以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、この外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、この中枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、これら中枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
図2は、遊技機100の正面図であり、図3は、遊技盤108の正面図である。ただし、図2においては、遊技盤108が取り外された状態を示している。図2に示すように、前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。この操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、図3に示すように、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤108には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a、114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116bに進入することとなる。
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、左側第1始動口120、右側第1始動口120a、第2始動口122、普通始動口125が設けられており、これら一般入賞口118、左側第1始動口120、右側第1始動口120a、第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。本実施形態では、払い出される賞球数として、一般入賞口118は4個、左側第1始動口120は4個、右側第1始動口120aは1個、第2始動口122は1個、普通始動口125は1個に設定されている。
なお、賞球数は1個以上であれば何個でもよく、また、一般入賞口118、左側第1始動口120、右側第1始動口120a、第2始動口122のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。このとき、左側第1始動口120、右側第1始動口120aに遊技球が入球して払い出す賞球数を、第2始動口122に遊技球が入球して払い出す賞球数よりも少なく設定することも可能である。
なお、詳しくは後述するが、左側第1始動口120、右側第1始動口120a、または第2始動口122に遊技球が入球すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な小当たり遊技の実行可否等が対応付けられている。したがって、遊技者は、左側第1始動口120、右側第1始動口120a、または第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、所定の遊技利益を受ける権利獲得の機会を得ることとなる。
また、左側第1始動口120は、第1遊技領域116aに位置しており、第1遊技領域116aを流下する遊技球のみが入球可能であるか、もしくは、第1遊技領域116aに進入した遊技球の方が、第2遊技領域116bに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に配置されている。
また、右側第1始動口120aは、第2遊技領域116bに位置しており、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能である位置に配置されている。この右側第1始動口120aは、可動片120bを有する始動可変入賞装置によって構成されており、右側第1始動口120aへの遊技球の進入容易性が可変するようになっている。具体的には、右側第1始動口120aは、可動片120bが開閉可能に設けられており、この可動片120bが閉状態にあるときには、右側第1始動口120aへの遊技球の進入が不可能もしくは困難となっている。
ここで、第2遊技領域116bに設けられたゲート124を遊技球が通過する、もしくは、普通始動口125に遊技球が入球すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片120bが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片120bが開状態になると、右側第1始動口120aへの遊技球の入球が容易となる。
なお、ゲート124を通過した遊技球は、ゲート124の下方に設けられた減速領域138a、138bを転動、流下する。減速領域138a、138bには、不図示の遊技盤108の前面に対向する対向面に、上下方向に沿って交互に第2遊技領域116b側に突出する突起部が設けられている。したがって、減速領域138a、138bを通過する遊技球は、流下速度が減速され、上方から下方へとゆっくりと転動することになる。
さらに、第2遊技領域116bには、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能である位置に可動片126bを有する第1大入賞口126および可動片128bを有する第2大入賞口128が設けられている。なお、以下では、第1大入賞口126および第2大入賞口128を総称して大入賞口と呼ぶ場合がある。
図4は、右側第1始動口120aを説明する図である。右側第1始動口120aには、遊技盤108の正面側に突出する構造物121が設けられている。この構造物121は、上部に開口が形成されており、この開口が右側第1始動口120aとなる。構造物121の上部には、可動片120bが設けられており、通常、図4(a)に示すように、可動片120bは、第1大入賞口126を閉鎖する閉状態に維持されている。
可動片120bは、遊技機100の上方に臨むようにして、遊技球が転動、流下する遊技領域116に突出している。したがって、可動片120bが閉状態に維持されている場合には、遊技領域116(第2遊技領域116b)を流下する遊技球が、可動片120b上に落下することとなる。ここで、閉状態に維持された可動片120bは、遊技機100の左側が右側よりも僅かに低い位置になるように傾斜している。そのため、可動片120bが閉状態にあるときには、図4(a)に矢印で示すように、可動片120b上に落下した遊技球が、可動片120b上を右方から左方へとゆっくりと転動することになる。
そして、後述の普図抽選によって当たりに当選すると、可動片120bは、右側第1始動口120aを開放する開状態に変移する。ここで、可動片120bは、図4(b)に示すように、不図示のアクチュエータ(ソレノイド)により、遊技盤108に形成された孔から、遊技機100の前後方向(正面背面方向)に出没する。通常はアクチュエータが未通電状態に維持されており、可動片120bは遊技盤108の孔よりも正面側に突出した位置に保持され、右側第1始動口120aを閉鎖している。そして、アクチュエータが通電されると、図4(b)に示すように、可動片120bは、遊技盤108の孔よりも背面側に没入した位置に保持され、右側第1始動口120aが開放される。このように、右側第1始動口120aが開放された状態では、遊技球が右側第1始動口120aに入球する。また、右側第1始動口120aに入球した遊技球は、必ず、第1始動口検出スイッチ120sを通過するように構成されている。そして、遊技球が第1始動口検出スイッチ120sを通過すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
図5は、第1大入賞口126を説明する図である。第2遊技領域116bには、遊技盤108の正面側に突出する構造物127が設けられている。この構造物127は、上部に開口が形成されており、この開口が第1大入賞口126となる。構造物127の上部には、可動片126bが設けられており、通常、図5(a)に示すように、可動片126bは、第1大入賞口126を閉鎖する閉状態に維持されている。
可動片126bは、遊技機100の上方に臨むようにして、遊技球が転動、流下する遊技領域116に突出している。したがって、可動片126bが閉状態に維持されている場合には、遊技領域116(第2遊技領域116b)を流下する遊技球が、可動片126b上に落下することとなる。ここで、閉状態に維持された可動片126bは、遊技機100の左側が右側よりも僅かに低い位置になるように傾斜している。そのため、可動片126bが閉状態にあるときには、図5(a)に矢印で示すように、可動片126b上に落下した遊技球が、可動片126b上を右方から左方へとゆっくりと転動することになる。
そして、後述の小当たり遊技が実行されると、可動片126bは、第1大入賞口126を開放する開状態に変移する。ここで、可動片126bは、図5(b)に示すように、不図示のアクチュエータ(ソレノイド)により、遊技盤108に形成された孔から、遊技機100の前後方向(正面背面方向)に出没する。通常はアクチュエータが未通電状態に維持されており、可動片126bは遊技盤108の孔よりも正面側に突出した位置に保持され、第1大入賞口126を閉鎖している。そして、アクチュエータが通電されると、図5(b)に示すように、可動片126bは、遊技盤108の孔よりも背面側に没入した位置に保持され、第1大入賞口126が開放される。このように、第1大入賞口126が開放された状態では、遊技球が第1大入賞口126に入球する。なお、大役抽選における小当たりの当選と、普図抽選における当たりの当選とのタイミングによって、第1大入賞口126が開状態に制御されるタイミングにおいて、可動片120bが開状態に制御される場合もある。
図6は、第2大入賞口128を説明するための図である。第2遊技領域116bには、遊技盤108の正面側に突出する構造物129が設けられている。この構造物129は、上部に開口が形成されており、この開口が第2大入賞口128となる。構造物129の上部には、可動片128bが設けられており、通常、図6(a)に示すように、可動片128bは、第2大入賞口128を閉鎖する閉状態に維持されている。
可動片128bは、遊技機100の上方に臨むようにして、遊技球が転動、流下する遊技領域116に突出している。したがって、可動片128bが閉状態に維持されている場合には、遊技領域116(第2遊技領域116b)を流下する遊技球が、可動片128b上に落下することとなる。ここで、閉状態に維持された可動片128bは、遊技機100の右側が左側よりも僅かに低い位置になるように傾斜している。そのため、可動片128bが閉状態にあるときには、図6(a)に矢印で示すように、可動片128b上に落下した遊技球が、可動片128b上を左方から右方へとゆっくりと転動することになる。
そして、後述の大役遊技が実行されると、可動片128bは、第2大入賞口128を開放する開状態に変移する。ここで、可動片128bは、図6(a)、(b)に示すように、不図示のアクチュエータ(ソレノイド)により、遊技盤108に形成された孔から、遊技機100の前後方向(正面背面方向)に出没する。通常はアクチュエータが未通電状態に維持されており、可動片128bは遊技盤108の孔よりも正面側に突出した位置に保持され、第2大入賞口128を閉鎖している。そして、アクチュエータが通電されると、図6(b)に示すように、可動片128bは、遊技盤108の孔よりも背面側に没入した位置に保持され、第2大入賞口128が開放される。このように、第2大入賞口128が開放された状態では、遊技球が第2大入賞口128に入球する。
そして、第2大入賞口128の内部には、導出路128dが設けられており、第2大入賞口128は、当該第2大入賞口128に入球した遊技球が、導出路128dに導かれるように傾斜している。そして、導出路128dには、遊技球が通過可能な孔からなる特定領域140bおよび非特定領域140cが設けられており、第2大入賞口128に入球した遊技球が、特定領域140bおよび非特定領域140cのいずれかを通過して、遊技盤108の背面側に排出されるように構成されている。
そして、第2大入賞口128には、特定領域140bおよび非特定領域140cを開閉する可動部材142が設けられている。この可動部材142は、その可動(スライド)によって、特定領域140bへの遊技球の進入を可能とする状態と、特定領域140bへの遊技球の進入を不可能とする状態とに切り換える。より詳細には、可動部材142が、図6(c)に示す位置に変位すると、非特定領域140cが可動部材142によって塞がれ、遊技球は特定領域140bを通過可能となる。一方、可動部材142が、図6(d)に示す位置に変位すると、特定領域140bが可動部材142によって塞がれ、遊技球は非特定領域140cを通過可能となる。詳しくは後述するが、大役遊技の所定のラウンド遊技中に特定領域140bに遊技球が進入した場合には、当該大役遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態かつ時短遊技状態に設定され、所定のラウンド遊技中に特定領域140bに遊技球が進入しなかった場合には、当該大役遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態かつ時短遊技状態に設定されることとなる。
図3に戻り、遊技領域116の最下部には、一般入賞口118、普通始動口125、左側第1始動口120、右側第1始動口120a、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する排出口130が設けられている。また、第2遊技領域116bには、遊技球を、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出するアウト口130a、130b、130cが設けられている。
そして、遊技盤108には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、可動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる音声出力装置206、遊技者の操作を受け付ける演出操作装置208が設けられている。
演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aを備えており、この演出表示部200aを、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置している。この演出表示部200aには、例えば、図示のように演出図柄210a、210b、210cが変動表示され、これら各演出図柄210a、210b、210cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。
演出役物装置202は、演出表示部200aよりも前面に配置され、通常、遊技盤108の背面側に退避しているが、上記の演出図柄210a、210b、210cの変動表示中などに、演出表示部200aの前面まで可動して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
演出照明装置204は、演出役物装置202や遊技盤108等に設けられており、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
音声出力装置206は、前枠106の上部位置や外枠102の最下部位置に設けられ、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けてさまざまな音声を出力する。
演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付けるボタンで構成され、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110よりも下方位置に設けられている。この演出操作装置208は、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化されるものであり、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。
なお、図中符号132は、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿132が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿134に導かれることとなる。また、この下皿134の底面には、当該下皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ134aを図中左右方向にスライドさせることにより、当該球抜きつまみ134aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
また、遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が設けられている。これら各表示器160〜172は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
(制御手段の内部構成)
図7は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300cを備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118s、左側第1始動口120または右側第1始動口120aに遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122s、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124s、普通始動口125に遊技球が入球したことを検出する普通始動口検出スイッチ125s、第1大入賞口126に遊技球が入球したことを検出する第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する第2大入賞口検出スイッチ128s、特定領域140bに遊技球が進入したことを検出する特定領域検出スイッチ140sが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。
また、主制御基板300には、右側第1始動口120aの可動片120bを開閉する普通電動役物ソレノイド120cと、第1大入賞口126の可動片126bを開閉する第1大入賞口ソレノイド126cと、第2大入賞口128の可動片128bを開閉する第2大入賞口ソレノイド128cと、第2大入賞口128内に設けられた可動部材142を可動する可動部材駆動ソレノイド142cと、が接続されており、主制御基板300によって、右側第1始動口120a、第1大入賞口126、第2大入賞口128および特定領域140bの開閉制御がなされるようになっている。
さらに、主制御基板300には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が接続されており、主制御基板300によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
また、本実施形態の遊技機100は、主に左側第1始動口120、右側第1始動口120aまたは第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過する、もしくは、普通始動口125に遊技球が入球することによって開始される普通遊技とに大別される。そして、主制御基板300のメインROM300bには、特別遊技および普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
また、主制御基板300には、払出制御基板310および副制御基板330が接続されている。払出制御基板310は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板310も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板300に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板310には遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御基板300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板310および遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
また、払出制御基板310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出制御基板310は、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
また、払出制御基板310には、下皿134の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。この皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿134に導く通路に設けられており、遊技球検出信号が払出制御基板310に入力されるようになっている。
そして、下皿134に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿134に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ318sから払出制御基板310に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板300に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板300に送信する。
また、払出制御基板310には、遊技球の発射制御を行う発射制御回路320が設けられている。払出制御基板310には、操作ハンドル112に設けられ、当該操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112sおよび操作ボリューム112aから信号が入力されると、発射制御回路320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行制御する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
具体的には、副制御基板330では、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cが協働して、サブメイン、画像制御部、役物制御部、照明制御部、音声制御部として機能する。サブメインは、各種入力コマンドに応じて、実行する演出の内容を決定したり、演出の実行を管理、統括したりする。画像制御部は、上記演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行う。サブROM330bには、演出表示部200aに表示される図柄や背景、字幕等の画像データが多数格納されており、画像制御部が、画像データをサブROM330bから不図示のVRAMに読み出して、演出表示部200aの画像表示を制御する。
また、役物制御部は、サブメインによる演出の管理にしたがってアクチュエータを駆動し、演出役物装置202を可動制御する。照明制御部は演出照明装置204を点灯制御する。また、音声制御部は、上記音声出力装置206から音声を出力させる音声出力制御を行う。サブROM330bには、音声出力装置206から出力される音声や楽曲等の音声データが多数格納されており、音声制御部が、音声データをサブROM330bから読み出して、音声出力装置206の音声出力を制御する。
