (5’)
【0013】また、好適な実施態様では、本発明の樹脂
組成物はアルカリ土類金属塩(B)を、以下の式(6)
〜(8)で表されるMIIの範囲内で含有する。 X = 0.0257 x E2 - 2.31 x E + 54.7 (6) Y = 0.0372 x E2 - 2.43 x E + 47.7 (7) X ≦ MII ≦ Y (8) 但し、 E:エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含
有量(モル%) MII:アルカリ土類金属塩(B)の含有量(金属換算
値:μmol/g) より好適には、本発明の樹脂組成物は、アルカリ土類金
属塩(B)を以下の式(6’)〜(8’)で表されるM
IIの範囲内で含有する。 X' = 0.0286 x E2 - 2.55 x E + 60.1 (6’) Y' = 0.0229 x E2 - 1.46 x E + 31.2 (7’) X' ≦ MII ≦ Y' (8’)
【0014】好適な実施態様では、本発明の樹脂組成物
はアルカリ土類金属塩(B)、アルカリ金属塩(C)お
よびカルボン酸(A)を、以下の式(6)、(7)およ
び(9)で表される範囲内で含有する。 X = 0.0257 x E2 - 2.31 x E + 54.7 (6) Y = 0.0372 x E2 - 2.43 x E + 47.7 (7) X ≦ MII + 0.12 x MI - 0.1 x K x Ac ≦ Y (9) 但し、 E:エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含
有量(モル%) MII:アルカリ土類金属塩(B)の含有量(金属換算
値:μmol/g) MI:アルカリ金属塩(C)の含有量(金属換算値:μm
ol/g) K:カルボン酸(A)の酸価数 Ac:カルボン酸(A)の含有量(μmol/g) より好適には、本発明の樹脂組成物は、アルカリ土類金
属塩(B)、アルカリ金属塩(C)およびカルボン酸
(A)を、以下の式(6’)、(7’)および(9’)
で表される範囲内で含有する。 X' = 0.0286 x E2 - 2.55 x E + 60.1 (6’) Y' = 0.0229 x E2 - 1.46 x E + 31.2 (7’) X' ≦ MII + 0.12 x MI - 0.1 x K x Ac ≦ Y' (9’)
【0015】また、好適な実施態様では、本発明の樹脂
組成物の230℃、窒素雰囲気下での加熱開始から2時
間後の重量減少率は5%以上35%以下である。
【0016】また、好適な実施態様では分子量70以上
のカルボン酸(a)が乳酸である。
【0017】好適な実施態様では、本発明の樹脂組成物
はホウ素化合物(D)を、ホウ素換算で50〜2000
ppm含有する。
【0018】好適な実施態様では、本発明の樹脂組成物
はリン酸化合物(E)をリン酸根換算で10〜500p
pm含有する。
【0019】本発明は、上記樹脂組成物からなる成形物
に関する。
【0020】また、本発明は、上記樹脂組成物からなる
層を少なくとも一層含む多層構造体に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるEVOHとし
ては、エチレン−ビニルエステル共重合体をケン化して
得られるものが好ましく、その中でも、エチレン含有量
は好適には20〜70モル%である。ガスバリア性と溶
融成形性に優れた成形物を得るという観点からは、エチ
レン含有量はより好適には25〜65モル%であるもの
が好ましい。また、ボイド等の発生を効果的に抑制しな
がら極めて高度なロングラン性およびセルフパージ性を
維持するという観点からは、エチレン含有量の下限はよ
り好適には30モル%以上であり、さらに好適には33
モル%以上であり、最適には36モル%以上である。ま
た、ガスバリア性の観点からはエチレン含量の上限は6
5モル%以下であることが好ましく、60モル%以下で
あることがさらに好ましく、50モル%以下であること
が最適である。さらに、ビニルエステル成分のケン化度
は好ましくは80%以上であり、ガスバリア性に優れた
成形物を得るという観点からは、より好ましくは95%
以上、更に好ましくは99%以上である。エチレン含有
量が70モル%を超える場合は、バリア性や印刷適性等
が不足する虞がある。また、ケン化度が80%未満で
は、バリア性、熱安定性、耐湿性が悪くなる虞がある。
【0022】エチレンと共重合するビニルエステルとし
ては、酢酸ビニルが特に好適であるが、その他の脂肪酸
ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ルなど)も併用することもできる。また、EVOHは共
重合成分としてビニルシラン化合物0.0002〜0.
2モル%を含有することができる。ここで、ビニルシラ
ン系化合物としては、たとえば、ビニルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メ
トキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロ
ピルメトキシシランが挙げられる。なかでも、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好適に
用いられる。
【0023】以下にEVOHの製造方法を具体的に説明
する。エチレンとビニルエステルの重合は溶液重合に限
るものではなく、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、バル
ク重合のいずれであっても良く、また連続式、回分式の
いずれであってもよいが、例えば、回分式の溶液重合の
場合の重合条件は次の通りである。
【0024】溶媒;アルコール類が好ましいが、その他
エチレン、ビニルエステルおよびエチレン−ビニルエス
テル共重合体を溶解し得る有機溶剤(ジメチルスルホキ
シドなど)を用いることができる。アルコール類として
はメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール
等を用いることができ、特にメチルアルコールが好まし
い。触媒;2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,
2−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、
2,2−アゾビス−(4−メチル−2,4−ジメチルバ
レロニトリル)、2,2−アゾビス−(4−メトキシ−
2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス
−(2−シクロプロピルプロピオニトリル)等のアゾニ
トリル系開始剤およびイソブチリルパーオキサイド、ク
ミルパーオキシネオデカノエイト、ジイソプロピルパー
オキシカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカ
ーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、
ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイ
