JP2001232401A - ステンレス鋼帯の調質圧延方法 - Google Patents

ステンレス鋼帯の調質圧延方法

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JP2001232401A JP2000046021A JP2000046021A JP2001232401A JP 2001232401 A JP2001232401 A JP 2001232401A JP 2000046021 A JP2000046021 A JP 2000046021A JP 2000046021 A JP2000046021 A JP 2000046021A JP 2001232401 A JP2001232401 A JP 2001232401A
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Yukihiro Matsuura
征浩 松浦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドライ圧延並の伸び率を維持しながら、鋼帯
表面からロールへの異物付着を防止し、光沢ムラのない
高い光沢を有する表面性状に優れたステンレス鋼帯の製
造が可能な調質圧延方法を提供する。 【解決手段】 液体を気体と混合して微細な液滴として
ノズルからワークロールの表面に吹き付けるとともに、
ワークロールの回転方向に対してノズルの後方に吸水性
部材を設け、この吸水性部材をワークロールの表面に当
接して調質圧延を行う。上ワークロールの表面に当接す
る吸水性部材は上ワークロールの出側表面に当接するの
が望ましい。液体の吹き付け量は、ワークロール1本当
たり、下記式で規定される基準値Q0 (単位:mL/
分)の50倍未満とするのが望ましい。 Q0 =W・V・R 但し、V:圧延速度(m/分)、 W:板幅(m)、 R:ワークロール表面粗度Ra(μm)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面光沢に優れた
ステンレス鋼帯の調質圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼帯は、冷間圧延後、焼鈍酸
洗または、雰囲気中で焼鈍する光輝焼鈍工程を経て、主
に表面光沢を確保するための伸び率が0.5〜1.5程
度の調質圧延が施される。
【0003】この調質圧延には、公知のように、圧延油
をワークロール表面もしくは被圧延材の表面に噴射しつ
つ行うウエット圧延と、圧延油を用いずに行うドライ圧
延の2方法がある。
【0004】しかしながら、ウエット圧延では、ワーク
ロールと被圧延材との間に圧延油の膜が介在して被圧延
材の表面にピット状の凹凸が発生するため高光沢の表面
が得られないという欠点がある。
【0005】したがって、通常、高光沢が要求されるス
テンレス鋼帯の調質圧延では、鏡面状態に仕上げられた
ワークロールを用いたドライ圧延が行われる。しかし、
このドライ圧延においては、ロールと被圧延材との間の
すべり現象により被圧延材の表面層がロール表面に移着
し易く、ロール表面がくもり、高光沢の製品が得られな
い場合がある。
【0006】このドライ圧延における光沢の低下を解消
する方法として、特開平8−174005号公報には、
鋼帯を圧延するワークロールのうち、鋼帯の両端に対応
する部位をミスト状で吹き付けられた揮発性油脂により
潤滑しつつ鋼帯を圧延する鋼帯のドライ圧延方法が開示
されている。
【0007】また、特開平9−263842号公報に
は、連続焼鈍を施した鋼帯表面に、連続焼鈍炉出側にお
いて酸化膜生成媒体を接触せしめた後水冷し、次いでド
ライ調質圧延を施す鋼帯表面の光沢ムラ防止方法が開示
されている。
【0008】ウエット圧延におけるロール疵や光沢ムラ
の発生を防止し、伸び率を制御する手段として、特開平
4−322807号公報には、調質圧延装置の上下ワー
クロールのそれぞれに独立して調質圧延液スプレヘッダ
ーを設け、ワークロールの回転方向に対して調質圧延ス
