JP2001232281A - 過熱水蒸気を用いた塗装方法 - Google Patents

過熱水蒸気を用いた塗装方法

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JP2001232281A
JP2001232281A JP2000052237A JP2000052237A JP2001232281A JP 2001232281 A JP2001232281 A JP 2001232281A JP 2000052237 A JP2000052237 A JP 2000052237A JP 2000052237 A JP2000052237 A JP 2000052237A JP 2001232281 A JP2001232281 A JP 2001232281A
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steam
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Riyouhei Nanba
瞭平 難波
Susumu Nishikawa
進 西川
Yoshihiro Ishida
良廣 石田
Kazuhiko Yazaki
和彦 矢崎
Taizo Kawamura
泰三 川村
Yoshitaka Uchibori
義隆 内堀
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Kogi Corp
Seta Giken KK
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Kogi Corp
Seta Giken KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗装後の被塗装物の耐食性を向上できる過熱
水蒸気を用いた塗装方法を提供する。 【解決手段】 被塗装物の表面に過熱水蒸気による前処
理を施した後、前記被塗装物の表面に塗装を行う過熱水
蒸気を用いた塗装方法である。過熱水蒸気による前処理
を施すと、被塗装物の表面の汚れが十分に除去される。
また、被塗装物の表面に塗装に有効な酸化物等の皮膜が
形成される。このように、汚れを除去すると共に、皮膜
が形成されるため、塗装後に被塗装物の耐食性が向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗装方法に関し、
特に、鋳鉄・鋳鋼・鋼等の金属に対して塗装前に施す前
処理に関する。
【0002】
【従来の技術】被塗装物の表面に存在する水分、油分、
ヤニ、錆、ゴミ等の汚れは、塗膜の一次物性を阻害する
と共に、塗膜の耐久性や塗装面の外観に影響を与えるた
め、従来から塗装を行うに際しては、被塗装物の表面に
付着した汚れを十分に除去する前処理が行われている。
この前処理を行わずに、被塗装物の表面に汚れが付着し
たまま粗雑な塗装を行うと、塗膜のわれ、はがれ、ふく
れ等の原因となる。
【0003】被塗装物が金属、特に、鋳鉄、鋳鋼、鋼で
ある場合、その代表的な汚れは、防錆油、プレス油、切
削油、薬品、水分、すず、ゴミ、チョークマーク、ペイ
ントマーク、赤錆、溶接フラックス、スパッタ、指紋等
である。これらの汚れを十分に除去するための前処理と
しては、処理薬品による化学的な除去方法と、ブラス
ト、サンドペーパー等による物理的な除去方法とがある
が、一般には、物理的な除去方法が主流である。
【0004】物理的な除去方法は、ショットブラストや
サンドペーパー等により被塗装物の表面を処理した後、
水洗や湯洗や純水水洗により被塗装物の表面に付着した
汚れを除去する方法である。このように、被塗装物の汚
れを除去した後、塗装が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
塗装方法では、塗装後の被塗装物の耐食性が十分ではな
いという問題点がある。
【0006】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは、塗装後の被塗装物
