JP2001231522A - 食品の抗菌保存法 - Google Patents
食品の抗菌保存法Info
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- JP2001231522A JP2001231522A JP2000049651A JP2000049651A JP2001231522A JP 2001231522 A JP2001231522 A JP 2001231522A JP 2000049651 A JP2000049651 A JP 2000049651A JP 2000049651 A JP2000049651 A JP 2000049651A JP 2001231522 A JP2001231522 A JP 2001231522A
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- Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ヒトに安全でかつ安価に食品を抗菌保存する
方法を提供する。 【解決手段】 二酸化炭素または二酸化炭素とエチルア
ルコールを併用する食品の抗菌保存方法。
方法を提供する。 【解決手段】 二酸化炭素または二酸化炭素とエチルア
ルコールを併用する食品の抗菌保存方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、雑菌の繁殖を抑制
して、生鮮食品および加工食品を長期間保存可能にする
抗菌保存法に関する。
して、生鮮食品および加工食品を長期間保存可能にする
抗菌保存法に関する。
【0002】
【従来の技術】野菜類、果物類、漬物、魚介類、食肉類
などの生鮮食品類;ご飯類、餅やパン類、ウドン、そ
ば、ラーメン、スパゲッティ、マカロニなどの麺類、豆
腐、くず餅などの植物性加工食品;ハム、ソーセージ、
チーズ、つみれ、かまぼこなどの動物性加工食品などの
鮮度を保持し、賞味期間の長期間化を図るためには、雑
菌の繁殖を抑制することが必要である。
などの生鮮食品類;ご飯類、餅やパン類、ウドン、そ
ば、ラーメン、スパゲッティ、マカロニなどの麺類、豆
腐、くず餅などの植物性加工食品;ハム、ソーセージ、
チーズ、つみれ、かまぼこなどの動物性加工食品などの
鮮度を保持し、賞味期間の長期間化を図るためには、雑
菌の繁殖を抑制することが必要である。
【0003】食品における雑菌の繁殖を抑制する方法は
大きく分けて、(1)食品自体に防腐剤類を含有させる
添加法、オゾンや次亜塩素酸などによる処理法、包装材
を抗菌加工する方法などの化学的方法;(2)食品を雑
菌が繁殖しない環境で保存する方法(真空パック、冷凍
冷蔵)などの物理的方法がある。
大きく分けて、(1)食品自体に防腐剤類を含有させる
添加法、オゾンや次亜塩素酸などによる処理法、包装材
を抗菌加工する方法などの化学的方法;(2)食品を雑
菌が繁殖しない環境で保存する方法(真空パック、冷凍
冷蔵)などの物理的方法がある。
【0004】しかし、化学的方法においては、近年問題
となっている環境ホルモン汚染やアレルギーなどをでき
るだけ回避するために、可能な限り天然に存在しない合
成化学物質を使用しないことが望ましい。一方、物理的
方法は複雑な処理や特別の器具装置が必要となる。
となっている環境ホルモン汚染やアレルギーなどをでき
るだけ回避するために、可能な限り天然に存在しない合
成化学物質を使用しないことが望ましい。一方、物理的
方法は複雑な処理や特別の器具装置が必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の各種
生鮮および加工食品などの抗菌化を、環境に優しくかつ
ヒトに安全な手段で解決し得た、抗菌保存法を提供する
ことを目的とする。
生鮮および加工食品などの抗菌化を、環境に優しくかつ
ヒトに安全な手段で解決し得た、抗菌保存法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、二
酸化炭素の存在下、または二酸化炭素とエチルアルコー
ルの共存下、あるいはエチルアルコールで処理した後に
二酸化炭素の存在下で行なうことを特徴とする食品の抗
菌保存法に関する。
