JP2001232006A5 - - Google Patents

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【発明の名称】パチンコ遊技機
【特許請求の範囲】
【請求項1】少なくとも1個の入賞口と、入賞口への遊技球の落入又は通過を検出する入賞検出手段と、入賞検出手段の検出に基づいて賞品球を払い出す球払出手段と、球払出手段からの賞品球の払出を検出する球払出検出手段と、前記入賞検出手段と前記球払出手段の検出結果から算出される未払い賞品球数を記憶する第1の及び第2の未払い賞品球数記憶部と、入賞検出手段の検出結果と球払出検出手段の検出結果とに基づいて第1の及び第2の未払い賞品球数記憶部が記憶する未払い賞品球数を逐次更新する未払い賞品球数更新処理部と、前記第1の未払い賞品球数記憶部が記憶する未払い賞品球数が0個よりも多い場合に前記球払出手段に賞品球を払い出させる球払出制御部と、外部電源の電圧が所定の値よりも低下した場合に該電圧低下時の前記第1の未払い賞品球数記憶部の値を保持する電源異常時未払い賞品球数記憶バックアップ部と、前記第2の未払い賞品球数記憶部が記憶している未払い賞品球数が0である場合に予め定めた個数以上の賞品球の払出が検出されると払出過剰エラーが発生したと検出する払出過剰エラー監視処理部と、外部電源からの電源供給開始時には前記第2の未払い賞品球数記憶部が記憶する未払い賞品球数を0に初期化する初期設定部とを設けるとともに、電源供給開始時に第1の未払い賞品球数記憶部が記憶している未払い賞品球数に基づく払出が実行されるか否かを判定するバックアップ払出開始判定処理部と、第1の未払い賞品球数記憶部が記憶している未払い賞品球数に基づく払出の終了を検出するバックアップ払出終了検出処理部と、前記バックアップ払出開始判別処理部が第1の未払い賞品球数記憶部が記憶している未払い賞品球数に基づく払出が実行されることを検出してからバックアップ払出終了検出部が第1の未払い賞品球数記憶部が記憶している未払い賞品球数に基づく払出の終了を検出するまでの期間は、前記払出過剰エラー監視処理部の払出過剰エラー監視を停止させるエラー監視停止制御部とを具備することを特徴とするパチンコ遊技機。
【請求項2】前記バックアップ払出開始判定処理部は、電源供給開始からバックアップによる払出が開始するまでに要する時間よりも長い値であり且つ電源供給開始から電源供給開始後の入賞に関しての払出が開始するまでに要する時間よりも短い値を第1の所定時間として記憶する第1の所定時間記憶部を含み、電源供給開始から第1の所定時間内に払出が検出されるとバックアップによる払出が開始したと判定するようして、前記バックアップ払出終了検出処理部は、バックアップによる払出の間隔よりも大きな値を第2の所定時間として記憶する第2の所定時間記憶部を含み、前記バックアップによる払出が開始した後に払出間隔が第2の所定時間を超えるとバックアップ払出の終了を検出するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。
【請求項3】少なくとも1個の入賞口と、入賞口への遊技球の落入又は通過を検出する入賞検出手段と、賞品球を払い出す球払出手段と、球払出手段からの賞品球の払出を検出する球払出検出手段と、球払出制御基板に設けられ、未払い賞品球数を記憶する未払い賞品球数記憶部と、入賞検出手段の検出結果と球払出検出手段の検出結果とに基づいて未払い賞品球数記憶部が記憶する未払い賞品球数を逐次更新する未払い賞品球数更新処理部と、外部電源の電圧が所定の値よりも低下した場合に該電圧低下時の前記未払い賞品球数記憶部の値を保持し、次に前記外部電源電圧が所定の値以上になった場合に前記保持された値を基に球払出制御部に未払い賞品球を払出させるための電源異常時未払い賞品球数記憶バックアップ部と、該未払い賞品球数が0個よりも多い場合に賞品球を払い出させる球払出制御部と、前記入賞検出手段が接続され、前記入賞口への入賞に対応して所定個数の賞品球の払出しを前記球払出し基板制御基板に指令する主制御部が設けられた主制御基板とを具備し、前記主制御部には起動遅延回路が設けられており、前記主制御部に電源スイッチを介して電源が供給されると前記球払出し制御部へは前記主制御部を経由して電源が供給されると共に、前記起動遅延回路によって前記主制御部が前記球払出し制御部よりも遅く起動することを特徴とするパチンコ遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はパチンコ遊技機に関し、更に詳しくは、遊技者が遊技を行っている最中に電源遮断等の電源異常が発生した場合に、その電源異常発生時に未払いであった遊技球の払出しを電源復旧時に行うパチンコ遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パチンコ遊技機は遊技盤面に複数の入賞口を備え、各入賞口には払出し球数が予め定められている。遊技者が発射レバーを操作すると、遊技球が遊技盤面に発射されて、その遊技球が入賞口に落入すると、その入賞口に定められている払出し球数分の遊技球が払出される。また、短期間に入賞が連続したときにも正確に払い出しを行うように、払い出すべきであるのに払出しが済んでいない未払い遊技球の個数を記憶しており、その未払い遊技球個数が0よりも大であるときには遊技球を払い出して、未払い遊技球個数が0になると遊技球の払出しを停止するようにしている。そして、電源投入時には、前記未払い遊技球個数の記憶値は0にリセットされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、従来のパチンコ遊技機では、外部から供給される電源電圧の一時的な低下や電源遮断等の電源異常が発生したときに、上記の未払い遊技球個数の記憶を保持せず、次に電源が投入された時には、前記未払い遊技球個数の記憶値が0にリセットされるので、かかる電源異常が発生した時の未払い遊技球個数分については、払い出しが実行されないという問題がある。
【0004】
本発明は、前記問題に鑑みて、例えば電源電圧の一時的な低下や電源遮断等の電源異常が発生した場合に、かかる電源異常の発生したときに未払いであった賞品球を電源復帰後に正確に払い出すパチンコ遊技機を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の請求項1にかかるパチンコ遊技機は、少なくとも1個の入賞口と、入賞口への遊技球の落入又は通過を検出する入賞検出手段と、入賞検出手段の検出に基づいて賞品球を払い出す球払出手段と、球払出手段からの賞品球の払出を検出する球払出検出手段と、前記入賞検出手段と前記球払出手段の検出結果から算出される未払い賞品球数を記憶する第1の及び第2の未払い賞品球数記憶部と、入賞検出手段の検出結果と球払出検出手段の検出結果とに基づいて第1の及び第2の未払い賞品球数記憶部が記憶する未払い賞品球数を逐次更新する未払い賞品球数更新処理部と、前記第1の未払い賞品球数記憶部が記憶する未払い賞品球数が0個よりも多い場合に前記球払出手段に賞品球を払い出させる球払出制御部と、外部電源の電圧が所定の値よりも低下した場合に該電圧低下時の前記第1の未払い賞品球数記憶部の値を次に前記外部電源電圧が所定の値以上になるまで保持する電源異常時未払い賞品球数記憶バックアップ部と、前記第2の未払い賞品球数記憶部が記憶している未払い賞品球数が0である場合に予め定めた個数以上の賞品球の払出が検出されると払出過剰エラーが発生したと検出する払出過剰エラー監視処理部と、外部電源からの電源供給開始時には前記第2の未払い賞品球数記憶部が記憶する未払い賞品球数を0に初期化する初期設定部とを設けるとともに、電源供給開始時に第1の未払い賞品球数記憶部が記憶している未払い賞品球数に基づく払出が実行されるか否かを判定するバックアップ払出開始判定処理部と、第1の未払い賞品球数記憶部が記憶している未払い賞品球数に基づく払出の終了を検出するバックアップ払出終了検出処理部と、前記バックアップ払出開始判別処理部が第1の未払い賞品球数記憶部が記憶している未払い賞品球数に基づく払出が実行されることを検出してからバックアップ払出終了検出部が第1の未払い賞品球数記憶部が記憶している未払い賞品球数に基づく払出の終了を検出するまでの期間は、前記払出過剰エラー監視処理部の払出過剰エラー監視を停止させるエラ ー監視停止制御部とを具備することを要旨とするものである。
【0006】
ここで、未払い賞品球数とは、前記入賞検出手段の検出結果から算出される払い出すべき賞品球数から、球払出手段の検出結果から算出される既に払い出しが済んだ賞品球数を減算した数をいう。また、第1の未払い賞品球数記憶部が記憶している未払い賞品球数に基づく払出(以下、バックアップによる払出しという)とは、電源供給が中断したときに第1の未払い賞品球数記憶部が記憶している未払い賞品球数が1以上であることにより開始する払出をいう。このように構成することにより、外部電源に異常が発生すると、その時の未払い賞品球数記憶値が次に外部電圧が所定の値以上になるまで保持され、電源復旧後には保持された未払い賞品球数記憶値に対して、その後の入賞検出手段の検出結果と球払出検出手段の検出結果とに基づいて逐次更新処理が実行され、該未払い賞品球数を0にするように賞品球を払い出すので、遊技途中に電源異常が発生しても、電源異常発生前及び復帰後の入賞数に正確に対応する個数の賞品球を払い出す。
【0007】
また、未払い賞品球数を記憶する第2の未払い賞品球数記憶部と、前記入賞検出手段の検出結果と前記球払出検出手段の検出結果とに基づいて第2の未払い賞品球数記憶部が記憶する未払い賞品球数を逐次更新する第2の未払い賞品球数更新処理部と、前記第2の未払い賞品球数記憶部が記憶している未払い賞品球数が0である条件下に予め定めた個数以上の賞品球の払出が検出されると払出過剰エラーが発生したものと検出する払出過剰エラー監視処理部とを設けると、払出過剰エラーの検出が可能になる。また、電源投入時に払出過剰エラーの検出の基準となる第2の未払い賞品球数記憶部の記憶値が0に初期化され、初期化された未払い賞品球数値に基づいて払出過剰エラーを検出するので、第2の未払い賞品球数記憶部の値を電源中断中に保持する手段を設ける必要がない。
【0008】
更に、電源供給開始時にバックアップによる払出が実行されるか否かを判定するバックアップ払出開始判定処理部と、バックアップによる払出の終了を検出するバックアップ払出終了検出処理部と、前記バックアップ払出開始判別処理部がバックアップによる払出が実行されると判別してからバックアップ払出終了検出部がバックアップによる払出の終了を検出するまでの期間は前記払出過剰エラー監視処理部の払出過剰エラー監視を停止させるエラー監視停止制御部とを設けている。
【0009】
電源供給再開時には、第1の未払い賞品球記憶部の記憶値は0以上であり、第2の未払い賞品球記憶部の記憶値は0であり、電源供給再開後には、入賞検出手段及び払出検出手段の検出結果に基づいて夫々の記憶値を逐次更新するので、それ以降も第1の未払い賞品球記憶部の記憶値は第2の未払い賞品球記憶部の記憶値以上である。すなわち、電源供給が中断された後に再開されると、第1の未払い賞品球数記憶値は中断時に保持されて、その第1の未払い賞品球数記憶値が1以上であれば賞品球の払出が電源供給再開後に実行される一方で、第2の未払い賞品球記憶値は中断時に保持されず再開時に0に初期化され、第1の未払い賞品球数記憶値と第2の未払い賞品球数記憶値とが一致しなくなるが、このようにすると、払出過剰エラーの誤検出が生じ得るバックアップによる払出が行われている期間には払出過剰エラー監視を停止させることにより、前記払出過剰エラー監視処理部が、払出過剰エラーを誤って検出されることがなく、本当は正当な払出であるものを過剰な払出であると判断して払出過剰エラーの発生を誤って検出してしまうするという問題が生じない。
