JP2001231049A - 動画像復号化装置および動画像復号化方法 - Google Patents

動画像復号化装置および動画像復号化方法

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JP2001231049A
JP2001231049A JP2001002847A JP2001002847A JP2001231049A JP 2001231049 A JP2001231049 A JP 2001231049A JP 2001002847 A JP2001002847 A JP 2001002847A JP 2001002847 A JP2001002847 A JP 2001002847A JP 2001231049 A JP2001231049 A JP 2001231049A
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circuit
motion compensation
compensation prediction
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Takashi Ida
孝 井田
Toshiaki Watanabe
敏明 渡邊
Noboru Yamaguchi
昇 山口
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Toshiba Corp
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  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】背景とオブジェクトを分離して符号化する任意
形状画像の符号化の場合に解像度と画質を可変とする符
号化方式における復号化装置を得る。 【解決手段】変換係数領域での動き補償予測が用られる
変換符号化により符号化された画像を復号化するための
復号化装置であって、符号化された入力画像とこの入力
画像中の1つ以上のオブジェクトを識別するためのアル
ファマップ信号と動き補償予測のための動きベクトル情
報とを用い、前記アルファマップ信号にしたがって前記
符号化入力画像の任意形状画像を逆変換することによ
り、任意形状画像を再生するようにし、その任意形状画
像の動ベクトル情報より当該任意形状画像の動き補償予
測を行うようにした動画像復号化装置において、画像を
背景および各オブジェクト別に動き補償予測するため
に、これら背景および各オブジェクト別に、各々対応す
るフレームメモリ621〜623を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像信号を高能率
に符号化し伝送・蓄積する、画像符号化・復号化装置、
特に、多階層に解像度や画質を可変可能なスケーラブル
符号化の可能なスケーラビリティ機能を有する動画像復
号化装置および復号化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】画像信号は膨大な情報量を持つため、伝
送や蓄積に供する場合には圧縮符号化するのが一般的で
ある。画像信号を高能率に符号化するには、フレーム単
位の画像を、所要画素数単位でブロック分けし、その各
ブロック毎に直交変換して画像の持つ空間周波数を各周
波数成分に分離し、変換係数として取得してこれを符号
化する。
【0003】ところで、画像符号化の機能として、ビッ
トストリームを部分的に復号することで、画質(SN
R; Signal to Noise Ratio)、空間解像度、時間解像
度を段階的に可変とすることを可能にするスケーラビリ
ティの機能が要求されている。
【0004】ISO/IECにおいて標準化されたメデ
ィア統合系動画像符号化標準であるMPEG2のビデオ
パート(IS13818‐2)にも、スケーラビリティ
の機能が取り入れられている。
【0005】このスケーラビリティは、図16、図17
に示されるような階層的な符号化法により実現される。
図16は、SNRスケーラビリティの場合でのエンコー
ダ(符号化装置)の構成例とデコーダ(復号化装置)の
構成例を、また、図17は、空間スケーラビリティの場
合でのエンコーダの構成例とデコーダの構成例をそれぞ
れ示したものである。
【0006】図16、図17において、Dは遅延手段で
あって、ベースレイヤ(下位階層)からの予測値が得ら
れるまでの遅延を与えるためのものであり、DCTは離
散コサイン変換(直交変換)を行う手段、Qは量子化を
行う量子化器、IQは逆量子化を行う逆量子化器、ID
CTは逆DCTを行う手段、FMはフレームメモリ、M
Cは動き補償予測を行う手段、VLCは可変長符号化を
行う手段、VLDは可変長復号化を行う手段、DSはダ
ウンサンプリングする手段、USはアップサンプリング
を行う手段、wは重み付けパラメータ(0,0.5,
1)をそれぞれ示している。
【0007】図16の(a)は符号化のためのエンコー
ダを、そして、図16の(b)はデコーダの構成例を示
している。エンコーダにおいては、画質の低いレイヤで
あるベースレイヤ(下位階層)と、画質の高いレイヤで
あるエンハンスメントレイヤ(上位階層)に別れてい
る。
【0008】そして、ベースレイヤではMPEG1ある
いはMPEG2で符号化され、エンハンスメントレイヤ
では、ベースレイヤで符号化されたデータを再現し、元
のデ−タからこの再現されたものを引き、その結果得ら
れる誤差分だけをベースレイヤの量子化ステップ・サイ
ズよりも小さな量子化ステップ・サイズで量子化して符
号化する。すなわち、より細かく量子化して符号化す
る。そして、ベースレイヤ情報にエンハンスメントレイ
ヤの情報を加えることで、精細さを向上させることがで
き、高画質の画像の伝送・蓄積が可能になる。
【0009】このように画像をベースレイヤとエンハン
スメントレイヤに分け、ベースレイヤで符号化されたデ
ータを再現し、元のデ−タからこの再現されたものを引
き、その結果得られる誤差分だけをベースレイヤの量子
化ステップ・サイズよりも小さな量子化ステップ・サイ
ズで量子化して符号化することで、高精細な画像の符号
化/復号化できるようにする技術をSNRスケーラビリ
ティという。
【0010】図16の(a)のエンコーダでは、入力画
像をベースレイヤとエンハンスメントレイヤにそれぞれ
入力し、ベースレイヤではこれを前フレームの画像から
得た動き補償予測値との誤差分を得る処理をした後に直
交変換(DCT)し、その変換係数を量子化して可変長
復号化し、ベースレイヤ出力とする。また、量子化出力
は、逆量子化した後、逆DCTし、これに前フレームの
動き補償予測値を加えてフレーム画像を得、このフレー
ム画像から動き補償予測を行い、前フレームの動き補償
予測値とする。
【0011】一方、エンハンスメントレイヤでは入力画
像を、ベースレイヤからの予測値が得られるまでの遅延
を与えたのちに、前フレームの画像から得たエンハンス
メントレイヤでの動き補償予測値との誤差分を得る処理
をし、その後に直交変換し(DCT)、その変換係数に
ベースレイヤの逆量子化出力分の補正を加えてからこれ
を量子化して可変長復号化し、エンハンスメントレイヤ
出力とする。また、量子化出力は、逆量子化した後、ベ
ースレイヤにて得た前フレームの動き補償予測値を加え
て逆DCTし、これにエンハンスメントレイヤで得た前
フレームの動き補償予測値を加えてフレーム画像を得、
このフレーム画像から動き補償予測を行い、エンハンス
メントレイヤでの前フレームの動き補償予測値とする。
【0012】これにより、SNRスケーラビリティを使
用した動画像の符号化を行うことができる。
【0013】図16のSNRスケーラビリティは、図で
は2階層で表現しているが、更に階層数を増やすこと
で、様々なSNRの再生画像が得られる。
【0014】図16の(b)に示すデコーダでは、それ
ぞれ別個に与えられるエンハンスメントレイヤとベース
レイヤの可変長復号化データを、それぞれ別個に可変長
復号化し、逆量子化してから両者を加え、これを逆DC
Tした後、前フレームの動き補償予測値を加えて画像信
号を復元すると共に、復元した画像信号から得た1フレ
ーム前の画像から動き補償予測を行い、前フレームの動
き補償予測値とする。
【0015】以上が、SNRスケーラビリティを採用し
た符号化と復号化の例である。
【0016】一方、空間スケーラビリティは、空間解像
度からみたものであり、空間解像度の低いベースレイヤ
と空間解像度の高いエンハンスレイヤに分けて符号化す
る。ベースレイヤは通常のMPEG2の符号化方法を使
用して符号化し、エンハンスレイヤではベースレイヤの
画像をアップサンプリング(低解像度画像の画素間に平
均値等の画素を付加し、高解像度画像を作成すること)
してエンハンスレイヤと同じサイズの画像を作成し、エ
ンハンスレイヤの画像からの動き補償予測と、このアッ
プサンプリングされた画像からの動き補償予測とから適
応的に予測をすることで、効率の良い符号化をすること
ができるようにするものであり、エンコーダの構成例は
図17の(a)の如きであり、デコーダの構成例は図1
7の(b)の如きで実現できるものである。
【0017】図17の空間スケーラビリティは、例え
ば、MPEG2のビットストリームの一部を取り出すと
MPEG1でデコードすることができるという後方互換
性を実現するために存在しており、様々な解像度の画像
を再生することができるようにする機能ではない(参考
文献:”特集 MPEG”テレビ誌,Vol.49,No.4,pp.4
58-463,1995 )。
【0018】すなわち、MPEG2における動画像の符
号化技術においては、高画質の画像の高能率符号化と高
画質再生を目指しており、符号化した画像に忠実な画像
が再現できるようにしている。
【0019】しかしながら、マルチメディアの普及に伴
い、再生側のシステムでは、高能率符号化された高画質
画像のデータをフルデコードすることができる再生装置
の要求の他、携帯用のシステムなどのように、画質はと
もかくとして画面が再生できれば良いような用途や、シ
ステム価格を抑制するために、簡易型とするシステムの
要求などがある。
【0020】このような要求に応えるためには、例え
ば、画像を8×8画素のマトリックスにブロック分け
し、各ブロック単位でDCTを行った場合に、8×8の
変換係数が得られるわけであるから、本来ならば第1低
周波項から第8低周波項までの分を復号化しなければな
らないところを、第1低周波項から第4低周波項までの
分を復号化したり、第1低周波項から第6低周波項まで
の分を復号化したりといった具合に、再生は8×8では
なく、4×4とか、6×6の情報で復元するといったよ
うに簡素化することで対応できることになる。
【0021】しかし、本来、8×8であるものを4×4
とか、6×6の情報で復元すると、動き補償予測値都の
ミスマッチが生じ、誤差が累積するため、画像が著しく
劣化する。このような符号化側と復号化側とのミスマッ
チを如何に克服するかが大きな課題となる。
【0022】なお、標準化はされてはいないが、符号化
側と復号化側との空間解像度の違いに対処すべく、空間
解像度を変換する方法として直交変換(例えばDCT
(離散コサイン変換))係数の一部を、元の次数よりも
小さな次数で逆変換することにより、空間解像度を可変
にする方法もある。
【0023】しかし、解像度変換された画像で動き補償
予測を行う際に、動き補償予測に起因したドリフトと呼
ばれる画質劣化が再生画像に発生してしまう(参考文
献:岩橋他、“スケーラブル・デコーダにおけるドリフ
ト低減のための動き補償”、信学技報IE94−97,
1994)。
【0024】従って、符号化側と復号化側とのミスマッ
チ克服のための技術としては問題がある。
【0025】一方、図17の空間スケーラビリティは、
例えば、MPEG2のビットストリームの一部を取り出
すとMPEG1でデコードすることができるという後方
互換性を実現するために存在しており、様々な解像度の
画像を再生する機能ではない(参考文献:”特集 MP
EG”テレビ誌,Vol.49,No.4,pp.458-463,1995 )。こ
のように、スケーラビリティ機能を実現するために階層
的な符号化が行なわれるため、情報が分割されて符号化
され、符号化効率の低下が発生する。
【0026】また、J.Y.A.Wang et.al."Applying Mid-l
evel Vision Techniques for VideoData Compression a
nd Manipulation",M.I.T.MediaLab.Tech.Report No.26
3,Feb.1994,において、ミッドレベル符号化と呼ばれる
範疇に属する画像符号化法が提案されている。
【0027】この方式では、図18のように背景と被写
体(以後、オブジェクトと呼ぶ)を分けて符号化してい
る。このように、背景(c)やオブジェクト(b)を別
々に符号化するために、オブジェクトの形状や画面内の
位置を表すアルファマップ信号(図18(d)白画素が
オブジェクトの画素を示す)が必要となる。なお、背景
のアルファマップ信号(e)は、オブジェクトのアルフ
ァマップ信号から一意に求められる。
【0028】このような符号化法では、任意形状の画像
を符号化する必要がある。任意形状画像の符号化法とし
ては、先に出願した特願平7‐97073号に記載の任