酸化炭素の存在下、または二酸化炭素とエチルアルコー
ルの共存下、あるいはエチルアルコールで処理した後に
二酸化炭素の存在下で行なうことを特徴とする食品の抗
菌保存法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の保存方法は、ガス、特に
二酸化炭素バリヤー性の容器(袋も含む)中に食品を封
入し、容器中を二酸化炭素単独またはエチルアルコール
蒸気との混合ガスで置換するか、エチルアルコールで処
理した後に二酸化炭素またはその水溶液を封入した後、
容器を密封することにより実施される。
二酸化炭素バリヤー性の容器(袋も含む)中に食品を封
入し、容器中を二酸化炭素単独またはエチルアルコール
蒸気との混合ガスで置換するか、エチルアルコールで処
理した後に二酸化炭素またはその水溶液を封入した後、
容器を密封することにより実施される。
【0008】好適に使用できる容器の材料としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレ
ートなどの合成樹脂;ポリビニルアルコール、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリアミドなどのフィルムにシリ
カやアルミニウムを蒸着した蒸着フィルムなどがあげら
れる。
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレ
ートなどの合成樹脂;ポリビニルアルコール、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリアミドなどのフィルムにシリ
カやアルミニウムを蒸着した蒸着フィルムなどがあげら
れる。
【0009】本発明では、抗菌成分として、二酸化炭素
単独またはエチルアルコールと共に気体状または水溶液
の形態で使用する。
単独またはエチルアルコールと共に気体状または水溶液
の形態で使用する。
【0010】気体状で二酸化炭素を使用する場合の抗菌
メカニズムは完全には解明されていないが、好気性菌に
対しては、二酸化炭素によって雰囲気が置換され、低酸
素条件になることにより菌の増殖が抑制されるものと考
えられる。また、嫌気性菌に対しては、食品に含まれる
中性の水分に二酸化炭素が溶解して酸性になることが菌
の増殖を抑制しているものと推察される。
メカニズムは完全には解明されていないが、好気性菌に
対しては、二酸化炭素によって雰囲気が置換され、低酸
素条件になることにより菌の増殖が抑制されるものと考
えられる。また、嫌気性菌に対しては、食品に含まれる
中性の水分に二酸化炭素が溶解して酸性になることが菌
の増殖を抑制しているものと推察される。
【0011】一方、二酸化炭素を水相(水溶液)で適用
する場合には、二酸化炭素が溶解して水のpHが中性か
ら約4〜5の酸性に変化し、このことが菌の増殖を抑制
しているものと考えられる。
する場合には、二酸化炭素が溶解して水のpHが中性か
ら約4〜5の酸性に変化し、このことが菌の増殖を抑制
しているものと考えられる。
【0012】本発明において食品保存剤として使用する
二酸化炭素は無色・無臭・無毒の気体で、ドライアイス
として市販されており、容易に入手できる。また、密封
保存後は、容器を開封することにより直ちに放散し、食
品に残存することもない。
二酸化炭素は無色・無臭・無毒の気体で、ドライアイス
として市販されており、容易に入手できる。また、密封
保存後は、容器を開封することにより直ちに放散し、食
品に残存することもない。
【0013】二酸化炭素は、容器内の空気を置換して無
酸素状態にする目的もあるので、通常は純二酸化炭素を
使用するが、窒素などの不活性ガスとの混合物を用いる
場合もある。
酸素状態にする目的もあるので、通常は純二酸化炭素を
使用するが、窒素などの不活性ガスとの混合物を用いる
場合もある。
【0014】気体状の二酸化炭素は、二酸化炭素ボンベ
から直接、またはドライアイスを気化させて、得られ
る。これらの方法によって発生させた気体状二酸化炭素
は水またはエチルアルコール、あるいはエチルアルコー
ル水溶液に溶解させることにより、水溶液の形態にする
ことができる。
から直接、またはドライアイスを気化させて、得られ