プレヘッダーの後方に吸引管を内蔵したフェルトもしく
はスポンジをワークロールに圧接するように配設した調
質圧延装置が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平8−174005号公報に開示された方法は、鋼帯
の両端以外の部分は圧延油のない無潤滑の状態であり、
光沢低下の問題は解消されない。
【0010】また、特開平9−263842号公報に開
示された方法は、鋼板表面の酸化膜を積極的に生成させ
ることで、酸化膜の部分的な付着による光沢ムラを防止
しようとするものであり、光沢ムラは改善されるが、全
体の光沢レベルが低下し、特に美麗な表面光沢が要求さ
れるステンレス鋼帯には適用できない。
【0011】また、特開平4−322807号公報に開
示された手段は、上記ウエット圧延における光沢不良を
解消するに至らず、また、圧延油供給量の高度の制御が
必要になるといった制御上の問題がある。
【0012】ところで、本発明者らは、特開平8−21
5706号公報で、調質圧延剤と気体を混合して微細な
液滴として吹き付け、1パスの圧延により高伸び率で高
光沢を得ることができるステンレス鋼帯の調質圧延方法
を提示した。
【0013】しかしながら、上記公報に開示した方法で
は、光沢ムラが発生したり、伸び率が高くなり、狙いの
伸び率を確保できない場合があることが判明した。
【0014】本発明の課題は、ドライ圧延並の伸び率を
維持しながら、鋼帯表面からロールへの異物付着を防止
し、光沢ムラのない高い光沢を有する表面性状に優れた
ステンレス鋼帯の製造が可能な調質圧延方法を提供する
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため、上記特開平8−215706号公報に開
示した調質圧延方法をベースに更に検討し、下記の知見
を得た。
【0016】a.圧延油等の液体を気体と混合し微細な
液滴として吹き付ける場合、気体の圧力(気圧)と液体
の圧力(液圧)との比率(気圧/液圧)を上げると吹き
付け量と液滴径は一様に減少し、ワークロールと被圧延
材との間の摩擦状態はドライ圧延と変わらない程度にま
で変化させることができる。
【0017】b.液体を微細な液滴としてロール表面に
吹き付けてワークロールと被圧延材との間に供給するこ
とにより、被圧延材表面からロールへの酸化物等の異物
の移着が低減する。
【0018】c.ロール回転方向におけるノズルの後方
に吸水性部材を設け、この吸水性部材をロール表面に当
接することにより、ワークロールに液体を均一に付着さ
せることが可能となり、また、過剰な付着が抑制され、
光沢ムラの発生が抑制され、伸び率の増加を抑制しなが
ら、高光沢を得ることができる。
【0019】d.上ワークロールに当接する吸水性部材
は、上ワークロールの出側に設けるのが望ましい。吸水
性部材の両端部には油溜まりが形成されることがある
が、上ワークロールの出側に設けることにより、ロール
と被圧延材との間への油溜まりからの過剰な圧延油の流
入が防止され、光沢ムラの発生や伸び率の変動をより効
果的に抑制することができる。
【0020】e.吸水性部材を設けると共に、吹き付け
量を適正な範囲とすることにより、高い光沢を維持しな
がら、伸び率の増加をより効果的に抑制することができ
る。本発明は、上記の知見に基づき完成されたもので、
その要旨は以下の通りである。
【0021】(1)液体を気体と混合して微細な液滴と
して上ノズルと下ノズルとからそれぞれ上ワークロール
の表面と下ワークロールの表面とに吹き付けて行うステ
ンレス鋼帯の調質圧延に際し、各ワークロールの回転方
向に対して各ノズルの後方にそれぞれ吸水性部材を設
け、該吸水性部材をそれぞれ上ワークロールの表面と下
ワークロールの表面に当接して調質圧延を行うことを特
徴とするステンレス鋼帯の調質圧延方法。
【0022】(2)吸水性部材を当接する上ワークロー
ルの表面が上ワークロールの出側表面であることを特徴
とする上記(1)項に記載のステンレス鋼帯の調質圧延
方法。
【0023】(3)上記液体の吹き付け量が、ワークロ