さらに、副制御基板330では、演出操作装置208が押下操作または回転操作されたことを検出する演出操作装置検出スイッチ208sから操作検出信号が入力された際に、所定の演出を実行する。
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。また、電源基板にはコンデンサからなるバックアップ電源が設けられている。
次に、本実施形態の遊技機100における遊技について、メインROM300bに記憶されている各種テーブルと併せて説明する。
前述したように、本実施形態の遊技機100は、特別遊技と普通遊技の2種類の遊技が並行して進行するものである。特別遊技は、低確率遊技状態および高確率遊技状態のいずれかの遊技状態にて遊技が進行し、普通遊技は、非時短遊技状態および時短遊技状態のいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、大入賞口が開放される大役遊技を実行する権利獲得の確率が低く設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、大役遊技を実行する権利獲得の確率が高く設定された遊技状態である。また、非時短遊技状態というのは、可動片120bが開状態になりにくく、右側第1始動口120aに遊技球が入球し難い遊技状態であり、時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片120bが開状態になりやすく、右側第1始動口120aに遊技球が入球しやすい遊技状態である。
なお、詳しくは後述するが、本実施形態では、非時短遊技状態においても、第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射させた場合には、一定の頻度で第2始動口122に遊技球が入球するように構成されている。ただし、第2始動口122に遊技球が入球して払い出される賞球数は1個に設定されており、非時短遊技状態では、遊技中に第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射し続けている場合に、遊技球の発射数よりも、第2始動口122への遊技球の入球によって払い出される賞球数が少ない。一方、時短遊技状態では、遊技中に第2遊技領域116bに向けて遊技球を発射し続けている場合に、発射された遊技球の殆どが右側第1始動口120aに入球し、遊技球が殆ど減少しないように設定されている。
上記のように、特別遊技と普通遊技とは同時並行して進行することから、本実施形態では、低確率遊技状態または高確率遊技状態と、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれかとが組み合わされた遊技状態となる。以下では、理解を容易とするため、特別遊技に係る遊技状態、すなわち、低確率遊技状態および高確率遊技状態を特別遊技状態と呼び、普通遊技に係る遊技状態、すなわち、非時短遊技状態および時短遊技状態を普通遊技状態と呼ぶ場合がある。遊技機100の初期状態は、低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定されている。
遊技者が操作ハンドル112を操作して遊技領域116に遊技球を発射させるとともに、遊技領域116を流下する遊技球が左側第1始動口120、右側第1始動口120aまたは第2始動口122に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かの抽選(以下、「大役抽選」という)が行われる。この大役抽選において、大当たりに当選すると、大入賞口が開放されるとともに当該大入賞口への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行され、また、当該大役遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大役抽選方法について説明する。
なお、詳しくは後述するが、左側第1始動口120、右側第1始動口120aまたは第2始動口122に遊技球が入球すると、大役抽選に係る種々の乱数値(大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM300cの特図保留記憶領域に記憶される。以下では、左側第1始動口120または右側第1始動口120aに遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特1保留とよび、第2始動口122に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特2保留と呼ぶ。
メインRAM300cの特図保留記憶領域は、第1特図保留記憶領域と第2特図保留記憶領域とを備えている。第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域は、それぞれ4つの記憶部(第1〜第4記憶部)を有している。そして、左側第1始動口120または右側第1始動口120aに遊技球が入球すると、特1保留を第1特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶し、第2始動口122に遊技球が入球すると、特2保留を第2特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶する。
例えば、左側第1始動口120または右側第1始動口120aに遊技球が入球したとき、第1特図保留記憶領域の第1〜第4記憶部のいずれにも保留が記憶されていない場合には、第1記憶部に特1保留を記憶する。また、例えば、第1記憶部〜第3記憶部に特1保留が記憶されている状態で、左側第1始動口120または右側第1始動口120aに遊技球が入球した場合には、特1保留を第4記憶部に記憶する。また、第2始動口122に遊技球が入球した場合にも、上記と同様に、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部の中で、特2保留が記憶されていない、最も番号(序数)の小さい記憶部に特2保留が記憶される。
ただし、第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域に記憶可能な特1保留数(X1)および特2保留数(X2)は、それぞれ4つに設定されている。したがって、例えば、左側第1始動口120または右側第1始動口120aに遊技球が入球したときに、第1特図保留記憶領域に既に4つの特1保留が記憶されている場合には、当該左側第1始動口120または右側第1始動口120aへの遊技球の入球によって新たに特1保留が記憶されることはない。同様に、第2始動口122に遊技球が入球したときに、第2特図保留記憶領域に既に4つの特2保留が記憶されている場合には、当該第2始動口122への遊技球の入球によって新たに特2保留が記憶されることはない。
図8は、大当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。左側第1始動口120、右側第1始動口120aまたは第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜65535の範囲内から1つの大当たり決定乱数が取得される。そして、大役抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態に応じて大当たり決定乱数判定テーブルが選択され、当該選択された大当たり決定乱数判定テーブルと取得された大当たり決定乱数とによって大役抽選が行われる。
低確率遊技状態において、左側第1始動口120または右側第1始動口120aへの遊技球の入球に基づいて大役抽選を開始する場合には、図8(a)に示すように、特1用低確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この特1用低確時大当たり決定乱数判定テーブルによれば、大当たり決定乱数が10001〜10270であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が20001〜22185であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/242.7、小当たり確率は約1/30となる。
また、低確率遊技状態において、第2始動口122への遊技球の入球に基づいて大役抽選を開始する場合には、図8(b)に示すように、特2用低確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この特2用低確時大当たり決定乱数判定テーブルによれば、大当たり決定乱数が10001〜10270であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が20001〜56408であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/242.7、小当たり確率は約1/1.8となる。
また、高確率遊技状態において、左側第1始動口120または右側第1始動口120aへの遊技球の入球に基づいて大役抽選を開始する場合には、図8(c)に示すように、特1用高確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この特1用高確時大当たり決定乱数判定テーブルによれば、大当たり決定乱数が10001〜10700であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が20001〜22185であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/93.6、小当たり確率は約1/30となる。
また、高確率遊技状態において、第2始動口122への遊技球の入球に基づいて大役抽選を開始する場合には、図8(d)に示すように、特2用高確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この特2用高確時大当たり決定乱数判定テーブルによれば、大当たり決定乱数が10001〜10700であった場合に大当たりと判定し、大当たり決定乱数が20001〜56408であった場合に小当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/242.7、小当たり確率は約1/1.8となる。
図9は、当たり図柄乱数判定テーブルを説明する図である。左側第1始動口120、右側第1始動口120aまたは第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜99の範囲内から1つの当たり図柄乱数が取得される。そして、上記の大役抽選により「大当たり」の判定結果が導出された場合に、取得している当たり図柄乱数と当たり図柄乱数判定テーブルとによって、特別図柄の種別が決定される。このとき、特1保留によって「大当たり」に当選した場合には、図9(a)に示すように、特1用当たり図柄乱数判定テーブルaが選択され、特2保留によって「大当たり」に当選した場合には、図9(b)に示すように、特2用当たり図柄乱数判定テーブルbが選択され、特1保留によって「小当たり」に当選した場合には、図9(c)に示すように、特1用小当たり図柄乱数判定テーブルaが選択され、特2保留によって「小当たり」に当選した場合には、図9(d)に示すように、特2用小当たり図柄乱数判定テーブルbが選択される。以下では、当たり図柄乱数によって決定される特別図柄、すなわち、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄と呼び、小当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を小当たり図柄と呼び、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄と呼ぶ。
図9(a)に示す特1用当たり図柄乱数判定テーブルa、および、図9(b)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブルbによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄として大当たり図柄(特別図柄A〜D)が決定される。また、図9(c)に示す特1用小当たり図柄乱数判定テーブルa、および、図9(d)に示す特2用小当たり図柄乱数判定テーブルbによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄として小当たり図柄(特別図柄Z)が決定される。
なお、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、当該抽選結果が特1保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Xが決定され、当該抽選結果が特2保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Yが決定される。つまり、当たり図柄乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「大当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「ハズレ」または「小当たり」であった場合に参照されることはない。また、小当たり図柄乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「小当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「大当たり」または「ハズレ」であった場合に参照されることはない。
図10(a)は、変動パターン乱数判定テーブルを説明する図であり、図10(b)は変動時間決定テーブルを説明する図である。なお、変動パターン乱数判定テーブルは、保留種別、大役抽選の結果(特別図柄種別)、遊技状態ごとに複数設けられているが、ここでは、任意の変動パターン乱数判定テーブルxについて説明する。上記のようにして特別図柄の種別が決定されると、図10(a)に示すような変動パターン乱数判定テーブルと、左側第1始動口120、右側第1始動口120aまたは第2始動口122に遊技球が入球したときに取得した0〜238の範囲の変動パターン乱数とに基づいて、いずれかの変動パターン番号が決定される。この変動パターン番号には、図10(b)に示すように、それぞれ変動時間が対応付けられている。この変動時間というのは、決定された特別図柄を、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に停止表示させるまでの時間である。
詳しくは後述するが、特1保留に基づいて特別図柄が決定されるとともに、変動パターン番号すなわち変動時間が決定されると、当該決定された変動時間に亘って第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示が行われ、変動時間が経過すると、第1特別図柄表示器160に、決定された特別図柄が停止表示される。また、特2保留に基づいて特別図柄が決定されるとともに、変動パターン番号すなわち変動時間が決定されると、当該決定された変動時間に亘って第2特別図柄表示器162において図柄の変動表示が行われ、変動時間が経過すると、第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示される。このとき、ハズレ図柄が第1特別図柄表示器160に停止表示されることで、大役抽選の結果としてハズレが確定し、次の特1保留に基づく大役抽選が実行可能となり、ハズレ図柄が第2特別図柄表示器162に停止表示されることで、大役抽選の結果としてハズレが確定し、次の特2保留に基づく大役抽選が実行可能となる。一方、大当たり図柄が第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に停止表示されると、大役抽選の結果として大当たりが確定し、大役遊技が実行され、小当たり図柄が第2特別図柄表示器162に停止表示されると、大役抽選の結果として小当たりが確定し、小当たり遊技が実行されることとなる。
このように、変動時間は、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示の時間、換言すれば、大役抽選の結果を確定させるまでの時間を規定するものとなるが、この変動時間を決定するための変動パターン乱数判定テーブルは、保留種別、大役抽選の結果(特別図柄種別)、遊技状態ごとに複数設けられている。これにより、取得した変動パターン乱数の値が同一であったとしても、選択する変動パターン乱数判定テーブルによって、異なる変動パターン番号、すなわち、変動時間が決定されることとなる。このことからも明らかなように、本実施形態では、変動時間を決定するための変動時間決定条件が、特別図柄、遊技球が入球した始動口の種別(保留種別)、および、遊技状態に対応して設定されており、この変動時間決定条件が、変動パターン乱数判定テーブルによって設定されていると言える。
以上のようにして変動パターン番号が決定されると、当該決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されることとなるが、その詳細については説明を省略する。
図11は、遊技状態、特別図柄、変動時間、保留種別の関係を説明する図である。上述のように、特別遊技状態と普通遊技状態とが組み合わされて1の遊技状態となり、設定中の遊技状態に応じて遊技の進行制御がなされる。既に説明したように、特別遊技状態は、大当たりの当選確率を異にする低確率遊技状態および高確率遊技状態の2種類が設けられている。また、普通遊技状態は、互いに右側第1始動口120aへの遊技球の入球容易性(入球頻度)を異にする非時短遊技状態および時短遊技状態の2種類が設けられている。
ここで、普通遊技において、右側第1始動口120aへの遊技球の入球容易性は、当選確率、変動時間、開放時間の3つの要素によって決定される。詳しくは後述するが、普通遊技では、ゲート124を遊技球が通過するか、普通始動口125に遊技球が入球すると普図保留が記憶される。そして、記憶された普図保留に基づいて、可動片120bを開放するか否かを決定する普図抽選が行われる。この普図抽選の結果は、所定の変動時間が経過したところで確定する。普図抽選の結果として当たりが確定すると、可動片120bが開放される。このとき、普図抽選における当選確率、変動時間、および、可動片120bを開放する際の開放時間が、それぞれ普通遊技状態ごとに設定されている。
本実施形態では、図11(a)に示すように、特別遊技状態および普通遊技状態の組み合わせにより4種類の遊技状態が設けられる。ハズレ図柄または小当たり図柄が決定され、遊技状態が低確率遊技状態かつ非時短遊技状態である場合に、特1保留に基づいて大役抽選が行われた際の変動時間は3.0〜180秒に決定され、特2保留に基づいて大役抽選が行われた際の変動時間は必ず10分に決定される。また、ハズレ図柄または小当たり図柄が決定され、遊技状態が低確率遊技状態かつ時短遊技状態である場合に、特1保留に基づいて大役抽選が行われた際の変動時間は0.3〜1.5秒に決定され、特2保留に基づいて大役抽選が行われた際の変動時間は10〜180秒に決定される。
ハズレ図柄または小当たり図柄が決定され、遊技状態が高確率遊技状態かつ非時短遊技状態である場合に、特1保留に基づいて大役抽選が行われた際の変動時間は3.0〜180秒に決定され、特2保留に基づいて大役抽選が行われた際の変動時間は必ず2秒に決定される。また、ハズレ図柄または小当たり図柄が決定され、遊技状態が高確率遊技状態かつ時短遊技状態である場合に、特1保留に基づいて大役抽選が行われた際の変動時間は0.3〜1.5秒に決定され、特2保留に基づいて大役抽選が行われた際の変動時間は10〜180秒に決定される。
また、大当たり図柄が決定され、遊技状態が低確率遊技状態かつ非時短遊技状態である場合に、特1保留に基づいて大役抽選が行われた際の変動時間は60〜180秒に決定され、特2保留に基づいて大役抽選が行われた際の変動時間は0.3〜60秒に決定される。また、大当たり図柄が決定され、遊技状態が低確率遊技状態かつ時短遊技状態である場合に、特1保留に基づいて大役抽選が行われた際の変動時間は0.3〜60秒に決定され、特2保留に基づいて大役抽選が行われた際の変動時間は10〜180秒に決定される。
大当たり図柄が決定され、遊技状態が高確率遊技状態かつ非時短遊技状態である場合に、特1保留に基づいて大役抽選が行われた際の変動時間は3.0〜180秒に決定され、特2保留に基づいて大役抽選が行われた際の変動時間は0.3〜60秒に決定される。また、大当たり図柄が決定され、遊技状態が高確率遊技状態かつ時短遊技状態である場合に、特1保留に基づいて大役抽選が行われた際の変動時間は0.3〜60秒に決定され、特2保留に基づいて大役抽選が行われた際の変動時間は10〜180秒に決定される。
詳しくは後述するが、本実施形態では、大役遊技が実行されておらず、かつ、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162のいずれにおいても図柄の変動表示が行われていない場合に、左側第1始動口120、右側第1始動口120aおよび第2始動口122への遊技球の入球に基づく次なる特別図柄の決定処理、すなわち、特1保留および特2保留による大役抽選が実行可能となる。また、第1特別図柄表示器160において図柄が変動表示中であって、第2特別図柄表示器162において図柄の変動表示が行われていない場合に、第2始動口122への遊技球の入球に基づく次なる特別図柄の決定処理、すなわち、特2保留による大役抽選が実行可能となる。さらに、第2特別図柄表示器162において図柄が変動表示中であって、第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示が行われていない場合に、左側第1始動口120または右側第1始動口120aへの遊技球の入球に基づく次なる特別図柄の決定処理、すなわち、特1保留による大役抽選が実行可能となる。
つまり、特1保留に基づく特別図柄の変動表示と、特2保留に基づく特別図柄の変動表示とは、同時に実行可能となっており、特別図柄の変動表示が終了すると、当該変動表示が終了した保留種別について、次の特別図柄の変動表示が開始される。
しかしながら、大役抽選の結果がハズレまたは小当たりであった場合に、変動時間として10分が決定されると、当該保留種別に基づく次なる大役抽選は、遊技状態が変更されない限り、10分が経過するまで実行されなくなる。したがって、変動時間として10分が決定されるということは、現在の遊技状態のままでは、当該保留種別について次なる大役抽選が実質的になされないということを意味している。
したがって、図11(b)に示すように、低確率遊技状態かつ非時短遊技状態においては、実質的に特1保留のみが大役抽選の対象(以下、変動対象と呼ぶ)となり、特2保留に基づく大役抽選は、実質的に不実行(実質変動不可)となる。また、その他の遊技状態においては、変動時間から見ると、特1保留に基づく大役抽選、および、特2保留に基づく大役抽選の双方が可能である。例えば、低確率遊技状態かつ時短遊技状態においては、特1保留に基づく大役抽選が行われた場合の変動時間は0.3〜1.5秒であり、特2保留に基づく大役抽選が行われた場合の変動時間は10〜180秒である。したがって、低確率遊技状態かつ時短遊技状態においては、特1保留と特2保留との双方が変動可能となっている。