意形状画像信号の直交変換法がある。図19は、任意形
状画像を正方ブロックで等分割した際に、形状の境界部
を含むエッジブロックに対する変換手段を図示したもの
である。
【0029】図19に示すように、入力されたエッジブ
ロック信号の中で、まず、斜線で示されるコンテントの
内部に含まれる画素の値を分離回路(SEP)で分離
し、その平均値aを平均値計算回路(AVE)にて求め
る。
【0030】次に、セレクタ(SEL)において、アル
ファマップ(alpha-map )が斜線部の画素を示す場合に
は、ブロックメモリ(MEM)に蓄積された斜線部の画
素値を、その他の画素を示す場合には、平均値aを出力
する。このように処理されたブロックの信号を2次元D
CTすることで、斜線部の画素に対する変換係数を求め
る。
【0031】一方、逆変換は、この変換係数を逆DCT
して得られるブロック内の画素値の中から、斜線部の画
素値を分離することで実現される。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】このように、動画像の
符号化において、多階層に分割することが可能なスケー
ラブル符号化法では、符号化効率が大幅に低下するおそ
れがあった。また、背景とオブジェクトを分離して符号
化する任意形状画像の符号化装置においても解像度と画
質を可変とすることが可能なスケーラブル符号化が必要
となる。また、任意形状画像の動き補償予測符号化の効
率を改善する必要がある。
【0033】また、ミッドレベル符号化法においては、
図19に示したように、単純に、オブジェクトの内部の
平均値を背景部に均一に配置する方法は、少ない演算で
実現できるというメリットがある。しかし、反面、オブ
ジェクトと背景の境界に画素値の段差が生じることがあ
り、その場合に、DCTを施すと、高周波数成分が多く
発生するため、符号量が少なくならないという不具合が
ある。
【0034】そこで、この発明の目的とするところは、
動画像の復号化において、多階層に分割することが可能
なスケーラブル符号化法での符号化効率の向上を図るこ
とができるようにした動画像符号化方式とそれに対応す
る動画像復号化装置および動画像復号化方法を提供する
ことにある。
【0035】そして、更には、背景とオブジェクトを分
離して符号化する任意形状画像の符号化の場合に解像度
と画質を可変とすることを可能に、しかも、符号化効率
の良いスケーラブル符号化を可能にする動画像符号化方
式とそれに対応する動画像復号化装置および符号化方法
を提供することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、変換係数領域での動き補償予測が用られる
変換符号化により符号化された画像を復号化するための
復号化装置であって、符号化された入力画像とこの入力
画像における画像の背景とオブジェクトを識別するため
のアルファマップの情報と動き補償予測のための動きベ
クトル情報とを用い、前記アルファマップの情報にした
がって前記符号化入力画像の任意形状画像を逆変換する
ことにより、任意形状画像を再生するようにし、その任
意形状画像の動ベクトル情報より当該任意形状画像の動
き補償予測を行うようにした動画像復号化装置におい
て、背景および各オブジェクトに対して、各々に対応す
るフレームメモリを設けると共に、動き補償予測の際に
は、アルファマップの情報にしたがってオブジェクトと
背景別に画像を蓄積したフレームメモリに蓄積された画
像より、それぞれの動き補償予測を実施する動き補償予
測手段とを備え、動き補償予測は背景および各オブジェ
クト独立に行う構成とすることを特徴とする。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明では、N×N個の変換係数
毎に変換係数の領域で、動き補償を行う際に、既に復号
済みの下位階層(ベースレイヤ)の量子化値に基づいて
上位階層(エンハンスメントレイヤ)の符号化を行うよ
うにし、これにより、符号化効率の低下の少ない符号化
を可能にする符号化方式を実現するようにする。
【0038】また、本発明では上記符号化装置におい
て、任意形状の画像領域を示すアルファマップ信号にし
たがって、その任意形状の画像領域に対して直交変換を
施すことができるようにしたことにより、任意形状画像
について、画質を可変とした再生画像が得られるように
する。
【0039】また、本発明では背景と1つ以上のオブジ
ェクトに対して、各々フレームメモリを用意し、背景あ
るいは各オブジェクト毎に動き補償予測を行うようにす
ることで、オブジェクトの重なりにより隠ぺいされる部
分の予測効率を改善することができるようにする。
【0040】また、オブジェクト境界部での動きベクト
ル検出の範囲を小さくすることで、動き補償予測符号化
の効率を向上させることを可能にする。
【0041】以下、図面を参照して本発明の具体例を説
明する。
【0042】本発明は、図15の画像伝送システムにお
ける送受信装置(図15のA,B)内の、画像符号化・
復号化装置に関するものである。
【0043】(第1の具体例)図1、図2および図3、
図4を用いて、本発明の第1の具体例を説明する。本具
体例は、全体でM階層のSNRスケーラビリティを実現
する符号化装置および復号化装置であり、第m階層での
動き補償予測信号を、第m−1階層の動き補償予測信号
と第m階層の動き補償予測信号とを変換係数毎に適応的
に切り換えることで、第m階層の符号化効率を向上させ
るものである。図面では、ベースレイヤが第m−1階層
に対応し、エンハンスメントレイヤが第m階層に対応し
ている。
【0044】《符号化装置の構成》初めに符号化装置か
ら説明する。図1は、本発明の符号化装置のブロック図
である。
【0045】図において、100はDCT回路、110
および111は差分回路、120は差分回路、130は
量子化回路、140は可変長符号化回路、150は多重
化回路、160は出力バッファである。
【0046】また、170は逆量子化回路、180およ
び190は加算回路、200は動き補償予測装置、30
0はセレクタ、400は符号化制御回路である。
【0047】また、201は動き補償予測装置、131
は量子化回路、141は可変長符号化回路、171は逆
量子化回路、200はエンハンスメントレイヤの動き補
償予測装置、410は符号化制御回路、500は動きベ
クトル検出回路、151は多重化回路、161は出力バ
ッファ、191は加算回路である。
【0048】前記DCT回路100は、入力された画像
信号10を直交変換(DCT)して周波数成分別の変換
係数を得るものであり、差分回路110はこのDCT回
路100からの変換係数とセレクタ300を介して選択
的に与えられるエンハンスレイヤの動き補償予測装置2
00の出力(EMC)またはベースレイヤの動き補償予測
装置201の出力(BMC)との差を求めるものであり、
差分回路120はこの差分回路110の出力と、逆量子
化回路171の出力との差を求めるものである。
【0049】また、量子化回路130はこの差分回路1
20の出力を、符号化制御回路400から与えられる量
子化スケールに従って量子化するものであり、可変長符
号化回路140はこの量子化回路130の量子化出力と
符号化制御回路400から与えられる量子化スケールな
どのサイド情報を、可変長符号化する回路である。
【0050】また、多重化回路150はこの可変長符号
化回路140から与えられる量子化出力の可変長符号と
サイド情報の可変長符号とを多重化する回路であり、出
力バッファ160はこの多重化回路150で多重化され
たデータストリームを一時保持して出力するものであ
る。
【0051】符号化制御回路400はバッファ160か
ら与えられるバッファ空き情報に基づいて、最適な量子
化スケールQ_scaleの情報を出力すると共に、この量子
化スケールQ_scaleの情報はサイドインフォメーション
として可変長符号化回路140にも与えて量子化回路1
30による量子化の実施と可変長符号化回路140によ
る可変長符号化処理の実施制御をするものである。
【0052】逆量子化回路170は量子化回路130か
らの量子化出力を受けてこれを逆量子化して出力するも
のであり、加算回路180はこの逆量子化回路170の
出力と逆量子化回路171からの出力とを加算する回路
であり、加算回路190は加算回路180の出力とセレ
クタ300により選択されて出力される補償予測値を加
算する回路である。
【0053】動き補償予測装置200は、加算回路18
0の出力と動きベクトル検出回路500にて検出された
動きベクトルとから、エンハンスメントレイヤでの動き
補償予測値を求める回路であり、セレクタ300はこの
動き補償予測装置200の求めた動き補償予測値と、動
き補償予測装置201の求めた動き補償予測値とを受
け、2値化回路310の出力対応にこれら両動き補償予
測値の一方を選択して出力するものである。
【0054】以上の構成のうち、差分回路110、差分
回路120、量子化回路130、可変長符号化回路14
0、多重化回路150、出力バッファ160、逆量子化
回路170、加算回路180、加算回路190、動き補
償予測装置200、セレクタ300、符号化制御回路4
00によりエンハンスメントレイヤが構成される。
【0055】前記動きベクトル検出回路500は、前記
DCT回路100に入力される画像信号10と同じ画像
信号を入力として受け、この画像信号より動きベクトル
を検出する回路であり、動き補償予測装置201は動き
ベクトル検出回路500より供給される動きベクトルと
加算回路191からの加算出力とを元に、動き補償予測
を行ってDCT係数に変換された動き補償予測値(BM
C)を得る装置である。
【0056】差分回路111は前記DCT回路100か
ら出力される変換係数と動き補償予測装置201から出
力される動き補償予測値(BMC)との差を求める回路で
あり、量子化回路131はこの差分回路111の出力
を、符号化制御回路410の指示する量子化スケールで
量子化する回路である。
【0057】そして、2値化回路310は、この量子化
回路131の出力する量子化値が“0”であるか否かを
判定して、“0”ならば“0”を、“0”でなければ
“1”を出力する回路であり、逆量子化回路171は符
号化制御回路410の指示する量子化スケールで逆量子
化する回路であり、加算回路191はこの逆量子化回路
171の出力と動き補償予測装置201の出力とを加算
して動き補償予測装置201に与える回路である。
【0058】また、可変長符号化回路141は量子化回
路131の量子化出力と符号化制御回路401から与え
られる量子化スケールなどのサイド情報を、可変長符号
化する回路であり、多重化回路151はこの可変長符号
化回路141から与えられる量子化出力の可変長符号と
サイド情報の可変長符号とを多重化する回路であり、出
力バッファ161はこの多重化回路151で多重化され
たデータストリームを一時保持して出力するものであ
る。
【0059】符号化制御回路410はバッファ161か
ら与えられるバッファ空き情報に基づいて、最適な量子
化スケールQ_scaleの情報を出力すると共に、この量子
化スケールQ_scaleの情報はサイドインフォメーション
として可変長符号化回路141にも与えて量子化回路1
31による量子化の実施と可変長符号化回路141によ
る可変長符号化処理の実施を制御するものである。
【0060】なお、これら差分回路111、量子化回路
131、可変長符号化回路141、多重化回路151、
出力バッファ161、逆量子化回路171、加算回路1
91、動き補償予測装置201、2値化回路310、符
号化制御回路410、動きベクトル検出回路500によ
り、ベースレイヤが構成される。
【0061】このような構成の本装置はつぎのように動
作する。
【0062】入力される画像信号10はDCT回路10
0と動きベクトル検出回路500とに供給される。動き
ベクトル検出回路500ではこの画像信号10より動き
ベクトルを検出して動き補償予測装置200,201お
よび可変長符号化回路141に与える。
【0063】一方、DCT回路100に入力された画像
信号10は、このDCT回路100において、N×N画
素のサイズのブロックに分割されて、N×N画素毎に直
交変換処理されることにより、それぞれのブロックにつ
いて、N×N個の変換係数が求められる。この変換係数
は画像の空間周波数成分を直流成分から各交流成分まで
の各成分別に分離したN×N個の変換係数である。
【0064】DCT回路100により得られたこのN×
N個の変換係数は、エンハンスメントレイヤの差分回路
110およびベースレイヤの差分回路111に供給され
る。
【0065】ベースレイヤでは、この変換係数は差分回
路111において、動き補償予測装置201より供給さ
れる、DCT係数に変換された動き補償予測値(BMC)
との差が求められることにより、予測誤差信号を得る。
そして、この予測誤差信号は量子化回路131に供給さ
れる量子化回路131では、この予測誤差信号は、符号
化制御回路410より供給される量子化スケール(Q_s
cale)で量子化された後、可変長符号化回路141およ
び逆量子化回路171に供給される。
【0066】可変長符号化回路141では、この量子化
された予測誤差信号、符号化制御回路410より供給さ
れる量子化サイズ等のサイドインフォメーション情報や
動きベクトル検出回路500より供給される動きベクト
ルの情報をそれぞれ可変長符号化する。そして、この可
