JP2001233965A - 樹脂成型体 - Google Patents

樹脂成型体

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JP2001233965A
JP2001233965A JP2000050527A JP2000050527A JP2001233965A JP 2001233965 A JP2001233965 A JP 2001233965A JP 2000050527 A JP2000050527 A JP 2000050527A JP 2000050527 A JP2000050527 A JP 2000050527A JP 2001233965 A JP2001233965 A JP 2001233965A
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styrene
acrylonitrile
water
acid
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JP2000050527A
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English (en)
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Yasushi Inagaki
靖史 稲垣
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸水効果の大きい樹脂成型体を提供する。 【解決手段】 吸水性を有する熱可塑性樹脂を含有し、
上記熱可塑性樹脂は、アクリロニトリル、スチレン、共
役ジエンの少なくとも1種類以上を構成ユニットとして
含有するポリマー中に、所定の極性基が導入されてな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水性の熱可塑性
樹脂を含有する樹脂成型体に関する。
【0002】
【従来の技術】高吸水性樹脂は、吸水力だけではなく、
保水力、吸引・膨潤力、増粘力、ゲル化力等の特性を有
することから、代表的な紙おむつ(衛生材)以外に、土
建、農業、化粧品、トイレタリー、食品、塗料、玩具等
の種々の分野で利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般の高吸
水性樹脂としては、アクリル酸系ポリマーやビニルアル
コール系ポリマーが代表されるが、これらのものは通常
熱可塑性を示さないため、樹脂成型体として使用される
ことはほとんどなかった。せいぜい、同ポリマー(細粒
物)を比較的に親和性の高い熱可塑性樹脂に混合して玩
具として使用する技術(特開昭58−65187号公
報)が提案されているにすぎなかった。この場合でも、
高吸水性樹脂は熱可塑性樹脂に均一に混合されにくいた
め、微細な形状を有する成型体を製造することは難し
く、また、熱可塑性樹脂中の混合比率を上げることが難
しいことから、吸水効果の大きい樹脂成型体を得ること
ができなかった。このことが、現状の高吸水性樹脂の用
途の更なる拡大を図る上での一つの阻害要因となってい
る。
【0004】本発明は、以上のような従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、吸水効果の大きい樹脂成型体
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂成型体は、
吸水性を有する熱可塑性樹脂を含有し、上記熱可塑性樹
脂は、アクリロニトリル、スチレン、共役ジエンの少な
くとも1種類以上を構成ユニットとして含有するポリマ
ー中に、所定の極性基が導入されてなることを特徴とす
る。
【0006】上述したような本発明の樹脂成型体は、ア
クリロニトリル、スチレン、共役ジエンの少なくとも1
種類以上を構成ユニットとして含有するポリマー中に、
所定の極性基が所定量導入されているので、吸水性と熱
可塑性の両方の特性を有するものとなる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0008】本発明の樹脂成型体は、吸水性を有する熱
可塑性樹脂からなり、当該熱可塑性樹脂は、アクリロニ
トリル、スチレン又は共役ジエンの少なくとも1種以上
を構成ユニットとして含有するポリマー中に、所定の極
性基が導入されてなるものである。これらアクリロニト