る。これらの方法によって発生させた気体状二酸化炭素
は水またはエチルアルコール、あるいはエチルアルコー
ル水溶液に溶解させることにより、水溶液の形態にする
ことができる。
【0015】本発明において、エチルアルコールを共存
させる、またはエチルアルコールで予め処理することに
より、二酸化炭素の抗菌保存効果は著しく向上する。
させる、またはエチルアルコールで予め処理することに
より、二酸化炭素の抗菌保存効果は著しく向上する。
【0016】エチルアルコールが殺菌および清浄化作用
を有することは知られているが、二酸化炭素と組み合わ
せて抗菌保存に使用することは知られていない。エチル
アルコールで処理するか、または二酸化炭素とエチルア
ルコールを共存させる場合には、エチルアルコールによ
る殺菌作用と二酸化炭素による静菌(増殖抑制)作用の
両方の作用を受けることなり、保存効果がさらに向上す
る。
を有することは知られているが、二酸化炭素と組み合わ
せて抗菌保存に使用することは知られていない。エチル
アルコールで処理するか、または二酸化炭素とエチルア
ルコールを共存させる場合には、エチルアルコールによ
る殺菌作用と二酸化炭素による静菌(増殖抑制)作用の
両方の作用を受けることなり、保存効果がさらに向上す
る。
【0017】本発明で使用するエチルアルコールは純品
(約100%)のものでもよいし、低濃度の濃度の水溶
液、またはエチルアルコールに気体状の二酸化炭素を通
じて調製した混合気体でもよい。
(約100%)のものでもよいし、低濃度の濃度の水溶
液、またはエチルアルコールに気体状の二酸化炭素を通
じて調製した混合気体でもよい。
【0018】エチルアルコールは二酸化炭素と共に密封
容器に封入してもよいし、食品をエチルアルコールで処
理した後に容器に入れて二酸化炭素を封入し、密封して
もよい。開封後のエチルアルコールは水で洗浄すること
により容易に除去できる。
容器に封入してもよいし、食品をエチルアルコールで処
理した後に容器に入れて二酸化炭素を封入し、密封して
もよい。開封後のエチルアルコールは水で洗浄すること
により容易に除去できる。
【0019】また、エチルアルコールで変質する恐れの
ある食品に対しては、高濃度エチルアルコールと短時間
接触させるか、低濃度エチルアルコール水溶液に比較的
長時間浸漬した後、水で洗浄してエチルアルコールを除
去し、これを二酸化炭素と共に容器に密封すればよい。
ある食品に対しては、高濃度エチルアルコールと短時間
接触させるか、低濃度エチルアルコール水溶液に比較的
長時間浸漬した後、水で洗浄してエチルアルコールを除
去し、これを二酸化炭素と共に容器に密封すればよい。
【0020】
【実施例】つぎに、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。
【0021】実施例1〜3 縦70mm、横50mm、厚さ15mm角の3つ生鮮食
品(実施例1はマグロ、実施例2は豚肉、実施例3は鶏
肉)をそれぞれ内容量500mlのポリプロピレン製の
保存容器内に静置する。別途、内容量500mlのポリ
プロピレン製の容器に水道水150mlとドライアイス
25.0gを入れ、二酸化炭素のミストを発生させた。
この二酸化炭素ミストを前記保存容器内に25分間導入
し、保存容器の内部の空気を二酸化炭素ミストで置換し
た後、密封した。
品(実施例1はマグロ、実施例2は豚肉、実施例3は鶏
肉)をそれぞれ内容量500mlのポリプロピレン製の
保存容器内に静置する。別途、内容量500mlのポリ
プロピレン製の容器に水道水150mlとドライアイス
25.0gを入れ、二酸化炭素のミストを発生させた。
この二酸化炭素ミストを前記保存容器内に25分間導入
し、保存容器の内部の空気を二酸化炭素ミストで置換し
た後、密封した。
【0022】対照例として、二酸化炭素を導入しなかっ
たほかは、同様にして試料を保存容器に密封したものを
作製した。
たほかは、同様にして試料を保存容器に密封したものを
作製した。
【0023】以上の実施例および対照例の密封保存容器
を室温で静置し、72時間後の一般生菌数をつぎの方法
で調べた。結果を表1に示す。
を室温で静置し、72時間後の一般生菌数をつぎの方法
で調べた。結果を表1に示す。
【0024】(一般生菌数測定)供試生鮮食品片10g