しかしながら、本実施形態では、左側第1始動口120に遊技球を入球させる場合には、第1遊技領域116aに向けた遊技球の発射操作(以下、左打ちと呼ぶ)が必要となり、右側第1始動口120aおよび第2始動口122に遊技球を入球させる場合には、第2遊技領域116bに向けた遊技球の発射操作(以下、右打ちと呼ぶ)が必要となる。そして、遊技状態ごとに、左打ちと右打ちとのいずれが遊技者にとって有利であるかが設定されている。
例えば、低確率遊技状態かつ時短遊技状態においては、右打ちを行うことで、右側第1始動口120aに遊技球が次々と入球するため、遊技者は遊技球の費消を低減しながら大役抽選の機会を得ることができる。これに対して、低確率遊技状態かつ時短遊技状態においては、左打ちを行ってしまうと、右打ちを行った場合に比べて、遊技球の費消が大きくなってしまう。したがって、低確率遊技状態かつ時短遊技状態においては、特1保留および特2保留の双方が変動可能であるものの、遊技性の観点から、遊技者は、右側第1始動口120aを狙う必要がある。以下では、上記のように、遊技者が本来狙うべき始動口、換言すれば、図柄の変動表示を行うべき保留種別を変動対象と呼ぶ。また、低確率遊技状態かつ時短遊技状態、高確率遊技状態かつ時短遊技状態における変動対象は、いずれも特1保留となっている。また、高確率遊技状態かつ非時短遊技状態における変動対象は、特2保留となっている。
図12は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する図である。この特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大役遊技または小当たり遊技を制御するための各種データが記憶されたものであり、大役遊技中および小当たり遊技中は、この特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cが通電制御される。なお、実際は、特別電動役物作動ラムセットテーブルは、特別図柄(大当たり図柄および小当たり図柄)の種別ごとに複数設けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、対応するテーブルが大役遊技または小当たり遊技の開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに全ての特別図柄の制御データを示す。
大当たり図柄である特別図柄A〜D、または、小当たり図柄である特別図柄Zが決定されると、図12に示すように、特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して大役遊技または小当たり遊技が実行される。大役遊技は、大入賞口が所定回数開閉される複数回のラウンド遊技で構成され、小当たり遊技は、ラウンド遊技が1回のみ実行される。この特別電動役物作動ラムセットテーブルによれば、オープニング時間(最初のラウンド遊技が開始されるまでの待機時間)、特別電動役物最大作動回数(1回の大役遊技または小当たり遊技中に実行されるラウンド遊技の回数)、特別電動役物開閉切替回数(1ラウンド中の大入賞口の開放回数)、ソレノイド通電時間(大入賞口の開放回数ごとの第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電時間、すなわち、1回の大入賞口の開放時間)、規定数(1回のラウンド遊技における大入賞口への最大入賞可能数)、大入賞口閉鎖有効時間(ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖時間、すなわち、インターバル時間)、エンディング時間(最後のラウンド遊技が終了してから、通常の特別遊技(後述する特別図柄の変動表示)が再開されるまでの待機時間)が、制御データとして、特別図柄の種別ごとに、図示のように予め記憶されている。
なお、大当たり図柄である特別図柄A、Bが決定された場合には、いずれも10回のラウンド遊技で構成される大役遊技が実行され、特別図柄C、Dが決定された場合には、3回のラウンド遊技で構成される大役遊技が実行される。各ラウンド遊技は、第2大入賞口128の最大開放時間(大入賞口開放時間)が経過するか、もしくは、規定数(ここでは8個)の遊技球が第2大入賞口128に入球すると終了となる。
特別図柄Aが決定された場合には、1回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128が最大で0.1秒のみ開放され、2〜10回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128が最大で29.0秒開放される。特別図柄Bが決定された場合には、1〜10回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128が最大で29.0秒開放される。特別図柄Cが決定された場合には、1回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128が最大で0.1秒のみ開放され、2、3回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128が最大で29.0秒開放される。特別図柄Dが決定された場合には、1〜3回目のラウンド遊技において、第2大入賞口128が最大で29.0秒開放される。
また、小当たり図柄である特別図柄Zが決定された場合には、第1大入賞口126が0.1秒×10回開放される小当たり遊技が行われる。この小当たり遊技によれば、ほぼ規定数の遊技球が第1大入賞口126に入球可能となっている。
図13は、特別図柄の種別と遊技状態との関係を説明する図である。本実施形態においては、大役遊技が実行された場合、大役遊技における特定ラウンド遊技(ここでは1回目のラウンド遊技)中に、特定領域140bに遊技球が進入したか否かに応じて、大役遊技の終了後の遊技状態が設定される。
図13(a)に示すように、大当たり図柄が特別図柄A、B、C、Dのいずれかであり、大役遊技における特定ラウンド遊技中に特定領域140bに遊技球が進入した場合には、大役遊技後の遊技状態が高確率遊技状態かつ時短遊技状態に設定される。このとき、高確率遊技状態の継続回数(以下、「高確回数」という)は10000回に設定され、時短遊技状態の継続回数(以下、「時短回数」という)は10000回に設定される。これは、大役抽選結果が10000回導出されるまで、高確率遊技状態が継続し、大役抽選結果が10000回導出されるまで、時短遊技状態が継続することを意味している。ただし、上記した高確回数および時短回数は、それぞれ1の高確率遊技状態または時短遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数または時短回数の設定が行われることとなる。上記の場合には、高確率遊技状態かつ時短遊技状態において大当たりの抽選結果が導出されることなく、ハズレの抽選結果が10000回導出されると、低確率遊技状態かつ非時短遊技状態に遊技状態が変更されることとなる。
また、大当たり図柄が特別図柄A、B、C、Dのいずれかであり、大役遊技における特定ラウンド遊技中に特定領域140bに遊技球が進入しなかった場合には、大役遊技後の遊技状態が低確率遊技状態かつ時短遊技状態に設定される。このとき、時短回数は100回に設定される。
図13(b)は、特定ラウンド遊技における第2大入賞口128および特定領域140bの開閉態様を説明する図である。この図に示すように、可動部材142は、第2大入賞口128の開放と同時に、特定領域140bを一瞬開放した後、しばらくの間、特定領域140bを閉鎖状態に維持し、その後、再び特定領域140bを開放した状態に維持する。ここで、特別図柄A、Cが決定されて大役遊技が実行された場合には、当該大役遊技における1回目のラウンド遊技の開始時に0.1秒のみ第2大入賞口128が開放される。この間に、仮に第2大入賞口128に遊技球が入球したとしても、当該遊技球が特定領域140bに到達するまでには所定の時間を要する。そのため、第2大入賞口128に入球した遊技球が特定領域140bに到達したときには、必ず、特定領域140bが閉鎖されており、その結果、特別図柄A、Cが決定されて大役遊技が実行された場合に、特定領域140bに遊技球が進入することはない。
なお、遊技球が第2大入賞口128に噛みこんでしまったり、あるいは、何らかの理由で第2大入賞口128内に長時間に亘って遊技球が滞留してしまったりする等、不測の事態が生じた場合には、特別図柄A、Cが決定された場合であっても、大役遊技中に特定領域140bに遊技球が進入する可能性がある。したがって、本明細書においては、理解を容易にするために、「必ず」、「確実に」という文言を用いて説明しているが、これは、遊技機100の状態が、遊技を進行するにあたって適切な状態に置かれており、かつ、不測の事態が生じていないことを前提とするものであり、物理的な100%を意味するものではない。
これに対して、特別図柄B、Dが決定されて大役遊技が実行された場合には、特定ラウンド遊技において、第2大入賞口128が最大で29.0秒開放される。したがって、第2大入賞口128の開放と同時に第2大入賞口128に入球した1〜2個程度の遊技球は、特定領域140bを通過することができない可能性はあるが、その後に第2大入賞口128に入球した遊技球は、確実に特定領域140bを通過することができる。
つまり、特別図柄B、Dが決定されて大役遊技が実行された場合には、第2大入賞口128に遊技球を入球させる限り、確実に、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定されることとなるが、特別図柄A、Cが決定されて大役遊技が実行された場合には、大役遊技の終了後に、必ず、低確率遊技状態に設定されることとなる。
ここで、図9で説明したとおり、第2始動口122に遊技球が入球して大当たりに当選した場合には、特別図柄Cが35%、特別図柄Dが65%の確率で決定される。これに対して、左側第1始動口120、右側第1始動口120aに遊技球が入球して大当たりに当選した場合には、特別図柄A、Bがそれぞれ50%の確率で決定される。したがって、大役遊技後に高確率遊技状態に設定される確率は、特1保留よりも特2保留の方が高く、特1保留よりも特2保留の方が遊技者にとって有利な保留種別であると言える。
図14は、当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。遊技領域116を流下する遊技球がゲート124を通過する、もしくは、普通始動口125に遊技球が入球すると、右側第1始動口120aの可動片120bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート124を通過する、もしくは、普通始動口125に遊技球が入球すると、0〜99の範囲内から1つの当たり決定乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM300cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。つまり、普図保留記憶領域は、当たり決定乱数をセーブする4つの記憶部を備えている。したがって、普図保留記憶領域の4つの記憶部全てに当たり決定乱数が記憶された状態で、遊技球がゲート124を通過する、もしくは、普通始動口125に遊技球が入球した場合には、当該遊技球の通過に基づいて当たり決定乱数が記憶されることはない。以下では、ゲート124を遊技球が通過する、もしくは、普通始動口125に遊技球が入球して普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数を普図保留と呼ぶ。
普通遊技状態が非時短遊技状態であるときに普図抽選を開始する場合には、図14(a)に示すように、非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が1〜99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、非時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は1/100となる。詳しくは後述するが、この普図抽選において当たり図柄が決定されると、右側第1始動口120aの可動片120bが開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、右側第1始動口120aの可動片120bが閉状態に維持される。
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図14(b)に示すように、時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0〜98であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は99/100となる。
図15(a)は、普通図柄変動時間データテーブルを説明する図であり、図15(b)は、開閉制御パターンテーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間データテーブルは、普図抽選によって当たり図柄もしくはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間データテーブルによれば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が10秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器168が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が消灯する。
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器168が点灯した場合には、右側第1始動口120aの可動片120bが、図15(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して通電制御される。なお、実際は、開閉制御パターンテーブルは、遊技状態ごとに設けられており、普通図柄が決定されたときの遊技状態に応じて、対応するテーブルが普通電動役物ソレノイド120cの通電開始時にセットされる。
当たり図柄が決定されると、図15(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して右側第1始動口120aが開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、普電開放前時間(右側第1始動口120aの開放が開始されるまでの待機時間)、普通電動役物最大開閉切替回数(右側第1始動口120aの開放回数)、ソレノイド通電時間(右側第1始動口120aの開放回数ごとの普通電動役物ソレノイド120cの通電時間、すなわち、1回の右側第1始動口120aの開放時間)、規定数(右側第1始動口120aの全開放中における右側第1始動口120aへの最大入賞可能数)、普電閉鎖有効時間(右側第1始動口120aの各開放間の閉鎖時間、すなわち、休止時間)、普電有効状態時間(右側第1始動口120aの最後の開放終了からの待機時間)、普電終了ウェイト時間(普電有効状態時間の経過後、後述する普通図柄の変動表示が再開されるまでの待機時間)が、右側第1始動口120aの制御データとして、遊技状態ごとに、図示のように予め記憶されている。
このように、普通図柄の当選確率、変動時間および開放時間を設定することにより、図15(b)の下部に示すように、発射賞球比率(遊技領域116(第2遊技領域116b)に発射される遊技球に対して右側第1始動口120aに遊技球が入球して遊技者に払い出される賞球数の比率)は、非時短遊技状態では発射数:賞球数=100:1、時短遊技状態では発射数:賞球数=100:99となる。
なお、右側第1始動口120aの開閉条件は、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、右側第1始動口120aの開放時間の3つの要素を規定するものである。つまり、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、右側第1始動口120aの開放時間の3つの要素を組み合わせることにより、非時短遊技状態および時短遊技状態それぞれにおける、右側第1始動口120aへの遊技球の入球頻度や、発射賞球比率を設定可能である。いずれにしても、ここに示した3つの要素の組み合わせは一例にすぎず、非時短遊技状態よりも時短遊技状態の方が、発射賞球比率が高くなるように、3つの要素を組み合わせればよい。
図16は、高確率遊技状態かつ時短遊技状態、または、低確率遊技状態かつ時短遊技状態における、右側第1始動口120aおよび第1大入賞口126の開閉態様を説明する図である。なお、図16では、可動片120bおよび可動片126bが開状態であるときを破線で示し、閉状態であるときを実線で示す。図16(a)では、遊技状態が時短遊技状態であり、右側第1始動口120aの可動片120bが閉状態で維持されている。この状態で、遊技球がゲート124に進入すると、普図抽選が行なわれ、1秒の変動時間に亘って普通図柄が変動表示される。
そして、図16(b)に示すように、ゲート124を通過した遊技球は、減速領域138a、138bにおいて、流下速度が減速され、減速領域138a、138bを通過した遊技球は、その後、可動片120b上を転動することとなる。このとき、減速領域138a、138bによって、流下速度が減速されているため、遊技球が可動片120b上を転動し、可動片120bよりも下流へとたどり着くまでに、所定時間以上がかかることとなる。本実施形態では、遊技球がゲート124を通過してから減速領域138a、138bを通過するまでの時間が、普通図柄の変動開始から可動片120bが開状態となる時間(普通図柄の変動時間、確定時間、および、普電開放前時間の合計)よりも短い時間となるように設計されている。さらに、遊技球が可動片120b上を転動し、可動片120bよりも下流へとたどり着くまでの時間が、可動片120bの1回目の開放開始から1回目の開放終了までの時間よりも、長くなるように設計されている。
普図抽選により当たりに当選していると、変動時間の経過後、右側第1始動口120aの可動片120bが2.9秒に亘って2回開放される。そのため、普図抽選が行われる契機となった遊技球は、図16(c)に示すように、右側第1始動口120aへと入球することとなる。また、遊技者が第2遊技領域116bに遊技球を発射し続けていれば、図16(c)に示すように、普図抽選が行われる契機となった遊技球の次に発射された遊技球も、右側第1始動口120aへと入球する。一方、第2遊技領域116bに発射された遊技球のうち、ゲート124に入球しなかった遊技球は、アウト口130aを通過して遊技盤108の背面側に排出されるか、または、普通始動口125へ入球する。
以上の構成によれば、時短遊技状態では、第2遊技領域116bに発射された遊技球は、普通始動口125へ入球するか、アウト口130aを通過して遊技盤108の背面側に排出されるか、または、右側第1始動口120aへと入球することとなる。これにより、右側第1始動口120aよりも下流側へ遊技球がたどり着かないため、第1大入賞口126へ遊技球が入球することを防止することができ、設計上意図しない賞球(遊技利益の付与)を与えないようにすることができる。すなわち、時短遊技中において、右側第1始動口120aへの遊技球の入球に基づいて小当たりに当選して、小当たり遊技が実行されたとしても、第2遊技領域116bに発射された遊技球が第1大入賞口126へ入球することはない。仮に、時短遊技中において、第2遊技領域116bに発射された遊技球が第1大入賞口126へ入球するとしても、その確率は著しく低いものである。このように、第1大入賞口126が右側第1始動口120aよりも下流側に設けられることにより、第1大入賞口126への遊技球の入球が制限される。
また、本実施形態では、高確率遊技状態かつ時短遊技状態に設定されている場合に、特1保留によって小当たりに当選した場合には、小当たり遊技後の遊技状態は、高確率遊技状態かつ非時短遊技状態に設定される。高確率遊技状態かつ非時短遊技状態に設定された場合については、図17を用いて後述する。また、本実施形態では、低確率遊技状態かつ時短遊技状態に設定されている場合に、特1保留によって小当たりに当選した場合には、小当たり遊技後の遊技状態は、低確率遊技状態かつ非時短遊技状態に維持される。すなわち、上記の図16(a)〜(c)を再び繰り返すこととなる。
図17は、高確率遊技状態かつ非時短遊技状態における、右側第1始動口120aおよび第1大入賞口126の開閉態様を説明する図である。なお、図17では、可動片126bが開状態であるときを破線で示し、閉状態であるときを実線で示す。図17(a)、(b)では、第1大入賞口126の可動片126bが閉状態で維持されている。また、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合おいては基本的に、右側第1始動口120aの可動片120bが閉状態で維持されている。この状態で、遊技球が第2始動口122に進入すると、大役抽選が行なわれる。
そして、大役抽選により小当たりに当選していると、第1大入賞口126が0.1秒×10回開放される小当たり遊技が実行される。小当たり遊技が実行されると、図17(c)に示すように、可動片126b上を転動していた遊技球が第1大入賞口126へと入球することとなる。ここで、遊技球が可動片126b上を転動する際に要する時間が、第1大入賞口126の開放時間よりも十分に長くなるように設定されている。これによって、ほぼ規定数の遊技球が第1大入賞口126に入球可能となっている。一方、小当たり遊技終了後には、再び、第1大入賞口126が閉鎖されることとなり、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる。
以上の構成によれば、時短遊技状態において、第2遊技領域116bに発射された遊技球のうち、第2始動口122へ最初に入球した遊技球に基づいて、第1大入賞口126が開放される小当たり遊技がされることとなる。
図18は、本来の遊技性に則った遊技状態の遷移を説明する図である。上記の構成により、遊技機100は、次のような遊技性を実現する。なお、ここでは、遊技状態ごとに適切な発射操作がなされており、本来の遊技性に則って遊技が進行する場合について説明し、イレギュラーなケースについては説明を省略する。まず、遊技機100の初期状態では、図18の(a)に示すように、遊技状態が低確率遊技状態かつ非時短遊技状態に設定される。ここでは、理解を容易とするため、低確率遊技状態かつ非時短遊技状態を通常状態と呼ぶ。通常状態では、変動対象が特1保留に設定されているため、遊技者は左側第1始動口120に遊技球を入球させるべく、第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させる左打ちが要求される。
左側第1始動口120に遊技球が入球すると特1保留が第1特図保留記憶領域に記憶される。第1特図保留記憶領域に記憶された特1保留は、始動条件の成立により順次読み出され、読み出した特1保留に基づく大役抽選が行われる。このとき、大当たりの当選確率は約1/242.7に設定されている。また、小当たりの当選確率は約1/30に設定されている。通常状態では、この特1保留に基づく大役抽選において、大当たりに当選することを目的として遊技を行うこととなる。なお、左側第1始動口120は常時開口しているが、非時短遊技状態において左打ちをした場合の発射賞球比率は100:20となり、遊技中に遊技球が減少していくことになる。