【0010】
そして、バックアップによる払出が終了した時には前記第1の未払い賞品球数記憶部の記憶値は0であり、その時の第2の未払い賞品球記憶部の記憶値はそれ以下の値、即ち、0であるので、前記第1の未払い賞品球記憶部の記憶値と前記第2の未払い賞品球記憶部の記憶値とが一致するようになる。、従って、バックアップ払出終了後には正しく払出過剰エラーを検出する。
【0011】
また、請求項2の発明のように、前記バックアップ払出開始判定処理部は、電源供給開始からバックアップによる払出が開始するまでに要する時間よりも長い値であり且つ電源供給開始から電源供給開始後の入賞に関しての払出が開始するまでに要する時間よりも短い値を第1の所定時間として記憶する第1の所定時間記憶部を含み、電源供給開始から第1の所定時間内に払出が検出されるとバックアップによる払出が開始したと判定するようして、前記バックアップ払出終了検出処理部は、バックアップによる払出の間隔よりも大きな値を第2の所定時間として記憶する第2の所定時間記憶部を含み、前記バックアップによる払出が開始した後に払出間隔が第2の所定時間を超えるとバックアップ払出の終了を検出するようにするとよい。
【0012】
このように構成されたパチンコ遊技機によれば、電源供給開始から最初の払出が開始するまでの時間を前記第1の所定時間と比較して、バックアップによる払出の開始の有無を判定することができ、バックアップによる払出が開始して終了するまでは、払出間隔は前記第2の所定時間を超えないので、払出の間隔を前記第2の所定時間と比較して、バックアップによる払出の終了を検出することができる。従って、バックアップ払出開始判定処理部は、払出検出手段の検出結果を監視するだけでバックアップの開始を判定することができ、バックアップ払出終了検出処理部は、払出検出手段の検出結果を監視するだけでバックアップの終了を判定することができる。
【0013】
更に、請求項3に記載の発明のように、少なくとも1個の入賞口と、入賞口への遊技球の落入又は通過を検出する入賞検出手段と、賞品球を払い出す球払出手段と、球払出手段からの賞品球の払出を検出する球払出検出手段と、球払出制御基板に設けられ、未払い賞品球数を記憶する未払い賞品球数記憶部と、入賞検出手段の検出結果と球払出検出手段の検出結果とに基づいて未払い賞品球数記憶部が記憶する未払い賞品球数を逐次更新する未払い賞品球数更新処理部と、外部電源の電圧が所定の値よりも低下した場合に該電圧低下時の前記未払い賞品球数記憶部の値を保持し、次に前記外部電源電圧が所定の値以上になった場合に前記保持された値を基に球払出制御部に未払い賞品球を払出させるための電源異常時未払い賞品球数記憶バックアップ部と、該未払い賞品球数が0個よりも多い場合に賞品球を払い出させる球払出制御部と、前記入賞検出手段が接続され、前記入賞口への入賞に対応して所定個数の賞品球の払出しを前記球払出し基板制御基板に指令する主制御部が設けられた主制御基板とを具備し、前記主制御部には起動遅延回路が設けられており、前記主制御部に電源スイッチを介して電源が供給されると前記球払出し制御部へは前記主制御部を経由して電源が供給されると共に、前記起動遅延回路によって前記主制御部が前記球払出し制御部よりも遅く起動するようにするとよい。
【0014】
このような構成によれば、主制御部は球払い出し制御部よりも遅く起動することから、電源投入直後の球払い出し制御部の算出する未払い賞品球数と、払い出し過剰エラー監視処理部が算出する未払い処理賞品球数が一致しない期間は主制御部の賞球払出過剰エラーの監視処理が実行されないため、誤検出が防止され、払出過剰エラーを正確に検知することができるという効果を奏するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。
図1は、本実施例のパチンコ遊技機の正面図を示したものである。パチンコ遊技機10は、パチンコ機本体側部を構成する外枠11と、パチンコ機前面部のベースとなる内枠12とを備える。その内枠12の額縁状に形成された開口部周縁には金枠13が嵌められ、その金枠13には、遊技盤14の前面を覆うガラス扉15が開閉自在に設けられる。前記内枠12の上辺縁から上部左右側辺縁には、合成樹脂製のレンズ体で構成される枠トップ飾り23が設けられ、この枠トップ飾り23の内部には、枠飾りランプ24,24…が設けられている。
【0016】
そしてガラス扉15の下方位置には、球発射装置に供給される遊技球を貯留するための受け皿(上受け皿)16が取り付けられ、更にその下方には、賞品球の排出時に上受け皿16から溢れた遊技球を貯留するための球受け皿(下受け皿)17が設けられている。尚、上受け皿16に設けられる球抜きボタン18の操作により上受け皿16内の遊技球が下受け皿17に向けて抜き落とされる。下受け皿17の図中右側位置には、遊技球を遊技盤14面に向けて弾発発射する発射レバー20が設けられ、この発射レバー20には遊技球を一球毎に発射する為の単発スイッチ21が備えられる。発射レバー20の回動操作する量に応じて遊技球を遊技盤14面に向けて弾発発射する程度が調整されるとともに、所定回動位置の検出により発射電源が投入されるようになっている。
【0017】
パチンコ遊技機10の一側には、プリペイドカードによる玉貸機(以下、「プリペイドカードユニット」と称する)30が設置される。このプリペイドカードユニット30は、1台の遊技機に1台づつ設置される。このプリペイドカードユニット30の設置に対応してパチンコ遊技機10の前記上受け皿16の前面には、プリペイドカードによる遊技球の貸出し操作を行う為の球貸し操作部31が設けられ、この球貸し操作部31には、プリペイドカードによる球貸出しを操作する球貸しボタン32、その球貸出しの可能状態を示す球貸しランプ33、プリペイドカードを排出させるカード返却ボタン34、プリペイドカードの残高表示、及びエラー表示を行う度数表示部35等が備えられている。
【0018】
プリペイドカードの使用に際しては、プリペイドカードユニット30に備えられるカード利用可表示ランプ36の点灯中にカード挿入口37にプリペイドカードを挿入し、金額設定ボタン38を操作することにより、貸出し金額(100円、200円、300円、500円等)を選択することができる。前記上受け皿16に備えられる球貸し操作部31の球貸しボタン32を1回操作する毎に、予め選択された金額の遊技球が貸出されることになる。
【0019】
前記内枠12の前面に設けられる遊技盤14は、遊技盤に装着された金属製の内レール41、打球槌により球発射位置より弾発発射された遊技球を盤面に向けて誘導する為の外レール42、打球位置及び発射レールより転動し遊技盤面に至った遊技球の跳ね返り作用のより再び打球が発射レールや打球位置に戻ることを防止するファール止43、打球位置より転動してきた過大な飛送力を有する遊技球を遊技板右上部において衝撃を吸収しつつ停止阻止し遊技板面下に向けて落下させる返しゴム44等によりその周囲が構成され、その内側に遊技領域が形成される。
【0020】
図2は、その遊技盤面を拡大して示したものである。遊技盤14の遊技領域の右上方には球払出装置への球の供給が不足するエラーである球切れエラーが発生したときに点灯される球切れLED151が設けられ、左上方には球切れエラーと満タンエラーを除く賞品球(以下、賞球という。)の払出に関する所定のエラーが発生したときに点灯される賞球エラーLED150が設けられている。遊技領域の中央やや上方には特別図柄表示装置50が設けられ、その中央部に3つの特別図柄表示部(図中左から順に左図柄表示部50a、中図柄表示部50b、右図柄表示部50cが設けられる。この特別図柄表示装置50の各図柄表示部50a、50b、50cには、夫々「1、2、3、4、5、6、7、8、9」までの数字と、4種類のキャラクタ図柄等により合計13種類の図柄が表示されるようになっている。
【0021】
この特別図柄表示装置50の真下位置には、始動入賞口51が設けられる。始動入賞口51は、常時入賞可能な始動入賞口51aと、電動の可変翼を有しその可変翼が開動したときに入賞可能なとなる可変始動入賞口51bとからなり、始動入賞口51a又は可変始動入賞口51bのどちらかに遊技球が入賞した場合に特別図柄表示装置50の図柄変動が開始する。更にその下方位置には、通常は閉じている大入賞口52と、該大入賞口52が開放された時に入賞可能となる特定領域入賞口53とを備える。
【0022】
前記大入賞口52の左右位置には、普通入賞口である左落し入賞口54、右落し入賞口55が設けられると共に、その上方位置には左袖入賞口56、右袖入賞口57が各々備えられる。これらの各入賞口に遊技球が入賞すると始動入賞口51及び左右落し入賞口54,55、左右袖入賞口56においては5個、右袖入賞口57においては7個、大入賞口52及び特定領域入賞口53においては15個の賞品球が各々払出されるように構成されている。
【0023】
また、前記特別図柄表示装置50の周囲を囲む装飾枠体58の上部に形成された半円弧形状の装飾枠部には、7セグメントのデジタル表示により表示される普通図柄表示装置60が備えられる。この普通図柄表示装置60には、「0」〜「9」までの数字が表示される。そして、前記特別図柄表示50の左右位置に、左ゲート61、右ゲート62が設けられ、これら左右ゲート61,62への遊技球の通過に伴って、普通図柄表示装置60が図柄変動を開始するように構成されている。
【0024】
尚、この遊技盤14面には、前記図柄表示装置や入賞口等のほかに、遊技者によって弾発発射された遊技球の落下方向を無作為に変更させたり、その流下速度を変化させる風車64、64及びランプ風車65、65等が設けられている。これにより、弾発発射された遊技球は遊技盤14面の遊技域内で転動しつつ下方へ落下して行き、上記した各装置及び入賞口に入賞するか、何処にも入賞しなければ遊技域の最下部の設けられた排出口66にて遊技盤14の裏側へ排出される。
【0025】
図3は、パチンコ遊技機の裏面図を示し、図4はパチンコ遊技機の側面図を示す。パチンコ遊技機10の裏面に設けられる機構板76面の上方位置に、遊技場の島から供給される遊技球を一時貯留する遊技球タンク77が設けられると共に、その遊技球タンク77に連設されて4条のタンクレール78が設けられ、このタンクレール78の正面側2条の球流下端部位に賞球用の球払出装置80aが連設され、裏面側2条の供給球流下端部位に貸し球用の賞球払出装置が連接されている。タンクレール78には、前記遊技球タンク77やタンクレール78上の遊技球の補給状態により作動される補給スイッチ81が設けられ、又、球払出装置80の直前には、賞品球の球切れを検出し球払出しの空動作を防止する為の空切り防止スイッチ82が設けられている。
【0026】
この機構板76には、各種の制御基板が取付けられている。例えば、パチンコ遊技機外部の遊技機管理装置と遊技機本体とを電気的に接続する外部接続端子97を含む外部接続端子基板87、入賞口への入賞の種別に応じて所定個数の賞品球を前記球払出装置80aに払出動作させたり、球貸出しボタン32の操作による球貸出し要求信号に基づいてその球払出装置80bに貸し球の払出しを動作させたり、所定の条件を満たす場合に賞球又は貸し球の払出を停止する回路が装着されている球払出制御基板88が設けられ、プリペイドカードユニット30は、挿入されたプリペイドカードの情報と、パチンコ遊技機10の前面に設けられた球貸し操作部31から球払出制御基板88を経由して送られてくる球貸し要求信号とに基づいて球払出制御基板88へ球貸し指令情報や、球貸し状態を表示する度数表示情報を出力する。
【0027】