リル、スチレン又は共役ジエンの構成ユニットは、当該
樹脂成型体に熱可塑性を付与するものとなる。
【0009】この熱可塑性樹脂を構成するポリマーとし
ては、当該ポリマー中の各種ユニットの構成比率は特に
限定されないが、それぞれ0〜95モル%の範囲に含有
されているのが好ましい。なお、アクリロニトリルユニ
ットとしては、10〜60モル%が、スチレン及び/又
は共役ジエン(ブタジエン、イソプレン、ペンタジエ
ン、シクロペンタジエン)ユニットとしては、20〜8
5モル%が含有されているのが更に好ましい。以上、こ
れらユニットは、本樹脂成型体が熱可塑性を有する上で
必要となる。
【0010】上記アクリロニトリル、スチレン又は共役
ジエン以外に別の構成モノマーが当該ポリマー中に含有
されていてもよい。
【0011】アクリロニトリル、スチレン又は共役ジエ
ン以外の構成モノマーとしては、α−メチルスチレン、
ビニルトルエン、ビニルナフタレン等の芳香族モノマ
ー、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン等の
オレフィン類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、フマール酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン
酸、またはこれらのエステル類、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、アクリル酸又はアクリル酸エステル(炭
素数1〜10の飽和又は不飽和炭化水素)、メタアクリ
ル酸又はメタアクリル酸エステル(炭素数1〜10の飽
和又は不飽和炭化水素)、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビ
ニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール
等のモノマーを挙げることが出来る。これらの構成モノ
マーは、1種類を単独あるいは2種類以上を併用するこ
とができる。また、これら上記の構成モノマーを併用す
る場合には、それらの含有量は50モル%以下、好まし
くは2〜40モル%の範囲とすることが適当である。
【0012】さらに、本発明の樹脂成型体は、上述した
ようなポリマー中に以下に示すような極性基が導入され
ている。これらの極性基は当該樹脂成型体に吸水性を付
与するものとなる。
【0013】この極性基としては、スルホン酸及び/又
はスルホン酸塩、アミド、カルボン酸及び/又はカルボ
ン酸塩、−OH及び/又は−OH塩、カルバモイル及び
/又はカルバモイル塩、アミン塩、アンモニウム塩、−
PO(OH)2及び/又は−PO(OH)2塩、−CH2
PO(OH)2及び/又は−CH2PO(OH)2塩、−
NO2の少なくとも1種類以上を挙げることができる。
【0014】これら極性基を前述のポリマー中に導入す
る方法としては、(1)アクリロニトリル、スチレン、
共役ジエンの少なくとも1種類以上を構成ユニットを含
有するポリマに、直接極性基を導入する方法(高分子反
応)と、(2)熱可塑性を示すために必要なユニットを
有するモノマーと、極性基を有するモノマーとを共重合
する方法との2つを挙げることができる。
【0015】まず、(1)の方法について説明する。こ
の場合には、上記アクリロニトリル、スチレン、共役ジ
エンの少なくとも1種類以上の構成ユニットを含有する
ポリマーを、各種薬剤と反応させることで当該極性基を
導入することができる。
【0016】例えば、上記アクリロニトリル、スチレ
ン、共役ジエンの少なくとも1種類以上を含有するポリ
マーとして、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−
スチレン)樹脂、SAN(スチレン−アクリロニトリ
ル)樹脂、HIPS(スチレン−ブタジエン)樹脂、N
BR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)樹脂、AS
A樹脂(アクリロニトリル−スチレン−アクリレート樹
脂)、ACS樹脂(アクリロニトリル−塩素化ポリエチ
レン−スチレン樹脂)、AAS樹脂(アクリロニトリル
−アクリル−スチレン樹脂)等のポリマーを挙げること
ができる。
【0017】これらのポリマーは、新たに製造されたバ
ージン材であってもよいし、樹脂原料や成型品の生産過
程での排出品(半端品)や、電気製品や自動車等に使用