の耐食性を向上できる過熱水蒸気を用いた塗装方法を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
発明者は、鋭意検討の結果、塗装の前処理である物理的
な除去方法に代えて、過熱水蒸気を用いて前処理を行う
と、被塗装物の耐食性が向上することを発見した。この
理由についてさらに検討、考察した結果、過熱水蒸気
は、被塗装物の表面に塗装に有効な酸化物等の皮膜を形
成し、この作用により塗装後の被塗装物の耐食性が向上
するのではないかという知見を得た。
【0008】上記知見に基づいた請求項1記載の発明
は、被塗装物の表面に過熱水蒸気による前処理を施した
後、前記被塗装物の表面に塗装を行う過熱水蒸気を用い
た塗装方法である。
【0009】過熱水蒸気による前処理を施すと、被塗装
物の表面の汚れが十分に除去される。また、過熱水蒸気
は、一般的に脱油作用を有することが知られているが、
過熱水蒸気を用いて前処理を行うと、脱油作用に加え
て、被塗装物の表面に塗装に有効な酸化物等の皮膜を形
成する。このように、汚れを除去すると共に、皮膜を形
成するため、塗装後に被塗装物の耐食性が向上する。ま
た、水洗や湯洗や純水水洗により前処理を行うと、水洗
や湯洗や純水水洗により生じる排水を高価な処理装置を
用いて処理する必要があるが、過熱水蒸気による前処理
を行うと、水洗や湯洗や純水水洗を必要としないため、
排水処理が不要になる。
【0010】また、前記過熱水蒸気による前処理を施す
時間は、平均で15分以上であるのが好ましい。被塗装
物に過熱水蒸気を平均で15分以上作用させると、汚れ
の除去と皮膜の形成が十分なされる。
【0011】また、前記過熱水蒸気を所定量作用させて
前処理するのが好ましい。過熱水蒸気を作用させる量を
多くすると、前処理時間を短縮できる。
【0012】また、被塗装物は、鋳鉄、鋳鋼、鋼等の金
属であることが好ましい。
【0013】請求項2記載の発明は、前記過熱水蒸気
は、電磁誘導加熱により水蒸気を過熱して得られたもの
である請求項1記載の過熱水蒸気を用いた塗装方法であ
る。電磁誘導加熱により過熱された過熱水蒸気は、電磁
誘導加熱により発熱した発熱体に水蒸気を接触させるこ
とによって間接的に過熱されて得られる過熱水蒸気であ
り、水蒸気が直接過熱されるのではない。
【0014】請求項3記載の発明は、電磁誘導加熱によ
り過熱された過熱水蒸気だけが充満した雰囲気中で被塗
装物の表面に前記過熱水蒸気による前処理を施した後、
前記被塗装物の表面に塗装を行う過熱水蒸気を用いた塗
装方法である。ここで、過熱水蒸気だけが充満した雰囲
気とは、空気或いは窒素ガス等の不活性ガスが含まれな
い状態をいう。
【0015】請求項4記載の発明は、前記過熱水蒸気
は、多数の板を積層して通路を形成した積層体を電磁誘
導加熱し、この加熱された積層体の通路に水蒸気を流し
て過熱することにより得られる請求項1乃至請求項3の
いずれかに記載の過熱水蒸気を用いた塗装方法である。
電磁誘導による磁場及び電場が高密度に作用する積層体
で水蒸気を過熱すると、通常のボイラーや電熱ヒータを
用いて過熱した場合に比べて、出来た過熱水蒸気は活性
化されている可能性があり、このような過熱水蒸気によ
り被塗装物の表面に塗装に有効な酸化物等の皮膜が十分
に形成される。
【0016】請求項5記載の発明は、前記塗装が、電着
塗装である請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の過
熱水蒸気を用いた塗装方法である。電着塗装の工程は、
一般に、ショットブラスト、水洗、純水水洗、電着、第
1水洗、第2水洗、乾燥の順に行われるが、本発明で
は、水洗と純水水洗に代えて、過熱水蒸気を用いて前処
理を行う。尚、電着塗装は、金属、特に鋳鉄や鋳鋼や鋼
の塗装に適している。
【0017】請求項6記載の発明は、前記過熱水蒸気の
温度が250℃以上である請求項1乃至請求項5のいず
れかに記載の過熱水蒸気を用いた塗装方法である。25
0℃以上の過熱水蒸気を用いて前処理を行うと、耐食性