パチンコ遊技機10で発生した各種情報は機構板76の上部片隅に設けられる外部接続端子97を介して遊技機外部の遊技場管理装置へ出力される。例えば、特別図柄表示装置50の図柄若しくは入賞装置の始動回数、所定図柄の確定により発生する大当たりの発生回数、遊技者に特別な利益状態を継続させる継続情報、当該パチンコ遊技機における当たりの出現確率、不正検出信号等の各種情報がこの外部接続端子97を介して入出力されることになる。
【0028】
また、パチンコ遊技機10の遊技盤14面で発生した始動入賞口入賞球を検出して特別図柄表示装置50を駆動制御し、その特別図柄の表示態様を設定切り替え制御し、入賞の種別に対応して所定個数の賞品球の払出しを球払出制御基板88へ指令すること等を行う主制御基板91等がこの機構板76に取付けられている。そしてこれら独立してそれぞれ組み付けられた各種基板がパチンコ遊技機に組み付けられた後、コネクタ配線により互いに脱着可能に電気接続されている。
【0029】
前記球払出制御基板88は、賞品球の不足欠乏、及び供給状態、払出状態の異常を検出し、払出動作の停止と、表示動作も合わせて行われるものである。ここには、CR賞球払出制御基板88や球払出装置80等の賞球払出制御機構において遊技球の不足、球詰まり、回路動作異常、ソフトエラー等の異常が発生した場合にその旨を表示するエラー表示部93、更に、エラー状態を解除する場合に押下されるエラー解除スイッチ94が設けられている。
【0030】
更に機構板76の裏面下方隅寄り位置には、前記上受け皿16に供給された遊技球を遊技盤14面に向けて弾発発射するための打球発射装置100が備えられている。この打球発射装置100は、打球発射モータ101のほか、発射装置制御回路、打球槌、弾発力調整手段等により構成される。タッチ感度調整ボリューム102は、遊技者の打球発射操作ハンドルへの接触を検出して打球発射モータ101の電源を投入するタッチスイッチ回路の検出感度を調整する為に設けられ、又、遊技球発射調整ダイヤル103は、遊技盤14面へ向けての遊技球弾発力、飛走距離をパチンコ遊技機の裏面側で調整設定する為に設けられている。
【0031】
打球発射装置100に近接して発射装置制御基板104が設けられ、これには打球発射モータ101の駆動制御回路及びタッチスイッチ回路が含まれている。打球発射モータ101の駆動制御回路では、モータの回転速度、トルク、特に1分間に発射する打球間隔、速度等が設定されている。尚、このパチンコ遊技機10は電源プラグ106を介してAC100V電源に接続されている。また電源基板98より引き出されたリード線107は、コネクタ108及び電源プラグ109を介してAC24V電源に接続されている。
【0032】
図5は、遊技盤14面の各入賞口やゲートを通過した遊技球の遊技盤裏面における流出経路及び各種スイッチ類やソレノイド類等の配置状態を示した図である。図示されるように、前記第1の始動入賞口51aに落入した遊技球の流出経路には落入を検出する第1の始動入賞口用センサ110aが設けられ、前記第2の始動入賞口51bに落入した遊技球の流出経路には落入を検出する前記第2の始動入賞口用センサ110bが設けられる。また前記大入賞口52における入賞球の流出経路にはその入賞を検出するための大入賞口用センサ111が設けられ、更に前記特定領域入賞口53における入賞球の流出経路にはその入賞を検知する特定領域用センサ112が設けられる。更に前記左右ゲート61,62における遊技球通過経路にはその通過を検知する左ゲート用センサ113及び右ゲート用センサ114が設けられている。
【0033】
更に、前記第2の始動入賞口51bを開閉動作する大入賞口可変翼用ソレノイド115、大入賞口52を開閉動作させる大入賞口開放用ソレノイド116、特定領域入賞口53を開閉動作させる特定領域開放用ソレノイド117が設けられる。一方、前記左袖入賞口56における入賞球の流出経路には入賞検出用スイッチ119aが設けられ、同様に前記右袖入賞口57については入賞検出用のセンサ119bが、前記左落し入賞口54については入賞検出用のセンサ119cが、右落し入賞口55については入賞検出用のセンサ119dが設けられ各入賞口への入賞が検出される。
【0034】
図6は、本パチンコ遊技機における遊技内容を説明するための制御フローチャートである。この図に沿ってこのパチンコ遊技機の遊技内容を説明する。この遊技機では、遊技者によって遊技盤14面に向けて発射された遊技球がゲート61,62の何れかを通過したことが左右ゲートスイッチ113,114により検知される(S10「YES」)と、その信号に基づいて普通図柄表示装置60が図柄変動を開始する(S12)。そしてこの普通図柄表示装置60は図柄変動を開始してから6.0秒を経過するとその図柄変動を停止し、変動図柄が確定する(S24)。この確定図柄として、いわゆる「当たり」と称される図柄(例えば、1,3,5,7又は9)が出れば(S26「YES」)、遊技盤14面の可変始動入賞口51bが開放される(S28)。
【0035】
そして、この開放された可変始動入賞口51b又は常時開口している始動入賞口51aに遊技球が入賞する(S30「YES」)と、始動入賞口用スイッチ110からの検出信号に基づき5個の賞球が払出される(S31)、特別図柄表示装置50の各変動図柄領域が左図柄50a、中図柄50b、右図柄50cの順に図柄変動を開始し(S32)、変動動作をした後、各図柄50a、50b、50cが停止する(S40)。
【0036】
この特別図柄表示装置50の各変動図柄領域50a、50b、50cに表示される確定図柄の組合せが「大当たり」図柄である場合(S42「YES」)は、大入賞口52が連続的に所定回数(16回)開放される(S43)。一方、その「大当たり」図柄の組合せがいわゆる特定図柄の場合は、今回の一連の当たり動作の作動停止から次に特別図柄表示装置が作動して確定図柄が大当たり図柄になるまで特別図柄表示装置50の大当たりに係る抽選確率は高確率へと移行するように設定し、終了する(S44「YES」、S48)。 その「大当たり」図柄の組合せがいわゆる通常図柄(非特定図柄)の場合は、今回の一連の当たり動作の作動停止から次に特別図柄表示装置が作動して確定図柄が大当たり図柄になるまで特別図柄表示装置50の大当たりに係る抽選確率は低確率へと移行するように設定し、終了する(S44「NO」、S50)。
【0037】
ちなみに、「大当たり」図柄の組合せは左図柄50a、中図柄50c、右図柄50bが同じ数字を示す組合せ図柄であり、例えば、「左図柄、中図柄、右図柄」の組合せが「1、1、1」、「2、2、2」、「3、3、3」となる図柄が該当する。また、大当たり図柄のうち、「3、3、3」、「5、5、5」、「7、7、7」、「金、金、金」、「桜、桜、桜」、「玉、玉、玉」は、特定図柄であり、その他の大当たり図柄は通常図柄である。
【0038】
一方、遊技盤10面に向けて発射された遊技球が、遊技盤14面に設けられる入賞口54乃至57又は開放している場合の大入賞口52に入賞した場合には(S16「YES」)、入賞検出用スイッチ111、112、119a,b,c,dからの検知信号に基づき入賞球1個につき5個、7個又は15個の賞球が払出される(S18)。なお、何処の入賞口にも入賞しない場合は「はずれ」として処理される(S20)。また、特別図柄表示装置2の変動図柄の確定により「大当たり」図柄が出なかった場合(S42「NO」)も「はずれ」として処理される(S46)。
【0039】
図7は賞品球及び貸し球の球払出経路と入賞球(セーフ球)の球払出経路との位置関係を図示したものである。前述したことと一部重複するが、タンクレール78の球流路下端部に遊技球払出樋122と球抜き樋123とが分岐して設けられ、遊技球払出樋122の下流位置に前記賞球用の球払出装置80a及び前記貸し球用の球払出装置80bが設けられる。そして、これらの球払出装置80a及び80bより払出される遊技球は上位賞球保留部125に落下し、一時的に保留され、通常は上位球出口126より上受け皿16へ払出され、上受け皿16が満杯になったときは下受け皿連絡通路樋体128及び下位球出口129を経由して下受け皿17へ払出されるようになっている。
【0040】
更に、前記下受け皿連絡通路樋体128には、球払出装置80a及び80bより払出された遊技球が該樋体128の内部に充満した場合に充満した遊技球により押動される満タンストッパ84と、該満タンストッパ84が押動されるとオンになる満タンスイッチ83とが設けられている。
【0041】
図8は、賞球用の球払出装置80aの詳細を示した分解斜視図である。この球払出装置80aは、本体枠135aに賞球払出モータ136aが設けられ、そのモータ軸に取付けられるスクリュー137aが賞球払出装置80aの開放下端口に臨設されている。また、前記本体枠135aには払出される賞球を1個ずつ検出する賞球センサ138a、138bが設けられている。そして、賞球払出モータ136aの駆動によりスクリュー137aが回転駆動されると、前述した遊技球タンク77及びタンクレール78からの遊技球が遊技球払出樋122を通って全体に下流方向へ移動して賞球払出装置80aへ導入されるとともに、賞球払出装置80a内の遊技球は前記スクリュー137aによって下流方向へ移動させられ下流にあるものから順に開放下端口から落下して前記賞球保留部125へ払出されるようになっている。また、賞球用の球払出装置80bも同様の構成及び機能を有する。
【0042】
図9は、本実施の形態のパチンコ遊技機の主要部分の制御ブロック図を示す。主制御部900は、前記主制御基板91に設けられており、ROM901、中央処理装置(CPU)902及びRAM903を具備しており、電源スイッチ95を介して前記AC24V電源プラグ109から電源が供給されるが、起動遅延回路904が設けられており、球払い出し制御部800よりも遅く起動する。ここでは、0.4s遅延されるものとする。また、主制御部900には、入力系として前記始動入賞口用センサ110a及び110b、前記大入賞口用センサ111、前記特定領域用センサ112、前記左ゲート用センサ113、前記右ゲート用センサ114、前記左袖入賞口用センサ119a、前記右袖入賞口用センサ119b、前記左落し入賞口用センサ119c、前記右落し入賞口用センサ119d、空切り防止スイッチ82、満タンスイッチ83が接続され、出力系として前記大入賞口可変翼用ソレノイド115、前記大入賞口扉用ソレノイド116、前記特定領域扉用ソレノイド117、賞球エラーLED150、球切れLED151、特別図柄表示装置50、普通図柄表示装置60が接続されている。
【0043】
球払出制御部800は、前記球払出し基板88に設けられており、RAM803、中央処理装置(CPU)804及びROM805が設けられ、ROM805に記憶されているプログラム及びデータに基づいて処理を行う。また、球払出制御部800には、球払出制御部800へ供給される電源電圧が低下したことを検出して電圧低下検出信号を出力する電圧低下検出回路801が設けられ、該電圧低下検出信号はCPU804の外部NMI信号端子及びバックアップ電源802に入力される。
【0044】
球払出制御部800へは、前記主制部91を経由して球払出制御部800へ供給されるAC24Vの電源が供給されるので、前記電源プラグ109へ供給される電源の電圧が事故、故障等により低下又は遮断された場合には、前記主制御900への電源電圧とともに払出し制御部800への電源電圧も低下または遮断されることになるが、前記バックアップ電源802は、前記電圧低下検出信号を受信すると、前記RAM803、CPU804及びROM805に電源を供給するので、球払出制御部800は、電源プラグ109からの電源に異常が起きた際に、バックアップ発生時のために予め定められた処理を実行することが可能である。
【0045】