された筐体や各種部品材料、またはチューブやホース、
各種緩衝材から特定の用途を目的として成型された使用
済み廃材であってもよい。排出場所としては、工場や販
売店、家庭等からのいずれであってもよいが、家庭等か
らの一般廃棄物よりは、工場や販売店等から回収された
ものの方が比較的組成がそろったものが多いためより望
ましい。
【0018】上記ポリマーの分子量(Mw)としては、
特に限定はないが、重量平均分子量(Mw)が1,00
0〜20,000,000であることが好ましく、さら
には、10,000〜1,000,000であることが
好ましい。分子量がこれより低いと液状となってしまい
樹脂としての形状をなさなくなり、分子量がこれより大
きいと、溶融粘度が高くなるため熱溶融による成型が難
しくなる。
【0019】また、上記ポリマーは、他の樹脂とのアロ
イ物であってもよく、顔染料や安定剤、難燃剤、可塑
剤、充填剤、その他補助剤等の添加剤を含んだ廃材であ
ってもよい。または、使用済み廃材とバージン材料との
混合物であってもよい。
【0020】当該ポリマーと混合可能な他の樹脂として
は、例えばポリフェニレンエーテル、ポリカーボネー
ト、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポ
リエステル等が挙げられる。なお、これらの樹脂は当該
高分子に対して60重量%以下に混合されることが望ま
しい。これらの樹脂の含有量が多くなると、極性基導入
時の反応が阻害されることになる。
【0021】以上に示したポリマーを以下に示す反応を
行うことにより、所定の極性基を導入することが可能と
なる。
【0022】例えば、当該ポリマーとスルホン化剤(無
水硫酸、発煙硫酸、クロロスルホン酸等)とを直接、又
は有機溶媒中で反応させることにより、芳香族部位(ス
チレン等)や共役ジエン部位(ブタジエン等)にスルホ
ン酸基を導入することができる。もしくは、これと塩基
性化合物との反応により同中和塩を極性基として導入す
ることができる。
【0023】また、当該ポリマーと、加熱した濃酸(硫
酸等)や濃アルカリ(水酸化ナトリウム等)とを反応さ
せることで、当該ポリマー中のニトリル基をアミド基や
カルボキシル基に転換して、又は、不飽和部分を水酸基
に転換して当該ポリマー中に導入することができる。も
しくは、これと塩基性化合物との反応により同中和塩を
極性基として導入することができる。
【0024】また、当該ポリマーと、濃硫酸と硝酸との
混合物とを反応させることで、当該ポリマー中の芳香族
部位(スチレン等)に−NO2基を導入することができ
る。
【0025】また、当該ポリマーにn−ブチルリチウム
を添加し、次にドライアイス(CO2)と反応させるこ
とによりカルボキシル基を、さらには、三塩化リンの添
加後に加水分解することにより−PO(OH)2基を当
該ポリマー中に導入することができる。もしくは、これ
と塩基性化合物との反応により同中和塩を極性基として
導入することができる。
【0026】また、クロロメチルエーテルとルイス酸と
によるフリーデルクラフト反応により当該ポリマー中の
スチレン部位のクロロメチル化を行った後で、アンモニ
アや各種アミン化合物と反応させることによりアンモニ
ウム塩及びアミン塩をイオン基として導入することがで
きる。または、上記クロロメチル化物と三塩化リンとの
反応の後に加水分解することで、当該ポリマー中に−C
2PO(OH)2及び/又はその塩を導入することがで
きる。
【0027】また、当該ポリマー中のニトリル基にエタ
ノールアミン等のアルキルアミンを付加させることによ
りイミダミノアルキル構造を導入したり、又は、エチレ
ンジアミン等のポリアミンを付加させることによりイミ
ダゾリン構造やイミダミノアルキルアミン構造を導入す
ることができる。又は、これと酸性化合物との反応によ
り同中和塩を極性基として導入することができる。
【0028】上記酸性基を中和するための塩基性化合物
としては、アルカリ金属(ナトリウム、リチウム、カリ
ウム等)やアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウ
ム等)の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、硫酸塩、
リン酸塩等の化合物や、アンモニアや各種(1〜3級ア
ルキル)アミン化合物等を用いることができる。
【0029】上記塩基性基を中和するための酸性化合物