変長符号化した出力は多重化回路151に与えてここで
多重化した後、出力バッファ161に供給する。出力バ
ッファ161では、この多重化された信号を符号化ビッ
トストリーム21として伝送路あるいは蓄積媒体に出力
する。また、出力バッファ161はバッファの内容量を
符号化制御回路410にフィードバックする。
【0067】符号化制御回路410はこのバッファの内
容量情報に応じて、量子化回路131の出力を制御する
と共に、量子化スケールQ_scaleを出力して量子化回路
131に与える。また、この量子化スケールQ_scaleの
情報はサイドインフォメーションとして可変長符号化回
路141にも与える。
【0068】符号化制御回路410が、前記バッファの
内容量情報に応じて、量子化回路131の出力を制御す
ることにより、出力バッファ161が溢れないように、
量子化スケールを制御しながら量子化を進めることがで
きるようになる。
【0069】そして、量子化スケールQ_scaleの情報は
サイドインフォメーションとして可変長符号化回路14
1において可変長符号化され、多重化回路151で多重
化して画像符号化装置出力とすることで、画像復号化装
置側で復号化回路する際の逆量子化に使用する量子化ス
ケールを得ることができるようにしている。
【0070】一方、逆量子化回路171に供給された予
測誤差信号の量子化値は、逆量子化された後、加算回路
191に送られ、この加算回路191において動き補償
予測値BMCと加算され、変換係数領域での再生値が求め
られた後、動き補償予測装置201に供給される。
【0071】エンハンスメントレイヤでは、エンハンス
レイヤの動き補償予測装置200の出力EMCと、ベース
レイヤの動き補償予測装置201の出力BMCとを、変換
係数毎に適応的に切り換えて出力する。すなわち、これ
はセレクタ300が、ベースレイヤでの量子化回路13
1の出力BQ の値に基づいて、エンハンスレイヤの動き
補償予測装置200の出力(EMC)と、ベースレイヤの
動き補償予測装置201の出力BMCとを後述する方法で
変換係数毎に適応的に切り換えることによって出力す
る。
【0072】一方、差分回路110において、DCT回
路100より供給される入力画像の変換係数と、セレク
タ300の出力Ep との予測誤差信号が計算され、その
結果が差分回路120に供給される。差分回路120で
は、逆量子化回路171より供給される逆量子化値BQ
の信号30と、差分回路110の出力との差分が計算さ
れて差分値出力信号EC として量子化回路130に供給
される。この差分値出力信号EC はすなわち動き補償予
測誤差信号である。
【0073】量子化回路130では、この差分値出力信
号EC を、符号化制御回路400より供給される量子化
スケールQ_scaleで量子化した後、可変長符号化回路1
40および逆量子化回路170に供給する。
【0074】そして、可変長符号化回路140では、こ
の量子化された動き補償予測誤差信号を、サイドインフ
ォメーション情報と共に可変長符号化して多重化回路1
50に送り、多重化回路150ではこれらの信号を多重
化した後、出力バッファ160に供給する。
【0075】出力バッファ160では、この多重化信号
をエンハンスメントレイヤ用の符号化ビットストリーム
20として伝送路あるいは蓄積媒体に出力すると共に、
バッファの内容量を符号化制御回路400にフィードバ
ックする。
【0076】なお、逆量子化回路170に供給された量
子化値は、ここで逆量子化された後、加算回路180に
おいて、ベースレイヤの逆量子化回路171から供給さ
れる出力30と加算されことにより、予測誤差信号が再
生される。
【0077】そして、この加算回路180で再生された
予測誤差信号は加算回路190において動き補償予測値
EMCと加算されることにより、変換係数領域での再生値
が求められる。そして、この再生値は動き補償予測装置
200に供給される。
【0078】図2は、文献(T.K.Tan et.al."A Frequen
cy Scalable Coding SchemeEmploying Pyramid and Sub
band Techniques",IEEE Trans. CAS for VideoTechnolo
gy,Vol.4,No.2,Apr. 1994)に記載されている前記セレ
クタ300に適用して最適な切り換え手段の例である。
【0079】図2において、ベースレイヤにおける量子
化回路131の出力BQ の値が“0”であるか否かを、
2値化回路310において判定する。この判定結果はセ
レクタ300に与えられる。そして、セレクタ300
は、量子化回路131の出力BQ の値が“0”であれ
ば、エンハンスメントレイヤ用動き補償予測装置200
の変換係数出力EMCを選択し、“1”であればベースレ
イヤ用動き補償予測装置201の変換係数出力BMCを選
択する。
【0080】すなわち、2値化回路310はベースレイ
ヤにおける量子化回路131の出力BQ の値が“0”で
ある場合には“0”を、“0”でなければ“1”を出力
するので、この2値化回路310の出力が“0”である
ときにEMCを、そして、“1”である時にBMCを、セレ
クタ300に選択させることにより、量子化回路131
の出力BQ が“0”である位置の変換係数には、エンハ
ンスレイヤ側の動き補償予測装置200の変換係数出力
EMCを、そして、量子化回路131の出力BQが“0”
でない位置の変換係数には、ベースレイヤ側の動き補償
予測装置201の変換係数出力BMCを当て嵌めるといっ
た処理がなされることになる。
【0081】ここで、ベースレイヤにおける量子化回路
131には差分回路111からの出力が与えられて、こ
の差分回路111の出力を量子化するように構成してあ
り、差分回路111にはDCT回路100の出力と、そ
れより1画面前の時点の画像から動き補償予測装置20
1が得た動き補償予測値とが与えられて、両者の差を得
るように構成してあるから、求めた動き補償予測値が当
っていれば、差分回路111の出力する両者の差はない
ことになるから、“0”となる筈である。
【0082】従って、ベースレイヤにおける量子化回路
131の出力BQ である量子化値の中で“0”でない係
数(図の白丸印で囲んだ部分の値)は、動き補償予測が
当たらなかった係数ということになる。
【0083】ここで、動き補償予測装置200におい
て、動きベクトル検出回路500より供給される、ベー
スレイヤと同じ動きベクトルを用いて動き補償予測を行
なうと、エンハンスメントレイヤにおいても同じ位置の
係数(白丸印で囲んだ部分の値)の動き補償予測は外れ
たと推定される。
【0084】そこで、この係数に関しては、セレクタ3
00においてBMCを選択する。
【0085】一方、その他の係数は動き補償が当たって
いると推定されるため、セレクタ300において、より
符号化歪の少ないエンハンスメントレイヤの予測値を選
択する。これにより、エンハンスメントレイヤで符号化
される信号EC は、動き補償予測が外れた場合にはベー
スレイヤの量子化誤差信号となり、動き補償予測が当た
った場合にはエンハンスメントレイヤの動き補償予測誤
差信号となり、動き補償予測の外れた係数に対する符号
化効率が改善されることになる。
【0086】なお、上記文献に開示してある技術におい
ては、ベースレイヤでは解像度の低い画像を再生するこ
とを前提としているため、DCT回路100で求められ
た変換係数の中で低域の1/4の係数を分離してベース
レイヤに供給している。このため、解像度変換に伴う誤
差により、変換係数毎に予測を切り換えるための推定の
信頼性が低下する。
【0087】一方、本具体例ではベースレイヤとエンハ
ンスメントレイヤの解像度が等しいため、推定の精度が
高くなる点が上記文献開示の技術と異なるものであり、
画像の品位と云う点で大きな差となる。
【0088】《動き補償予測装置200、201の構成
例》ここで、本発明装置に用いる動き補償予測装置20
0、201の構成例を説明しておく。
【0089】図3は、動き補償予測装置200、201
の構成例を示すブロック図である。動き補償予測装置2
00,201は、IDCT回路210、フレームメモリ
220、動き補償回路230、DCT回路240で構成
される。
【0090】IDCT回路210は、加算回路190ま
たは191の出力を逆直交変換(IDCT)して再生画
像信号に戻す回路であり、フレームメモリ220はこの
逆直交変換されて得られた再生画像信号を参照画像とし
てフレーム単位で保持するメモリであり、動き補償回路
230は、フレームメモリ220に蓄積されている画像
信号(参照画像)の中から、動きベクトルで指し示され
た位置の画像をブロック単位で切り出すものであり、D
CT回路240はこの切り出した画像を直交変換(DC
T)して出力するものである。なお、動きベクトルは、
動きベクトル検出回路500から与えられる。
【0091】このような構成において、変換係数領域で
の再生値はIDCT回路210において再生画像信号に
逆変換され、フレームメモリ220に蓄積される。動き
補償回路230では、このフレームメモリ220に蓄積
されている参照画像の中から、動きベクトルで指し示さ
れた位置の画像をブロック単位で切り出して、DCT回
路240に供給する。そして、DCT回路240では、
これをDCTすることで、DCT係数領域での動き補償
予測値として出力する。
【0092】このようにして、DCT係数領域での動き
補償予測値を求めることができる。
【0093】以上は符号化装置の説明であった。つぎに
復号化装置について説明する。
【0094】《復号化装置の構成》図4は、本発明の第
1の具体例における復号化装置のブロック図である。
【0095】図に示すように、本発明の復号化装置は、
可変長復号化回路143、分離化回路152,153、
入力バッファ162,163、逆量子化回路172,1
73、加算回路193、動き補償予測装置203、可変
長復号化回路142、入力バッファ162、加算回路1
81,192、セレクタ300、動き補償予測装置20
2、2値化回路310、逆量子化回路173とから構成
される。
【0096】これらのうち、入力バッファ162、分離
化回路152、可変長復号化回路142、逆量子化回路
172、加算回路181,192、セレクタ300、動
き補償予測装置202によりエンハンスメントレイヤを
構成しており、入力バッファ163、分離化回路15
3、可変長復号化回路143、逆量子化回路173、加
算回路193、2値化回路310、動き補償予測装置2
03によりベースレイヤを構成している。
【0097】エンハンスメントレイヤにおける入力バッ
ファ162は、符号化され多重化されたエンハンスメン
トレイヤにおけるビットストリーム22を受けてこれを
一時保持するものであり、分離化回路152はこの入力
バッファ162を介して得られるビットストリーム22
を分離化して、多重化されていた信号を元のかたちに分
離してサイドインフォメーションの情報の符号化情報と
画像の差分値出力信号EC の符号化情報に戻す回路であ
る。
【0098】可変長復号化回路142はこの分離化回路
152で分離された符号化信号を可変長復号化して元の
サイドインフォメーションの情報と画像の差分値出力信
号EC に復元するものである。また、逆量子化回路17
2はこの復元されたサイドインフォメーションの情報に
おける量子化スケールQ_scaleの情報を元に、この可変
長復号化回路142からの画像の差分値出力信号EC を
逆量子化して出力するものであり、加算回路181はこ
の逆量子化された信号と、ベースレイヤ用の逆量子化回
路173からの逆量子化出力を加算するものである。
【0099】また、加算回路192はこの加算回路18
1の出力とセレクタ300からの出力Ep を加算して出
力するものであり、動き補償予測装置202はこの加算
回路192出力とベースレイヤ用の可変長復号化回路1
43からの出力である復号化された画像の差分値出力信
号EC を受けて動き補償予測値EMCを得るものである。
この動き補償予測装置202の出力する動き補償予測値
EMCは、エンハンスメントレイヤの出力40となる他、
セレクタ300の一方の入力として利用される。
【0100】セレクタ300は、エンハンスメントレイ
ヤ用の動き補償予測装置202の出力(動き補償予測値
EMC)とベースレイヤ用の動き補償予測装置203の出
力を入力とし、2値化回路310の出力に応じてこれら
のうちの一方を選択して出力する回路である。
【0101】入力バッファ163は、符号化され多重化
されて入力されたベースレイヤ用のビットストリーム2
3を受けてこれを一時保持するものであり、分離化回路
153はこの入力バッファ163を介して得られるビッ
トストリーム23を分離化して、多重化されていた信号
を元のかたちに分離してサイドインフォメーションの情
報の符号化情報と画像の差分値出力信号EC の符号化情
報に戻す回路である。
【0102】可変長復号化回路143はこの分離化回路
153で分離された符号化信号を可変長復号化して元の
サイドインフォメーションの情報と画像の差分値出力信
号EC に復元するものである。また、逆量子化回路17
3はこの復元されたサイドインフォメーションの情報に
おける量子化スケールQ_scaleの情報を元に、この可変
長復号化回路143からの画像の差分値出力信号EC を
逆量子化して加算回路181と193に与えるものであ