また、払出し制御部800には、入力系として、前記球貸しボタン32、前記エラー解除スイッチ94、前記賞球センサ138a及び138b、前記貸し球センサ138c及び138dが接続され、出力系として、前記賞球払出モータ136a、前記貸し球払出モータ136b、前記度数及びエラー表示器35及び前記発射モータ制御部104が接続される。そして、発射モータ制御部104への信号線においては、電位がオン又はオフに切り替えられる発射停止信号を送信する。発射モータ制御部104は、発射停止信号がオンの時には発射モータ101を停止させ、オフの時には発射モータを可動にするように制御する。更に、球払出制御部800にはプリペイドカードユニット30が接続されており、前記球貸しボタン32の操作信号をプリペードカードユニット30へ転送するとともに、相互に通信する。
【0046】
また、主制御部900と球払出制御部800の間は、主制御部900からストローブ信号(STB信号)を送信する信号線と、主制御部900から賞球の払出個数を指令する賞球コマンド、エラーの発生及びその種類を通知するエラー発生コマンド及びエラーの解除及びその種類を通知するエラー解除コマンドを8ビットパラレル送信する信号線により接続されている。前記STB信号は、CPU804の外部NMI信号端子に入力される。
【0047】
続いて、主制御部900で実行される処理について説明する。図10乃至図17は、主制御部900の動作を説明するためのフローチャートである。図10は、メインルーチンを示しており、このメインルーチンは例えば約4ms(ミリ秒)毎に1回実行される。まず、A01によりRAMの所定アドレスの初期化判定データが所定の値であるかを判定する。プログラムの実行に異常が発生した時や電源投入時には、その値は不定なものとなるので、判断結果は「NO」となりA10により作業領域の初期化及び所定の値の設定が行われる。一方、それ以外の場合に、A01における判定が「YES」となりA02へ進む。
【0048】
A02では、主制御部900で使用される大当たり判定乱数等の乱数と作動中のカウンタ及びタイマの更新、即ち、加算処理が実行される。続いて、A03では、始動入賞口用センサ110a及び110b、各入賞口用センサ111、112、119a、b、c、d、左右ゲート用センサ113、114、賞球センサ138a及び138b、空切り防止スイッチ82及び満タンスイッチ83の出力に基づき、各センサ、各スイッチの状態を検出する。
【0049】
続いて、A04では、A03で検出した始動入賞口51への入賞に基づき、特別図柄表示装置50の図柄変動を開始して、大当たり判定乱数を抽出して、大当たり動作を実行させるか否かを決定し、特別図柄表示装置50及び大入賞口駆動ソレノイド116へ指令信号を出力する処理を実行する。続いて、A05では、A03で検出した前記左右ゲートの球通過に基づき、普通図柄表示装置の図柄変動を開始して、当たり判定乱数を抽出して、当たり動作を実行させるか否かを決定し、普通図柄表示装置60及び始動入賞口可変翼用ソレノイド115へ指令信号を出力する。
【0050】
続いて、A06では、各入賞口への入賞回数と賞球の払出し検出回数とに基づいて払い出すべきであるのに払い出しが済んでいない未払い賞球個数を算出するとともに、バックアップによる払出しが行われているか否か、賞球払出しが過不足なく行われているか否か、遊技球の球払出装置136a、bへの供給が正常に行われているか否か、及び遊技球の払出し経路に遊技球が充満しているか否かを判定する処理が行われ、更に、各入賞口への入賞に基づいて払出し個数を指令するコマンドを球払出し制御部800へ出力するための処理を行って、このプログラムは終了する。
【0051】
図11は、A06に示した賞球払出し制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。B01により賞球の払出しがあったか否かが判定され、賞球払出しが検出された場合にはB02により未払い賞球個数を1減算してから(但し、0であるときには減算しない。)、B03へ進み、賞球の払い出しが検出されない場合にはそのままB03へ進む。B03では、前記A03で入賞検出した場合の該入賞に係る払出球数を各回の払出データを未払い賞球個数に逐次加算処理するとともに、最大10回までの最近の入賞に関して各回の入賞の払出球数データを入賞順とともに記憶する。未払い賞球個数は、前記B02の減算処理及び該B03の加算処理により算出され、所定の個数(例えば、2バイトの領域で管理できる65535個)まで記憶管理される。
【0052】
続いて順々に、B04では、バックアップによる払出しが行われているか否かを判定するバックアップによる払出の監視処理が、B05では、未払い賞球個数が無いのに賞球の払い出しが行われる賞球払出過剰エラーを監視する処理が、B06では、未払い賞球個数が残っているのに払出が行われない賞球払出未検出エラーを監視する処理が、B07では球払出装置80a又は80bへ遊技球が供給される遊技球が不足する空切り防止スイッチエラーを監視する処理が、B08では、パチンコ遊技機内の球払出装置よりも下流において遊技球が充満する満タンエラーを監視する処理が行われる。
【0053】
更に続いて、B09では、B03によって払出球数データが記憶されている場合には、前記B03により示した入賞情報記憶処理により記憶された払出球数データの中で最初の入賞に係るものに対応する払出コマンドを送信するとともにその払出球数データを削除する。即ち、1回に賞球コマンドは1つしか送信しない。また、満タンエラー、空切り防止スイッチエラー、賞球払出未検出エラー又は賞球払出過剰エラーが発生した時又は満タンエラー、空切り防止スイッチエラー及び賞球払出未検出エラーが解除された時には各エラー発生又は各エラー解除に対応するコマンドを球払出制御部800へ出力して、このプログラムは終了する。
【0054】
ところで、B09において送信されるコマンドは夫々2バイトのデータからなり、1回のB09の処理において送信するコマンドが最大になるのは、前記4種のエラーが同時に発生して、そのエラー発生コマンドと共に賞球コマンドを送信する場合であり、その場合に送信するコマンドは、5つ(10バイト)になる。各コマンドは1バイトづつに分けられ、各バイトを200μs(マイクロ秒)間パラレルに球払出制御部800へ出力して、同時に、その各200μs内にパルス幅が50μsのパルス信号であるストローブ信号(STB)を球払出制御部800へ出力する。従って、1回の送信に最大約2msかかる。
【0055】
尚、コマンド送信の優先順位は、エラー発生コマンド及びエラー解除コマンド(以下、エラーコマンドという。)が賞球コマンドより優先し、エラー内では、賞球払出し過剰エラー、賞球払出し球未検出エラー、空切り防止スイッチエラー、マンタンスイッチエラーの順に優先とする。エラー中およびバックアップによる払出し中であってもコマンドを送信する。
【0056】
図12は、B04に示したバックアップによる払出の監視処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。C01では、第1球監視処理が既に終了したことを示す第1球監視終了フラグがセットされているか否かを判定し、セットされているときには、C21へ進み、セットされていないときにはC02へ進む。電源投入時には、初期設定により第1球監視終了フラグはセットされていない状態に設定されるのでC02へ進む。
【0057】
そして、C02では、第1球監視中フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合にはC05へ進み、セットされていないときには、C03によりタイマT1をスタートして、C04により第1球監視中フラグ(電源投入時にはクリアされている。)をセットした後、C05へ進む。C05では、エラーが発生したときには前記タイマT1を中止させるとともにタイマ中止中フラグをセットするタイマ中止処理を実行する。
【0058】
続いて、C06では、前記タイマ中止中フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていればそのまま終了し、セットされていなければC07へ進む。C07では、賞球払出が検出されたか否かを判定し、検出された場合には、C12において第1球監視終了フラグ(電源投入時にはクリアされている。)をセットする。一方、検出されなかった場合には、C08によりタイマの値を判定し、その値が1.5s(秒)以上になった場合には、C09で第1球監視終了フラグをセットするとともに、C10で第2球以降監視終了フラグをセットして、更にC11で賞球払出過剰エラー監視実行フラグをセットして終了する。C08においてタイマの値が1.5秒以上ではないときにはそのまま終了する。
【0059】
C21では、第2球以降監視処理が既に終了したことを示す第2球以降監視終了フラグがセットされているか否かを判定し、セットされているときにはこのサブルーチンを終了し、セットされていないときにはC22へ進む。電源投入時には、初期設定により第2球以降監視終了フラグはセットされていない状態に設定されるので、前記C09で第2球以降監視終了フラグがセットされていない限り、C22へ進むことになる。
【0060】
C22では、第2球以降監視中フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合にはC25へ進み、セットされていないときには、C23によりタイマT2がスタートされ、C24により第2球以降監視中フラグ(電源投入時にはクリアされている。)がセットされた後にC25へ進む。C25では、エラーが発生したときには前記タイマT2を中止させるとともにタイマ中止中フラグをセットするタイマ中止処理を実行する。
【0061】
続いて、C26では、前記タイマ中止中フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていればそのまま終了し、セットされていなければC27へ進む。C27では、賞球払出が検出されたか否かを判定し、検出された場合には、C31においてタイマT2をリセットし再びスタートさせる。一方、検出されなかった場合には、C28においてタイマの値が0.3s以上であるか否かを判定し、0.3s以上の場合にはC29で第2球以降監視終了フラグをセットして、C30で賞球払出過剰エラー監視実行フラグをセットして終了して、タイマT2の値が0.3秒以上ではないときにはそのまま終了する。
【0062】
従って、このサブルーチンによれば、電源投入後に賞球の払出しを検出しないで1.5s経過すると、球払出制御部においてバックアップによって記憶されている未払い賞球についての払出(以後「バックアップによる賞球払出」という。)が無いものと判断し、第1球払出監視処理終了フラグ及び第2球以降監視処理終了をセットするとともに、賞球払出過剰エラー監視実行フラグをセットするので、それ以降は、バックアップによる払出に係る第1球及び第2球以降の監視処理をしないで、賞球払出過剰エラーを監視するようになる。
【0063】
一方、電源投入後、1.5S以内に払出し球を検出すれば、バックアップによる賞球が有り、バックアップによる賞球払出が開始したものと判断して、第1球監視処理終了フラグのみをセットする。その後、第2球以降の監視処理をするようになり、バックアップによる賞球の開始後0.3s以上継続して払出し球を検出しない事象が発生すると、バックアップによる賞球が終了したものと判断し、第2球監視処理終了フラグ及び賞球払出過剰エラー監視実行フラグをセットするので、それ以降は、バックアップによる払出に係る第1球及び第2球以降の監視処理をしないで、賞球払出過剰エラーを監視するようになる。
【0064】
ところで、バックアップによる賞球の開始を監視する1.5sは主基板の立ち上げと賞球基板の立ち上げとの時間差、エラー発生及びエラー解除の検出時間、賞球払出モータ動作時間等を考慮している。また、バックアップによる賞球の終了を監視する0.3sは、賞球払出モータ動作時間等を考慮している。