としては、無機酸(硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、フッ
酸、ギ酸)、有機酸(酢酸、酪酸、乳酸、石炭酸)等を
用いることができる。
【0030】つぎに、(2)の方法について説明する。
この場合には、アクリロニトリル、スチレン、共役ジエ
ンの少なくとも1種類以上のモノマーと、以下の極性基
を有する少なくとも1種類以上のモノマーとを共重合さ
せることにより求めるポリマーを得ることができる。
【0031】上記極性基を有するモノマーとしては、ア
クリルアミド、メタアクリルアミド、アクリル酸及び/
又はアクリル酸塩、メタアクリル酸及び/又はメタアク
リル酸塩、ビニルスルホン酸及び/又はビニルスルホン
酸塩、アリルスルホン酸及び/又はアリルスルホン酸
塩、メタリルスルホン酸及び/又はメタリルスルホン酸
塩、2−アクリルアミド−2−フェニルプロパンスルホ
ン酸及び/又は2−アクリルアミド−2−フェニルプロ
パンスルホン酸塩、2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸及び/又は2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸塩、ビニルフォスフェート、
アミノアルキル(メタ)クリレート及び/又はアミノア
ルキル(メタ)クリレート塩等のビニル系モノマー、ス
チレンスルホン酸及び/又はスチレンスルホン酸塩、ク
ロロメチルスチレンのアンモニウム塩、アルキルアミン
塩やリン酸エステル及び/又はリン酸エステル塩等のス
チレン系モノマー、イミダゾール及び/又はイミダゾー
ル塩等を挙げることができる。
【0032】以上の酸性モノマーを中和するための塩基
性化合物としては、アルカリ金属(ナトリウム、リチウ
ム、カリウム等)やアルカリ土類金属(マグネシウム、
カルシウム等)の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、
硫酸塩、リン酸塩等の化合物や、アンモニアや各種(1
〜3級アルキル)アミン化合物を用いることができる。
【0033】また、塩基性モノマーを中和するための酸
性化合物としては、無機酸(硫酸、塩酸、リン酸、硝
酸、フッ酸、ギ酸)、有機酸(酢酸、酪酸、乳酸、石炭
酸)等を用いることができる。
【0034】以上に示した極性基を有するモノマーと、
前述のアクリロニトリル、スチレン、共役ジエンの少な
くとも1種類以上のモノマーとを、そのまま、もしく
は、水や溶媒中で重合させることで、求める樹脂成型体
を得ることができる。
【0035】上記共重合ポリマーの分子量(Mw)とし
ては、特に限定はないが、重量平均分子量(Mw)が
1,000〜20,000,000であることが好まし
く、さらには、10,000〜1,000,000であ
ることが好ましい。分子量がこれより低いと液状となり
樹脂としての形状を有さなくなり、分子量がこれより大
きいと、溶融粘度が高くなるため熱溶融による成型が難
しくなる。
【0036】以上に示した(1)の方法と(2)の方法
との両方の場合において、当該ポリマー中の極性基は、
全ユニットに対して0.1〜80モル%、好ましくは1
〜70モル%、さらに好ましくは5〜55モル%の割合
で含まれていることが望ましい。極性基の導入量が少な
すぎると当該ポリマーの吸水性の効果が低くなり、ま
た、極性基の導入量が多すぎると当該ポリマーが熱可塑
性を示さなくなる。
【0037】そして、上記(1)の方法又は(2)の方
法の両方で製造された当該ポリマーを、他の樹脂と混合
して樹脂成型体としてもよい。混合可能な樹脂として
は、ポリスチレン、ABS(アクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン)樹脂、SAN(スチレン−アクリロニ
トリル)樹脂、ASA樹脂(アクリロニトリル−スチレ
ン−アクリレート樹脂)、ACS樹脂(アクリロニトリ
ル−塩素化ポリエチレン−スチレン樹脂)、AAS樹脂
(アクリロニトリル−アクリル−スチレン樹脂)、HI
PS(スチレン−ブタジエン)樹脂、NBR(アクリロ
ニトリル−ブタジエンゴム)樹脂、ポリフェニレンエー
テル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ナイロン等のポリアミド、ポリエステル、PV
C、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリ乳酸等が挙げられる。