り、加算回路193はこの逆量子化された信号と、ベー
スレイヤ用の動き補償予測装置203からの動き補償予
測値EMCを受けて、両者を加算するものである。
【0103】動き補償予測装置203はこの加算回路1
93の出力と1画面前の自己の出力である動き補償予測
値EMCを受けて現在の画面の動き補償予測値EMCを得る
ものである。この動き補償予測装置203の出力する動
き補償予測値EMCは、ベースレイヤの出力41となる
他、セレクタ300の他方の入力として利用される。
【0104】つぎにこのような構成の復号化装置の作用
を説明する。この装置においては、ベースレイヤのビッ
トストリーム23が、入力バッファ163に与えられ、
エンハンスメントレイヤのビットストリーム22が、入
力バッファ162に与えられる。
【0105】そして、入力されたベースレイヤのビット
ストリーム23は、入力バッファ163に蓄積された
後、分離化回路153に供給される。そして、分離化回
路153で元の信号種別対応に信号分離される。すなわ
ち、ビットストリーム23は変換係数の量子化値や動き
ベクトル、量子化スケール等のサイドインフォメーショ
ン情報の信号が多重化されており、この分離化回路15
3に与えることによって変換係数の量子化値や動きベク
トル、そして、サイドインフォメーションの情報におけ
る量子化スケールQ_scale等といった元の符号に分離す
る。
【0106】分離化回路153で分離された符号は、各
々、可変長復号化回路143に供給され、変換係数の量
子化値、動きベクトル、量子化スケールQ_scale等の信
号に復号される。そして、復号された信号のうち、動き
ベクトルは動き補償予測装置203に与えられ、また、
変換係数の量子化値と量子化スケールQ_scaleは、逆量
子化回路173に与えられ、当該逆量子化回路173に
おいて変換係数の量子化値は量子化スケールQ_scale対
応に逆量子化された後、加算回路193に供給される。
【0107】加算回路193では、この逆量子化された
変換係数と、動き補償予測装置203より供給される変
換係数領域での動き補償予測値とが加算され、変換係数
領域での再生値が求められる。
【0108】この再生値は、動き補償予測装置203に
供給される。動き補償予測装置203の構成は図3に示
す如きの構成であり、加算回路193から与えられた再
生値は動き補償予測装置203内のIDCT回路210
において逆直交変換されて再生画像信号41として出力
されると共に、動き補償予測装置203内のフレームメ
モリ220に蓄積される。
【0109】動き補償予測装置203では、動き補償回
路230がこのフレームメモリ220に蓄積されている
画像信号(参照画像)の中から、前記与えられた動きベ
クトルを元に、当該動きベクトルで指し示された位置の
画像をブロック単位で切り出す。そして、DCT回路2
40はこの切り出した画像を直交変換(DCT)して変
換係数出力BMCとして加算回路193およびセレクタ3
00に出力する。
【0110】一方、エンハンスメントレイヤにはエンハ
ンスメントレイヤ用のビットストリーム22が供給さ
れ、このビットストリーム22は、エンハンスメントレ
イヤ用の入力バッファ162に蓄積された後、分離化回
路152に供給される。
【0111】そして、分離化回路152で分離される。
すなわち、ビットストリーム22は変換係数の量子化値
や動きベクトル、量子化スケールQ_scaleの情報等の信
号が多重化されており、この分離化回路152に与える
ことによって変換係数の量子化値や動きベクトル、量子
化スケールQ_scaleの情報等の元の符号に分離する。
【0112】分離化回路152で分離された変換係数の
量子化値や動きベクトル等の符号は、各々、可変長復号
化回路142に供給され、変換係数の量子化値、動きベ
クトル等の信号に復号される。そして、復号された信号
のうち、動きベクトルは動き補償予測装置202に与え
られ、また、変換係数の量子化値は量子化スケールQ_s
caleと共に、逆量子化回路172に与えられ、ここで当
該量子化スケールQ_scale対応に前記変換係数の量子化
値は逆量子化された後、加算回路181に供給され、逆
量子化回路173から供給されるベースレイヤの逆量子
化値31と加算されてから、加算回路192に供給され
る。
【0113】加算回路193では、加算回路181の出
力とセレクタ300より供給される信号EP とが加算さ
れ、変換係数領域での再生値が求められる。この再生値
は、動き補償予測装置202に供給される。動き補償予
測装置202は図3に示す如きの構成であり、前記再生
値はこの動き補償予測装置202内のIDCT回路21
0にて逆直交変換されて再生画像信号40として出力さ
れると共に、動き補償予測装置202内のフレームメモ
リ220に蓄積される。
【0114】動き補償予測装置202では、動き補償回
路230がこのフレームメモリ220に蓄積されている
画像信号(参照画像)の中から、前記与えられた動きベ
クトルを元に、当該動きベクトルで指し示された位置の
画像をブロック単位で切り出す。そして、DCT回路2
40はこの切り出した画像を直交変換(DCT)して変
換係数出力BMCとしてセレクタ300に出力する。
【0115】一方、セレクタ300には、2値化回路3
10の判定結果が与えられて前記BMCとEMCのうちの一
方を選択する。
【0116】すなわち、2値化回路310にはベースレ
イヤにおける可変長復号化回路143の出力BQ が与え
られ、当該2値化回路310はその値が“0”であるか
否かを、判定する。この判定結果はセレクタ300に与
えられる。
【0117】そして、セレクタ300は、可変長復号化
回路143の出力BQ の値が“0”であれば、動き補償
予測装置202の変換係数出力EMCを選択し、“1”で
あれば動き補償予測装置203の変換係数出力BMCを選
択する。
【0118】すなわち、2値化回路310はベースレイ
ヤにおける可変長復号化回路143の出力BQ の値が
“0”である場合には“0”を、“0”でなければ
“1”を出力するので、この2値化回路310の出力が
“0”であるときにEMCを、そして、“1”である時に
BMCを、セレクタ300に選択させることにより、可変
長復号化回路143の出力BQ が“0”である位置の変
換係数には、エンハンスレイヤ側の動き補償予測装置2
02の変換係数出力EMCを、そして、可変長復号化回路
143の出力BQ が“0”でない位置の変換係数には、
ベースレイヤ側の動き補償予測装置203の変換係数出
力BMCを当て嵌めるといった処理がなされることにな
る。
【0119】ここで、ベースレイヤにおける可変長復号
化回路143の出力は、符号化側において求めた動き補
償予測誤差信号と動きベクトルとを含んでいる。
【0120】そして、これらの信号は動き補償予測装置
203に与えられることにより、動き補償予測装置20
3では、1画面前の画像と現在の画像との動き補償予測
誤差分を得る。
【0121】また、一方、2値化回路310には可変長
復号化回路143からの復号されたベースレイヤ用動き
補償予測値信号が与えられ、2値化回路310は、この
信号の値が“0”ならば“0”を、そして、“0”以外
であれば“1”を出力してセレクタ300に与える。
【0122】そして、セレクタ300は、2値化回路3
10の出力が“0”ならばより符号化歪の少ないエンハ
ンスメントレイヤ用動き補償予測装置203の出力EMC
を選択し、“1”であればそれよりも符号化歪みの大き
いベースレイヤ用動き補償予測装置202の変換係数出
力BMCを選択する。
【0123】結局、ここでの処理は、ベースレイヤ用の
動き補償予測で得たDCT係数の誤差が零であれば、エ
ンハンスメントレイヤ用動き補償予測装置200の変換
係数出力EMCの再生値である動き補償予測装置202の
出力を選択し、“1”であればベースレイヤ用動き補償
予測装置201の変換係数出力BMCの再生値である動き
補償予測装置203の出力を選択する。
【0124】これは符号化装置側での処理と同様の処理
となる。
【0125】従って、エンハンスメントレイヤにおける
動き補償予測の変換係数出力は、符号化側での選択同様
に、動き補償予測が外れている部分ではベースレイヤ用
のものを、当たっている部分では符号化歪みの少ないエ
ンハンスメントレイヤ用のものを使用することになり、
符号化装置側でのこのような切り替えに追従して、画像
再生を支障なく行えるようになる。
【0126】以上の第1の具体例は、動画像の画面を所
定画素数(N×N)のマトリックスに分割して直交変換
することにより、空間周波数の帯域別に分けた変換係数
を得、この得たN×N個の変換係数毎に変換係数の領域
で、上位および下位の階層別に動き補償を行う動画像の
符号化において、動き補償を行う際に、下位階層(ベー
スレイヤ)についての既に復号済みの量子化値に基づい
て動き補償予測の当り外れを判定し、動き補償予測が当
っている場合は上位階層(エンハンスメントレイヤ)用
に求めた符号化歪みの少ない動き補償予測値を用い、動
き補償予測が外れている場合は下位階層(ベースレイ
ヤ)用に求めたエンハンスメントレイヤ用より符号化歪
みの多い動き補償予測値を用いて上位階層の符号化を行
うようにしたものであり、これにより、動き補償予測の
外れた係数に対する符号化効率を改善して符号化効率の
低下の少ない符号化を可能にする符号化方式を実現する
ことができるようになる。
【0127】(第2の具体例)以上は、スケーラブル符
号化法での動画像全体の符号化を効率良く行う例であっ
たが、動画像における背景とオブジェクトを分離して符
号化する任意形状の画像の符号化に適用する例をつぎに
説明する。図5、図6および図7を用いて、本発明の第
2の具体例を説明をする。本具体例は、前記第1の具体
例の技術を、アルファマップ信号で示された任意形状の
画像に適用するものである。
【0128】図5は、第2の具体例としての本発明符号
化装置のブロック図である。
【0129】本例は、第1の具体例で説明した符号化装
置と基本構成は変わらない。従って、図1と図4に示す
構成と同一の要素については、同一符号を付してその説
明は省略する。
【0130】《第2の具体例における符号化装置の構
成》初めに符号化装置から説明する。図5は、本発明の
符号化装置のブロック図である。この構成で図1と異な
る部分は、DCT回路100に代えて任意形状直交変換
回路101を設けたこと、入力はフレームメモリ700
を介して受けるようにしたこと、符号化制御回路400
に代えて420の符号化制御回路を設けたこと、符号化
制御回路410に代えて430の符号化制御回路を設け
たこと、エンハンスメントレイヤの動き補償予測装置2
00に代えて600の動き補償予測装置を設けたこと、
動き補償予測装置201に代えて601の動き補償予測
装置を設けたこと、動きベクトル検出回路500に代え
て510の動きベクトル検出回路を設けたこと、多重化
回路151に代えて155の多重化回路を設けたこと、
の8点である。
【0131】フレームメモリ700は入力画像信号をフ
レーム単位で一時保持するメモリであり、任意形状直交
変換回路101は別途与えられるアルファマップを参照
して、このフレームメモリ700の画像のうちの注目領
域部分を取り出し、この注目領域部分を所要の画素サイ
ズのブロックに分割して、各ブロックについてDCTを
行う回路である。
【0132】また、符号化制御回路420は、アルファ
マップを参照し、出力バッファ160の出力するバッフ
ァ内容量情報対応にエンハンスメントスレイヤ用の最適
な量子化スケールを与える量子化スケールQ_scaleとサ
イドインフォメーション情報を発生するものであり、符
号化制御回路430は、アルファマップを参照し、出力
バッファ161の出力するバッファ内容量情報対応にベ
ースレイヤ用の最適な量子化スケールを与える量子化ス
ケールQ_scaleとサイドインフォメーション情報を発生
するものである。
【0133】また、動き補償予測装置600は、アルフ
ァマップを参照し、加算回路190から供給される変換
係数領域での再生値と1画面前の同再生値とから注目領
域部分の画像の動き補償予測を行うものであり、動き補
償予測装置601は、アルファマップを参照し、加算回
路191から供給される変換係数領域での再生値と1画
面前の同再生値とから注目領域部分の画像の動き補償予
測を行うものである。
【0134】また、動きベクトル検出回路510は、ア
ルファマップを参照して、フレームメモリ700の画像
のうちの注目領域部分の画像の動きベクトルを検出する
ものである。
【0135】多重化回路155は、ベースレイヤ用のも
のであり、可変長符号化回路141から受ける予測誤差
信号の可変長符号化した符号、量子化スケール情報を含
むモード情報等のサイドインフォメーション情報の可変
長符号化した符号、および、動きベクトルの可変長符号
化した符号と、別途与えられるアルファマップのコード
(alpha-code)を多重化して出力バッファ161に供給
する構成である。
【0136】このような構成の本装置は、画像信号10
を入力すると、この画像信号10は一旦、フレームメモ
リ700に蓄積され、読み出されて任意形状直交変換回
路101と動きベクトル検出回路510に与えられる。
任意形状直交変換回路101には、この画像信号10の
他に、画像の背景部分と目的部分とを区別するためのマ
ップ情報の信号であるアルファマップ信号50が入力さ
れる。
【0137】ここでアルファマップ信号は、例えば、ク