の向上が顕著になるが、好ましくは、400℃以上であ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を電着塗
装する場合を例に説明する。まず、被塗装物の表面に塗
料が付きやすくなるように、ショットブラストやサンド
ペーパー等により被塗装物の表面を処理する。次に、被
塗装物を250℃以上の過熱水蒸気だけが充満した過熱
水蒸気雰囲気下に晒し、被塗装物の表面に過熱水蒸気を
作用させる。被塗装物の表面に過熱水蒸気を作用させる
と、被塗装物の表面に付着した汚れが除去される。ま
た、汚れの除去に加えて、被塗装物の表面に塗装に有効
な酸化物等の皮膜が形成されると考えられる。
【0019】このように、被塗装物の表面に付着した汚
れを除去すると共に、皮膜を形成させた後、被塗装物の
表面に電着塗装を行う。電着塗装が終了すると、第1水
洗、第2水洗、乾燥処理が施されて過熱水蒸気を用いた
塗装が完了する。
【0020】尚、過熱水蒸気の温度を250℃以上とし
て説明したが、好ましくは、400℃以上の過熱水蒸気
を用いるのが良い。また、被塗装物を過熱水蒸気の雰囲
気下に晒して被塗装物の表面に過熱水蒸気を作用させる
場合に限られず、被塗装物の表面に過熱水蒸気を直接吹
きつけて被塗装物の表面に過熱水蒸気を作用させてもよ
い。また、本実施形態では、電着塗装の場合を例に説明
したが、電着塗装の場合に限られず、その他の塗装の前
処理として、被塗装物の表面に過熱水蒸気を作用させて
もよい。
【0021】次に、本実施形態に係る過熱水蒸気を用い
た塗装方法に使用できる前処理装置の一例を図1に基づ
いて説明する。図1に示すように、前処理装置1は、被
塗装物に過熱水蒸気を作用させる処理室2と、過熱水蒸
気発生部3とを備え、過熱水蒸気発生部3で発生した過
熱水蒸気を処理室2に導入し、処理室2内の被塗装物の
表面に過熱水蒸気を作用させるようになっている。
【0022】処理室2には、被塗装物の搬入口2aと搬
出口2bが設けられており、被塗装物を搬入口2aから
搬出口2bに移送する複数のローラ6が設けられてい
る。また、処理室2の中央部には、過熱水蒸気を噴射す
るノズルがローラ6を介して上下に設けられている。さ
らに、処理室2には、処理室2内の温度を検出する温度
センサー(図示せず)が設けられている。
【0023】過熱水蒸気発生部3は、電磁誘導加熱装置
10と、図示されない水供給源とを備えており、水供給
源から電磁誘導加熱装置10に水を供給し、電磁誘導に
より、水から水蒸気へ、水蒸気から過熱水蒸気へと2段
階で過熱水蒸気を発生させるようになっている。
【0024】電磁誘導加熱装置10は、図2に示すよう
に、電磁誘導加熱部11、12と高周波電源19とで構
成されている。電磁誘導加熱部11、12は、発熱体1
3、14と、コイル15、16と、非磁性体のパイプ1
7、18とを備え、コイル15、16は高周波電源19
に接続されている。
【0025】発熱体13、14は、円筒状に形成された
非磁性体のパイプ17、18に収容されており、高周波
電源19からコイル15、16に電力が供給されると、
渦電流を発生し、発熱するようになっている。
【0026】パイプ17、18は、発熱体13、14を
収容すると共に、流体の通路を形成する。このパイプ1
7、18は、非磁性体で耐熱性に優れたセラミックス製
のパイプで、例えば、窒化珪素で形成されている。
【0027】コイル15、16は、パイプ17、18の
外周に巻かれており、発熱体に磁束を透過させるように
なっている。高周波電源19は、高周波インバータであ
り、コイル15及び図2に示す容器2内の温度センサー
7に接続されており、温度センサー7が検出した容器2
内の過熱水蒸気の温度に応じてコイル15、16に電力
を供給し、発熱体を発熱させるようになっている。
【0028】以上のように、電磁誘導加熱装置10は、
まず、電磁誘導加熱部11で水を水蒸気に加熱し、次
に、電磁誘導加熱部12で水蒸気を所定温度の過熱水蒸
気まで過熱するようになっている。電磁誘導加熱装置1
0は、過熱水蒸気の温度制御を容易に行うことができ、
また、小型化できるため、過熱水蒸気発生部3を小型化