をフィルター付きストマッカー袋(グンゼ産業(株)製
のストマフィルターP)に採取し、食品検査用滅菌希釈
液(グンゼ産業(株)製のステリウオーター2000)
90mlを加え、ホモゲナイズしてよく分散させたの
ち、この溶液をストマッカー袋のフィルターを通して1
ml採取し、ペトリフィルム培地(米国スリーエム社製
のペトリフィルムAC6400)に接種した。さらに前
記ストマッカー袋のフィルターを通して採取した溶液1
mlを滅菌希釈液9mlで10倍希釈して100倍希釈
液を調製し、その希釈液1mlをペトリフィルム培地に
接種した。別途、100倍希釈液1mlを滅菌希釈液で
10倍に希釈して1000倍希釈液を調製し、その1m
lをペトリフィルム培地に接種した。同様の方法で、必
要に応じて順次10倍希釈と接種を行なった。接種され
たこれらのペトリフィルムを35℃にて48時間培養し
て菌数を計測した。
をフィルター付きストマッカー袋(グンゼ産業(株)製
のストマフィルターP)に採取し、食品検査用滅菌希釈
液(グンゼ産業(株)製のステリウオーター2000)
90mlを加え、ホモゲナイズしてよく分散させたの
ち、この溶液をストマッカー袋のフィルターを通して1
ml採取し、ペトリフィルム培地(米国スリーエム社製
のペトリフィルムAC6400)に接種した。さらに前
記ストマッカー袋のフィルターを通して採取した溶液1
mlを滅菌希釈液9mlで10倍希釈して100倍希釈
液を調製し、その希釈液1mlをペトリフィルム培地に
接種した。別途、100倍希釈液1mlを滅菌希釈液で
10倍に希釈して1000倍希釈液を調製し、その1m
lをペトリフィルム培地に接種した。同様の方法で、必
要に応じて順次10倍希釈と接種を行なった。接種され
たこれらのペトリフィルムを35℃にて48時間培養し
て菌数を計測した。
【0025】実施例4 水道水(pH7.3)150mlが入った内容量250
mlのガラス瓶にドライアイス30gを投入して二酸化
炭素ミストを発生させ、30分間通気して二酸化炭素水
溶液を調製した(pHは4.6に低下)。この二酸化炭
素水溶液に、市販の木綿漉し豆腐(縦60mm、横40
mm、厚さ40mm)を軽く水切りした後に浸漬し、該
ガラス瓶を密封した。
mlのガラス瓶にドライアイス30gを投入して二酸化
炭素ミストを発生させ、30分間通気して二酸化炭素水
溶液を調製した(pHは4.6に低下)。この二酸化炭
素水溶液に、市販の木綿漉し豆腐(縦60mm、横40
mm、厚さ40mm)を軽く水切りした後に浸漬し、該
ガラス瓶を密封した。
【0026】ドライアイスを投入しなかったほかは、同
様にして豆腐をガラス瓶に密封したものを対照例とし
た。
様にして豆腐をガラス瓶に密封したものを対照例とし
た。
【0027】以上の実施例および対照例の密封保存容器
を室温で静置し、72時間後の一般生菌数を実施例1と
同様の方法で調べた。結果を表1に示す。
を室温で静置し、72時間後の一般生菌数を実施例1と
同様の方法で調べた。結果を表1に示す。
【0028】実施例5 助惣鱈の身136g、水道水30ml、食塩6g、砂糖
4gおよび酒4ml(いずれも市販品)をフードプロセ
ッサーでよく混練して約100gを取り分け、アルミニ
ウム製の小皿に盛って整形(高さ25mm、直径90m
m)した。これを35℃で30分間静置した後、蒸し器
で25分間加熱して魚肉練り試料を製造した。
4gおよび酒4ml(いずれも市販品)をフードプロセ
ッサーでよく混練して約100gを取り分け、アルミニ
ウム製の小皿に盛って整形(高さ25mm、直径90m
m)した。これを35℃で30分間静置した後、蒸し器
で25分間加熱して魚肉練り試料を製造した。
【0029】(魚肉練り製品の保存試験)上記試料を縦
60mm、横50mm、厚さ25mm角に切り取り、内
容量500mlのポリプロピレン製の保存容器内に静置
した。別途、内容量500mlのポリプロピレン製の容
器に水道水150mlとドライアイス25.0gを入
れ、二酸化炭素のミストを発生させた。この二酸化炭素
ミストを前記保存容器内に25分間導入し、保存容器の
内部の空気を二酸化炭素ミストで置換した後、密封し
た。
60mm、横50mm、厚さ25mm角に切り取り、内