【0065】
図13は、C05及びC25に示したエラー時のタイマ中止処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。D01では、主制御部が監視している賞球払出過剰エラー、賞球払出未検出エラー、空切り防止スイッチエラー及び満タンエラー(以下、主制御部監視払出エラーという。)のエラーフラグの少なくとも1つがセットされているか否かを判定し、何れかのエラーフラグがセットされている場合にはD02に進み、何れのエラーフラグもセットされていないときには、D05に進む。
【0066】
D02では、タイマ(このサブルーチンがC05で呼び出された場合に関してはタイマT1を示し、このサブルーチンがC25で呼び出された場合にはタイマT2を示す。以下、このサブルーチンの説明において同様である。)が中止されているか否かを示すフラグであるタイマ中止中フラグがセットされているか否かを判定し、タイマ中止中フラグがセットされていないときには、D03によりタイマを停止させるとともに、D04によりタイマ中止中フラグをセットする。
【0067】
D05では、タイマ中止中フラグがセットされているか否かを判定し、タイマ中止中フラグがセットされているときには、D06によりタイマをリセットさせ、D07によりタイマをスタートさせるとともに、P08によりタイマ中止中フラグをクリアする。タイマ中止中フラグがセットされていないときにはそのまま終了する。
【0068】
従って、このサブルーチンによれば、主制御部監視払出エラーのエラーフラグが何れもセットされていない状態が継続しているときには、タイマ作動は中止されず、タイマ中止中フラグもセットされない。主制御部監視払出エラーの何れかのエラーに係るエラーフラグがセットされているときには、タイマ作動が中止されるとともにタイマ中止中フラグがセットされ、主制御部監視払出エラーのエラーフラグが何れかがセットされている状態からセットされていない状態になると、タイマはリセットされて再スタートされるとともにタイマ中止中フラグがクリアされる。
【0069】
図14は、B05に示した賞球払出過剰エラー監視処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。E01では、賞球払出過剰エラー監視実行フラグがセットされているか否かを判定し、セットされているときにはE02へ進み、セットされていないときには終了する。E02では、未払い賞球個数が0であるか否かを判定し、0である場合には、E03へ進み、0ではないときにはE11により賞球払出過剰エラー監視中フラグをクリアしてから、終了する。
【0070】
E03では、賞球払出過剰エラー監視中フラグがセットされているか否かを判定し、セットされているときにはE04へ進み、セットされていないときにはE12により過剰個数カウンタをリセットして、E13により賞球払出過剰エラー監視中フラグをセットして終了する。E04では、賞球の払出の検出があったかを判定し、あった場合にはE05で賞球払出過剰個数カウンタ値に1を加算して、E06へ進み、無かった場合には終了する。
【0071】
E06では、賞球払出過剰個数カウンタの値が10を超えているか否かを判定し、超えている場合にはE07で送信コマンド「A003H」を前記RAM903の送信コマンド格納領域に格納して、E08で賞球エラーLEDを点灯させ、E09で賞球払出過剰エラーが発生したことを示す賞球払出過剰エラーフラグをセットして、E10で賞球払い出し過剰監視中フラグをクリアして、終了する。
【0072】
従って、このサブルーチン処理により、賞球払出過剰エラー監視実行フラグがセットされている場合に、未払い賞球個数値が0であるときに払い出される賞球払出過剰個数が計数され、その計数値が10を超えると賞球払出過剰エラーが発生したと判断される。即ち、前記バックアップによる払出監視処理によって、賞球払出過剰エラー監視実行フラグがセットされるまでは、たとえ主制御部が計数及び記憶する未払い賞球の個数が0であるときに10個以上の賞球の払出が行われたとしても賞球払出過剰エラーが発生したとは判断されない。
【0073】
図15は、B06に示した賞球払出未検出エラー監視処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。F01では、満タンエラーフラグ又は空切り防止スイッチエラーフラグがセットされているか否かを判定し、F02では、未払い賞球個数が0であるか否かを判定する。そして、F01又はF02のどちらかの判定結果が「YES」である場合には、F20に進み、賞球払出未検出エラー監視中フラグをクリアしてから、終了する。一方、F01又はF02のどちらの判定結果も「NO」である場合には、F03へ進む。
【0074】
F03では、賞球払出未検出エラーフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合にはF21へ進み、セットされていない場合には、F04へ進む。F21では、賞球払出が検出されたか否かを判定し、賞球払出の検出がされた場合には、F22で送信コマンド「C002H」を送信コマンド格納領域へ格納し、F23で賞球エラーLEDを消灯するとともに、F24で賞球払出未検出エラーフラグをクリアして終了するが、賞球払出が検出されなかった場合には、そのまま終了する。
【0075】
F04では、賞球払出未検出エラー監視中フラグがセットされているか否かを検出し、セットされている場合にはF08へ進み、セットされていない場合には、F05で賞球払出未検出エラー監視用タイマをリセットして、F06で賞球払出未検出エラー監視用タイマをスタートさせ、F07で賞球払出未検出エラー監視中フラグをセットしてから、F08へ進む。
【0076】
F08では賞球の払出が検出されたか否かを判定し、検出された場合にはF14で賞球払出未検出エラー監視用タイマをリセットして終了するが、検出されなかった場合には、F09へ進む。F09では、賞球払出未検出エラー監視用タイマの値が3.5s以上であるか否かを判定し、3.5s以上である場合には、F10で送信コマンド「A002H」をコマンド格納領域に格納して、F11で賞球エラーLEDを点灯させ、F12で賞球払出未検出エラーフラグをセットして、F13で賞球未検出エラー監視中フラグをクリアして終了する。
【0077】
従って、該サブルーチンにより、未払い賞球個数が1個以上であるのに3.5秒以上賞球の払出が行われない場合には、賞球払出未検出エラーが発生したものと判断され、賞球エラーLEDが点灯され、賞球払出未検出エラーフラグがセットされ、その後、賞球の払出が検出されると、賞球払出未検出エラーが解除したものと判断され、賞球エラーLEDが消灯され、賞球払出未検出エラーフラグがクリアされる。但し、満タンエラー又は空切り防止スイッチエラーが発生しているときには、賞球払出未検出エラーの発生の判断はされない。
【0078】
図16は、B07に示した空切り防止スイッチエラー監視処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。G01では、空切り防止スイッチエラーフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、G13へ進み、セットされていない場合には、G02へ進む。G02では、空切り防止スイッチのオフが検知されたか否かを判定し、オフが検知された場合には、G03へ進み、オフが検知されなかった場合には、G12にて空切り防止スイッチエラー監視用タイマをリセットして終了する。
【0079】
G03では、空切り防止スイッチエラー監視中フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合にはG07へ進み、セットされていない場合にはG04で空切り防止スイッチエラー監視用タイマをリセットし、G05では該タイマをスタートし、G06では空切り防止スイッチエラー監視中フラグをセットして、G07へ進む。G07では、空切り防止スイッチエラー監視用タイマの値が0.1s以上であるか否かを判定し、0.1秒以上ではないときにはそのまま終了し、0.1秒以上であるときには、G08にて送信コマンド「A001H」を送信コマンド格納領域へ格納し、G09にて球切れLEDを点灯して、G10にて空切り監視中フラグをクリアし、G11にて空切り防止スイッチエラーフラグをセットして終了する。
【0080】
G13では、空切り防止スイッチのオンが検知されたか否かを判定し、オンが検知された場合には、G14へ進み、オンが検知されなかった場合には、G23にて空切り防止スイッチエラー解除監視用タイマをリセットして終了する。G14では、空切りエラー解除監視中フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合にはG18へ進み、セットされていない場合にはG15で空切り防止スイッチエラー解除監視用タイマをリセットし、G16では該タイマをスタートし、G17では空切りエラー解除監視中フラグをセットして、G18へ進む。
【0081】
G18では、空切り防止スイッチエラー解除監視用タイマの値が1.0s以上であるか否かを判定し、1.0s以上ではないときにはそのまま終了し、1.0s以上である時には、G19にて送信コマンド「C001H」を送信コマンド格納領域へ格納し、G20にて球切れLEDを消灯して、G21にて空切り防止スイッチエラー解除監視中フラグをクリアし、G22にて空切り防止スイッチエラーフラグをクリアして終了する。
【0082】
従って、該サブルーチン処理により、空切り防止スイッチが0.1s以上オフになると、空切り防止スイッチエラーが発生したものと判断され、球切れLEDが点灯され、球切れ防止スイッチエラーフラグがセットされ、その後、空切り防止スイッチが1s以上オンになると、空切り防止スイッチエラーが解除したものと判断され、球切れLEDが消灯され、空切り防止スイッチエラーフラグがクリアされる。
【0083】
図17は、B08に示した満タンエラー監視処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。H01では、満タンエラーフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、H13へ進み、セットされていない場合には、H02へ進む。H02では、満タンスイッチのオンが検知されたか否かを判定し、オンが検知された場合には、H03へ進み、オンが検知されなかった場合には、H12にて満タンエラー監視用タイマをリセットして終了する。
【0084】
H03では、満タンエラー監視中フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合にはH07へ進み、セットされていない場合にはH04で満タンエラー監視用タイマをリセットし、H05では該タイマをスタートし、H06では満タンエラー監視中フラグをセットして、H07へ進む。H07では、満タンエラー監視用タイマの値が0.2s以上であるか否かを判定し、0.1秒以上ではないときにはそのまま終了し、0.2秒以上であるときには、H08にて送信コマンド「A000H」を送信コマンド格納領域へ格納し、H09にて満タンエラー監視中フラグをクリアし、H10にて満タンエラーフラグをセットして終了する。
【0085】
H13では、満タンスイッチのオフが検知されたか否かを判定し、オフが検知されなかった場合には、そのまま終了し、オフが検知された場合には、H14にて送信コマンド「C000H」を送信コマンド格納領域へ格納し、H15にて満タンエラーフラグをクリアして終了する。従って、このサブルーチンプログラムにより、満タンスイッチが継続的に0.2s以上オンになると満タンエラーが発生したものと判断して、満タンエラーフラグをオンにして、その後、満タンスイッチがオフになると満タンエラーが解除したものと判断し、満タンエラーフラグをクリアする。