通常状態において、特1保留による大役抽選で小当たりに当選すると、小当たり遊技が実行され、小当たり遊技後の遊技状態は、再度、通常状態に設定される。この小当たり遊技では、第1大入賞口126が0.1秒×10回開放されるが、通常状態においては、第1遊技領域116aに向けて遊技球を発射させる左打ちが要求されているため、遊技球が第1大入賞口126へ入球することは、基本的にはない。
そして、通常状態において、特1保留による大役抽選で大当たりに当選すると、大当たり図柄として特別図柄A、Bのいずれかが決定され、大役遊技が実行される。この大役遊技では、第2大入賞口128が開放されるラウンド遊技が10回実行され、第2大入賞口128への遊技球の入球に応じた賞球を獲得することができる。
通常状態において、第1特別図柄表示器160に停止表示された大当たり図柄が特別図柄Aであった場合、特定ラウンド遊技中に特定領域140bに遊技球が進入することはないため、大役遊技後の遊技状態は、図18の(b)に示すように、低確率遊技状態かつ時短遊技状態に設定される。このとき、時短回数が100回に設定され、低確率遊技状態かつ時短遊技状態は、大役抽選結果が100回導出されるまで継続する。
通常状態において特1保留で大当たりに当選した場合に、大当たり図柄として特別図柄Aが決定される確率は50%である。したがって、通常状態で大当たりに当選した場合、50%の確率で、大役遊技後の遊技状態は、低確率遊技状態かつ時短遊技状態に設定される。以下では、低確率遊技状態かつ時短遊技状態を通常時短状態と呼ぶ。通常時短状態では、遊技者は右側第1始動口120aに遊技球を入球させるべく、右打ちを行うこととなる。この通常時短状態では、特1保留に基づく大役抽選において、大当たりに当選することを目的として遊技を行うこととなる。
ここで、通常時短状態においては、大当たり確率が約1/242.7、小当たり確率が約1/30に設定されている。通常時短状態において、特1保留による大役抽選で小当たりに当選すると、小当たり遊技が実行され、小当たり遊技後の遊技状態は、再度、通常時短状態に設定される。この小当たり遊技では、第1大入賞口126が0.1秒×10回開放される小当たり遊技が実行される。しかしながら、小当たり遊技で開放される第1大入賞口126の上方には右側第1始動口120aが設けられており、時短遊技状態では、継続的に右打ちを行った場合に、第2遊技領域116bに進入した遊技球のほぼ全てが右側第1始動口120aに入球する。そのため、通常時短状態では、小当たりに当選して小当たり遊技が実行されるものの、第2遊技領域116bに進入した遊技球がほぼ右側第1始動口120aに入球してしまい、第1大入賞口126に遊技球が入球することはない。したがって、通常時短状態では、右打ちを行った場合における発射賞球比率は、右側第1始動口120aおよび一般入賞口118aへの遊技球の入球によって払い出される賞球により、大凡100:99となる。
遊技状態が通常時短状態に移行した場合において、通常時短状態で大当たりに当選しなかった場合には、大役抽選結果が100回導出されたところで、時短抜けとなり、遊技状態が通常状態に移行する。
また、通常時短状態において、特1保留によって大当たりに当選した場合には、50%の確率で特別図柄Aが決定され、50%の確率で特別図柄Bが決定される。通常時短状態において、特別図柄Aが決定された場合には、第2大入賞口128が開放されるラウンド遊技が10回実行され、第2大入賞口128への遊技球の入球に応じた賞球を獲得することができる。第1特別図柄表示器160に停止表示された大当たり図柄が特別図柄Aであった場合、特定ラウンド遊技中に特定領域140bに遊技球が進入することはないため、大役遊技後の遊技状態は、再度、図18の(b)に示すように、低確率遊技状態かつ時短遊技状態(通常時短状態)に設定され、以後、上記と同様の遊技が繰り返される。
また、通常状態または通常時短状態において、第1特別図柄表示器160に停止表示された大当たり図柄が特別図柄Bであった場合には、大役遊技における特定ラウンド遊技中に、特定領域140bに遊技球が進入する。そのため、図18の(c)に示すように、大役遊技後の遊技状態が高確率遊技状態かつ時短遊技状態に設定される。ここでは、高確率遊技状態かつ時短遊技状態を高確前兆状態と呼ぶ。この高確前兆状態は、大当たりの当選確率のみが通常時短状態と異なっている。したがって、高確前兆状態においても、遊技者は右側第1始動口120aに遊技球を入球させるべく、右打ちを行うこととなる。
また、高確率遊技状態に設定された場合には高確回数が10000回に設定され、このとき、時短遊技状態に設定されるとともに、時短回数が10000回に設定される。そして、この高確前兆状態において、特1保留によって小当たりに当選した場合には、100%の確率で特別図柄Zが決定される。高確前兆状態において、特別図柄Zが決定された場合には、第1大入賞口126が開放されるラウンド遊技が1回実行され、第1大入賞口126への遊技球の入球に応じた賞球を獲得することができる。さらに、小当たり遊技後の遊技状態は、図18の(d)に示すように、高確率遊技状態かつ非時短遊技状態に設定される。以下では、高確率遊技状態かつ非時短遊技状態を最優位状態と呼ぶ。この最優位状態では、変動対象が特2保留に設定されており、遊技者は右打ちを行うこととなる。
このように、本実施形態では、高確率遊技状態かつ時短遊技状態に設定されている場合に、特1保留によって小当たりに当選した場合には、小当たり遊技の前後で、普通遊技に係る遊技状態について、切り換えが行われる。一方、高確率遊技状態かつ時短遊技状態に設定されている場合以外において、小当たりに当選して、小当たり遊技が実行されたとしても、小当たり遊技の前後で、時短遊技と非時短遊技との切り換えは行われない。このように、通常、遊技者は遊技中において、大当たりの当選を切望することとなる。本実施形態では、高確率遊技状態かつ時短遊技状態に設定されている場合に、遊技者は、大当たりの当選だけでなく、小当たりの当選も切望することとなる。これにより、遊技者の遊技意欲の向上を図ることが可能となる。このように、これまでにない新たな遊技性を備えることで、遊技の興趣を向上することができる。また、低確率遊技かつ時短遊技状態において、小当たりに当選した場合には、小当たり遊技の実行後の遊技状態を低確率遊技かつ非時短遊技状態へと変化させないため、遊技者の遊技意欲が減退することを防止することもできる。
また、最優位状態では、普通遊技状態が非時短遊技状態であるため、右側第1始動口120aに遊技球が入球せず、右側第1始動口120aよりも下方に遊技球が流下する。このとき、特2保留に基づく大役抽選では、約1/1.8の確率で小当たりに当選するため、頻繁に小当たり遊技が実行される。この小当たり遊技では、右側第1始動口120aに入球しなかった遊技球が第1大入賞口126に入球するため、遊技者は小当たり遊技において賞球を獲得することができる。その結果、最優位状態における発射賞球比率は、第2始動口122および第1大入賞口126に遊技球が入球して払い出される賞球により、大凡100:120となる。つまり、最優位状態では、遊技者が適切に右打ちを行った場合、単位時間あたりにおいて、小当たり遊技で賞球として払い出される遊技球を含む全ての払い出し遊技球数が、遊技領域116に発射される遊技球数よりも多くなる。
最優位状態に移行した場合には、大当たりに当選することなく、最優位状態を長く継続させるほど、払い出される遊技球数が多くなるため、この状態では、大当たりに当選せずに、小当たりに当選し続けることが遊技の最大の目的となる。
最優位状態において、特2保留によって大当たりに当選し、特別図柄Cが決定された場合には、大役遊技後の遊技状態が通常時短状態となり、時短回数が100回に設定される。したがって、この場合には、上記と同様の遊技が行われる。また、最優位状態において特別図柄Dが決定された場合には、大役遊技後の遊技状態が高確前兆状態となり、時短回数および高確回数が再度10000回に設定される。つまり、ひとたび高確率遊技状態に設定されると、高確前兆状態から最優位状態に移行したか否かに拘わらず、65%の確率で、高確率遊技状態が繰り返し設定される。また、最優位状態において特2保留によって小当たりし、特別図柄Zが決定された場合には、小当たり遊技後の遊技状態が再度、最優位状態に設定される。
以上のように、本実施形態によれば、時短遊技状態と、時短遊技状態よりも第2始動口122への遊技球の入球が容易となる非時短遊技状態とが含まれる。そして、高確率遊技状態および非時短遊技状態の組み合わせである最優位状態では、単位時間あたりにおいて、小当たり遊技で賞球として払い出される遊技球を含む全ての払い出し遊技球数が、遊技領域116に発射される遊技球数よりも多くなる。大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定される場合には、同時に時短遊技状態にも設定される。そして、小当たり遊技の開始前の遊技状態が高確前兆状態に設定されていた場合において、小当たり遊技の終了後の遊技状態を最優位状態に設定される。
つまり、本実施形態では、高確前兆状態において小当たりに当選すると、最も遊技者にとって有利な最優位状態となる。このように、大当たりに当選することなく、小当たりに当選することによって最優位状態に移行するといった新たな遊技性により、遊技の興趣向上が図られる。
なお、時間をかけて徐々に遊技球数が増加する最優位状態では、遊技者の緊張感が低下し、遊技の興趣が低下するおそれがある。本実施形態によれば、最優位状態において、大当たりに当選した場合には、再度最優位状態には設定されず、大当たり図柄に応じて、高確前兆状態、または、通常時短状態に設定されることとなる。そのため、最優位状態に移行した場合の遊技者の達成感が高められ、遊技の興趣を向上させることができる。
以下に、上記の遊技性を実現するための、主制御基板300の主な処理について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板300のCPU初期化処理)
図19は、主制御基板300におけるCPU初期化処理(S100)を説明するフローチャートである。
電源基板より電源が供給されると、メインCPU300aにシステムリセットが発生し、メインCPU300aは、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
(ステップS100−1)
メインCPU300aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM300bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
(ステップS100−3)
メインCPU300aは、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。
(ステップS100−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御基板300には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100−3に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100−7に処理を移す。
(ステップS100−7)
メインCPU300aは、上記ステップS100−3で設定したウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合にはステップS100−9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100−5に処理を移す。
(ステップS100−9)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
(ステップS100−11)
メインCPU300aは、RAMクリア信号がオンしているか否かを判定する。なお、遊技盤108の背面には不図示のRAMクリアボタンが設けられており、このRAMクリアボタンが押圧操作されると、RAMクリア検出スイッチがRAMクリアボタンの押圧操作を検出して、主制御基板300にRAMクリア信号が出力される。ここでは、RAMクリアボタンが押圧操作された状態で電源が投入された場合に、RAMクリア信号がオンしていると判定される。そして、RAMクリア信号がオンしていると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、RAMクリア信号はオンしていないと判定した場合にはステップS100−19に処理を移す。
(ステップS100−13)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源投入時(メインRAM300cをクリアするリセット時)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップS100−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−17)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−19)
メインCPU300aは、チェックサムを算出するために必要な処理を実行する。
(ステップS100−21)
メインCPU300aは、上記ステップS100−19で算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと不一致であるかを判定する。その結果、両者が不一致であると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、両者が不一致ではない(一致する)と判定した場合にはステップS100−23に処理を移す。
(ステップS100−23)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源復帰時(メインRAM300cをクリアせずに、電源断前のデータを維持するとき)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップS100−25)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−27)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理を行う。
(ステップS100−29)
メインCPU300aは、特別図柄の種別を示す電源投入時特図図柄種別指定コマンド、特1保留数(X1)を示す特1保留指定コマンド、特2保留数(X2)を示す特2保留指定コマンド、記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を示す特別図柄入賞順序コマンドを送信するための電源投入時サブコマンドセット処理を実行する。
(ステップS100−31)
メインCPU300aは、タイマ割込みの周期を設定する。
(ステップS100−33)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
(ステップS100−35)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する当たり図柄乱数の更新処理によって当たり図柄乱数が、当たり図柄乱数用初期値更新乱数から、当該当たり図柄乱数用初期値更新乱数−1まで1周すると、当たり図柄乱数は、そのときの当たり図柄乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
(ステップS100−37)
メインCPU300aは、払出制御基板310から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。
(ステップS100−39)
メインCPU300aは、送信バッファに格納されているサブコマンドを副制御基板330に送信するための処理を行う。
(ステップS100−41)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS100−43)
メインCPU300aは、変動パターン乱数を更新し、以後、上記ステップS100−33から処理を繰り返す。
次に、主制御基板300における割込み処理について説明する。ここでは、電源断時退避処理(XINT割込み処理)およびタイマ割込み処理について説明する。
(主制御基板300の電源断時退避処理(XINT割込み処理))
図20は、主制御基板300における電源断時退避処理(XINT割込み処理)を説明するフローチャートである。メインCPU300aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、CPU初期化処理に割り込んで電源断時退避処理を実行する。
(ステップS300−1)
電源断予告信号が入力されると、メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS300−3)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−7に処理を移す。
(ステップS300−7)
メインCPU300aは、レジスタを復帰させる。
(ステップS300−9)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
(ステップS300−11)
メインCPU300aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
(ステップS300−13)
メインCPU300aは、チェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。
(ステップS300−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
(ステップS300−17)
メインCPU300aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
(ステップS300−19)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300−21)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−17に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−23に処理を移す。
(ステップS300−23)
メインCPU300aは、上記ステップS300−17でセットしたループカウンタの値を1減算する。
(ステップS300−25)
メインCPU300aは、ループカウンタのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、カウンタ値が0ではないと判定した場合にはステップS300−19に処理を移し、カウンタ値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS100)に移行する。
なお、実際に電源断が生じた場合には、ステップS300−17〜ステップS300−25をループしている間に遊技機100の稼働が停止する。
(主制御基板300のタイマ割込み処理)
図21は、主制御基板300におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板300には、所定の周期(本実施形態では4ミリ秒、以下「4ms」という)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、CPU初期化処理(ステップS100)に割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
(ステップS400−1)
メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS400−3)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS400−5)
メインCPU300aは、コモン出力バッファにセットされたコモンデータを出力ポートに出力し、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
(ステップS400−7)
メインCPU300aは、各種の入力ポート情報を読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
(ステップS400−9)
メインCPU300aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御基板300のタイマ割込み処理の度に減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS400−11)
メインCPU300aは、上記ステップS100−35と同様、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を実行する。
(ステップS400−13)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを1加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、大当たり決定乱数および当たり決定乱数は、主制御基板300に内蔵されたハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を用いている。ハードウェア乱数生成部は、大当たり決定乱数および当たり決定乱数を、いずれも一定の規則にしたがって更新し、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列を変更するとともに、システムリセット毎にスタート値を変更している。
(ステップS500)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、ゲート検出スイッチ124sから信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。なお、このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
(ステップS600)
メインCPU300aは、上記の特別遊技を進行制御するための特別遊技管理処理を実行する。なお、この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS700)
メインCPU300aは、上記の普通遊技を進行制御するための普通遊技管理処理を実行する。なお、この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS400−15)
メインCPU300aは、各種エラーの判定およびエラー判定結果に応じた設定を行うためのエラー管理処理を実行する。
(ステップS400−17)
メインCPU300aは、一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、第1大入賞口検出スイッチ126s、第2大入賞口検出スイッチ128sのチェックを行い、該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。
(ステップS400−19)
メインCPU300aは、上記ステップS400−17でセットされた賞球制御用のカウンタのカウンタ値等に基づく払出コマンドの作成および送信を行うための払出制御管理処理を実行する。
(ステップS400−21)
メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から外部へ出力する外部情報用の出力データをセットするための外部情報管理処理を実行する。
(ステップS400−23)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172等の各種表示器(LED)を点灯制御するためのコモンデータをコモン出力バッファにセットするLED表示設定処理を実行する。
(ステップS400−25)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド120cおよび第2大入賞口ソレノイド128cのソレノイド出力イメージを合成し、出力ポートバッファに格納するためのソレノイド出力イメージ合成処理を実行する。
(ステップS400−27)
メインCPU300aは、各出力ポートバッファに格納されたコモン出力バッファの値を出力ポートに出力するためのポート出力処理を実行する。
(ステップS400−29)
メインCPU300aは、レジスタを復帰してタイマ割込み処理を終了する。
以下に、上記したタイマ割込み処理のうち、ステップS500のスイッチ管理処理、ステップS600の特別遊技管理処理、ステップS700の普通遊技管理処理について、詳細に説明する。
図22は、主制御基板300におけるスイッチ管理処理(ステップS500)を説明するフローチャートである。
(ステップS500−1)
メインCPU300aは、ゲート検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、ゲート124を遊技球が通過してゲート検出スイッチ124sからの検出信号がオンされたかを判定する。その結果、ゲート検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS510に処理を移し、ゲート検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−3に処理を移す。
(ステップS510)
メインCPU300aは、ゲート124への遊技球の通過、または、普通始動口125への遊技球の入球に基づいて普通遊技通過処理を実行する。なお、この普通遊技通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−3)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、左側第1始動口120または右側第1始動口120aに遊技球が入球して第1始動口検出スイッチ120sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第1始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS520に処理を移し、第1始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−5に処理を移す。
(ステップS520)
メインCPU300aは、左側第1始動口120または右側第1始動口120aへの遊技球の入球に基づいて第1始動口通過処理を実行する。なお、この第1始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−5)
メインCPU300aは、第2始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第2始動口122に遊技球が入球して第2始動口検出スイッチ122sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第2始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS530に処理を移し、第2始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−7に処理を移す。
(ステップS530)
メインCPU300aは、第2始動口122への遊技球の入球に基づいて第2始動口通過処理を実行する。なお、この第2始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−7)
メインCPU300aは、大入賞口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1大入賞口126または第2大入賞口128に遊技球が入球して第1大入賞口検出スイッチ126sまたは第2大入賞口検出スイッチ128sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS500−9に処理を移し、大入賞口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−11に処理を移す。
(ステップS500−9)
メインCPU300aは、現在、大役遊技中または小当たり遊技中であるか否かを判定し、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであるかを判定する。ここでは、大役遊技中および小当たり遊技中のいずれでもないと判定した場合には、所定の不正検出処理を実行し、大役遊技中または小当たり遊技中であり、第1大入賞口126または第2大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたと判定した場合には、大入賞口入賞球数カウンタを1加算して、ステップS500−11に処理を移す。
(ステップS500−11)
メインCPU300aは、特定領域検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、特定領域140bに遊技球が進入して特定領域検出スイッチ140sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、特定領域検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS540に処理を移し、特定領域検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合には当該スイッチ管理処理を終了する。
(ステップS540)
メインCPU300aは、特定領域140bへの遊技球の進入に基づいて特定領域通過処理を実行し、当該スイッチ管理処理を終了する。なお、この特定領域通過処理の詳細については後述する。
図23は、主制御基板300における普通遊技通過処理(ステップS510)を説明するフローチャートである。
(ステップS510−1)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された当たり決定乱数をロードする。
(ステップS510−3)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であるか、つまり、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が4以上であるかを判定する。その結果、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であると判定した場合には当該普通遊技通過処理を終了し、普通図柄保留球数カウンタは最大値以上ではないと判定した場合にはステップS510−5に処理を移す。
(ステップS510−5)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS510−7)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の4つの記憶部のうち、取得した当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS510−9)
メインCPU300aは、上記ステップS510−1で取得した当たり決定乱数を、上記ステップS510−7で算定した対象記憶部にセーブする。
(ステップS510−11)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットし、当該普通遊技通過処理を終了する。
図24は、主制御基板300における第1始動口通過処理(ステップS520)を説明するフローチャートである。
(ステップS520−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「00H」をセットする。なお、特別図柄識別値は、保留種別として特1保留および特2保留のいずれであるかを識別するためのもので、特別図柄識別値(00H)は特1保留を示し、特別図柄識別値(01H)は特2保留を示す。
(ステップS520−3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、特別図柄乱数取得処理を実行して、当該第1始動口通過処理を終了する。なお、この特別図柄乱数取得処理は、第2始動口通過処理(ステップS530)と共通のモジュールを利用して実行される。したがって、特別図柄乱数取得処理の詳細は、第2始動口通過処理の説明後に説明する。
図25は、主制御基板300における第2始動口通過処理(ステップS530)を説明するフローチャートである。
(ステップS530−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「01H」をセットする。
(ステップS530−3)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、後述する特別図柄乱数取得処理を実行する。
(ステップS530−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。なお、詳しくは後述するが、普通遊技管理フェーズは、普通遊技の実行処理の段階、すなわち、普通遊技の進行状況を示すものであり、普通遊技の実行処理の段階に応じて更新される。
(ステップS530−7)
メインCPU300aは、上記ステップS530−5でロードした普通遊技管理フェーズが「04H」ではないかを判定する。なお、普通遊技管理フェーズの「04H」は、普通電動役物入賞口開放制御処理中であることを示すものである。この普通電動役物入賞口開放制御処理においては、普通電動役物ソレノイド120cが通電されて右側第1始動口120aの可動片120bが開状態に制御されることから、ここでは、第2始動口122が適正に開放され得る状態にあるかを判定することとなる。その結果、普通遊技管理フェーズが「04H」ではないと判定した場合には当該第2始動口通過処理を終了し、普通遊技管理フェーズが「04H」であると判定した場合にはステップS530−9に処理を移す。
(ステップS530−9)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該第2始動口通過処理を終了する。
図26は、主制御基板300における特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を説明するフローチャートである。この特別図柄乱数取得処理は、上記した第1始動口通過処理(ステップS520)および第2始動口通過処理(ステップS530)において、共通のモジュールを用いて実行される。
(ステップS535−1)
メインCPU300aは、上記ステップS520−1またはステップS530−1でセットした特別図柄識別値をロードする。
(ステップS535−3)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数をロードする。ここでは、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「00H」であれば、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数をロードする。また、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「01H」であれば、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数をロードする。
(ステップS535−5)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された大当たり決定乱数をロードする。
(ステップS535−7)
メインCPU300aは、上記ステップS535−3でロードした対象特別図柄保留球数が上限値以上であるかを判定する。その結果、上限値以上であると判定した場合には、ステップS535−19に処理を移し、上限値以上ではないと判定した場合には、ステップS535−9に処理を移す。
(ステップS535−9)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS535−11)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域の記憶部のうち、取得した大当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS535−13)
メインCPU300aは、上記ステップS535−5でロードした大当たり決定乱数、上記ステップS400−13で更新された当たり図柄乱数、上記ステップS100−43で更新された変動パターン乱数を取得し、上記ステップS535−11で算定した対象記憶部に格納する。
(ステップS535−15)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードする。
(ステップS535−17)
メインCPU300aは、上記ステップS535−15でロードしたカウンタ値に基づいて、特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。これにより、特1保留または特2保留が記憶されるたびに、特1保留数および特2保留数が副制御基板330に伝達されることとなる。
(ステップS535−19)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS535−21)
メインCPU300aは、上記ステップS535−19でロードした普通遊技管理フェーズを確認し、後述する普通電動役物入賞口開放制御状態未満(普通遊技管理フェーズ<04H)であるかを判定する。その結果、普通電動役物入賞口開放制御状態未満であると判定した場合にはステップS535−23に処理を移し、普通電動役物入賞口開放制御状態未満ではないと判定した場合には当該特別図柄乱数取得処理を終了する。
(ステップS535−23)
メインCPU300aは、異常入賞があったか否かを判定するとともに、異常入賞があったと判定した場合には、所定の処理を行う始動口異常入賞エラー処理を実行し、当該特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を終了する。
図27は、上記ステップS540の特定領域通過処理を説明するフローチャートである。
(ステップS540−1)
メインCPU300aは、上記ステップS500−11で特定領域検出スイッチオン検出時であると判定した場合には、有効期間フラグがオンしているか否かを判定する。その結果、有効期間フラグがオンしていると判定した場合にはステップS540−3に処理を移し、有効期間フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS540−5に処理を移す。
なお、詳しくは後述するが、この有効期間フラグは、特定領域140bへの遊技球の進入を有効なものとみなすか否かを判断するためのものであり、本実施形態においては、大役遊技中における1回目のラウンド遊技の開始時にオンされ、当該1回目のラウンド遊技の終了から所定時間経過後にオフされる。
(ステップS540−3)
上記ステップS540−1において、有効期間フラグがオンしていると判定した場合には、メインCPU300aは、特定領域進入フラグをオンし、当該特定領域通過処理を終了する。なお、特定領域進入フラグは、大役遊技中において、特定領域140bに有効に遊技球が進入したことを示すものである。また、既に特定領域進入フラグがオンしている場合には、そのまま当該特定領域通過処理を終了する。
(ステップS540−5)
一方、上記ステップS540−1において、有効期間フラグがオンしていないと判定した場合には、メインCPU300aは、エラー処理を実行する。
(ステップS540−7)
メインCPU300aは、エラーが検出されたことを示すエラーコマンドを送信バッファにセットし、当該特定領域通過処理を終了する。
図28は、特別遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、左側第1始動口120、右側第1始動口120aまたは第2始動口122への遊技球の入球を契機とする特別遊技と、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技とが、同時並行して進行する。特別遊技に係る処理は、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした特別遊技に係る各処理を特別遊技管理フェーズによって管理している。
図28に示すように、メインROM300bには、特別遊技を実行制御するための複数の特別遊技制御モジュールが格納されており、これら特別遊技制御モジュールごとに、特別遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、特別遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「特別図柄変動処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「01H」または「05H」である場合には、「大入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「02H」または「06H」である場合には、「大入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「03H」または「07H」である場合には、「大入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「04H」または「08H」である場合には、「大入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図29は、主制御基板300における特別遊技管理処理(ステップS600)を説明するフローチャートである。
(ステップS600−1)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS600−3)
メインCPU300aは、上記ステップS600−1でロードした特別遊技管理フェーズに対応する特別遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS600−5)
メインCPU300aは、上記ステップS600−3で選択した特別遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS600−7)
メインCPU300aは、特別遊技の制御時間を管理する特別遊技タイマをロードし、当該特別遊技管理処理を終了する。
図30は、主制御基板300における特別図柄変動処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動処理は、特別遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS610)
メインCPU300aは、特別図柄変動待ち処理を実行する。この特別図柄変動待ち処理については、図31〜図33を用いて後述する。
(ステップS620)
メインCPU300aは、特別図柄変動中処理を実行する。この特別図柄変動中処理については、図34を用いて後述する。
(ステップS630)
メインCPU300aは、特別図柄停止図柄表示処理を実行する。この特別図柄停止図柄表示処理については、図35を用いて後述する。
図31は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理(ステップS610)を説明する第1のフローチャートであり、図32は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理(ステップS610)を説明する第2のフローチャートである。
(ステップS610−1)
メインCPU300aは、中断中フラグがオンしているかを判定する。なお、詳しくは後述するが、本実施形態では、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示中に、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示される場合がある。この場合、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示されると、小当たり遊技が実行されるが、この間、第1特別図柄表示器160における特別図柄の変動時間の減算が中断され、小当たり遊技の終了後に、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示が再開される。中断中フラグは、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示されたときに、第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示中であった場合にオンされる。ここでは、中断中フラグがオンしていると判定した場合にはステップS610−3に処理を移し、中断中フラグはオンしていないと判定した場合にはステップS610−5に処理を移す。
(ステップS610−3)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示を再開するための処理を実行し、図32のステップS610−51に処理を移す。
(ステップS610−5)
メインCPU300aは、特1保留数が1以上であるかを判定する。その結果、特1保留数が1以上であると判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、特1保留数は1以上ではないと判定した場合にはステップS610−51に処理を移す。
(ステップS610−7)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において、特1保留に基づく図柄の変動表示中であるか、または、特1保留に基づく図柄が停止表示中(停止表示時間の計時中)であるかを判定する。その結果、変動表示中である、または、停止表示中であると判定した場合にはステップS610−51に処理を移し、変動表示中ではなく、かつ、停止表示中ではないと判定した場合にはステップS610−9に処理を移す。
(ステップS610−9)
メインCPU300aは、第1特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特1保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、特1保留に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特1保留が「1」減算されたことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−11)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162において図柄の変動表示中であるかを判定する。その結果、図柄の変動表示中であると判定した場合にはステップS610−17に処理を移し、図柄の変動表示中ではないと判定した場合にはステップS610−13に処理を移す。