容量500mlのポリプロピレン製の保存容器内に静置
した。別途、内容量500mlのポリプロピレン製の容
器に水道水150mlとドライアイス25.0gを入
れ、二酸化炭素のミストを発生させた。この二酸化炭素
ミストを前記保存容器内に25分間導入し、保存容器の
内部の空気を二酸化炭素ミストで置換した後、密封し
た。
【0030】二酸化炭素ミストを導入しなかったほか
は、同様にして試料を保存容器に密封したものを対照例
とした。
は、同様にして試料を保存容器に密封したものを対照例
とした。
【0031】以上の実施例および対照例の密封保存容器
を室温で静置し、72時間後の一般生菌数を実施例1と
同様の方法で調べた。結果を表1に示す。
を室温で静置し、72時間後の一般生菌数を実施例1と
同様の方法で調べた。結果を表1に示す。
【0032】実施例6 豚挽肉144.6g、水道水24.2ml、片栗粉20
g、食塩6.4g、コショウ1.6gおよび酒3.2m
l(いずれも市販品)をフードプロセッサーでよく混練
した後約50g取り分け、これを食品包装用ラッピング
フィルムに包んで円筒状に整形(25mm径、長さ80
mm)し、蒸し器で25分間加熱して豚肉練り試料を製
造した。
g、食塩6.4g、コショウ1.6gおよび酒3.2m
l(いずれも市販品)をフードプロセッサーでよく混練
した後約50g取り分け、これを食品包装用ラッピング
フィルムに包んで円筒状に整形(25mm径、長さ80
mm)し、蒸し器で25分間加熱して豚肉練り試料を製
造した。
【0033】(豚肉練り製品の保存試験)上記試料から
両端を10mmずつ切り取って長さ60mmに調整した
後、内容量500mlのポリプロピレン製の保存容器内
に静置した。別途、内容量500mlのポリプロピレン
製の容器に水道水150mlとドライアイス25.0g
を入れ、二酸化炭素のミストを発生させた。この二酸化
炭素ミストを前記保存容器内に25分間導入し、保存容
器の内部の空気を二酸化炭素ミストで置換した後、密封
した。
両端を10mmずつ切り取って長さ60mmに調整した
後、内容量500mlのポリプロピレン製の保存容器内
に静置した。別途、内容量500mlのポリプロピレン
製の容器に水道水150mlとドライアイス25.0g
を入れ、二酸化炭素のミストを発生させた。この二酸化
炭素ミストを前記保存容器内に25分間導入し、保存容
器の内部の空気を二酸化炭素ミストで置換した後、密封
した。
【0034】二酸化炭素ミストを導入しなかったほか
は、同様にして試料を保存容器に密封したものを対照例
とした。
は、同様にして試料を保存容器に密封したものを対照例
とした。
【0035】以上の実施例および対照例の密封保存容器
を室温で静置し、72時間後の一般生菌数を実施例1と
同様の方法で調べた。結果を表1に示す。
を室温で静置し、72時間後の一般生菌数を実施例1と
同様の方法で調べた。結果を表1に示す。
【0036】実施例7 市販の白菜を水道水で良く洗浄後に水切りして試料とし
た。別途、内容量2500mlのポリプロピレン製保存
容器に煮沸水1500mlを入れ、さらにドライアイス
20.0gを加えて二酸化炭素ミストの水溶液を調製し
た。
た。別途、内容量2500mlのポリプロピレン製保存
容器に煮沸水1500mlを入れ、さらにドライアイス
20.0gを加えて二酸化炭素ミストの水溶液を調製し
た。
【0037】このポリプロピレン製容器内の二酸化炭素
水溶液に前記白菜300gを浸漬し、保存容器を密封し
た。
水溶液に前記白菜300gを浸漬し、保存容器を密封し
た。
【0038】二酸化炭素水溶液に浸漬しなかったほか
は、同様にして処理した白菜を保存容器に密封したもの
を対照例とした。
は、同様にして処理した白菜を保存容器に密封したもの
を対照例とした。
【0039】以上の実施例および対照例の密封保存容器
を室温で静置し、72時間後の一般生菌数を実施例1と
同様の方法で調べた。結果を表1に示す。
を室温で静置し、72時間後の一般生菌数を実施例1と
同様の方法で調べた。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1の結果から、保存雰囲気を二酸化炭素
ミストで置換することにより(実施例1〜3、5〜
6)、一般生菌の増殖が抑えられ、保存期間を延長でき