ド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化
物系開始剤等を用いることができる。 温度;20〜90℃、好ましくは40℃〜70℃。 時間;2〜15時間、好ましくは3〜11時間。 重合率;仕込みビニルエステルに対して10〜90%、
好ましくは30〜80%。 重合後の溶液中の樹脂分;5〜85%、好ましくは20
〜70%。
【0025】なお、エチレンとビニルエステル以外にこ
れらと共重合し得る単量体、例えば、プロピレン、イソ
ブチレン、α−オクテン、α−ドデセン等のα−オレフ
ィン;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイ
ン酸、イタコン酸等の不飽和酸またはその無水物、塩、
あるいはモノまたはジアルキルエステル等;アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等のニトリル類;アクリル
アミド、メタクリルアミド等のアミド類;エチレンスル
ホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等の
オレフィンスルホン酸またはその塩;アルキルビニルエ
ーテル類、ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化
ビニル、塩化ビニリデン等を少量共存させることも可能
である。
【0026】所定時間の重合後、所定の重合率に達した
後、必要に応じて重合禁止剤を添加し、未反応のエチレ
ンガスを蒸発除去した後、未反応のビニルエステルを追
い出す。エチレンを蒸発除去したエチレン−ビニルエス
テル共重合体から未反応のビニルエステルを追い出す方
法としては、例えば、ラシヒリングを充填した塔の上部
から該共重合体溶液を一定速度で連続的に供給し、塔下
部よりメタノール等の有機溶剤蒸気を吹き込み塔頂部よ
りメタノール等の有機溶剤と未反応ビニルエステルの混
合蒸気を留出させ、塔底部より未反応ビニルエステルを
除去した該共重合体溶液を取り出す方法などが採用され
る。
【0027】未反応のビニルエステルを除去した該共重
合体溶液にアルカリ触媒を添加し、該共重合体中のビニ
ルエステル成分をケン化する。ケン化方法は連続式、回
分式いずれも可能である。アルカリ触媒としては水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属アルコラー
トなどが用いられる。例えば、回分式の場合のケン化条
件は次の通りである。 該共重合体溶液濃度;10〜50%。 反応温度;30〜60℃。 触媒使用量;0.02〜0.6当量(ビニルエステル成
分当り)。 時間;1〜6時間。 ケン化反応後のケン化度は目的により異なるが好ましく
はビニルエステル成分の80%以上、より好ましくは9
5%以上、更に好ましくは99%以上である。ケン化度
は条件によって任意に調整できる。
【0028】反応後のエチレン−ビニルアルコール共重
合体(EVOH)はアルカリ触媒、副生塩類、その他不
純物等を含有するため、これらを必要に応じて中和、洗
浄することにより除去することが好ましい。
【0029】エチレン−ビニルアルコール共重合体にカ
ルボン酸(A)、アルカリ土類金属塩(B)さらに必要
に応じてアルカリ金属塩(C)、ホウ素化合物(D)お
よびリン酸化合物(E)を含有させる方法は特に限定さ
れない。例えば、上記化合物が溶解している溶液に該ケ
ン化物を浸漬させる方法、該ケン化物を溶融させて上記
化合物を混合する方法、該ケン化物を適当な溶媒に溶解
させて上記化合物を混合させる方法、等が例示される。
【0030】エチレン−ビニルアルコール共重合体を上
記化合物の溶液に浸漬させて、各化合物を添加する方法
の場合、バッチ方式、連続方式のいずれによる操作でも
実施可能である。また、その際該ケン化物の形状は、粉
末、粒状、球状、円柱形ペレット状等の任意の形状であ
ってよい。また、上記化合物のそれぞれの濃度は特に限
定されるものではなく、溶液の溶媒も特に限定されない
が、取扱い上の理由等から水溶液であることが好まし
い。浸漬時間はエチレン−ビニルアルコール共重合体の
形態によってその好適範囲は異なるが、1〜10mm程
度のペレットの場合には1時間以上、好ましくは2時間
以上が望ましい。
【0031】上記各種化合物の溶液への浸漬処理は特に
限定されず、複数の溶液に分けて浸漬してもよく、一度
に処理しても構わないが、工程の簡素化の点から一度に
処理する事が好ましい。上記のように溶液に浸漬して処
理した場合、最後に乾燥を行い、目的とするエチレン−
ビニルアルコール共重合体樹脂組成物が得られる。
【0032】本発明の樹脂組成物は窒素雰囲気下、22
0℃で加熱処理したときの極限粘度[η]の変化が以下の
(1)〜(3)式を満たすことが大きな特徴である。 0.05 ≦ [η]0 ≦ 0.2 (1) 0.12 ≦ [η]10/[η]0 ≦ 0.6 (2) 0.1 ≦ [η]60/[η]0 ≦ 0.8 (3) 但し、 [η]0:加熱処理前の極限粘度 [η]10:加熱処理開始から10時間後の極限粘度 [η]60:加熱処理開始から60時間後の極限粘度
【0033】上記(1)〜(3)式はより好適には 0.06 ≦ [η]0 ≦ 0.17 (1’) 0.15 ≦ [η]10/[η]0 ≦ 0.5 (2’) 0.12 ≦ [η]60/[η]0 ≦ 0.65 (3’) であり、さらに好適には 0.07 ≦ [η]0 ≦ 0.15 (1”) 0.2 ≦ [η]10/[η]0 ≦ 0.45 (2”) 0.15 ≦ [η]60/[η]0 ≦ 0.5 (3”) である。
【0034】[η]0は加熱処理前のEVOHの極限粘度
を示す。[η]0が0.05に満たない場合または0.2
を超える場合は、EVOHの成形性が悪化する。
【0035】[η]10/[η]0は、加熱処理前のEVOHの
極限粘度と加熱開始から10時間後のEVOHの極限粘
度の比を示す。該比が0.12に満たない場合、即ちE
VOHの極限粘度が急激に低下する場合は、EVOHの
急激な分解により発生するガスにより、成形物の外観が
悪化する。特に成形物がフィルムなどの場合には、ボイ
ド・穴空き等の問題を生じる。一方、該比が0.6を超
える場合は、EVOHの極限粘度の低下が不充分であ
り、ロングラン性およびセルフパージ性の改善効果が不
満足なものとなる。
【0036】[η]60/[η]0は加熱処理前のEVOHの極
限粘度と加熱開始から60時間後のEVOHの極限粘度
の比を示す。該比が上式(3)の範囲にあることで、滞
留部が多く、滞留時間が長い成形機で長時間連続運転を
行った場合にも、樹脂はゲル化することなく、成形機外
に押し出されやすい。このため、熱劣化した樹脂による
成形物のゲル・ブツの発生などが抑制可能であり、外観
に優れた成形物を得ることが可能である。[η]60/[η]0
が0.1に満たない場合、EVOHの急激な分解により
発生するガスにより、成形物の外観が悪化する。特に成
形物がフィルムなどの場合には、ボイド・穴空き等の問
題を生じる。一方、該比が0.8を超える場合は、EV
OHの極限粘度の低下が不充分であり、長時間の連続運
転を行う際に、成形機内で滞留したEVOH樹脂がゲル