ロマキィ技術等の応用により、取得することができるも
ので、例えば人物(オブジェクト)と背景(バックグラ
ウンド)とを区別するアルファマップの場合、人物像を
クロマキィ技術でとらえて、そのとらえた画像を2値化
することにより、人物像領域が“1”、背景領域が
“0”のビットマップ形式の画像が得られるので、それ
を用いれば良い。
【0138】任意形状直交変換回路101ではこのアル
ファマップ信号を参照して、画像の注目領域がどこであ
るかを知り、その注目領域について、N×N画素構成の
正方形ブロックに画像を分割し、その分割ブロック毎に
直交変換してN×N個の変換係数にする。アルファマッ
プを利用した画像の任意形状領域の直交変換技術として
は、本件発明者らが既に技術を確立させて特許出願済み
の前述の特願平7‐97073号に開示した手法を用い
れば良い。
【0139】第2の具体例における符号化装置の処理動
作の説明の途中であるが、ここで変形例として段差を小
さくするための処理例に触れておく。
【0140】上述の第2の具体例による手法によると、
背景にはオブジェクトの平均値が配置されるのである
が、この処理に加えて、オブジェクトの画素値をその平
均値を中心にして所定のスケーリング係数で縮小する
と、オブジェクトと背景の境界の画素値の段差を小さく
することができる。その詳細を説明する。
【0141】<段差を小さくするための処理例> [オブジェクト部分に縮小処理を加える例]オブジェク
トと背景の境界の画素値の段差を小さくするために、オ
ブジェクトの画素値をその平均値を中心にして所定のス
ケーリング係数で縮小する例を図20と図21に示す。
実際の画像は2次元の信号であるが、ここでは簡単のた
め、1次元の信号とした。これらの図においては縦軸に
は画素値を、横軸には画素列をとっており、画素列eの
位置よりも左側がオブジェクトの領域、右側が背景の領
域であるものとする。図20は背景部分にオブジェクト
の画素値平均値aを配置した状態を示す。
【0142】これに対して画素値平均値aを中心に、縮
小した結果を図21に示す。これを式で表すと縮小前の
輝度値をx、縮小後の輝度値をyとした場合、縮小後の
輝度値yは、 y=c×(x−a)+a と表すことができる。ここで、cは“0”と“1”の間
の定数である。
【0143】また、この例のように、縮小は図22に示
したオブジェクト内の全ての画素x1 〜x23に対して行
う方法もあるが、オブジェクトのうち、背景部分との境
界に近い面素x1 〜x8 に対してのみ、縮小を行うよう
にしても段差は小さくなる。このようにすると、境界に
近いか否かの判定の演算が必要になるが、オブジェクト
のうちの背景との境界に接しないx9 〜x23の画素は元
のままに保たれるというメリットがある。
【0144】この例ではオブジェクト内の画素のうち、
上下左右のいずれかで背景と接しているものを境界に近
い画素と判定した。
【0145】以上が、オブジェクトと背景の境界の画素
値の段差を小さくするために、オブジェクトの画素値を
その平均値を中心にして所定のスケーリング係数で縮小
する例を説明したが、背景部分に処理を加えることによ
り、オブジェクトと背景の境界の画素値の段差を小さく
することもできる。その例を次に説明する。
【0146】<段差を小さくするための処理例> [背景部分に処理を加える例]背景部分に処理を加える
具体例を図23に示す。これは、背景の画素のうち、オ
ブジェクトの領域に近いものの面素値を、段差がを小さ
くする方向に修正するものである。具体例を図24に示
す。ここで、xn(n=1〜23)がオブジェクトの画
素値であり、an (n =1〜41)が背景の面素値であ
る。処理前においては、背景の面素値an は全て、画素
値平均値aに等しい。
【0147】まず、上下左右のいずれかでオブジェクト
の領域の画素に接している背景画素a1 〜a9 の値をそ
の接しているオブジェクトの画素xn と自身の両素値の
平均値で置き換える。例えば、背景画素a1 は“(a1
+x1 )/2”で置き換え、背景画素a3 は“(a3 +
x2 +x3 )/3”で置き換える。
【0148】次に背景画素a1 〜a9 に接するa10〜a
17の背景画素を、同様に例えばa10を“(a10+a1 )
/2”で置き換える。ここで、背景画素a1 は先に置き
換えた後の値を用いる。
【0149】以下同様に、a18〜a24の背景画素の置き
換え等を順次行っていく。これにより、オブジェクトと
背景との境界部分の画素値の段差は小さくなる。
【0150】以上のように、画素値を修正すると、ブロ
ックの平均値が変化してしまうので、それがもとのブロ
ック平均値になるように背景部分の面素値に補正を加え
てもよい。ここで補正とは、例えば背景の全ての画素に
一定の値を加減算したり、あるいは、境界から離れた背
景め画素値を境界に近い部分で修正した輝度値方向とは
反対の方向に修正するといったようなことを指す。
【0151】また、オブジェクト内の面素値を修正した
場合は、画像を復号した後に修正分を元に戻すことで入
力画像に近いものを得ることができる。例えば、平均値
を中心に縮小する前述した例では、符号化時に縮小した
画素の複号値をyd とし、修正後の画素値をxd とする
と、 xd =(yd −ad )/c+ad のように修正する。ここで、ad は復号画像のオブジェ
クトの平均値あるいは背景の平均値、あるいはブロック
全体の平均値である。符号化・復号化歪により、yd は
yと多少異なる値になる場合が多いが、このように修正
することで、xに近いxd を得ることができる。
【0152】[符号化装置の構成例]以上の例の符号化
装置のブロック図を、図25に示す。2003は切り替
え器、2004は判定器、2005は切り替え器、20
06は符号化器、2009は切り替え器、2010は縮
小器、2011は平均器、2017はDCT回路であ
る。
【0153】これらのうち、符号化器2006は外部か
ら入力されるアルファマップ信号2001を符号化する
ものであり、切り替え器2003は、アルファマップ信
号2001と画像信号2002を入力とし、アルファマ
ップ信号2001をもとに、画像信号2002をオブジ
ェクト画像2007と背景画像2008に分別すると共
に、背景画像2008を廃棄するものである。ここで廃
棄とは必ずしもどこか別のところへ送るという意味では
なく、そのまま放置するなりして、その後は用いないと
いう意味である。
【0154】また、判定器2004は、アルファマップ
信号2001をもとに、切り替え器2003を介して与
えられたオブジェクト画像2007のうち、現在処理中
の画素である注目画素が、背景に接しているか否かを判
定し、その判定結果2013を切り替え器2009に与
えるといった機能を有するものである。
【0155】平均器2011は、切り替え器2003を
介して与えられるオブジェクト画像2007から、オブ
ジェクト画像の平均値2012を計算して縮小器201
0と切り替え器2005に出力するものであり、縮小器
2010はこの平均値2012を中心にしてオブジェク
ト画像2007の振幅を縮小処理して縮小画像2014
を得ると共に、この得られた縮小画像2014を切り替
え器2009に出力するものである。
【0156】切り替え器2009は、この縮小画像20
14と切り替え器2003からのオブジェクト画像20
07を受け、判定器2004の判定結果2013を用い
て、注目画素が背景に接する部分の画素である場合には
前記縮小画像2014をオブジェクトの符号化画像20
15として選択して出力し、接しない場合は前記オブジ
ェクト画像2007をオブジェクトの符号化画像201
5として選択して出力するものである。
【0157】切り替え器2005は、アルファマップ信
号2001と切り替え器2009の出力するオブジェク
トの符号化画像2015および平均器2011の求めた
平均値2012を入力とし、前記入力されたアルファマ
ップ信号2001に基づき、現在処理している画素であ
る注目画素がオブジェクトであればオブジェクトの符号
化面像2015を選択してこれを符号化画像2016と
して出力し、背景であれば、平均値2012を選択して
これを符号化画像2016として出力するといった機能
を有する。
【0158】DCT回路2017は、切り替え器200
5の出力する符号化画像2016をDCT処理し、変換
係数2018として出力するものである。
【0159】このような構成の符号化装置においては、
外部からアルファマップ信号2001と画像信号200
2と画像信号2002とが入力される。そして、これら
のうち、アルファマップ信号2001は切り替え器20
03と判定器2004、切り替え器2005および符号
化器2006にそれぞれ送られ、また、画像信号200
2は切り替え器2003に送られる。
【0160】切り替え器2003では、入力されたアル
ファマップ信号2001をもとに、画像信号2002を
オブジェクト画像2007と背景画像2008に分別
し、背景画像2008は廃棄する。上述したように、廃
棄とは必ずしもどこか別のところへ送るという意味では
なく、そのまま放置するなりして、その後は用いないと
いう意味である。
【0161】切り替え器2003が分別したオブジェク
ト画像2007は切り替え器2009と縮小器201
0、平均器2011に送られる。そして、平均器201
1ではオブジェクト画像の平均値2012が計算され、
その平均値2012は縮小器2010と切り替え器20
05に送られる。縮小器2010では平均値2012を
中心にしてオブジェクト画像2007の振幅を縮小処理
し、この縮小処理によって得た縮小画像2014を切り
替え器2009に送る。
【0162】一方、アルファマップ信号2001を受け
た判定器2004ではオブジェクト画像のうち、現在処
理中の画素である注目画素が背景に接しているか否かを
判定し、その判定結果2013が切り替え器2009に
送られる。切り替え器2009では、判定器2004か
らの判定結果2013により、注目画素が背景に接する
場合には縮小画像2014をオブジェクトの符号化画像
2015として選択し、接しない場合はオブジェク卜画
像2007をオブジェクトの符号化画像2015として
選択して出力する。
【0163】切り替え器2009から出力されたオブジ
ェクトの符号化画像2015は切り替え器2005に送
られ、切り替え器2005ではアルファマップ信号20
01を参照して、注目画素がオブジェクトであればオブ
ジェクトの符号化面像2015を符号化画像2016と
し、背景であれば、平均値2012を符号化画像201
6として選択して出力する。
【0164】切り替え器2005から出力された符号化
画像2016はDCT回路2017に送られてここでD
CTが施されて、変換係数2018が求められ、この変
換係数2018が外部に出力される。また、アルファマ
ップ信号2001は符号化器2006で符号化され、ア
ルファマップの符号2019として外部に出力される。
【0165】なお、アルファマップは画像の符号化の前
に符号化を行い、その復号信号を切り替え器2003、
2005、判定器2004に入力する方法もある。こう
するとアルファマップの符号化・復号に歪がある場合
に、アルファマップ信号を符号化側と復号側で一致させ
ることができる。
【0166】図25の符号化装置に対応する復号化装置
の構成例を図26に示す。図中、2020は復号器、2
021は逆DCT回路、2023,2025は切り替え
器、2024は判定器、2029は切り替え器、203
0は拡大器、2031は平均器である。
【0167】これらのうち、復号器2020は、外部か
ら入力されるアルファマップの符号2019を受けてこ
れを複号すると共に、この複号して得たアルファマップ
信号2022を切り替え器2023、判定器2024、
切り替え器2025に与えるものである。また、逆DC
T回路2021は外部から入力された変換係数2018
を逆DCT処理し、画像を復号すると共に、その復号さ
れて得られた画像である復号画像2026を切り替え器
2023に与える構成である。
【0168】判定器2024は、復号器2020で複号
されたアルファマップ信号2022をもとに、オブジェ
クト画像2027のうち注目画素が背景に接しているか
否かを判定するものであり、その判定結果2034を切
り替え器2029に出力するものである。
【0169】切り替え器2023は、復号器2020で
複号されたアルファマップ信号2022をもとに、逆D
CT回路2021から与えられる復号画像2026のう
ち、オブジェクト画像2027と背景画像2028に分
別すると共に、オブジェクト画像2027は切り替え器
2029,拡大器2030および平均器2031に出力
し、背景画像2028は廃棄するものである。
【0170】平均器2031は、切り替え器2023か
ら与えられるオブジェクト画像2027の平均値203
2を計算し、その求めた平均値2032を拡大器203
0に出力するものであり、拡大器2030は、この平均
値2032を中心にしてオブジェクト画像2027の振
幅を拡大して、拡大画像2033を得ると共に、この拡
大画像2033を切り替え器2029に出力するもので
ある。
【0171】切り替え器2029は、入力されたオブジ
ェクト画像2027と拡大画像2033のうち、判定器
2024の出力する判定結果2034により、注目画素
が背景に接する場合には拡大画像2033をオブジェク
トの復号画像2035として選択して切り替え器202