することができる。尚、水から水蒸気に加熱する段階で
は、電磁誘導加熱によらなくても、通常のボイラーや電
熱ヒータを用いて水から水蒸気に加熱してもよい。
【0029】次に、上記の前処理装置を用いた過熱水蒸
気を用いた前処理方法を図1に基づいて説明する。ま
ず、被塗装物を搬入口2aから処理室2内に搬入する。
被塗装物が処理室2内に搬入されると、過熱水蒸気発生
部3において、図示されない水供給源から電磁誘導加熱
部11に水が供給され、水蒸気まで加熱される。そし
て、この水蒸気が電磁誘導加熱部12で250℃以上の
所定温度の過熱水蒸気まで過熱される。尚、250℃以
上の所定温度の過熱水蒸気まで過熱される際、高周波電
源19は、処理室2内の温度センサーが検出した処理室
2内の過熱水蒸気の温度に応じてコイル15、16に電
力を供給し、発熱体13、14を発熱させる。発熱体1
3、14は、渦電流を発生して発熱し、水蒸気を250
℃以上の所定温度の過熱水蒸気まで過熱する。電磁誘導
加熱装置10によれば、過熱水蒸気の温度制御が容易で
ある。
【0030】次に、過熱された250℃以上の所定温度
の過熱水蒸気をノズル4、5から被塗装物7に噴射す
る。被塗装物7は、ローラ6により搬出口2bに向けて
移送されるため、被塗装物の表面全体に過熱水蒸気が吹
きつけられ、被塗装物7の表面の汚れが除去されると共
に、被塗装物7の表面に塗装に有効な酸化物等の皮膜が
形成される。この時、処理室2内は、250℃以上の所
定温度の過熱水蒸気が充満し、空気や窒素等の不活性ガ
スが含まれない状態である。
【0031】次に、発熱体13、14として積層体を用
いた場合を説明する。例えば、図3に示すように、ジグ
ザグの山型に折り曲げられた第1金属板31と平らな金
属板32とを交互に積層し、全体として円筒状の積層体
に形成した発熱体30を図2に示す発熱体13、14の
例として用いた場合を説明する。各金属板31、32の
材質としては、SUS447J1の如きマルテンサイト
系ステンレスが用いられる。
【0032】発熱体30は、図4に示すように、第1金
属板31の山(又は谷)33を中心軸34に対して角度
αだけ傾くように配設し、第2金属板32を挟んで隣り
合う第1金属板31の山(又は谷)33は交差するよう
に配設されている。そして、隣り合う第1金属板31に
おける山(又は谷)33の交差点において、第1金属板
31と第2金属板32とがスポット溶接で溶着され、電
気的に導通可能に接合されている。
【0033】これで、最外周の第1金属板31と第2金
属板32との間には、角度αだけ傾いた第1小流路35
が形成され、次の第2金属板32と第1金属板31との
間は、角度−αだけ傾いた第2小流路36が形成され、
この第1小流路35と第2小流路36は角度2×αで交
差している。又第1金属板31や第2金属板32には、
水又は水蒸気の乱流を生じさせるための第3小流路とし
ての孔37が形成されている。更に、第1金属板31や
第2金属板32の表面は平滑でなく、梨地加工又はエン
ボス加工によって微小な凹凸38が施されている。この
凹凸38は山(又は谷)33の高さと比較して無視でき
る程度に小さい(図4参照)。
【0034】この発熱体30をパイプ17、18に挿入
し、コイル15、16に高周波電流を流して、発熱体3
0に高周波磁界を作用させると、磁力線を横切るように
斜めに配置された第1金属板31と第2金属板32の全
体に渦電流が生じ、発熱体30の全体が均一に発熱す
る。発熱体30は、各金属板31、32を形成するSU
S447J1等の磁気特性(キューリ点)で決まる温度
(600℃程度)まで発熱することが可能となる。
【0035】又図4のように、発熱体30内で交差する
第1小流路35と第2小流路36で周辺と中央部との水
又は水蒸気の拡散が行われ、加えて第3小流路となる孔
37の存在によって、第1小流路35と第2小流路36
間の厚み方向の拡散も行われる。従って、各小流路3
5、36、37によって発熱体8の全体にわたる水又は
水蒸気のマクロ的な拡散、放散、揮散が生じると共に、
表面の微小な凹凸38によってミクロ的な拡散、放散、