化しやすくなり、ロングラン性およびセルフパージ性の
改善効果が不満足なものとなる。
【0037】また、本発明の樹脂組成物は下式(5)を
満たすことが好適である。 0.2 ≦ [η]60/[η]10 ≦ 2.5 (5) 上式(5)はより好適には、 0.3 ≦ [η]60/[η]10 ≦ 2 (5’) であり、さらに好適には 0.5 ≦ [η]60/[η]10 ≦ 1.7 (5”) である。
【0038】上式(5)を満足することにより、長時間
の成形時においても極限粘度の変化が小さく、成形性に
優れた樹脂組成物が得られる。すなわち、長時間の連続
運転時において、滞留箇所に存在する樹脂と、流路を流
れる樹脂との粘度差の増大が抑制されるため、成形機内
における樹脂の流動異常を防止することが可能であり、
その結果、成形物の生産を安定に行うことが可能とな
る。[η]60/[η]10が0.2に満たない場合はEVOH
の急激な分解により発生するガスにより、成形物の外観
が悪化する虞がある。特に成形物がフィルムなどの場合
には、ボイド・穴空き等の問題を生じる虞がある。一
方、該比が2.5を超える場合は、ロングラン性および
セルフパージ性の改善効果が不満足なものとなる虞があ
る。
【0039】また、本発明の樹脂組成物はカルボン酸
(A)を0.05〜5μmol/g含有する。本発明の
樹脂組成物に用いられるカルボン酸(A)としては、酢
酸、プロピオン酸などの飽和脂肪族カルボン酸、オレイ
ン酸などの不飽和脂肪族カルボン酸、グリコール酸、乳
酸などのヒドロキシカルボン酸、安息香酸などの芳香族
カルボン酸、などが例示されるが、それらの25℃にお
けるpKaは3.5以上であることが好ましい。25℃
におけるpKaが3.5に満たない場合、EVOHから
なる樹脂組成物のpHの制御が困難となる虞があり、耐
着色性や層間接着性が不満足なものとなる虞がある。
【0040】本発明の樹脂組成物に用いられるカルボン
酸(A)には、分子量70以上のカルボン酸(a)が含
まれ、カルボン酸(A)およびその塩の総含有量(μm
ol/g)に対する分子量70以上のカルボン酸(a)
およびその塩の含有量(μmol/g)の比が0.1以
上であることが必須である。本発明に用いられる分子量
70以上のカルボン酸(a)としてはコハク酸、アジピ
ン酸、安息香酸、カプリン酸、ラウリン酸、グリコール
酸、乳酸などが例示されるが、コハク酸、アジピン酸等
のジカルボン酸を用いた場合は成形時にゲル・ブツが発
生しやすくなる虞がある。グリコール酸、乳酸等のヒド
ロキシカルボン酸を用いた場合は上記のような問題が生
じず、かつ水溶性に優れる観点で好適であり、中でも乳
酸を用いることが好適である。分子量70以上のカルボ
ン酸(a)としては、分子量75以上のカルボン酸がよ
り好適であり、分子量80以上のカルボン酸がさらに好
適であり、分子量85以上が特に好適であり、分子量9
0以上であることが最も好適である。分子量の高いカル
ボン酸を用いることにより、成形時の揮発成分を低減さ
せることが可能であり、低臭性およびロングラン性に優
れた樹脂組成物を得ることができる。
【0041】本発明の樹脂組成物中のカルボン酸(A)
の含有量は0.05〜5μmol/gである。カルボン
酸(A)の含有量が0.05μmol/g未満の場合、
溶融時の着色が著しい。また5μmol/gを超える場
合は低臭性の改善効果、および共押出成形における接着
性樹脂との接着力の改善効果が不充分となる他、ダイ付
着量が増加する傾向にある。カルボン酸(A)の含有量
の下限は好適には0.1μmol/g以上であり、さら
に好適には0.2μmol/g以上である。また、カル
ボン酸(A)の含有量の上限は好適には4μmol/g
以下であり、より好適には3μmol/g以下であり、
さらに好適には2μmol/g以下であり、最適には
1.5μmol/g以下である。
【0042】また、本発明の樹脂組成物中のカルボン酸
(A)およびその塩の総含有量(μmol/g)に対す
る分子量70以上のカルボン酸(a)およびその塩の含
有量(μmol/g)の比は0.1以上である。すなわ
ち、本発明の樹脂組成物は、下記式(4)を満足する。 0.1 ≦(a)/(A)≦1.0 (4) 但し、 (A):カルボン酸(A)およびその塩の総含有量(μ
mol/g) (a):分子量70以上のカルボン酸(a)およびその
塩の含有量(μmol/g)
【0043】上記式(4)において、(a)/(A)の
下限は0.1以上である。(a)/(A)が0.1に満
たない場合は、低臭性の改善効果が不充分なものとな
る。(a)/(A)の下限は0.5以上が好適であり、
より好ましくは0.7以上であり、さらに好ましくは
0.9以上であり、特に好ましくは0.95以上であ
り、最適には0.98以上である。該比が0.1に満た
ない場合は、低臭性、ロングラン性の改善効果が不充分
なものとなる。
【0044】また、本発明の樹脂組成物はアルカリ土類
金属塩(B)を金属換算で2〜25μmol/g含有す
る。アルカリ土類金属塩(B)は特に限定されるもので
はないが、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム
塩、ベリリウム塩などが挙げられ、特にマグネシウム塩
とカルシウム塩が好適である。アルカリ土類金属塩
(B)のアニオン種は特に限定されるものではないが、
酢酸アニオン、乳酸アニオンおよびリン酸アニオンが好
適なアニオン種として例示され、中でも乳酸アニオンが
好ましい。
【0045】アルカリ土類金属塩(B)の含有量
(MII)は金属換算で2.5〜20μmol/gである
ことがさらに好適である。アルカリ土類金属塩(B)の
含量が2μmol/g未満の場合にはロングラン性の改
善効果が不満足になる虞があり、25μmol/gを超
えると溶融時の着色が著しく、ボイド・穴空きの発生が
生じやすくなる。
【0046】本発明の樹脂組成物は、溶融成形を行う際
において、ボイド等の発生を生じることなく極限粘度が
低下すること、および低下した極限粘度が長時間の連続
運転時においても大きく上昇しないこと、を大きな特徴
とする。このような本発明の効果を充分に満足するため
には、特にアルカリ土類金属塩(B)の配合量を適切に
設定する必要がある。本発明者らの詳細な検討の結果、
アルカリ土類金属の適切な配合量は、EVOHのエチレ
ン含有量と密接な関係があることが明らかとなった。
【0047】本発明者らによる鋭意検討の結果、溶融成
形を行う際において、低下した樹脂組成物の極限粘度が
長時間の連続運転時においても大きく上昇しないために
必要な樹脂組成物のアルカリ土類金属塩(B)の含有量
は、EVOHのエチレン含有量が低くなるに従って大き
くなることが見出された。しかしながら、アルカリ土類
金属塩(B)の含有量が増加することによりボイド等の
発生を生じることなく極限粘度が低下させることが困難
となる。かかる傾向はEVOHのエチレン含有量が小さ
くなるに従い顕著になることが明らかとなった。以上の
検討を元にした、それぞれのエチレン含有量における、
上記に示す効果を奏するための好適なアルカリ土類金属
の含有量を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1に示されたデータを元に、EVOHの