5に出力し、接しない場合はオブジェクト画像2027
をオブジェクトの復号画像2035として選択して切り
替え器2025に出力するものである。
【0172】切り替え器2025は、オブジェクトの復
号画像2035と、背景としての別に入力される信号2
037とを受け、アルファマップ信号2022をもと
に、注目画素がオブジェクトであれば、これらのうち、
オブジェクトの復号画像2035を再生画像2036と
して選択して外部に出力し、背景であれば、前記信号2
037を再生画像2036として選択して外部に出力す
るものである。
【0173】このような構成の復号化装置において、外
部からアルファマップの符号2019と変換係数201
8とが入力される。そして、アルファマップの符号20
19は復号器2020に、また、変換係数2018は逆
DCT回路2021に送られる。
【0174】復号器2020ではアルファマップ信号2
022が復号され、切り替え器2023、判定器202
4、切り替え器2025に送られる。逆DCT回路20
21において画像が復号され、その復号画像2026は
切り替え器2023に送られる。
【0175】切り替え器2023では、復号器2020
で複号されたアルファマップ信号2022をもとに、復
号画像2026がオブジェクト画像2027と背景画像
2028に分別され、背景画像2028は廃棄される。
切り替え器2023により分別されたオブジェクト画像
2027は、切り替え器2029と拡大器2030、平
均器2031に送られる。
【0176】そして、平均器2031ではオブジェクト
画像2027の平均値2032が計算され、その平均値
2032は拡大器2030に送られる。
【0177】拡大器2030では平均値2032を中心
にしてオブジェクト画像2027の振幅が拡大処理さ
れ、これによって得られた拡大画像2033は切り替え
器2029に送られる。
【0178】一方、判定器2024ではオブジェクト画
像2027のうち注目画素が背景に接しているか否かを
判定し、その判定結果2034が切り替え器2029に
送られる。切り替え器2029では、判定結果2034
により、注目画素が背景に接する場合には拡大画像20
33が選択されてオブジェクトの復号画像2035とし
て出力され、接しない場合はオブジェクト画像2027
が選択されてオブジェクトの復号画像2035として出
力される。
【0179】切り替え器2029より出力されたオブジ
ェクトの復号画像2035は切り替え器2025に送ら
れ、切り替え器2025ではアルファマップ信号202
2を参照して、現在処理中の画素である注目画素がオブ
ジェクトであれば、オブジェクトの復号画像2035を
再生画像2036して外部に出力し、また、背景であれ
ば、背景用として別に入力されている信号2037が再
生画像2036として選択されて出力される。なお、こ
の背景の信号2037としては、別途符号化した背景画
像を再生したものや、予め定めた模様などが用いられ
る。以上が、段差を小さくするための処理例である。
【0180】段差を小さくするための処理例について説
明を挟んだが、再び、第2の具体例における本論に戻
る。
【0181】任意形状直交変換回路101ではアルファ
マップ信号を参照して、画像の注目領域がどこであるか
を知り、その注目領域について、N×N画素構成の正方
形ブロックに画像を分割し、その分割ブロック毎に直交
変換してN×N個の変換係数にする段までは既に説明し
た。
【0182】ここで、オブジェクトと背景の境界を含む
ブロックでは、オブジェクト用の変換係数と背景用の変
換係数とが求められる。この変換係数は、エンハンスメ
ントレイヤおよびベースレイヤの差分回路110および
111に供給される。
【0183】この変換係数を受けたベースレイヤの差分
回路111においては、動き補償予測装置601より供
給される、直交変換係数に変換された動き補償予測値
(BMC)との予測誤差信号が計算され、その結果が量子
化回路131に供給される。そして、量子化回路131
では、この予測誤差信号を、符号化制御回路430より
供給される量子化スケールQ_scaleで量子化した後、可
変長符号化回路141および逆量子化回路171に供給
する。
【0184】可変長符号化回路141では、この量子化
された予測誤差信号は可変長符号化される。また、符号
化制御回路430から与えられる量子化スケール情報を
含むモード情報等のサイドインフォメーション情報、お
よび、動きベクトル検出回路510より供給される動き
ベクトルも可変長符号化回路141でそれぞれ可変長符
号化される。
【0185】そして、可変長符号化回路141でそれぞ
れ可変長符号化されたこれら符号は多重化回路155に
与えられ、また、符号化されてこの多重化回路155に
与えられたアルファマップコードの符号55と共に、こ
の多重化回路155にて多重化された後、出力バッファ
161に供給される。
【0186】出力バッファ161では、この多重化され
た信号を符号化ビットストリーム21として伝送路ある
いは蓄積媒体に出力すると共に、バッファの内容量を符
号化制御回路430にフィードバックする。そして、符
号化制御回路430はこのバッファの内容量対応に最適
な量子化スケールQ_scaleを発生することになる。
【0187】一方、逆量子化回路171に供給された予
測誤差信号の量子化値は、逆量子化された後、加算回路
191において動き補償予測値(BMC)と加算され、変
換係数領域での再生値が求められた後、動き補償予測装
置601に供給される。
【0188】エンハンスメントレイヤでは、セレクタ3
00がベースレイヤでの量子化回路131の出力(BQ
)の値に基づいて選択動作することにより、エンハン
スレイヤの動き補償予測装置600の出力(EMC)と、
ベースレイヤの動き補償予測装置601の出力(BMC)
とを、後述する方法で変換係数毎に適応的に切り換えて
これをEp として出力する。
【0189】すなわち、ベースレイヤでの量子化回路1
31の出力(BQ )を2値化回路310に与えることに
より、当該2値化回路310はBQ の値が“0”であれ
ば“0”を出力し、“0”以外の値であれば“1”を出
力してセレクタ300に与える。
【0190】セレクタ300は2値化回路310の出力
が“0”であればEMCを、そして、“1”である時にB
MCを選択してEp として出力することにより、量子化回
路131の出力BQ が“0”である位置の変換係数に
は、エンハンスレイヤ側の動き補償予測装置600の変
換係数出力EMCを、そして、量子化回路131の出力B
Q が“0”でない位置の変換係数には、ベースレイヤ側
の動き補償予測装置601の変換係数出力BMCを当て嵌
めるといった処理をすることになる。
【0191】ここで、ベースレイヤにおける量子化回路
131には差分回路111からの出力が与えられて、当
該出力を量子化するように構成してあり、差分回路11
1には任意形状直交変換回路101の出力と、それより
1画面前の時点の画像から動き補償予測装置601が得
た動き補償予測値とが与えられて、両者の差を得るよう
に構成してあるから、求めた動き補償予測値が当ってい
れば、差分回路111の出力する両者の差はないことに
なるから、“0”となる筈である。
【0192】従って、ベースレイヤにおける量子化回路
131の出力BQ である量子化値の中で“0”でない係
数は、動き補償予測が当たらなかった係数ということに
なる。
【0193】そして、動き補償予測装置600におい
て、動きベクトル検出回路510より供給される、ベー
スレイヤと同じ動きベクトルを用いて動き補償予測を行
なうと、エンハンスメントレイヤにおいても同じ位置の
係数の動き補償予測は外れたと推定される。
【0194】そこで、この係数に関しては、セレクタ3
00においてベースレイヤ用の動き補償予測装置601
の出力であるBMCを選択する。
【0195】一方、その他の係数は動き補償が当たって
いると推定されるため、セレクタ300において、より
符号化歪の少ないエンハンスメントレイヤの予測値を選
択する。これにより、エンハンスメントレイヤで符号化
される信号EC は、動き補償予測が外れた場合にはベー
スレイヤの量子化誤差信号となり、動き補償予測が当た
った場合にはエンハンスメントレイヤの動き補償予測誤
差信号となり、動き補償予測の外れた係数に対する符号
化効率が改善されることになる。
【0196】一方、エンハンスメントレイヤ側における
差分回路110では、任意形状直交変換回路101より
供給される入力画像の変換係数と、セレクタ300の出
力(Ep )との予測誤差信号が計算され、その結果が差
分回路121に供給される。
【0197】また、差分回路121には、逆量子化回路
171より供給されるBQ の逆量子化値30が供給さ
れ、従って差分回路121はこれと差分回路110の出
力との差分EC を計算して予測誤差信号として量子化回
路130に供給する。
【0198】そして、量子化回路130は、この信号E
C を、符号化制御回路420からバッファ内容量対応に
与えられる量子化スケールQ_scaleで量子化する。そし
て、この量子化出力を可変長符号化回路140および逆
量子化回路170に供給する。可変長符号化回路140
では、この量子化された予測誤差信号は、符号化制御回
路420から与えられるモード情報等のサイドインフォ
メーション情報と共にそれぞれ別に可変長符号化して、
多重化回路150に与える。
【0199】多重化回路150でこれら各可変長符号を
多重化した後に出力バッファ160に供給する。出力バ
ッファ160では、これを一旦保持し、符号化ビットス
トリーム20として伝送路あるいは蓄積媒体に出力する
と共に、バッファの内容量を符号化制御回路420にフ
ィードバックする。これを受けて符号化制御回路420
は内容量対応の最適な量子化スケールQ_scaleを発生
し、量子化回路130と可変長符号化回路140に与え
ることになる。
【0200】また、量子化回路130より逆量子化回路
170に供給された量子化値はここで逆量子化された
後、加算回路180においてベースレイヤの逆量子化回
路171から供給される出力30が加えられ、予測誤差
信号が再生される。
【0201】この加算回路180において再生された予
測誤差信号は加算回路190においてセレクタ300か
ら与えられる動き補償予測値(Ep )と加算され、変換
係数領域での再生値が求められた後、動き補償予測装置
600に供給される。
【0202】図6は、動き補償予測装置600,601
のブロック図である。動き補償予測装置600,601
は、任意形状逆直交変換回路610、フレームメモリ6
20、動き補償回路630、任意形状直交変換回路64
0より構成されている。任意形状逆直交変換回路610
は、入力信号である再生画像信号をアルファマップ信号
にしたがって逆直交変換する回路であり、フレームメモ
リ620はこの逆直交変換されたものをフレーム単位で
一時保持するためのメモリである。動き補償回路630
は動きベクトルの情報を受けて、フレームメモリ620
の画像における前記動きベクトルで指し示された位置の
画像をブロック単位で切り出して、任意形状直交変換回
路640に供給するものであり、任意形状直交変換回路
640はこの供給された画像に対して、アルファマップ
信号に従って直交変換することにより、任意形状の動き
補償予測値を直交変換することで、変換係数領域での動
き補償予測値を求めるものである。
【0203】このような構成において、変換係数領域で
の再生値が動き補償予測装置600,601に与えられ
ると、この再生値は当該動き補償予測装置内の任意形状
逆直交変換回路610において、別途供給されるアルフ
ァマップ信号50にしたがって再生画像信号に逆変換さ
れた後、フレームメモリ620に蓄積される。
【0204】動き補償予測装置内の動き補償回路630
では、フレームメモリ620に蓄積されている参照画像
の中から、動きベクトルで指し示された位置の画像をブ
ロック単位で切り出して、動き補償予測装置内の任意形
状直交変換回路640に供給する。当該画像のブロック
を受けた任意形状直交変換回路640では、外部から与
えられるアルファマップ信号50に従って直交変換する
ことにより、任意形状の動き補償予測値を直交変換する
ことができ、変換係数領域での動き補償予測値を求めて
出力することができる。ここで、オブジェクトと背景の
境界を含むブロックでは、オブジェクトと背景の変換係
数を各々求める。
【0205】こうして、変換係数領域での再生値から動
き補償予測装置600,601は変換係数領域での動き
補償予測値EMC,BMCを求めてこれをセレクタ300に
与えることになる。
【0206】以上は第2の具体例における符号化装置の
説明であった。つぎに第2の具体例における復号化装置
について説明する。
【0207】《第2の具体例における復号化装置の構成
例》図7は、本発明の復号化装置のブロック図である。
【0208】この構成で図4と異なる部分は、動き補償
予測装置201に代えて602の動き補償予測装置を設
けたこと、動き補償予測装置203に代えて603の動
き補償予測装置を設けたこと、分離化回路153に代え
て157の分離化回路を設けたこと、の3点である。
【0209】動き補償予測装置602,603はいずれ
もアルファマップ信号(alpha-map)を参照して動き補
償予測を行うものであり、分離化回路157は、分離化
回路153が変換係数の量子化値や動きベクトル、量子