【0086】
続いて、球払出制御部800で実行される処理について説明する。図18乃至図25は、球払出制御部800の動作を説明するためのフローチャートである。球払出制御部800では、常時メインプログラムを実行しており、その実行中に、4種の割込みが発生するが、割込みの優先順位はNMI割込み、CH0割込み、CH1割込み、CH2割込みの順になっている。また、割込みは最大で、CH2割込み中にCH1割込みとCH0割込みと10回のNMI割込みが発生する。従って、CH2割込み、CH1割込み、CH0割込み、NMI割込み10回の処理を、CH2割込みの最小割り込み時間である2.5ms未満にする。
【0087】
図18は、メインプログラムを示している。電源が投入されると、J01において、バックアップフラグがセットされているか否かが判定される。セットされていない場合には、J02において初期動作フラグをセットする処理を含むRAMの初期化処理を行ってからJ05へ進み。セットされている場合には、J03により初期動作フラグをセットして、J04により賞球払出過剰個数カウンタをリセットしてから、J05へ進む。
【0088】
J05では、エラー解除スイッチが押下されているか否かを判定し、押下されていなければ、J07へ進み、押下されていれば、J06にて球払出制御部800のRAM805に記憶されている通信エラー、賞球払出し過剰エラー、賞球片払出しエラー、賞球払出し未検出エラー、貸し球片払出しエラー、貸し球払出し未検出エラーを解除してから、J07へ進む。
【0089】
J07では、前記初期動作フラグを、電源投入から所定の時間が経過したらクリアする処理である初期動作制卸処理を実行し、続いてJ08では、所定のエラーフラグ及び初期動作フラグの値に応じて前記発射停止信号の状態を制御する発射モータ制御処理を実行する。続いて、J09では、賞球払出10個毎に賞球信号を外部へ出力する処理を行い、J10では貸し球払出25個ごとに貸し球情報を外部へ出力する処理を行う。
【0090】
続いて、J11ではエラー表示器93に表示する表示記号を選択する。具体的には、初期動作フラグが表示されているときには、表示記号として“−”を選択し、全てのエラーフラグ及び初期動作フラグがセットされていないときには、表示記号として“0”を選択し、少なくとも1つのエラーフラグがセットされている場合には、対応するエラー番号を選択する。表1にエラーフラグと表示記号との対応関係を示す。同時に複数のエラーが発生した時には、表1において上位に示したエラーに対応する表示記号を優先する。例えば、通信エラーと賞球払出未検出エラーが同時に発生した場合には、通信エラーに対応する“1”を選択する。
【0091】
【表1】
Figure 2001232006
【0092】
続いて、J12では、カードユニットからの接続確認信号を監視して、その信号がオフになったことを検出した場合に、カードユニット未接続エラーが発生したと判断しカードユニット未接続エラーフラグをオンにする。J13では賞球払出モータの動作(加速)開始を監視する。前記初期動作エラーフラグがセットされている場合及び下記の表2に示すように、通信エラー、賞球払出過剰エラー、賞球払出過剰エラー、賞球片払出エラー、賞球払出未検出エラー、空切り防止スイッチエラー又は満タンエラーの1つ以上が発生しているときには、賞球払出モータを停止させる。但し、空切り防止スイッチエラー又は満タンエラーが発生しているときには、そのときに動作中の回の払出が終了してから停止させる。表2は、各エラーが発生したときに賞球払出モータ、貸し球払出モータ、発射モータが作動停止させれられるか否かを示している。
【0093】
【表2】
Figure 2001232006
【0094】
J14では貸し球払出モータの動作(加速)開始を監視する。そして、前記初期動作エラーフラグがセットされている場合及び前記表2に示すよう空切り防止スイッチエラー、満タンエラー、カードユニット未接続エラー、通信タイムエラー、貸し球片払出エラー、貸し球未検出エラーの1つ以上が発生した場合に貸し球払出モータ停止させる。但し、空切り防止スイッチエラー又は満タンエラーが発生しているときには、そのときに動作中の回の払出が終了してから停止させる。
【0095】
続いて、J15では、貸し球の払出し動作時の信号処理とカードユニットからの入力信号確認処理とからなるカードユニット処理を実行する。但し、バックアップによる球貸し中には、この処理は実行しない。この貸し球の払出し動作時の信号処理とカードユニットからの入力信号確認処理の動作を説明する。
(ア)貸し球の払出し動作時の信号処理
球払出制御部800は、払出し動作が可能なときに台READY信号(PRDY)をONにする。PRDYがONの状態において、カードユニットからのカードユニットREADY信号(BRDY)のONを受信後、カードユニットから出力される台端末貸出要求完了確認信号(BRQ)がONになったことを検知すると、払出要求を受ける準備をして、該準備ができたことを通知するために台端末貸出完了信号(EXS)をONにする。そして、払出制御部800は、BRQのOFFへの変化即ち払出要求信号があると、払出し動作を実行し、その後払出が完了したことを通知するためにEXSをOFFにする。続けて、BRQのONを受信した場合は、次の払出しを開始し、BRDYのOFFを受信した場合は球貸しを終了する。
【0096】
(イ)カードユニットからの入力信号確認処理
PRDYをONにした後、BRQ貸出要望監視時間、貸出指示監視時間、次要求確認タイミング及び貸出完了監視時間を超過してもカードユニットから正常な入力がなかった場合には、台READY信号(PRDY)をON、OFF、ON、OFF、ON、OFF、ONの順に所定のタイミングで切り替える。この時、台端末貸出完了信号(EXS)がONになっている場合は、台READY信号(PRDY)が最初のOFFの間にOFFにする。
【0097】
台端末貸出要求完了確認信号(BRQ)によって貸し球払出しの要求を受けた時には、貸し球払出し要求に対応する個数を未払い貸し球個数カウントの値に加算する。J15を実行した後に、前記J07へ戻り、それ以降J07乃至J15の処理が繰り返される。
【0098】
図19は、J07に示した初期動作制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。K01では、電源投入時にJ03にてセットされる初期動作フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、K02へ進み、セットされていなければ終了する。K02では、初期動作監視用タイマが動作中であるかを判定し、動作中で無ければ、該タイマをスタートさせてからK04へ進み、動作中であればそのままK04へ進む。K04では、初期動作監視用タイマの値が1.6sを超えているときには、K05にて初期動作フラグをクリアして終了し、1.6sを超えていないときにはそのまま終了する。このサブルーチンにより、電源投入後1.6秒間は初期動作フラグがセットされる。
【0099】
図20は、J08に示した発射モータ制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。L01では、初期動作フラグがセットされているか否かを判定し、セットされているときには、L04において、球払出制御部800から発射モータ104に出力する発射停止信号をオンにすることにより発射モータ101を停止させて、終了する。一方、セットされていないときには、L02へ進む。L02では、前記表2に示したように通信エラー、賞球払出過剰エラー、賞球片払出エラー、満タンエラー、カードユニット未接続エラー、又は貸し球片払出エラーの何れかのエラーフラグがセットされているか否かを判定し、これらのエラーフラグの少なくとも1つがセットされている場合には、L04により前記発射停止信号をオンにして発射モータ101を停止させて、終了する。
【0100】
これらのエラーフラグが何れもセットされていないときには、L03にて前記発射停止信号をオフにすることにより発射モータ101を作動可能にして、終了する。従って、このサブルーチンプログラムにより、前記表2において示したように通信エラー、賞球払出過剰エラー、賞球片払出エラー、満タンエラー、カードユニット未接続エラー又は貸し球片払い出しエラーの何れかが発生しているときに、発射モータを停止させ、電源投入から1.6秒間の初期動作停止フラグがセットされているときにも、発射モータを停止させる。
【0101】
図21は、4ms毎に発生するCH0割込みにより球払出制御部が実行する処理プログラムのフローチャートを示す。先ず、M01では、賞球センサ138a、b及び貸し球センサ138c、dの状態を判定する。続いて、M02により賞球の払出しがあったか否かが判定され、賞球払出しが検出された場合には、M03により未払い賞球個数を1減算して(但し、フローチャートには記載していないが0であるときには減算しない。)、M04へ進み、賞球の払い出しが検出されない場合にはそのままM04へ進む。続いて、M04により貸し球の払出しがあったか否かが判定され、貸し球払出しが検出された場合には、M05により未払い貸し球個数を1減算して(但し、フローチャートには記載していないが0であるときには減算しない。)、M06へ進み、貸し球の払い出しが検出されない場合にはそのままM06へ進む。このM05の払出検出に基づく減算処理と前記J15の払出要求信号受信に基づく加算処理によって、未払い貸し球個数は算出される。
【0102】
M06では、未払い賞球個数が最初に0になったときにバックアップフラグをクリアする。M07では、主制御部が実行する図14に示す処理と同様にして、未払い賞球個数が無いにも関わらず賞球の払い出しが行われる賞球払出過剰エラーを監視する処理を実行する。但し、E07に示す送信コマンドの格納及びE08に示す賞球LEDの点灯は行わず、使用するカウンタやフラグの値は球払出制御部800のRAM803に記憶する。
【0103】
続いて、M08では、主制御部が実行する図15に示す処理と同様にして、未払い賞球個数が残っているのに払出が行われない賞球払出未検出エラーを監視する処理を実行する。但し、F10及びF22に示す送信コマンドの格納とE12に示す賞球LEDの点灯とE23に示す賞球LEDの点灯は行わず、使用するタイマやフラグの値は球払出制御部800のRAM803に記憶する。
【0104】
続いて、M09では、賞球用の球払出装置80aの球払出検出が、球払出装置80aの2つ賞球センサ138a又は138bの片方でしか行われなくなる賞球片払出エラーの監視を行う賞球片払出しエラーの監視処理を実行する。続いて、M10では、貸し球用の球払出装置80bの球払出検出が、球払出装置80bの2つ賞球センサ138c又は138dの片方でしか行われなくなる賞球片払出エラーの監視を行う賞球片払出しエラーの監視処理を、M11では、未払い貸し球個数が残っているのに払出が行われない貸し球払出未検出エラーを監視する処理を実行する。
【0105】
続いて、M12では、エラー解除スイッチ94の監視処理を、M13では、賞球用モータの減速開始及び停止開始を監視する賞球払出モータ動作チェック処理を、M14では、貸し球用モータの減速開始及び停止開始を監視する貸し球払出モータ動作チェック処理を行う。更に続いて、M15では、球払出制御部800で用いられる各種タイマの値を1加算する更新処理を、M16では、エラー表示選択処理で選択されたエラー記号をエラー表示器に表示させる処理を行って、終了する。