ることがわかる。
ミストで置換することにより(実施例1〜3、5〜
6)、一般生菌の増殖が抑えられ、保存期間を延長でき
ることがわかる。
【0042】また、二酸化炭素水溶液の形態で適用して
も(実施例4および7)、一般生菌の増殖を抑制でき、
保存期間を延長できることがわかる。
も(実施例4および7)、一般生菌の増殖を抑制でき、
保存期間を延長できることがわかる。
【0043】実施例8〜11 生ホタテ貝柱の保存をつぎの4つの形態で調べた。
【0044】実施例8として、内容量500mlのポリ
プロピレン製保存容器に、水道水で洗浄し、軽く水切り
した生ホタテ貝柱1個(32g)を供試試料として入
れ、二酸化炭素ガス(太陽酸素(株)製)を5分間ボン
ベから導入し、容器内部の空気を二酸化炭素ガスで置換
した後、密封した。
プロピレン製保存容器に、水道水で洗浄し、軽く水切り
した生ホタテ貝柱1個(32g)を供試試料として入
れ、二酸化炭素ガス(太陽酸素(株)製)を5分間ボン
ベから導入し、容器内部の空気を二酸化炭素ガスで置換
した後、密封した。
【0045】二酸化炭素ガスを導入しなかったほかは、
同様にして処理した試料を対照例とした。
同様にして処理した試料を対照例とした。
【0046】実施例9として、内容量500mlのポリ
プロピレン製保存容器に、水道水で洗浄し、軽く水切り
した生ホタテ貝柱1個(36g)を供試試料として入れ
て静置した。別途、内容量500mlのポリプロピレン
製の容器に水道水150mlとドライアイス25.0g
を入れ、二酸化炭素のミストを発生させた。この二酸化
炭素ミストを前記保存容器内に25分間導入し、内部の
空気を二酸化炭素ミストで置換した後、密封した。
プロピレン製保存容器に、水道水で洗浄し、軽く水切り
した生ホタテ貝柱1個(36g)を供試試料として入れ
て静置した。別途、内容量500mlのポリプロピレン
製の容器に水道水150mlとドライアイス25.0g
を入れ、二酸化炭素のミストを発生させた。この二酸化
炭素ミストを前記保存容器内に25分間導入し、内部の
空気を二酸化炭素ミストで置換した後、密封した。
【0047】実施例10として、予めエチルアルコール
の60%水溶液中に生ホタテ貝柱1個(33g)を1分
間浸漬した。これを水洗後に3%食塩水でさらに洗浄し
たものをポリプロピレン製保存容器に入れ、ついで二酸
化炭素ガス(太陽酸素(株)製)を5分間ボンベから導
入し、容器内部の空気を二酸化炭素ガスで置換した後、
密封した。
の60%水溶液中に生ホタテ貝柱1個(33g)を1分
間浸漬した。これを水洗後に3%食塩水でさらに洗浄し
たものをポリプロピレン製保存容器に入れ、ついで二酸
化炭素ガス(太陽酸素(株)製)を5分間ボンベから導
入し、容器内部の空気を二酸化炭素ガスで置換した後、
密封した。
【0048】実施例11として、4.5gの食塩を含む
エチルアルコールの2%水溶液150mlが入った内容
量200mlのポリプロピレン製保存容器中に生ホタテ
貝柱1個(34g)を入れ、ついで二酸化炭素ガス(太
陽酸素(株)製)を5分間ボンベから通気して二酸化炭
素ガスを溶解させ、さらに保存容器内の空気を二酸化炭
素ガスで置換した後、密封した。
エチルアルコールの2%水溶液150mlが入った内容
量200mlのポリプロピレン製保存容器中に生ホタテ
貝柱1個(34g)を入れ、ついで二酸化炭素ガス(太
陽酸素(株)製)を5分間ボンベから通気して二酸化炭
素ガスを溶解させ、さらに保存容器内の空気を二酸化炭
素ガスで置換した後、密封した。
【0049】以上の実施例8〜11および対照例の保存
容器を室温で静置し、72時間後の一般生菌数を実施例
1と同様の方法で調べた。結果を表2に示す。
容器を室温で静置し、72時間後の一般生菌数を実施例
1と同様の方法で調べた。結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】表2の結果から、二酸化炭素ガスあるいは
ミスト共存させると一般生菌の増殖が抑えられ、さらに
予めエチルアルコールで処理した後に二酸化炭素を共存
させるか、またはエチルアルコールと二酸化炭素と共存
させると一般生菌の増殖を大幅に抑制できることがわか
る。
ミスト共存させると一般生菌の増殖が抑えられ、さらに