化スケール等のサイドインフォメーション情報の各信号
に分離して143に渡す構成であったのに対して、さら
にアルファコードの符号を分離して、図示しないアルフ
ァマップ復号化装置に渡す機能を追加した点が異なる。
【0210】このような構成において、変換係数の量子
化値や動きベクトル、量子化スケール等のサイドインフ
ォメーション情報そして、アルファコードなどが符号化
され多重化されているベースレイヤ用のビットストリー
ム23がベースレイヤの入力段に入力されると、このビ
ットストリーム23は、入力バッファ167に蓄積され
た後、分離化回路157に供給される。
【0211】そして、この分離化回路157で変換係数
の量子化値、動きベクトル、サイドインフォメーション
情報、アルファマップコード等に分離される。分離され
た符号のうち、変換係数の量子化値、動きベクトル、サ
イドインフォメーション情報は、各々、可変長復号化回
路143に供給され、変換係数の量子化値、動きベクト
ル、量子化スケール等の信号に復号される。なお、アル
ファマップ信号の符号(アルファコード)56は、図示
しないアルファマップ復号化装置に供給され、アルファ
マップ信号に変換されて動き補償予測装置602,60
3に与えられることになる。
【0212】可変長復号化回路143で復号されたもの
のうち、変換係数の量子化値は、逆量子化回路173に
おいて逆量子化された後、加算回路193に供給され
る。加算回路193では、この逆量子化された変換係数
と、動き補償予測装置603より供給される変換係数領
域での動き補償予測値とが加算され、変換係数領域での
再生値が求められる。
【0213】この再生値は、動き補償予測装置603に
供給され、任意形状逆直交変換回路610にて再生画像
信号に逆変換され、出力再生画像信号41として出力さ
れると共に、フレームメモリ620に蓄積される。
【0214】一方、変換係数の量子化値や量子化スケー
ル等のサイドインフォメーション情報の信号が符号化さ
れ、多重化されたエンハンスメントレイヤのビットスト
リーム22がエンハンスメントレイヤの入力段に入力さ
れると、入力バッファ162に蓄積された後、分離化回
路152に供給される。そして、分離化回路152で変
換係数の量子化値の符号、サイドインフォメーション情
報の符号等に分離される。
【0215】分離化回路152で分離された符号は、各
々、可変長復号化回路142に供給され、符号から変換
係数の量子化値、量子化スケール等の信号に復号され
る。そして、変換係数の量子化値は、逆量子化回路17
2において逆量子化された後、加算回路181に供給さ
れ、ここでベースレイヤの逆量子化回路173から供給
される逆量子化値31と加算されて、加算回路192に
供給される。
【0216】加算回路192では、加算回路181の出
力とセレクタ300より供給される信号EP とが加算さ
れて変換係数領域での再生値が求められる。この再生値
は、動き補償予測装置602に供給され、この動き補償
予測装置602内に設けてある任意形状逆直交変換回路
610(図6参照)にて再生画像信号に逆変換されて、
出力再生画像信号40として出力されると共に、動き補
償予測装置602内に設けてあるフレームメモリ620
(図6参照)に蓄積される。
【0217】動き補償予測装置内の動き補償回路630
(図6参照)では、フレームメモリ620に蓄積されて
いる参照画像の中から、動きベクトルで指し示された位
置の画像をブロック単位で切り出して、動き補償予測装
置内の任意形状直交変換回路640に供給する。任意形
状直交変換回路640では、外部から与えられるアルフ
ァマップ信号50に従って任意形状の動き補償予測値を
直交変換することで、変換係数領域での動き補償予測値
を求めて出力する。ここで、オブジェクトと背景の境界
を含むブロックでは、オブジェクトと背景の変換係数を
各々求める。
【0218】こうして、動き補償予測装置602,60
3は、変換係数領域での再生値から変換係数領域での動
き補償予測値EMC,BMCを求めてこれをセレクタ300
に与えることになる。
【0219】次に、オブジェクト同士の重なりにより隠
ぺいされた領域の符号化復号化効率を向上させることが
できるようにした例を説明する。
【0220】《動き補償予測装置600、601、60
2、603の構成》図8を用いて、第2の具体例におけ
る動き補償予測装置600、601、602、603の
別の実施形態を説明する。この例は、従来よりオブジェ
クトの移動により隠ぺいされる背景領域の符号化効率を
改善するために用いられている背景予測方式(例えば、
宮本他:”背景予測を用いた適応予測符号化方式”PCSJ
88,7-4,pp.93〜94、渡邊他:”適応4種差分−DCT符
号化方式”PCSJ88,8-2,pp.117 〜118 )をオブジェクト
同士の重なりに対しても使用可能なように拡張したもの
である。
【0221】図8に示すように、動き補償予測装置は、
任意形状逆直交変換回路610、SW回路650、フレ
ームメモリ621,622,623、SW回路651、
動き補償回路630、任意形状直交変換回路640とか
ら構成される。
【0222】任意形状逆直交変換回路610は、アルフ
ァマップ信号にしたがって再生画像信号を逆変換するも
のであり、変換係数領域での再生値が動き補償予測装置
に与えられると、この再生値が当該動き補償予測装置の
構成要素である任意形状逆直交変換回路610に与えら
れ、これによって、当該任意形状逆直交変換回路610
は、再生値をアルファマップ信号(alpha-map )に従っ
て再生画像信号に逆変換するものである。このアルファ
マップ信号(alpha-map )は復号化系に設けてある図示
しないアルファマップ復号化装置から与えられる構成で
ある。
【0223】当該任意形状逆直交変換回路610にて逆
変換された再生画像信号は、複数あるフレームメモリ6
21,622,623に蓄積されるが、フレームメモリ
621,622,623のうち、どのフレームメモリに
蓄積するか選択するのがSW回路650である。
【0224】オブジェクト用のフレームメモリが2画面
分用意されているのは、画面に現われるオブジェクトが
2種類ある場合に、それぞれオブジェクト別に画像を保
持するためであり、オブジェクトが2種類以上ある場合
に対処するためにはオブジェクト用のフレームメモリは
その数分、用意してSW回路650で選択できるように
すれば良い。
【0225】SW回路650はアルファマップ信号(al
pha-map )に従ってスイッチを切り替えることにより、
任意形状逆直交変換回路610からの再生画像信号をア
ルファマップ信号(alpha-map )対応にフレームメモリ
621,622,623に振り分けて蓄積させることが
できる。
【0226】SW回路651はアルファマップ信号(al
pha-map )に従ってスイッチを切り替えることにより、
アルファマップ信号(alpha-map )対応にフレームメモ
リ621,622,623を選択してそのメモリに蓄積
されている再生画像信号を読出すものであり、動き補償
回路630は、SW回路651を介してフレームメモリ
621,622,623から読み出された再生画像信号
(参照画像)の中から、動きベクトルで指し示された位
置の画像をブロック単位で切り出して、任意形状直交変
換回路640に供給するものである。
【0227】任意形状直交変換回路640は、フレーム
メモリ621,622,623からSW回路651を介
して読み出された動きベクトル指示位置の画像の再生画
像信号をアルファマップ信号(alpha-map )に基づいて
直交変換することにより、アルファマップ信号(alpha-
map )で示される任意形状の画像の動き補償予測値を直
交変換することができるもので、変換係数領域での動き
補償予測値を求めて出力するものである。
【0228】なお、図8の構成において、任意形状逆直
交変換回路610に与えられるアルファマップは、複数
のオブジェクトおよび背景に対して、該画素がいずれの
オブジェクトに属しているかを特定することが可能であ
るとする。
【0229】このような構成において、変換係数領域で
の再生値が動き補償予測装置に与えられると、この再生
値はアルファマップ信号(alpha-map )で示される任意
形状の画像部分が任意形状逆直交変換回路610にて逆
直交変換され、再生画像信号となる。この再生画像信号
は、アルファマップ信号にしたがって、SW回路650
により各々のオブジェクトおよび背景のフレームメモリ
621,622,623に蓄積する。
【0230】この蓄積された信号はアルファマップ信号
にしたがって、SW回路651により順次選択されて読
み出され、動き補償回路630に与えられ、動き補償予
測値が求められる。
【0231】このように、動き補償回路630において
動き補償予測値を求める際には、アルファマップ信号に
したがって、SW回路651により各々のフレームメモ
リに蓄積されている参照画像より動き補償予測値を作成
する。これにより、オブジェクト同士の重なりにより隠
ぺいされた領域の符号化効率が向上する。
【0232】動き補償回路630において求められた動
き補償予測値は、任意形状直交変換回路640に送ら
れ、ここでアルファマップ信号(alpha-map )に基づい
て直交変換することにより、アルファマップ信号(alph
a-map )で示される任意形状の画像の動き補償予測値の
直交変換係数が得られることになる。
【0233】このように、この例においては、動き補償
回路630において動き補償予測値を求める際に、アル
ファマップ信号にしたがってオブジェクトと背景別に画
像を蓄積したフレームメモリに蓄積された画像より、そ
れぞれの動き補償予測値を作成するようにした。これに
より、オブジェクト同士の重なりにより隠ぺいされた領
域の符号化効率が向上する。
【0234】《量子化器および逆量子化器の構成例》次
に、図2および、図9乃至図11を用いて、第1の具体
例および第2の具体例における量子化器130,131
および逆量子化器170,171,172,173の別
の構成例を説明する。
【0235】図9および図10の量子化マトリクスは、
MPEG2のテストモデルであるTM5に記載されてい
るものである。ここでは、8×8個の変換係数に対して
水平方向(h)と垂直方向(v)の2次元マトリクスで
表記している。
【0236】次式は、図9、図10の量子化マトリクス
を用いた量子化および逆量子化の例である。
【0237】 量子化: level(v,h) = sign(coef(v,h))*|coef(v,h)|*16/w(v,h)/(2*Q_scale); …(1) 逆量子化: coef'(v,h) = sign(level(v,h))(2*|level(v,h)|*w(v,h)/16+1)*Q_scale; …(2) ここで、 coef(v,h): 変換係数, level(v,h): 量子化値, coef'
(v,h): 変換係数(再生値) w(v,h):量子化マトリクス, Q_scale:量子化スケール である。
【0238】本例は、変換係数毎に量子化ステップサイ
ズの重みを変えるための量子化マトリクスに関するもの
である。SNRスケーラビリティでは、ベースレイヤに
比べてエンハンスメントレイヤの量子化が細かく行われ
る。
【0239】従って、ベースレイヤでは、図9,図10
のような量子化マトリクスを用い、低域の変換係数を細
かく量子化し、高域の係数を粗く量子化することで、量
子化ステップサイズを一定にして符号化した場合と同じ
符号化レートで符号化した場合に主観的な評価が高くな
うことが多い。また、量子化回路において、センターデ
ッドゾーンを大きくすることで、0の発生確率を高くし
た方が符号化効率が高くなり、低いレートでの再生画質
が向上する。
【0240】一方、エンハンスメントレイヤでも、高域
の変換係数を粗く量子化すると、細かなテクスチャが再
現されず、視覚的な劣化が生じ、高域の変換係数での帰
還量子化雑音の影響も増加する。
【0241】そこで、エンハンスメントレイヤではベー
スレイヤの量子化値BQ が“0”でない変換係数にのみ
量子化マトリクスを用いる。図11は、図2の例に対し
て得られた量子化マトリクスの例である。これにより、
エンハンスメントレイヤでは、動き補償予測誤差の大き
な変換係数の量子化誤差が大きくなるが、変化の大きな
所での量子化誤差は視覚特性のマスキング効果により、
目だたないため、視覚的な劣化は少ない。
【0242】次に、図2と図12、図13を用いて、第
1の具体例および第2の具体例において、量子化された
変換係数を可変長符号化する際に行われる、1次元系列
への変換の例を説明する。この1次元系列への変換は、
一般に図12に示されるジグザグスキャンと呼ばれる変
換法が用いられる。
【0243】図12は水平方向(h)と垂直方向(v)
各々8個に分けた2次元マトリクスであるが、図12で
は、8×8個の変換係数を、升目内に付された番号が若
い順に並べることで低域の変換係数が先に、高域の変換
係数が後に並ぶことになる。従って、量子化値は順序が
後になるほど“0”になる確率が高くなり、0ランの数
と0ランの後の量子化値との組み合わせ事象を可変長符
号化する際に符号化効率が高くなる。これは、低域の変
換係数の方が電力が大きいという性質を利用したもので
ある。
【0244】そこで、本例では、エンハンスレイヤにお
けるスキャン順序を、ベースレイヤの量子化値BQ が
“0”でない位置の変換係数を、BQ が“0”となる位