【0106】
図22は、M09に示した賞球片払出エラー監視処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。先ず、N01では、1個払出フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合にはそのまま終了して、セットされていない場合にはN02へ進む。N02では、賞球の払出しがあったか否かを判定して、賞球の払出しがなかったときには終了して、賞球の払出しがあった時には、N03では後述するCH1割込み処理のR11でセットされる賞球払出監視用カウンタ値を1減算して、N04へ進む。
【0107】
そして、N04にて、払出を検出した賞球センサが賞球センサ138aであるか否かを判定し、賞球センサ138aであるときには、N05により第1の賞球払出カウンタに1加算し、賞球センサ138aではないときには、N06により第2の賞球払出カウンタに1加算する。そして、N07では、払出監視用カウンタの値が0であるか否か、即ち、賞球払出の1区切り(2個〜15個の払出)が終了したか否かを判定し、賞球払出の1区切りが終了していない場合には、そのまま終了し、賞球払出の1区切りが終了している場合にはN08へ進む。
【0108】
N08では、第1の賞球払出カウンタの値が0であるか否か判定し、0である場合には、N10により賞球片払出エラーフラグをセットし、0でない場合には、N09へ進む。N09では、第2のカウンタの値が0であるか否かを判定し、0である場合には、N10により賞球片払出エラーフラグをセットし、0でない場合には、終了する。従って、このサブルーチンプログラムによれば、1区切りの賞球の払出において、全ての球の払出の検出が賞球センサ138a又は138bのどちらか一方で行われた場合に、賞球片払出エラーが発生したものと判断し、賞球片払出エラーフラグをセットする。
【0109】
図23は、M12に示したエラー解除スイッチ監視処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。先ず、P01で、バックアップフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合にはそのまま終了する。セットされていないときには、P02へ進み、エラー解除スイッチが押下されているか否かを判定し、押下されているときには、P03にて賞球払出未検出エラーフラグ及び貸し球払出未検出フラグをクリアして終了する。
【0110】
従って、バックアップフラグがセットされている電源遮断後の電源投入からバックアップによる払出しが終了するまでの間にエラーになった場合、エラー解除スイッチを受け付けないように制御する。何故なら、バックアップによる払出し中にエラーが発生すると払出が停止されて、主制御部900はバックアップによる払出が終了したと判断し、賞球払出過剰エラーの監視を開始するが、そこでエラー解除により払出を再開すると、実際にはバックアップによる払出が終了していないので賞球基板の賞球残数と主基板の賞球残数が矛盾して、すぐに賞球払出過剰エラーを検出することになるからである。
【0111】
図24は、球払出制御部が実行するNMI割込み処理プログラムのフローチャートを示す。球払出制御部800へ供給される外部電源電圧が低下したときには、その低下を検出して電圧低下検出回路801から電圧低下信号が球払出制御部800のCPU804の外部NMI信号端子へ入力され、また、主制御部900からエラーコマンド又は払出コマンドが送信されたときには、該CPU804の外部NMI信号端子へストローブ信号(STB信号)が入力される。そして、外部NMI信号端子へこれらの信号が入力されたときに、このNMI割込み処理が起動される。尚、賞球基板より主基板の方が先に電源がオフするため、コマンドデータの受信処理と電源遮断時の処理は同時に発生しない。同様に、電源遮断時の処理が発生した後にコマンドデータの受信処理は発生しない。
【0112】
先ず、Q01では球払出制御部のコマンド入力ポートに主制御部からコマンド入力が有ったか否かを判定し、コマンド入力がない場合には外部NMI信号端子への入力は電源低下信号であると判断して、Q07によりバックアップフラグをセットし、Q08によりRAM803を書き込み禁止にして、Q09によりCPU804はHALT命令を読み込んで停止状態になる。このQ07乃至Q09に示す処理が電源遮断時のバックアップ処理である。
【0113】
一方、Q01においてコマンド入力があった場合には、Q02により、入力されたコマンドが払出コマンドであるか否かを判定し、払出コマンドであるときには、Q03により未払い賞球個数にその払出コマンドに対応する個数を加算して終了する。このQ02の払出コマンド受信に基づく加算処理と前記M03の払出検出に基づく減算処理とによって、未払い賞球個数は算出され、所定の個数(例えば、2バイトの領域で管理できる65535個)まで記憶管理される。
【0114】
払出コマンドではないときには、Q04にて入力されたコマンドがエラーコマンドであるか否かを判定し、エラーコマンドである場合には、Q05では、エラーコマンドに対応して賞球払出過剰エラーフラグ、賞球払出未検出エラーフラグ、空切り防止スイッチエラーフラグ又は満タンエラーフラグをセット又はクリアする。また、エラーコマンドではない場合には、予定されていないコマンドが入力されたので、Q06により通信エラーフラグをセットして終了する。
【0115】
このように、この割込み処理では、CPU804のNMI端子に入力があったときに入力ポートへの入力信号がある場合には、その入力データが払出コマンド又はエラーコマンドであるときには、そのコマンドに予め対応づけられた処理を行い、入力ポートへの入力データが予定しないコマンドであるときには、通信エラーフラグをセットし、入力ポートへの入力信号がない場合には、その時のRAM803の記憶値を保持する電源遮断時のバックアップ処理を行う。
【0116】
図25は、2.5ms乃至10msの間隔で発生するCH1割込みにより球払出制御部が実行する処理プログラムのフローチャートを示す。R01では、1回の払出個数が1個に設定されていることを示す1個払出フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、R02に進み、セットされていない場合にはR05へ進む。R02では、1個払出制御を実行して、R03では、1個払出しが完了したか否かをを判定し、完了していないときには、そのまま終了し、完了しているときにはR04により1個払出フラグをクリアして終了する。この1個払出処理は、賞球払出モータ136aを中速まで加速させてから減速させて、賞球払出監視用カウンタの値が0になると停止させる。
【0117】
R05では、賞球払出監視用カウンタ値が0であるか否かを判定し、0であるときには、R07へ進み、0ではないときには、R06にて複数個払出制御を実行して、終了する。この複数個払出処理は、賞球払出モータ136aを加速させてから高速で定速回転させ、賞球払出監視用カウンタの値が1になると減速させて、該カウント値が0になると停止させ、該モータ136aの回転を100ms休止させる処理である。このように払出モータ136aを制御して、連続する球の払出間隔が前記休止時間(100ms)を含めて0.2s以下になるようにする。
【0118】
R07では、払出モータが回転中であるか否かを判定し、回転中であればモータが次の段階に移行する準備ができていないと判断して終了する。一方、回転中ではないときには、R08にて未払い賞球個数が0よりも大きいか否かを判定し、0よりも大きければR09へ進み、0であるときには払い出すべき賞球がないので終了する。
【0119】
R09では、未払い賞球個数が15以上であるか否かを判定し、15以上である場合には、R10で賞球払出監視用カウンタに15を設定して終了する。15未満である場合、R11にて、賞球払出監視用カウンタに未払い賞球個数の値を設定し、R12へ進む。そして、R12では、賞球払出監視用カウンタの値が1であるか否かを判定し、1である場合には、R13にて、1個払出しフラグをセットして終了し、1ではない場合には終了する。従って、この割込み処理により、未払い賞球個数が15個以上である場合は、1回に払い出す賞球個数を15個に設定して、未払い賞球個数が15個未満の時には1回に払い出す賞球個数をその時の未払い賞球個数に設定する。
【0120】
また、図示はしないが、2.5ms乃至10msの間隔で発生するCH2割込みにより、球払出制御部は、CH1割込み処理と同様の処理を貸し球について実行する。但し、貸し球払出監視用カウンタに設定される最大値は、CH1割込み処理においては15であったのに対し、CH2割込み処理では25とする。従って、CH2割込み処理により、未払い貸し球個数が25個以上である場合は、1回に払い出す貸し球個数を25個にして、未払い貸し球個数が25個未満の時には1回に払い出す貸し球個数をその時の未払い貸し球個数にする。
【0121】
このように構成されるパチンコ遊技機によれば、遊技の途中で、電源に異常が生じて、電源プラグ109から供給される電源電圧が低下又は遮断されると、バックアップフラグがセットされ、その時のRAM803が書込み禁止にされるとともに、RAM803には前記バックアップ電源802から電源が供給されるようになるので、バックアップ電源が所定の電圧を供給する間は、その時の値を記憶している。
【0122】
電源プラグ109から遊技機への電源供給が開始すると、主制御部900では、RAM903を初期化して、未払い賞球個数の記憶値を0に設定する。一方、そのときに球払出制御部800では、バックアップフラグがセットされていなければ、電源投入時にRAM803の初期化を行うが、電源遮断時のバックアップフラグ処理により、バックアップフラグがセットされていると、電源投入時には、初期動作フラグのセット、賞球払出過剰カウンタのリセットが実行され、エラー解除スイッチが押下されていると更に所定のエラーフラグのクリアが実行されるが、その他のRAM803の記憶値は変更されない。従って、球払出制御部800のRAM803に記憶されている未払い賞球個数の記憶値は保持される。
【0123】
また、球払出制御部800は、該初期動作フラグがセットされている電源投入から1.6秒間は、発射モータ、賞球モータ及び貸し球払出モータを停止させる。尚、停止時間を1.6秒間としたのは、主基板と賞球基板との立ち上げの時間差、主基板からのエラー発生及びエラー発生解除コマンドを受信するまでの時間等を考慮したからである。そして、バックアップフラグがセットされており、未払い賞球個数が0ではないときには、起動から1.6秒後にバックアップにより記憶されていた未払い賞球個数分の賞球払出を開始する。また、こうしてバックアップによる賞球が開始する。
【0124】
ここで、賞球モータの回転開始から賞球の払出までは0.1sであるとして、最大偏差を0.2sとしても、第1個目の払出は、通常は払出制御部800の起動から遅くとも1.9秒後に検出され、主制御部900と球払出制御部800との起動時間差(0.4s)を考慮すると、主制御部900の起動から1.5秒経過する前に検出される。また、賞球払出中の払出間隔は、前記のように通常0.2秒以下であるので、最大偏差を0.1秒としても0.3秒以内である。従って、バックアップによる払出開始後の払出間隔が0.3秒を超えるとバックアップが終了したと判断することができる。
【0125】