ール1本当たり、下記式で規定される基準値Q0 (単
位:mL/分)の50倍未満であることを特徴とする上
記(1)項または(2)項に記載のステンレス鋼帯の調
質圧延方法。
【0024】Q0 =W・V・R 但し、V:圧延速度(m/分)、 W:板幅(m)、 R:ワークロール表面粗度Ra(μm)。
【0025】なお、(1)項に記載のワークロールの回
転方向に対してノズルの後方とは、ノズルの位置から被
圧延材がワークロールに噛み込まれる位置までのワーク
ロールの回転方向の範囲を指す。また、(2)項に記載
のワークロールの出側表面とは、ワークロール軸中心を
通りパスラインに垂直な面より被圧延材出側方向に位置
するワークロールの表面を指す。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照し説明する。
【0027】図1は、本発明の一実施形態を説明する調
質圧延装置の模式図で、符号1は調質圧延機、2aは上
ワークロール、2bは下ワークロール、3aは上ノズ
ル、3bは下ノズル、4aは上吸水性部材、4bは下吸
水性部材、5はステンレス鋼帯、6は気体圧設定装置、
7は液圧設定装置である。
【0028】図2は、本実施形態に係るノズルと吸水性
部材の設置位置を模式的に示す上ワークロールの斜視図
である。図1と同じ要素は同一の符号で示す。
【0029】本実施形態に係る調質圧延装置は、図1、
図2に示すように、上ワークロール2aの出側と下ワー
クロール2bの出側とにそれぞれ上ノズル3aと下ノズ
ル3bを有し、更に、それぞれのワークロールの回転方
向に対してそれぞれのノズルの後方に吸水性部材である
上吸収部材4aと下吸収部材4bを備える。
【0030】この調質圧延機による調質圧延は、液体を
気体と混合して微細な液滴として上ノズル3aと下ノズ
ル3bとからそれぞれ上ワークロール2aと下ワークロ
ール2bの表面に吹き付けるとともに、上吸水性部材4
aと下吸水性部材4bとをそれぞれ上ワークロール2a
と下ワークロール2bの表面に当接して行う。なお、上
吸水性部材の幅と下吸水性部材の幅は、ステンレス鋼帯
の幅以上とするとよい。
【0031】上吸水性部材と下吸水性部材は、ワークロ
ールに付着した液体を吸着しつつ、ワークロール表面に
均一に拡散させる作用をなす。これにより、吸水性部材
を通過したワークロール表面には幅方向に均一な極薄の
液膜が形成され、圧延の際のワークロールとステンレス
鋼帯との金属接触を防止することが可能となり、ステン
レス鋼帯からワークロールへの異物の移着が抑制され
る。
【0032】図示例では、上吸水性部材4aは上ワーク
ロール2aの出側に設け、上ワークロールの出側表面に
当接する場合を示したが、上ワークロールの入側に設
け、上ワークロールの入側表面に当接させてもよい。但
し、上吸水性部材の両端部に生じる液溜まりの逆流を防
止するため、上吸水性部材は、上ワークロールの出側に
設け、上ワークロールの出側表面に当接するのが望まし
い。
【0033】また、図示例では、下吸水性部材4bは、
下ワークロール2bの出側に設け、下ワークロールの出
側表面に当接する場合を示したが、下ワークロールの入
側に設け、下ワークロールの入側表面に当接させてもよ
い。なお、ワークロールの入側表面とは、ロール軸中心
を通りパスラインに垂直な面より被圧延材入側方向に位
置するワークロールの表面を指す。
【0034】本発明で用いる液体は、気体を混合して微
細な液滴とすることが可能なものであればよく、特に限
定しないが、40℃の粘度が40cSt未満の特性を有
する液体が望ましい。更に望ましくは、40℃の粘度が
15cSt未満の特性を有する液体である。このような
液体としては、例えば、公知の有機系調質圧延剤、鉱油
系や油脂系や合成エステル系などの公知の冷間圧延潤滑
剤、あるいは水をそれぞれ単独にあるいは混合して使用
することができる。好ましくは有機系調質圧延剤であ
る。
【0035】本発明で用いる吸水性部材としては、例え
ば、鋼製のアーバ部と吸水性を有するスリーブとから構
成し、ワークロールに当接して従動回転する吸水性ロー