【0038】これら混合可能な樹脂は、新たに製造され
たバージン材であっても良いし、樹脂原料や成型品の生
産過程での排出品(半端品)や、電気製品や自動車等に
使用された筐体や各種部品材料又はチューブやホース、
各種緩衝材から特定の用途を目的として成型された使用
済み廃材であってもよい。排出場所としては、工場や販
売店、家庭等からのいずれであってもよいが、家庭等か
らの一般産業廃棄物よりは、工場や販売店等から回収さ
れたものの方が比較的組成がそろったものが多いためよ
り望ましい。
【0039】上記樹脂の分子量(Mw)としては、特に
限定はないが、重量平均分子量(Mw)が1,000〜
20,000,000であることが好ましく、さらに
は、10,000〜1,000,000であることが好
ましい。分子量がこれより低いと液状となり樹脂として
の形状をなさなくなり、分子量がこれより大きいと溶融
粘度が高くなるため、熱溶融による成型が難しくなる。
【0040】また、上記樹脂は、他の樹脂とのアロイ物
であってもよく、顔染料や安定剤、難燃剤、可塑剤、充
填剤、その他補助剤等の添加剤を含んだ廃材であっても
よい。または、使用済み廃材とバージン材料との混合物
であってもよい。
【0041】なお、これらの樹脂の、上記極性基を有す
るポリマーに対する混合比率は特に製薬は受けないが、
99重量%以下が望ましい。これらの樹脂の含有量が多
くなると、得られる樹脂成型体の吸水性が低くなってし
まう。
【0042】上述したような本発明の樹脂成型体は、ア
クリロニトリル、スチレン、共役ジエンの少なくとも1
種類以上を構成ユニットとして含有するポリマー中に、
所定の極性基が導入されているので、アクリロニトリ
ル、スチレン、共役ジエンのユニットにより熱可塑性
が、また、極性基を有するユニットにより吸水性が高め
られることになる。
【0043】そして、本発明の樹脂成型体は、衛生材
料、土建や農林、園芸用材料、芳香剤の長期持続のため
の保香剤、有機物質からの脱水剤、消火用薬剤、シーリ
ング剤、パッキング剤、結露防止剤、静電防止剤、コー
チング剤、乾燥剤、水処理剤や、各種構造成型体材料
(家電や自動車用の部品材として)、吸水性繊維、形状
記憶材料、センサー材料等の種々の用途に使用すること
ができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、本発明がこれら実施例に限定されるものでな
いことは言うまでもない。
【0045】〈実施例1〉ABS樹脂ペレット(構成ユ
ニットとして、スチレン部を45モル%と、アクリロニ
トリル部を25モル%と、ブタジエン部を30モル%と
を含有)の冷凍粉砕を行い、16〜32メッシュの粉砕
物とした。次に、同粉砕物の1gを、濃硫酸(97重量
%)の30g中に加え、50℃で5分間反応させた。反
応終了後、系中の固形物をグラスフィルターでろ過し、
水洗の後、循風乾燥器にて115℃で2時間乾燥を行っ
た。得られた固形物中のスルホン酸基とアミド基の含有
量は、全モノマーユニットに対してそれぞれ10モル%
(硫黄の元素分析より算出)、12モル%(FT−NM
Rの測定結果より算出)であった。
【0046】次に、得られた固形物を280℃で10分
間ヒートプレスすることにより、シート状の吸水性樹脂
成型体を得ることができた。この吸水性樹脂成型体の純
水に対する吸水倍率(30分経過後)は、自重の80倍
であり、吸水後の形状は吸水前の形状をほぼ均等拡大し
たものとなった。
【0047】〈実施例2〉実施例1で使用した原料のA
BS樹脂ペレットと、ABS樹脂ペレット反応物とを1
対1の割合で混合したものを、280℃で10分間ヒー
トプレスすることにより、シート状の吸水性樹脂成型体
を得ることができた。この吸水性樹脂成型体の純水に対
する吸水倍率(30分経過後)は、自重の30倍であ
り、吸水後の形状は吸水前の形状をほぼ均等拡大したも
のとなった。
【0048】〈実施例3〉ポリカーボネートと実施例1
のABS樹脂ペレット反応物とを2対1の割合で混合し
たものを、300℃で10分間ヒートプレスすることに
より、シート状の吸水性樹脂成型体を得ることができ
た。この吸水性樹脂成型体の純水に対する吸水倍率(3
0分経過後)は、自重の20倍であり、吸水後の形状は
吸水前の形状をほぼ均等拡大したものとなった。
【0049】〈実施例4〉使用済みの8mmカセットテ
ープガードパネル(透明部分)[SAN樹脂廃材:構成
ユニットとして、スチレン部を60モル%と、アクリロ