予めエチルアルコールで処理した後に二酸化炭素を共存
させるか、またはエチルアルコールと二酸化炭素と共存
させると一般生菌の増殖を大幅に抑制できることがわか
る。
【0052】実施例12〜13 市販の包装米飯を2分間電子レンジで加熱後、90gを
取り分け、0.3gの食塩を加えて、約8cm、厚さ約
2.5cmの三角形のおにぎりを造った。その表面に
1.3gの市販の焼き海苔を貼りつけ(全体の約1/
2)、米飯と焼き海苔がよく接着するように強く握って
直巻きおにぎりを3個作製した。別途、ナイロン基材に
シリカを蒸着したシートで縦28cm、横22cm、内
容量約2.8リットルの保存袋を作製した。
取り分け、0.3gの食塩を加えて、約8cm、厚さ約
2.5cmの三角形のおにぎりを造った。その表面に
1.3gの市販の焼き海苔を貼りつけ(全体の約1/
2)、米飯と焼き海苔がよく接着するように強く握って
直巻きおにぎりを3個作製した。別途、ナイロン基材に
シリカを蒸着したシートで縦28cm、横22cm、内
容量約2.8リットルの保存袋を作製した。
【0053】実施例12として、作製した保存袋に上記
のおにぎり1個を入れ、二酸化炭素ガスをボンベ(太陽
酸素(株))から導入し、袋内部の空気を二酸化炭素で
置換した後、密封した。
のおにぎり1個を入れ、二酸化炭素ガスをボンベ(太陽
酸素(株))から導入し、袋内部の空気を二酸化炭素で
置換した後、密封した。
【0054】実施例13として、内容量500mlのポ
リプロピレン製容器内の150mlの60%エチルアル
コール水溶液中に二酸化炭素ガスをボンベ(太陽酸素
(株))からバブリングして発生させた、エチルアルコ
ール含有二酸化炭素ミストを、上記おにぎり1個が入っ
た保存袋に導入し、袋内部の空気を二酸化炭素で置換し
た後、密封した。
リプロピレン製容器内の150mlの60%エチルアル
コール水溶液中に二酸化炭素ガスをボンベ(太陽酸素
(株))からバブリングして発生させた、エチルアルコ
ール含有二酸化炭素ミストを、上記おにぎり1個が入っ
た保存袋に導入し、袋内部の空気を二酸化炭素で置換し
た後、密封した。
【0055】二酸化炭素ガスの代わりに空気を導入した
ほかは、同様にしておにぎりを保存袋内に密封したもの
を対照例とした。
ほかは、同様にしておにぎりを保存袋内に密封したもの
を対照例とした。
【0056】以上の実施例12〜13および対照例の保
存容器を室温で静置し、96時間後の一般生菌数を実施
例1と同様の方法で調べた。結果を表3に示す。
存容器を室温で静置し、96時間後の一般生菌数を実施
例1と同様の方法で調べた。結果を表3に示す。
【0057】
【表3】
【0058】表3の結果から、二酸化炭素ガスを使用す
ると一般生菌の増殖が抑えられ、さらにエチルアルコー
ルを含有した二酸化炭素ミストを使用すると一般生菌の
増殖をさらに抑制できることがわかる。
ると一般生菌の増殖が抑えられ、さらにエチルアルコー
ルを含有した二酸化炭素ミストを使用すると一般生菌の
増殖をさらに抑制できることがわかる。
【0059】
【発明の効果】本発明の食品の抗菌保存法によれば、安
価でヒトに安全な二酸化炭素を単独あるいはエチルアル
コールと共に使用することにより、保存期間が大幅に延
長できるので、食品産業に大きく貢献することができ
る。
価でヒトに安全な二酸化炭素を単独あるいはエチルアル
コールと共に使用することにより、保存期間が大幅に延
長できるので、食品産業に大きく貢献することができ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23B 7/148 A23B 4/14 A (72)発明者 杉山 公宣 神奈川県横浜市旭区若葉台2丁目20番808 号 (72)発明者 柴田 保文 神奈川県横浜市泉区和泉町4747 (72)発明者 小山 豊子 神奈川県横浜市泉区和泉町4747 Fターム(参考) 4B021 MC01 MK01 MK02 MK13 MK18 MP06 MQ04 4B069 HA09 KB04 KC02 KC23
Claims (3)
- 【請求項1】 二酸化炭素の存在下で行なうことを特徴
とする食品の抗菌保存法。 - 【請求項2】 二酸化炭素とエチルアルコールの共存下