(ステップS610−13)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS610−15)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−13における大役抽選の結果が大当たりまたは小当たりであった場合、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルまたは小当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS610−13における大役抽選の結果がハズレであった場合には、ハズレ用の特別図柄判定データをセーブする。そして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−17)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162に最終的に停止表示される特別図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、大当たり図柄であると判定した場合にはステップS610−19に処理を移し、大当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS610−13に処理を移す。
(ステップS610−19)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数が、小当たりの範囲内であるかを判定する。その結果、小当たりの範囲内であると判定した場合にはステップS610−21に処理を移し、小当たりの範囲外であると判定した場合にはステップS610−23に処理を移す。
(ステップS610−21)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する小当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(小当たり図柄の種別)をセーブする。
(ステップS610−23)
メインCPU300aは、ハズレ図柄にかかる特別図柄判定データをセーブし、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。つまり、第2特別図柄表示器162において最終的に大当たり図柄が停止表示される図柄の変動表示が行われている場合、第1特別図柄表示器160においては、必ず、小当たり図柄またはハズレ図柄が最終的に停止表示される図柄の変動表示のみが行われることとなる。
(ステップS610−25)
メインCPU300aは、上記ステップS610−15、ステップS610−21、ステップS610−23で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。なお、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162は、それぞれ7セグで構成されており、7セグを構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。ここで決定する特別図柄停止図柄番号は、最終的に点灯するセグメントの番号(カウンタ値)を示すものである。
(ステップS611)
メインCPU300aは、変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
(ステップS610−27)
メインCPU300aは、上記ステップS611で決定された変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して変動時間を決定する。そして、決定した変動時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
(ステップS610−29)
メインCPU300aは、大役抽選の結果が大当たりであるか否かを判定し、大当たりであった場合には、上記ステップS610−15でセーブした特別図柄判定データをロードして、大当たり図柄の種別を確認する。そして、遊技状態設定テーブルおよび現在の遊技状態を参照して、大役遊技終了後に設定される遊技状態および高確回数、時短回数を判定し、その判定結果を特別図柄確率状態予備フラグ、時短状態予備フラグ、および、高確回数切り予備カウンタ、時短回数切り予備カウンタにセーブする。なお、ハズレ図柄がセーブされている場合には、当該処理を実行することなく、次の処理に移行する。
(ステップS610−31)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第1特別図柄表示器160を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。なお、特別図柄表示図柄カウンタは、第1特別図柄表示器160に対応する特別図柄1表示図柄カウンタと、第2特別図柄表示器162に対応する特別図柄2表示図柄カウンタとが別個に設けられており、ここでは、特別図柄1表示図柄カウンタにカウンタ値が設定される。
(ステップS610−33)
メインCPU300aは、回数切り管理処理を実行する。ここでは、特別図柄確率状態フラグをロードして、現在の遊技状態が低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が高確率遊技状態であった場合には、高確回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、高確回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、低確率遊技状態に対応する特別図柄確率状態フラグをセットする。これにより、高確率遊技状態において、大当たりに当選することなく、大役抽選が所定回数実行されたところで、遊技状態が低確率遊技状態に移行することとなる。
また、ここでは、時短状態フラグをロードして、現在の遊技状態が中時短遊技状態または時短遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が中時短遊技状態または時短遊技状態であった場合には、時短回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、時短回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、非時短遊技状態に対応する時短状態フラグをセットする。これにより、中時短遊技状態または時短遊技状態において、大当たりに当選することなく、大役抽選が所定回数実行されたところで、遊技状態が非時短遊技状態に移行することとなる。
(ステップS610−35)
メインCPU300aは、高確回数および時短回数が0になるまでの残り回数(実残り回数)を示す回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−37)
メインCPU300aは、特別図柄の変動表示の開始時の遊技状態を示す遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−51)
図32に示すように、メインCPU300aは、特2保留数が1以上であるかを判定する。その結果、特2保留数が1以上であると判定した場合にはステップS610−53に処理を移し、特2保留数は1以上ではないと判定した場合にはステップS610−85に処理を移す。
(ステップS610−53)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162において、特2保留に基づく図柄の変動表示中であるか、または、特2保留に基づく図柄が停止表示中(停止表示時間の計時中)であるかを判定する。その結果、変動表示中、または、停止表示中であると判定した場合にはステップS610−85に処理を移し、変動表示中ではなく、かつ、停止表示中ではないと判定した場合にはステップS610−55に処理を移す。
(ステップS610−55)
メインCPU300aは、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特2保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、特2保留に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特2保留が「1」減算されたことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−57)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160において図柄の変動表示中であるかを判定する。その結果、図柄の変動表示中であると判定した場合にはステップS610−63に処理を移し、図柄の変動表示中ではないと判定した場合にはステップS610−59に処理を移す。
(ステップS610−59)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS610−61)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−59における大役抽選の結果が大当たりまたは小当たりであった場合、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルまたは小当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS610−59における大役抽選の結果がハズレであった場合には、ハズレ用の特別図柄判定データをセーブする。そして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−63)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160に最終的に停止表示される特別図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、大当たり図柄であると判定した場合にはステップS610−65に処理を移し、大当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS610−59に処理を移す。
(ステップS610−65)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数が、小当たりの範囲内であるかを判定する。その結果、小当たりの範囲内であると判定した場合にはステップS610−67に処理を移し、小当たりの範囲外であると判定した場合にはステップS610−69に処理を移す。
(ステップS610−67)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する小当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(小当たり図柄の種別)をセーブする。
(ステップS610−69)
メインCPU300aは、ハズレ図柄にかかる特別図柄判定データをセーブし、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。つまり、第1特別図柄表示器160において最終的に大当たり図柄が停止表示される図柄の変動表示が行われている場合、第2特別図柄表示器162においては、必ず、小当たり図柄またはハズレ図柄が最終的に停止表示される図柄の変動表示のみが行われることとなる。
(ステップS610−71)
メインCPU300aは、上記ステップS610−61、ステップS610−67、ステップS610−69で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。
(ステップS611)
メインCPU300aは、変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
(ステップS610−73)
メインCPU300aは、上記ステップS611で決定された変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して変動時間を決定する。そして、決定した変動時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
(ステップS610−75)
メインCPU300aは、上記ステップS610−59における大役抽選の結果が大当たりであるか否かを判定し、大当たりであった場合には、上記ステップS610−61でセーブした特別図柄判定データをロードして、大当たり図柄の種別を確認する。そして、遊技状態設定テーブルおよび現在の遊技状態を参照して、大役遊技終了後に設定される遊技状態および高確回数、時短回数を判定し、その判定結果を特別図柄確率状態予備フラグ、時短状態予備フラグ、および、高確回数切り予備カウンタ、時短回数切り予備カウンタにセーブする。なお、ハズレ図柄がセーブされている場合には、当該処理を実行することなく、次の処理に移行する。
(ステップS610−77)
メインCPU300aは、第2特別図柄表示器162において、図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄2表示図柄カウンタに設定されることとなる。
(ステップS610−79)
メインCPU300aは、上記ステップS610−33と同様の回数切り管理処理を実行する。
(ステップS610−81)
メインCPU300aは、上記ステップS610−79で更新されたカウンタ値(高確回数が0になるまでの残り回数)を示す回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−83)
メインCPU300aは、特別図柄の変動表示の開始時の遊技状態を示す遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−85)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162のいずれにおいても、図柄の変動表示および停止表示中でない場合に、所定の客待ち処理を実行し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
図33は、主制御基板300における特別図柄変動番号決定処理(ステップS611)を説明するフローチャートである。
(ステップS611−1)
メインCPU300aは、上記ステップS610でセーブされた特別図柄判定データ(特別図柄の種別)をロードする。
(ステップS611−3)
メインCPU300aは、現在設定されている遊技状態を確認する。
(ステップS611−5)
メインCPU300aは、上記ステップS611−1でロード、確認した特別図柄の種別、上記ステップS611−3で確認した現在の遊技状態、当該遊技状態における変動回数、および、保留種別に基づいて、対応する変動パターン乱数判定テーブルを選択してセットする。
(ステップS611−7)
メインCPU300aは、上記ステップS611−5でセットした変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS610−9またはステップS610−55で第0記憶部に転送した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定する。
(ステップS611−9)
メインCPU300aは、上記ステップS611−7で決定した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドを送信バッファにセットし、当該特別図柄変動番号決定処理を終了する。
図34は、主制御基板300における特別図柄変動中処理を説明するフローチャートである。
(ステップS620−1)
メインCPU300aは、処理対象識別値として「00H」をセットする。なお、処理対象識別値というのは、以下の各処理を実行する際に、特1保留にかかる処理を実行するのか、特2保留にかかる処理を実行するのかを識別するためのものであり、処理対象識別値として「00H」がセットされている場合には、特1保留にかかる処理が実行され、処理対象識別値として「01H」がセットされている場合には、特2保留にかかる処理が実行される。なお、特別図柄変動中処理および特別図柄停止図柄表示処理の説明で登場する各種のカウンタやタイマには、特1保留用と特2保留用とが設けられており、以下のステップS620−3〜ステップS620−21の処理では、メインRAM300cに記憶された処理対象識別値に対応する処理対象(カウンタやタイマ等)についてなされるものである。
(ステップS620−3)
メインCPU300aは、特別図柄変動ベースカウンタを更新する処理を実行する。なお、特別図柄変動ベースカウンタは、所定周期(例えば100ms)で1周するようにカウンタ値が設定される。具体的には、特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であった場合には、所定のカウンタ値(例えば25)がセットされ、カウンタ値が「1」以上であった場合には、現在のカウンタ値から「1」減算した値にカウンタ値を更新する。
(ステップS620−5)
メインCPU300aは、上記ステップS620−3で更新した特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であった場合にはステップS620−7に処理を移し、カウンタ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−11に処理を移す。
(ステップS620−7)
メインCPU300aは、上記ステップS610−21またはステップS610−77で設定された特別図柄変動タイマのタイマ値を所定値減算する特別図柄変動タイマ更新処理を行う。
(ステップS620−9)
メインCPU300aは、上記ステップS620−7で更新した特別図柄変動タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS620−17に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−11に処理を移す。
(ステップS620−11)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントの点灯時間を計時する特別図柄表示タイマを更新する。具体的には、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS620−13)
メインCPU300aは、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS620−15に処理を移し、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合にはステップS620−23に処理を移す。
(ステップS620−15)
メインCPU300aは、更新対象の特別図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新し、ステップS620−23に処理を移す。これにより、7セグを構成する各セグメントが、所定時間おきに順次点灯することとなる。
(ステップS620−17)
メインCPU300aは、対象の特別図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS610−25またはS610−71で決定した特別図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示されることとなる。
(ステップS620−19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS620−21)
メインCPU300aは、特別図柄を停止表示する時間である特別図柄変動停止時間を特別遊技タイマにセットする。
(ステップS620−23)
メインCPU300aは、メインRAM300cに記憶された処理対象識別値が最大(01H)であるかを判定する。その結果、処理対象識別値が最大であると判定した場合には当該特別図柄変動中処理を終了し、処理対象識別値は最大ではないと判定した場合にはステップS620−25に処理を移す。
(ステップS620−25)
メインCPU300aは、処理対象識別値として「01H」をセットし、ステップS620−3に処理を移す。
図35は、主制御基板300における特別図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。
(ステップS630−1)
メインCPU300aは、処理対象識別値として「00H」をセットする。
(ステップS630−3)
メインCPU300aは、メインRAM300cにセットされた処理対象識別値に対応する保留種別にかかる特別図柄が、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に停止表示中であるかを判定する。その結果、停止表示中であると判定した場合にはステップS630−5に処理を移し、停止表示中ではないと判定した場合にはステップS630−27に処理を移す。
(ステップS630−5)
メインCPU300aは、上記ステップS620−23でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS630−27に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS630−7に処理を移す。
(ステップS630−7)
メインCPU300aは、大役抽選の結果を確認する。
(ステップS630−9)
メインCPU300aは、大役抽選の結果がハズレであるかを判定する。その結果、ハズレであると判定した場合にはステップS630−25に処理を移し、ハズレではないと判定した場合にはステップS630−11に処理を移す。
(ステップS630−11)
メインCPU300aは、変動表示中の特別図柄があるかを判定する。その結果、変動表示中の特別図柄があると判定した場合にはステップS631に処理を移し、変動表示中の特別図柄はないと判定した場合にはステップS630−13に処理を移す。
(ステップS631)
メインCPU300aは、図柄強制停止処理を実行する。この図柄強制停止処理については、図36を用いて後述する。
(ステップS630−13)
メインCPU300aは、遊技状態を更新する遊技状態更新処理を行う。ここでは、停止表示中の特別図柄が大当たり図柄である場合に遊技状態を初期状態に設定し、停止表示中の特別図柄が小当たり図柄である場合には、そのまま次の処理に移る。
(ステップS630−15)
メインCPU300aは、確定した特別図柄の種別に応じて、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータをセットする。
(ステップS630−17)