ニトリル部を40モル%とを含有]の粉砕を行い、16
〜32メッシュの粉砕物とした。次に、この粉砕物の1
gを、半導体工場からの使用済み廃硫酸(80重量%)
の30g中に加え、80℃で5分間反応させた。反応終
了後、実施例1と同様の方法で処理を行い、シート状の
吸水性樹脂成型体を得ることができた。この樹脂中のス
ルホン酸基とアミド基の含有量は、全モノマーユニット
に対して、それぞれ、38モル%、29モル%であっ
た。
【0050】次に、このものをはさみで星形に切ったも
のを純水中に30分間浸漬することにより、自重の18
0倍の純水を吸水する能力を有し、また、星形の形状は
維持されたままであった。
【0051】さらに、この星形吸水性樹脂成型体の吸水
物を、室温下で3日間自然乾燥させることにより、吸水
前の形状とほぼ同等の吸水性樹脂成型体を再び得ること
ができた。同結果により、形状記憶樹脂としての利用が
考えられる。
【0052】〈実施例5〉使用済みアクリル繊維[PA
N樹脂廃材:構成ユニットとして、アクリロニトリル部
を95モル%と、酢酸ビニル部を5モル%とを含有]を
はさみで裁断したものの1gを、水酸化ナトリウム(5
重量%)の30gに加え、100℃で15分間反応させ
た。反応終了後、系中の固形物をグラスフィルターでろ
過し、水洗の後、循風乾燥機にて115℃で2時間乾燥
を行った。得られた固形物中のカルボキシル酸基とアミ
ド基の総含有量は、全モノマーユニットに対して、8モ
ル%(FT−NMRの測定結果より算出)であった。
【0053】次に、得られた固形物を紡糸することによ
り、吸水性繊維を得ることができた。この吸水性繊維の
純水に対する吸水倍率(30分経過後)は、自重の50
倍であり、吸水により繊維が太く変形した。
【0054】〈実施例6〉素用済み扇風機の羽根[SA
N樹脂廃材:構成ユニットとして、スチレン部を40モ
ル%と、アクリロニトリル部を60モル%とを含有]を
粉砕して16〜32メッシュの粉砕物とした。次に、同
粉砕物の1gを、エチレンジアミンの30g中に加え、
60℃で2時間反応させた。反応終了後、未反応のエチ
レンジアミンを蒸留により取り除いた後、残留物をアセ
トンに注ぎ、ポリマー分を再沈させた。次に、再沈物を
グラスフィルターでろ過し、水洗の後、循風乾燥器にて
115℃で2時間乾燥を行った。得られた固形物中のイ
ミダゾリン基の含有量は、全モノマーユニットに対して
33モル%(FT−NMRの測定より算出)であった。
【0055】次に、得られた固形物を、280℃で10
分間ヒートプレスすることにより、シート状の吸水性樹
脂成型体を得ることができた。この吸水性樹脂成型体の
純水に対する吸水倍率(30分経過後)は、自重の30
倍であり、吸水後の形状は吸水前の形状をほぼ均等拡大
したものとなった。
【0056】〈実施例7〉ポリスチレンの5gをテトラ
クロロエタンの20gに溶解したものを、クロロメチル
エーテルの45gに添加した後、塩化アルミニウムの1
5gを徐々に加え、60℃に保って1時間撹拌を行った
(クロロメチル化)。反応終了後、未反応のクロロメチ
ルエーテルを減圧蒸留した後に、トリメチルアミンの1
5gを加えて4級アミン塩化を行った。その後、析出し
た固形物をグラスフィルターでろ過し、アセトンで洗浄
後、減圧乾燥器にて50℃で2時間乾燥を行った。得ら
れた固形物中の4級アミン塩の含有量は、全モノマーユ
ニットに対して28モル%(FT−NMRの測定より算
出)であった。
【0057】次に、得られた固形物を、250℃で10
分間ヒートプレスすることにより、シート状の吸水性樹
脂成型体を得ることができた。この吸水性樹脂成型体の
純水に対する吸水倍率(30分経過後)は、自重の25
倍であり、吸水後の形状は吸水前の形状をほぼ均等拡大
したものとなった。
【0058】〈実施例8〉ポリフェニレンエーテルと実
施例7のポリスチレン反応物とを1対2の割合で混合し
たものを、280℃で10分間ヒートプレスすることに
より、シート状の吸水性樹脂成型体を得ることができ
た。この吸水性樹脂成型体の純水に対する吸水倍率(3
0分経過後)は、自重の約15倍であり、吸水後の形状
は吸水前の形状をほぼ均等拡大したものとなった。
【0059】〈比較例1〉実施例1の反応条件を、10
0℃で60分間に変更して反応させた。反応終了後、系
中の固形物をグラスフィルターでろ過し、水洗の後、循
風乾燥器にて115℃で2時間乾燥を行った。得られた
固形物中のスルホン酸基とアミド基の含有量は、全モノ