ル、あるいは、鋼製の板状部材の表面に吸水性の素材を
貼り付けた構造の吸水性面板などを用いることができ
る。好ましくは、保守性や耐久性の観点から吸水性ロー
ルである。
【0036】吸水性ロールに用いるスリーブの素材や吸
水性面板に用いる吸水性の素材としては、スポンジ、フ
ェルトおよび布等を挙げることができるが、吸水性と耐
久性を有すれば他の材質であってもよい。好ましくはフ
ェルトである。
【0037】通常、ワークロールとしては、表面粗度が
Raで0.02μm程度以下の鏡面仕上げされたロール
が用いられるが、このワークロール表面の凹凸を十分満
たす量の液体が供給されると、吸水性部材とワークロー
ルとの間に液溜まりが形成される。この液溜まりが吸水
性部材の保水限界にくると、過剰な液体がワークロール
と被圧延材との間に供給され、光沢が低下したり、伸び
率が大きくなることがある。すなわち、伸び率が一定に
なるように圧延荷重を調整すると、光沢が低下し、光沢
が低下しないように圧延荷重を一定にすると伸び率が大
きくなる。
【0038】したがって、液体の吹き付け量は、ワーク
ロール1本当たり、下記(1)式で規定される基準値Q
0 (単位:mL/分)の50倍未満とするのが望まし
い。
【0039】 Q0 =W・V・R (1) 但し、V:圧延速度(m/分)、 W:板幅(m)、 R:ワークロール表面粗度Ra(μm)。
【0040】ワークロールと被圧延材との間に供給され
る液体の量が過小では、ワークロールと被圧延材とが金
属接触し、異物の移着が発生し、表面光沢が低下しやす
い。また、微細な液滴は高圧気体とともに噴射されるた
め、ワークロール表面に衝突する以外にも周囲に飛散す
る。従って、付着効率も考慮し、液体の吹き付け量は、
ワークロール1本当たり、上記(1)式で規定される基
準値Q0 の2倍超とするのが望ましい。
【0041】図3は、本発明に使用するノズルの例を示
す断面図である。符号3はノズル、10は第1噴射管、
11は第2噴射管、12は液体、13は気体、14は液
滴である。
【0042】図3に示すように、ノズルは、その内部に
液体を噴射する第2噴射管と、その外側に気体を噴射す
る第1噴射管とを有し、液体に気体を混合し微細な液滴
として噴射することができる。なお、以下、このノズル
を噴霧ノズルともいい、この噴霧ノズルを用いた圧延を
噴霧圧延ともいう。
【0043】ワークロールへの液体の付着性を高めるた
めに、ノズルはワークロール表面にに近接させて設ける
のがよい。具体的には、ノズルとワークロール表面との
間の距離は300mm以下とするのがよい。
【0044】なお、光沢低下の原因となる酸化物等の異
物は、焼鈍酸洗工程において発生するが、鋼板の表裏面
と板幅方向に均一に付着するのでなく、部分的に付着し
ていることがある。このような場合には、異物が付着し
ている部分に対応するワークロール部分にのみ液体を吹
き付けてもよい。
【0045】
【実施例】(実施例1)図1に示す基本構成の直径が7
60mmで表面粗度がRaで0.02μmのワークロー
ルを備えた2段式の調質圧延機を有する調質圧延装置を
焼鈍酸洗工程に直結した設備を用いた。
【0046】図1に示すように、上ノズル3aと上吸水
性部材4aとを上ワークロール2aの出側に、また、下
ノズル3bと下吸水性部材4bとを下ワークロール2b
の出側に設けた。上吸水性部材と下吸水性部材は、共
に、鋼製のアーバをフェルトで被覆した吸水性ロールと
した。上ノズルと下ノズルは、共に、図3に示す構造
で、開口径0.2mmの噴射ノズルを用い、それぞれ幅
方向に等間隔で4個づつ配置した。ノズル先端とロール
表面との間の距離は300mmとした。
【0047】液体には、水溶性の有機系潤滑剤を原液で
使用した。気体は空気を用いた。
【0048】上記設備を用い、板厚:0.4mm、板幅
1000mmのフェライト系ステンレス鋼帯(SUS430-2
D )を焼鈍酸洗した後、所定量の有機系潤滑剤を上下ワ
ークロールに吹き付けると共に、上下吸水性部材をワー
クロールの出側表面に当接して、伸び率の狙い値:0.