揮散も生じる。この結果、発熱体30を通過する水又は
水蒸気は略均一な流れになって、第1金属板31及び第
2金属板32と水又は水蒸気との均一な接触機会が与え
られ、均一な加熱が確保される。
【0036】以上のように、積層体を用いた電磁誘導加
熱装置で水蒸気を過熱すると、水蒸気に電磁誘導による
磁場及び電場が高密度に作用し、出来た過熱水蒸気は活
性化されている可能性があり、このような過熱水蒸気に
より被塗装物7の表面の微細な孔の中に存在する酸素が
効率的に除去される。尚、水から水蒸気に加熱する段階
では、電磁誘導加熱によらなくても、通常のボイラーや
電熱ヒータを用いて水から水蒸気に加熱してもよい。
【0037】尚、過熱水蒸気を用いた上記塗装方法は、
本実施形態に係る過熱水蒸気を用いた塗装方法の一例に
すぎないため、本実施形態に係る過熱水蒸気を用いた塗
装方法は上記方法に限定されるものではない。
【0038】次に、本実施形態に係る過熱水蒸気を用い
た塗装方法に使用できる前処理装置の他の例を図5に基
づいて説明する。図5に示すように、前処理装置41
は、被塗装物に過熱水蒸気を作用させる処理室42と、
過熱水蒸気発生部43とを備え、過熱水蒸気発生部43
で発生した過熱水蒸気を処理室42に導入し、処理室4
2内の被塗装物47の表面に過熱水蒸気を作用させるよ
うになっている。
【0039】処理室42には、被塗装物47を載置する
多孔体44が設けられている。多孔体44には、過熱水
蒸気が均一に通過して被塗装物47の表面に作用するよ
うに、多数の孔が設けられている。また、処理室42に
は、過熱水蒸気を導入する導入口42aと、被塗装物に
作用した過熱水蒸気を排出する排出口42bが設けられ
ている。さらに、処理室42には、処理室42内の温度
を検出する温度センサー(図示せず)が設けられてい
る。尚、過熱水蒸気発生部43は、図1に示す過熱水蒸
気発生部3と同様のものであるので、説明を省略する。
【0040】次に、上記の前処理装置41を用いた過熱
水蒸気を用いた前処理方法を図5に基づいて説明する。
まず、被塗装物を多孔体44の上に載置し、250℃以
上の所定温度の過熱水蒸気を導入口42aから供給す
る。導入口42aから供給された過熱水蒸気は、多孔体
44の下から被塗装物に均一に作用し、被塗装物47の
表面の汚れを除去すると共に、被塗装物47の表面に塗
装に有効な酸化物等の皮膜を形成する。この時、処理室
42内は、250℃以上の所定温度の過熱水蒸気が充満
し、空気や窒素等の不活性ガスが含まれない状態であ
る。
【0041】
【実施例】次に、本発明に係る過熱水蒸気を用いた塗装
方法を以下の条件の下に行った。
【0042】<実施例1> <前処理の条件>試験片には、普通鋳鉄材を使用した。
試験片の寸法は、50×100mm、厚み6mmである。前
処理装置は、図5に示すものを使用した。過熱水蒸気の
雰囲気温度は、250℃とした。試験片を過熱水蒸気の
雰囲気下に15分晒した。
【0043】<電着塗装の条件>電着塗料には、パワー
トップエクセル220ブラックを使用した。膜厚は、3
0〜35ミクロンに形成した。焼き付け条件は、140
℃×20分とした。
【0044】<実施例2> <前処理の条件>過熱水蒸気の雰囲気温度は、400℃
とした。その他の条件は、実施例1と同様である。 <電着塗装の条件>実施例1と同様である。
【0045】<比較例> <前処理の条件>実施例1及び実施例2と異なり、試験
片を水洗した後、純水水洗した。 <電着塗装の条件>実施例1及び実施例2と同様であ
る。
【0046】実施例1、実施例2、比較例により塗装さ
れた試験片を用いて耐食性能試験を行った。実施例1、
実施例2、比較例により塗装された各試験片に5%の食
塩水を連続240時間噴霧し、各試験片の腐食の状態を
調べると、表1のような結果となった。尚、評価の良い
順に◎、○、×である。
【0047】
【表1】
【0048】250℃の過熱水蒸気を用いて前処理を行
った実施例1では、図6に示すように、試験片は、ほと
んど腐食しなかった。また、400℃の過熱水蒸気を用
いて前処理を行った実施例2では、図7に示すように、