メインCPU300aは、特別電動役物最大作動回数設定処理を行う。具体的には、上記ステップS630−15でセットしたデータを参照し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特別図柄の種別に対応するカウンタ値=ラウンド数)をセットする。なお、この特別電動役物最大作動回数カウンタは、これから開始する大役遊技において実行可能なラウンド数を示すものである。一方、メインRAM300cには、特別電動役物連続作動回数カウンタが設けられており、各ラウンド遊技の開始時に、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を「1」加算することで、現在のラウンド遊技数が管理される。ここでは、大役遊技の開始に伴って、この特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「0」に更新)する処理が併せて実行される。
(ステップS630−19)
メインCPU300aは、上記ステップS630−15でセットしたデータを参照し、特別遊技タイマに、タイマ値として所定のオープニング時間をセーブする。
(ステップS630−21)
メインCPU300aは、大役遊技の開始を副制御基板330に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−23)
メインCPU300aは、大役遊技を開始する場合には特別遊技管理フェーズを「01H」に更新し、小当たり遊技を開始する場合には特別遊技管理フェーズを「05H」に更新して、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、大役遊技または小当たり遊技が開始されることとなる。
(ステップS630−25)
メインCPU300aは、特別図柄が確定したときの遊技状態を示す特図確定時遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−27)
メインCPU300aは、メインRAM300cに記憶された処理対象識別値が最大(01H)であるかを判定する。その結果、処理対象識別値が最大であると判定した場合には当該特別図柄停止図柄表示処理を終了し、処理対象識別値は最大ではないと判定した場合にはステップS630−29に処理を移す。
(ステップS630−29)
メインCPU300aは、処理対象識別値に01Hを加算し、ステップS630−3に処理を移す。
図36は、主制御基板300における図柄強制停止処理(ステップS631)を説明するフローチャートである。
(ステップS631−1)
メインCPU300aは、停止表示中(当該)の特別図柄が小当たり図柄であるかを判定する。その結果、小当たり図柄であると判定した場合にはステップS631−3に処理を移し、小当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS631−11に処理を移す。
(ステップS631−3)
メインCPU300aは、処理対象識別値が00Hであるか、つまり、小当たり図柄が停止表示されたのが、第1特別図柄表示器160であるかを判定する。その結果、処理対象識別値が00Hであると判定した場合にはステップS631−11に処理を移し、処理対象識別値は00Hではないと判定した場合にはステップS631−5に処理を移す。
(ステップS631−5)
メインCPU300aは、変動表示中(他方)の特別図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、大当たり図柄であると判定した場合にはステップS631−11に処理を移し、大当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS631−7に処理を移す。
(ステップS631−7)
メインCPU300aは、中断中フラグをオンする。
(ステップS631−9)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示を中断する変動中断処理を実行し、当該図柄強制停止処理を終了する。ここでは、変動時間の残り時間や、特別図柄にかかる情報を一時的に所定の記憶領域に退避させる処理を行う。
(ステップS631−11)
メインCPU300aは、図柄が変動表示されている第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162にハズレ図柄を強制停止させる処理を行い、当該図柄強制停止処理を終了する。
上記の処理により、第1特別図柄表示器160に小当たり図柄が停止表示された場合には、第2特別図柄表示器162にハズレ図柄が強制停止表示される。また、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示された場合、大当たり図柄が第1特別図柄表示器160に最終的に停止表示される変動表示中であれば、第1特別図柄表示器160にハズレ図柄が強制停止表示される。一方、第2特別図柄表示器162に小当たり図柄が停止表示された場合、小当たり図柄またはハズレ図柄が第1特別図柄表示器160に最終的に停止表示される変動表示中であれば、第1特別図柄表示器160における変動表示が一時的に中断されることとなる。
図37は、主制御基板300における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放前処理は、特別遊技管理フェーズが「01H」、「05H」であった場合に実行される。
(ステップS640−1)
メインCPU300aは、上記ステップS630−29でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口開放前処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS640−3に処理を移す。
(ステップS640−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS640−5)
メインCPU300aは、大入賞口の開放開始(ラウンド遊技の開始)を副制御基板330に伝達するための大入賞口開放指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS641)
メインCPU300aは、大入賞口開閉切替処理を実行する。この大入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS640−7)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を確認し、1回目のラウンド遊技の開始であるか、すなわち、特定ラウンド遊技の開始であるかを判定する。その結果、1回目のラウンド遊技が開始すると判定した場合にはステップS640−9に処理を移し、1回目のラウンド遊技の開始ではないと判定した場合にはステップS640−11に処理を移す。
(ステップS640−9)
メインCPU300aは、有効期間フラグをオンする。
(ステップS640−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「02H」または「06H」)に更新し、当該大入賞口開放前処理を終了する。
図38は、主制御基板300における大入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS641−1)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数(1回のラウンド遊技中における大入賞口の開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641−3に処理を移す。
(ステップS641−3)
メインCPU300aは、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータを参照し、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、第1大入賞口ソレノイド126c、第2大入賞口ソレノイド128cを通電制御するためのソレノイド制御データ、および、通電時間もしくは通電停止時間であるタイマデータを抽出する。
(ステップS641−5)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始するか、もしくは、通電を停止するための大入賞口ソレノイド通電制御処理を実行する。この大入賞口ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS641−7)
メインCPU300aは、不図示の可動部材制御テーブルをセットするとともに、当該テーブルを参照して、可動部材駆動ソレノイド142cの通電制御を行う。
(ステップSS641−9)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、特別遊技タイマにセーブする。なお、ここで特別遊技タイマにセーブされるタイマ値は、大入賞口の1回の最大開放時間となる。
(ステップSS641−11)
メインCPU300aは、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS641−5において、第2大入賞口ソレノイド128cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップSS641−13に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップSS641−13)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
図39は、主制御基板300における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放制御処理は、特別遊技管理フェーズが「02H」、「06H」であった場合に実行される。
(ステップS650−1)
メインCPU300aは、上記ステップSS641−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS650−5に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS650−3に処理を移す。
(ステップS650−3)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS650−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641に処理を移す。
(ステップS641)
上記ステップS650−3において、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS641の処理を実行する。
(ステップS650−5)
メインCPU300aは、上記ステップS500−9で更新された大入賞口入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、大入賞口に、1ラウンド中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該大入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS650−7に処理を移す。
(ステップS650−7)
メインCPU300aは、第1大入賞口ソレノイド126cまたは第2大入賞口ソレノイド128cの通電を停止して大入賞口を閉鎖するために必要な大入賞口閉鎖処理を実行する。これにより、大入賞口は閉鎖状態となる。
(ステップS650−9)
メインCPU300aは、大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)を特別遊技タイマにセーブする。
(ステップS650−11)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を確認し、1回目のラウンド遊技の終了であるかを判定する。その結果、1回目のラウンド遊技が終了すると判定した場合にはステップS650−13に処理を移し、1回目のラウンド遊技の終了ではないと判定した場合にはステップS650−15に処理を移す。
(ステップS650−13)
メインCPU300aは、有効期間フラグをオフする有効期間フラグオフタイマをセットする。なお、有効期間フラグオフタイマは、ステップS400−9のタイマ更新処理でタイマ割込処理の度に減算されていき、0になると有効期間フラグがオフになる。
(ステップS650−15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「03H」または「07H」)に更新する。
(ステップS650−17)
メインCPU300aは、大入賞口が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口開放制御処理を終了する。
図40は、主制御基板300における大入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この大入賞口閉鎖有効処理は、特別遊技管理フェーズが「03H」、「07H」であった場合に実行される。
(ステップS660−1)
メインCPU300aは、上記ステップS650−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS660−3に処理を移す。
(ステップS660−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致するか、すなわち、予め設定された回数のラウンド遊技が終了したかを判定する。その結果、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致すると判定した場合にはステップS660−9に処理を移し、一致しないと判定した場合にはステップS660−5に処理を移す。
(ステップS660−5)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「01H」に更新する。なお、特別遊技管理フェーズが07Hである場合、すなわち、小当たり遊技の制御中は、小当たり遊技のラウンド遊技回数が「1」であることから、上記ステップS660−3で必ずYESと判定され、当該ステップに処理が移行することはない。
(ステップS660−7)
メインCPU300aは、所定の大入賞口閉鎖時間を特別遊技タイマにセーブし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。これにより、次のラウンド遊技が開始されることとなる。
(ステップS660−9)
メインCPU300aは、エンディング時間を特別遊技タイマにセーブするエンディング時間設定処理を実行する。
(ステップS660−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを、現在の値に01Hを加算した値(「04H」または「08H」)に更新する。
(ステップS660−13)
メインCPU300aは、エンディングの開始を示すエンディング指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図41は、主制御基板300における大入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この大入賞口終了ウェイト処理は、特別遊技管理フェーズが「04H」、「08H」であった場合に実行される。
(ステップS670−1)
メインCPU300aは、上記ステップS660−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口終了ウェイト処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS671に処理を移す。
(ステップS671)
メインCPU300aは、大役遊技終了後の遊技状態を設定するための状態設定処理を実行する。この状態設定処理については、図42を用いて説明する。
(ステップS670−3)
メインCPU300aは、大役遊技の終了後に設定される遊技状態を伝達するための遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−5)
メインCPU300aは、上記ステップS671でセットした高確回数、時短回数に対応する回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−7)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該大入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、特別図柄の変動表示が再開されることとなる。
図42は、主制御基板300における状態設定処理を説明するフローチャートである。
(ステップS671−1)
メインCPU300aは、現在の特別遊技管理フェーズをロードし、ロードした特別遊技管理フェーズが06Hであるか、つまり、大役遊技の終了後であるかを判定する。その結果、特別遊技管理フェーズが06Hであると判定した場合にはステップS671−9に処理を移し、特別遊技管理フェーズは06Hではないと判定した場合にはステップS671−3に処理を移す。なお、特別遊技管理フェーズは06Hではないと判定した場合とは、すなわち、小当たり遊技後の終了後の場合である。
(ステップS671−3)
メインCPU300aは、高確率遊技状態用の特別図柄確率状態フラグはオフであるか判定する。その結果、高確率遊技状態用の特別図柄確率状態フラグはオフであると判定した場合には、当該状態設定処理を終了し、高確率遊技状態用の特別図柄確率状態フラグはオフではない、すなわち、高確率遊技状態用の特別図柄確率状態フラグはオンであると判定した場合には、ステップS671−5に処理を移す。
(ステップS671−5)
メインCPU300aは、時短状態フラグはオフであるか判定する。その結果、時短状態フラグはオフであると判定した場合には、当該状態設定処理を終了し、時短状態フラグはオフではない、すなわち、時短状態フラグはオンであると判定した場合には、ステップS671−7に処理を移す。
(ステップS671−7)
メインCPU300aは、時短状態フラグをオフし、当該状態設定処理を終了する。
(ステップS671−9)
メインCPU300aは、特定領域進入フラグはオンであるか判定する。その結果、特定領域進入フラグはオンであると判定した場合には、ステップS671−19に処理を移し、特定領域進入フラグはオンではない、すなわち、オフであると判定した場合には、ステップS671−11に処理を移す。
(ステップS671−11)
メインCPU300aは、高確率遊技状態用の特別図柄確率状態フラグをオフする。
(ステップS671−13)
メインCPU300aは、高確回数切りカウンタのカウンタ値をリセットする。
(ステップS671−15)
メインCPU300aは、時短状態フラグをオンする。
(ステップS671−17)
メインCPU300aは、時短回数切りカウンタのカウンタ値に100をセットし、当該状態設定処理を終了する。
(ステップS671−19)
メインCPU300aは、高確率遊技状態用の特別図柄確率状態フラグをオンする。
(ステップS671−21)
メインCPU300aは、高確回数切りカウンタのカウンタ値に10000回をセットする。
(ステップS671−23)
メインCPU300aは、時短状態フラグをオンする。
(ステップS671−25)
メインCPU300aは、時短回数切りカウンタのカウンタ値に10000回をセットする。
(ステップS671−27)
メインCPU300aは、特定領域進入フラグをオフし、当該状態設定処理を終了する。
図43は、普通遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技に係る処理が、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした普通遊技に係る各処理を普通遊技管理フェーズによって管理している。
図43に示すように、メインROM300bには、普通遊技を実行制御するための複数の普通遊技制御モジュールが格納されており、これら普通遊技制御モジュールごとに、普通遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、普通遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「普通図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「普通図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「普通図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「普通電動役物入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「普通電動役物入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図44は、主制御基板300における普通遊技管理処理(ステップS700)を説明するフローチャートである。
(ステップS700−1)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS700−3)
メインCPU300aは、上記ステップS700−1でロードした普通遊技管理フェーズに対応する普通遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS700−5)
メインCPU300aは、上記ステップS700−3で選択した普通遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS700−7)
メインCPU300aは、普通遊技の制御時間を管理する普通遊技タイマをロードする。
図45は、主制御基板300における普通図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動待ち処理は、普通遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS710−1)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、カウンタ値が「0」であるか、すなわち、普図保留が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であると判定した場合には当該普通図柄変動待ち処理を終了し、カウンタ値は「0」ではないと判定した場合にはステップS710−3に処理を移す。
(ステップS710−3)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留(当たり決定乱数)を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている普図保留を、第0記憶部に転送する。なお、この普通図柄記憶エリアシフト処理においては、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、普図保留が「1」減算したことを示す、普図保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−5)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり決定乱数をロードし、現在の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブルを選択して普図抽選を行い、その抽選結果を記憶する普通図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS710−7)