エチレン含有量を横軸に、アルカリ土類金属塩(B)の
含有量を縦軸とし、EVOHのエチレン含有量と好適な
アルカリ土類金属塩(B)の含有量の下限値および上限
値の関係をプロットした(図1参照)。さらに、上記の
プロットからEVOHのエチレン含有量と好適なアルカ
リ土類金属塩(B)の含有量の下限値(X)および上限
値(Y)の関係を二次式で近似し、下式(6)〜(8)
を得た。 X = 0.0257 x E2 - 2.31 x E + 54.7 (6) Y = 0.0372 x E2 - 2.43 x E + 47.7 (7) X ≦ MII ≦ Y (8) 但し、 E:エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含
有量(モル%) MII:アルカリ土類金属塩(B)の含有量(金属換算
値:μmol/g)
【0050】同様に、表1に示されたデータを元に、E
VOHのエチレン含有量を横軸に、アルカリ土類金属塩
(B)の含有量を縦軸とし、EVOHのエチレン含有量
とより好適なアルカリ土類金属塩(B)の含有量の下限
値および上限値の関係をプロットした(図2参照)。さ
らに、上記のプロットからEVOHのエチレン含有量と
より好適なアルカリ土類金属塩(B)の含有量の下限値
(X’)および上限値(Y’)の関係を二次式で近似
し、下式(6’)〜(8’)を得た。 X' = 0.0286 x E2 - 2.55 x E + 60.1 (6’) Y' = 0.0229 x E2 - 1.46 x E + 31.2 (7’) X' ≦ MII ≦ Y' (8’) 但し、 E:エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含
有量(モル%) MII:アルカリ土類金属塩(B)の含有量(金属換算
値:μmol/g)
【0051】同様に、EVOHのエチレン含有量とさら
に好適なアルカリ土類金属塩(B)の含有量の下限値
(X”)および上限値(Y”)の関係を二次式で近似
し、下式(6”)〜(8”)を得た。 X'' = 0.00572 x E2 - 0.811 x E + 27.9 (6”) Y'' = 0.0229 x E2 - 1.46 x E + 31.2 (7”) X'' ≦ MII ≦ Y'' (8”) 但し、 E:エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含
有量(モル%) MII:アルカリ土類金属塩(B)の含有量(金属換算
値:μmol/g)
【0052】本発明の樹脂組成物は、アルカリ金属塩
(C)を金属換算で10〜1000ppm含有すること
が接着性を向上させる観点から好適である。アルカリ金
属塩(C)の含有量の下限は好適には30ppm以上で
あり、より好適には50ppm以上である。また、アル
カリ金属塩(C)の含有量の上限は好適には750pp
m以下であり、より好適には500ppm以下であり、
最適には300ppm以下である。アルカリ金属塩
(C)としては特に限定されるものではないが、ナトリ
ウム塩、カリウム塩等が好適なものとして挙げられる。
アルカリ金属塩(C)のアニオン種は特に限定されるも
のではないが、酢酸アニオン、乳酸アニオンおよびリン
酸アニオンが好適なアニオン種として例示され、中でも
乳酸アニオンが好ましい。
【0053】アルカリ金属塩(C)が10ppm未満の
場合、接着性の改善効果が不満足なものとなる虞があ
り、また1000ppmを超える場合は溶融時の耐着色
性の改善効果が不充分なものとなる虞がある。
【0054】前述の通り、本発明の効果、特にロングラ
ン性およびセルフパージ性を充分に奏するためにはアル
カリ土類金属塩(B)の配合量を適切にすることが重要
であるが、本発明者らの詳細な検討の結果、アルカリ金
属塩(C)およびカルボン酸の添加も、アルカリ土類金
属塩(B)の添加による影響ほど顕著ではないものの、
本発明の効果に影響を及ぼすことが明らかとなった。即
ち、アルカリ金属塩(C)の添加は、アルカリ土類金属
塩(B)の効果を促進させ、窒素雰囲気下、220℃で
加熱処理した時のEVOH樹脂の極限粘度[η]を低下
させる作用をもたらす一方、カルボン酸(A)の添加
は、アルカリ土類金属塩(B)の効果を抑制し、窒素雰
囲気下、220℃で加熱処理した時のEVOH樹脂の極
限粘度[η]を上昇させる作用をもたらすことが見出さ
れた。
【0055】そして、本発明者らの詳細な検討の結果、
本発明の効果を充分に奏するためには、カルボン酸
(A)、アルカリ土類金属塩(B)およびアルカリ金属
塩(C)を、以下の式(6)、(7)および(9)で表
される範囲内で含有することが特に好適であることが明
らかとなった。 X = 0.0257 x E2 - 2.31 x E + 54.7 (6) Y = 0.0372 x E2 - 2.43 x E + 47.7 (7) X ≦ MII + 0.12 x MI - 0.1 x K x Ac ≦ Y (9) 但し、 E:エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含
有量(モル%) MII:アルカリ土類金属塩(B)の含有量(金属換算
値:μmol/g) MI:アルカリ金属塩(C)の含有量(金属換算値:μm
ol/g) K:カルボン酸(A)の酸価数 Ac:カルボン酸(A)の含有量(μmol/g)
【0056】上式(6)、(7)および(9)は、より
好適には X' = 0.0286 x E2 - 2.55 x E + 60.1 (6’) Y' = 0.0229 x E2 - 1.46 x E + 31.2 (7’) X' ≦ MII + 0.12 x MI - 0.1 x K x Ac ≦ Y' (9’) である。
【0057】さらに好適には、上式(6)、(7)およ
び(9)は X' = 0.00286 x E2 - 0.543 x E + 21.0 (6”) Y' = 0.0229 x E2 - 1.46 x E + 31.2 (7”) X' ≦ MII + 0.12 x MI - 0.1 x K x Ac ≦ Y' (9”) である。
【0058】また、本発明の樹脂組成物に対し、ホウ素
化合物(D)をホウ素換算で50〜2000ppm含有
させることも好適である。ホウ素化合物(D)として
は、ホウ酸類、ホウ酸エステル、ホウ酸塩、水素化ホウ
素類等が挙げられるが、これらに限定されない。具体的
には、ホウ酸類としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、
四ホウ酸などが挙げられ、ホウ酸エステルとしてはホウ
酸トリエチル、ホウ酸トリメチルなどが挙げられ、ホウ
酸塩としては上記の各種ホウ酸類のアルカリ金属塩、ア
ルカリ土類金属塩、ホウ砂などが挙げられる。これらの
化合物の中でもオルトホウ酸(以下、単にホウ酸と表示
する場合がある)が好ましい。
【0059】EVOHからなる樹脂組成物にホウ素化合
物(D)を添加した場合、低重合度のEVOHを用いた
場合でも、溶融粘度を高めることが可能であり、かかる
低重合度のEVOHを用いることによって、通常のEV
OHよりもゲル・ブツの発生を抑制し、ロングラン性を
向上させることが可能である。本発明の樹脂組成物がホ