一方、バックアップフラグがセットされておらず、バックアップによる払出を実行しない場合には、第1個目の賞球が払出しは、遊技球が発射され入賞口に落入して入賞検出手段に検出されて、主制御部900から球払出制御部800へ払出コマンドが送信された後に行われるので、遊技球が発射され入賞口に落入して入賞検出手段に検出され払出コマンドが送受信されるまでの時間を余分に必要とするので、主制御部900の起動から第1個目の払出が開始するまでに要する時間は、1.5秒よりも長い。従って、主制御部900の起動から1.5秒以内に賞球の払出が実行されるか否かにより、バックアップによる払出が実行されるか否かを検出することができる。
【0126】
図26は、バックアップにより記憶保持された未払い賞球個数が例えば13個であるときの電源投入時における本実施の形態にかかるパチンコ遊技機の動作を説明するためのタイムチャートである。なお、この場合にタイムチャートに示した期間には入賞がないとものとする。球払出制御部800は、時刻t1に起動すると、1.6秒間賞球払出モータ136a及び発射モータ101を停止させた後、時刻t3に発射モータ停止信号をオフにして発射モータ101を可動にする。また、電源遮断時の処理によって未払い賞球個数が13個であると記憶しているので、時刻t3から賞球モータ136aを回転させて賞球13個の払い出しを開始する。
【0127】
一方、主制御部900は、前記時刻t1よりも0.4s遅れて時刻t2に起動して、それから1.5秒以内である時刻t4に第1個目の賞球の払出を検出するので、第1球監視終了フラグをセットする。そして、13個の賞球が払出されている間は、賞球払出検出間隔が0.3秒を超えないので第2球以降監視処理終了フラグをセットする条件を満足しないので、第2球以降監視処理終了フラグはセットされず、時刻t6に13個のバックアップによる賞球の払出が終了すると、払出制御部800が記憶する未払い賞球個数が0になり賞球の払い出しが停止して、賞球払出検出間隔が0.3秒以上になるので、第13番目の賞球の払出検出をした時刻t6から0.3秒後の時刻t7に第2球以降監視終了フラグをセットするともに賞球払出過剰エラー監視実行フラグをセットする。
【0128】
従って、主制御部900は、主制御部900が記憶する未払い賞球個数と払出制御部800が記憶する未払い賞球個数とが一致しない時刻t2から時刻t7までは、誤検出を防ぐために賞球払出過剰エラーの監視処理を実行しないが、主制御部900が記憶する未払い賞球個数と払出制御部800が記憶する未払い賞球個数とが共に0になる時刻t7以降は、賞球払出過剰エラー監視処理を実行する。そして、このように一旦等しくなった主制御部900が記憶する未払い賞球個数と払出制御部800が記憶する未払い賞球個数は、どちらも入賞が検出されると加算され払出が検出されると減算されて同じ値で推移するので、正確に賞球払出過剰エラーを検出することができる。
【0129】
図27は、バックアップフラグがセットされていないとき又はバックアップによ記憶保持された未払い賞球個数が0個であるときの電源投入時における本実施の形態にかかるパチンコ遊技機の動作を説明するためのタイムチャートである。なお、この場合には、電源投入直後に、発射レバーが操作され、遊技球が遊技盤面に発射され、入賞口に入賞したとする。球払出制御部800は、時刻t1に起動すると、1.6秒間賞球払出モータを停止させた後に時刻t3に賞球払出モータを可動にするが、この時点では未払い賞球個数が0個であるので賞球の払出はせず、発射された遊技球が入賞して入賞センサに検出されてから時刻t8に賞球の払出を開始するので、時刻t9に第1個目の払出球が検出される。この時刻t9は時刻t5よりも後である。
【0130】
主制御部900は、前記時刻t1よりも遅れて時刻t2に起動して、それから1.5秒経過しても賞球の払出を検出しないので時刻t5に第1球監視終了フラグ、第2球監視終了フラグ及び賞球払出過剰エラー監視実行フラグをセットする。このように、電源投入時において、主制御部900が記憶する未払い賞球個数と払出制御部800が記憶する未払い賞球個数とが共に0であり一致しているので、主制御部900は、時刻t5から、賞球払出過剰エラー監視処理を開始する。そして、電源投入後の入賞によって払い出された賞球の第1個目が、時刻t5よりも後の時刻t8に検出される。この場合には、既に時刻t5において、主制御部900が記憶する未払い賞球個数と払出制御部800が記憶する未払い賞球個数はともに0であり、どちらの未払い賞球個数も、入賞が検出されると加算され、払出が検出されると減算されるので、同じ値で推移する。従って、時刻t5から正確に賞球払出過剰エラーを検出することができる。
【0131】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載のパチンコ遊技機によれば、外部電源からの電源供給が低下したり遮断されたりする電源異常が発生しても、賞品球払出の基準となる未払い賞品球数が、電源異常発生時から電源が正常に供給されるまで記憶保持されるので、電源異常の発生前及び復帰後の入賞回数に正確に対応した個数の賞品球の払出が実行されるようになるという効果を奏する。
【0132】
また、払出過剰エラー監視処理部における払出過剰エラー検出の基準となる未払い賞品球個数の値を電源投入時に初期化するので、未払い賞品球個数の値を電源供給中断中に保持する必要がなく、かかる初期化により信頼性の高い払出過剰エラー監視処理が担保されるという効果を有する。その反面、電源供給開始直後から払出過剰エラーの監視をすると、球払出制御部の算出する未払い賞品球数と、払出過剰エラー監視処理部が算出する未払い賞品球数とが一致しないせず、実際には発生していない払出過剰エラーを誤って検出する可能性がある。
【0133】
しかし、エラー監視停止制御手段が、電源が再投入された直後は払出過剰エラーの検出を停止させるので、払出過剰エラーを誤検出することがない。また、バックアップによる払出が終了すると払出過剰エラーの検出を開始するが、この払出過剰エラー監視開始時には、球払出制御部の算出する未払い賞品球数と、払出過剰エラー監視処理部が算出する未払い賞品球数はどちらも0になり、それ以降両者の未払い賞品球数が一致するようになるので、払出過剰エラーを正確に検出することができるという効果を奏するものである。
【0134】
請求項2に記載の発明によれば、払出検出手段の検出結果を監視するだけで、バックアップの開始及び終了を判定することができる。この払出検出手段は球払出制御や払出過剰エラー監視のために使用されているものを共用すればよい。即ち、新たな検出手段を設けることなく、簡易な構成によりバックアップによる払出の開始及び終了を検出することができるという効果を有するものである。
【0135】
請求項3に記載の発明によれば、主制御部は球払い出し制御部よりも遅く起動するため、電源投入直後の球払い出し制御部の算出する未払い賞品球数と、払い出し過剰エラー監視処理部が算出する未払い処理賞品球数が一致しない期間は主制御部の賞球払出過剰エラーの監視処理が実行されないため、誤検出が防止され、払出過剰エラーを正確に検知することができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例であるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】図1のパチンコ遊技機の遊技盤面拡大図である。
【図3】図1のパチンコ遊技機の裏面図である。
【図4】図1のパチンコ遊技機の側面図である。
【図5】遊技盤14面の各入賞口やゲートを通過した遊技球の遊技盤裏面における流出経路及び各種スイッチ類やソレノイド類等の配置状態を示した図である。
【図6】パチンコ遊技機における遊技内容を説明するためのフローチャートである。
【図7】賞品球及び貸し球の球払出経路と入賞球(セーフ球)の球払出経路との位置関係を示す図である。
【図8】賞球用の球払出装置80aの詳細を示した分解斜視図である。
【図9】本実施の形態のパチンコ遊技機の制御ブロック図を示す。
【図10】主制御部が実行するメインルーチンを示すフローチャートである。
【図11】A06に示した賞球払出し制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図12】B04に示したバックアップによる払出の監視処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図13】C05及びC25に示したエラー時のタイマ中止処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図14】B05に示した賞球払出過剰エラー監視処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図15】B06に示した賞球払出未検出エラー監視処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図16】B07に示した空切り防止スイッチエラー監視処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図17】B08に示した満タンエラー監視処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図18】球払出制御部のメインプログラムを示すフローチャートである。
【図19】J07に示した初期動作制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図20】J08に示した発射モータ制御処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図21】CH0割込みにより球払出制御部が実行する処理プログラムのフローチャートを示す。
【図22】M09に示した賞球片払出エラー監視処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図23】M12に示したエラー解除スイッチ監視処理のサブルーチンプログラムを示すフローチャートである。
【図24】球払出制御部が実行するNMI割込み処理プログラムのフローチャートを示す。
【図25】CH1割込みにより球払出制御部が実行する処理プログラムのフローチャートを示す。
【図26】バックアップにより記憶保持された未払い賞球個数が例えば13個であるときの電源投入時における本実施の形態にかかるパチンコ遊技機の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図27】バックアップフラグがセットされていないとき又はバックアップにより記憶保持された未払い賞球個数が0個であるときの電源投入時における本実施の形態にかかるパチンコ遊技機の動作を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
14 遊技盤
30 プリペードカードユニット
50 特別図柄表示装置
51a 始動入賞口
51b 可変始動入賞口
52 大入賞口
54 左落し入賞口
55 右落し入賞口
56 左袖入賞口
83 満タンスイッチ
57 右袖入賞口
82 空切り防止スイッチ
95 電源スイッチ
110a 始動入賞口用センサ
110b 可変始動入賞口用センサ
111 大入賞口用センサ
112 特定領域用センサ
119a 左袖入賞口用センサ
119b 右袖入賞口用センサ
119c 左落し入賞口用センサ
119d 右落し入賞口用センサ
136a 賞球払出モータ
136b 貸し球払出モータ
138a 賞球センサA
138b 賞球センサB
138c 貸し球センサA
138d 貸し球センサB
800 球払出制御部
801 電圧低下検出回路
802 バックアップ電源
803 RAM
804 CPU
805 ROM
900 主制御部
901 ROM
902 CPU
903 RAM
904 起動遅延回路
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