7%、圧延速度:100m/分で調質圧延を行った。
【0049】調質圧延時の伸び率を測定するとともに、
約100ton圧延した後、コイルボトム部の表面の光
沢度、写像鮮映性を測定するとともに、光沢ムラの発生
状況を調査した。表面光沢度は、光沢度計を用い、入射
角25°での光沢度(Gs25°)を測定した。写像鮮
映度は、検査員の目視により10段階(10:良、・・
・、1:不良)で評価した。光沢ムラは、目視で発生無
し:○、発生有り:×とした。
【0050】なお、比較のため、吸水性ロールを使用し
ない条件での噴霧圧延(比較例1)と、有機系潤滑剤の
吹き付けを停止した、いわゆるドライ圧延(比較例2)
と、従来のウエット圧延(比較例3)とによる調質圧延
を実施した。なお、比較例1〜3の調質圧延では、伸び
率が0.7%になるように圧延荷重を調整した。
【0051】表1に主要条件と調査結果を示す。
【0052】表1に示すように、本発明例は、比較例1
〜3に比べ光沢度・写像鮮映度ともに優れ、光沢ムラも
無く表面性状は良好であった。
【0053】(実施例2)実施例1で使用した調質圧延
装置を用い、板厚:0.6mm、板幅1000mmのフ
ェライト系ステンレス鋼帯を焼鈍酸洗した後、噴霧ノズ
ルで水溶性の有機系潤滑剤の原液をワークロールに吹き
付けると共に、上下の吸水性部材をワークロールに当接
し、圧延荷重を一定にして圧延速度:100m/分で調
質圧延を行った。なお、この圧延荷重は、ドライ圧延時
に伸び率が0.7%となる値である。
【0054】調質圧延に際しては、圧延油の吹き付け量
を変更して、それぞれの条件で約100トンの圧延を実
施し、圧延時の伸び率を調査すると共に、コイル後端部
の光沢度、写像鮮映度を測定するとともに光沢ムラの発
生状況を調査した。光沢度、写像鮮映度、光沢ムラの評
価方法は実施例1と同様である。
【0055】なお、比較のために、ドライ圧延による調
質圧延も実施した。
【0056】表2に主要な条件とともに調査結果を示
す。
【0057】同表に示すように、本発明例は、比較例に
比べ、光沢度、写像鮮映度ともに優れ、また、光沢ムラ
の発生もなかった。特に本発明で規定した吹き付け量を
満足する本発明例1〜5は、比較例のドライ圧延と同じ
伸び率で、比較例に比べ高い光沢度、高い写像鮮映度が
得られた。なお、本発明例6、7は、伸び率が若干高く
なったが、問題ないレベルであった。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、ドライ圧延と同程度の
伸び率を維持しながら、鋼帯表面からロールへの異物付
着を防止し、光沢ムラの発生を抑制し、光沢と写像鮮映
度に優れたステンレス鋼帯の製造が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を説明する調質圧延装置の
模式図である。
【図2】本実施形態に係るノズルと吸水性部材の設置位
置を模式的に示す上ワークロールの斜視図である。
【図3】本発明に使用するノズルの例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1:調質圧延機、2a:上ワークロール、2b:下ワー
クロール、3:ノズル、3a:上ノズル、3b:下ノズ
ル、4a:上吸水性部材、4b:下吸水性部材、5:ス
テンレス鋼帯、6:気体圧設定装置、7:液圧設定装
置、10:第1噴射管、11:第2噴射管、12:液
体、13:気体、14:液滴。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を気体と混合して微細な液滴として
    上ノズルと下ノズルとからそれぞれ上ワークロールの表
    面と下ワークロールの表面とに吹き付けて行うステンレ
    ス鋼帯の調質圧延に際し、各ワークロールの回転方向に
    対して各ノズルの後方にそれぞれ吸水性部材を設け、該
    吸水性部材をそれぞれ上ワークロールの表面と下ワーク
    ロールの表面に当接して調質圧延を行うことを特徴とす
    るステンレス鋼帯の調質圧延方法。
  2. 【請求項2】 吸水性部材を当接する上ワークロールの
    表面が上ワークロールの出側表面であることを特徴とす
    る請求項1に記載のステンレス鋼帯の調質圧延方法。
  3. 【請求項3】 上記液体の吹き付け量が、ワークロール
    1本当たり、下記式で規定される基準値Q0 (単位:m
    L/分)の50倍未満であることを特徴とする請求項1
    または2に記載のステンレス鋼帯の調質圧延方法。 Q0 =W・V・R 但し、V:圧延速度(m/分)、 W:板幅(m)、 R:ワークロール表面粗度Ra(μm)。
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