ウ素化合物(D)を含有する場合は、数日間におよぶよ
うな長時間の溶融成形時において、ダイ付着量の低減効
果が若干低下する虞があるが、成形物のゲル・ブツの発
生を極めて効果的に抑制することが可能である。ホウ素
化合物(D)の含有量の下限はホウ素換算で50ppm
以上であることが好ましく、より好ましくは100pp
m以上であり、さらに好ましくは150ppm以上であ
る。また、ホウ素化合物(D)の含有量の上限はホウ素
換算で1500ppm以下であることが好ましく、より
好ましくは1000ppm以下である。ホウ素化合物
(D)の含有量が50ppmに満たない場合は、成形時
間が長くなるに従いゲル・ブツの発生が増加する虞があ
るため、長期間連続運転を行う場合は成形品の外観が悪
化する虞がある。また、ホウ素化合物(D)の含有量が
2000ppmを超えるとゲル化しやすく、成形性不良
となる虞がある。
【0060】本発明の樹脂組成物は分子量70以上のカ
ルボン酸(a)という、高沸点のカルボン酸を適切な割
合で含有するため、長時間の溶融成形時においても耐着
色性および外観に優れた成形物が得られる。このため、
生産時におけるコストメリット、および生産の簡便性か
らリン酸化合物(E)を添加しない方が好ましい場合も
あるが、リン酸化合物(E)の添加により樹脂組成物の
ロングラン性、回収性をさらに向上させることが可能で
ある。特に、数日間におよぶ長時間の連続運転を行うと
きや、熱履歴を重ねるときなど(成形物を回収する際な
ど)の耐着色性の改善効果への寄与が大きい。
【0061】リン酸化合物(E)の添加量としては、リ
ン酸根換算で10〜500ppmが好適である。リン酸
化合物(E)の含有量はリン酸根換算で10〜200p
pmであることがより好ましく、さらに好ましくは20
〜150ppmである。かかる範囲のリン酸化合物
(E)を含有することで、より着色が少なく、ロングラ
ン性に優れた、良好な成形品外観を与える樹脂組成物を
得ることができる。リン酸化合物(E)の含有量が10
ppm未満の場合は、溶融成形時の耐着色性の改善効果
が不充分となる虞があり、外観性が低下する虞がある。
特に熱履歴を重ねるときにその傾向が顕著であるため
に、樹脂組成物は回収性に乏しいものとなる虞がある。
500ppmを超えると成形物のゲル・ブツの発生が顕
著になり、外観性が低下する。リン酸化合物(E)とし
ては、リン酸、亜リン酸等の各種の酸やその塩等が例示
されるが、これらに限定されない。リン酸塩としては第
1リン酸塩、第2リン酸塩、第3リン酸塩のいずれの形
で含まれていても良く、そのカチオン種も特に限定され
るものではないが、上述のようなアルカリ金属塩
(C)、アルカリ土類金属塩(B)であることが好まし
い。中でもリン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリ
ウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム
の形でリン酸化合物(E)を添加することが好ましい。
【0062】本発明の樹脂組成物は、230℃、窒素雰
囲気下での加熱処理した場合において加熱開始2時間後
の重量減少率が5〜35%であることが好ましい。重量
減少率が5%未満の場合は、樹脂組成物のロングラン性
およびセルフパージ性が不満足なものとなる場合があ
る。また、重量減少率が35%を超える場合は、分解に
より発生するガスの量が大きくなり、ボイド等の問題が
発生しやすくなる虞がある。
【0063】また、本発明の樹脂組成物に本発明の目的
を阻害しない範囲で、重合度、エチレン含有率およびケ
ン化度の異なるエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
をブレンドし溶融成形することも可能である。また、本
発明の目的を阻害しない範囲で、該樹脂組成物に他の各
種可塑剤、安定剤、界面活性剤、色剤、紫外線吸収剤、
スリップ剤、帯電防止剤、乾燥剤、架橋剤、金属塩、充
填剤、各種繊維等の補強剤等を適量添加することも可能
である。
【0064】また、該樹脂組成物以外の熱可塑性樹脂を
適量配合することも可能である。熱可塑性樹脂としては
各種ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチ
レン−プロピレン共重合体、エチレンと炭素数4以上の
α−オレフィンとの共重合体、ポリオレフィンと無水マ
レイン酸との共重合体、エチレン−ビニルエステル共重
合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、または
これらを不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラフト
変性した変性ポリオレフィンなど)、各種ナイロン(ナ
イロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6/6,6
共重合体など)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリエステル、ポリスチレンおよび変性ポリビニル
アルコール樹脂などが用いられる。
【0065】得られた本発明の樹脂組成物は、さまざま
な成形物として利用される。その好適な一例はペレット
である。また、本発明の樹脂組成物は溶融成形によりフ
ィルム、シート、容器、パイプ、繊維等、各種の成形体
に成形される。これらの成形物は再使用の目的で粉砕し
再度成形することも可能である。また、フィルム、シー
ト、繊維等を一軸または二軸延伸することも可能であ
る。溶融成形法としては押出成形、インフレーション押
出、ブロー成形、溶融紡糸、射出成形等が可能である。
溶融温度は該共重合体の融点等により異なるが150〜
270℃程度が好ましい。
【0066】本発明の樹脂組成物は、上述した如く該樹
脂組成物のみを単層とする樹脂成形物の製造以外に、本
発明の組成物フィルム、シート等の成形物を少なくとも
1層とする多層構造体として実用に供せられることが多
い。該多層構造体の層構成としては、本発明の樹脂組成
物をE、接着性樹脂をAd、熱可塑性樹脂をTで表わす
と、E/Ad/T、T/Ad/E/Ad/T等が挙げら
れるが、これに限定されない。それぞれの層は単層であ
ってもよいし、場合によっては多層であってもよい。
【0067】上記に示す多層構造体を製造する方法は特
に限定されない。例えば、該成形物(フィルム、シート
等)に熱可塑性樹脂を溶融押出する方法、逆に熱可塑性
樹脂等の基材に該樹脂組成物と他の熱可塑性樹脂とを共
押出する方法、熱可塑性樹脂とEVOHからなる樹脂組
成物を共射出する方法、更には本発明の樹脂組成物より
得られた成形物と他の基材のフイルム、シートとを有機
チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系
化合物等の公知の接着剤を用いてラミネートする方法等
が挙げられ、中でも他の熱可塑性樹脂と共押出する方法
が好ましく用いられる。
【0068】本発明の樹脂組成物と積層される熱可塑性
樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリ
エチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン
共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィ
ン共重合体(炭素数4〜20のα−オレフィン)、ポリ
ブテン、ポリペンテン等のオレフィンの単独またはその
共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステ
ル、ポリエステルエラストマー、ナイロン−6、ナイロ
ン−6,6等のポリアミド樹脂、ポリスチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ビニ
ルエステル系樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリカ
ーボネート、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレ
ンなどが挙げられる。上記の中でも、ポリプロピレン、
ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリスチレン、
ポリエステルが好ましく用いられる。
【0069】本発明の樹脂組成物と熱可塑性樹脂とを積
層するに際し、特に共押出成形によって積層するにあた
っては接着性樹脂を使用する場合があり、この場合の接
着性樹脂としてはカルボン酸変性ポリオレフィンからな
る接着性樹脂が好ましい。ここでカルボン酸変性ポリオ
レフィンとは、オレフィン系重合体にエチレン性不飽和
カルボン酸またはその無水物を化学的(たとえば付加反
応、グラフト反応により)に結合させて得られるカルボ
キシル基を含有する変性オレフィン系重合体のことをい
う。また、ここでオレフィン系重合体とはポリエチレン
(低圧、中圧、高圧)、直鎖状低密度ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ボリブテンなどのポリオレフィン、オレ
フィンと該オレフィンとを共重合し得るコモノマー(ビ
ニルエステル、不飽和カルボン酸エステルなど)との共
重合体、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−アクリル酸エチルエステル共重合体などを意味す
る。このうち直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(酢酸ビニルの含有量5〜55重量
%)、エチレン−アクリル酸エチルエステル共重合体
(アクリル酸エチルエステルの含有量8〜35重量%)
が好適であり、直鎖状低密度ポリエチレン及びエチレン
−酢酸ビニル共重合体が特に好適である。エチレン性不
飽和カルボン酸またはその無水物とはエチレン性不飽和
モノカルボン酸、そのエステル、エチレン性不飽和ジカ
ルボン酸、そのモノまたはジエステル、その無水物があ
げられ、このうちエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物
が好適である。具体的にはマレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸
モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、
マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエス
テルなどが挙げられ、なかんずく、無水マレイン酸が好
適である。
【0070】エチレン性不飽和カルボン酸またはその無
水物のオレフィン系重合体への付加量またはグラフト量
(変性度)はオレフィン系重合体に対し0.0001〜
15重量%、好ましくは0.001〜10重量%であ
る。エチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物のオ
レフィン系重合体への付加反応、グラフト反応は、たと
えば溶媒(キシレンなど)、触媒(過酸化物など)の存
在下でラジカル重合法などにより得られる。このように
して得られたカルボン酸変性ポリオレフィンの190
℃、2160g荷重下で測定したメルトフローレート
(MFR)は0.2〜30g/10分であることが好ま
しく、より好ましくは0.5〜10g/10分である。
これらの接着性樹脂は単独で用いてもよいし、また二種
以上を混合して用いることもできる。
【0071】本発明の組成物と熱可塑性樹脂との共押出
の方法は特に限定されず、マルチマニホールド合流方式
Tダイ法、フィードプロック合流方式Tダイ法、インフ
レーション法のいずれでもよい。
【0072】このようにして得られた共押出多層構造体
を二次加工することにより、各種成形品(フィルム、シ
ート、チューブ、ボトルなど)を得ることができ、たと
えば以下のようなものが挙げられる。 (1)多層構造体(シート又はフィルムなど)を一軸ま
たは二軸方向に延伸、又は二軸方向に延伸、熱処理する
ことによる多層共延伸シート又はフィルム (2)多層構造体(シート又はフィルムなど)を圧延す
ることによる多層圧延シート又はフィルム (3)多層構造体(シート又はフィルムなど)真空成
形、圧空成形、真空圧空成形、等熱成形加工することに
よる多層トレーカップ状容器 (4)多層構造体(パイプなど)からのストレッチブロ
ー成形等によるボトル、カップ状容器このような二次加
工法には特に制限はなく、上記以外の公知の二次加工法
(ブロー成形など)も採用できる。
【0073】このようにして得られた共押出多層構造
体、共射出多層構造体は低臭性に優れ、フィッシュアイ
が少なく、透明で、スジが少ないので、食品容器の材
料、たとえば深絞り容器、カップ状容器、ボトル等の材
料として好適に用いられる。
【0074】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではな
い。以下「%」、「部」とあるのは特に断わりのない限
り重量基準である。尚、水はすべてイオン交換水を使用
した。
【0075】(1)カルボン酸(A)の含有量の定量 試料とする乾燥ペレット20gをイオン交換水100m
lに投入し、95℃で6時間加熱抽出した。抽出液をフ
ェノールフタレインを指示薬として、1/50規定のN
aOHで中和滴定し、カルボン酸(A)の含有量を定量
した。
【0076】(2)カルボン酸(A)およびその塩の総
含有量(μmol/g)に対する分子量70以上のカル
ボン酸(a)およびその塩の含有量(μmol/g)の
比の定量 試料とする乾燥ペレット20gをイオン交換水100m
lに投入し、95℃で6時間加熱抽出した。該抽出液を
用いて、カラムに(株)横河電機製のSCS5−252
を使用し、溶離液として0.1%のリン酸水溶液を用い
たイオンクロマトグラフィーによりそれぞれのカルボキ
シルアニオンを定量し、それぞれの酸及びその塩の含有
量を求めた。
【0077】(3)Na、K、Mg、Caイオンの定量 試料とする乾燥ペレット10gを0.01規定の塩酸水
溶液50mlに投入し、95℃で6時間撹拌した。撹拌
後の水溶液をイオンクロマトグラフィーを用いて定量分
析し、Na、K、Mg、Caイオンの量を定量した。カ
ラムは、(株)横河電機製のICS−C25を使用し、