で行なうことを特徴とする食品の抗菌保存法。 - 【請求項3】 エチルアルコールで処理した後に二酸化
炭素の存在下で行なうことを特徴とする食品の抗菌保存
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000049651A JP2001231522A (ja) | 2000-02-25 | 2000-02-25 | 食品の抗菌保存法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000049651A JP2001231522A (ja) | 2000-02-25 | 2000-02-25 | 食品の抗菌保存法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001231522A true JP2001231522A (ja) | 2001-08-28 |
Family
ID=18571556
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000049651A Pending JP2001231522A (ja) | 2000-02-25 | 2000-02-25 | 食品の抗菌保存法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001231522A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007029073A2 (en) * | 2005-09-09 | 2007-03-15 | L'air Liquide, Societe Anonyme Pour L'etude Et L'exploitation Des Procedes Georges Claude | Method of sanitation using carbon dioxide based process |
JP2008173066A (ja) * | 2007-01-19 | 2008-07-31 | Momoya Co Ltd | 豆腐加工食品原料および豆腐加工食品の製造 |
KR101128927B1 (ko) | 2009-07-17 | 2012-03-27 | 영농조합법인 가람솔 | 탈산소처리 및 저온살균법을 이용한 신규한 사과주스의 제조방법 |
CN111011721A (zh) * | 2019-11-26 | 2020-04-17 | 上海西贝周昕餐饮管理有限公司 | 一种莜面的制作方法 |
-
2000
- 2000-02-25 JP JP2000049651A patent/JP2001231522A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007029073A2 (en) * | 2005-09-09 | 2007-03-15 | L'air Liquide, Societe Anonyme Pour L'etude Et L'exploitation Des Procedes Georges Claude | Method of sanitation using carbon dioxide based process |
WO2007029073A3 (en) * | 2005-09-09 | 2007-05-18 | Air Liquide | Method of sanitation using carbon dioxide based process |
JP2008173066A (ja) * | 2007-01-19 | 2008-07-31 | Momoya Co Ltd | 豆腐加工食品原料および豆腐加工食品の製造 |
KR101128927B1 (ko) | 2009-07-17 | 2012-03-27 | 영농조합법인 가람솔 | 탈산소처리 및 저온살균법을 이용한 신규한 사과주스의 제조방법 |
CN111011721A (zh) * | 2019-11-26 | 2020-04-17 | 上海西贝周昕餐饮管理有限公司 | 一种莜面的制作方法 |
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