試験片は、全く腐食しなかった。これに対して過熱水蒸
気による前処理を行わず、水洗、純水水洗による前処理
を行った比較例では、試験片は、図8に示すように、腐
食した。
【0049】以上の耐食性能試験の結果、過熱水蒸気を
用いた前処理を行うと、耐食性が向上することが実証さ
れた。
【0050】
【発明の効果】請求項1乃至請求項6のいずれかに記載
の発明は、過熱水蒸気の作用により被塗装物の表面に塗
装に有効な酸化物等の皮膜が形成される可能性があると
考えられるため、塗装後に被塗装物の耐食性が向上する
という効果を奏する。また、水洗や湯洗や純水水洗によ
り前処理を行うと、水洗や湯洗や純水水洗により生じる
排水を高価な処理装置を用いて処理する必要があるが、
過熱水蒸気による前処理を行うと、水洗や湯洗や純水水
洗を必要としないため、排水処理が不要になるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施に係る過熱水蒸気を用いた塗装方法
に使用される前処理装置の概略を説明する図である。
【図2】電磁誘導加熱装置を説明する図である。
【図3】積層体を説明する図である。
【図4】積層体を説明する図である。
【図5】本発明実施に係る過熱水蒸気を用いた塗装方法
に使用される前処理装置の概略を説明する図である。
【図6】実施例1の腐食試験の結果を示す写真である。
【図7】実施例2の腐食試験の結果を示す写真である。
【図8】比較例の腐食試験の結果を示す写真である。
【符号の説明】 1、41 前処理装置 2、42 処理室 3、43 過熱水蒸気発生部 4、5 ノズル 6 ローラ 7、47 被塗装物 30 積層体 44 多孔体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C25D 13/20 C25D 13/20 C (72)発明者 西川 進 兵庫県姫路市大津区勘兵衛町3丁目12 虹 技株式会社内 (72)発明者 石田 良廣 兵庫県姫路市大津区勘兵衛町3丁目12 虹 技株式会社内 (72)発明者 矢崎 和彦 兵庫県姫路市大津区勘兵衛町3丁目12 虹 技株式会社内 (72)発明者 川村 泰三 大阪府茨木市美沢町19番21号 株式会社瀬 田技研内 (72)発明者 内堀 義隆 大阪府茨木市美沢町19番21号 株式会社瀬 田技研内 Fターム(参考) 4D075 AC96 BB35X BB65X BB79X BB93X CA47 DA06 DB02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗装物の表面に過熱水蒸気による前処
    理を施した後、前記被塗装物の表面に塗装を行う過熱水
    蒸気を用いた塗装方法。
  2. 【請求項2】 前記過熱水蒸気は、電磁誘導加熱により
    水蒸気を過熱して得られたものである請求項1記載の過
    熱水蒸気を用いた塗装方法。
  3. 【請求項3】 電磁誘導加熱により過熱された過熱水蒸
    気だけが充満した雰囲気中で被塗装物の表面に前記過熱
    水蒸気による前処理を施した後、前記被塗装物の表面に
    塗装を行う過熱水蒸気を用いた塗装方法。
  4. 【請求項4】 前記過熱水蒸気は、多数の板を積層して
    通路を形成した積層体を電磁誘導加熱し、この加熱され
    た積層体の通路に水蒸気を流して過熱することにより得
    られる請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の過熱水
    蒸気を用いた塗装方法。
  5. 【請求項5】 前記塗装は、電着塗装である請求項1乃
    至請求項4のいずれかに記載の過熱水蒸気を用いた塗装
    方法。
  6. 【請求項6】 前記過熱水蒸気の温度が250℃以上で
    ある請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の過熱水蒸
    気を用いた塗装方法。
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