溶離液は5.0mMの酒石酸と1.0mMの2,6−ピ
リジンジカルボン酸を含む水溶液とした。なお、定量に
際してはそれぞれ塩化ナトリウム水溶液、塩化カリウム
水溶液、塩化マグネシウム水溶液および塩化カルシウム
水溶液で作成した検量線を用いた。こうして得られたN
a、K、Mg、Caイオンの量から、乾燥ペレット中の
アルカリ土類金属塩(B)およびアルカリ金属塩(C)
の量を金属換算の量で得た。
【0078】(4)ホウ素化合物(D)の定量 試料とする乾燥ペレット100gを磁性ルツボに入れ、
電気炉内で灰化させた。得られた灰分を0.01規定の
硝酸水溶液200mLに溶解し、原子吸光分析によって
定量し、ホウ素換算の量でホウ素化合物(D)の含有量
を得た。
【0079】(5)リン酸イオンの定量 試料とする乾燥ペレット10gを0.01規定の塩酸水
溶液50mlに投入し、95℃で6時間撹拌した。撹拌
後の水溶液をイオンクロマトグラフィーを用いて定量分
析し、リン酸イオンの量を定量した。カラムは、(株)
横河電機製のICS−A23を使用し、溶離液は2.5
mMの炭酸ナトリウムと1.0mMの炭酸水素ナトリウ
ムを含む水溶液とした。なお、定量に際してはリン酸二
水素ナトリウム水溶液で作成した検量線を用いた。こう
して得られたリン酸イオンの量から、リン酸化合物
(E)の含有量をリン酸根換算で得た。
【0080】(6)単層製膜試験 以下の方法で単層フィルムを作製し、成形品の外観、ダ
イ付着量、ロングラン性を評価した。 形式 一軸押出機 D20/20(東洋精機製) L/D 20 圧縮比 4 スクリュー口径 20mmφ スクリュー 一条フルフライトタイプ、表面窒化鋼 スクリュー回転数 40rpm ダイス 300mm幅ストレートハンガタイプ(東洋精機製) リップ間隙 0.3mm シリンダー、ダイ温度設定 C1/C2/C3/ダイ=180/220/220/220(℃)
【0081】(6−a)ボイド 試料ペレットを用いてEVOHの単層製膜を実施し、製
膜開始から30分後のフィルム上のボイドの発生状況を
目視にて観察した。発生状況によって以下のように判定
した。 A;発生無し B;極まれに発生するが実用上問題なし
C;常時微細なボイドが見られるが実用上問題なし
D;全面にボイドが発生 E;全面に大きな穴が発生し
フィルムが網状になる
【0082】(6−b)ダイ内付着量 試料ペレットを用いてEVOHの単層製膜を8時間実施
後、MI=1(190℃、2160g荷重下)のLDP
Eで押出機内のEVOH樹脂を1時間かけて置換した
後、ダイ内部に付着した樹脂の重量を測定し、その重量
により以下の様に判定した。 A;0.5g未満 B;0.5〜1g C;1〜5g
D;5〜10g E;10g以上
【0083】(6−c)ロングラン性 試料ペレットを用いてEVOHの単層製膜を実施し、8
時間後のフィルムのゲル状ブツ(肉眼で確認できる約1
50μm以上のもの)を数え、1.0m2あたりの個数
に換算した。ブツの個数によって以下のように判定し
た。 A;20個未満 B;20〜40個 C;40〜60個
D;60〜100個 E;100個以上
【0084】(6−d)セルフパージ性 試料ペレットを用いてEVOHの単層製膜を1時間実施
した後、装置の電源を切り温度を室温まで下げた。その
後、再度電源を入れて設定温度まで上がった後運転を再
開して、フィルムのゲル状ブツの個数が運転一時停止前
のレベルにまで回復するのに要する時間を測定し、回復
するまでに要するに時間により以下のように判定した。 A;再開後直ちに回復 B;30分以内に回復 C;1
時間以内に回復 D;5時間以内に回復 E;回復せず
【0085】(7)耐着色性 試料とする乾燥ペレット8gを230℃に加熱した熱板
(シンドー式卓上テストプレスYS−5)の間にはさ
み、熱板間の間隙を5mmに保って10分間加熱し、着
色度を肉眼で判定し以下のように判定した。 A;無色 B;淡黄色 C;黄色 D;濃黄色 E;褐
【0086】(8)臭気性 EVOHからなる樹脂組成物の試料ペレット20gを1
00mlガラス製サンプル管に入れ、アルミホイルで口
部を蓋をした後、熱風乾燥機内で150℃で90分加熱
した。乾燥機から取り出し、室温で1時間放冷した後、
サンプル管を2〜3回振り混ぜた後、アルミホイルの蓋
を取り臭気を評価した。試料ペレットの臭気の強さを以
下のような基準で判定した。 A;臭いなし B;弱い臭い C;明らかに感じる臭い
D;かなり強い臭い E;非常に強い臭い
【0087】(9)重量減少率 試料とする乾燥ペレット約10mgをセイコー電子製T
G/DTA−220型にセットし、窒素雰囲気下、23
0℃で2時間加熱した時の重量減少率を測定した。
【0088】(10)固有粘度 EVOHからなる樹脂組成物の試料ペレット0.20g
を精秤し、これを含水フェノール(水/フェノール=1
5/85wt%)40mlに60℃にて3〜4時間加熱
溶解させ、温度30℃にて、オストワルド型粘度計にて
測定し(t0=90秒)、下式により固有(極限)粘度
[η]を求めた。 [η]=(2×(ηsp−lnηrel))1/2/C (L/
g) ηsp= t/ t0−1 (specific viscosity) ηrel= t/ t0 (relative viscosity) C ;EVOH濃度(g/l) ・t0:ブランク(含水フェノール)が粘度計を通過す
る時間 ・t:サンプルを溶解させた含水フェノール溶液が粘度
計を通過する時間
【0089】実施例1 エチレン含有量38モル%のエチレン−酢酸ビニル共重
合体の45%メタノール溶液をケン化反応器に仕込み、
苛性ソーダ/メタノール溶液(80g/L)を共重合体
中のビニルエステル成分に対し、0.4当量となるよう
に添加し、メタノールを添加して共重合体濃度が20%
になるように調整した。60℃に昇温し反応器内に窒素
ガスを吹き込みながら約4時間反応させた。4時間後、
酢酸で中和し反応を停止させ、円形の開口部を有する金
板から水中に押し出して析出させ、切断することで直径
約3mm、長さ約5mmのペレットを得た。得られたペ
レットは遠心分離機で脱液しさらに大量の水を加え脱液
する操作を繰り返した。得られたエチレン−ビニルアル
コール共重合体のケン化度は99.6%、極限粘度
[η]は0.0853L/gであった。
【0090】こうして得られたエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体の含水ペレット100重量部(含水率55
%)を、乳酸0.06g/L、乳酸マグネシウム1.0
82g/L、乳酸ナトリウム0.438g/L、ホウ酸
0.505g/L およびリン酸2水素カリウム0.1
58g/Lを含有する水溶液370重量部に25℃で6
時間浸漬した。浸漬後脱液し、80℃で3時間、引き続
いて107℃で24時間熱風乾燥機を用いて乾燥を行
い、乾燥ペレットを得た。
【0091】得られた乾燥ペレット中のカルボン酸
(A)の含有量は0.77μmol/g、カルボン酸
(A)およびその塩の総含有量は18.06μmol/
g(その内の分子量70以上のカルボン酸(a)および
その塩の含有量18.06μmol/g)、アルカリ土
類金属塩(B)の含有量は金属換算で6.30μmol
/g、アルカリ金属塩(C)の含有量は金属換算で6.