メインCPU300aは、上記ステップS710−5の普図抽選の結果に対応する普通図柄停止図柄番号をセーブする。なお、本実施形態では、普通図柄表示器168は1つのLEDランプで構成されており、当たりの場合には普通図柄表示器168を点灯させ、ハズレの場合には普通図柄表示器168を消灯させる。ここで決定する普通図柄停止図柄番号は、最終的に普通図柄表示器168を点灯するか否かを示すものであり、例えば、当たりに当選した場合には、普通図柄停止図柄番号として「0」が決定され、ハズレの場合には、普通図柄停止図柄番号として「1」が決定される。
(ステップS710−9)
メインCPU300aは、現在の遊技状態を確認し、対応する普通図柄変動時間データテーブルを選択してセットする。
(ステップS710−11)
メインCPU300aは、上記ステップS710−3で第0記憶部に転送した当たり決定乱数と、上記ステップS710−9でセットした普通図柄変動時間データテーブルとに基づいて、普通図柄変動時間を決定する。
(ステップS710−13)
メインCPU300aは、上記ステップS710−11で決定した普通図柄変動時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS710−15)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168において、普通図柄の変動表示を開始するために、普通図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。この普通図柄表示図柄カウンタに、カウンタ値として例えば「0」が設定されている場合には普通図柄表示器168が点灯制御され、カウンタ値として「1」が設定されている場合には普通図柄表示器168が消灯制御される。ここでは、普通図柄の変動表示の開始時に所定のカウンタ値が普通図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。
(ステップS710−17)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−19)
メインCPU300aは、上記ステップS710−7で決定された普通図柄停止図柄番号、すなわち、普通図柄当たり判定処理によって決定された図柄種別(当たり図柄またはハズレ図柄)に基づいて、普通図柄指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−21)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該普通図柄変動待ち処理を終了する。
図46は、主制御基板300における普通図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動中処理は、普通遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
(ステップS720−1)
メインCPU300aは、上記ステップS710−13でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS720−9に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS720−3に処理を移す。
(ステップS720−3)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168の点灯時間および消灯時間を計時する普通図柄表示タイマを更新する。具体的には、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS720−5)
メインCPU300aは、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS720−7に処理を移し、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該普通図柄変動中処理を終了する。
(ステップS720−7)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。ここでは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値が、普通図柄表示器168の消灯を示すカウンタ値であった場合には点灯を示すカウンタ値に更新し、普通図柄表示器168の点灯を示すカウンタ値であった場合には消灯を示すカウンタ値に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。これにより、普通図柄表示器168は、普通図柄変動時間にわたって、所定時間おきに点灯、消灯を繰り返す(点滅する)こととなる。
(ステップS720−9)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS710−7で決定した普通図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、普通図柄表示器168が最終的に点灯もしくは消灯制御され、普図抽選の結果が報知されることとなる。
(ステップS720−11)
メインCPU300aは、普通図柄を停止表示する時間である普通図柄変動停止時間を普通遊技タイマにセットする。
(ステップS720−13)
メインCPU300aは、普通図柄の停止表示が開始されたことを示す普図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS720−15)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「02H」に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。
図47は、主制御基板300における普通図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この普通図柄停止図柄表示処理は、普通遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
(ステップS730−1)
メインCPU300aは、上記ステップS720−11でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通図柄停止図柄表示処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS730−3に処理を移す。
(ステップS730−3)
メインCPU300aは、普図抽選の結果を確認する。
(ステップS730−5)
メインCPU300aは、普図抽選の結果が当たりであるかを判定する。その結果、当たりであると判定した場合にはステップS730−9に処理を移し、当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS730−7に処理を移す。
(ステップS730−7)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の普図保留に基づく普通遊技管理処理が終了し、普図保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく普通図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
(ステップS730−9)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通遊技タイマに、タイマ値として普電開放前時間をセーブする。
(ステップS730−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、第2始動口122の開閉制御が開始されることとなる。
図48は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放前処理は、普通遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
(ステップS740−1)
メインCPU300aは、上記ステップS730−9でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS741に処理を移す。
(ステップS741)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞口開閉切替処理を実行する。この普通電動役物入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS740−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了する。
図49は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS741−1)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数(1回の開閉制御中における右側第1始動口120aの可動片120bの開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741−3に処理を移す。
(ステップS741−3)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、普通電動役物ソレノイド120cを通電制御するためのソレノイド制御データ(通電制御データまたは通電停止制御データ)、および、普通電動役物ソレノイド120cの通電時間(ソレノイド通電時間)もしくは通電停止時間(普電閉鎖有効時間=休止時間)であるタイマデータを抽出する。
(ステップS741−5)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、普通電動役物ソレノイド120cの通電を開始するか、もしくは、普通電動役物ソレノイド120cの通電を停止するための普通電動役物ソレノイド通電制御処理を実行する。この普通電動役物ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、普通電動役物ソレノイド120cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS741−7)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、普通遊技タイマにセーブする。なお、ここで普通遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第2始動口122の1回の最大開放時間となる。
(ステップS741−9)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド120cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS741−5において、普通電動役物ソレノイド120cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS741−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS741−11)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
図50は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放制御処理は、普通遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
(ステップS750−1)
メインCPU300aは、上記ステップS741−7でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS750−5に処理を移し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS750−3に処理を移す。
(ステップS750−3)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS750−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741に処理を移す。
(ステップS741)
上記ステップS750−3において、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS741の処理を実行する。
(ステップS750−5)
メインCPU300aは、上記ステップS530−9で更新された普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第2始動口122に、1回の開閉制御中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS750−7に処理を移す。
(ステップS750−7)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド120cの通電を停止して第2始動口122を閉鎖するために必要な普通電動役物閉鎖処理を実行する。これにより、第2始動口122が閉鎖状態となる。
(ステップS750−9)
メインCPU300aは、普電有効状態時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS750−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「05H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了する。
図51は、主制御基板300における普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口閉鎖有効処理は、普通遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
(ステップS760−1)
メインCPU300aは、上記ステップS750−9でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS760−3に処理を移す。
(ステップS760−3)
メインCPU300aは、普電終了ウェイト時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS760−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「06H」に更新し、当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図52は、主制御基板300における普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口終了ウェイト処理は、普通遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
(ステップS770−1)
メインCPU300aは、上記ステップS760−3でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS770−3に処理を移す。
(ステップS770−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、普図保留が記憶されている場合には、普通図柄の変動表示が再開されることとなる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、高確率遊技状態または低確率遊技状態と、非時短遊技状態または時短遊技状態とを組み合わせたいずれかの遊技状態にて遊技が進行することとした。しかしながら、上記実施形態の遊技状態は一例に過ぎない。いずれにしても、予め設定された変更条件にしたがって遊技の進行条件を異にする複数の遊技状態のうちのいずれかに設定変更すればよく、遊技状態の内容、大役遊技後、または、小当たり遊技後に設定される遊技状態、変更条件は適宜設計可能である。
また、上記実施形態では、第2大入賞口128内に特定領域140bが設けられ、特定ラウンド遊技における特定領域140bへの遊技球の進入有無、大当たり図柄の種別に応じて、遊技状態が設定されることとした。しかしながら、特定領域140bは必須ではなく、大当たり図柄の種別に基づいてのみ遊技状態を設定してもよいし、大当たり図柄の種別と、大当たり当選時の遊技状態とに基づいて遊技状態を設定してもよい。
また、上記実施形態では、単位時間あたりにおいて、小当たり遊技で賞球として払い出される遊技球を含む全ての払い出し遊技球数が、遊技領域116に発射される遊技球数よりも多くなる最優位状態について説明した。上記実施形態では、最優位状態は、高確率遊技状態かつ非時短遊技状態であることとしたが、例えば、高確率遊技状態かつ時短遊技状態であってもよい。いずれにしても、最優位状態は、発射球数よりも、払い出される遊技球数が多くなるように設計されていればよい。
また、上記実施形態では、小当たり遊技の開始前の遊技状態が、高確率遊技状態かつ時短遊技状態に設定された場合において、小当たり遊技後の遊技状態を高確率遊技状態かつ非時短遊技状態に設定し、小当たり遊技の開始前の遊技状態が、低確率遊技状態かつ時短遊技状態に設定された場合において、小当たり遊技後の遊技状態を低確率遊技状態かつ時短遊技状態に維持する場合を示した。しかしながら、例えば、小当たり遊技の開始前の遊技状態が、低確率遊技状態かつ時短遊技状態に設定された場合において、小当たり遊技後の遊技状態を低確率遊技状態かつ非時短遊技状態に設定することとしてもよい。このような構成にすることで、低確率遊技状態かつ時短遊技状態に設定された場合において、いつ、低確率遊技状態かつ非時短遊技状態に遊技状態が変化するか予想することができなくなり、遊技中における緊張感を付与することが可能となる。また、小当たり遊技後ではなく、小当たり図柄が決定された場合の特別図柄の変動表示の開始時から、遊技状態を非時短遊技状態に変更してもよい。また、所定の期間において小当たりに複数回当選することを条件として、遊技状態を時短遊技状態から非時短遊技状態に変更してもよい。
また、上記実施形態では、第1特別図柄表示器160における図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器162における図柄の変動表示とが同時並行して行われる所謂同時回し機について説明したが、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162のいずれか一方においてのみ図柄の変動表示が実行可能であってもよい。
また、上記実施形態において、左側第1始動口120、右側第1始動口120a、第2始動口122、第1大入賞口126、第2大入賞口128等の配置は一例に過ぎない。また、上記実施形態では、左側第1始動口120を、常時遊技球が入球可能な所謂、固定始動口で構成し、右側第1始動口120aを、遊技球の入球容易性が可変となる所謂、可変始動口で構成した。しかしながら、例えば、左側第1始動口120を可変始動口で構成してもよいし、第2始動口122を可変始動口で構成してもよい。
また、上記実施形態では、ゲート124を遊技球が通過することで普通遊技が行われ、普図抽選によって当たりに当選することで、右側第1始動口120aが開状態に制御されることとした。しかしながら、可変始動口を設ける場合、例えば、ゲート124を通過することで、特段の抽選を行うことなく、可変始動口を開状態に制御するとしてもよい。
また、上記実施形態では、大役遊技と小当たり遊技とで異なる大入賞口を開放することとしたが、大入賞口を1つのみ設け、大役遊技と小当たり遊技とで共通の大入賞口を開放してもよい。
また、上記実施形態では、小当たり遊技において第1大入賞口126が開放され、大役遊技において第2大入賞口128が開放されることとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、小当たり遊技において第2大入賞口128を開放してもよい。また、大役遊技において第1大入賞口126を開放してもよい。
また、上記実施形態では、右側第1始動口120a、可動片126bを有する第1大入賞口126、および、可動片128bを有する第2大入賞口128について、第2遊技領域116bを流下する遊技球のみが入球可能である位置に設けられる場合について説明したが、第2遊技領域116bに進入した遊技球の方が、第1遊技領域116aに進入した遊技球よりも進入しやすい位置に設けてもよい。
また、上記実施形態では、時短遊技中において、右側第1始動口120aへの遊技球の入球に基づいて小当たりに当選して、小当たり遊技が実行されたとしても、第2遊技領域116bに発射された遊技球が第1大入賞口126へ基本的には入球しないこととしたが、本発明がこれに限定されない。すなわち、第1大入賞口126が右側第1始動口120aよりも下流側に設けられることにより、第1大入賞口126への遊技球の入球が少なくとも制限されればよく、時短遊技中においても、第1大入賞口126および右側第1始動口120aの開閉タイミングによっては、第1大入賞口126への遊技球の入球が生じ得るような構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、特1保留によって「小当たり」に当選した場合に選択される小当たり図柄、および、特2保留によって「小当たり」に当選した場合に選択される小当たり図柄を、特別図柄Zのみとした。しかしながら、小当たり図柄は複数種類設けてもよい。また、小当たりに当選する契機となった保留の種別ごとに、選択され得る小当たり図柄を異なるものとしたり、選択確率を異ならせるように設定してもよい。
具体的には、例えば、遊技状態が高確前兆状態に設定されている場合に、高確前兆状態から最優位状態へ移行する契機となる小当たり図柄(特定小当たり図柄)と、高確前兆状態に再設定される小当たり図柄(非特定小当たり図柄)とをそれぞれ設けることができる。また、遊技状態が最優位状態に設定されている場合に、最優位状態から高確前兆状態へ移行する契機となる小当たり図柄と、最優位状態に再設定される小当たり図柄とをそれぞれ設けることができる。
また、上記実施形態においては、大役遊技後の遊技状態が高確前兆状態である場合に、時短回数および高確回数が10000回に設定される場合について示したが本発明はこれに限定されない。具体的には、例えば、大役遊技後の遊技状態が高確前兆状態である場合に、高確回数が10000回に設定され、時短回数が50回に設定されることとしてよい。この場合、高確前兆状態において小当たりに当選するか、高確前兆状態においてハズレの抽選結果が50回導出されると最優位状態に移行することとなる。
また、上記実施形態において、図31のステップS610−13、ステップS610−15、図32のステップS610−59、ステップS610−61の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の判定手段に相当する。
また、上記実施形態において、図37〜図40に示す処理を実行するメインCPU300aが、本発明の大入賞口制御手段に相当する。
また、上記実施形態において、図42のステップS671に示す処理を実行するメインCPU300aが、本発明の遊技状態設定手段に相当する。
また、上記実施形態において、図24〜図26に示す処理を実行するメインCPU300aが、本発明の図柄決定手段に相当する。