置の変換係数よりも先に並べ、各々をジグザグスキャン
の順序の若い順に並べている。
【0245】これは、BQ が“0”となる位置の変換係
数は、エンハンスメントレイヤの動き補償予測誤差信号
であり、BQ が“0”でない位置の変換係数は、ベース
レイヤの量子化誤差であるため、両者の統計的性質が異
なるものとの仮定に基づいている。図13は、図2で示
した例に対するスキャン順序である。図13における升
目内に振られた番号の順がスキャン順序である。
【0246】上記の例では、変換基底がブロック間でオ
ーバラップしていない例を示した。一方、文献:“如澤
他,動き補償フィルタバンク構造を用いた画像符号化,
PCSJ92,8-5,1992 ”では、基底がオーバラップしている
場合でも変換後差分構成を取ることで符号化効率の低下
の少ない動き補償フィルタバンク構造を用いた符号化法
を提案している。
【0247】本発明のように直交変換係数領域での予測
符号化装置(変換後差分構成)には、上記文献の考え方
が適用できるので、動き補償フィルタバンク構造を、上
記の例に適用しても良い。
【0248】以上の第2の具体例は、動画像の画面を所
定画素数(N×N)のマトリックスに分割して直交変換
することにより、空間周波数の帯域別に分けた変換係数
を得、この得たN×N個の変換係数毎に変換係数の領域
で、上位および下位の階層別に動き補償を行う動画像の
符号化において、アルファマップ情報を用いて注目領域
の画像についての動き補償を行うと共に、当該動き補償
を行う際に、下位階層(ベースレイヤ)についての既に
復号済みの量子化値に基づいて動き補償予測の当り外れ
を判定し、動き補償予測が当っている場合は上位階層
(エンハンスメントレイヤ)用に求めた符号化歪みの少
ない動き補償予測値を用い、動き補償予測が外れている
場合は下位階層(ベースレイヤ)用に求めたエンハンス
メントレイヤ用より符号化歪みの多い動き補償予測値を
用いて上位階層の符号化を行うようにしたものであり、
これにより、動き補償予測の外れた係数に対する符号化
効率を改善して符号化効率の低下の少ない符号化を可能
にする符号化方式を実現することができるようになる。
【0249】従って、背景とオブジェクトを分離して符
号化する任意形状画像の符号化装置において、解像度と
画質を可変とすることが可能であり、しかも、符号化効
率の良いスケーラブルな符号化装置および復号化装置を
提供できる。
【0250】(第3の具体例)次に、図14を用いて第
3の具体例を説明する。
【0251】図のように、オブジェクトと背景の境界を
含むブロック(実線で囲んだブロック)では、オブジェ
クトと背景とで別々に動きベクトルが検出される。この
際、オブジェクトあるいは背景のいずれかの画素数が少
なくなるために、ノイズの影響が大きくなり動きベクト
ルの信頼性が低下する。
【0252】そこで、境界部のブロックでは、他のブロ
ック(破線のブロック)よりも動きベクトルの検出範囲
を狭めるようにする。
【0253】また、現フレームのオブジェクトは、参照
フレームのやはりオブジェクトの部分から動いてきたも
のであるので、オブジェクトの部分の動きベクトルの探
索範囲を参照フレームのオブジェクトの内部に限定した
方が、動きベクトルの誤検出を削減できる。さらには、
探索範囲を限定することで動きベクトルの探索演算量を
少なくする効果もある。背景についても同様に、背景部
分から動きベクトルを求めるようにする。
【0254】このように、境界部のブロックでは、他の
ブロック(破線のブロック)よりも動きベクトルの検出
範囲を狭めることで、大きな誤差が発生しにくくするこ
とができるようになる。
【0255】(応用例)最後に、本発明の応用例として
本発明の動画像符号化/復号化装置を適用した動画像伝
送システムの実施形態を図15を用いて説明する。
【0256】図15(a)に示すように、このシステム
は、パーソナルコンピュータ(PC)1001に備え付
けられたカメラ1002より入力された動画像信号は、
PC1001に組み込まれた動画像符号化装置によって
符号化される。この動画像符号化装置から出力される符
号化データは、他の音声やデータの情報と多重化された
後、無線機1003により無線で送信され、他の無線機
1004によって受信される。
【0257】無線機1004で受信された信号は、動画
像信号の符号化データおよび音声やデータの情報に分解
される。これらのうち、動画像信号の符号化データはワ
ークステーション(EWS)1005に組み込まれた動
画像復号化装置によって復号され、EWS1005のデ
ィスプレイに表示される。
【0258】一方、EWS1005に備え付けられたカ
メラ1006より入力された動画像信号は、EWS10
06に組み込まれた動画像符号化装置を用いて上記と同
様に符号化される。動画像信号の符号化データは、他の
音声やデータの情報と多重化され、無線機1004によ
り無線で送信され、無線機1003によって受信され
る。無線機1003によって受信された信号は、動画像
信号の符号化データおよび音声やデータの情報に分解さ
れる。これらのうち、動画像信号の符号化データはPC
1001に組み込まれた動画像復号化装置によって復号
され、PC1001のディスプレイに表示される。
【0259】図15(b)は、図15(a)におけるP
C1001およびEWS1005に組み込まれた動画像
符号化装置の、そして、図15(c)は、図15(a)
におけるPC1001およびEWS1005に組み込ま
れた動画像復号化装置の構成を概略的に示すブロック図
である。
【0260】図15(b)に示す動画像符号化装置は、
カメラなどの画像入力部1101からの画像信号を入力
して誤り耐性処理部1103を有する情報源符号化部1
102と、伝送路符号化部1104を有し、情報源符号
化部1101においては予測残差信号の離散コサイン変
換(DCT)と生成されたDCT係数の量子化などが行
われ、伝送路符号化部1104においては可変長符号化
や符号化データの誤り検出および誤り訂正符号化などが
行われる。伝送路符号化部1104から出力される符号
化データは無線機1105に送られ、送信される。情報
源符号化部1101における処理や、伝送路符号化部1
104における可変長符号化処理は、本発明の各具体例
で説明した如きの処理手法を適用する。
【0261】一方、図15(c)に示す動画像復号化装
置は、無線機1201によって受信された符号化データ
を入力して伝送路符号化部1104と逆の処理を行う伝
送路復号化部1202と、伝送路復号化部1201の出
力信号を入力して情報源符号化部1102と逆の処理を
行う誤り耐性処理部1204を有する情報源復号化部1
203を有し、情報源復号化部1203で復号化された
画像はディスプレイなどの画像出力部1025によって
出力される。
【0262】これらでの復号化処理は、本発明の各具体
例で説明した如きの処理手法を適用する。
【0263】
【発明の効果】以上、本発明によれば、大幅な符号化効
率の低下無しに、任意形状画像の画質を多段階に可変と
した、スケーラブル符号化が実現される。また、本発明
によれば、任意形状の画像をDCT処理した際の発生符
号量を少なくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための図であって、本発明の
第1の具体例における符号化装置の構成例を示すブロッ
ク図。
【図2】本発明を説明するための図であって、本発明に
適用する予測値切り換え法を説明する図。
【図3】本発明を説明するための図であって、本発明の
第1の具体例における動き補償予測装置の構成例を示す
ブロック図。
【図4】本発明を説明するための図であって、本発明の
第1の具体例における復号化装置の構成例を示すブロッ
ク図。
【図5】本発明を説明するための図であって、本発明の
第2の具体例における符号化装置の構成例を示すブロッ
ク図。
【図6】本発明を説明するための図であって、本発明の
第2の具体例における動き補償予測装置の構成例を示す
ブロック図。
【図7】本発明を説明するための図であって、本発明の
第2の具体例における復号化装置の構成例を示すブロッ
ク図。
【図8】本発明を説明するための図であって、本発明の
第3の具体例における動き補償予測装置の構成例を示す
ブロック図。
【図9】本発明を説明するための図であって、本発明に
用いる量子化マトリクスの例を示す図。
【図10】本発明を説明するための図であって、本発明
に用いる量子化マトリクスの例を示す図。
【図11】図2の例に対して得られた量子化マトリクス
の例。
【図12】水平方向(h)と垂直方向(v)各々8個に
分けた2次元マトリクスの例。
【図13】図2で示した例に対するスキャン順序を示す
図。
【図14】本発明を説明するための図であって、本発明
の第4の具体例を説明する図。
【図15】本発明による画像符号化装置および画像復号
化装置が適用される画像伝送システムの一例を説明する
ための図。
【図16】MPEG2のSNRスケーラビリティのブロ
ック図。
【図17】MPEG2の空間スケーラビリティのブロッ
ク図。
【図18】アルファマップを説明する図。
【図19】任意形状画像の直交変換を説明する図。
【図20】本発明の第2の具体例における変形例を説明
するための図であって、背景に平均値を配した例を示す
図。
【図21】本発明の第2の具体例における変形例を説明
するための図であって、段差を小さくした例を説明する
ための図。
【図22】本発明の第2の具体例における変形例を説明
するための図であって、ブロック画素値の例を示す図。
【図23】本発明の第2の具体例における変形例を説明
するための図であって、段差を小さくした別の例を説明
するための図。
【図24】本発明の第2の具体例における変形例を説明
するための図であって、ブロック画素値の例を示す図。
【図25】本発明の第2の具体例における変形例として
の符号化装置の例を示すブロック図。
【図26】本発明の第2の具体例における変形例として
の復号化装置の例を示すブロック図。
【符号の説明】
100,240,2017…離散コサイン変換回路(D
CT回路) 101,640…任意形状直交変換回路 110,111,120,121…差分回路 130,131…量子化回路 140,141…可変長符号化回路 142,143…可変長復号化回路 150,151,155…多重化回路 152,153,157…分離化回路 160,161…出力バッファ 162,163…入力バッファ 170,171,172,173…逆量子化回路 180〜182,190〜193…加算回路 200〜203,600〜603…動き補償予測装置。 210,2021…逆離散コサイン変換回路(IDCT
回路) 220,620,621〜623,700…フレームメ
モリ 230,630…動き補償回路 300…セレクタ 310…2値化回路 400,410,420,430…符号化制御回路 500,510…動きベクトル検出回路 610…任意形状逆直交変換回路 650,651…SW回路 2003,2005,2009,2023,2025,
2029…切り替え器 2004,2024…判定器 2006…符号化器 2010…縮小器 2011,2031…平均器 2020…復号器 2030…拡大器。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変換係数領域での動き補償予測が用られる
    変換符号化により符号化された画像を復号化するための
    復号化装置であって、符号化された入力画像とこの入力
    画像中の1つ以上のオブジェクトを識別するためのアル
    ファマップ信号と動き補償予測のための動きベクトル情
    報とを用い、前記アルファマップ信号にしたがって前記
    符号化入力画像の任意形状画像を逆変換することによ
    り、任意形状画像を再生するようにし、その任意形状画
    像の動ベクトル情報より当該任意形状画像の動き補償予
    測を行うようにした動画像復号化装置において、 画像を背景および各オブジェクト別に動き補償予測する
    ために、これら背景および各オブジェクト別に、各々対
    応するフレームメモリを有することを特徴とする動画像
    復号化装置。
  2. 【請求項2】変換係数領域での動き補償予測が用られる
    変換符号化により符号化された画像を復号化するための
    復号化方法であって、符号化された入力画像とこの入力
    画像における画像の背景とオブジェクトを識別するため
    のアルファマップの情報と動き補償予測のための動きベ
    クトル情報とを用い、前記アルファマップの情報にした
    がって前記符号化入力画像の任意形状画像を逆変換する
    ことにより、任意形状画像を再生するようにし、その任
    意形状画像の動ベクトル情報より当該任意形状画像の動
    き補償予測を行うようにした動画像復号化方法におい
    て、 フレームメモリを設けて背景および各オブジェクト各々
    を各別に保持し、動き補償予測値を求める際には、アル
    ファマップの情報にしたがってオブジェクトと背景別に
    画像蓄積したフレームメモリの蓄積画像より、それぞれ
    の動き補償予測を実施することにより、動き補償予測は
    背景および各オブジェクト独立に行うことを特徴とする
    動画像復号化方法。
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