33μmol/g 、ホウ素化合物(D)の含有量はホ
ウ素換算で208ppm、リン酸化合物(E)の含有量
はリン酸根換算で91ppmであった。また、得られた
EVOH樹脂組成物ペレットのMFR(190℃、21
60g荷重下で測定)は1.6g/10minであっ
た。
【0092】得られた乾燥ペレットを用い、EVOHの
単層製膜を行い、ボイド、ダイ付着量、ロングラン性お
よびセルフパージ性の試験を実施した。 ボイド、ダイ
付着量、ロングラン性およびセルフパージ性の試験結果
はいずれもA判定であった。
【0093】得られた乾燥ペレットを用い、上記の方法
で耐着色性、臭気性の試験を行ったところ、試験結果は
共にA判定であった。
【0094】得られた乾燥ペレットを用い、上記の方法
で重量減少率の測定を行った。重量減少率は19%であ
った。
【0095】実施例2〜9、比較例1〜7 表3に記載のエチレン含有量、固有粘度のエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体を用い、けん化、洗浄、脱液後
のエチレン−ビニルアルコール共重合体を浸漬する液の
組成を表2にまとめて示すように変更することを除いて
実施例1と同様にして乾燥ペレットを作製し、フィルム
を作製した。評価結果を表4にまとめて示す。
【0096】
【表2】
【0097】
【表3】
【0098】
【表4】
【0099】実施例1と比較して、ホウ素化合物(D)
を含有しない実施例2では、ロングラン性が若干低下し
た。また、アルカリ土類金属塩(B)の含有量が上述の
式(8)の下限に満たない実施例3ではダイ付着量およ
びロングラン性が若干低下した。また、アルカリ土類金
属塩(B)としてカルシウム塩を用いた実施例4では、
色相が多少低下した。さらに、アルカリ土類金属塩
(B)の含有量が(8)式の下限に満たないが、カルボ
ン酸(A)、アルカリ土類金属塩(B)およびアルカリ
金属塩(C)の含有量が上述の(9)式を満たす実施例
5では、ダイ付着量および色相が若干低下した。一方、
アルカリ土類金属塩(B)の含有量は(8)式を満たす
が、カルボン酸(A)、アルカリ土類金属塩(B)およ
びアルカリ金属塩(C)の含有量が上述の(9)式の上
限を超える実施例6では、ボイドおよび色相の改善効果
が若干低下した。
【0100】アルカリ土類金属塩(B)の含有量が
(8)式の下限に満たず、かつカルボン酸(A)、アル
カリ土類金属塩(B)およびアルカリ金属塩(C)の含
有量が(9)式の下限も満たさない実施例7では、ダイ
付着量、ロングラン性、セルフパージ性のいずれも低下
した。また、カルボン酸(A)として分子量75に満た
ない酸である酢酸を添加した実施例8では、臭気性の改
善効果が若干低下した。以上、実施例2〜8で得られた
本発明のEVOHからなる樹脂組成物は、実施例1と比
較した場合には、各物性の改善効果に若干の低下が見ら
れるものの、その何れにおいてもボイドの発生が少な
く、外観に優れ、ダイ付着が少なく、ロングラン性およ
びセルフパージ性が良好なものであった。また、エチレ
ン含有量が44モル%のEVOHを用いた実施例9の場
合も、上記に示す優れた特性を示した。
【0101】これに対して、アルカリ土類金属塩(B)
の含有量が2μmol/gに満たない比較例1およびカ
ルボン酸(A)の含有量が5μmol/gを超える比較
例3ではダイ付着量、ロングラン性、およびセルフパー
ジ性において不満足なものとなった。また、アルカリ土
類金属塩(B)の含有量が25μmol/gを超える比
較例2およびカルボン酸(A)の含有量が0.05μm
ol/gに満たない比較例4では、ボイドの発生が激し
く、長時間の製膜が実質上不可能であり、色相に劣っ
た。また、カルボン酸(A)が分子量75に満たない酸
である酢酸のみからなる比較例5では、臭気性の改善効
果が得られなかった。
【0102】また、先行技術である特開平10−678
98号公報の実施例1とほぼ同量のアルカリ金属塩
(B)およびアルカリ金属塩(C)を含有し、かつエチ
レン含有量が33モル%である比較例6では、[η]60/
[η]0が0.8を超え、ダイ付着量、ロングラン性およ
びセルフパージ性の改善効果が得られなかった。
【0103】さらに、カルボン酸(A)、アルカリ土類
金属塩(B)、アルカリ金属塩(C)、ホウ素化合物
(D)およびリン酸化合物(E)の含有量は実施例1と
ほぼ等しいが、エチレン含有量が27モル%である比較
例7では、[η]60/[η]0が0.8を超え、各評価項目に
おける評価結果は不満足なものとなった。
【0104】
【発明の効果】ボイドの発生が少なく外観に優れ、ダイ
付着が少なく、ロングラン性およびセルフパージ性が良
好で、かつ着色が少ないエチレン−ビニルアルコール共
重合体からなる樹脂組成物およびそれを用いた多層構造
体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 EVOHのエチレン含量と、好適なアルカリ
土類金属塩(B)の含有量の関係を示す図である。
【図2】 EVOHのエチレン含量と、より好適なアル
カリ土類金属塩(B)の含有量の関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/32 C08K 3/32 3/38 3/38 5/09 5/09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素雰囲気下、220℃で加熱処理した
    時の極限粘度[η]の変化が以下の(1)〜(3)式を
    満たし、カルボン酸(A)を0.05〜5μmol/g
    およびアルカリ土類金属塩(B)を金属元素換算で2〜
    25μmol/g含有し、かつ下式(4)を満足するこ
    とを特徴とするエチレン−ビニルアルコール共重合体樹
    脂組成物。 0.05 ≦ [η]0 ≦ 0.2 (1) 0.12 ≦ [η]10/[η]0 ≦ 0.6 (2) 0.1 ≦ [η]60/[η]0 ≦ 0.8 (3) 0.1 ≦(a)/(A)≦1.0 (4) 但し、 [η]0:加熱処理前の極限粘度 [η]10:加熱処理開始から10時間後の極限粘度 [η]60:加熱処理開始から60時間後の極限粘度 (A):カルボン酸(A)およびその塩の総含有量(μ
    mol/g) (a):分子量70以上のカルボン酸(a)およびその
    塩の含有量(μmol/g)
  2. 【請求項2】 窒素雰囲気下、220℃で加熱処理した
    時の極限粘度[η]の変化が以下の(5)式を満たす、
    請求項1に記載の樹脂組成物。 0.2 ≦ [η]60/[η]10 ≦ 2.5 (5)
  3. 【請求項3】 アルカリ土類金属塩(B)を、以下の
    (6)〜(8)式で表されるMIIの範囲内で含有する請
    求項1または2に記載の樹脂組成物。 X = 0.0257 x E2 - 2.31 x E + 54.7 (6) Y = 0.0372 x E2 - 2.43 x E + 47.7 (7) X ≦ MII ≦ Y (8) 但し、 E:エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含
    有量(モル%) MII:アルカリ土類金属塩(B)の含有量(金属換算
    値:μmol/g)
  4. 【請求項4】 アルカリ土類金属塩(B)、アルカリ金
    属塩(C)およびカルボン酸(A)を、以下の式
    (6)、(7)および(9)で表される範囲内で含有す
    る請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。 X = 0.0257 x E2 - 2.31 x E + 54.7 (6) Y = 0.0372 x E2 - 2.43 x E + 47.7 (7) X ≦ MII + 0.12 x MI - 0.1 x K x Ac ≦ Y (9) 但し、 E:エチレン−ビニルアルコール共重合体のエチレン含
    有量(モル%) MII:アルカリ土類金属塩(B)の含有量(金属換算
    値:μmol/g) MI:アルカリ金属塩(C)の含有量(金属換算値:μm
    ol/g) K:カルボン酸(A)の酸価数 Ac:カルボン酸(A)の含有量(μmol/g)
  5. 【請求項5】 230℃、窒素雰囲気下での加熱開始か
    ら2時間後の重量減少率が5%以上35%以下である請
    求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 分子量70以上のカルボン酸(a)が乳
    酸である請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 ホウ素化合物(D)をホウ素換算で50
    〜2000ppm含有する請求項1〜6のいずれかに記
    載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 リン酸化合物(E)をリン酸根換算で1
    0〜500ppm含有する請求項1〜7のいずれかに記
    載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂組
    成物からなる成形物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂
    組成物からなる層を少なくとも1層含む多層構造体。
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