マーユニットに対して、それぞれ、68モル%、22モ
ル%であった。
【0060】次に、得られた固形物を、280℃で10
分間ヒートプレスを行ったが、熱可塑性を示さなかった
ため、シート状の樹脂成型体を得ることはできなかっ
た。
【0061】〈比較例2〉市販の橋かけ型ポリアクリル
酸塩系吸水性樹脂(粉末品)を、280℃で10分間ヒ
ートプレスを行ったが、熱可塑性を示さなかったため、
シート状の樹脂成型体を得ることはできなかった。
【0062】〈比較例3〉市販のグラフト型ポリアクリ
ル酸塩系吸水性樹脂(粉末品)を、300℃で10分間
ヒートプレスを行ったが、熱可塑性を示さなかったた
め、シート状の樹脂成型体を得ることはできなかった。
【0063】以上述べたように、比較例1〜比較例3の
樹脂では、吸水性は有するものの、熱可塑性を有しない
ため、所望の形状に成型することができなかった。
【0064】一方、アクリロニトリル、スチレン又は共
役ジエンの少なくとも1種以上を構成ユニットとして含
有するポリマー中に、所定の極性基が導入されてなる熱
可塑性樹脂からなる実施例1〜実施例8の樹脂成型体
は、熱可塑性と吸水性とを兼ね備え、所望の形状に成型
することができ、さらに十分な吸水性を有するものとな
った。
【0065】
【発明の効果】本発明では、吸水性に優れる熱可塑性樹
脂成型体を実現することができる。これにより、吸水性
樹脂の用途を飛躍的に拡大することができる。
【0066】また、本発明の樹脂成型体は、リサイクル
が難しい使用済みポリマを原料として利用できるため、
資源の有効利用につながり、地球の環境保全に貢献する
ことができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA12 AA12X AA22 AA22X AA34X AA77 AA78 AH01 AH07 AH19 BA01 BB03 4J002 AC07W AC07X AC08W AC11W AC13W BB03X BB12X BC03X BC04X BC06W BC06X BD04X BG10W BG10X BH01W BH02W BN12X BN14X BN15W BN15X CF00X CF06X CF07X CF18X CG00X CH07X CL00X CN02X GA00 GB00 GL00 GN00 4J100 AB02P AB02Q AM02P AM02Q AS02Q AS02R BA03H BA16H BA32H BA33H BA35H BA37H BA41H BA56H BA65H CA04 CA05 CA31 HA61 JA60 JA61

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸水性を有する熱可塑性樹脂を含有し、 上記熱可塑性樹脂は、アクリロニトリル、スチレン、共
    役ジエンの少なくとも1種類以上を構成ユニットとして
    含有するポリマー中に、所定の極性基が導入されてなる
    ことを特徴とする樹脂成型体。
  2. 【請求項2】 上記熱可塑性樹脂以外の樹脂が混合され
    ていることを特徴とする請求項1記載の樹脂成型体。
  3. 【請求項3】 上記ポリマーは、アクリロニトリル−ブ
    タジエン−スチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル
    樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−
    ブタジエンゴムの少なくとも1種類以上であることを特
    徴とする請求項1記載の樹脂成型体。
  4. 【請求項4】 上記極性基は、スルホン酸及び/又はス
    ルホン酸塩、アミド、カルボン酸及び/又はカルボン酸
    塩、−OH及び/又は−OH塩、カルバモイル及び/又
    はカルバモイル塩、アミン塩、アンモニウム塩、−PO
    (OH)2及び/又は−PO(OH)2塩、−CH2PO
    (OH)2及び/又は−CH2PO(OH)2塩、−NO2
    から選ばれる少なくとも1種類以上の塩であることを
    特徴とする請求項1記載の樹脂成型体。
  5. 【請求項5】 上記ポリマーは、使用済み樹脂からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の樹脂成型体。
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